JP2004074314A - 研磨体、この研磨体を備えた研磨装置、この研磨装置を用いた半導体デバイス製造方法及びこの半導体デバイス製造方法により製造された半導体デバイス - Google Patents
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Abstract
【課題】工作物に課される段差解消性及び均一性に対する要求を充分な精度で満たしつつ、エッジエクスクルージョンを極力狭小な範囲に抑えて歩留まりを大きく向上させる。
【解決手段】硬質材料層41と、軟質材料層42と、硬質材料層41及び軟質材料層42の間に介在してこれら両材料層41,42と接合されたプレート部材43とからなる研磨体40において、プレート部材43に所定点Aを中心とする同心弧状の多数のスリット43aを設けることにより、その所定点Aを中心とするプレート部材43の径方向の曲げ剛性が、同所定点Aを中心とするプレート部材43の周方向の曲げ剛性よりも小さくなるように構成する。
【選択図】 図3
【解決手段】硬質材料層41と、軟質材料層42と、硬質材料層41及び軟質材料層42の間に介在してこれら両材料層41,42と接合されたプレート部材43とからなる研磨体40において、プレート部材43に所定点Aを中心とする同心弧状の多数のスリット43aを設けることにより、その所定点Aを中心とするプレート部材43の径方向の曲げ剛性が、同所定点Aを中心とするプレート部材43の周方向の曲げ剛性よりも小さくなるように構成する。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、工作物の表面を平坦研磨する研磨体に関し、また、この研磨体を備えて構成される研磨装置に関する。更に本発明は、この研磨装置を用いた半導体デバイス製造方法、及びこの半導体デバイス製造方法により製造された半導体デバイスに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ICの素子構造はますます微細化・複雑化してきており、多層配線の層数は増加の一途を辿っている。このような多層配線の層数の増加に伴ってIC表面の段差はますます大きくなり、薄膜形成後に行う半導体ウエハ表面の研磨精度がより重要になってきている。この薄膜形成後に行うウエハ表面の研磨精度が悪いと、段差部での薄膜が局所的に薄くなる部分ができてしまい、配線の絶縁不良やショート等が起こる虞がある。また、リソグラフィ工程においては、ウエハの表面に凹凸が多いとピンぼけ状態となることがあり、微細なパターンが形成できなくなることもある。
【0003】
ウエハ表面の平坦化研磨を行う装置としては、スピンドルの下端において保持された半導体ウエハを、回転定盤の上面に取り付けられた研磨パッドに上方から接触させ、ウエハと研磨パッドとの接触面にシリカ粒を含んだスラリー(研磨液)を供給しつつ、ウエハと研磨パッドとの双方を回転させてウエハ表面の研磨を行うCMP(Chemical Mechanical Polishing:化学的機械的研磨)装置が知られている。このCMP装置では、回転定盤の上面に取り付けられた研磨パッドの直径は、研磨されるウエハの直径よりも数倍大きく、複数枚のウエハを同時に研磨することができるようになっているのが一般的である。
【0004】
また、特開平11−156711号公報には、上記構成とは逆に、スピンドルの下部に取り付けられた研磨パッドを、回転定盤の上面側に保持されたウエハに上方から接触させ、ウエハと研磨パッドとの間に上記スラリーを供給しつつ、ウエハと研磨パッドの双方を回転させてウエハ表面を研磨するタイプのCMP装置が開示されている。このタイプのCMP装置では、研磨パッドの直径は研磨されるウエハの直径よりも小さく、研磨パッド側をウエハ表面に対して揺動移動させることにより、ウエハの表面全体を研磨することができるようになっている。このためウエハは一枚ごと研磨することになるが、研磨中におけるウエハの表面状態をリアルタイムで観察できるという利点がある。
【0005】
ところで、ウエハの平坦化に際しては、段差解消性(或いは平坦性)及び均一性に対する所定の要求が満たされる必要がある。ウエハ表面の段差解消性及び均一性には研磨パッドを構成する材料の弾性率(硬さ)が大きく影響し、研磨パッドが硬質材料からなる場合と軟質材料からなる場合とではその研磨特性が大きく異なることが知られている。図10(A)は押圧板71の一面側に硬質材料からなる研磨パッド72が取り付けられた単層形の研磨体70を示しており、図10(B)は押圧板81の一面側に軟質材料からなる研磨パッド82が取り付けられた単層形の研磨体80を示している。これら両図において、左側の図は研磨の様子をマクロな視点で見たときの図であり、右側の図は対応する左側の図中の一部分をミクロな視点で見たときの図である。図10(A)より分かるように、硬質材料からなる研磨パッド72はウエハW表面の微細凹部まで入り込めないので均一性はやや不充分となるが、ウエハW表面上の凸部を十分に平坦化できるので段差解消性は良好となる。一方、図10(B)より分かるように、軟質材料からなる研磨パッド82はウエハW表面上の凸部を十分には平坦化できないので段差解消性はやや不充分となるが、ウエハWの微細凹部まで入り込むことができるので均一性は良好となる。
【0006】
また、これら単層形の研磨体を改良した研磨体として、図10(C)に示すような二層形の研磨体も知られている。この二層形の研磨パッド90は、押圧板91と硬質材料層92との間に軟質材料層93を介在させたものであり、硬質材料層92から得られる段差解消性についての長所と、軟質材料層93から得られる(軟質材料層93が硬質材料層92の撓みを許容することから得られる)均一性についての長所との両方を引き出すことができるようにしたものである。しかし、実際には硬軟両材料の剛性バランスを最適化することは極めて困難であり、段差解消性と均一性との理想的な両立を図ることは難しい。特に、この研磨体90の使用により硬質材料層92が摩耗して薄くなると軟質材料層93の影響が支配的になり、急激に段差解消性が低下してしまうという欠点がある。そして、このように段差解消性が低下してしまった研磨体はもはや使用不能となり、軟質材料層を有しない単層形の研磨体よりも寿命が短くなることもあった。
【0007】
そこで、最近では、上記二層形の研磨体の欠点を解消するものとして、例えば特開平7−164308号公報に開示されるような三層形の研磨体が注目されてきている。この三層形の研磨体は、二層形の欠点であった軟質材料層の過度の影響を抑えて段差解消性と均一性との両立を高次元で達成し得るものであり、具体的には、図11(A)に示すように、段差解消性を担う硬質材料層102と均一性を担う軟質材料層103との間に適切な厚みを有する金属板104を介在させることで軟質材料層103の影響を必要最小限まで抑えつつ、その代わりに段差解消性を二層形よりも向上させる仕組みを有する(軟質材料層103は押圧板101に取り付けられる)。なお、この三層形の研磨体100において金属板104は、一種の機械的な剛性フィルターとしての役割を果たす。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような三層形の研磨体では、単層形の研磨体或いは二層形の研磨体よりもエッジエクスクルージョンが拡大するという問題も明らかとなってきている。エッジエクスクルージョンとは、ウエハの周辺部において段差解消性や均一性等の評価対象外となる領域(通常はその幅の大きさで表される)のことであり、これが所定の基準値内に抑えられるようにする必要がある。エッジエクスクルージョンが大き過ぎると、そのウエハから切り出せるチップ数が少なって歩留まり(G/W歩留まり)が小さくなるほか、他の要求基準も満たせなくなる虞が出てくる。
【0009】
図11(A)中に符号Fで示す矢印は、ウエハWのエッジより研磨体100に集中的に作用する荷重の流れを模式的に示したものである。このような三層形の研磨体100では、従来の二層形の研磨体90では比較的局所的な変動で収まっていたウエハWのエッジ近傍での応力集中による荷重が、金属板104の剛性により広範囲に分散してしまうものと考えられる。また、図11(B)に示すグラフJ0は、このような三層形の研磨体100を用いたウエハWの研磨中において、硬質材料層102の一部がウエハWのエッジよりはみ出したときの、ウエハWのエッジ近傍における単位時間当たりの研磨量を示しており、ウエハWのエッジ近傍での応力集中による荷重が金属板104の剛性により広範囲に分散されてしまう結果、エッジエクスクルージョンが拡大する様子を示している(エッジエクスクルージョンの範囲を符号E0で表す。また、比較のため、二層形の研磨体90を用いた場合の研磨量の例を一点鎖線のグラフJ1で示し、そのエッジエクスクルージョンの範囲をE1で表す)。このようなエッジエクスクルージョンの拡大に対する対応策として従来知られたリテーナーリングを併用することは有効であるが、二層形の研磨体90にリテーナーリングを併用した場合の効果には及ばず、三層形の研磨体100では所定のエッジエクスクルージョンに対する規定をクリアできない事態も生じていた。
【0010】
