JP2004075795A - 泡塗布型洗濯前処理剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】被洗浄物への塗布を簡便且つ安全に行うことができ、被洗浄物に塗布した後に洗濯を行うことにより、優れた洗浄性能が得られる洗濯前処理用組成物を提供する。
【解決手段】(a)界面活性剤、(b)分子量1000以下のキレート剤、(c)親水性溶剤、(d)重量平均分子量2千〜5万のポリカルボン酸ポリマー、及び(e)水を、特定比率で含有し、(a)中の10質量%以上が陰イオン界面活性剤である洗濯前処理剤組成物を、泡吐出容器に充填した泡塗布型の容器入り洗濯前処理剤。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は被洗浄物に泡状に塗布して用いる容器入り洗濯前処理剤及び洗濯前処理方法に関する。更に詳しくは、被洗浄物の汚れの集中した部分に泡状に塗布し、その後の洗濯における洗浄力を増強させる容器入り洗濯前処理剤及び洗濯前処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
襟袖や食べこぼし等の部分汚れのひどい場合は、通常の洗濯では、充分に汚れが取れなかったり、染みのまま残ったりする。一般的に、襟袖や染み汚れには、直接洗剤を塗布することにより、部分的に洗剤濃度を上げ、手による揉み洗いやブラシ等を用いた機械的な洗浄により対処していた。
【0003】
部分洗い用洗浄剤として、例えば吐出口がスポンジ状あるいはブラシ状となっている物品が知られている。しかし、これらは部分汚れと容器が直接接触するため、使用に抵抗を感じる人も多かった。また、液を直接塗布するため、使用量が視覚的に捕らえにくく使用量が過剰となる傾向がある。
【0004】
泡状に塗布して使用する洗浄剤が多く知られている。しかし、襟袖や染み汚れに使用して十分な洗浄効果を有するものは知られていなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、被洗浄物への塗布を簡便且つ安全に行うことができ、被洗浄物に塗布した後に洗濯を行うことにより、優れた洗浄性能が得られる泡塗布用の容器入り洗濯前処理剤及び洗濯前処理方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(a)界面活性剤〔以下、(a)成分という〕0.05〜10質量%、(b)分子量1000以下のキレート剤〔以下、(b)成分という〕1〜30質量%、(c)親水性溶剤〔以下、(c)成分という〕、(d)重量平均分子量2千〜5万のポリカルボン酸ポリマー〔以下、(d)成分という〕、及び(e)水〔以下、(e)成分という〕を含有し、(a)中の10質量%以上が陰イオン界面活性剤である洗濯前処理剤組成物を、泡吐出容器に充填した泡塗布型の容器入り洗濯前処理剤であって、前記洗濯前処理剤組成物のJIS K 3362:1998記載の20℃における起泡力が50〜300mm、JIS K 3362:1998記載の20℃における泡の安定度が25〜250mm、20℃における粘度が1〜50mPa・s、20℃における粘度P20と5℃における粘度Pの比P20/Pが1/1〜1/5であり、前記泡吐出容器から吐出される泡が、20℃における嵩密度が50〜300g/L、20℃における静置した100mLの泡から70質量%相当の液層が現れるまでの時間が30秒〜10分、20℃における泡の粘度が100〜700mPa・sを満たす、容器入り洗濯前処理剤に関する。
【0007】
また、本発明は、上記本発明の泡塗布型の容器入り洗濯前処理剤から洗濯前処理剤組成物を泡状に1〜20g塗布し、10秒以上経過させる洗濯前処理方法に関する。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の容器入り洗濯前処理剤は、襟汚れ、袖汚れ、しみ等の被洗浄物の汚れの集中した部分(特に人由来の汚れである襟汚れ、袖汚れ)に、内容物を泡状に塗布して用いる。泡状に塗布し一定時間後に洗濯することにより効果的な洗浄が行える。洗浄性能の点で、10秒以上経過後に洗濯するのが好ましく、30秒以上がより好ましく、1分以上が更に好ましく、5分以上が特に好ましい。効果及び簡便性の点で、5時間以下が好ましく、2時間以下がより好ましく、1時間以下が更に好ましく、30分以下が特に好ましい。
【0009】
泡状に塗布することで、吸引や目に入ることが無く安全であり、塗布時の洗濯前処理剤組成物の視覚的効果により使いすぎなく経済性に優れている。また、泡状にすることにより表面の界面活性剤濃度が高まり、洗濯前処理剤組成物の汚れへの浸透が容易になり洗浄力が向上する。
【0010】
本発明の容器入り洗濯前処理剤では、前記泡吐出容器から吐出される泡の20℃における嵩密度は50〜300g/Lである。洗浄性能、使用感の点で60〜250g/Lが好ましく、70〜200g/Lが更に好ましく、100〜200g/Lが特に好ましい。また、前記泡吐出容器から吐出される泡は、20℃における静置した100mLの泡から70質量%相当の液層が現れるまでの時間が30秒〜10分である。洗浄性能、使用感の点で1〜10分がより好ましく、2〜9分が更に好ましく、3〜8分が特に好ましい。また、前記泡吐出容器から吐出される泡の粘度は100〜700mPa・sである。洗浄性能、使用感の点で200〜600mPa・sがより好ましく、200〜500mPa・sが更に好ましく、300〜500mPa・sが特に好ましい。
【0011】
尚、泡の嵩密度は20℃において、100mLのメスシリンダー(内径27mm、旭テクノグラス(株)製)を用い、100mLの質量を求めた。また、これを静置し、上記の泡の70質量%相当の液層が現れるまでの時間を求めた。
【0012】
洗濯前処理剤組成物を泡吐出容器に充填することを目的として、洗濯前処理剤組成物をスタンディングパウチ、詰め替えボトル等に充填しても良い。
【0013】
〔泡吐出容器〕
泡吐出容器としては、トリガー式泡吐出容器、ポンプ機構を備えたキャップの頭部を手指で押圧することにより使用されるポンプ式泡吐出容器、軟質容器の胴部を手指で押圧することにより使用するスクイズフォーマー、エアゾール等が挙げられるが、使用性、経済性、環境適合性等よりトリガー式スプレー容器、スクイズフォーマーがより好ましく、トリガー式スプレー容器が特に好ましい。トリガー式スプレー容器の場合、使用性の点で20℃における1回の吐出量は0.3〜2gが好ましく、0.5〜1.5gがより好ましい。
【0014】
〔洗濯前処理剤組成物〕
本発明の洗濯前処理剤組成物は、JIS K 3362:1998記載の方法による20℃における起泡力が50〜300mmであり、JIS K 3362:1998記載の方法による20℃における泡の安定度が25〜250mmである。洗浄力、使用性の点で起泡力は50〜250mmが好ましく、100〜200mmが更に好ましく、150〜200mmが特に好ましい。洗浄力、使用性の点で泡の安定度は50〜250mmが好ましく、100〜200mmが更に好ましく、150〜200mmが特に好ましい。
【0015】
本発明の洗濯前処理剤組成物は、20℃の粘度が1〜50mPa・s(B型粘度計、60r/min、ローター1、1分後)であり、20℃における粘度P20と5℃における粘度Pの比P20/Pは1/1〜1/5である。塗布時の容器からの排出の容易さの点で20℃の粘度は1〜30mPa・sが好ましく、1〜20mPa・sが更に好ましく、2〜15mPa・sが特に好ましい。塗布時の容器からの排出の容易さの点で20℃における粘度P20と5℃における粘度Pの比P20/Pは1/1〜1/4が好ましく、1/1〜1/3が更に好ましく、1/1〜1/2が特に好ましい。
【0016】
本発明の洗濯前処理剤組成物は、洗浄力、安全性の点でJIS K 3362:1998記載の方法による20℃のpHが7〜12であることが好ましい。襟汚れ、袖汚れ等の人由来の汚れにはpH8〜11が好ましく、8.5〜11がより好ましく、9〜11が更に好ましく、10〜11が特に好ましい。この場合はアルカリ剤を含有することが好ましい。一方、飲食料由来のしみ汚れにはpH7〜9が好ましく、7〜8がより好ましく、7.2〜8が更に好ましく、7.2〜7.8が特に好ましい。
【0017】
