JP6591277B2 - 食器用液体洗浄剤組成物 - Google Patents
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特許文献2には、デシル硫酸塩と縮合リン酸塩とを所定の質量比で含有する洗浄剤が開示されている。
通常、液体洗浄剤組成物は、容器に充填され、容器から一定量を排出して使用される。そのため、液体洗浄剤組成物は、使用時の温度に係わらず、容器に充填された液体洗浄剤組成物の吐出量が一定となる、使い勝手の良さが求められている。
R1−O−(PO)m1−SO3−M1 (a1)
〔式中、R1は、炭素数10のアルキル基又はアルケニル基を示し、POはプロピレンオキシ基を示し、m1はPOの平均付加モル数を示し、0以上1.5以下の数である。M1は水素原子又は陽イオンを示す。〕
本発明の食器用液体洗浄剤組成物は、吐出安定性と高温安定性に優れるため、使用性に優れた食器用液体洗浄剤組成物を提供することができる。
そこで本発明者等は、(a)成分を含有する液体洗浄剤組成物中に、本発明の(b)成分である特定のスルホン酸又はカルボン酸化合物と(c)増粘剤とを含有させることで、単に増粘させるだけでなく、低温(5℃)と高温(40℃)との粘度差を少なくすることができ、これにより前記温度間における前記吐出量の変動を少なくし、使用時の利便性を高めることができると共に、高温(50℃)での保存安定性も向上させることができることを見出した。
R1−O−(PO)m1−SO3−M1 (a1)
〔式中、R1は、炭素数10のアルキル基又はアルケニル基を示し、POはプロピレンオキシ基を示し、m1はPOの平均付加モル数を示し、0以上1.5以下の数である。M1は水素原子又は陽イオンを示す。〕
m1はPOの平均付加モル数を示し、0以上であり、洗浄力及び抑泡性の観点から、1.5以下、好ましくは1.0以下、より好ましくは0.7以下、更に好ましくは0.5以下、より更に好ましくは0.3以下、より更に好ましくは0.1以下である。また、m1が0であることも好ましい。
M1は、水素原子又は陽イオンであり、塩を形成する陽イオンとして、例えば、アルカリ金属イオン、アルカノールアンモニウムイオン、アンモニウムイオン等が挙げられる。アルカリ金属イオンとしては、ナトリウムイオン、カリウムイオン、リチウムイオンが挙げられ、アルカノールアンモニウムイオンとしては、モノエタノールアンモニウムイオン、ジエタノールアンモニウムイオン、トリエタノールアンモニウムイオン等が挙げられる。これらの中では、ナトリウムイオン又はカリウムイオンが好ましく、ナトリウムイオンがより好ましい。
また、(c2)の共重合体中の(メタ)アクリル酸エステルからのモノマー構成単位の比率は、モル比で(メタ)アクリル酸100に対して(メタ)アクリル酸エステルを、好ましくは0.2以上、より好ましくは0.5以上、そして、好ましくは10以下、より好ましくは5以下である。
なお、(c2)は、(メタ)アクリル酸重合体を後からエステル化したものを含むものとする。
なお、重量平均分子量は、ゲルパーミテーションクロマトグラフィーでポリスチレンを標準物質として求めることができる
尚、(d)成分は、前述の一般式(a1)中のM1、一般式(b1)中のM2、あるいは後述する一般式(g1)中のM3として含有又は配合してもよく、前述の(a)成分と(b)成分と(c)成分とを含有した液体洗浄剤組成物に、(d)成分を添加して含有又は配合してもよい。その場合、(d)成分はpH調整剤として用いることもできる。
本発明の食器用洗浄剤組成物は、水を含有する液体洗浄剤組成物である。上記成分を水に溶解、分散、乳化させた形態のいずれであってもよい。水は金属成分を除去したイオン交換水や蒸留水、あるいは次亜塩素酸を0.5ppm以上、10ppm以下程度溶解させた次亜塩素酸滅菌水などを使用することができる。水は組成物の残部であり、全体を100質量%とする量で含有される。
本発明の食器用液体洗浄剤組成物は、(a)成分を、洗浄力の観点から、1.5質量%以上、好ましくは2質量%以上、より好ましくは3質量%以上、更に好ましくは4質量%以上、そして、抑泡性の観点から、好ましくは20質量%以下、より好ましくは15質量%以下、更に好ましくは12質量%以下、より更に好ましくは10質量%以下、より更に好ましくは8質量%以下、より更に好ましくは6質量%以下含有する。なお、(a)成分の含有量(質量%)は、ナトリウム塩換算、すなわち、一般式(a1)中のM1がナトリウムイオンである化合物換算の量に基づいて算出される。
なお(e)成分の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーでポリスチレンを標準物質として求めることができる。
