JP4777031B2 - 化学的機械研磨方法及び試料台パッド - Google Patents

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本発明は、スラリを用いて試料を研磨する化学的機械研磨装置及び化学的機械研磨装置の試料台パッドに関し、特に研磨前又は研磨後の試料を試料台の上に一時的に載置する機構を備えた化学的機械研磨装置及び化学的機械研磨装置の試料台パッドに関する。
近年、半導体装置のより一層の微細化に伴って、絶縁膜又は導電体膜を成膜したウェハ(半導体基板)の表面を高精度で平坦化することが要求されるようになった。このような要求を満たすために、現在、CMP(Chemical Mechanical Polishing :化学的機械研磨)装置が広く使用されている。CMP装置は、基板となるシリコンウェハの研磨、ダマシン法による配線形成及び絶縁膜の平坦化など、半導体装置製造の種々の工程で使用されている。また、CMP装置は、ハードディスク(磁気記録装置)の製造、MCM(マルチチップモジュール:ハイブリッド集積回路)の製造及びレンズの研磨等にも使用されている。
図1は半導体装置の製造に使用されるCMP装置の概要を示す模式図である。この図1に示すように、CMP装置は、プラテン(定盤)10と、研磨ヘッド(研磨キャリア)14と、スラリ供給ノズル15と、コンディショニングディスク12とを有している。
プラテン10の上には研磨パッド(研磨布)11が装着される。このプラテン10は回転軸10aに固定されており、回転軸10aの回転に伴って回転する。研磨ヘッド14はプラテン10の上方に配置されている。この研磨ヘッド14の下面側には、後述するように、ウェハ13を吸着保持するためのメンブレンと呼ばれる部材が設けられている。研磨ヘッド14は回転軸14aに固定されており、回転軸14aの回転に伴って回転する。
コンディショニングディスク12もプラテン10の上方に配置されている。このコンディショニングディスク12は回転軸12aに固定されており、回転軸12aの回転に伴って回転する。このコンディショニングディスク12は、ウェハ研磨中又は研磨が終了した段階で研磨パッド11の表面を研磨に最適な状態に保つために使用される。コンディショニングディスク12は、コンディショナー又はドレッサーとも呼ばれる。
スラリ供給ノズル15はチューブ15aを介してスラリ供給装置(図示せず)に接続されており、このスラリ供給ノズル15から研磨パッド11上にスラリが滴下される。研磨パッド11上に滴下されたスラリは、プラテン10の回転により研磨パッド11とウェハ13との間に供給される。そして、研磨パッド11とスラリに含まれる研磨剤(研磨粒子)及び薬液とにより、ウェハ13の表面が機械的及び化学的に研磨される。
図2は、CMP装置の斜視図であり、図3は同じくそのロードカップ(ロード/アンロードステーション又はHCLUとも呼ばれる)の断面と研磨ヘッドの一部断面とを示す図である。これらの図を用いてCMP装置の詳細を説明する。
図2に示すように、一般的なCMP装置では、ベース2上に複数個(図では3個)のプラテン10と1つのロードカップ20とが設けられている。各プラテン10の周囲には、先端にスラリ供給ノズルが設けられたスラリ供給アーム31と、コンディショニングディスク12が取り付けられたコンディショニングディスク駆動アーム32とがそれぞれ設けられている。また、研磨ヘッド14は、回転軸30aに支持されるヘッドユニット30に取り付けられている。この図2に示すCMP装置では、3つのプラテン10と1つのロードカップ20とが回転軸30aの周囲に配置されており、ヘッドユニット30にはプラテン10及びロードカップ20に対応して4つの研磨ヘッド14が設けられている。研磨ヘッド14にウェハを吸着保持した状態でヘッドユニット30が回転することにより、各プラテン10上にウェハが搬送される。なお、研磨ヘッド14の回転軸14aは、図2に矢印で示すようにヘッドユニット30の回転半径方向に往復運動するようになっている。
