JP2004075864A - 樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、塗料、インク、接着剤、成形品、半導体封止剤、ソルダーレジスト等に有用である樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
アルキルビニルエーテル由来のヘミアセタールエステルは、熱または酸触媒等によってアルキルビニルエーテルに由来する基が容易に脱離するため、化学増幅型レジスト組成物、医薬品の合成中間体、塗料等の用途に有用である。
例えば、特許第3055258号には、アルキルビニルエーテル由来のヘミアセタールエステル構造を有する化合物と該化合物のエステル構造部分と加熱時に反応する反応性基とを有する化合物、および加熱硬化時に触媒活性を示す熱潜在性触媒を必須成分としてなる熱硬化性組成物が開示されている。しかしながら、実施例で開示されているエチルビニルエーテルまたはイソブチルビニルエーテル由来のヘミアセタールエステルは、40℃以上での熱安定性に劣り、長期の貯蔵安定性の点で問題点を有していることから、実用上、満足されるものではない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、貯蔵安定性等に優れる樹脂組成物を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以下の(1)〜(5)を提供する。
(1)一般式(I)
【0005】
【化3】
【0006】
(式中、R1、R2およびR3は、同一または異なって、置換もしくは非置換のアルキル、置換もしくは非置換のアリールまたは置換もしくは非置換のアラルキルを表すか、R1とR2が、隣接する炭素原子と一緒になってシクロアルキルを形成するか、またはR2およびR3が隣接するC−C−Oと一緒になって含酸素複素環を表す)で表される基を有する化合物、およびカルボキシル基と化学結合を形成しうる官能基を有する化合物を含有する樹脂組成物。
(2)一般式(I)で表される基を有する化合物が、一般式(II)
【0007】
【化4】
【0008】
(式中、R1、R2およびR3は、それぞれ前記と同義であり、R4およびR5は、同一または異なって、水素原子または低級アルキルを表す)で表される構造単位を有するビニル系ポリマーである(1)記載の樹脂組成物。
(3)一般式(II)で表される構造単位を有するビニル系ポリマーの重量平均分子量が1,000〜400,000である(2)記載の樹脂組成物。
(4)カルボキシル基と化学結合を形成しうる官能基を有する化合物が、エポキシ基またはオキサゾリニル基を有する化合物である(1)〜(3)のいずれかに記載の樹脂組成物。
(5)熱潜在性酸触媒または光酸発生剤を含有する(1)〜(4)のいずれかに記載の樹脂組成物。
【0009】
以下、一般式(I)で表される基を有する化合物を、化合物(I)と表現することもあり、一般式(II)で表される構造単位を有するビニル系ポリマーをポリマー(II)と表現することもある。また、カルボキシル基と化学結合を形成しうる官能基を有する化合物を化合物Aと表現することもある。
【0010】
【発明の実施の形態】
一般式中の各基の定義において、アルキルは、例えば、直鎖または分枝状の炭素数1〜18のアルキルを表し、具体的には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ドデシル、オクタデシル等があげられるが、中でも、炭素数1〜6のアルキルが好ましく、さらには炭素数1〜3のアルキルがより好ましい。
【0011】
低級アルキルとしては、例えば、直鎖または分枝状の炭素数1〜8のアルキルを表し、具体的には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル等があげられる。
R1とR2が隣接する炭素原子と一緒になって形成するシクロアルキルとしては、例えば、炭素数3〜8のシクロアルキルがあげられ、具体的には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル等があげられる。
【0012】
アリールとしては、例えば、炭素数6〜14のアリールがあげられ、具体的には、フェニル、ナフチル等があげられる。
アラルキルとしては、例えば、炭素数7〜15のアラルキルがあげられ、具体的には、ベンジル、フェネチル、ナフチルメチル、ナフチルエチル等があげられる。
【0013】
R2とR3が隣接するC−C−Oと一緒になって形成する含酸素複素環としては、例えば、5〜8員環のものがあげられ、具体的には、オキソラン環、オキサン環、オキセパン環等があげられる。
アルキルの置換基としては、例えば、アルコキシ、アルカノイル、シアノ、ニトロ、ハロゲン、アルコキシカルボニル等があげられる。
