JP2016060798A - 液体洗浄剤物品、及び液体洗浄剤の計量方法 - Google Patents

液体洗浄剤物品、及び液体洗浄剤の計量方法 Download PDF

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Abstract

【課題】容器胴体部を変形することにより一定量の液を排出する容器に液体洗浄剤組成物を充填してなる液体洗浄剤物品に関し、夏場、冬場の季節の気温変化に拘らず一定量の液体洗浄剤組成物を排出することができる液体洗浄剤物品を提供する。【解決手段】界面活性剤(a)、増粘剤(b)、金属封鎖剤(c)、及び水(d)を含有し、20℃における粘度が30mPa・s以上、10,000mPa・s以下であり、40℃における粘度に対する5℃における粘度の比[5℃における粘度/40℃における粘度]が0.5以上、5以下である液体洗浄剤組成物を容器に充填してなる液体洗浄剤物品であり、該容器が容器本体を変形させることにより該容器の吐出口から内容液である該液体洗浄剤組成物を所定量吐出させる定量吐出スクイズ容器である液体洗浄剤物品。【選択図】なし

Description

本発明は液体洗浄剤物品、及び液体洗浄剤の計量方法に関する。
通常、一般家庭で使用される液体洗浄剤には、洗浄対象によって推奨される使用量が設定されており、各家庭に於いて適量を計量して洗浄に供する操作が行われている。
衣料用液体洗浄剤等でよく見受けられる液体洗浄剤の製品形態としては、計量キャップ付きボトルに液体洗浄剤が充填され、計量キャップに注いだ液量をキャップに付された目盛りを用いて計り取る形態が挙げられる。このような製品形態では、キャップを開ける動作、ボトルを傾けてキャップで計量する動作、液を洗浄対象に添加する操作、キャップを閉める動作を行うことになる。
また、食器の手洗いに用いられる液体洗浄剤等でよく見受けられる製品形態として、ボトル上部に空いた穴から液をスポンジへ吐出して洗浄に供する形態が挙げられる。この方法は簡便に内容液を洗浄対象に付着させることができる反面、計量性は有していない。
そこで、簡便な方法で、計量と内容液の吐出とを行うことができる容器の開発が行われている。特許文献1、2には、スクイズ変形可能なプラスチックからなる容器本体を備え、該容器本体をスクイズ変形させて吐出口から内容液を所定量吐出させる定量吐出スクイズ容器が記載されている。
なお、特許文献3には、界面活性剤、増粘剤、キレート剤を含有する食器用液体洗浄剤が記載されている。
特開2011−121604号公報 特開2011−105360号公報 特開2008−163292号公報
食器洗い機等に用いられる液体洗浄剤組成物においては、推奨される使用量が少量である場合が多く、少量の所定量を簡便に所定の場所に投入する方法の開発が望まれている。特に、界面活性剤、キレート剤等を含有する液体洗浄剤組成物を充填した液体洗浄剤物品においては、夏場、冬場の季節による気温の変化に対しても、所定量を計量できることが望まれている。
特許文献1、2に記載されている容器は、簡便に所定量を吐出することができるが、季節の気温変化に対する定量性については記載されていない。
また、特許文献3には、界面活性剤、増粘剤、キレート剤を含有する食器用液体洗浄剤が記載されているが、季節の気温変化に対する定量性に関する記載はなされておらず、また、簡便に所定量を計量しつつ吐出することができる容器への適合性についても記載されていない。
本発明は、容器胴体部を変形することにより一定量の液を排出する容器に液体洗浄剤組成物を充填してなる液体洗浄剤物品に関し、夏場、冬場の季節の気温変化に拘らず一定量の液体洗浄剤組成物を排出することができる液体洗浄剤物品を提供する。
また、液だれ等の問題がなく、調製直後及び振盪後の吐出性に問題がない液体洗浄剤物品を提供する。
すなわち、本発明の要旨は以下のとおりである。
[1]界面活性剤(a)、増粘剤(b)、金属封鎖剤(c)、及び水(d)を含有し、20℃における粘度が30mPa・s以上、10,000mPa・s以下であり、40℃における粘度に対する5℃における粘度の比[5℃における粘度/40℃における粘度]が0.5以上、5以下である液体洗浄剤組成物を容器に充填してなる液体洗浄剤物品であり、該容器が容器本体を変形させることにより該容器の吐出口から内容液である該液体洗浄剤組成物を所定量吐出させる定量吐出スクイズ容器である液体洗浄剤物品。
[2]前記[1]に記載の液体洗浄剤物品の容器を傾倒又は倒立させた後、容器胴体部を押して変形させることにより一定量の液を排出する、液体洗浄剤の計量方法。
[3]前記[1]に記載の液体洗浄剤物品の容器胴体部を変形させることにより一定量の液を排出する、液体洗浄剤の計量方法。
本発明によれば、容器胴体部を変形することにより一定量の液を排出する容器に液体洗浄剤組成物を充填してなる液体洗浄剤物品に関し、夏場、冬場の季節の気温変化に拘らず一定量の液体洗浄剤組成物を排出することができる液体洗浄剤物品を提供することができる。
また、液だれ等の問題がなく、調製直後及び振盪後の吐出性に問題がない液体洗浄剤物品を提供することができる。
定量吐出スクイズ容器の容器本体の斜視図である。 定量吐出スクイズ容器用キャップ部材の断面図である。 定量吐出スクイズ容器用キャップ部材の断面斜視図である。
[液体洗浄剤物品]
本発明の液体洗浄剤物品は、界面活性剤(a)、増粘剤(b)、金属封鎖剤(c)、及び水(d)を含有し、20℃における粘度が30mPa・s以上、10,000mPa・s以下であり、40℃における粘度に対する5℃における粘度の比[5℃における粘度/40℃における粘度]が0.5以上、5以下である液体洗浄剤組成物を容器に充填してなる液体洗浄剤物品であり、該容器が容器本体を変形させることにより該容器の吐出口から内容液である該液体洗浄剤組成物を所定量吐出させる定量吐出スクイズ容器であるものである。
