JPH0931292A - 硬化性樹脂組成物 - Google Patents

硬化性樹脂組成物

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JPH0931292A
JPH0931292A JP18945295A JP18945295A JPH0931292A JP H0931292 A JPH0931292 A JP H0931292A JP 18945295 A JP18945295 A JP 18945295A JP 18945295 A JP18945295 A JP 18945295A JP H0931292 A JPH0931292 A JP H0931292A
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JP
Japan
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resin composition
group
compound
cationically polymerizable
oxazoline group
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JP18945295A
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English (en)
Inventor
Nobuhisa Noda
信久 野田
Hironobu Akutagawa
寛信 芥川
Yoshiyuki Yokota
善行 横田
雅也 ▲吉▼田
Masaya Yoshida
Mitsuo Nakasaki
三男 中▲崎▼
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐候性、耐水性、および密着性等の性能に優
れる硬化物を形成することができる硬化性樹脂組成物を
提供する。 【解決手段】 カチオン重合性オキサゾリン基含有化合
物(I)と、その他のカチオン重合性化合物と、カチオ
ン重合開始剤とを含むことで、熱および/または活性エ
ネルギー線により、低温で、しかも短時間で硬化し、耐
候性、耐水性、および密着性等の性能に優れると共に、
耐酸性、耐擦傷性にも優れる硬化物を形成することがで
きる硬化性樹脂組成物を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば保護、ツヤ
出しワニス、インキ、塗料、接着剤、積層板、成型材
料、絶縁材料等に用いられる硬化性樹脂組成物に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば保護、ツヤ出しワニス、イ
ンキ、塗料、接着剤、積層板、成型材料、絶縁材料等に
用いられる硬化性樹脂組成物としては、エポキシ樹脂等
のカチオン重合性化合物と、熱および/または活性エネ
ルギー線によりカチオン重合を開始させるカチオン重合
開始剤とを含む熱硬化性樹脂組成物が知られている。
【0003】このような熱硬化性樹脂組成物として、例
えば、特開昭58−37003号公報、特開昭58−3
7004号公報には、エポキシ樹脂等のカチオン重合性
化合物と、スルホニウム塩型の熱潜在性カチオン重合開
始剤とを含む硬化性樹脂組成物が開示されている。ま
た、特開平4−180951号公報には、脂環式エポキ
シ基を含有する(メタ)アクリル系重合体と、熱潜在性
カチオン重合開始剤とを含む硬化性樹脂組成物が開示さ
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
硬化性樹脂組成物から得られる硬化物は何れも、エポキ
シ基のカチオン重合によって生成するエーテル結合によ
り、耐候性および耐水性の点で、充分に満足できるもの
であるとは言い難い。さらに、これらの連鎖重合型を利
用した硬化系は、その反応性の特性から、大小の差はあ
れ硬化収縮が起こるので、基材との密着性に劣るという
問題点を有している。即ち、本発明の目的は、耐候性、
耐水性、および密着性等の性能に優れる硬化物を形成す
る硬化性樹脂組成物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本願発明者等は、上記従
来の問題点を解決すべく、鋭意検討した結果、カチオン
重合性オキサゾリン基含有化合物(I)と、その他のカ
チオン重合性化合物と、カチオン重合開始剤とを含む硬
化性樹脂組成物、並びに、カチオン重合性オキサゾリン
基およびそれ以外のカチオン重合性官能基を含有するオ
キサゾリン基含有化合物(II)と、カチオン重合開始剤
とを含む硬化性樹脂組成物が、耐候性、耐水性、および
密着性等の性能に優れる硬化物を形成することを見いだ
し、本発明を完成させるに至った。また、上記の各硬化
性樹脂組成物を硬化させることによって得られる硬化物
は、耐酸性および耐擦傷性にも優れていることが判っ
た。
【0006】尚、上記特開昭58−37004号公報に
は、可使時間を延長させるための添加剤として用いるこ
とができる弱塩基性化合物の1種としてオキサゾリン類
が例示されているが、上記公報において、オキサゾリン
類は、重合を禁止させるために用いられており、添加剤
としてではなく、主剤としてのオキサゾリン基含有化合
物の記載はなされていない。
【0007】つまり、カチオン重合性オキサゾリン基含
有化合物(I)、そのなかでも、とりわけ(メタ)アク
リル系重合体と、その他のカチオン重合性化合物と、カ
チオン重合開始剤とを含む硬化性樹脂組成物が、熱およ
び/または活性エネルギー線によって低温で、しかも、
短時間で硬化して、耐候性、耐水性、耐酸性、耐擦傷
性、および密着性等の性能に特に優れる硬化物を形成す
ることができることは未だ知られていない。
【0008】同様に、カチオン重合性オキサゾリン基お
よびそれ以外のカチオン重合性基を含有するオキサゾリ
ン基含有化合物(II)、そのなかでも、とりわけ(メ
タ)アクリル系重合体と、カチオン重合開始剤とを含む
硬化性樹脂組成物が、熱および/または活性エネルギー
線によって低温で、しかも、短時間で硬化して、耐候
性、耐水性、耐酸性、耐擦傷性、および密着性等の性能
に特に優れる硬化物を形成することができることは未だ
知られていない。
【0009】即ち、請求項1の発明にかかる硬化性樹脂
組成物は、上記の課題を解決するために、カチオン重合
性オキサゾリン基含有化合物(I)と、その他のカチオ
ン重合性化合物と、カチオン重合開始剤とを含むことを
特徴としている。
【0010】請求項2の発明にかかる硬化性樹脂組成物
は、上記の課題を解決するために、カチオン重合性オキ
サゾリン基およびそれ以外のカチオン重合性官能基を含
有するオキサゾリン基含有化合物(II)と、カチオン重
合開始剤とを含むことを特徴としている。
【0011】請求項3の発明にかかる硬化性樹脂組成物
は、上記の課題を解決するために、請求項1または2の
発明にかかる硬化性樹脂組成物において、上記オキサゾ
リン基含有化合物が(メタ)アクリル系重合体であるこ
とを特徴としている。
【0012】請求項4の発明にかかる硬化性樹脂組成物
は、上記の課題を解決するために、請求項1または3の
発明にかかる硬化性樹脂組成物において、上記その他の
カチオン重合性化合物が、ビニルエーテル基、エポキシ
基、環状イミノ基、環状エーテル基を含有するカチオン
重合性化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の