本発明によれば、(a)界面活性剤0.05〜10質量%、(b)分子量1000以下のキレート剤1〜30質量%、(c)親水性溶剤、(d)重量平均分子量2千〜5万のポリカルボン酸ポリマー、及び(e)水を含有し、(a)中の10質量%以上が陰イオン界面活性剤である洗濯前処理剤組成物であって、JISK 3362:1998記載の20℃における起泡力が50〜300mm、JIS K 3362:1998記載の20℃における泡の安定度が25〜250mm、20℃における粘度が1〜50mPa・s、20℃における粘度P20と5℃における粘度Pの比P20/Pが1/1〜1/5である洗濯前処理剤組成物が提供される。該組成物は、泡塗布用として好適である。
【0018】
<(a)成分>
本発明の洗濯前処理剤組成物は、(a)界面活性剤を0.05〜10質量%含有する。洗浄性能、成泡性の点で、0.1〜9質量%が好ましく、0.5〜8質量%が更に好ましく、1〜7質量%が特に好ましい。
【0019】
界面活性剤としては、非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。特に、本発明の組成物は、泡形成性の点で、陰イオン界面活性剤を(a)成分中の10質量%以上、好ましくは30質量%以上、より好ましくは50質量%以上含有する。
【0020】
陰イオン界面活性剤としては、アルコールの硫酸エステル塩、アルコールのエトキシレート化物の硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、パラフィンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸塩、α−スルホ脂肪酸アルキルエステル塩又は脂肪酸塩が挙げられる。特に、アルキル鎖の炭素数が12〜14の直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、炭素数12〜18のアルキル硫酸エステル塩が好ましく、対イオンとしては、アルカリ金属類、アルカノールアミン塩が好ましい。
【0021】
非イオン界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマー、脂肪酸アルカノールアミド、アルキルポリグリコシド等が好ましい。特に、アルキルポリグリコシドが好ましい。
【0022】
陽イオン界面活性剤としては、4級型のモノ長鎖アルキル又はジ長鎖アルキルアンモニウム塩等が挙げられる。
【0023】
両性界面活性剤としては、アルキルベタイン、イミダゾリニウムベタイン、アミンオキサイド、アルキルアラニン等が挙げられる。
【0024】
<(b)成分>
本発明の洗濯前処理剤組成物は、(b)分子量1000以下のキレート剤を1〜30質量%含有する。洗浄性能、成泡性の点で2〜25質量%含有することが好ましく、3〜20質量%がより好ましく、3.5〜15質量%が更に好ましく、4〜12質量%が特に好ましい。また、分子量の下限は200以上が好ましい。
【0025】
(b)成分としては、アミノカルボン酸(塩)、ヒドロキシアミノカルボン酸(塩)、ヒドロキシカルボン酸(塩)、シクロカルボン酸(塩)、エーテルカルボン酸(塩)等の有機カルボン酸(塩)、トリポリリン酸塩、ピロリン酸塩等の無機リン酸塩が挙げられる。
【0026】
洗濯前処理剤組成物の20℃におけるpHが7〜9であるとき、特に(b)成分として、(b1)カルシウム安定度定数が5〜15、好ましくは6〜14、より好ましくは8〜13のアミノカルボン酸(塩)及び(b2)カルシウム安定度定数が1〜4、好ましくは2〜4、より好ましくは3〜4のヒドロキシカルボン酸(塩)を含有し、(b1)/(b2)の質量比が1/10〜10/1、好ましくは1/5〜5/1、より好ましくは1/3〜3/1、更に好ましくは1/2〜2/1であることが洗浄性能の点で好ましい。(b)成分中、(b1)と(b2)の合計量が80質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましく、99質量%以上が更に好ましい。
【0027】