<界面活性剤(a)>
本発明においては、液体洗浄剤組成物に洗浄性能を付与することを目的として、界面活性剤(a)を用いる。
界面活性剤(a)としては、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、及び両性界面活性剤から選ばれる1種以上を配合することができるが、洗浄性能を発揮させると共に、泡立ちを防ぐ観点から、非イオン性界面活性剤が好ましい。
非イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシアルキレン型非イオン性界面活性剤(ポリオキシエチレンモノアルキル又はモノアルケニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシプロピレンモノアルキル又はモノアルケニルエーテル、ポリオキシブチレンモノアルキル又はモノアルケニルエーテル等)、蔗糖脂肪酸エステル、脂肪族アルカノールアミド、脂肪酸グリセリンモノエステル、アミンオキサイド、及びグリコシド型非イオン性界面活性剤(アルキルグリコシド等)から選ばれる1種以上が挙げられる。かかる非イオン性界面活性剤を更に具体的に示すと以下の(1)〜(7)を挙げることができる。
(1)ポリオキシアルキレンモノアルキル又はモノアルケニルエーテル型非イオン性界面活性剤、なかでも、アルキル基又はアルケニル基の平均炭素数が8以上、20以下であり、アルキレンオキサイドの平均付加モル数が0超、110以下であるもの、特にエチレンオキサイド付加モル数が平均で1以上、30以下であるもの。
具体的には、下記一般式(a1)で表されるポリオキシアルキレンモノアルキル又はモノアルケニルエーテル型非イオンが好ましく、下記一般式(a1−1)で表されるポリオキシエチレンモノアルキル又はモノアルケニルエーテルがより好ましい。
11[(OC24l/(OC36m]OH (a1)
〔式中、R11は炭素数8以上、18以下の炭化水素基であり、l、mは平均付加モル数を示し、lは0以上、10以下の数であり、mは0以上、100以下の数であり、lとmが同時に0になることはない。「/」はオキシエチレン基及びオキシプロピレン基が、順序に関係なく、ランダム又はブロックのいずれに付加したものであってもよいことを示す。〕
11'(OC24nOH (a1−1)
〔式中、R11'は炭素数8以上、18以下のアルキル基又はアルケニル基であり、nは平均付加モル数であり、1以上、6以下の数である。〕
(2)下記の一般式(a2)で表わされる高級脂肪酸アルカノールアミド又はそのアルキレンオキサイド付加物。
Figure 2016060798
〔式中、R21は炭素数10以上、20以下のアルキル基又はアルケニル基であり、R22、R23は同一又は異なってもよい、水素原子又はメチル基であり、pは1以上、3以下の数、qは0以上、3以下の数である。〕
(3)蔗糖脂肪酸エステルであって、脂肪酸部分の平均炭素数が10以上、20以下であるもの。
(4)脂肪酸グリセリンモノエステルであって、脂肪酸部分の平均炭素数が10以上、20以下であるもの。
(5)アミンオキサイドであって、例えば炭素数1以上、24以下の直鎖又は分岐鎖アルキル基又はアルケニル基を有するアルキル又はアルケニルアミンオキサイドを挙げることができる。より好ましいアミンオキサイドとしては、下記の一般式(a3)で表されるアルキルアミンオキサイドを挙げることができる。
Figure 2016060798
〔式中、R31は炭素数6以上、24以下の炭化水素基であり、R32、R33は同一又は異なってもよい、炭素数1以上、3以下の炭化水素基である。Dは、−COO−、−CONH−、−O−から選ばれる基であり、Eは炭素数1以上、5以下の2価の炭化水素基、r、sはr=0且つs=0であるか、又はr=1且つs=1である。〕
(6)グリコシド型非イオン性界面活性剤。例えば、下記の一般式(a4)で表される化合物。
41(OR42xy (a4)
〔式中、R41は、直鎖又は分岐鎖の総炭素数8以上、18以下のアルキル基又はアルケニル基又はアルキルフェニル基、好ましくはアルキル基であり、R42は炭素数2以上、4以下のアルキレン基であり、Gは炭素数5以上、6以下の還元糖に由来する残基である。x(平均値)は0以上、5以下であり、y(平均値)は1以上、5以下である。〕
上記一般式(a4)中の好ましいxの値は0以上、2以下であり、特に好ましくは0である。また、一般式(a4)中のyの平均値は1以上、5以下、好ましくは1以上、1.5以下、より好ましくは1.1以上、1.4以下である。なお、yの測定値はプロトンNMR法によるものである。好ましい原料は、それらの入手容易性及びコストの点から、単糖類ではグルコース及びフルクトースであり、2糖類以上ではマルトース及びスクロースである。R41は、直鎖又は分岐鎖の総炭素数8以上、18以下のアルキル基が好ましい。
(7)炭素数5以上、20以下の直鎖又は分岐鎖のアルキルグリセリルエーテル。
これらの非イオン性界面活性剤の中でも(1)、(2)、(5)、(6)及び(7)が好ましく、更に(1)、(5)、(6)及び(7)が好ましく、より更に(1)及び(6)が好ましい。よって、界面活性剤(a)は、ポリオキシエチレンモノアルキル又はモノアルケニルエーテル及びアルキルグリコシドから選ばれる1種以上が好ましい。
界面活性剤(a)としては、前記一般式(a1−1)のポリオキシエチレンアルキル又はアルケニルエーテルを含むことが好ましい。本発明では、低泡性及び洗浄性の点で、一般式(a1−1)中のR11'の炭素数が8以上、14以下であることが好ましく、特に炭素数12以上、14以下が好ましい。また、一般式(a1−1)中のR11'のアルキル基又はアルケニル基は、特に第2級アルコール由来のものが好ましい。また、一般式(a1−1)のエチレンオキサイドの平均付加モル数mは2以上、4以下が好ましい。一般式(a1)、更に(a1−1)の非イオン性界面活性剤は、残留する未反応のアルコールが2質量%以下であることが好ましい。
本発明に用いる液体洗浄剤組成物中の界面活性剤(a)の含有量は、配合安定性及び複合汚れに対する洗浄力の観点から、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは1質量%以上、更に好ましくは2質量%以上、より更に好ましくは2.5質量%以上であり、そして、好ましくは10質量%以下、より好ましくは8質量%以下、更に好ましくは5質量%以下である。
<増粘剤(b)>
本発明においては、液体洗浄剤組成物の粘度を調整することを目的として、増粘剤(b)を用いる。
増粘剤(b)としては、例えばペクチン、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、トラガントガム、カラギーナン、ローカストビーンガム、デキストリン、デキストリン脂肪酸エステル、(メタ)アクリル酸系ポリマー、キサンタンガム、グアーガム、ゼラチン、アルギン酸ナトリウム、アラビアゴム、及びデンプン等の水溶性高分子や、スメクタイトのような水膨潤性粘土鉱物が挙げられる。
本発明においては前記増粘剤(b)の中でも、増粘性、保存安定性の観点から、(メタ)アクリル酸系ポリマーが好ましい。
(メタ)アクリル酸系ポリマーとしては、(メタ)アクリル酸のホモポリマー又はその塩(以下、「(b−1)成分」ともいう)、及び(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリル酸エステルとのコポリマー又はその塩(以下、「(b−2)成分」ともいう)から選ばれる1種以上が挙げられる。
なお、本明細書において「(メタ)アクリル酸」とは、「アクリル酸又はメタクリル酸」を意味する。
また、(b−1)成分及び(b−2)成分における「塩」とは、ナトリウム塩、カリウム塩、アルカノールアミン塩、及びアンモニウム塩から選ばれる1種以上が挙げられる。
(b−1)成分及び(b−2)成分は、モノマーとして塩型の化合物を用いたポリマーであっても、共重合後に中和したポリマーであってもよく、両者を併用したものであってもよい。
〔(b−1)成分〕
(b−1)成分は(メタ)アクリル酸のホモポリマー又はその塩であり、具体的には、主たる構成モノマーがアクリル酸であるポリマー又はその塩が好ましい。
(b−1)成分を構成するポリマー中のアクリル酸に由来する構成単位の量は、好ましくは99.9モル%以上であり、実質的に100mol%であることが好ましい。
(メタ)アクリル酸のホモポリマー又はその塩は、エチレン性不飽和基を少なくとも2個有する化合物を架橋剤として使用して得られる架橋型ポリアクリル酸又はその塩であってもよい。
前記エチレン性不飽和基を少なくとも2個有する化合物としては、例えば、ペンタエリスリトールテトラアリルエーテル、テトラアリルオキシエタン、リン酸トリアリル及びポリアリルサッカロースから選ばれる1種以上が挙げられる。
前記架橋剤の量は、アクリル酸100質量部に対して、好ましくは0.01質量部以上、より好ましくは0.05質量部以上であり、そして、好ましくは3質量部以下である。
(b−1)成分の市販品としては、例えば、ノベオン社(Noveon Inc.)製のカーボポール980及びカーボポール981、住友精化株式会社製のアクペックHV501E、HV505E等が挙げられる。
これらの(b−1)成分は、単独でもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
〔(b−2)成分〕
(b−2)成分は、(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリル酸エステルとのコポリマー又はその塩である。
(b−2)成分を構成する(メタ)アクリル酸エステルにおいて、エステルを構成する炭化水素基はアルキル基が好ましく、その炭素数は好ましくは8以上、30以下、より好ましくは10以上、30以下である。
また、(b−2)成分は、炭素数2以上、4以下のアルキレンオキサイド(以下、「AO」ともいう)を(メタ)アクリル酸及び(メタ)アクリル酸エステルから選ばれる1種以上に付加させた単量体、すなわち、(メタ)アクリル酸AO付加物及び(メタ)アクリル酸エステルのAO付加物から選ばれる1種以上の単量体に由来する構成単位を含んでいてもよい。AOとしてはエチレンオキサイド、プロピレンオキサイドが挙げられ、中でもエチレンオキサイドが好ましい。(b−2)成分が(メタ)アクリル酸AO付加物及び(メタ)アクリル酸エステルのAO付加物から選ばれる1種以上の単量体に由来する構成単位を含む場合、AOの平均付加モル数は5以上、20以下が好ましい。
また、(b−2)成分において、(メタ)アクリル酸エステルの単量体の比率は、(メタ)アクリル酸100モルに対して、好ましくは0.2モル以上、10モル以下、より好ましくは0.5モル以上、5モル以下である。
また、AO由来の構成単位を導入する場合、(メタ)アクリル酸AO付加物及び(メタ)アクリル酸エステルのAO付加物から選ばれる1種以上の単量体比率は、(メタ)アクリル酸100モルに対して、好ましくは0.2モル以上、10モル以下である。
(b−2)成分は、構成単量体としてアクリル酸とメタクリル酸アルキルエステルのみを実質的に含むものが好ましく、その上で、架橋剤としてエチレン性不飽和基を少なくとも2個有する化合物を、アクリル酸100質量部に対して、好ましくは0.01質量部以上、3質量部以下使用して得られる架橋型アクリル酸/アクリル酸アルキルコポリマー又はその塩が好ましい。