【0014】
アルコキシおよびアルコキシカルボニルのアルキル部分は、前記のアルキルと同義である。
アルカノイルとしては、例えば、直鎖または分枝状の炭素数1〜7のアルカノイルがあげられ、具体的には、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、イソバレリル、ピバロイル、ヘキサノイル、ヘプタノイル等があげられる。
【0015】
ハロゲンとしては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素の各原子があげられる。
アリールおよびアラルキルの置換基としては、例えば、アルキル、アルコキシ、アルカノイル、シアノ、ニトロ、ハロゲン、アルコキシカルボニル等があげられる。ここで、アルキル、アルコキシ、アルカノイル、ハロゲンおよびアルコキシカルボニルは、それぞれ前記と同義である。
【0016】
化合物(I)およびポリマー(II)において、R1、R2およびR3がともにアルキルであるのものが好ましい。
また、ポリマー(II)において、R4が水素原子またはメチルであり、R5が水素原子であるものが好ましい。
(1)化合物(I)について:
化合物(I)は、例えば、対応するアルケニルエーテル(以下、単にアルケニルエーテルと表現することもある)をカルボキシル基を有する化合物と反応させることにより得ることができる。ここでアルケニルエーテルとカルボキシル基を有する化合物との反応では、アルケニルエーテルの重合等の副反応が少なく、高収率で化合物(I)を得ることができる。
【0017】
上記反応の際、カルボキシル基を有する化合物とアルケニルエーテルの当量比(モル比)は、1:0.9〜1:2であるのが好ましく、さらには1:0.9〜1:1.5であるのが好ましく、さらには1:1〜1:1.2であるのがより好ましい。反応温度は、0℃〜150℃の間の温度であるのが好ましく、さらには0℃〜100℃の間の温度であるのが好ましく、さらには0℃〜50℃の間の温度であるのがより好ましい。
【0018】
カルボキシル基を有する化合物とアルケニルエーテルを反応させる際には、酸触媒を使用してもよく、該酸触媒としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸、p−トルエンスルホン酸等の有機酸等があげられ、中でも、p−トルエンスルホン酸が好ましい。該酸触媒は、1種で、または2種以上組み合わせて用いられる。該酸触媒の使用量は、特に限定されないが、原料となるカルボキシル基を有する化合物のカルボキシル基に対して、0.0001〜0.5当量(モル比)であるのが好ましく、0.001〜0.1当量(モル比)であるのがより好ましい。
【0019】
また、カルボキシル基を有する化合物とアルケニルエーテルを反応させる際には、必要に応じて、有機溶媒を使用してもよい。該有機溶媒としては、例えば、ヘキサン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒等があげられ、これらは、1種で、または2種以上混合して用いられる。
【0020】
アルケニルエーテルの具体例としては、例えば、1−メトキシ−2−メチルプロペン、1−エトキシ−2−メチルプロペン、1−プロポキシ−2−メチルプロペン、1−イソプロポキシ−2−メチルプロペン、1−ブトキシ−2−メチルプロペン、1−イソブトキシ−2−メチルプロペン、1−(tert−ブトキシ)−2−メチルプロペン、1−ペンチルオキシ−2−メチルプロペン、1−イソペンチルオキシ−2−メチルプロペン、1−ネオペンチルオキシ−2−メチルプロペン、1−(tert−ペンチルオキシ)−2−メチルプロペン、1−ヘキシルオキシ−2−メチルプロペン、1−イソヘキシルオキシ−2−メチルプロペン、1−(2−エチルヘキシル)−2−メチルプロペン、1−ヘプチルオキシ−2−メチルプロペン、1−オクチルオキシ−2−メチルプロペン、1−ノニルオキシ−2−メチルプロペン、1−デカニルオキシ−2−メチルプロペン、1−ドデカニルオキシ−2−メチルプロペン、1−オクタデカニルオキシ−2−メチルプロペン、1−メトキシ−2−メチル−1−ブテン、1−エトキシ−2−メチル−1−ブテン、1−プロポキシ−2−メチル−1−ブテン、1−イソプロポキシ−2−メチル−1−ブテン、1−ブトキシ−2−メチル−1−ブテン、1−イソブトキシ−2−メチル−1−ブテン、1−(tert−ブトキシ)−2−メチル−1−ブテン、1−ペンチルオキシ−2−メチル−1−ブテン、1−イソペンチルオキシ−2−メチル−1−ブテン、1−ネオペンチルオキシ−2−メチル−1−ブテン、1−(tert−ペンチルオキシ)−2−メチル−1−ブテン、1−ヘキシルオキシ−2−メチル−1−ブテン、1−イソヘキシルオキシ−2−メチル−1−ブテン、1−(2−エチルヘキシル)−2−メチル−1−ブテン、1−ヘプチルオキシ−2−メチル−1−ブテン、1−オクチルオキシ−2−メチル−1−ブテン、1−ノニルオキシ−2−メチル−1−ブテン、1−デカニルオキシ−2−メチル−1−ブテン、1−ドデカニルオキシ−2−メチル−1−ブテン、1−オクタデカニルオキシ−2−メチル−1−ブテン、1−メトキシ−2−エチル−1−ブテン、1−エトキシ−2−エチル−1−ブテン、1−プロポキシ−2−エチル−1−ブテン、1−イソプロポキシ−2−エチル−1−ブテン、1−ブトキシ−2−エチル−1−ブテン、1−イソブトキシ−2−エチル−1−ブテン、1−(tert−ブトキシ)−2−エチル−1−ブテン、1−ペンチルオキシ−2−エチル−1−ブテン、1−イソペンチルオキシ−2−エチル−1−ブテン、1−ネオペンチルオキシ−2−エチル−1−ブテン、1−(tert−ペンチルオキシ)−2−エチル−1−ブテン、1−ヘキシルオキシ−2−エチル−1−ブテン、1−イソヘキシルオキシ−2−エチル−1−ブテン、1−(2−エチルヘキシル)−2−エチル−1−ブテン、1−ヘプチルオキシ−2−エチル−1−ブテン、1−オクチルオキシ−2−エチル−1−ブテン、1−ノニルオキシ−2−エチル−1−ブテン、1−デカニルオキシ−2−エチル−1−ブテン、1−ドデカニルオキシ−2−エチル−1−ブテン、1−オクタデカニルオキシ−2−エチル−1−ブテン、1−(2−メトキシエトキシ)−2−メチルプロペン、1−(2−エトキシエトキシ)−2−メチルプロペン、1−(2−ブトキシエトキシ)−2−メチルプロペン、1−(2−メトキシエトキシ)−2−メチル−1−ブテン、1−(2−エトキシエトキシ)−2−メチル−1−ブテン、1−(2−ブトキシエトキシ)−2−メチル−1−ブテン、1−(2−メトキシエトキシ)−2−エチル−1−ブテン、1−(2−エトキシエトキシ)−2−エチル−1−ブテン、1−(2−ブトキシエトキシ)−2−エチル−1−ブテン等があげられるが、中でも1−プロポキシ−2−メチルプロペンが好ましく使用される。前記のアルケニルエーテルは、1種でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。
【0021】
カルボキシル基を有する化合物としては、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、プロピオール酸、酪酸、イソ酪酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、イソノナン酸、デカン酸、ドデカン酸、ステアリン酸、安息香酸、桂皮酸、2−ナフトエ酸、ニコチン酸、イソニコチン酸、アマニ油脂肪酸、トール油脂肪酸、大豆油脂肪酸、脱水ヒマシ油脂肪酸等のモノカルボン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジ酸、フタル酸、マレイン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸等の多価カルボン酸、乳酸、クエン酸、ヒドロキシピバリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、リンゴ酸等のヒドロキシカルボン酸、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、メサコン酸、マレイン酸、フマル酸等のカルボキシル基を有するビニル系モノマー、前記多価カルボン酸を原料として用いて得られるカルボキシル基を有するポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂等があげられる。
【0022】
また、ポリマー(II)は、一般式(I)で表される基を有するビニル系モノマーを含む原料を、公知の方法(特開平9−59324号公報、特開平7−62190号公報、WO01/23447、特開昭54−110248号公報、特開昭58−20991号公報等)またはそれらの方法に準じて、重合することにより、得ることができる。一般式(I)で表される基を有するビニル系モノマーは、例えば、アルケニルエーテルとカルボキシル基を有するビニル系モノマー(それぞれ、前記で例示したものと同様のものがあげられる)とを前記と同様の方法により、反応させることにより得ることができる。
【0023】