洗濯前処理剤組成物の20℃におけるpHが9〜11であるとき、特に(b)成分中、(b1)のアミノカルボン酸(塩)を80質量%以上含有することが好ましく、90質量%以上がより好ましく、99質量%以上が更に好ましい。
【0028】
尚、本発明において、カルシウム安定度定数は次の方法で求められるものをいう。
【0029】
(カルシウム安定度定数の測定方法)
緩衝液として0.1mol/リットルのNHCl−NHOH(pH10)溶液を調製する。この緩衝液を用いて全ての試料溶液を調製する。Ca2+濃度の測定にはオリオン(株)製のイオンメーター920AとCa2+イオン電極を用いる。先ず、塩化カルシウム濃度と電極の電位の関係を求め、検量線を作成する。塩化カルシウムの5.36×10−2mol/リットル溶液、キレート剤試料の5.36×10−4mol/リットル溶液を調製する。キレート剤試料溶液100mlに塩化カルシウム溶液を1ml加え、5分間撹拌する。残存しているCa2+濃度をCa2+イオン電極を用いて測定する。キレート剤はCa2+と1:1でキレート錯体を形成すると仮定して下記の式からカルシウム安定度定数(Ca安定度定数)を求める。
【0030】
【数1】
Figure 2004075795
【0031】
アミノカルボン酸(塩)として、ニトリロ三酢酸(塩)、エチレンジアミンテトラ酢酸(塩)、β−アラニンジ酢酸(塩)、アスパラギン酸ジ酢酸(塩)、メチルグリシンジ酢酸(塩)、イミノジコハク酸(塩)等が挙げられる。
【0032】
ヒドロキシアミノカルボン酸(塩)として、セリンジ酢酸(塩)、ヒドロキシイミノジコハク酸(塩)、ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ酢酸(塩)、ジヒドロキシエチルグリシン(塩)等が挙げられる。
【0033】
ヒドロキシカルボン酸(塩)としては、ヒドロキシ酢酸(塩)、酒石酸(塩)、クエン酸(塩)、グルコン酸(塩)、リンゴ酸(塩)、乳酸(塩)、グリコール酸(塩)等が挙げられる。
【0034】
シクロカルボン酸(塩)としては、ピロメリット酸(塩)、ベンゾポリカルボン酸(塩)、シクロペンタンテトラカルボン酸(塩)等が挙げられる。
【0035】
エーテルカルボン酸(塩)としては、カルボキシメチルトロネート、カルボキシメチルオキシサクシネート、オキシジサクシネート、酒石酸ジサクシネート等が挙げられる。
【0036】
これらの有機カルボン酸(塩)は酸の形で配合した後、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化アンモニウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン等により中和して少なくとも一部を塩としても良い。また、予めカルボキシル基の少なくとも一部を塩とした後に配合しても良い。洗浄性能の点で、特に少なくとも一部のカルボキシル基がカリウム塩又はアンモニウム塩であることが好ましい。
【0037】
<(c)成分>
本発明の洗濯前処理剤組成物は、目的とする泡物性を得るために(c)成分として親水性溶剤を含有する。(c)成分の比率は、組成物中、1〜30質量%が好ましく、2〜20質量%が更に好ましく、3〜15質量%が特に好ましい。
【0038】
(c)成分としては、特に、下記一般式(I)で示されるグリコール系溶剤若しくは低級アルコールが好ましい。これらの溶剤は、単独で用いても、また2種以上併用して用いても良い。
【0039】
RO{(CO)(CO)}H      (I)
〔式中、Rは炭素数1〜8のアルキル基又はベンゼン環、m及びnは各々0〜6の数であり、両者が同時に0になることはなく、{ }内はm及びnが0より大きいときに、オキシエチレン基とオキシプロピレン基がランダム状及び/又はブロック状に結合しているポリオキシアルキレン鎖である。〕。
【0040】
上記一般式(I)で表されるグリコール系溶剤の具体例としては、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルカルビトール)、プロピレングリコールジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、トリエチレングリコールモノフェニルエーテル等を挙げることができる。