カチオン重合性化合物であることを特徴としている。
【0013】請求項5の発明にかかる硬化性樹脂組成物
は、上記の課題を解決するために、請求項1、3または
4の発明にかかる硬化性樹脂組成物において、上記その
他のカチオン重合性化合物が液状であることを特徴とし
ている。
【0014】請求項6の発明にかかる硬化性樹脂組成物
は、上記の課題を解決するために、請求項1、2、3、
4または5の発明にかかる硬化性樹脂組成物において、
上記カチオン重合開始剤が、アンモニウム塩化合物、ス
ルホニウム塩化合物、ホスホニウム塩化合物およびヨー
ドニウム塩化合物からなる群より選ばれる少なくとも1
種の化合物であることを特徴としている。
【0015】上記の構成によれば、硬化性樹脂組成物が
オキサゾリン基含有化合物を含むことで、硬化性樹脂組
成物を硬化させてなる硬化物は、オキサゾリン基のカチ
オン重合によって生成する結合によって、基材との密着
性に優れ、耐候性、耐水性、耐酸性、耐擦傷性の点でも
満足できる水準となる。
【0016】即ち、本発明にかかる硬化性樹脂組成物
は、カチオン重合性オキサゾリン基含有化合物(I)
と、その他のカチオン重合性化合物と、カチオン重合開
始剤とを含むことで、熱および/または活性エネルギー
線により、低温で、しかも短時間で硬化し、密着性、耐
候性、耐水性、耐酸性、耐擦傷性等の性能に優れる硬化
物を形成することができる。
【0017】また、本発明にかかる硬化性樹脂組成物
は、オキサゾリン基含有化合物(II)と、カチオン重合
開始剤とを含むことで、熱および/または活性エネルギ
ー線により、低温で、しかも短時間で硬化し、密着性、
耐候性、耐水性、耐酸性、耐擦傷性等の性能に優れる硬
化物を形成することができる。
【0018】また、上記の各硬化性樹脂組成物は、例え
ば保護、ツヤ出しワニス、インキ、塗料、接着剤、積層
板、成型材料、絶縁材料等の種々の用途に用いることが
できる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の一形態につ
いて詳しく説明する。本発明にかかるカチオン重合性オ
キサゾリン基含有化合物(I)(以下、オキサゾリン基
含有化合物(I)と称する)は、カチオン重合性オキサ
ゾリン基を含有する化合物であれば、特に限定されるも
のではない。上記オキサゾリン基含有化合物(I)とし
ては、カチオン重合性官能基としてオキサゾリン基のみ
を含有するオキサゾリン基含有化合物や、カチオン重合
性オキサゾリン基およびそれ以外のカチオン重合性官能
基を含有するオキサゾリン基含有化合物(II) が挙げら
れる。これらオキサゾリン基含有化合物(I)は、一種
類のみを用いてもよいし、二種類以上を適宜混合して用
いてもよい。
【0020】カチオン重合性官能基としてオキサゾリン
基のみを含有するオキサゾリン基含有化合物としては、
特に限定されるものではないが、例えば、ビス(2−オ
キサゾリン)化合物等が挙げられる。ビス(2−オキサ
ゾリン)化合物としては、具体的には、例えば、2,2'−
ビス(2−オキサゾリン)、2,2'−ビス(4−メチル−
2−オキサゾリン)、2,2'−ビス(5−メチル−2−オ
キサゾリン)、2,2'−ビス(5,5'−ジメチル−2−オキ
サゾリン)、2,2'−ビス(4,4,4',4' −テトラメチル−
2−オキサゾリン)、1,2 −ビス(2−オキサゾリン−
2−イル)エタン、1,4 −ビス(2−オキサゾリン−2
−イル)ブタン、1,6 −ビス(2−オキサゾリン−2−
イル)ヘキサン、1,8 −ビス(2−オキサゾリン−2−
イル)オクタン、1,4 −ビス(2−オキサゾリン−2−
イル)シクロヘキサン、1,2 −ビス(2−オキサゾリン
−2−イル)ベンゼン、1,3 −ビス(2−オキサゾリン
−2−イル)ベンゼン、1,4 −ビス(2−オキサゾリン
−2−イル)ベンゼン、1,2 −ビス(5−メチル−2−
オキサゾリン−2−イル)ベンゼン、1,3 −ビス(5−
メチル−2−オキサゾリン−2−イル)ベンゼン、1,4
−ビス(5−メチル−2−オキサゾリン−2−イル)ベ
ンゼン、1,4 −ビス(4,4'−ジメチル−2−オキサゾリ
ン−2−イル)ベンゼン等が挙げられるが、特に限定さ
れるものではない。
【0021】カチオン重合性官能基としてオキサゾリン
基のみを含有するオキサゾリン基含有化合物のなかで
も、オキサゾリン基含有(メタ)アクリル系重合体が、
得られる樹脂組成物の特に硬化性のコントロールや塗装
時の粘度調節を行い易く、また、平滑性、硬度、可撓性
等の塗膜の性能を著しく向上させることができることか
ら好ましい。
【0022】カチオン重合性官能基としてオキサゾリン
基のみを含有するオキサゾリン基含有(メタ)アクリル
系重合体は、一般式
【0023】
【化1】
【0024】(式中、R1 、R2 、R3 、R4 は、それ
ぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、
アラルキル基、フェニル基、置換フェニル基を表し、R
5は付加重合性不飽和結合を有する非環状有機残基を表
す)で表される付加重合性オキサゾリン化合物を単独
で、あるいはオキサゾリン基と反応しない他の単量体と
共重合させることにより、容易に得ることができる。
尚、上記付加重合性オキサゾリン化合物と、他の単量体
とを共重合させるにあたっては、例えば、溶液重合法等
の従来公知の種々の方法を用いることができる。
【0025】上記の付加重合性オキサゾリン化合物とし
ては、特に限定されるものではないが、具体的には、例
えば、2−ビニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−4
−メチル−2−オキサゾリン、2−ビニル−5−メチル
−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2−オキサ
ゾリン、2−イソプロペニル−4−メチル−2−オキサ
ゾリン等が挙げられる。これら付加重合性オキサゾリン
化合物のなかでも、2−イソプロペニル−2−オキサゾ
リンが、工業的に入手し易いので好ましい。また、これ
ら付加重合性オキサゾリン化合物は、一種類のみを用い
てもよく、また、二種類以上を適宜混合して用いてもよ
い。
【0026】上記の付加重合性オキサゾリン化合物と共
重合可能な他の単量体(以下、説明の便宜上、単量体
(III)と称する)としては、具体的には、例えば、2−
ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキ
シプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチ
ル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性(メタ)
アクリレート(例えば、商品名:ブラクセルFM、ダイ
セル化学工業株式会社製)、フタル酸とプロピレングリ
コールとから得られるポリエステルジオールのモノ(メ
タ)アクリレート等の水酸基含有単量体類;スチレン、
ビニルトルエン、α−メチルスチレン、クロロメチルス
チレン、スチレンスルホン酸およびその塩等のスチレン
誘導体類;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メ
タ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、シク