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、工作物に課される段差解消性及び均一性に対する要求を充分な精度で満たしつつ、エッジエクスクルージョンを極力狭小な範囲に抑えて歩留まりを大きく向上させることが可能な構成の研磨体、及びこのような研磨体を備えて構成される研磨装置を提供することを目的としている。更に、このような研磨装置を用いた半導体デバイス製造方法、及びこの半導体デバイス製造方法により製造された半導体デバイスを提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するため、本発明に係る研磨体は、硬質材料層と、軟質材料層と、硬質材料層及び軟質材料層の間に介在してこれら両材料層と接合されたプレート部材とからなる研磨体において、プレート部材上の所定点を中心とするプレート部材の径方向の曲げ剛性が、その所定点を中心とするプレート部材の周方向の曲げ剛性よりも小さくなるように構成されている。但し、ここでいう「硬質」、「軟質」という硬さの表現は、両材料層を構成する材料の硬さを比較したときの相対的な表現である。
【0012】
本発明に係る研磨体では、硬質材料層と、軟質材料層と、これら両材料層の間に介在するプレート部材とからなる三層形をなしているため、硬質材料層を工作物の被研磨面に接触させてこれを研磨すれば段差解消性に対する要求が満足される一方、被研磨面上の凹凸形状に対しては、軟質材料層が変形することにより硬質材料層がその凹凸形状に倣うようになるので、均一性に対する要求も満足される。そのうえ、プレート部材上の所定点を中心とするプレート部材の径方向の曲げ剛性が、その所定点を中心とするプレート部材の周方向の曲げ剛性よりも小さくなるように構成されているため、プレート部材上の上記所定点が回転中心となるように研磨体を回転させて被研磨面を研磨するようにすれば、研磨中に硬質材料層が工作物のエッジよりはみ出した場合には、プレート部材はそのエッジ部において容易に撓んでエッジ部に作用した集中荷重を吸収するので、従来の三層形研磨体のように、集中荷重がプレート部材を介してエッジの周辺に拡散し、エッジエクスクルージョンが広がることがない。このため、本発明に係る研磨体によれば、三層形の研磨体として段差解消性及び均一性に対する要求を十分に満足し得るうえ、エッジエクスクルージョンを極力狭小な範囲に抑えることができるので、歩留まりを大きく向上させることが可能である。
【0013】
ここで、上記本発明に係る研磨体においては、プレート部材に上記所定点を中心とする同心弧状のスリット又は薄肉部が設けられることにより、その所定点を中心とするプレート部材の径方向の曲げ剛性が、同所定点を中心とするプレート部材の周方向の曲げ剛性よりも小さくなっている構成であることが好ましい。或いは、プレート部材に上記所定点を中心とする螺旋弧状のスリット又は薄肉部が設けられることにより、その所定点を中心とするプレート部材の径方向の曲げ剛性が、同所定点を中心とするプレート部材の周方向の曲げ剛性よりも小さくなっていてもよい。
【0014】
また、プレート部材は塑性加工した金属材料からなっており、上記所定点を中心とするプレート部材の径方向の曲げ剛性が、その所定点を中心とするプレート部材の周方向の曲げ剛性より小さくなるように、金属材料を構成する結晶構造の配列がなされているのであってもよい。或いは、プレート部材が繊維材料からなっており、上記所定点を中心とするプレート部材の径方向の曲げ剛性が、その所定点を中心とするプレート部材の周方向の曲げ剛性より小さくなるように、繊維材料を構成する繊維の配列がなされているのであってもよい。
【0015】
また、本発明に係る研磨装置は、被研磨面が露出する状態で工作物を保持する工作物保持手段と、上記本発明に係る研磨体の硬質材料層を工作物保持手段により保持された工作物の被研磨面と対向して位置させる研磨体保持部材とを備え、研磨体は、プレート部材の上記所定点が上記軸上に位置するように研磨体保持部材の上記所定面に取り付けられるようになっており、工作物保持手段により保持された工作物の被研磨面に研磨体の硬質材料層を接触させた状態で工作物と研磨体とを相対移動させて被研磨面の研磨を行う構成になっている。
【0016】
このような構成の研磨装置では、上記効果を有する本発明に係る研磨体を有して構成されているので、段差解消性と均一性とに対する要求を満たしつつ、エッジエクスクルージョンを極力狭小な範囲に抑えた歩留まりの高い工作物を効率よく生産することができる。特に、工作物が半導体ウエハである場合には、そのウエハから切り出せるチップ数が増大するので、歩留まりを大きく向上させることができる。
【0017】
また、上記研磨装置においては、工作物保持手段は被研磨面が上方に露出する状態で工作物を保持するとともに、研磨体保持部材は硬質材料層が下方を向くように研磨体を保持し、研磨体は工作物よりも小径であることが好ましい。このような構成によれば、研磨中における工作物の表面状態をリアルタイムで観察することができるようになる。
【0018】
また、本発明に係る半導体デバイス製造方法は、工作物が半導体ウエハであり、上記本発明に係る研磨装置を用いて半導体ウエハの表面を平坦化する工程を有することを特徴とする。このような半導体デバイス方法では、研磨工程において上記本発明に係る研磨装置が用いられるため、歩留まりが向上する。
【0019】
また、本発明に係る半導体デバイスは、上記本発明に係る半導体デバイス製造方法により製造されたことを特徴とする。このような半導体デバイスは、上記本発明に係る半導体デバイス製造方法により高歩留まりで製造されるので、大変低コストな半導体デバイスとなる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。図1は本発明に係る研磨装置の一例としてのCMP装置の要部構成を示したものである。このCMP装置10は工作物(研磨対象)である半導体ウエハ(以下、ウエハと称する)Wを被研磨面が上方に露出する状態で保持する回転定盤20と、この回転定盤20の上方に設置された研磨ヘッド50とを備えて構成されている。
【0021】
回転定盤20はウエハWとほぼ同じ直径を有する円盤状の回転テーブルであり、上下方向に延びた回転軸22の上端に取り付けられてほぼ水平姿勢に保持されている。回転定盤20の上面には図示しない真空チャックが設けられており、これにより工作物であるウエハWを回転定盤20の上面側に着脱自在に固定できるようになっている。回転軸22は図示しない電動モータを有して構成されるウエハ回転駆動機構12(図1参照)により回転駆動させることができる。
【0022】
研磨ヘッド50は、回転定盤20の上方に位置して設けられた研磨体保持部材30と、この研磨体保持部材30に保持される円盤状の研磨体40とからなっている。ここで、研磨体保持部材30は、回転定盤20に保持されたウエハWの表面に垂直な方向に延びて設けられた軸(すなわち回転軸22と平行な軸)を回転軸とするスピンドル52の下端に取り付けられおり、研磨体保持部材30の下面である研磨体保持面32は、スピンドル52の回転軸に垂直(したがってウエハW表面に平行)になるように設けられている。そして、研磨体40はこの研磨体保持面32に、接着剤(例えば両面テープ)等により着脱自在に取り付けられている。
【0023】
図2は研磨ヘッド50を拡大して示すものであり、図2(A)はその側面図、図2(B)は下面図である。これらの図より分かるように、研磨体40は円盤状に形成された硬質材料層41と、円盤状に形成された軟質材料層42と、硬質材料層41と軟質材料層42との間に介在してこれら両材料層41,42と接合されたプレート部材43とから構成されている。ここで、「硬質」、「軟質」という硬さの表現は、両材料層41,42を構成する材料層の硬さを比較したときの相対的な表現である。したがって、硬質材料層41は、工作物に求められる所要の研磨状態を得るに必要な硬さを有する弾性材料(例えば硬質系の発泡ウレタン)により構成され、軟質材料層42は、これよりも弾性率の低い弾性材料(例えば軟質系の発泡ウレタン)により構成される。また、プレート部材43は硬質材料層41を構成する材料に比して十分に高い弾性率を有する材料(例えばステンレス等の金属、或いは樹脂材料)により構成されている。
【0024】
本研磨体40は、上記硬質材料層41、プレート部材43及び軟質材料層42がこの順で積層された三層一体構造の研磨体であり、軟質材料層42の上面側が研磨体保持部材30の研磨体保持面32に取り付けられる。この研磨体40(硬質材料層41)の直径は、工作物であるウエハWの直径よりも小径であり、硬質材料層41の下面が本研磨体40の研磨面47に相当する。なお、硬質材料層41が磨り減ってこれを交換するときには、研磨体40ごと交換することになる。
【0025】
研磨ヘッド50が取り付けられるスピンドル52は図示しない電動モータを有して構成される研磨ヘッド回転駆動機構14(図1参照)により垂直軸まわりに回転駆動されるようになっている。また、スピンドル52は複数の図示しない電動モータを有して構成される研磨ヘッド移動機構16(図1参照)により、垂直姿勢を保ったまま三次元的に平行移動させることができる。
【0026】
図1及び図2に示すように、本CMP装置10においては、スピンドル52及び研磨ヘッド50を上下方向に貫通するようにスラリー供給管62が設けられており、その一方側の端部は硬質材料層41の中央部に設けられた開口部45(図2(B)参照。)において開口し、他方側の端部は図1に示すようにスラリー供給装置60に接続されている。
【0027】
図3はプレート部材43単体を示す図であり、図3(A)はその平面図、図3(B)は図3(A)における矢視IIIB−IIIBより見た断面図である。これらの図に示すように、プレート部材43には、所定点A(ここではプレート部材43の中心)を中心とする同心弧状の多数のスリット43aが設けられており、これにより上記所定点Aを中心とするプレート部材43の径方向の曲げ剛性は、所定点Aを中心とするプレート部材43の周方向の曲げ剛性よりも小さくなっている。なお、図3においてプレート部材43の中央に設けられている貫通穴46は、上記スラリー供給管62がプレート部材43を上下に貫通するための穴である。