(b−2)成分の市販品としては、例えば、ノベオン社(Noveon Inc.)製のカーボポールETD2020、住友精化株式会社製アクペックHV501ER、アクペックHV701EDR等が挙げられる。
これらの(b−2)成分は、単独でもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(b−1)成分、又は(b−2)成分は、その水溶液の粘度が好ましくは500mPa・s以上、より好ましくは1,000mPa・s以上、更に好ましくは3,000mPa・s以上、更に好ましくは5,000mPa・s以上、更に好ましくは10,000mPa・s以上であり、そして、好ましくは100,000mPa・s以下、より好ましくは70,000mPa・s以下、更に好ましくは50,000mPa・s以下、更に好ましくは40,000mPa・s以下である。
なお、前記(b−1)成分、又は(b−2)成分の水溶液の粘度は、(b−1)成分又は(b−2)成分の濃度が1.0質量%であって、水酸化ナトリウムでpH7.0に調整した水溶液を、ブルックフィールド型粘度計(ローターNo.4、回転数12r/m)を用いて20℃にて測定した粘度を意味する。
(b−1)成分及び(b−2)成分から選ばれる1種以上の成分は、後述のpH調整剤との塩として洗浄剤組成物中に存在することが好ましい。
〔スメクタイト〕
本発明においては、増粘剤(b)としてスメクタイトを用いることができる。
スメクタイトとしては天然及び合成のいずれであってもよいが、ガラス質、長石、石英、雲母、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、及び炭酸マンガン等の含有率が5質量%以下であるものが好ましい。
スメクタイトの具体例としては、ジオクタヘドラル群のモンモリロナイト、バイデライト、ノントロイト等又はトリオクタヘドラル群のサポナイト、ヘクトライト、スチーブンサイト等の天然又は合成のコロイド性ケイ酸塩を挙げることができる。
これらの中でもヘクトライトが好ましく、市販品としては、ロックウッドアディティブズ社製ラポナイトシリーズ、クニミネ工業社製クニピア、スメクトン等を挙げることができる。
前記界面活性剤(b)に対する前記増粘剤(a)の質量比[(a)/(b)]は、気温変化に拘らず一定量の液体洗浄剤組成物を排出することができるようにする観点から、好ましくは1以上、より好ましくは1.2以上、更に好ましくは1.3以上、より更に好ましくは1.4以上であり、そして、好ましくは20以下、より好ましくは10以下、更に好ましくは8以下、より更に好ましくは7以下、より更に好ましくは6以下、より更に好ましくは5以下、より更に好ましくは4以下である。
また、界面活性剤(a)が非イオン性界面活性剤である場合、質量比[(a)/(b)]は、気温変化に拘らず一定量の液体洗浄剤組成物を排出することができるようにする観点から、好ましくは1以上、より好ましくは1.2以上、更に好ましくは1.3以上、より更に好ましくは1.4以上であり、そして、好ましくは20以下、より好ましくは10以下、更に好ましくは8以下、より更に好ましくは7以下、より更に好ましくは6以下、より更に好ましくは5以下、より更に好ましくは4以下である。
<金属封鎖剤(c)>
本発明においては、洗浄性能を向上させることを目的として、金属封鎖剤(c)を用いる。ただし、本発明における金属封鎖剤(c)は、前記増粘剤(b)として挙げた化合物を除くものとする。
金属封鎖剤としては、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、コハク酸、メチルグリシン二酢酸、グルタミン酸二酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、エチレンジアミン二コハク酸、ニトリロ三酢酸、1,3−プロパンジアミン三酢酸、1,3−ジアミノ−2−ヒドロキシプロパン四酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、トリエチレンテトラアミン六酢酸、ジヒドロキシエチルグリシン、及びヒドロキシエチルエチレンジアミンジカルボキシメチルグルタミン酸等のポリカルボン酸、トリポリリン酸、アクリル酸とマレイン酸とのコポリマー、又はこれらの塩を用いることができる。
これらの中でも、クエン酸、リンゴ酸、メチルグリシン二酢酸、グルタミン酸二酢酸、エチレンジアミン四酢酸及びトリポリリン酸、アクリル酸とマレイン酸とのコポリマー、又はこれらの塩が好ましい。これらの金属封鎖剤(c)は、単独でもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
中でもクエン酸、リンゴ酸、又はこれらの塩から選ばれる1種と、メチルグリシン二酢酸、グルタミン酸二酢酸、又はこれらの塩から選ばれる1種とを併用することが洗浄性能の観点から好ましい。
前記界面活性剤(a)に対する金属封鎖剤(c)の質量比[(c)/(a)]は、洗浄性能を向上させる観点から、好ましくは1以上、より好ましくは3以上、更に好ましくは6以上、より更に好ましくは8以上であり、そして、好ましくは15以下、より好ましくは13以下、更に好ましくは12以下、より更に好ましくは11以下である。
また、界面活性剤(a)が非イオン性界面活性剤である場合、質量比[(c)/(a)]は、洗浄性能を向上させる観点から、好ましくは1以上、より好ましくは3以上、更に好ましくは6以上、より更に好ましくは8以上であり、そして、好ましくは15以下、より好ましくは13以下、更に好ましくは12以下、より更に好ましくは11以下である。
<水(d)>
液体洗浄剤組成物を構成する水としては、水道水、蒸留水、又は脱イオン水を用いることができる。これらの中でも、液体洗浄剤組成物の保存安定性の観点から、蒸留水又は脱イオン水が好ましい。