ロヘキシル(メタ)アクリレート等の、(メタ)アクリ
ル酸と炭素数1〜18のアルコールとのエステル化により
合成される(メタ)アクリル酸エステル類;エチレン、
プロピレン、n−ブテン等のオレフィン類;2−スルホ
ン酸エチル(メタ)アクリレートおよびその塩、ビニル
スルホン酸およびその塩等の不飽和スルホン酸類;酢酸
ビニル、プロピオン酸ビニル、ステアリン酸ビニル等の
ビニルエステル類;(メタ)アクリロニトリル;メチル
ビニルエーテル、エチルビニルエーテル、オクチルビニ
ルエーテル、ラウリルビニルエーテル等のビニルエーテ
ル類;(メタ)アクリル酸と、エチレングリコール、1,
3 −ブチレングリコール、ジエチレングリコール、1,6
−ヘキサングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリ
エチレングリコール、ポリプロピレングリコール、トリ
メチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタ
エリスリトール等の多価アルコールとのエステル等の、
分子内に重合性不飽和基を2個以上有する多官能(メ
タ)アクリル酸エステル類等が挙げられるが、特に限定
されるものではない。これら単量体(III)は、一種類の
みを用いてもよく、また、二種類以上を適宜混合して用
いてもよい。
【0027】また、上記重合反応における反応条件は、
上記重合反応が完了するように、適宜設定すればよく、
特に限定されるものではない。
【0028】上記付加重合性オキサゾリン化合物と、単
量体(III)との添加量の割合は、所望するオキサゾリン
基含有化合物(I)であるオキサゾリン基含有(メタ)
アクリル系重合体の各種物性に応じて、適宜設定すれば
よく、特に限定されるものではない。
【0029】上記の重合に用いられる溶媒としては、具
体的には、例えば、トルエン、キシレン、ソルベッソ#
100(エッソ社製)等の芳香族炭化水素類;酢酸エチ
ル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル等の酢酸エステル類;
メチルエチルケトン等のケトン類;プロピレングリコー
ルモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコ
ールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコ
ールモノメチルエーテルアセテート等の、アルキレング
リコールのエーテル類;メチルアルコール、ブチルアル
コール、イソプロピルアルコール、プロピレングリコー
ルモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメ
チルエーテル、エチレングリコール等のアルコール類等
が挙げられるが、上記の反応に対して不活性な溶媒であ
れば、特に限定されるものではない。また、上記の一般
的な有機溶媒の他に、ラジカル重合反応に対して不活性
でかつ液状、低粘度のカチオン重合性化合物も溶媒とし
て用いることができる。このようなカチオン重合性化合
物としては、例えば、エポキシ化合物、ラクトン、環状
エーテル化合物等が挙げられる。これら溶媒は、一種類
のみを用いてもよく、また、二種類以上を適宜混合して
用いてもよい。また、これら溶媒の使用量は、特に限定
されるものではない。
【0030】上記の重合に用いられるラジカル重合開始
剤としては、具体的には、例えば、アゾビス(2−メチ
ル)ブチロニトリル等のアゾ化合物等が挙げられるが、
特に限定されるものではない。上記のラジカル重合開始
剤は、一種類のみを用いてもよく、また、二種類以上を
適宜混合して用いてもよい。また、上記のラジカル重合
開始剤の使用量は、特に限定されるものではない。
【0031】さらに、反応温度並びに反応時間は、特に
限定されるものではなく、付加重合性オキサゾリン化合
物、単量体(III)、溶媒、およびラジカル重合開始剤等
の種類や添加量に応じて、反応が完了するように、適宜
設定すればよい。
【0032】このようにして得られた上記のオキサゾリ
ン基含有(メタ)アクリル系重合体の数平均分子量(M
n)は、500 〜50,000の範囲内が好ましく、1,000 〜1
0,000の範囲内がさらに好ましい。上記数平均分子
量(Mn)が500 より低ければ、強靱な硬化物が得
られないため好ましくない。一方、数平均分子量(M
n)が50,000より高ければ、粘度が高くなりすぎて、得
られる樹脂組成物の作業性が低下するため好ましくな
い。
【0033】また、オキサゾリン基含有化合物(II)と
しては、特に限定されるものではないが、カチオン重合
性オキサゾリン基およびそれ以外のカチオン重合性官能
基を含有するオキサゾリン基含有(メタ)アクリル系重
合体が、得られる樹脂組成物の特に硬化性のコントロー
ルや塗装時の粘度調節を行い易く、また、平滑性、硬
度、可撓性等の塗膜の性能を著しく向上させることがで
きることから好ましい。
【0034】上記のオキサゾリン基含有化合物(II)で
あるオキサゾリン基含有(メタ)アクリル系重合体は、
前記付加重合性オキサゾリン化合物と、オキサゾリン基
以外のカチオン重合性官能基を含有する単量体(以下、
単量体(IV) と称する)とを共重合させることにより、
容易に得ることができる。尚、前記付加重合性オキサゾ
リン化合物と、単量体(IV)とを共重合させるにあたっ
ては、例えば、溶液重合法等の従来公知の種々の方法を
用いることができる。
【0035】単量体(IV)としては、具体的には、例え
ば、グリシジル(メタ)アクリレート、2−メチルグリ
シジル(メタ)アクリレート、3,4 −エポキシシクロヘ
キシル(メタ)アクリレート、3,4 −エポキシシクロヘ
キシルメチル化ポリカプロラクトンの(メタ)アクリル
酸エステル等のエポキシ基含有単量体類等が挙げられる
が、特に限定されるものではない。上記単量体(IV)
は、一種類のみを用いてもよいし、二種類以上を適宜混
合して用いてもよい。また、この場合、オキサゾリン基
およびそれ以外のカチオン重合性官能基と反応しない単
量体を併用してもよい。このような単量体としては、特
に限定されるものではなく、前記例示の単量体(III)と
同様の単量体を用いることができる。
【0036】上記付加重合性オキサゾリン化合物に対す
る単量体(IV)の添加量は、付加重合性オキサゾリン化
合物対単量体(IV)の割合が、1重量部対99重量部〜99
重量部対1重量部の範囲内となるように添加すればよ
く、5重量部対95重量部〜70重量部対30重量部の範囲内
となるように添加することが好ましい。
【0037】また、上記重合反応に用いられる溶媒、ラ
ジカル重合開始剤、反応温度、および反応時間等の反応
条件は、特に限定されるものではなく、カチオン重合性
官能基としてオキサゾリン基のみを含有するオキサゾリ
ン基含有(メタ)アクリル系重合体の製造方法において
例示した反応条件と同様に設定することができる。
【0038】このようにして得られた上記のオキサゾリ
ン基含有化合物(II)であるオキサゾリン基含有(メ
タ)アクリル系重合体の数平均分子量(Mn)は、500
〜50,000の範囲内が好ましく、1,000 〜10,000の範囲内
がさらに好ましい。上記数平均分子量(Mn)が500 よ
り低ければ、強靱な硬化物が得られないため好ましくな
い。一方、数平均分子量(Mn)が50,000より高けれ
ば、粘度が高くなりすぎて、得られる樹脂組成物の作業