【0028】
このような構成のCMP装置10を用いてウエハWの表面を研磨するには、先ず、研磨ヘッド50の研磨体保持面32に研磨体40を取り付ける。この際、プレート部材43上の上記所定点Aが研磨ヘッド50の回転軸、すなわちスピンドル52の回転軸上に位置するようにする。研磨体40を研磨体保持面32に取り付けたら、ウエハWを回転定盤20の上面に上述の真空チャックを用いて固定する。このとき、ウエハWの中心が回転定盤20の中心に一致するようにする。続いて、ウエハ回転駆動機構12により回転定盤20を回転させてウエハWをその中心まわりに回転させるとともに、研磨ヘッド回転駆動機構14によりスピンドル52を回転させて研磨ヘッド50を回転させる。ウエハWと研磨ヘッド50の双方が回転を始めたら、研磨ヘッド移動機構16によりスピンドル52を移動させて研磨体40をウエハWの上方に位置させた後、これを下降させて、研磨体40の下面、すなわち研磨面47をウエハWの被研磨面(上面)に上方から接触させる。
【0029】
ウエハWの研磨中には、研磨ヘッド移動機構16により研磨ヘッド50を移動させて、研磨体40の研磨面47がウエハWの表面に接触した状態のままその表面上を移動するようにする。これにより研磨体40はウエハWより小径でありながら、ウエハWの表面(被研磨面)全域について研磨することができる。図4及び図5はこのようなウエハWの研磨工程における研磨体40の移動経路の例を示すものであり、ともにウエハWの上方から見たものである。これらの図中に矢印付きで示す行路は、研磨体40の(研磨面47の)中心位置の移動経路であり、図4に示す例は、研磨体40をウエハW表面上の一の方向に揺動(往復)運動させつつ、同じくウエハW表面上であって上記一の方向と直角な方向に向かって移動させるようにしたものである。また、図5に示す例は、ウエハW表面上を、ウエハWの外縁側から中心側に向かうように螺旋状に研磨体40を移動させるようにしたものである。これらいずれの移動経路によっても、ウエハW表面の全域を研磨することができる。なお、これらと異なる他の移動経路によってもウエハW表面の全域を研磨できることは勿論である。
【0030】
ウエハWの研磨中においては、スラリー供給装置60よりシリカ粒を含んだスラリーを圧送し、スラリー供給管62及び硬質材料層41上の開口部45を介して硬質材料層41の下面側、すなわち研磨体40の研磨面47とウエハWの被研磨面との間にスラリーが供給されるようにする。
【0031】
本研磨体40では、上述したように、硬質材料層41と、軟質材料層42と、これら両材料層41,42の間に介在するプレート部材43とからなる三層形をなしているため、本研磨体40を用いてウエハWの被研磨面を研磨した場合、その被研磨面には硬質材料層41が接触することになって段差解消性に対する要求が満足される一方、被研磨面上の凹凸形状に対しては、軟質材料層42が変形することにより硬質材料層41がその凹凸形状に倣うようになるので、均一性に対する要求も満足される。
【0032】
また、ウエハWの研磨に際しては、上記のように研磨ヘッド50が移動されるため、硬質材料層41(研磨面47)の一部は図6(A)に示すように、ウエハWのエッジよりウエハWの外方にはみ出すことになるのであるが、本研磨体40では、上述したように、研磨体保持部材30の回転軸上に位置する所定点Aを中心とするプレート部材43の径方向の曲げ剛性が、その所定点Aを中心とするプレート部材43の周方向の曲げ剛性よりも小さくなるように構成されているため、研磨中に硬質材料層41がウエハWのエッジよりはみ出した場合には、プレート部材43はそのエッジ部において容易に撓んでエッジ部に作用した集中荷重を吸収するので、従来の三層形研磨体のように、集中荷重がプレート部材43を介してエッジの周辺に拡散することがない。図6(A)中に符号Fで示す矢印は、ウエハWのエッジより研磨体40に集中的に作用する荷重の流れを模式的に示したものである(図11(A)における荷重の流れも参照)。
【0033】
このため、ウエハWのエッジ近傍における単位時間当たりの研磨量は図6(B)中に示すグラフHのようになり、図11に示した従来例に係る三層形研磨体においてはグラフJ0のようになるのに比較して、エッジエクスクルージョンが小さくなる。なお、図6(B)においては、本研磨体40を用いた場合のエッジエクスクルージョンの範囲を符号Eで示しており、図11において示した従来例に係る三層形研磨体を用いた場合のエッジエクスクルージョンの範囲をE0で示している。このように本研磨体40によれば、三層形の研磨体として段差解消性及び均一性に対する要求を十分に満足し得るうえ、エッジエクスクルージョンを極力狭小な範囲に抑えることができるので、歩留まりを大きく向上させることが可能である。
【0034】
また、本CMP装置10は、上述のように、被研磨面が露出する状態で工作物であるウエハWを保持する工作物保持手段としての回転定盤20と、回転定盤20により保持されたウエハWの被研磨面に垂直な軸(スピンドル52の回転軸)まわりに回転可能であり、上記研磨体40の軟質材料層42を上記軸に垂直な面である研磨体保持面32において保持した状態で、研磨体40の硬質材料層41を、回転定盤20により保持されたウエハWの被研磨面と対向して位置させる研磨体保持部材30とを備え、研磨体40は、プレート部材43の所定点Aが上記軸上に位置するように研磨体保持部材30の研磨体保持面32に取り付けられるようになっており、回転定盤20により保持されたウエハWの被研磨面に研磨体40の硬質材料層41を接触させた状態で研磨体保持部材30、すなわち研磨体40を移動させて被研磨面の研磨を行う構成になっている。
【0035】
このCMP装置10においては、上述の効果を有する本発明に係る研磨体(研磨体40)を有しているので、段差解消性と均一性とに対する要求を満たしつつ、エッジエクスクルージョンを極力狭小な範囲に抑えた歩留まりの高い工作物(ここではウエハW)を効率よく生産することができる。特に、工作物が上述のように半導体ウエハである場合には、そのウエハWから切り出せるチップ数が増大するので、歩留まりを大きく向上させることができる。
【0036】
ここで、本研磨体40における硬質材料層41及び軟質材料層42の材料の選択、及びこれら両材料層41,42の厚さの比率などは、工作物であるウエハWに求められる研磨状態に応じて最適の値が決定される。また、プレート部材43の材料や弾性係数、厚さなども、ウエハWに求められる研磨精度や硬質材料層41及び軟質材料層42についての物性値等に応じて最適の値が決定される。
【0037】
図7は上記プレート部材43の第1変形例を示しており、図7(A)はこの第1変形例に係るプレート部材143の平面図、図7(B)は図7(A)における矢視VIIB−VIIBより見たプレート部材の断面図である。この第1変形例に係るプレート部材143では、上記プレート部材43における所定点Aを中心とする同心弧状のスリット43aを、所定点Aを中心とする同心弧状の薄肉部143a(スリットをプレート部材の表裏で貫通させないもの)としたものである(中心部には、プレート部材43における貫通穴46と同様の貫通穴146が設けられる)。このような構成のプレート部材143であっても、上記プレート部材43の場合と同様、所定点Aを中心とするプレート部材143の径方向の曲げ剛性を、所定点Aを中心とするプレート部材143の周方向の曲げ剛性よりも小さくすることができるので、上記研磨体40と同様の効果を得ることができる。
【0038】
また、図8は上記プレート部材43の第2変形例を示しており、図8(A)はこの第2変形例に係るプレート部材243の平面図、図8(B)は図8(A)における矢視VIIIB−VIIIBより見たプレート部材243の断面図である。この第1変形例に係るプレート部材243では、所定点Aを中心とする螺旋弧状の多数のスリット243aが設けられることにより、所定点Aを中心とするプレート部材243の径方向の曲げ剛性が、所定点Aを中心とするプレート部材243の周方向の曲げ剛性よりも小さくなるようにしている(中心部には、プレート部材43における貫通穴46と同様の貫通穴246が設けられる)。このような構成であっても、上述のプレート部材43又は第1変形例に係るプレート部材143を用いた研磨体と同様の効果を得ることができる。また、この第2変形例に係るプレート部材243におけるスリット243aを第1変形例に係るプレート部材143の場合のように薄肉部としても、同様の効果を得ることができる。
【0039】
また、上記プレート部材43に形成される所定点Aを中心とする多数のスリット43a、第1変形例に係るプレート部材143に形成される所定点Aを中心とする多数の薄肉部143a、或いは第2変形例に係るプレート部材243に形成される所定点Aを中心とする螺旋弧状の多数のスリット243a(或いは薄肉部)は、ウエハWの研磨中においてウエハWのエッジ上に位置することがあり、或いはエッジより外方にはみ出すことのある領域にのみ設けられていればよく、それ以外の領域には必ずしも設けられている必要はない。
【0040】
また、プレート部材が塑性加工した金属材料からなっており、上記所定点Aを中心とするプレート部材の径方向の曲げ剛性が、所定点Aを中心とするプレート部材の周方向の曲げ剛性より小さくなるように、金属材料を構成する結晶構造の配列がなされているのであってもよい。或いは、プレート部材が繊維材料からなっており、上記所定点Aを中心とするプレート部材の径方向の曲げ剛性が、所定点Aを中心とするプレート部材の周方向の曲げ剛性より小さくなるように、繊維材料を構成する繊維の配列がなされているのであってもよい。