<シリコーン化合物(e)>
本発明においては、泡立ちを抑制することを目的として、シリコーン化合物(e)を用いることが好ましい。
シリコーン化合物(e)としては、泡立ちを抑制する観点から、水不溶性のシリコーン化合物が好ましい。なお、本明細書において「水不溶性」とは、20℃のイオン交換水1Lに溶解する量が1g以下の性質をいう。
シリコーン化合物(e)の具体例としては、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチル水素ポリシロキサン等のストレートシリコーン化合物や、変性シリコーンを挙げることができる。なお、本明細書において「変性シリコーン」とは、ポリシロキサンの中でも、側鎖、末端に有機基を導入したものをいう。
変性シリコーンとしては、長鎖アルキル変性シリコーン、アルキルアラルキル変性シリコーン、アルキルポリエーテル変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、高級アルコールエステル変性シリコーン、高級脂肪酸エステル変性シリコーン、フルオロアルキル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、アミド変性シリコーン、アミノポリエーテル変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、カルボキシル変性シリコーン、カルビノール変性シリコーン、フェノール変性シリコーン、メタクリル変性シリコーン、オキサゾリン変性シリコーン、ポリエステル変性シリコーン、ヒドロキシ変性シリコーン、及びアルコキシ変性シリコーンから選ばれる1種以上を用いることができる。
これらの中でも、下記一般式(e−1)〜(e−3c)で表されるジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、及びポリエーテル変性シリコーンから選ばれる1種以上が好ましい。
(e−1)ジメチルポリシロキサン
ジメチルポリシロキサンとしては、例えば下記一般式(e−1)で表されるものが好ましい。
Figure 2016060798
(式中、aは3以上、20,000以下の数を示し、好ましくは10以上、10,000以下であり、より好ましくは100以上、5,000以下であり、更に好ましくは500以上、1,000以下である。)
(e−2)メチルフェニルポリシロキサン
メチルフェニルポリシロキサンとしては、例えば下記一般式(e−2a)又は(e−2b)で表されるものが好ましい。
Figure 2016060798
(式中、bは1以上、20,000以下の数を示し、好ましくは10以上、10,000以下であり、より好ましくは100以上、5,000以下であり、更に好ましくは500以上、2,000以下である。c及びdはそれぞれ1以上の数であり、合計で2以上、500以下となる数を示し、好ましくは5以上、300以下であり、より好ましくは10以上、100以下であり、更に好ましくは30以上、80以下である。)
(e−3)ポリエーテル変性シリコーン
ポリエーテル変性シリコーンとしては、例えば一般式(e−3a)、(e−3b)又は(e−3c)で表されるものが好ましい。
Figure 2016060798
(式中、R51は基−(CH23−O−(C24O)g−(C36O)h−A〔Aは水素原子又は炭素数1以上、12以下のアルキル基、g及びhは合計で1以上となるそれぞれ0以上、50以下の整数を示し、好ましくは5以上、30以下であり、より好ましくは10以上、20以下である。〕を示す。eは1以上、2,000以下の整数を示し、好ましくは10以上、1,000以下であり、より好ましくは50以上、500以下である。fは1以上、1,000以下の整数を示し、好ましくは10以上、500以下であり、より好ましくは50以上、300以下である。)
本発明においては、これらのシリコーン化合物の中でも、泡立ちを抑制する観点から、一般式(e−1)又は(e−3a)で表されるシリコーン化合物がより好ましい。
本発明におけるシリコーン化合物(e)は、オイルタイプ、エマルションタイプ、及びコンパウンドタイプ等のいずれの形態であってもよいが、これらの中でも、シリカ等の無機化合物との混合物であるコンパウンドタイプであることが好ましい。
シリコーン化合物(e)の重量平均分子量は、好ましくは1,000以上、より好ましくは3,000以上、更に好ましくは5,000以上であり、そして、好ましくは100万以下、より好ましくは80万以下、更に好ましくは60万以下である。
また、シリコーン化合物(e)の25℃における粘度は、好ましくは100mPa・s以上、より好ましくは200mPa・s以上、更に好ましくは500mPa・s以上であり、そして、好ましくは10,000mPa・s以下、より好ましくは5,000mPa・s以下、更に好ましくは1,500mPa・s以下である。
液体洗浄剤組成物がシリコーン化合物(e)を含有する場合、シリコーン化合物(e)の含有量は、泡立ちを抑制する観点から、好ましくは0.005質量%以上、より好ましくは0.01質量%以上、更に好ましくは0.03質量%以上、より更に好ましくは0.05質量%以上、製造コスト、保存安定性の観点から、好ましくは3質量%以下、より好ましくは1質量%以下、更に好ましくは0.5質量%以下、より更に好ましくは0.3質量%以下、より更に好ましくは0.2質量%以下である。
<酵素(f)>
本発明に用いる液体洗浄剤組成物は、洗浄性能を向上させることを目的として、酵素(f)を含有することが好ましい。