性が低下するため好ましくない。
【0039】また、本発明にかかるその他のカチオン重
合性化合物、即ち、カチオン重合性官能基としてオキサ
ゾリン基以外の官能基を含有する化合物としては、例え
ば、ビニルエーテル基、エポキシ基、環状イミノ基、あ
るいは環状エーテル基を有するカチオン重合性化合物等
が挙げられるが、特に限定されるものではない。これら
その他のカチオン重合性化合物は、一種類のみを用いて
もよく、また、二種類以上を適宜混合して用いてもよ
い。
【0040】これらその他のカチオン重合性化合物は、
得られた樹脂組成物を塗料、あるいはコーティング剤と
して用いる場合には、室温で液状であることが好まし
い。これらその他のカチオン重合性化合物が液状である
ことで、その他のカチオン重合性化合物にオキサゾリン
基含有化合物(I)を溶解させて粘稠液とすることがで
きるので、樹脂組成物の作業性がよくなると共に、該オ
キサゾリン基含有化合物(I)およびその他のカチオン
重合性化合物等を溶解させるための溶剤を必要としない
ことから、環境破壊を防止することができる。
【0041】このようなその他のカチオン重合性化合物
としては、具体的には、例えば、ビニルエーテル化合
物、エポキシ化合物、エピスルフィド樹脂、環状エーテ
ル化合物、ラクトン、フェノール/ホルムアルデヒド樹
脂、フェノスピロオルトエステル類等が挙げられるが、
特に限定されるものではない。
【0042】上記その他のカチオン重合性化合物のなか
でも、エポキシ化合物、ビニルエーテルが、低粘度、か
つ、カチオン重合性オキサゾリン基含有化合物との反応
性が良好なことから特に好ましい。
【0043】上記のエポキシ化合物としては、特に限定
されるものではなく、従来公知の芳香族エポキシ化合
物、脂環族エポキシ化合物、脂肪族エポキシ化合物を用
いることができる。
【0044】上記芳香族エポキシ化合物のなかでも、少
なくとも1個の芳香族核を有する多価フェノールまたは
そのアルキレンオキサイド付加体のポリグリシジルエー
テル、および、エポキシノボラック樹脂が特に好まし
い。このようなポリグリシジルエーテルとしては、具体
的には、例えば、ビスフェノールAまたはそのアルキレ
ンオキサイド付加体とエピクロルヒドリンとを反応させ
ることによって得られるグリシジルエーテル等が挙げら
れる。
【0045】また、脂環族エポキシ化合物のなかでも、
少なくとも1個の脂環を有する多価アルコールまたはそ
のアルキレンオキサイド付加体のポリグリシジルエーテ
ル、および、シクロヘキセン環含有化合物またはシクロ
ペンテン環含有化合物を過酸化水素、過酸等の適当な酸
化剤でエポキシ化させることによって得られるシクロヘ
キセンオキサイド含有化合物またはシクロペンテンオキ
サイド含有化合物が特に好ましい。上記のポリグリシジ
ルエーテルとしては、具体的には、例えば、水素添加ビ
スフェノールAまたはそのアルキレンオキサイド付加体
とエピクロルヒドリンとを反応させることによって得ら
れるグリシジルエーテル等が挙げられる。
【0046】また、脂肪族エポキシ化合物のなかでも、
脂肪族多価アルコールまたはそのアルキレンオキサイド
付加体のポリグリシジルエーテル、脂肪族多価アルコー
ルに1種または2種以上のアルキレンオキサイドを添加
することにより得られるポリエーテルポリオールのポリ
グリシジルエーテル、脂肪族高級アルコールのモノグリ
シジルエーテル等が特に好ましい。具体的には、デナコ
ール(商品名;ナガセ化成工業株式会社製、品番EX−
611,612,614,614B,622,651,
651A,512,521,411,421,301,
313,314,321,201,211,212,8
10,811,850,851,821,830,83
2,841,861,911,941,920,92
1,922,931,2000,4000,111,1
21,141,145,146,171,192)等が
挙げられ、これらを希釈剤として配合することができ
る。
【0047】また、ビニルエーテル化合物としては、
ジ、トリ、もしくはテトラ官能性のポリオール、アセチ
レンおよび塩基触媒から、高圧下で公知の方法で製造さ
れるビニルエーテル等が挙げられるが、特に限定される
ものではない。上記ビニルエーテル化合物としては、具
体的には、例えば、トリプロピレングリコールジビニル
エーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、
1,4 −ブタンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサ
ン−1,4 −ジメチロールジビニルエーテル、ビスフェノ
ールAのジビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、
プロペニルエーテルプロピレンカーボネート、ヒドロキ
シブチルビニルエーテル、ポリオール化合物とポリイソ
シアネートとヒドロキシル基含有ビニルエーテル化合物
(例えばヒドロキシブチルビニルエーテル、トリプロピ
レングリコールモノビニルエーテル、テトラエチレング
リコールモノビニルエーテル、次式
【0048】
【化2】
【0049】で表される化合物等)との反応物であるポ
リウレタンポリビニルエーテル等が挙げられる。
【0050】さらに、本発明にかかるカチオン重合開始
剤としては、例えば、加熱によりカチオン重合を開始さ
せる熱カチオン重合開始剤または活性エネルギー線によ
りカチオン重合を開始させる活性エネルギー線カチオン
重合開始剤等が挙げられるが、特に限定されるものでは
ない。
【0051】上記の熱カチオン重合開始剤としては、具
体的には、例えば、ボロントリフルオライドのアミン錯
体類;一般式
【0052】
【化3】
【0053】(式中、R6 、R7 、R8 は、それぞれ独
立して有機残基を表し、X- はBF4 - 、PF6 - 、A
SF6 - 、SbCl6 - 、SbF6 - 、ClO4 - 等の
アニオンを表す)で表されるスルホニウム塩類;一般式
【0054】
【化4】
【0055】(式中、R9 は有機残基を表し、X- はB
4 - 、PF6 - 、ASF6 - 、SbCl6 - 、SbF
6 - 、ClO4 等のアニオンを表し、nは3〜6の整数
を表す)で表される環状構造を有するスルホニウム塩
類;一般式
【0056】
【化5】
【0057】(式中、R10は有機残基を表し、X- はB
4 - 、PF6 - 、ASF6 - 、SbCl6 - 、SbF
6 - 、ClO4 等のアニオンを表す)で表されるピリジ
ニウム塩類;一般式
【0058】
【化6】
【0059】(式中、R11、R12、R13、R14は、それ
ぞれ独立して有機残基を表し、X- はBF4 - 、PF6
- 、ASF6 - 、SbCl6 - 、SbF6 - 、ClO4
等のアニオンを表す)で表される第4級アンモニウム塩
類等の各種のオニウム塩類等が挙げられるが、特に限定
されるものではない。
【0060】また、上記の活性エネルギー線カチオン重
合開始剤としては、具体的には、例えば、一般式
【0061】
【化7】
【0062】(式中、R15、R16、R17は、それぞれ独
立して、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基またはア
ルコキシル基を表し、X- はBF4 - 、PF6 - 、AS
6 - 、SbCl6 - 、SbF6 - 、ClO4 等のアニ
オンを表す)で表されるトリアリールスルホニウム塩