【0041】
次に、本発明に係る半導体デバイスの製造方法の実施形態について説明する。図9は半導体デバイス製造プロセスを示すフローチャートである。半導体製造プロセスをスタートすると、先ずステップS200で次に挙げるステップS201〜S204の中から適切な処理工程を選択し、いずれかのステップに進む。
【0042】
ここで、ステップS201はウエハWの表面を酸化させる酸化工程である。ステップS202はCVD等によりウエハW表面に絶縁膜や誘電体膜を形成するCVD工程である。ステップS203はウエハWに電極を蒸着等により形成する電極形成工程である。ステップS204はウエハWにイオンを打ち込むイオン打ち込み工程である。
【0043】
CVD工程(ステップS202)若しくは電極形成工程(ステップS203)の後で、ステップS205に進む。ステップS205はCMP工程である。CMP工程では本発明による上記CMP装置10により、層間絶縁膜の平坦化や半導体デバイス表面の金属膜の研磨、誘電体膜の研磨によるダマシン(damascene)の形成等が行われる。
【0044】
CMP工程(ステップS205)若しくは酸化工程(ステップS201)の後でステップS206に進む。ステップS206はフォトリソグラフィ工程である。この工程ではウエハWへのレジストの塗布、露光装置を用いた露光によるウエハWへの回路パターンの焼き付け、露光したウエハWの現像が行われる。更に、次のステップS207は現像したレジスト像以外の部分をエッチングにより削り、その後レジスト剥離が行われ、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除くエッチング工程である。
【0045】
次に、ステップS208で必要な全工程が完了したかを判断し、完了していなければステップS200に戻り、先のステップを繰り返してウエハW上に回路パターンが形成される。ステップS208で全工程が完了したと判断されればエンドとなる。
【0046】
このように本発明に係る半導体デバイス製造方法では、CMP工程において本発明に係る研磨装置(CMP装置10)を用いているため、歩留まりが向上する。また、これにより、従来の半導体デバイス製造方法に比べ低コストで半導体デバイスを製造することができるという効果が生まれる。なお、上記半導体デバイス製造プロセス以外の半導体デバイス製造プロセスのCMP工程に本発明に係る研磨装置を用いてもよい。また、本発明に係る半導体デバイス製造方法により製造された半導体デバイスは高歩留まりで製造されるので、低コストの半導体デバイスとなる。
【0047】
これまで本発明の好ましい実施形態について説明してきたが、本発明の範囲は上述の実施形態において示したものに限定されない。例えば、上述の実施形態では、本発明に係る研磨体若しくは本発明に係る研磨装置により研磨される工作物は半導体ウエハWであるとして説明したが、これは一例であり、液晶基板等の他の基板を工作物としてもよい。更には、基板以外のものを工作物としてもよい。
【0048】
また、上述の実施形態では、本発明に係る研磨装置(CMP装置10)は、回転定盤20により回転されたウエハWの被研磨面に回転状態の硬質材料層41を接触させるとともに、研磨体40をウエハW表面に対して揺動させてウエハW表面を研磨する構成であったが、これは、ウエハWの被研磨面に硬質材料層41を接触させた状態でウエハWと研磨体40とを相対移動させるのであれば、必ずしも上記のような研磨方法を採用する必要はない。例えば、上記例のように一方が固定で他方が揺動する構成ではなく、双方が揺動移動する構成であってもよい。また、上記例のように双方が回転する構成ではなく、一方又は双方が非回転である構成であってもよい。
【0049】
また、本発明に係る研磨装置は、上述の実施形態では、工作物保持手段は工作物を被研磨面が上方に露出する状態で保持するとともに、研磨体保持部材は硬質材料層が下方を向くように研磨体を保持し、かつ、研磨体は工作物よりも小径であるとしていたが、これは一例であり、工作物保持手段が工作物を被研磨面が下方に露出する状態で保持するとともに、研磨体保持部材が研磨体を硬質材料層が上方を向くように保持する構成のものであってもよい。この場合には、研磨体は工作物よりも大径となるのが普通である。但し、上述の実施形態において示したCMP装置10のように、工作物保持手段が工作物を被研磨面が上方に露出する状態で保持するとともに、研磨体保持部材が研磨体を硬質材料層が下方を向くように保持し、研磨体が工作物よりも小径である構成を採る場合には、研磨中における工作物の表面状態をリアルタイムで観察することができるという利点がある。
【0050】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る研磨体では、硬質材料層と、軟質材料層と、これら両材料層の間に介在するプレート部材とからなる三層形をなしているため、硬質材料層を工作物の被研磨面に接触させてこれを研磨すれば段差解消性に対する要求が満足される一方、被研磨面上の凹凸形状に対しては、軟質材料層が変形することにより硬質材料層がその凹凸形状に倣うようになるので、均一性に対する要求も満足される。そのうえ、プレート部材上の所定点を中心とするプレート部材の径方向の曲げ剛性が、その所定点を中心とするプレート部材の周方向の曲げ剛性よりも小さくなるように構成されているため、プレート部材上の上記所定点が回転中心となるように研磨体を回転させて被研磨面を研磨するようにすれば、研磨中に硬質材料層が工作物のエッジよりはみ出した場合には、プレート部材はそのエッジ部において容易に撓んでエッジ部に作用した集中荷重を吸収するので、従来の三層形研磨体のように、集中荷重がプレート部材を介してエッジの周辺に拡散し、エッジエクスクルージョンが広がることがない。このため、本発明に係る研磨体によれば、三層形の研磨体として段差解消性及び均一性に対する要求を十分に満足し得るうえ、エッジエクスクルージョンを極力狭小な範囲に抑えることができるので、歩留まりを大きく向上させることが可能である。
【0051】
また、本発明に係る研磨装置は、上記効果を有する本発明に係る研磨体を有して構成されているので、段差解消性と均一性とに対する要求を満たしつつ、エッジエクスクルージョンを極力狭小な範囲に抑えた歩留まりの高い工作物を効率よく生産することができる。特に、工作物が半導体ウエハである場合には、そのウエハから切り出せるチップ数が増大するので、歩留まりを大きく向上させることができる。
【0052】
また、本発明に係る半導体デバイス方法は、研磨工程において上記本発明に係る研磨装置が用いられるため、歩留まりが向上する。また、本発明に係る半導体デバイスは、上記本発明に係る半導体デバイス製造方法により高歩留まりで製造されるので、大変低コストな半導体デバイスとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る研磨装置の一例としてのCMP装置の要部構成図である。
【図2】上記CMP装置における研磨ヘッドを拡大して示す図であり、(A)はその側面図、(B)は下面図である。
【図3】プレート部材単体を示す図であり、(A)はその平面図、(B)は(A)における矢視IIIB−IIIBより見た断面図である。
【図4】ウエハの研磨工程における研磨ヘッドの移動経路の第1例を示す図である。
【図5】ウエハの研磨工程における研磨ヘッドの移動経路の第2例を示す図である。
【図6】(A)は硬質材料層の一部がウエハのエッジよりはみ出した状態を示す図であり、(B)はこのときのウエハのエッジ近傍における単位時間当たりの研磨量を示すグラフである。
【図7】第1変形例に係るプレート部材を示す図であり、(A)はその平面図、(B)は(A)における矢視VIIB−VIIBより見たプレート部材の断面図である。
【図8】第2変形例に係るプレート部材を示す図であり、(A)はその平面図、(B)は(A)における矢視VIIIB−VIIIBより見たプレート部材の断面図である。
【図9】本発明に係る半導体デバイス製造方法の一例を示すフローチャートである。
【図10】従来の研磨体を示す図であり、(A)は硬質材料からなる研磨パッドを有した単層形の研磨体を示す図、(B)は軟質材料からなる研磨パッドを有した単層形の研磨体を示す図、(C)は硬質材料層と軟質材料層とからなる研磨パッドを有した二層形の研磨体を示す図である。
【図11】(A)は従来の三層形の研磨体を示す図であり、(B)は従来の三層形の研磨体を用いてウエハを研磨した場合におけるウエハのエッジ近傍における単位時間当たりの研磨量を示すグラフである。
【符号の説明】
10 CMP装置
20 回転定盤
30 研磨体保持部材
40 研磨体
41 硬質材料層
42 軟質材料層
43 プレート部材
43a スリット
50 研磨ヘッド
52 スピンドル
60 スラリー供給装置
62 スラリー供給管
W 半導体ウエハ
【発明の属する技術分野】
本発明は、工作物の表面を平坦研磨する研磨体に関し、また、この研磨体を備えて構成される研磨装置に関する。更に本発明は、この研磨装置を用いた半導体デバイス製造方法、及びこの半導体デバイス製造方法により製造された半導体デバイスに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ICの素子構造はますます微細化・複雑化してきており、多層配線の層数は増加の一途を辿っている。このような多層配線の層数の増加に伴ってIC表面の段差はますます大きくなり、薄膜形成後に行う半導体ウエハ表面の研磨精度がより重要になってきている。この薄膜形成後に行うウエハ表面の研磨精度が悪いと、段差部での薄膜が局所的に薄くなる部分ができてしまい、配線の絶縁不良やショート等が起こる虞がある。また、リソグラフィ工程においては、ウエハの表面に凹凸が多いとピンぼけ状態となることがあり、微細なパターンが形成できなくなることもある。