【0041】
また、低級アルコールは炭素数1〜4のものが好ましく、具体例としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール等を挙げることができる。これらの中でも、好ましくはエタノール、プロピレングリコールが好適である。
【0042】
<(d)成分>
本発明の洗濯前処理剤組成物は、目的とする泡物性を得るために(d)成分として重量平均分子量2千〜5万のポリカルボン酸ポリマーを含有する。(d)成分の比率は、洗浄性能、泡物性の点で組成物中0.05〜15質量%が好ましく、0.1〜12質量%が更に好ましく、0.2〜10質量%が特に好ましく、0.3〜5質量%が最も好ましい。洗浄性能、泡物性の点で重量平均分子量は2千〜2万がより好ましい。この重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定されたものである。
【0043】
(d)成分は、分子内にCOOM基(Mは水素原子、Na、K、NH、アルカノールアミン)を有する高分子化合物である。中でも、洗浄性能の点で、ポリアクリル酸又はその塩、ポリマレイン酸又はその塩、カルボキシメチルセルロース、アクリル酸−マレイン酸共重合体若しくはその塩、無水マレイン酸−ジイソブチレン共重合体若しくはその塩、無水マレイン酸−メチルビニルエーテル共重合体若しくはその塩、無水マレイン酸−イソブチレン共重合体若しくはその塩、無水マレイン酸−酢酸ビニル共重合体若しくはその塩、及び特開昭59−62614号公報の請求項1〜21(1頁3欄5行〜3頁4欄14行)記載のポリマー等の有機多価カルボン酸及び/又はその塩が好ましい。特にポリアクリル酸又はその塩が好ましい。
【0044】
<(e)成分>
本発明の洗濯前処理剤組成物は、(e)成分として水を含有する。洗浄性能、塗布性の点で50〜95質量%が好ましく、55〜90質量%がより好ましく、60〜85質量%が更に好ましく、65〜80質量%が特に好ましい。
【0045】
<その他成分>
本発明の洗濯前処理剤組成物は、襟汚れ、袖汚れ等の人由来の汚れに対する洗浄性能、泡物性の点で、アルカリ剤〔以下、(f)成分という〕を1〜30質量%含有することが好ましく、3〜25質量%がより好ましく、5〜20質量%が更に好ましく、5〜15質量%が特に好ましい。
【0046】
(f)成分としては、例えば炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属炭酸塩、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム等のアルカリ金属珪酸塩、オルトリン酸塩、メタリン酸塩、ピロリン酸塩、ヘキサメタリン酸塩等のポリリン酸塩、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン類、リン酸水素二ナトリウム、リン酸三ナトリウム、ホウ酸塩等が挙げられる。
【0047】
(f)成分は洗浄性能の点で、(f)成分の0.025質量%濃度の水溶液もしくは分散液の最大pHが10以上(20℃)であり、且つ該水溶液もしくは分散液1リットルをpH9(20℃)にするために0.1Nの塩酸水溶液を10ml以上必要とする化合物であることが好ましい。このような化合物としては、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、珪酸ナトリウム、リン酸三ナトリウム、モノエタノールアミン等が挙げられる。中でも炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、珪酸ナトリウムがより好ましく、特に炭酸ナトリウム、炭酸カリウムが好ましい。
【0048】