ポリマー(II)は、ホモポリマーであってもコポリマーであってもよく、また、その原料に、一般式(I)で表される基を有しないビニル系モノマーを含んでいてもよい。ここで、一般式(I)で表される基を有しないビニル系モノマーとしては、(メタ)アクリル酸、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等の炭素数1〜18のアルコールと(メタ)アクリル酸を原料として得られる(メタ)アクリル酸アルキルエステル類、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、ジメチルスチレン、ジビニルベンゼン等の芳香族ビニル化合物類、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレート等のグリコールジ(メタ)アクリレート類、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート類、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロヘキシル(メタ)アクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、β−(パーフルオロオクチル)エチル(メタ)アクリレート等のフッ素含有ビニル系モノマー、1−[3−(メタ)アクリロキシプロピル]−1,1,3,3,3−ペンタメチルジシロキサン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリス(トリメチルシロキサン)シラン、AK−5[シリコーンマクロモノマー、東亜合成化学工業(株)製]等のシロキサン含有ビニル系モノマー、ビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルジエトキシシラン等の加水分解性シリル基含有ビニル系モノマー、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、アマニ油脂肪酸、トール油脂肪酸、脱水ひまし油脂肪酸等の多塩基性不飽和カルボン酸またはそれらの一価もしくは多価アルコールのエステル、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートメチルクロライド塩、イソボルニル(メタ)アクリレート、アリルアルコール、アリルアルコールエステル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸グリシジル、マクロモノマーAS−6、AN−6、AA−6、AB−6[東亜合成化学工業(株)製]等の公知のビニル系モノマー等があげられる。前記において、(メタ)アクリル酸は、アクリル酸またはメタクリル酸を表し、他の(メタ)アクリル酸誘導体についても同様である。
【0024】
また、ポリマー(II)の原料の全ビニル系モノマー中に一般式(I)で表される基を有するビニル系モノマーが0.2〜90モル%含まれているのが好ましく、さらには、0.2〜60モル%含まれているのがより好ましい。
ポリマー(II)の重量平均分子量は、1,000〜400,000であるのが好ましく、さらには5,000〜200,000であるのがより好ましい。
(2)化合物Aについて:
化合物Aは、カルボキシル基と化学結合を形成しうる官能基を有する化合物であれば特には限定されないが、エポキシ基またはオキサゾリニル基を有する化合物が好ましく使用される。
【0025】
エポキシ基を有する化合物としては、例えば、p−グリシジルオキシスチレン、p−グリシジルオキシ−α−メチルスチレン、p−(3,4−エポキシシクロヘキシルメチルオキシ)スチレン、p−(3,4−エポキシシクロヘキシルメチルオキシ)−α−メチルスチレン、グリシジル(メタ)アクリレート、グリシジルエチレン、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルエチレン、グリシジルビニルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルビニルエーテル、グリシジルアリルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアリルエーテル等のエポキシ基を有するビニル系モノマー、前記のエポキシ基を有するビニル系モノマー含む原料を重合させて得られるビニル系ポリマー、レゾルシノール、ハイドロキノン、ピロカテコール、ビスフェノールA、ジヒドロキシジフェニルメタン(ビスフェノールF)、ビスフェノールS、テトラブロモビスフェノールA、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルメタン、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ノボラックフェノール、ノボラッククレゾール、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホンまたは前記化合物の水素化もしくはハロゲン化物等のフェノール化合物とエピクロロヒドリンとを反応させて得られるグリシジルエーテル、一般式(III)