【0003】
ウエハ表面の平坦化研磨を行う装置としては、スピンドルの下端において保持された半導体ウエハを、回転定盤の上面に取り付けられた研磨パッドに上方から接触させ、ウエハと研磨パッドとの接触面にシリカ粒を含んだスラリー(研磨液)を供給しつつ、ウエハと研磨パッドとの双方を回転させてウエハ表面の研磨を行うCMP(Chemical Mechanical Polishing:化学的機械的研磨)装置が知られている。このCMP装置では、回転定盤の上面に取り付けられた研磨パッドの直径は、研磨されるウエハの直径よりも数倍大きく、複数枚のウエハを同時に研磨することができるようになっているのが一般的である。
【0004】
また、特開平11−156711号公報には、上記構成とは逆に、スピンドルの下部に取り付けられた研磨パッドを、回転定盤の上面側に保持されたウエハに上方から接触させ、ウエハと研磨パッドとの間に上記スラリーを供給しつつ、ウエハと研磨パッドの双方を回転させてウエハ表面を研磨するタイプのCMP装置が開示されている。このタイプのCMP装置では、研磨パッドの直径は研磨されるウエハの直径よりも小さく、研磨パッド側をウエハ表面に対して揺動移動させることにより、ウエハの表面全体を研磨することができるようになっている。このためウエハは一枚ごと研磨することになるが、研磨中におけるウエハの表面状態をリアルタイムで観察できるという利点がある。
【0005】
ところで、ウエハの平坦化に際しては、段差解消性(或いは平坦性)及び均一性に対する所定の要求が満たされる必要がある。ウエハ表面の段差解消性及び均一性には研磨パッドを構成する材料の弾性率(硬さ)が大きく影響し、研磨パッドが硬質材料からなる場合と軟質材料からなる場合とではその研磨特性が大きく異なることが知られている。図10(A)は押圧板71の一面側に硬質材料からなる研磨パッド72が取り付けられた単層形の研磨体70を示しており、図10(B)は押圧板81の一面側に軟質材料からなる研磨パッド82が取り付けられた単層形の研磨体80を示している。これら両図において、左側の図は研磨の様子をマクロな視点で見たときの図であり、右側の図は対応する左側の図中の一部分をミクロな視点で見たときの図である。図10(A)より分かるように、硬質材料からなる研磨パッド72はウエハW表面の微細凹部まで入り込めないので均一性はやや不充分となるが、ウエハW表面上の凸部を十分に平坦化できるので段差解消性は良好となる。一方、図10(B)より分かるように、軟質材料からなる研磨パッド82はウエハW表面上の凸部を十分には平坦化できないので段差解消性はやや不充分となるが、ウエハWの微細凹部まで入り込むことができるので均一性は良好となる。
【0006】
また、これら単層形の研磨体を改良した研磨体として、図10(C)に示すような二層形の研磨体も知られている。この二層形の研磨パッド90は、押圧板91と硬質材料層92との間に軟質材料層93を介在させたものであり、硬質材料層92から得られる段差解消性についての長所と、軟質材料層93から得られる(軟質材料層93が硬質材料層92の撓みを許容することから得られる)均一性についての長所との両方を引き出すことができるようにしたものである。しかし、実際には硬軟両材料の剛性バランスを最適化することは極めて困難であり、段差解消性と均一性との理想的な両立を図ることは難しい。特に、この研磨体90の使用により硬質材料層92が摩耗して薄くなると軟質材料層93の影響が支配的になり、急激に段差解消性が低下してしまうという欠点がある。そして、このように段差解消性が低下してしまった研磨体はもはや使用不能となり、軟質材料層を有しない単層形の研磨体よりも寿命が短くなることもあった。
【0007】
そこで、最近では、上記二層形の研磨体の欠点を解消するものとして、例えば特開平7−164308号公報に開示されるような三層形の研磨体が注目されてきている。この三層形の研磨体は、二層形の欠点であった軟質材料層の過度の影響を抑えて段差解消性と均一性との両立を高次元で達成し得るものであり、具体的には、図11(A)に示すように、段差解消性を担う硬質材料層102と均一性を担う軟質材料層103との間に適切な厚みを有する金属板104を介在させることで軟質材料層103の影響を必要最小限まで抑えつつ、その代わりに段差解消性を二層形よりも向上させる仕組みを有する(軟質材料層103は押圧板101に取り付けられる)。なお、この三層形の研磨体100において金属板104は、一種の機械的な剛性フィルターとしての役割を果たす。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような三層形の研磨体では、単層形の研磨体或いは二層形の研磨体よりもエッジエクスクルージョンが拡大するという問題も明らかとなってきている。エッジエクスクルージョンとは、ウエハの周辺部において段差解消性や均一性等の評価対象外となる領域(通常はその幅の大きさで表される)のことであり、これが所定の基準値内に抑えられるようにする必要がある。エッジエクスクルージョンが大き過ぎると、そのウエハから切り出せるチップ数が少なって歩留まり(G/W歩留まり)が小さくなるほか、他の要求基準も満たせなくなる虞が出てくる。
【0009】
図11(A)中に符号Fで示す矢印は、ウエハWのエッジより研磨体100に集中的に作用する荷重の流れを模式的に示したものである。このような三層形の研磨体100では、従来の二層形の研磨体90では比較的局所的な変動で収まっていたウエハWのエッジ近傍での応力集中による荷重が、金属板104の剛性により広範囲に分散してしまうものと考えられる。また、図11(B)に示すグラフJ0は、このような三層形の研磨体100を用いたウエハWの研磨中において、硬質材料層102の一部がウエハWのエッジよりはみ出したときの、ウエハWのエッジ近傍における単位時間当たりの研磨量を示しており、ウエハWのエッジ近傍での応力集中による荷重が金属板104の剛性により広範囲に分散されてしまう結果、エッジエクスクルージョンが拡大する様子を示している(エッジエクスクルージョンの範囲を符号E0で表す。また、比較のため、二層形の研磨体90を用いた場合の研磨量の例を一点鎖線のグラフJ1で示し、そのエッジエクスクルージョンの範囲をE1で表す)。このようなエッジエクスクルージョンの拡大に対する対応策として従来知られたリテーナーリングを併用することは有効であるが、二層形の研磨体90にリテーナーリングを併用した場合の効果には及ばず、三層形の研磨体100では所定のエッジエクスクルージョンに対する規定をクリアできない事態も生じていた。
【0010】
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、工作物に課される段差解消性及び均一性に対する要求を充分な精度で満たしつつ、エッジエクスクルージョンを極力狭小な範囲に抑えて歩留まりを大きく向上させることが可能な構成の研磨体、及びこのような研磨体を備えて構成される研磨装置を提供することを目的としている。更に、このような研磨装置を用いた半導体デバイス製造方法、及びこの半導体デバイス製造方法により製造された半導体デバイスを提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するため、本発明に係る研磨体は、硬質材料層と、軟質材料層と、硬質材料層及び軟質材料層の間に介在してこれら両材料層と接合されたプレート部材とからなる研磨体において、プレート部材上の所定点を中心とするプレート部材の径方向の曲げ剛性が、その所定点を中心とするプレート部材の周方向の曲げ剛性よりも小さくなるように構成されている。但し、ここでいう「硬質」、「軟質」という硬さの表現は、両材料層を構成する材料の硬さを比較したときの相対的な表現である。
【0012】
本発明に係る研磨体では、硬質材料層と、軟質材料層と、これら両材料層の間に介在するプレート部材とからなる三層形をなしているため、硬質材料層を工作物の被研磨面に接触させてこれを研磨すれば段差解消性に対する要求が満足される一方、被研磨面上の凹凸形状に対しては、軟質材料層が変形することにより硬質材料層がその凹凸形状に倣うようになるので、均一性に対する要求も満足される。そのうえ、プレート部材上の所定点を中心とするプレート部材の径方向の曲げ剛性が、その所定点を中心とするプレート部材の周方向の曲げ剛性よりも小さくなるように構成されているため、プレート部材上の上記所定点が回転中心となるように研磨体を回転させて被研磨面を研磨するようにすれば、研磨中に硬質材料層が工作物のエッジよりはみ出した場合には、プレート部材はそのエッジ部において容易に撓んでエッジ部に作用した集中荷重を吸収するので、従来の三層形研磨体のように、集中荷重がプレート部材を介してエッジの周辺に拡散し、エッジエクスクルージョンが広がることがない。このため、本発明に係る研磨体によれば、三層形の研磨体として段差解消性及び均一性に対する要求を十分に満足し得るうえ、エッジエクスクルージョンを極力狭小な範囲に抑えることができるので、歩留まりを大きく向上させることが可能である。
【0013】
ここで、上記本発明に係る研磨体においては、プレート部材に上記所定点を中心とする同心弧状のスリット又は薄肉部が設けられることにより、その所定点を中心とするプレート部材の径方向の曲げ剛性が、同所定点を中心とするプレート部材の周方向の曲げ剛性よりも小さくなっている構成であることが好ましい。或いは、プレート部材に上記所定点を中心とする螺旋弧状のスリット又は薄肉部が設けられることにより、その所定点を中心とするプレート部材の径方向の曲げ剛性が、同所定点を中心とするプレート部材の周方向の曲げ剛性よりも小さくなっていてもよい。