類;一般式
【0063】
【化8】
【0064】(式中、R18、R19は、それぞれ独立し
て、水素原子、ハロゲン原子またはアルキル基を表し、
- はBF4 - 、PF6 - 、ASF6 - 、SbC
6 - 、SbF6 - 、ClO4 等のアニオンを表す)で
表されるジアリールヨードニウム塩類;一般式
【0065】
【化9】
【0066】(式中、R20、R21、R22は、それぞれ独
立して、有機残基を表し、X- はBF4 - 、PF6 -
ASF6 - 、SbCl6 - 、SbF6 - 、ClO4 等の
アニオンを表す)で表されるセレノニウム塩類;一般式
【0067】
【化10】
【0068】(式中、R23、R24、R25、R26は、それ
ぞれ独立して、有機残基を表し、X- はBF4 - 、PF
6 - 、ASF6 - 、SbCl6 - 、SbF6 - 、ClO
4等のアニオンを表す)で表されるホスホニウム塩類等
の各種のオニウム塩類等が挙げられるが、特に限定され
るものではない。
【0069】これらカチオン重合開始剤のなかでも、ア
ンモニウム塩化合物、スルホニウム塩化合物、ホスホニ
ウム塩化合物およびヨードニウム塩化合物が特に好まし
い。尚、これらカチオン重合開始剤は、一種類のみを用
いてもよく、また、二種類以上を適宜混合して用いても
よい。
【0070】本発明にかかる硬化性樹脂組成物(以下、
樹脂組成物(1)と称する)は、上記オキサゾリン基含
有化合物(I)と、その他のカチオン重合性化合物と、
カチオン重合開始剤とを混合することによって、容易に
得ることができる。
【0071】該樹脂組成物(1)を得るには、上記オキ
サゾリン基含有化合物(I)とその他のカチオン重合性
化合物とを、オキサゾリン基含有化合物(I)の固形分
対その他のカチオン重合性化合物の固形分の割合が、80
重量部対20重量部〜1重量部対99重量部の範囲内となる
ように混合することが好ましく、60重量部対40重量部〜
5重量部対95重量部の範囲内となるように混合すること
がさらに好ましい。
【0072】上記オキサゾリン基含有化合物(I)の固
形分の割合が80重量部より多ければ、オキサゾリン基含
有化合物(I)を、その他のカチオン重合性化合物に完
全に溶解させることができないので好ましくない。一
方、上記オキサゾリン基含有化合物(I)の固形分の割
合が1重量部より少なければ、耐候性、耐水性、耐酸
性、耐擦傷性、および密着性等の性能を充分に発揮し得
る硬化物を得ることができないので好ましくない。該樹
脂組成物(1)がオキサゾリン基含有化合物(I)を含
むことで、該樹脂組成物を硬化させてなる硬化物は、オ
キサゾリン基のカチオン重合によって生成する結合によ
って、基材との密着性に優れ、耐候性、耐水性、耐酸
性、耐擦傷性の点でも満足できる水準となる。
【0073】また、カチオン重合開始剤は、オキサゾリ
ン基含有化合物(I)の固形分とその他のカチオン重合
性化合物の固形分との合計量を100 重量部とすると、カ
チオン重合開始剤が0.05重量部〜10重量部の範囲内とな
るように配合することが好ましく、0.2 重量部〜5重量
部の範囲内となるように配合することがさらに好まし
い。
【0074】上記カチオン重合開始剤の配合量が0.05重
量部より少なければ、樹脂組成物(1)を充分に硬化さ
せることができないため好ましくない。一方、上記カチ
オン重合開始剤の配合量が10重量部より多ければ、貯蔵
安定性や耐水性が低下したり、得られる硬化物が着色す
る虞れがあるので、好ましくない。
【0075】また、該樹脂組成物(1)には、必要に応
じて、上記オキサゾリン基含有化合物(I)、その他の
カチオン重合性化合物、およびカチオン重合開始剤以外
の化合物(以下、その他の化合物(V) と称する)を添
加してもよい。上記その他の化合物(V) としては、具
体的には、例えば、有機カルボン酸、酸無水物、ポリオ
ール等が挙げられるが、特に限定されるものではない。
【0076】該樹脂組成物(1)に有機カルボン酸や酸
無水物を配合することで、電気特性等の物性を改良する
ことができる。また、該樹脂組成物(1)にポリオール
を配合することで、得られる塗膜に、ゴム弾性等の物性
を付与することができる。
【0077】上記のポリオールとしては、高分子量のポ
リオールが好ましく、具体的には、例えば、ポリエーテ
ルポリオール、ポリエステルポリオール、カプロラクト
ンポリオール、アクリルポリオール等が挙げられる。
【0078】これらその他の化合物(V) は、一種類の
みを用いてもよく、また、二種類以上を適宜混合して用
いてもよい。また、これらその他の化合物(V) の配合
量は、特に限定されるものではなく、該樹脂組成物
(1)が有する各種物性を損なわない範囲内において、
適宜設定すればよい。
【0079】さらに、該樹脂組成物(1)には、用途に
応じて、慣用の他の添加剤を添加してもよい。該樹脂組
成物(1)は、例えば、保護、ツヤ出しワニス、イン
キ、塗料、接着剤、積層板、成型材料、絶縁材料等の種
々の用途に用いることができる。このため、該樹脂組成
物(1)を例えば塗料として用いる場合には、希釈のた
めの溶媒、着色顔料、紫外線吸収剤、表面調節剤、およ
び、その他の塗料用の添加剤を添加することができる。
【0080】上記の溶媒としては、特に限定されるもの
ではなく、オキサゾリン基含有化合物(I)の製造方法
において前記した溶媒を用いることができる。
【0081】上記の紫外線吸収剤としては、特に限定さ
れるものではなく、例えば、2−(2' −ヒドロキシフ
ェノール)ベンゾトリアゾール誘導体、2−ヒドロキシ
ベンゾフェノン類等の従来公知の紫外線吸収剤を用いる
ことができる。尚、上記各種添加剤の添加量は、特に限
定されるものではない。
【0082】また、本発明にかかる硬化性樹脂組成物
(以下、樹脂組成物(2)と称する)は、前記オキサゾ
リン基含有化合物(II)と前記カチオン重合開始剤とを
混合することによって、容易に得ることができる。
【0083】上記オキサゾリン基含有化合物(II)に対
するカチオン重合開始剤の配合量としては、オキサゾリ
ン基含有化合物(II)の固形分100 重量部に対して、カ
チオン重合開始剤が0.05重量部〜10重量部の範囲内とな
るように配合することが好ましく、0.2 重量部〜5重量
部の範囲内となるように配合することがさらに好まし
い。
【0084】上記カチオン重合開始剤の配合量が0.05重
量部より少なければ、組成物を充分に硬化させることが
できないため好ましくない。一方、上記カチオン重合開
始剤の配合量が10重量部より多ければ、貯蔵安定性や耐
水性が低下したり、得られる硬化物が着色する虞れがあ
るので、好ましくない。
【0085】また、該樹脂組成物(2)には、必要に応
じて、前記その他の化合物(V) を、該樹脂組成物
(2)が有する各種物性を損なわない範囲内において添
加してもよい。
【0086】さらに、該樹脂組成物(2)には、用途に
応じて、前記例示の、慣用の他の添加剤を添加してもよ
い。尚、上記添加剤の添加量は、特に限定されるもので
はない。
【0087】このようにして得られた各樹脂組成物
(1)・(2)の硬化方法としては、特に限定されるも
のではなく、用いるカチオン重合開始剤の種類に応じ
て、個々別々の適当な方法(例えば、カチオン重合開始
剤として例えば熱カチオン重合開始剤を用いた場合には
加熱する方法、活性エネルギー線カチオン重合開始剤を
用いた場合には活性エネルギー線を照射する方法)を採