酵素としては、アミラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼ、セルラーゼ、エステラーゼ、及びペルオキシダーゼから選ばれる1種以上を用いることができ、市販品として粒状化されたものを用いることができる。いずれの酵素も他成分との保存安定性等を考慮して適宜選択すればよい。
これらの中でも、他の界面活性剤では除去が難しい糊化したデンプンへの作用が期待されるアミラーゼが好ましい。また、界面活性剤等では除去が困難な変性タンパク質等に対して著しい効果を示すことからプロテアーゼも好ましい。本発明においては、アミラーゼとプロテアーゼを併用することが最も好ましい。
液体洗浄剤組成物が酵素(f)を含有する場合、酵素(f)の含有量は、好ましくは0.5質量%以上、より好ましくは1質量%以上、更に好ましくは1.5質量%以上、より更に好ましくは1.8質量%以上であり、そして、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下、更に好ましくは3質量%以下、より更に好ましくは2.5質量%以下である。
<溶媒>
本発明においては、前記水以外の溶媒を用いてもよい。溶媒としては、エタノール、ポリエチレングリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、イソプレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、3−メチル−3−メトキシブタノール、フェノキシエタノール、フェニルグリコール、フェノキシイソプロパノール、ブチルジグリコール(ジエチレングリコールモノブチルエーテル)、ジブチレンジグリコール、及びベンジルアルコールから選ばれる1種以上を用いることができる。
溶媒を用いる場合、液体洗浄剤組成物中の溶媒の量は、組成物の安定性を向上させる観点から、好ましくは2質量%以上、より好ましくは3質量%以上であり、安価に製造する観点から、好ましくは20質量%以下、より好ましくは10質量%以下、更に好ましくは7質量%以下である。
<粘度>
本発明に用いる液体洗浄剤組成物の20℃における粘度は30mPa・s以上、10,000mPa・s以下である。液体洗浄剤組成物の20℃における粘度が前記範囲内であると、液体洗浄剤組成物の液漏れもしくは液詰まりが発生することなく、良好に液体洗浄剤組成物が容器から一定量吐出される。
前記20℃における粘度は、液体洗浄剤組成物を入れた特定の容器からの液漏れもしくは液つまり防止の観点から、30mPa・s以上、好ましくは50mPa・s以上、より好ましくは100mPa・s以上、更に好ましくは150mPa・s以上、より更に好ましくは200mPa・s以上であり、そして、10,000mPa・s以下、好ましくは5,000mPa・s以下、より好ましくは3,000mPa・s以下、更に好ましくは2,000mPa・s以下である。
また、液体洗浄剤組成物の40℃における粘度に対する5℃における粘度の比[5℃における粘度/40℃における粘度]は、0.5以上、5以下である。前記粘度の比が前記範囲内であると、温度変化に拘らず一定量の液体洗浄剤組成物を特定の容器から吐出することができ、液だれ等の問題を生じない。
前記粘度の比[5℃における粘度/40℃における粘度]は、温度変化に拘らず一定量の液体洗浄剤組成物を特定の容器から吐出する観点から、0.5以上、理想的には1であることが好ましいが、好ましくは1以上、より好ましくは1.3以上、更に好ましくは1.4以上であり、そして、5以下、より好ましくは3以下、更に好ましくは2以下、より更に好ましくは1.8以下である。
<pH>
本発明に用いる液体洗浄剤組成物の25℃におけるpHは、配合安定性の観点から、好ましくは6以上、8以下、より好ましくは7以上、8以下である。なお、本発明における液体洗浄剤組成物のpHは、JIS−Z−8802:1984「pH測定方法」に記載の方法で測定した値である。
本発明においては、pHの値を前記範囲に調整するためにpH調整剤を用いることができ、具体的には、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムから選ばれる無機アルカリ剤、アミン化合物から選ばれる有機アルカリ剤を挙げることができる。アミン化合物としては下記一般式(I)で表されるアミン化合物が好適である。pH調整剤は、液体洗浄剤組成物のpHを調整するために、適宜適量添加される。
Figure 2016060798
(式中、R61は水素原子、炭素数1以上、4以下のアルキル基、又は炭素数2以上、4以下のヒドロキシアルキル基を示し、R62、R63は、それぞれ水素原子、炭素数1以上、4以下のアルキル基又は炭素数2以上、4以下のヒドロキシアルキル基を示す。)
一般式(I)で表される化合物としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルプロパノール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール等を挙げることができる。
これらの中でも、液体洗浄剤組成物の配合安定性とコスト面から、無機アルカリ剤としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等の水酸化物が好ましく、有機アルカリ剤としては、モノエタノールアミンが好ましい。
<その他の成分>
本発明においては、その他の洗浄成分として、ポリプロピレングリコール等の高分子成分や、硫酸塩、亜硫酸塩、硫酸水素塩、塩酸塩、リン酸塩等の水溶性無機塩類を用いることができる。
また、通常の液体洗浄剤組成物に用いることができるその他の成分を配合することができる。例えば、漂白剤、漂白活性化剤、カルシウム塩や蟻酸等の酵素安定化剤、香料、防菌、防黴剤、及び色素等を挙げることができる。
<液体洗浄剤組成物>