【0014】
また、プレート部材は塑性加工した金属材料からなっており、上記所定点を中心とするプレート部材の径方向の曲げ剛性が、その所定点を中心とするプレート部材の周方向の曲げ剛性より小さくなるように、金属材料を構成する結晶構造の配列がなされているのであってもよい。或いは、プレート部材が繊維材料からなっており、上記所定点を中心とするプレート部材の径方向の曲げ剛性が、その所定点を中心とするプレート部材の周方向の曲げ剛性より小さくなるように、繊維材料を構成する繊維の配列がなされているのであってもよい。
【0015】
また、本発明に係る研磨装置は、被研磨面が露出する状態で工作物を保持する工作物保持手段と、上記本発明に係る研磨体の硬質材料層を工作物保持手段により保持された工作物の被研磨面と対向して位置させる研磨体保持部材とを備え、研磨体は、プレート部材の上記所定点が上記軸上に位置するように研磨体保持部材の上記所定面に取り付けられるようになっており、工作物保持手段により保持された工作物の被研磨面に研磨体の硬質材料層を接触させた状態で工作物と研磨体とを相対移動させて被研磨面の研磨を行う構成になっている。
【0016】
このような構成の研磨装置では、上記効果を有する本発明に係る研磨体を有して構成されているので、段差解消性と均一性とに対する要求を満たしつつ、エッジエクスクルージョンを極力狭小な範囲に抑えた歩留まりの高い工作物を効率よく生産することができる。特に、工作物が半導体ウエハである場合には、そのウエハから切り出せるチップ数が増大するので、歩留まりを大きく向上させることができる。
【0017】
また、上記研磨装置においては、工作物保持手段は被研磨面が上方に露出する状態で工作物を保持するとともに、研磨体保持部材は硬質材料層が下方を向くように研磨体を保持し、研磨体は工作物よりも小径であることが好ましい。このような構成によれば、研磨中における工作物の表面状態をリアルタイムで観察することができるようになる。
【0018】
また、本発明に係る半導体デバイス製造方法は、工作物が半導体ウエハであり、上記本発明に係る研磨装置を用いて半導体ウエハの表面を平坦化する工程を有することを特徴とする。このような半導体デバイス方法では、研磨工程において上記本発明に係る研磨装置が用いられるため、歩留まりが向上する。
【0019】
また、本発明に係る半導体デバイスは、上記本発明に係る半導体デバイス製造方法により製造されたことを特徴とする。このような半導体デバイスは、上記本発明に係る半導体デバイス製造方法により高歩留まりで製造されるので、大変低コストな半導体デバイスとなる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施形態について説明する。図1は本発明に係る研磨装置の一例としてのCMP装置の要部構成を示したものである。このCMP装置10は工作物(研磨対象)である半導体ウエハ(以下、ウエハと称する)Wを被研磨面が上方に露出する状態で保持する回転定盤20と、この回転定盤20の上方に設置された研磨ヘッド50とを備えて構成されている。
【0021】
回転定盤20はウエハWとほぼ同じ直径を有する円盤状の回転テーブルであり、上下方向に延びた回転軸22の上端に取り付けられてほぼ水平姿勢に保持されている。回転定盤20の上面には図示しない真空チャックが設けられており、これにより工作物であるウエハWを回転定盤20の上面側に着脱自在に固定できるようになっている。回転軸22は図示しない電動モータを有して構成されるウエハ回転駆動機構12(図1参照)により回転駆動させることができる。
【0022】
研磨ヘッド50は、回転定盤20の上方に位置して設けられた研磨体保持部材30と、この研磨体保持部材30に保持される円盤状の研磨体40とからなっている。ここで、研磨体保持部材30は、回転定盤20に保持されたウエハWの表面に垂直な方向に延びて設けられた軸(すなわち回転軸22と平行な軸)を回転軸とするスピンドル52の下端に取り付けられおり、研磨体保持部材30の下面である研磨体保持面32は、スピンドル52の回転軸に垂直(したがってウエハW表面に平行)になるように設けられている。そして、研磨体40はこの研磨体保持面32に、接着剤(例えば両面テープ)等により着脱自在に取り付けられている。
【0023】
図2は研磨ヘッド50を拡大して示すものであり、図2(A)はその側面図、図2(B)は下面図である。これらの図より分かるように、研磨体40は円盤状に形成された硬質材料層41と、円盤状に形成された軟質材料層42と、硬質材料層41と軟質材料層42との間に介在してこれら両材料層41,42と接合されたプレート部材43とから構成されている。ここで、「硬質」、「軟質」という硬さの表現は、両材料層41,42を構成する材料層の硬さを比較したときの相対的な表現である。したがって、硬質材料層41は、工作物に求められる所要の研磨状態を得るに必要な硬さを有する弾性材料(例えば硬質系の発泡ウレタン)により構成され、軟質材料層42は、これよりも弾性率の低い弾性材料(例えば軟質系の発泡ウレタン)により構成される。また、プレート部材43は硬質材料層41を構成する材料に比して十分に高い弾性率を有する材料(例えばステンレス等の金属、或いは樹脂材料)により構成されている。
【0024】
本研磨体40は、上記硬質材料層41、プレート部材43及び軟質材料層42がこの順で積層された三層一体構造の研磨体であり、軟質材料層42の上面側が研磨体保持部材30の研磨体保持面32に取り付けられる。この研磨体40(硬質材料層41)の直径は、工作物であるウエハWの直径よりも小径であり、硬質材料層41の下面が本研磨体40の研磨面47に相当する。なお、硬質材料層41が磨り減ってこれを交換するときには、研磨体40ごと交換することになる。
【0025】
研磨ヘッド50が取り付けられるスピンドル52は図示しない電動モータを有して構成される研磨ヘッド回転駆動機構14(図1参照)により垂直軸まわりに回転駆動されるようになっている。また、スピンドル52は複数の図示しない電動モータを有して構成される研磨ヘッド移動機構16(図1参照)により、垂直姿勢を保ったまま三次元的に平行移動させることができる。
【0026】
図1及び図2に示すように、本CMP装置10においては、スピンドル52及び研磨ヘッド50を上下方向に貫通するようにスラリー供給管62が設けられており、その一方側の端部は硬質材料層41の中央部に設けられた開口部45(図2(B)参照。)において開口し、他方側の端部は図1に示すようにスラリー供給装置60に接続されている。
【0027】
図3はプレート部材43単体を示す図であり、図3(A)はその平面図、図3(B)は図3(A)における矢視IIIB−IIIBより見た断面図である。これらの図に示すように、プレート部材43には、所定点A(ここではプレート部材43の中心)を中心とする同心弧状の多数のスリット43aが設けられており、これにより上記所定点Aを中心とするプレート部材43の径方向の曲げ剛性は、所定点Aを中心とするプレート部材43の周方向の曲げ剛性よりも小さくなっている。なお、図3においてプレート部材43の中央に設けられている貫通穴46は、上記スラリー供給管62がプレート部材43を上下に貫通するための穴である。
【0028】
このような構成のCMP装置10を用いてウエハWの表面を研磨するには、先ず、研磨ヘッド50の研磨体保持面32に研磨体40を取り付ける。この際、プレート部材43上の上記所定点Aが研磨ヘッド50の回転軸、すなわちスピンドル52の回転軸上に位置するようにする。研磨体40を研磨体保持面32に取り付けたら、ウエハWを回転定盤20の上面に上述の真空チャックを用いて固定する。このとき、ウエハWの中心が回転定盤20の中心に一致するようにする。続いて、ウエハ回転駆動機構12により回転定盤20を回転させてウエハWをその中心まわりに回転させるとともに、研磨ヘッド回転駆動機構14によりスピンドル52を回転させて研磨ヘッド50を回転させる。ウエハWと研磨ヘッド50の双方が回転を始めたら、研磨ヘッド移動機構16によりスピンドル52を移動させて研磨体40をウエハWの上方に位置させた後、これを下降させて、研磨体40の下面、すなわち研磨面47をウエハWの被研磨面(上面)に上方から接触させる。
【0029】
ウエハWの研磨中には、研磨ヘッド移動機構16により研磨ヘッド50を移動させて、研磨体40の研磨面47がウエハWの表面に接触した状態のままその表面上を移動するようにする。これにより研磨体40はウエハWより小径でありながら、ウエハWの表面(被研磨面)全域について研磨することができる。図4及び図5はこのようなウエハWの研磨工程における研磨体40の移動経路の例を示すものであり、ともにウエハWの上方から見たものである。これらの図中に矢印付きで示す行路は、研磨体40の(研磨面47の)中心位置の移動経路であり、図4に示す例は、研磨体40をウエハW表面上の一の方向に揺動(往復)運動させつつ、同じくウエハW表面上であって上記一の方向と直角な方向に向かって移動させるようにしたものである。また、図5に示す例は、ウエハW表面上を、ウエハWの外縁側から中心側に向かうように螺旋状に研磨体40を移動させるようにしたものである。これらいずれの移動経路によっても、ウエハW表面の全域を研磨することができる。なお、これらと異なる他の移動経路によってもウエハW表面の全域を研磨できることは勿論である。
【0030】