【0026】
【化5】
【0027】
[式中、mは0〜40の整数を表し、R6、R8、R9およびR11は同一または異なって、ハロゲン置換もしくは非置換のアリーレン、またはハロゲン置換もしくは非置換のシクロアルキレンを表し、R7およびR10は同一または異なって、メチレン、C(CH3)2、酸素原子、CO、硫黄原子またはSO2を表す]で表される化合物等があげられる。一般式(II)中の各基の定義において、ハロゲン置換アリーレンおよびハロゲン置換シクロアルキレンにおけるハロゲンは、それぞれ前記ハロゲンと同義であり、その置換数は、好ましくは1〜5である。アリーレンとしては、前記アリールから水素原子を1つ除去したもの等があげられ、シクロアルキレンとしては、前記シクロアルキルから水素原子を1つ除去したもの等があげられる。前記のエポキシ基を有する化合物は、単独でまたは2種以上組み合わせて使用することができる。
【0028】
オキサゾリニル基を有する化合物としては、1,2−ビス(2−オキサゾリン−2−イル)エタン、1,4−ビス(2−オキサゾリン−2−イル)ブタン、1,6−ビス(2−オキサゾリン−2−イル)ヘキサン、1,8−ビス(2−オキサゾリン−2−イル)オクタン、1,4−ビス(2−オキサゾリン−2−イル)シクロヘキサン等のアルキレンまたはシクロアルキレンにオキサゾリニル基が結合したオキサゾリニル化合物、1,2−ビス(2−オキサゾリン−2−イル)ベンゼン、1,3−ビス(2−オキサゾリン−2−イル)ベンゼン、1,4−ビス(2−オキサゾリン−2−イル)ベンゼン、1,2−ビス(5−メチル−2−オキサゾリン−2−イル)ベンゼン、1,3−ビス(5−メチル−2−オキサゾリン−2−イル)ベンゼン、1,4−ビス(5−メチル−2−オキサゾリン−2−イル)ベンゼン等の芳香族環に2個のオキサゾリニル基が結合したオキサゾリニル化合物、2,2’−ビス(2−オキサゾリン−2−イル)、2,2’−ビス(4−メチル−2−オキサゾリニル)、2,2’−ビス(5−メチル−2−オキサゾリニル)等のビス(2−オキサゾリニル)化合物、ヒドロキシアルキル−2−オキサゾリニルと多価イソシアナート化合物との反応により得られる多価オキサゾリニル化合物、2−ビニル−2−オキサゾリン−2−イル−ビニル−4−メチル−2−オキサゾリン−2−イル−ビニル−5−メチル−2−オキサゾリン−2−イル−イソプロペニル−2−オキサゾリン−2−イル−イソプロペニル−4−メチル−2−オキサゾリン−2−イル−イソプロペニル−5−エチル−2−オキサゾリニル等を含む原料を重合して得られるホモポリマーまたはコポリマー、CX−RS−1200、CX−RS−3200[いずれも(株)日本触媒製]等の市販されているオキサゾリニル基を有する化合物等があげられる。
【0029】
化合物Aは、カルボキシル基/カルボキシル基と化学結合を形成しうる官能基の比が、99.5/0.5〜1/99となるように使用されるのが好ましく、さらには75/25〜5/95となるように使用されるのが好ましく、60/40〜40/60となるように使用されるのがより好ましい。
(3)本発明の樹脂組成物について:
本発明の樹脂組成物は、化合物(I)と化合物Aを混合することにより得ることができるが、混合の順番、方法等は特に限定されるものではない。
【0030】
また、本発明の樹脂組成物は、熱潜在性酸触媒(60〜200℃で酸を発生する触媒)、光酸発生剤等を含有しているのが好ましい。
熱潜在性酸触媒としては、公知の熱潜在性酸触媒(特開平10−25405号公報等参照)があげられ、例えば、ブレンステッド酸またはルイス酸をルイス塩基で中和した化合物、ルイス酸とブレンステッド酸またはルイス酸とブレンステッド塩とからなる化合物等があげられる。
【0031】
ブレンステッド酸としては、例えば、硫酸、スルホン酸、リン酸、ホウ酸、カルボン酸およびこれらのエステル類等があげられ、中でも、ビス(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸が好ましい。
ルイス酸としては、例えば、三フッ化ホウ素、三塩化アルミニウム、塩化第一チタン、塩化第二チタン、塩化第一鉄、塩化第二鉄、塩化亜鉛、臭化亜鉛、塩化第一スズ、塩化第二スズ、臭化第一スズ、臭化第二スズ、トリアルキルホウ素、トリアルキルアルミニウム、ジアルキルハロゲン化アルミニウム、モノアルキルハロゲン化アルミニウム、ナフテン酸マグネシウム、ナフテン酸カルシウム、ナフテン酸マンガン、ナフテン酸鉄、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸銅、ナフテン酸亜鉛、ナフテン酸ジルコニウム、ナフテン酸鉛、オクチル酸カルシウム、オクチル酸マンガン、オクチル酸鉄、オクチル酸コバルト、オクチル酸亜鉛、オクチル酸ジルコニウム、オクチル酸スズ、オクチル酸鉛、ラウリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸コバルト、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸鉛等があげられる。