前記液体洗浄剤組成物は、食器用、衣料用、住居用等の洗浄剤として好適に使用することができ、特に自動食器洗浄機用液体洗浄剤組成物として好適である。
<容器>
本発明の液体洗浄剤物品は、前記液体洗浄剤組成物を容器に充填してなる液体洗浄剤物品である。前記容器としては、容器本体を変形させることにより該容器の吐出口から内容液である液体洗浄剤組成物を所定量吐出させる定量吐出スクイズ容器を用いる。
以下、図1を用いて本発明に用いることができる定量吐出スクイズ容器について説明する。図1に示す定量吐出スクイズ容器10は、容器本体11、口首部12、胴部13、スクイズ操作部14、及び底部15を備える合成樹脂製の中空のボトル形状の容器である。
容器本体11の口首部12には、後述する着脱可能なキャップ部材(図示省略)が装着される。そして、スクイズ容器10には、内容液として、前記液体洗浄剤組成物を充填することができる。
スクイズ容器10は、容器本体11の胴部13を把持して傾倒又は倒立させた状態で、スクイズ操作部14をスクイズ方向Xにスクイズ(圧搾)することにより容器本体11を変形させ、例えばキャップ部材に設けられた吐出口から液体洗浄剤組成物を吐出箇所に向けて所定量吐出させることができる。
本実施形態において容器本体11は、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、高密度ポリエチレン、塩化ビニル等の公知の合成樹脂で製造することができ、例えばブロー成形することにより形成することができる。
次に、容器本体11の口首部12に着脱可能なキャップ部材について、図2,3を用いて説明する。図2,3におけるキャップ部材20は、容器本体11の口首部12に取り付けて用いられるものであって、スクイズ操作部14のスクイズ変形(圧搾変形)により、吐出口24から前記液体洗浄剤組成物を吐出するための液流路を有する。なお、口首部12と、キャップ部材20とは、公知の各種の螺合手段や嵌合手段を介して着脱可能に装着される。
キャップ部材20は、容器本体11の口首部12から吐出口24に至る液流路の少なくとも一部を構成する螺旋状流路25を有するものである。螺旋状流路25はキャップ部材20の吐出口24に向う筒状導出路26に設けられた螺旋羽根21によって形成されている。なお、螺旋羽根21は、中心軸部材22に一体形成されたプラスチック製の成形品である。
本実施形態において螺旋羽根21は、中心軸部材22の下端部に一体として設けられた支持棒23を、筒状導出路26の下端開口の周縁部に接合することにより配置される。なお、螺旋羽根21の周端面は、筒状導出路26の内周面に接触させた状態であることが好ましい。
螺旋羽根21によって設けられた螺旋状流路25の底面部25aは、スクイズ容器10の正立状態で、螺旋羽根21の上端部から容器本体11の胴部13に向けて連続して傾斜する下り勾配を形成する。ここで、下り勾配とは、螺旋状流路25の底面部25aが全体として下り勾配になっていればよく、途中に水平な部分があってもよい。
本実施形態では、螺旋羽根21が中心軸部材22を中心に1周する形態を採用しているが、螺旋羽根21は中心軸部材22を中心に1周未満の形態であってもよく、1周以上の形態であってもよい。
本実施形態のキャップ部材20によれば、このように螺旋状流路25の底面部25aがスクイズ容器10の正立状態で下り勾配となっているため、スクイズ容器10をスクイズする前の状態において、内容液の漏出や液だれを効果的に回避できる。
本発明は上記実施形態に限定されることなく種々の変更が可能である。例えば、容器本体の口首部から吐出口に至る液流路の少なくとも一部に設けられる螺旋状流路を形成するための部材は、前述の螺旋羽根に限定されることなく、その他の種々の部材を用いることができる。
[液体洗浄剤の計量方法]
本発明の液体洗浄剤の計量方法は、前記液体洗浄剤物品の容器を傾倒又は倒立させた後、容器胴体部を押して変形させることにより一定量の液を排出する方法である。
また、本発明の液体洗浄剤の計量方法は、前記液体洗浄剤を充填した液体洗浄剤物品の容器胴体部を変形させることにより一定量の液を排出する方法である。
これら本発明の方法によれば、気温変化に拘らず一定量の液体洗浄剤組成物を排出することができる。
<実施例1〜5、比較例1〜7>
表1、2に示す配合組成で液体洗浄剤組成物を調製し、以下の評価を行った。評価方法は下記のとおりである。なお、モノエタノールアミン又は塩酸(濃度1M)を用いて全ての実施例及び比較例のpHを7.5に調整した。
<粘度の測定方法>
実施例及び比較例で調製した液体洗浄剤組成物をB型回転粘度計、No.3ローターを用いて、5℃、20℃、及び40℃の粘度をそれぞれで測定した。なお、回転数30rpmで2分間回転した後の値を測定値とした。
<吐出量>
図1に示す容器に対して図2に示すキャップ部材を装着したものを使用して吐出量の評価を行った。容器に実施例及び比較例の洗浄剤組成物を400g充填し、容器の吐出部を開口させた状態で容器を鉛直に反転させた際に吐出される量を測定した。この操作を5人の測定者がそれぞれ5回行い、平均値を本評価の吐出量とした。結果を表1,2に示す。
<吐出性の評価>
図1に示す容器に対して図2に示すキャップ部材を装着した容器に実施例及び比較例の洗浄剤組成物を400g充填して、下記各種評価を行った。結果を表1,2に示す。
〔液だれ〕
前記容器の吐出部を開口させた状態で容器を鉛直に反転させ、5秒間静置した時の吐出量を20℃で測定し、以下の基準にしたがって評価した。
A:静置時の吐出量が0.5g未満であった場合。
B:静置時の吐出量が0.5g以上、1.0g未満であった場合。
C:静置時の吐出量が1.0g以上であった場合。
〔定量性〕
5人の測定者により5℃、20℃及び40℃について、それぞれ5回吐出量を測定した後、各温度における平均値を算出し、次いで下記計算式に基づいて吐出量誤差を計算し、下記基準にしたがって評価した。