ウエハWの研磨中においては、スラリー供給装置60よりシリカ粒を含んだスラリーを圧送し、スラリー供給管62及び硬質材料層41上の開口部45を介して硬質材料層41の下面側、すなわち研磨体40の研磨面47とウエハWの被研磨面との間にスラリーが供給されるようにする。
【0031】
本研磨体40では、上述したように、硬質材料層41と、軟質材料層42と、これら両材料層41,42の間に介在するプレート部材43とからなる三層形をなしているため、本研磨体40を用いてウエハWの被研磨面を研磨した場合、その被研磨面には硬質材料層41が接触することになって段差解消性に対する要求が満足される一方、被研磨面上の凹凸形状に対しては、軟質材料層42が変形することにより硬質材料層41がその凹凸形状に倣うようになるので、均一性に対する要求も満足される。
【0032】
また、ウエハWの研磨に際しては、上記のように研磨ヘッド50が移動されるため、硬質材料層41(研磨面47)の一部は図6(A)に示すように、ウエハWのエッジよりウエハWの外方にはみ出すことになるのであるが、本研磨体40では、上述したように、研磨体保持部材30の回転軸上に位置する所定点Aを中心とするプレート部材43の径方向の曲げ剛性が、その所定点Aを中心とするプレート部材43の周方向の曲げ剛性よりも小さくなるように構成されているため、研磨中に硬質材料層41がウエハWのエッジよりはみ出した場合には、プレート部材43はそのエッジ部において容易に撓んでエッジ部に作用した集中荷重を吸収するので、従来の三層形研磨体のように、集中荷重がプレート部材43を介してエッジの周辺に拡散することがない。図6(A)中に符号Fで示す矢印は、ウエハWのエッジより研磨体40に集中的に作用する荷重の流れを模式的に示したものである(図11(A)における荷重の流れも参照)。
【0033】
このため、ウエハWのエッジ近傍における単位時間当たりの研磨量は図6(B)中に示すグラフHのようになり、図11に示した従来例に係る三層形研磨体においてはグラフJ0のようになるのに比較して、エッジエクスクルージョンが小さくなる。なお、図6(B)においては、本研磨体40を用いた場合のエッジエクスクルージョンの範囲を符号Eで示しており、図11において示した従来例に係る三層形研磨体を用いた場合のエッジエクスクルージョンの範囲をE0で示している。このように本研磨体40によれば、三層形の研磨体として段差解消性及び均一性に対する要求を十分に満足し得るうえ、エッジエクスクルージョンを極力狭小な範囲に抑えることができるので、歩留まりを大きく向上させることが可能である。
【0034】
また、本CMP装置10は、上述のように、被研磨面が露出する状態で工作物であるウエハWを保持する工作物保持手段としての回転定盤20と、回転定盤20により保持されたウエハWの被研磨面に垂直な軸(スピンドル52の回転軸)まわりに回転可能であり、上記研磨体40の軟質材料層42を上記軸に垂直な面である研磨体保持面32において保持した状態で、研磨体40の硬質材料層41を、回転定盤20により保持されたウエハWの被研磨面と対向して位置させる研磨体保持部材30とを備え、研磨体40は、プレート部材43の所定点Aが上記軸上に位置するように研磨体保持部材30の研磨体保持面32に取り付けられるようになっており、回転定盤20により保持されたウエハWの被研磨面に研磨体40の硬質材料層41を接触させた状態で研磨体保持部材30、すなわち研磨体40を移動させて被研磨面の研磨を行う構成になっている。
【0035】
このCMP装置10においては、上述の効果を有する本発明に係る研磨体(研磨体40)を有しているので、段差解消性と均一性とに対する要求を満たしつつ、エッジエクスクルージョンを極力狭小な範囲に抑えた歩留まりの高い工作物(ここではウエハW)を効率よく生産することができる。特に、工作物が上述のように半導体ウエハである場合には、そのウエハWから切り出せるチップ数が増大するので、歩留まりを大きく向上させることができる。
【0036】
ここで、本研磨体40における硬質材料層41及び軟質材料層42の材料の選択、及びこれら両材料層41,42の厚さの比率などは、工作物であるウエハWに求められる研磨状態に応じて最適の値が決定される。また、プレート部材43の材料や弾性係数、厚さなども、ウエハWに求められる研磨精度や硬質材料層41及び軟質材料層42についての物性値等に応じて最適の値が決定される。
【0037】
図7は上記プレート部材43の第1変形例を示しており、図7(A)はこの第1変形例に係るプレート部材143の平面図、図7(B)は図7(A)における矢視VIIB−VIIBより見たプレート部材の断面図である。この第1変形例に係るプレート部材143では、上記プレート部材43における所定点Aを中心とする同心弧状のスリット43aを、所定点Aを中心とする同心弧状の薄肉部143a(スリットをプレート部材の表裏で貫通させないもの)としたものである(中心部には、プレート部材43における貫通穴46と同様の貫通穴146が設けられる)。このような構成のプレート部材143であっても、上記プレート部材43の場合と同様、所定点Aを中心とするプレート部材143の径方向の曲げ剛性を、所定点Aを中心とするプレート部材143の周方向の曲げ剛性よりも小さくすることができるので、上記研磨体40と同様の効果を得ることができる。
【0038】
また、図8は上記プレート部材43の第2変形例を示しており、図8(A)はこの第2変形例に係るプレート部材243の平面図、図8(B)は図8(A)における矢視VIIIB−VIIIBより見たプレート部材243の断面図である。この第1変形例に係るプレート部材243では、所定点Aを中心とする螺旋弧状の多数のスリット243aが設けられることにより、所定点Aを中心とするプレート部材243の径方向の曲げ剛性が、所定点Aを中心とするプレート部材243の周方向の曲げ剛性よりも小さくなるようにしている(中心部には、プレート部材43における貫通穴46と同様の貫通穴246が設けられる)。このような構成であっても、上述のプレート部材43又は第1変形例に係るプレート部材143を用いた研磨体と同様の効果を得ることができる。また、この第2変形例に係るプレート部材243におけるスリット243aを第1変形例に係るプレート部材143の場合のように薄肉部としても、同様の効果を得ることができる。
【0039】
また、上記プレート部材43に形成される所定点Aを中心とする多数のスリット43a、第1変形例に係るプレート部材143に形成される所定点Aを中心とする多数の薄肉部143a、或いは第2変形例に係るプレート部材243に形成される所定点Aを中心とする螺旋弧状の多数のスリット243a(或いは薄肉部)は、ウエハWの研磨中においてウエハWのエッジ上に位置することがあり、或いはエッジより外方にはみ出すことのある領域にのみ設けられていればよく、それ以外の領域には必ずしも設けられている必要はない。
【0040】
また、プレート部材が塑性加工した金属材料からなっており、上記所定点Aを中心とするプレート部材の径方向の曲げ剛性が、所定点Aを中心とするプレート部材の周方向の曲げ剛性より小さくなるように、金属材料を構成する結晶構造の配列がなされているのであってもよい。或いは、プレート部材が繊維材料からなっており、上記所定点Aを中心とするプレート部材の径方向の曲げ剛性が、所定点Aを中心とするプレート部材の周方向の曲げ剛性より小さくなるように、繊維材料を構成する繊維の配列がなされているのであってもよい。
【0041】
次に、本発明に係る半導体デバイスの製造方法の実施形態について説明する。図9は半導体デバイス製造プロセスを示すフローチャートである。半導体製造プロセスをスタートすると、先ずステップS200で次に挙げるステップS201〜S204の中から適切な処理工程を選択し、いずれかのステップに進む。
【0042】
ここで、ステップS201はウエハWの表面を酸化させる酸化工程である。ステップS202はCVD等によりウエハW表面に絶縁膜や誘電体膜を形成するCVD工程である。ステップS203はウエハWに電極を蒸着等により形成する電極形成工程である。ステップS204はウエハWにイオンを打ち込むイオン打ち込み工程である。
【0043】
CVD工程(ステップS202)若しくは電極形成工程(ステップS203)の後で、ステップS205に進む。ステップS205はCMP工程である。CMP工程では本発明による上記CMP装置10により、層間絶縁膜の平坦化や半導体デバイス表面の金属膜の研磨、誘電体膜の研磨によるダマシン(damascene)の形成等が行われる。
【0044】
CMP工程(ステップS205)若しくは酸化工程(ステップS201)の後でステップS206に進む。ステップS206はフォトリソグラフィ工程である。この工程ではウエハWへのレジストの塗布、露光装置を用いた露光によるウエハWへの回路パターンの焼き付け、露光したウエハWの現像が行われる。更に、次のステップS207は現像したレジスト像以外の部分をエッチングにより削り、その後レジスト剥離が行われ、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除くエッチング工程である。
【0045】
次に、ステップS208で必要な全工程が完了したかを判断し、完了していなければステップS200に戻り、先のステップを繰り返してウエハW上に回路パターンが形成される。ステップS208で全工程が完了したと判断されればエンドとなる。
【0046】