【0032】
ブレンステッド酸またはルイス酸を中和するのに使用されるルイス塩基としては、アンモニア、トリエチルアミン、ピリジン、アニリン、モルホリン、N−メチルモルホリン、ピロリジン、N−メチルピロリジン、ピペリジン、N−メチルピペリジン、シクロヘキシルアミン、n−ブチルアミン、ジメチルオキサゾリン、イミダゾール、N−メチルイミダゾール、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、N,N−ジメチルイソプロパノールアミン、N,N−ジエチルイソプロパノールアミン等があげられる。
ブレンステッド塩は、前述したブレンステッド酸を塩基物質で中和した化合物であり、例えば、硫酸、硫酸モノエステル、リン酸、リン酸モノもしくはジエステル、ポリリン酸エステル、ホウ酸モノもしくはジエステル、スルホン酸、カルボン酸、ハロゲノカルボン酸等のブレンステッド酸を、アンモニア、トリエチルアミン、ピリジン、アニリン、モルホリン、N−メチルモルホリン、ピロリジン、N−メチルピロリジン、ピペリジン、N−メチルピペリジン、シクロヘキシルアミン、n−ブチルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、イミダゾール、N−メチルイミダゾール等の各種アミンで中和した化合物、またはトリブチルホスフィン等のトリアルキルホスフィン、トリフェニルホスフィン等のトリアリールホスフィンでブロックした化合物、さらには、酸−塩基ブロック化触媒として市販されているネイキュア2500X、3525、5225(商品名、キングインダストリー社製)等があげられる。
【0033】
熱潜在性酸触媒は、化合物(I)と化合物Aの合計100重量部当たり、0.01〜10重量部使用されるのが好ましく、0.02〜5重量部使用されるのがより好ましい。
光酸発生剤としては、公知の光酸発生剤(特開平6−43633号公報等参照)があげられ、例えば、オニウム塩化合物、スルホン化合物、スルホン酸エステル化合物、スルホンイミド化合物等があげられる。
【0034】
オニウム塩化合物としては、例えば、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフロオロメタンスルホネート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムノナフルオロブタンスルホネート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム−2−トリフルオロメチルベンゼンスルホネート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホン酸等があげられる。
【0035】
スルホン化合物としては、例えば、β−ケトスルホン、β−スルホニルスルホン等があげられる。
スルホン酸エステル化合物としては、例えば、ベンゾイントシレート、ピロガロールトリストリフルオロスルホネート、ピロガロールメタンスルホン酸トリエステル、ニトロベンジル−9,10−ジエトキシアントラセン−2−スルホネート等があげられる。
【0036】
スルホンイミド化合物としては、例えば、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド等があげられる。
光酸発生剤は、化合物(I)と化合物Aの合計100重量部当たり、0.01〜50重量部使用されるのが好ましく、0.02〜25重量部使用されるのがより好ましい。
【0037】
本発明の樹脂組成物は、加熱または光照射により、硬化するが、その詳細な硬化条件は、以下の通りである。
本発明の樹脂組成物中に熱潜在性酸触媒を含む場合、例えば、本発明の樹脂組成物を好ましくは80〜200℃に加熱することにより、該樹脂組成物を硬化させることができる。
【0038】
本発明の樹脂組成物中に光酸発生剤を含む場合、例えば、本発明の樹脂組成物に光を照射させ、好ましくは、80〜200℃に加熱することにより、該樹脂組成物を硬化させることができる。
本発明の樹脂組成物は、必要に応じて、充填剤、可塑剤、チキソトロピー性付与剤、老化防止剤、酸化防止剤、帯電防止剤、接着性付与剤、難燃剤、顔料、分散剤等の添加剤を含有していてもよく、その含有量は、それぞれ0.01〜5重量%であるのが好ましい。
【0039】