用してもよいし、加熱と活性エネルギー線照射とを併用
する方法を用いてもよい。尚、活性エネルギー線として
は、特に限定されるものではないが、具体的には、例え
ば、紫外線、電子線、またはX線等が挙げられる。
【0088】本発明にかかる樹脂組成物(1)・(2)
は、熱および/または活性エネルギー線によって、低温
で、しかも、短時間で硬化して、耐候性、耐水性、耐酸
性、耐擦傷性、密着性等の物性に優れる硬化物を得るこ
とができる。
【0089】
【実施例】以下、実施例および比較例により、本発明を
さらに具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら
限定されるものではない。尚、以下の実施例および比較
例において、部または%は、特に断りのない限り、重量
部、重量%を示す。
【0090】また、樹脂組成物を得る際には、オキサゾ
リン基含有化合物、その他のカチオン重合性化合物、お
よびカチオン重合開始剤等を配合した後、さらに、粘度
を調整するために、必要に応じてトルエン/酢酸ブチル
=7/3(重量比)である混合溶剤を用いて希釈するこ
とによって、目的とする樹脂組成物を得た。
【0091】また、樹脂組成物を硬化してなる塗膜の物
性は、次のようにして測定した。密着性は、いわゆる碁
盤目テープ剥離試験を行って評価した。即ち、先ず、索
地上の10mm四方の塗膜に縦横各1mm間隔で切れ目を入れ
ることにより、 100個の小片(碁盤目)に分割した。次
いで、該小片にセロファンテープを圧着した後、上記セ
ロファンテープを勢いよく索地から剥離し、この剥離動
作によって索地から剥離した上記小片の個数を調べた。
この結果を、「剥離しなかった小片の個数/分割した小
片の個数(100 )」で表す。
【0092】また、耐水性を評価するために、40℃の温
水に10日間浸漬した後の塗膜表面の状態を目視により確
認した。このとき、塗膜表面の状態が、初期状態と比べ
て変化が無かったものを( ○ )とし、少し艶引けしたも
のを( △ )とし、全面にブリスターが生じたものを( ×
)とした。
【0093】耐候性は、サンシャインウェザーメーター
(スガ試験機株式会社製)を用いて、2000時間後の光沢
保持率を測定することで評価した。
【0094】また、耐酸性を評価するために、40%硫酸
水溶液をスポットし、50℃で2時間放置後の塗膜表面の
状態を目視により確認した。このとき、塗膜表面の状態
が、初期状態と比べて変化が無かったものを( ○ )と
し、少し跡が付いたものを( △)とし、強く跡が付いた
ものを( × )とした。
【0095】耐擦傷性は、先ず、5%濃度となるように
水に分散させたクレンザー水溶液をしみ込ませたフェル
トを、 200g/cm2 の荷重をかけながら塗膜に押し当
て、往復50回のラビングを行った後の光沢保持率を測定
することで評価した。尚、上記光沢保持率は、ラビング
後の塗膜の光沢値を初期の光沢値で除した商を 100倍す
ることによって求めた。また、この光沢保持率が大きい
ほど耐擦傷性に優れていることを示す。
【0096】先ず、オキサゾリン基含有(メタ)アクリ
ル系重合体、並びに、脂環式エポキシ基含有(メタ)ア
クリル系重合体の製造例について以下に示す。
【0097】〔製造例1〕滴下ロート、温度計、攪拌
機、冷却管、窒素ガス導入管を取り付けた4つ口フラス
コに、キシレン 100部を仕込み、 140℃に昇温した。
【0098】一方、付加重合性オキサゾリン化合物であ
る2−イソペニル−2−オキサゾリン20.0部、その他の
単量体(III)である2−ヒドロキシエチルメタクリレー
ト15.0部、スチレン20.0部、ブチルアクリレート15.0
部、メチルメタクリレート30.0部、ラジカル重合開始剤
としてのアゾビス(2−メチル)ブチロニトリル10.0
部、および溶媒としてのキシレン 100.0部を混合して、
混合物(以下、説明の便宜上、混合物(M1)と称す)
を得た。
【0099】次いで、上記の4つ口フラスコに、窒素ガ
スを吹き込みながら、混合物(M1)を4時間かけて滴
下した。その後、この反応溶液を 140℃に保ちながら2
時間保持して反応させた後、室温まで冷却して、オキサ
ゾリン基含有化合物(I)であるオキサゾリン基含有
(メタ)アクリル系重合体溶液を得た。
【0100】得られたオキサゾリン基含有(メタ)アク
リル系重合体溶液は無色透明の粘稠液であり、所定の方
法を用いて測定した不揮発分は50%、数平均分子量(M
n)は 2,000であった。配合量と、不揮発分と数平均分
子量(Mn)とをまとめて表1に示す。
【0101】次に、上記オキサゾリン基含有(メタ)ア
クリル系重合体溶液をn−ヘキサン中で再沈殿させ、減
圧乾燥し、固体として取り出し、粉砕して試料(以下、
説明の便宜上、オキサゾリン基含有化合物(I−1)と
称す)とした。
【0102】〔製造例2〕製造例1において、混合物
(M1)の代わりに、2−イソペニル−2−オキサゾリ
ン10.0部、ブチルアクリレート35.0部、メチルメタクリ
レート55.0部、アゾビス(2−メチル)ブチロニトリル
1.0部、およびキシレン 100.0部からなる混合物(以
下、説明の便宜上、混合物(M2)と称する)を用いた
以外は、製造例1と同様の反応・操作を行って、オキサ
ゾリン基含有化合物(I)であるオキサゾリン基含有
(メタ)アクリル系重合体溶液を得た。
【0103】得られたオキサゾリン基含有(メタ)アク
リル系重合体溶液は無色透明の粘稠液であり、不揮発分
は50.0%、数平均分子量(Mn)は 8,200であった。配
合量と不揮発分と数平均分子量(Mn)とをまとめて表
1に示す。
【0104】次に、上記オキサゾリン基含有(メタ)ア
クリル系重合体溶液をn−ヘキサン中で再沈殿させ、減
圧乾燥し、固体として取り出し、粉砕して試料(以下、
説明の便宜上、オキサゾリン基含有化合物(I−2)と
称す)とした。
【0105】〔製造例3〕製造例1において、混合物
(M1)の代わりに、2−イソペニル−2−オキサゾリ
ン20.0部、スチレン35.0部、ブチルアクリレート 5.0
部、メチルメタクリレート40.0部、アゾビス(2−メチ
ル)ブチロニトリル10.0部、およびキシレン 100.0部か
らなる混合物(以下、説明の便宜上、混合物(M3)と
称する)を用いた以外は、製造例1と同様の反応・操作
を行って、オキサゾリン基含有化合物(I)であるオキ
サゾリン基含有(メタ)アクリル系重合体溶液を得た。
【0106】得られたオキサゾリン基含有(メタ)アク
リル系重合体溶液は無色透明の粘稠液であり、不揮発分
は50.1%、数平均分子量(Mn)は 2,200であった。配
合量と不揮発分と数平均分子量(Mn)とをまとめて表
1に示す。
【0107】次に、上記オキサゾリン基含有(メタ)ア
クリル系重合体溶液をn−ヘキサン中で再沈殿させ、減
圧乾燥し、固体として取り出し、粉砕して試料(以下、
説明の便宜上、オキサゾリン基含有化合物(I−3)と
称す)とした。
【0108】〔製造例4〕製造例1において、混合物
(M1)の代わりに、2−イソペニル−2−オキサゾリ
ン20.0部、単量体(IV)としての3,4 −エポキシシクロ
ヘキシルメチルメタクリレート(脂環式エポキシ単量
体、ダイセル化学工業株式会社製:以下、M−100と
記す)10.0部、スチレン30.0部、ブチルアクリレート1
0.0部、メチルメタクリレート30.0部、アゾビス(2−
メチル)ブチロニトリル2.0部、およびキシレン 100.0
部からなる混合物(以下、説明の便宜上、混合物(M