本発明の洗濯前処理剤組成物には、(1)重量平均分子量5000以上のポリエチレングリコール、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物等の再汚染防止剤及び分散剤0.01〜10質量%、(2)ポリビニルピロリドン等の色移り防止剤0.01〜10質量%、(3)シリコーン、シリカ等の調泡剤0.001〜2質量%、(4)ブチルヒドロキシトルエン、ジスチレン化クレゾール、亜硫酸ナトリウム及び亜硫酸水素ナトリウム等の酸化防止剤0.01〜2質量%、(5)着色剤、(6)アミラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼ、セルラーゼ等の酵素、(7)塩化カルシウム、硫酸カルシウム、ギ酸、ホウ酸(ホウ素化合物)等の酵素安定化剤、(8)香料、(9)抗菌防腐剤、(10)トルエンスルホン酸又はその塩、キシレンスルホン酸又はその塩等のハイドロトロープ剤等を配合することができる。
【0049】
〔洗濯前処理方法〕
襟汚れ、袖汚れ、しみ汚れ等の被洗浄部位に、本発明の洗濯前処理剤組成物を泡吐出容器から泡状に塗布した後、通常の洗濯を行うことで、洗濯における洗浄力を増強させることができる。泡状に塗布した後、通常の洗濯を行うまでの間に、従来のように手指等でもむ、たたく、ブラシ等でこする、超音波振動を加える等、被洗浄物に物理的な力を加えても良い。
【0050】
洗浄性能、経済性の点で、被洗浄部位100cm当たり、洗濯前処理剤組成物を泡状に1〜20g塗布することが好ましく、1.5〜15gがより好ましく、2〜10gが更に好ましい。この場合、泡は、20℃における嵩密度が50〜300g/L、20℃における静置した100mLの泡から70質量%相当の液層が現れるまでの時間が30秒〜10分、20℃における粘度が100〜700mPa・sを満たすことが好ましい。これらの測定方法は前述の通りである。
【0051】
洗浄性能の点で、泡状に塗布してから10秒以上経過後に洗濯するのが好ましく、30秒以上がより好ましく、1分以上が更に好ましく、5分以上が特に好ましい。効果及び簡便性の点で、5時間以下が好ましく、2時間以下がより好ましく、1時間以下が更に好ましく、30分以下が特に好ましい。
【0052】
【実施例】
表1に示す洗濯前処理剤組成物を調製した。組成物の20℃における粘度は何れも10〜50mPa・s、20℃における粘度P20と5℃における粘度Pの比P20/Pは1/1〜1/2であった。組成物の起泡力は50〜150mm、泡の安定度は25〜150mmであった。
【0053】
調製した組成物を市販のトリガー式泡吐出容器(ファミリーシンクまわりクリーナー250mL、花王(株)製)に充填し、容器入り洗濯前処理剤を得た。得られた実施例の容器入り洗濯前処理剤から吐出される泡は、何れも嵩密度100〜200g/L、静置した100mLの泡から泡の70質量%相当の液層が現れるまでの時間は3〜8分であった。また、実施例の容器入り洗濯前処理剤から吐出される泡は、20℃における粘度が100〜700mPa・sの範囲であった。
【0054】
これらについて以下に示す方法により、洗浄力の評価を行った。その結果を表1に示す。
【0055】
<洗浄力の評価>
(襟あか布の調製)
JIS K3362:1998 記載の襟あか布を調製する
(洗浄条件及び評価方法)
2槽式洗濯機(東芝銀河3.6)の洗濯槽にJIS K3362:1998記載の使用水40Lを入れ、これに1.4kgの綿製の未着用肌着及び0.6kgの綿/ポリエステル混紡の未着用ワイシャツを入れる。更に、JIS K3362:1998記載の洗浄力判定用指標洗剤(蛍光増白剤無添加)53g(無水物換算)投入する。更に上記襟あか布1枚に付き、容器入り洗濯前処理剤より洗濯前処理剤組成物4gを泡状に塗布し、5分間静置した襟あか布6枚(3段階の汚れを各2枚)を洗濯槽に入れ、10分間普通洗浄する。その後1分間脱水し、8分間15L/minの水量で流水すすぎする。その後5分間脱水し、室内で自然乾燥させる。
【0056】
洗濯前処理剤組成物を塗布しないで同様の操作を行ったものをブランクとして、目視により一対比較し、以下の判定基準により評価する。
【0057】
評価基準
◎:3段階の汚れ全てにおいて、ブランクより明らかに汚れが落ちている。
○:3段階の汚れ全てにおいて、ブランクよりやや汚れが落ちている。
×:3段階の汚れ全てにおいて、ブランクとほとんど差がない、又は汚れ落ちに劣る。