また、本発明の樹脂組成物は、必要に応じて、溶剤(例えば、キシレン、トルエン等の芳香族系溶剤、メチルエチルケトン、メチルアミルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、エチレングリコール、プロピレングリコール等)を含有していてもよく、その含有量は、0.1〜80重量%であるのが好ましい。
【0040】
本発明の樹脂組成物は、貯蔵安定性、機械的物性等に優れ、また、塗料、インク、接着剤、成形品、半導体封止剤、ソルダーレジスト等の用途に有用である。
【0041】
【実施例】
参考例における原料の転化率および目的物への選択率は、ガスクロマトグラフィー分析による定量により求めた。該定量においては、島津製作所株式会社製GC−14Aを用い、カラムとしてはヒューレット・パッカード社製INNOWAX(長さ30m、径0.25mm)を用いた。試料のインジェクション温度および検出器温度はいずれも200℃であり、カラム温度を50℃から200℃まで10℃/分で昇温することにより分析を行った。ガスクロマトグラフィー分析後の定量は、絶対検量法により行った。
【0042】
実施例および比較例で製造されたポリマーのポリスチレン換算重量平均分子量は、以下の条件でゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した。
(GPC条件)
カラム: TSKgel G4000Hxl、G2000Hxl、GMHxl[いずれも東ソー(株)製]を直列につないだ。
カラム保持温度: 40℃
移動相: テトラヒドロフラン(流速1.0ml/分)
検出器: RI
標準物質: ポリスチレン
【0043】
実施例で製造されたポリマーの酸価測定は、JIS K0070に準じて実施した。
実施例で製造された樹脂溶液の粘度および試験例でのクリアーニスの粘度は、B8H型回転粘度計(ロータ番号2)により、25℃、回転数50rpmで測定した。
【0044】
参考例1:メタクリル酸1−n−プロポキシ−2−メチルプロピルの製造
メタクリル酸45.7gと1−n−プロポキシ−2−メチルプロペン121.4gを、メタクリル酸に対して0.02モル%のp−トルエンスルホン酸一水和物存在下、室温で、1.5時間反応させた。この際、メタクリル酸の転化率は、99%以上であり、メタクリル酸のメタクリル酸1−n−プロポキシ−2−メチルプロピルへの選択率は、99%以上であった。反応液を1重量%炭酸ナトリウム水溶液で中和した後、分液により得られた油層を減圧濃縮することにより、メタクリル酸1−n−プロポキシ−2−メチルプロピル105gを取得した。
【0045】
参考例2:メタクリル酸1−エトキシエチルの製造
メタクリル酸52.0gとエチルビニルエーテル86.4gを、メタクリル酸に対して0.02モル%のリン酸存在下、室温で、3時間反応させた。この際、メタクリル酸の転化率は、99%以上であり、メタクリル酸1−エトキシエチルへの選択率は99%以上であった。反応液を1重量%炭酸ナトリウム水溶液で中和した後、分液により得られた油層を減圧濃縮することにより、メタクリル酸1−エトキシエチル93.5gを取得した。
【0046】
参考例3:熱潜在性触媒の製造
300mlのフラスコ中に、メチルイソブチルケトン50gと酢酸エチル50gを仕込み、ここにオクチル酸亜鉛40.2g、ビス(2−エチルヘキシル)スルホコハク酸48.2gおよびN−メチルモルホリン11.6gを攪拌しながら混合した。その後、3時間静置し、熱潜在性触媒の50重量%溶液(C−1)を得た。
【0047】
実施例1
滴下装置、攪拌装置、温度計、冷却管および窒素ガス導入管を備えたフラスコ内にメチルエチルケトン(MEK)450gを仕込み、70℃に加熱し、窒素雰囲気下にて攪拌しながら、参考例1で得られたメタクリル酸1−n−プロポキシ−2−メチルプロピル64.2g、スチレン90g、アクリル酸ブチル55.3g、メタクリル酸ブチル227.0gおよびアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)13.5gを均一に溶解したものを滴下装置より2時間かけて滴下した。
滴下終了後、30分毎に3回、AIBN/MEK=0.1g/0.1gの混合溶液を添加して、70℃で3時間熟成し、重合反応を終了した。得られた樹脂溶液は、固形分48重量%、25℃で1.50Pa・s、樹脂酸価0.25、固形分の重量平均分子量51200であった。前記の樹脂溶液208gを取り、ジャパンエポキシレジン社製エピコートE−1001 32.0gおよびMEK24gを添加し、固形分50重量%の樹脂組成物(P−1)を得た。
【0048】
実施例2
ジャパンエポキシレジン社製エピコートE−1001 32.0gの代わりに、(株)日本触媒製CX−RS−3200(固形分50重量%、固形分のオキサゾリン当量550、ここでオキサゾリン当量とはオキサゾリニル基を1モル与えるための分子量のことを意味する)98.2gを使用する以外は、実施例1と同様の操作を行い、固形分45.7重量%の樹脂組成物(P−2)を得た。