吐出量誤差=[(40℃吐出量/20℃吐出量)−(5℃吐出量/20℃吐出量)]×100 [%])
A:吐出量誤差が10%未満であった場合。
B:吐出量誤差が10%以上30%未満であった場合。
C:吐出量誤差が30%以上50%未満であった場合。
D:吐出量誤差が50%以上、又は吐出自体が困難であった場合。
〔調製直後の吐出性〕
前記容器の吐出部を開口させた状態で容器を鉛直に反転させ、更に容器の変形部に力を加えた際の吐出の様子を下記基準にしたがって評価した。
A:変形部を30Nで変形させることにより、容易に吐出した場合。
B:変形部を30Nで変形させることにより、吐出可能であった場合。
C:変形部を30Nで変形させても吐出不可能であった場合。
〔振盪後の吐出性〕
前記容器を持って10秒間に20回上下に振盪を行った後、前記調製直後の吐出性と同様の評価を行った。
A:振盪を行わない時と同等の吐出性を有する。
B:わずかな起泡により、振盪を行わない時と比較してわずかに吐出性が悪くなる。
C:著しく起泡し、振盪を行わない時と比較して吐出が困難になる。
なお、実施例及び比較例で用いた化合物は以下のとおりである。
<界面活性剤(a)>
・非イオン性界面活性剤(1)
アルキル基の炭素数が12以上、14以下の第2級高級アルコールにオキシエチレン基が平均3モル付加したポリオキシエチレンアルキルエーテル
・非イオン性界面活性剤(2)
アルキル基の炭素数が12の直鎖第1級高級アルコールにオキシエチレン基が平均4モル付加したポリオキシエチレンアルキルエーテル
・非イオン性界面活性剤(3)
アルキル基の炭素数が12、グルコースの平均重合度が1.3のアルキルグリコシド
・陰イオン界面活性剤(1)
炭素数が12以上、18以下のアルカンスルホン酸の塩
・陽イオン界面活性剤(1)
炭素数が12以上、14以下の脂肪酸のジメチルアミノプロピル塩
<増粘剤(b)>
・増粘剤(1)
アクペックHV501E(架橋型ポリアクリル酸、住友精化株式会社製)
前記条件における1.0質量%水溶液の粘度:12,000mPa・s
・増粘剤(2)
アクペックHV701EDR〔架橋型アクリル酸/メタクリル酸アルキル(炭素数10〜30)コポリマー、住友精化株式会社製〕
前記条件における1.0質量%水溶液の粘度:37,500mPa・s
<金属封鎖剤(c)>
・金属封鎖剤(1)
グルタミン酸二酢酸四ナトリウム:Dissolvine47-GL-S(アグゾノーベル製)
・金属封鎖剤(2)
アクリル酸/マレイン酸コポリマーの塩(重量平均分子量20,000、アクリル酸/マレイン酸のモル比=7/3、ナトリウム塩、花王株式会社製)
・金属封鎖剤(3)
リンゴ酸:扶桑化学工業株式会社製
<水(d)>
・イオン交換水
<シリコーン化合物(e)>
・Xiameter ACP-1500 Antifoam Compound(東レ・ダウコーニング株式会社製)
<酵素(f)>
・プロテアーゼ(1)
KAP8.0L-Q(花王株式会社製)
・プロテアーゼ(2)
Everlase 16L(ノボザイムズ ジャパン株式会社製)
・α−アミラーゼ
Termamyl Ultra 300L、ノボザイムズ ジャパン株式会社製
<溶媒>
・グリセリン(花王株式会社製)
<pH調整剤>
・モノエタノールアミン(株式会社日本触媒製)
<その他>
・ポリプロピレングリコール
重量平均分子量3,000,平均縮合度約50
(ジオールタイプ、和光純薬工業株式会社製)
・塩化カルシウム(株式会社トクヤマ製)
・亜硫酸ナトリウム(神洲化学株式会社製)
・香料(花王株式会社製)
Figure 2016060798
Figure 2016060798
表1より明らかなように、本発明の液体洗浄剤物品によれば、各温度変化に拘らず一定量の液体洗浄剤組成物を吐出することができ、液だれ等の問題を生じないことがわかる。

Claims (8)

  1. 界面活性剤(a)、増粘剤(b)、金属封鎖剤(c)、及び水(d)を含有し、20℃における粘度が30mPa・s以上、10,000mPa・s以下であり、40℃における粘度に対する5℃における粘度の比[5℃における粘度/40℃における粘度]が0.5以上、5以下である液体洗浄剤組成物を容器に充填してなる液体洗浄剤物品であり、該容器が容器本体を変形させることにより該容器の吐出口から内容液である該液体洗浄剤組成物を所定量吐出させる定量吐出スクイズ容器である液体洗浄剤物品。
  2. 前記液体洗浄剤組成物が更にシリコーン化合物(e)を含有する、請求項1に記載の液体洗浄剤物品。
  3. 前記界面活性剤(b)に対する前記増粘剤(a)の質量比[(a)/(b)]が、1以上、20以下である、請求項1又は2記載の液体洗浄剤物品。
  4. 前記界面活性剤(a)に対する金属封鎖剤(c)の質量比[(c)/(a)]が、1以上、15以下である、請求項1〜3のいずれかに記載の液体洗浄剤物品。
  5. 前記容器が前記液体洗浄剤組成物を吐出するための液流路を有するキャップ部材を備えるものであり、該液流路の少なくとも一部が螺旋状である、請求項1〜4のいずれかに記載の液体洗浄剤物品。
  6. 前記液体洗浄剤組成物が自動食器洗浄機用液体洗浄剤組成物である、請求項1〜5のいずれかに記載の液体洗浄剤物品。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の液体洗浄剤物品の容器を傾倒又は倒立させた後、容器胴体部を押して変形させることにより一定量の液を排出する、液体洗浄剤の計量方法。
  8. 請求項1〜6のいずれかに記載の液体洗浄剤物品の容器胴体部を変形させることにより一定量の液を排出する、液体洗浄剤の計量方法。
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