4)と称する)を用いた以外は、製造例1と同様の反応
・操作を行って、オキサゾリン基含有化合物(II)であ
るオキサゾリン基含有(メタ)アクリル系重合体溶液
を、試料(以下、説明の便宜上、オキサゾリン基含有化
合物(II−1)と称す)として得た。
【0109】得られたオキサゾリン基含有化合物(II−
1)は無色透明の粘稠液であり、不揮発分は50.2%、数
平均分子量(Mn)は 6,500であった。配合量と不揮発
分と数平均分子量(Mn)とをまとめて表1に示す。
【0110】〔製造例5〕製造例1において、混合物
(M1)の代わりに、脂環式エポキシ単量体であるM−
10035.4部、スチレン35.0部、ブチルアクリレート
0.9部、メチルメタクリレート28.7部、アゾビス(2−
メチル)ブチロニトリル10.0部、およびキシレン 100.0
部からなる混合物(以下、説明の便宜上、混合物(M
5)と称する)を用いた以外は、製造例1と同様の反応
・操作を行って、その他のカチオン重合性化合物である
脂環式エポキシ基含有(メタ)アクリル系重合体溶液を
試料として得た。
【0111】得られた脂環式エポキシ基含有(メタ)ア
クリル系重合体溶液は無色透明の粘稠液であり、不揮発
分は50.3%、数平均分子量(Mn)は 2,400であった。
配合量と不揮発分と数平均分子量(Mn)とをまとめて
表1に示す。
【0112】次に、上記脂環式エポキシ基含有(メタ)
アクリル系重合体溶液をn−ヘキサン中で再沈殿させ、
減圧乾燥し、固体として取り出し、粉砕して試料(以
下、説明の便宜上、エポキシ基含有化合物(A)と称
す)とした。
【0113】
【表1】
【0114】〔実施例1〕先ず、製造例1で得られたオ
キサゾリン基含有化合物(I−1)50.0部、その他のカ
チオン重合性化合物としての「セロキサイド2021」
(脂環式エポキシ化合物、ダイセル化学工業株式会社
製:以下、エポキシ基含有化合物(B)と記す)50.0
部、および、カチオン重合開始剤としての「サンエイド
SI100L」( スルホニウム塩化合物、三新化学工業
株式会社製:以下、開始剤(a)と記す) 1.0部を混合
した後、粘度を調整して、樹脂組成物(1)としての樹
脂組成物を得た。
【0115】一方、アクリルウレタン系の白色塗料を軟
鋼板上に塗布し、所定の方法を用いて硬化させることに
よって、白色塗膜を得た。
【0116】次いで、この白色塗膜上に、上記樹脂組成
物を、アプリケーターを用いて、乾燥塗膜が15μmとな
るように塗装した。
【0117】その後、該樹脂組成物を、熱風乾燥機を用
いて、 140℃で30分間加熱して硬化させることによっ
て、塗膜を得た。得られた塗膜の性能(密着性、耐水
性、耐候性、耐酸性、および耐擦傷性)について、前述
した方法を用いて評価した。上記樹脂組成物におけるオ
キサゾリン基含有化合物、その他のカチオン重合性化合
物、およびカチオン重合開始剤の配合量と、上記の性能
について評価した結果とをあわせて表2に示す。
【0118】〔実施例2〕実施例1において、オキサゾ
リン基含有化合物(I−1)の代わりに、製造例2で得
られたオキサゾリン基含有化合物(I−2)50.0部を用
い、エポキシ基含有化合物(B)の代わりに、その他の
カチオン重合性化合物としての「デナコールEX32
1」(脂肪族エポキシ化合物、ナガセ化成工業株式会社
製:以下、エポキシ基含有化合物(C)と記す)50.0部
を用いた以外は実施例1と同様の方法を用いて樹脂組成
物(1)としての樹脂組成物を得た。
【0119】次いで、この樹脂組成物を用いて、実施例
1と同様の操作を行って塗膜を得た。得られた塗膜の性
能について、前述した方法を用いて評価した。上記樹脂
組成物におけるオキサゾリン基含有化合物、その他のカ
チオン重合性化合物、およびカチオン重合開始剤の配合
量と、上記の性能について評価した結果とをあわせて表
2に示す。
【0120】〔実施例3〕実施例1において、エポキシ
基含有化合物(B)の配合量を50.0部から30.0部に変更
し、さらに、その他のカチオン重合性化合物としてのε
−カプロラクトン20.0部を用いた以外は、実施例1と同
様の方法を用いて樹脂組成物(1)としての樹脂組成物
を得た。
【0121】次いで、この樹脂組成物を用いて、実施例
1と同様の操作を行って塗膜を得た。得られた塗膜の性
能について、前述した方法を用いて評価した。上記樹脂
組成物におけるオキサゾリン基含有化合物、その他のカ
チオン重合性化合物、およびカチオン重合開始剤の配合
量と、上記の性能について評価した結果とをあわせて表
2に示す。
【0122】〔実施例4〕先ず、製造例4で得られたオ
キサゾリン基含有化合物(II−1)200.0 部、および、
カチオン重合開始剤としての「アデカCP−66」( ス
ルホニウム塩化合物、旭電化工業株式会社製:以下、開
始剤(b)と記す) 1.0部を混合した後、粘度を調整し
て、樹脂組成物(2)としての樹脂組成物を得た。
【0123】次いで、この樹脂組成物を用いて、実施例
1と同様の操作を行って塗膜を得た。得られた塗膜の性
能について、前述した方法を用いて評価した。上記樹脂
組成物におけるオキサゾリン基含有化合物およびカチオ
ン重合開始剤の配合量と、上記の性能について評価した
結果とをあわせて表2に示す。
【0124】〔実施例5〕先ず、製造例3で得られたオ
キサゾリン基含有化合物(I−3)50.0部、エポキシ基
含有化合物(B)20.0部、「RAPI−CURE DV
E−3」(ビニルエーテル化合物、アイエスピー・ジャ
パン株式会社製:以下、ビニルエーテル(D)と記す)
30.0部、カチオン重合開始剤としてのトリフェニルスル
ホニウムヘキサフルオロホスフェート(スルホニウム塩
化合物:以下、開始剤(c)と記す) 1.5部を混合した
後、粘度を調整して、樹脂組成物(1)としての樹脂組
成物を得た。
【0125】次いで、この樹脂組成物を、実施例1と同
様の方法を用いて得られた白色塗膜上に、アプリケータ
ーを用いて、乾燥塗膜が15μmとなるように塗装した。
【0126】その後、中圧水銀灯を用いて照射エネルギ
ーが 400mJ/cm2 となるようにUV(紫外線)照射
を行った後、室温にて10日間放置して硬化させることに
よって、塗膜を得た。得られた塗膜の性能について、前
述した方法を用いて評価した。上記樹脂組成物における
カチオン重合性オキサゾリン基含有化合物、その他のカ
チオン重合性化合物、およびカチオン重合開始剤の配合
量と、上記の性能について評価した結果とをあわせて表
2に示す。
【0127】〔実施例6〕先ず、オキサゾリン基含有化
合物(I−3)50.0部、ビニルエーテル(D)50.0部、
および開始剤(c) 1.5部を混合した後、粘度を調整し
て、樹脂組成物(1)としての樹脂組成物を得た。
【0128】次いで、この樹脂組成物を用いて、実施例
5と同様の操作を行って塗膜を得た。得られた塗膜の性
能について、前述した方法を用いて評価した。上記樹脂
組成物におけるオキサゾリン基含有化合物、その他のカ
チオン重合性化合物、およびカチオン重合開始剤の配合
量と、上記の性能について評価した結果とをあわせて表
2に示す。
【0129】〔実施例7〕実施例6において、オキサゾ
リン基含有化合物(I−3)の代わりに、オキサゾリン
基含有化合物(I)としての2,2'−(1,3 −フェニレ
ン)ビス(2−オキサゾリン)(武田薬品工業株式会社
製:以下、説明の便宜上、オキサゾリン基含有化合物
(I−4)と称する)50.0部を用いた以外は、実施例6