比較例1
メタクリル酸1−n−プロポキシ−2−メチルプロピルの代わりに、参考例2で得られたメタクリル酸1−エトキシエチルを使用する以外は、実施例1と同様の操作を行い、固形分50重量%の樹脂組成物(P−3)を得た。樹脂組成物中のポリマーの重量平均分子量は、55200であった。
【0049】
比較例2
ジャパンエポキシレジン社製エピコートE−1001 32.0gの代わりに、(株)日本触媒製エポクロスK−2000(固形分40重量%、固形分のオキサゾリン当量550)137.5gを使用する以外は、比較例1と同様の操作を行い、固形分45.7重量%の樹脂組成物(P−4)を得た。
実施例3、4、比較例3、4
実施例1、2および比較例1、2で得られた樹脂組成物(P−1〜4)に、以下の表1にように、参考例3で得られた熱潜在性触媒の50重量%溶液(C−1)を配合して、クリアーニス(T−1〜4)を得た。
【0050】
【表1】
【0051】
試験例1
実施例3、4、比較例3、4で得られたクリアーニス(T−1〜4)の貯蔵安定性を調べた。また、クリアーニス(T−1〜4)をリン酸亜鉛処理板にドクターブレードにて乾燥膜厚が30ミクロンになるように塗装し、室温で10分間、保持した後、熱風循環型乾燥器にて、140℃、20分間で焼付けを行い塗膜を得た。貯蔵安定性および塗膜の性能評価を、以下の方法で行った。
ゲル分率:塗膜約0.2gを取り、メッシュの袋に入れた後、ソックスレー抽出器を用いてアセトン還流下、8時間洗浄した。その後、減圧乾燥を一晩、実施した後、残存する固形分の重量を測定して、ゲル分率を算出した。
鉛筆硬度:JISK−5400(塗料一般試験法)の手かき法に従い実施した。耐衝撃性試験:JISK−5400(塗料一般試験法)に従い、デュポン式衝撃試験器を用いて500gの重りをかけて塗膜の剥離する高さを測定した。
耐温水性:JISK−5400(塗料一般試験法)に従い、試験片を40℃の温水に120時間浸漬して外観を目視した。
貯蔵安定性:200mlのガラス瓶に150gのクリアーニスを入れ密封した後、50℃で1月間、恒温器で保管した後の粘度を測定し、表2に試験後の粘度の、試験前の粘度に対する上昇率(%)を示した。クリアーニスの粘度の上昇率(%)は、以下の式により算出した。
【0052】
【数1】
【0053】
貯蔵安定性および塗膜の性能の評価結果を表2に示す。
【0054】
【表2】
【0055】
表2より、本発明の樹脂組成物が、貯蔵安定性等に優れていることがわかる。実施例5、6、比較例5、6
実施例1、2および比較例1、2で得られた樹脂組成物(P−1〜4)に、以下の表3にように、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホン酸(TPS−OTf)を配合して、クリアーニス(T−5〜8)を得た。
【0056】
【表3】
【0057】
試験例2
実施例5、6および比較例5、6で得られたクリアーニス(T−5〜8)の貯蔵安定性を調べた。貯蔵安定性は、試験例1と同様の方法により評価した。また、クリアーニス(T−5〜8)をリン酸亜鉛処理板に予めメチルエチルケトンにて固形分10重量%まで下げた後、乾燥膜厚が5ミクロンになるようにディッピング塗装によって塗装し、80℃で1分間、加熱した後に、バリア放電キセノンエキシマーランプ(ウシオ電機社製、20ワットタイプ)にて30秒間照射し、熱風循環型乾燥器にて120℃で10分間、加熱して、塗膜を得た。得られた塗膜を、試験例1と同様の方法により評価した。貯蔵安定性および塗膜の性能の評価結果を表4に示す。
【0058】
【表4】
【0059】
表4より、本発明の樹脂組成物が、貯蔵安定性等に優れていることがわかる。
【0060】
【発明の効果】
本発明により、貯蔵安定性等に優れる樹脂組成物が提供される。
Claims (5)
- 一般式(II)で表される構造単位を有するビニル系ポリマーの重量平均分子量が1,000〜400,000である請求項2記載の樹脂組成物。
- カルボキシル基と化学結合を形成しうる官能基を有する化合物が、エポキシ基またはオキサゾリニル基を有する化合物である請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂組成物。
- 熱潜在性酸触媒または光酸発生剤を含有する請求項1〜4のいずれかに記載の樹脂組成物。
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- 2002-08-20 JP JP2002238712A patent/JP2004075864A/ja active Pending
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