このように本発明に係る半導体デバイス製造方法では、CMP工程において本発明に係る研磨装置(CMP装置10)を用いているため、歩留まりが向上する。また、これにより、従来の半導体デバイス製造方法に比べ低コストで半導体デバイスを製造することができるという効果が生まれる。なお、上記半導体デバイス製造プロセス以外の半導体デバイス製造プロセスのCMP工程に本発明に係る研磨装置を用いてもよい。また、本発明に係る半導体デバイス製造方法により製造された半導体デバイスは高歩留まりで製造されるので、低コストの半導体デバイスとなる。
【0047】
これまで本発明の好ましい実施形態について説明してきたが、本発明の範囲は上述の実施形態において示したものに限定されない。例えば、上述の実施形態では、本発明に係る研磨体若しくは本発明に係る研磨装置により研磨される工作物は半導体ウエハWであるとして説明したが、これは一例であり、液晶基板等の他の基板を工作物としてもよい。更には、基板以外のものを工作物としてもよい。
【0048】
また、上述の実施形態では、本発明に係る研磨装置(CMP装置10)は、回転定盤20により回転されたウエハWの被研磨面に回転状態の硬質材料層41を接触させるとともに、研磨体40をウエハW表面に対して揺動させてウエハW表面を研磨する構成であったが、これは、ウエハWの被研磨面に硬質材料層41を接触させた状態でウエハWと研磨体40とを相対移動させるのであれば、必ずしも上記のような研磨方法を採用する必要はない。例えば、上記例のように一方が固定で他方が揺動する構成ではなく、双方が揺動移動する構成であってもよい。また、上記例のように双方が回転する構成ではなく、一方又は双方が非回転である構成であってもよい。
【0049】
また、本発明に係る研磨装置は、上述の実施形態では、工作物保持手段は工作物を被研磨面が上方に露出する状態で保持するとともに、研磨体保持部材は硬質材料層が下方を向くように研磨体を保持し、かつ、研磨体は工作物よりも小径であるとしていたが、これは一例であり、工作物保持手段が工作物を被研磨面が下方に露出する状態で保持するとともに、研磨体保持部材が研磨体を硬質材料層が上方を向くように保持する構成のものであってもよい。この場合には、研磨体は工作物よりも大径となるのが普通である。但し、上述の実施形態において示したCMP装置10のように、工作物保持手段が工作物を被研磨面が上方に露出する状態で保持するとともに、研磨体保持部材が研磨体を硬質材料層が下方を向くように保持し、研磨体が工作物よりも小径である構成を採る場合には、研磨中における工作物の表面状態をリアルタイムで観察することができるという利点がある。
【0050】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る研磨体では、硬質材料層と、軟質材料層と、これら両材料層の間に介在するプレート部材とからなる三層形をなしているため、硬質材料層を工作物の被研磨面に接触させてこれを研磨すれば段差解消性に対する要求が満足される一方、被研磨面上の凹凸形状に対しては、軟質材料層が変形することにより硬質材料層がその凹凸形状に倣うようになるので、均一性に対する要求も満足される。そのうえ、プレート部材上の所定点を中心とするプレート部材の径方向の曲げ剛性が、その所定点を中心とするプレート部材の周方向の曲げ剛性よりも小さくなるように構成されているため、プレート部材上の上記所定点が回転中心となるように研磨体を回転させて被研磨面を研磨するようにすれば、研磨中に硬質材料層が工作物のエッジよりはみ出した場合には、プレート部材はそのエッジ部において容易に撓んでエッジ部に作用した集中荷重を吸収するので、従来の三層形研磨体のように、集中荷重がプレート部材を介してエッジの周辺に拡散し、エッジエクスクルージョンが広がることがない。このため、本発明に係る研磨体によれば、三層形の研磨体として段差解消性及び均一性に対する要求を十分に満足し得るうえ、エッジエクスクルージョンを極力狭小な範囲に抑えることができるので、歩留まりを大きく向上させることが可能である。
【0051】
また、本発明に係る研磨装置は、上記効果を有する本発明に係る研磨体を有して構成されているので、段差解消性と均一性とに対する要求を満たしつつ、エッジエクスクルージョンを極力狭小な範囲に抑えた歩留まりの高い工作物を効率よく生産することができる。特に、工作物が半導体ウエハである場合には、そのウエハから切り出せるチップ数が増大するので、歩留まりを大きく向上させることができる。
【0052】
また、本発明に係る半導体デバイス方法は、研磨工程において上記本発明に係る研磨装置が用いられるため、歩留まりが向上する。また、本発明に係る半導体デバイスは、上記本発明に係る半導体デバイス製造方法により高歩留まりで製造されるので、大変低コストな半導体デバイスとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る研磨装置の一例としてのCMP装置の要部構成図である。
【図2】上記CMP装置における研磨ヘッドを拡大して示す図であり、(A)はその側面図、(B)は下面図である。
【図3】プレート部材単体を示す図であり、(A)はその平面図、(B)は(A)における矢視IIIB−IIIBより見た断面図である。
【図4】ウエハの研磨工程における研磨ヘッドの移動経路の第1例を示す図である。
【図5】ウエハの研磨工程における研磨ヘッドの移動経路の第2例を示す図である。
【図6】(A)は硬質材料層の一部がウエハのエッジよりはみ出した状態を示す図であり、(B)はこのときのウエハのエッジ近傍における単位時間当たりの研磨量を示すグラフである。
【図7】第1変形例に係るプレート部材を示す図であり、(A)はその平面図、(B)は(A)における矢視VIIB−VIIBより見たプレート部材の断面図である。
【図8】第2変形例に係るプレート部材を示す図であり、(A)はその平面図、(B)は(A)における矢視VIIIB−VIIIBより見たプレート部材の断面図である。
【図9】本発明に係る半導体デバイス製造方法の一例を示すフローチャートである。
【図10】従来の研磨体を示す図であり、(A)は硬質材料からなる研磨パッドを有した単層形の研磨体を示す図、(B)は軟質材料からなる研磨パッドを有した単層形の研磨体を示す図、(C)は硬質材料層と軟質材料層とからなる研磨パッドを有した二層形の研磨体を示す図である。
【図11】(A)は従来の三層形の研磨体を示す図であり、(B)は従来の三層形の研磨体を用いてウエハを研磨した場合におけるウエハのエッジ近傍における単位時間当たりの研磨量を示すグラフである。
【符号の説明】
10 CMP装置
20 回転定盤
30 研磨体保持部材
40 研磨体
41 硬質材料層
42 軟質材料層
43 プレート部材
43a スリット
50 研磨ヘッド
52 スピンドル
60 スラリー供給装置
62 スラリー供給管
W 半導体ウエハ
Claims (9)
- 硬質材料層と、軟質材料層と、前記硬質材料層及び前記軟質材料層の間に介在してこれら両材料層と接合されたプレート部材とからなる研磨体において、
前記プレート部材上の所定点を中心とする前記プレート部材の径方向の曲げ剛性が、前記所定点を中心とする前記プレート部材の周方向の曲げ剛性よりも小さくなるように構成されていることを特徴とする研磨体。 - 前記プレート部材に前記所定点を中心とする同心弧状のスリット又は薄肉部が設けられることにより、前記所定点を中心とする前記プレート部材の径方向の曲げ剛性が、前記所定点を中心とする前記プレート部材の周方向の曲げ剛性よりも小さくなっていることを特徴とする請求項1記載の研磨体。
- 前記プレート部材に前記所定点を中心とする螺旋弧状のスリット又は薄肉部が設けられることにより、前記所定点を中心とする前記プレート部材の径方向の曲げ剛性が、前記所定点を中心とする前記プレート部材の周方向の曲げ剛性よりも小さくなっていることを特徴とする請求項1記載の研磨体。
- 前記プレート部材は塑性加工した金属材料からなっており、前記所定点を中心とする前記プレート部材の径方向の曲げ剛性が、前記所定点を中心とする前記プレート部材の周方向の曲げ剛性より小さくなるように、前記金属材料を構成する結晶構造の配列がなされていることを特徴とする請求項1記載の研磨体。
- 前記プレート部材が繊維材料からなっており、前記所定点を中心とする前記プレート部材の径方向の曲げ剛性が、前記所定点を中心とする前記プレート部材の周方向の曲げ剛性より小さくなるように、前記繊維材料を構成する繊維の配列がなされていることを特徴とする請求項1記載の研磨体。
- 被研磨面が露出する状態で工作物を保持する工作物保持手段と、
請求項1〜5のいずれかに記載の研磨体の前記硬質材料層を、前記工作物保持手段により保持された前記工作物の前記被研磨面と対向して位置させる研磨体保持部材とを備え、
前記研磨体は、前記プレート部材の前記所定点が前記軸上に位置するように前記研磨体保持部材の前記所定面に取り付けられるようになっており、
前記工作物保持手段により保持された前記工作物の前記被研磨面に前記研磨体の前記硬質材料層を接触させた状態で前記工作物と前記研磨体とを相対移動させて前記被研磨面の研磨を行うことを特徴とする研磨装置。 - 前記工作物保持手段は前記被研磨面が上方に露出する状態で前記工作物を保持するとともに、前記研磨体保持部材は前記硬質材料層が下方を向くように前記研磨体を保持し、前記研磨体は前記工作物よりも小径であることを特徴とする請求項6記載の研磨装置。
- 前記工作物が半導体ウエハであり、前記請求項6又は7記載の研磨装置を用いて前記半導体ウエハの表面を平坦化する工程を有することを特徴とする半導体デバイス製造方法。
- 請求項8記載の半導体デバイス製造方法により製造されたことを特徴とする半導体デバイス。
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