と同様の方法を用いて樹脂組成物(1)としての樹脂組
成物を得た。
【0130】次いで、この樹脂組成物を用いて、実施例
6、即ち、実施例5と同様の操作を行って塗膜を得た。
得られた塗膜の性能について、前述した方法を用いて評
価した。上記樹脂組成物におけるオキサゾリン基含有化
合物、その他のカチオン重合性化合物、およびカチオン
重合開始剤の配合量と、上記の性能について評価した結
果とをあわせて表2に示す。
【0131】
【表2】
【0132】〔比較例1〕実施例1において、オキサゾ
リン基含有化合物(I−1)の代わりに、製造例5で得
られたエポキシ基含有化合物(A)50.0部を用いた以外
は、実施例1と同様の方法を用いて比較用の樹脂組成物
を得た。
【0133】次いで、この樹脂組成物を用いて、実施例
1と同様の操作を行って比較用の塗膜を得た。得られた
塗膜の性能について、前述した方法を用いて評価した。
上記樹脂組成物におけるその他のカチオン重合性化合
物、およびカチオン重合開始剤の配合量と、上記の性能
について評価した結果とをあわせて表3に示す。
【0134】〔比較例2〕実施例6において、オキサゾ
リン基含有化合物(I−3)の代わりに、製造例5で得
られたエポキシ基含有化合物(A)50.0部を用いた以外
は、実施例6と同様の方法を用いて比較用の樹脂組成物
を得た。
【0135】次いで、この樹脂組成物を用いて、実施例
6、即ち、実施例5と同様の操作を行って比較用の塗膜
を得た。得られた塗膜の性能について、前述した方法を
用いて評価した。上記樹脂組成物におけるその他のカチ
オン重合性化合物、およびカチオン重合開始剤の配合量
と、上記の性能について評価した結果とをあわせて表3
に示す。
【0136】
【表3】
【0137】上記表2および表3の結果から明らかなよ
うに、本実施例にかかる樹脂組成物を硬化してなる塗膜
は、比較例で得られた樹脂組成物を硬化してなる塗膜に
比べて、密着性、耐水性、耐候性、耐酸性、および耐擦
傷性等の性能に優れていることが判る。
【0138】
【発明の効果】本発明の請求項1にかかる硬化性樹脂組
成物は、以上のように、カチオン重合性オキサゾリン基
含有化合物(I)と、その他のカチオン重合性化合物
と、カチオン重合開始剤とを含む構成である。
【0139】本発明の請求項2にかかる硬化性樹脂組成
物は、以上のように、カチオン重合性オキサゾリン基お
よびそれ以外のカチオン重合性官能基を含有するオキサ
ゾリン基含有化合物(II)と、カチオン重合開始剤とを
含む構成である。
【0140】本発明の請求項3にかかる硬化性樹脂組成
物は、以上のように、上記オキサゾリン基含有化合物が
(メタ)アクリル系重合体である構成である。
【0141】本発明の請求項4にかかる硬化性樹脂組成
物は、以上のように、上記その他のカチオン重合性化合
物が、ビニルエーテル基、エポキシ基、環状イミノ基、
環状エーテル基を含有するカチオン重合性化合物からな
る群より選ばれる少なくとも1種のカチオン重合性化合
物である構成である。
【0142】本発明の請求項5にかかる硬化性樹脂組成
物は、以上のように、上記その他のカチオン重合性化合
物が液状である構成である。
【0143】本発明の請求項6にかかる硬化性樹脂組成
物は、以上のように、上記カチオン重合開始剤が、アン
モニウム塩化合物、スルホニウム塩化合物、ホスホニウ
ム塩化合物およびヨードニウム塩化合物からなる群より
選ばれる少なくとも1種の化合物である構成である。
【0144】上記の構成によれば、硬化性樹脂組成物が
オキサゾリン基含有化合物を含むことで、硬化性樹脂組
成物を硬化させてなる硬化物は、オキサゾリン基のカチ
オン重合によって生成する結合によって、基材との密着
性に優れ、耐候性、耐水性、耐酸性、耐擦傷性の点でも
満足できる水準となる。
【0145】即ち、本発明にかかる硬化性樹脂組成物
は、カチオン重合性オキサゾリン基含有化合物(I)
と、その他のカチオン重合性化合物と、カチオン重合開
始剤とを含むことで、熱および/または活性エネルギー
線により、低温で、しかも短時間で硬化し、密着性、耐
候性、耐水性、耐酸性、耐擦傷性等の性能に優れる硬化
物を形成することができる。
【0146】また、本発明にかかる硬化性樹脂組成物
は、オキサゾリン基含有化合物(II)と、カチオン重合
開始剤とを含むことで、熱および/または活性エネルギ
ー線により、低温で、しかも短時間で硬化し、密着性、
耐候性、耐水性、耐酸性、耐擦傷性等の性能に優れる硬
化物を形成することができる。
【0147】また、上記の各硬化性樹脂組成物は、例え
ば保護、ツヤ出しワニス、インキ、塗料、接着剤、積層
板、成型材料、絶縁材料等の種々の用途に用いることが
できるという効果を併せて奏する。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08K 5/00 C08K 5/00 C08L 33/14 LHV C08L 33/14 LHV (72)発明者 ▲吉▼田 雅也 大阪府吹田市西御旅町5番8号 株式会社 日本触媒内 (72)発明者 中▲崎▼ 三男 大阪府吹田市西御旅町5番8号 株式会社 日本触媒内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カチオン重合性オキサゾリン基含有化合物
    (I)と、その他のカチオン重合性化合物と、カチオン
    重合開始剤とを含むことを特徴とする硬化性樹脂組成
    物。
  2. 【請求項2】カチオン重合性オキサゾリン基およびそれ
    以外のカチオン重合性官能基を含有するオキサゾリン基
    含有化合物(II)と、カチオン重合開始剤とを含むこと
    を特徴とする硬化性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】上記オキサゾリン基含有化合物が(メタ)
    アクリル系重合体であることを特徴とする請求項1また
    は2記載の硬化性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】上記その他のカチオン重合性化合物が、ビ
    ニルエーテル基、エポキシ基、環状イミノ基、環状エー
    テル基を含有するカチオン重合性化合物からなる群より
    選ばれる少なくとも1種のカチオン重合性化合物である
    ことを特徴とする請求項1または3記載の硬化性樹脂組
    成物。
  5. 【請求項5】上記その他のカチオン重合性化合物が液状
    であることを特徴とする請求項1、3または4記載の硬
    化性樹脂組成物。
  6. 【請求項6】上記カチオン重合開始剤が、アンモニウム
    塩化合物、スルホニウム塩化合物、ホスホニウム塩化合
    物およびヨードニウム塩化合物からなる群より選ばれる
    少なくとも1種の化合物であることを特徴とする請求項
    1、2、3、4または5記載の硬化性樹脂組成物。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100985704B1 (ko) * 2002-09-19 2010-10-06 스미또모 가가꾸 가부시키가이샤 경화성 수지 조성물 및 보호막
WO2016035823A1 (ja) * 2014-09-02 2016-03-10 国立大学法人九州大学 低抵抗クラッド材料及び電気光学ポリマー光導波路

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