R5−O−(PO)m2−SO3−M3 (g1)
〔式中、R5は、炭素数12以上14以下のアルキル基又はアルケニル基を示し、POはプロピレンオキシ基を示し、m2はPOの平均付加モル数を示し、0以上1.5以下の数である。M3は水素原子又は陽イオンを示す。〕
なお、(g)成分の含有量(質量%)は、ナトリウム塩換算、すなわち、一般式(g2)中のM3がナトリウムイオンである化合物換算の量に基づいて算出される。
また本発明の食器用液体洗浄剤組成物は、吐出安定性に優れるため、容器に充填された洗浄剤組成物を、手洗い用として一定量吐出させる場合や、食器洗浄機の洗浄液貯蔵タンクに一定量吐出させる場合に、使い勝手が良く、好適である。
食器洗浄機、更に業務用食器洗浄機による洗浄の際には、本発明の食器用液体洗浄剤組成物は、水と混合された洗浄液として用いられる。その際、該組成物は、供給装置によって食器洗浄機内部に一定量任意に移送され、適正な洗浄液の濃度が維持される。液体状の本発明の食器用液体洗浄剤組成物は、例えば、業務用食器洗浄機専用のチューブを該組成物が充填されたプラスチック等の容器の中に直接差し込み吸い上げられて供給される。その後、洗浄液は業務用食器洗浄機内部へ供給される。
食器は洗浄された後、通常、同じ食器洗浄機、更に自動食器洗浄機にて速やかに、水、温水ないし熱水、例えば、60℃以上、80℃以下の熱水で5分以上、40分以下濯ぎが行われる。
容器本体11の口首部12には、後述する着脱可能なキャップ部材(図示省略)が装着される。そして、スクイズ容器10には、内容液として、前記液体洗浄剤組成物を充填することができる。
本実施形態において容器本体11は、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、高密度ポリエチレン、塩化ビニル等の公知の合成樹脂で製造することができ、例えばブロー成形することにより形成することができる。
本実施形態において螺旋羽根21は、中心軸部材22の下端部に一体として設けられた支持棒23を、筒状導出路26の下端開口の周縁部に接合することにより配置される。なお、螺旋羽根21の周端面は、筒状導出路26の内周面に接触させた状態であることが好ましい。
本実施形態では、螺旋羽根21が中心軸部材22を中心に1周する形態を採用しているが、螺旋羽根21は中心軸部材22を中心に1周未満の形態であってもよく、1周以上の形態であってもよい。
本実施形態のキャップ部材20によれば、このように螺旋状流路25の底面部25aがスクイズ容器10の正立状態で下り勾配となっているため、スクイズ容器10をスクイズする前の状態において、内容液の漏出や液だれを効果的に回避できる。
(1)タンパク質/脂質複合汚れの洗浄力
70℃に加熱した半熟卵黄0.1g(乾燥重量)を5cm×2.5cmのスライドガラスに塗り、1日乾燥させてタンパク質/脂質複合汚れが付着したスライドガラスを作製した。前記汚れが付着したスライドガラスは複数を作製した。表1に示す食器用液体洗浄剤組成物を、0.2質量%水溶液となるようにイオン交換水を用いて希釈し、洗浄液とした。この洗浄液と上記汚れが付着したスライドガラス3枚とを用いて、リーナッツ試験機(JIS K3362:2008 9.2)を用いた方法により洗浄試験を行った。洗浄時間は7分間、洗浄温度は40℃とした。洗浄後、下記式により洗浄率を各スライドガラスについて算出し、その平均値を各実施例と各比較例の結果とした。
洗浄率(%)=〔(洗浄前のスライドガラスの質量−洗浄後のスライドガラスの質量)/0.1〕×100
洗浄率(%)は、数値が高い方が洗浄力に優れていることを示す。
この評価において、洗浄率は、各実施例、各比較例ともに70%以上であった。
(2−1)粘度測定
表1に示す食器用液体洗浄剤組成物をB型回転粘度計、No.3ローターを用いて、液温が5℃、20℃及び40℃での各食器用液体洗浄剤組成物の粘度をそれぞれ測定した。なお、回転数30rpmで2分間回転した後の値を測定値とし、表1に示した。粘度は、各温度での測定値の差が少ないほど、吐出安定性に優れていることを示している。
図1に示す容器に対して図2及び図3に示すキャップ部材を装着した、定量吐出スクイズ容器を使用して吐出量の評価を行った。
該スクイズ容器に表1に示す食器用液体洗浄剤組成物を400g充填し、容器の吐出部を開口させた状態で容器を鉛直に反転させた際に吐出される量を測定した。この操作を5人の測定者がそれぞれ5回行い、平均値を本評価の吐出量とした。
液温が5℃、20℃及び40℃での各食器用液体洗浄剤組成物について、5人の測定者により、それぞれ5回吐出量を測定した後、各温度における平均値を算出し、その結果を表1に示した。次いで下記計算式に基づいて各食器用液体洗浄剤組成物の吐出量誤差を計算し、その結果を表1に示した。