【0058】
【表1】
Figure 2004075795
【0059】
・陰イオン界面活性剤1:ヤシ油脂肪酸ナトリウム
・陰イオン界面活性剤2:炭素数10〜14の直鎖アルキル基を有するアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム
・陰イオン界面活性剤3:ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩(炭素数12/14の直鎖アルキル、エチレンオキシド平均付加モル数3、ナトリウム塩)
・陰イオン界面活性剤4:炭素数14〜18のα−オレフィンスルホン酸ナトリウム
・非イオン界面活性剤1:パーム核油脂肪酸ジエタノールアミド(アミノーンPK‐02S、花王(株))
・非イオン界面活性剤2:炭素数10〜14の直鎖第1級アルコールにエチレンオキサイドを平均8モル、プロピレンオキサイドを平均2モルランダム付加させたもの
・非イオン界面活性剤3:炭素数12〜14の2級アルコールにエチレンオキサイドを平均7モル付加させたもの
・キレート剤1:メチルグリシンジ酢酸ナトリウム塩
・キレート剤2:エチレンジアミンテトラ酢酸ナトリウム塩
・キレート剤3:ニトリロ三酢酸ナトリウム塩
・キレート剤4:クエン酸ナトリウム塩
・キレート剤5:リンゴ酸ナトリウム塩
・ポリマー1:ポリアクリル酸ナトリウム(重量平均分子量5000)
・ポリマー2:クインフロー540(日本ゼオン(株)、ポリカルボン酸系ポリマー)
・ポリマー3:特開平10−60476号公報の実験例1のポリマー
・酵素:エバラーゼ16.0L−EX(プロテアーゼ、ノボザイムズ社製)。
【0060】
なお、実施例1〜7の組成物を、それぞれホモミキサーにて撹拌し、20℃における嵩密度が350〜400g/Lになるように調製した。このときの20℃における泡の粘度は50mPa・sより大きかった。この泡を用いて、上記実施例と同様の洗浄力の評価を行ったところ、何れもブランクとほとんど差がなかった。

Claims (6)

  1. (a)界面活性剤0.05〜10質量%、(b)分子量1000以下のキレート剤1〜30質量%、(c)親水性溶剤、(d)重量平均分子量2千〜5万のポリカルボン酸ポリマー、及び(e)水を含有し、(a)中の10質量%以上が陰イオン界面活性剤である洗濯前処理剤組成物を、泡吐出容器に充填した泡塗布型の容器入り洗濯前処理剤であって、前記洗濯前処理剤組成物のJIS K 3362:1998記載の20℃における起泡力が50〜300mm、JIS K 3362:1998記載の20℃における泡の安定度が25〜250mm、20℃における粘度が1〜50mPa・s、20℃における粘度P20と5℃における粘度Pの比P20/Pが1/1〜1/5であり、前記泡吐出容器から吐出される泡が、20℃における嵩密度が50〜300g/L、20℃における静置した100mLの泡から70質量%相当の液層が現れるまでの時間が30秒〜10分、20℃における泡の粘度が100〜700mPa・sを満たす、容器入り洗濯前処理剤。
  2. 前記洗濯前処理剤組成物の20℃のpHが7〜9である請求項1記載の泡塗布型の容器入り洗濯前処理剤。
  3. 前記洗濯前処理剤組成物が、更に(f)アルカリ剤を含有し、の20℃のpHが8〜11である請求項1記載の泡塗布型の容器入り洗濯前処理剤。
  4. (b)として、(b1)カルシウム安定度定数が5〜15のアミノカルボン酸(塩)及び(b2)カルシウム安定度定数が1〜4のヒドロキシカルボン酸(塩)を含有し、(b1)/(b2)の質量比が1/10〜10/1である請求項1〜3の何れか1項記載の泡塗布型の容器入り洗濯前処理剤。
  5. (b)の少なくとも一部のカルボキシル基がカリウム塩又はアンモニウム塩である請求項4記載の泡塗布型の容器入り洗濯前処理剤。
  6. 被洗浄部位100cm当たりに、請求項1〜5何れか記載の泡塗布型の容器入り洗濯前処理剤から洗濯前処理剤組成物を泡状に1〜20g塗布し、10秒以上経過させる洗濯前処理方法。
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