吐出量誤差=[(40℃吐出量/20℃吐出量)−(5℃吐出量/20℃吐出量)]×100 [%])
吐出量誤差は、数値が小さい方が吐出安定性に優れていることを示し、この評価では、15%以下が好ましく、10%以下がより好ましく、8%以下が更に好ましい。
表1に示す食器用液体洗浄剤組成物30gをPS−No.6規格ガラス瓶に入れ、50℃で静置して20日間、各組成物の外観変化に関する経過観察を行った。目視で分離等の組成物の外観に変化が生じるまでの日数を記録し、表1に示した。表中の20日以上とは、保存安定性試験期間中、外観に変化がなく安定であったことを意味する。
(a)成分
・デシル硫酸ナトリウム:Fluorochem Ltd.製、一般式(a1)中、R1が炭素数10の直鎖アルキル基、m1が0、M1がナトリウムイオンである陰イオン性界面活性剤
・C10(PO)0.6AS:特開2009−035714号公報の実施例3において、原料アルコールを炭素数10に変更したことを除いて同様に製造した陰イオン性界面活性剤〔一般式(a1)中、炭素数10の直鎖アルキル基、m1が0.6、M1がナトリウムである陰イオン性界面活性剤〕。即ち、アルキル鎖が炭素数10の天然アルコール1モルに、プロピレンオキシ基を平均0.6モル付加したのち、三酸化イオウにより硫酸化し、水酸化ナトリウム水溶液で中和して、該陰イオン性界面活性剤を得た。
・m-キシレンスルホン酸:伊藤忠ケミカルフロンティア株式会社製
・p-トルエンスルホン酸:明友産業株式会社製
・p-クメンスルホン酸:テイカ株式会社製
・安息香酸:和光純薬工業株式会社製
・クエン酸:扶桑化学工業株式会社製
・リンゴ酸:扶桑化学工業株式会社製
・塩酸:和光純薬工業株式会社製、1M水溶液
なお、表中の塩酸の量は、1M水溶液の含有量である。
・増粘剤1:住友精化株式会社製、アクペックHV701EDR、架橋ポリアクリル酸、1質量%水溶液粘度37500mPa・s
・増粘剤2:住友精化株式会社製、アクペックHV501E、架橋ポリアクリル酸、1質量%水溶液粘度12500mPa・s
・増粘剤3:五協フード&ケミカル社製、ケルデント、キサンタンガム、1質量%水溶液粘度2800mPa・s
また、各(c)成分の粘度は、水酸化ナトリウムでpH7.0に調整した各(c)成分の1質量%水溶液を、20℃にてブルックフィールド型粘度計(ローターNo.3、回転数30r/m)で測定した値である。
・モノエタノールアミン:株式会社日本触媒製
・ポリプロピレングリコール:旭硝子株式会社製、エクセノール3020、重量平均分子量3000
実施例1と比較例1とを比較すると、(b’)成分である脂肪族有機カルボン酸と増粘剤とを用いた比較例1は、全体に増粘するものの、温度の違いによる粘度差が大きく、吐出安定性が低く、また、高温安定性にも劣ることが分かる。
実施例1〜11と比較例1〜6を比較すると、実施例1〜11は吐出安定性と高温安定性に優れていることが分かる。
これら実施例の中でも、実施例1〜3を比較すると、質量比(b)/(a)が、0.8である実施例2が、吐出安定性と高温安定性により優れていることが分かる。
また、実施例1,4,5を比較すると、質量比(b)/(c)が、4である実施例5が、吐出安定性と高温安定性により優れていることが分かる。
11 容器本体
12 口首部
13 胴部
14 スクイズ操作部
15 底部
20 定量吐出スクイズ容器のキャップ部材
21 螺旋羽根
22 中心軸部材
23 支持棒
24 吐出口
25 螺旋状流路
25a 螺旋状流路25の底面部
26 筒状導出路
Claims (5)
- (a)下記一般式(a1)で表される陰イオン性界面活性剤[以下、(a)成分という]を1.5質量%以上20質量%以下、(b)芳香族スルホン酸、芳香族カルボン酸及びそれらの塩から選ばれる1種以上[以下、(b)成分という]、(c)増粘剤並びに水を含有し、(b)成分と(a)成分の質量比(b)/(a)が、0.1以上10以下である、食器用液体洗浄剤組成物。
R1−O−(PO)m1−SO3−M1 (a1)
〔式中、R1は、炭素数10のアルキル基又はアルケニル基を示し、POはプロピレンオキシ基を示し、m1はPOの平均付加モル数を示し、0以上1.5以下の数である。M1は水素原子又は陽イオンを示す。〕 - (c)増粘剤が、架橋(メタ)アクリル酸系重合体、請求項1又は2に記載の食器用液体洗浄剤組成物。
- 粘度が、20℃で100mPa・s以上1000mPa・s以下である、請求項1〜4の何れか1項に記載の食器用液体洗浄剤組成物。
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