ロードカップ20の内側には、図3に示すように、研磨前又は研磨終了後のウェハ(試料)13を一時的に保持するペデスタル(試料台)21が設けられている。このペデスタル21の内部は空洞になっており、上面側には空洞とつながった複数のノズル(穴)21aが設けられている。ペデスタル21内の空間(空洞)は、ペデスタル21を支持する中空シャフト22の内部空間に接続されている。このシャフト22の内部空間は、複数の切換えバルブ(図示せず)を介して窒素ガス供給源、純水供給源及び真空ポンプに接続される。
また、ロードカップ20の内側には、研磨ヘッド14に対してウェハ13を位置合わせするための位置決め部材(図示せず)が設けられている。なお、この図2,図3に示すCMP装置では、ペデスタル21の周囲に、研磨ヘッド14に向けて純水を噴射するノズル23が設けられている。このノズル23は、配管24を介して純水供給源に接続されている。
研磨ヘッド14の下側には薄膜状のゴムよりなるメンブレン16を備えた吸着部材が設けられている。この吸着部材は空気圧調整機構に接続されており、吸着部材の内部空間を負圧にするとメンブレン16が上側にへこんでウェハ13を吸着する。従来、このようなCMP装置の構造が知られている(例えば、特許文献1,2,3参照)。
ところで、ペデスタル21の上には、図4(a)の側面図に示すように、ウェハ13の表面に傷がつくことを防止するために、ペデスタルパッド25が配置されている。このペデスタルパッド25は柔らかい素材で作られており、詳しくは上層がポリウレタンの垂直発泡体の層、下層がポリウレタン繊維の不織布にポリウレタン樹脂を含浸した層の2層構造となっている。また、ペデスタルパッド25には、図4(b)の平面図に示すように、ペデスタル21に設けられたノズル21aに整合する位置に穴25aが設けられている。
なお、CMP研磨後のウェハをBTA(ベンゾトリアゾール)水溶液中に保管することで配線に用いられる銅の酸化や腐食を防ぐことが知られている(例えば、特許文献4)。
特開2003−71709号公報 特開平9−174420号公報 特許第3439970号公報 特開2000−277470号公報
半導体装置の配線材料としては、一般的にアルミニウムが使用されている。しかし、高集積及び高性能な半導体装置では、アルミニウムよりも比抵抗が小さく且つエレクトロマイグレーションが発生しにくいことから、配線材料として銅が使用されることが多い。銅をCMP研磨する場合には、絶縁膜をCMP研磨する場合に比べて化学反応が大きく寄与する。ところで、銅は酸化や腐食が発生しやすい金属であり、またCMP研磨後の銅の表面は極めて活性であるので、容易に酸化や腐食が発生してしまう。このため、スラリ及び洗浄液の選択だけでなく、研磨後のウェハの取り扱いにも注意が必要である。
しかしながら、従来のCMP装置では、研磨終了からアンロード(研磨装置からの搬出)までの間に銅の酸化又は腐食が発生することがあり、より一層の工夫が要望されている。
本発明は、研磨後の金属配線表面の腐食防止を総括課題とし、詳しくは、研磨後の試料に酸化、腐食又はその他の不具合が発生することを防止できる化学的機械研磨装置及び化学的機械研磨装置の試料台パッドを提供することを目的とする。
本発明の一観点によれば、研磨ステージと、試料台と、前記試料台上に配置されている、試料台パッドと、前記試料台パッドの上に載置された試料を前記研磨ステージに搬送し、前記研磨ステージで化学的機械研磨された試料を前記試料台パッドの上に戻す研磨ヘッドと、を有し、前記試料台は純水を噴射するノズルを備え、前記試料台パッドに前記ノズルに対応する位置に穴が形成されており、前記試料台パッドの前記試料に接触する面側に、外縁まで達する溝が形成されている化学的機械研磨装置が提供される。
本発明の別の一観点によれば、樹脂により形成され、試料台の上に配置されて研磨前又は研磨後の試料が一時的に載置される化学的機械研磨装置用試料台パッドにおいて、前記試料に接触する面側に、外縁まで達する溝が形成されており、前記試料台に設けられた純水を噴射するノズルに対応する位置に穴が形成されている試料台パッドが提供される。
本発明においては、試料台の上に樹脂製の試料台パッドが配置される。この試料台パッドの試料に接触する面は液体に対して非吸収性である。換言すると、試料台パッドの試料に接触する面は平滑であって、液体を保持する空間を有していない。従って、試料台パッドの上に落下した水(又はその他の液体:以下同じ)は、例えば研磨ヘッドをロードカップで洗浄するときに用いられる純水とともに試料台パッド上から容易に除去される。これにより、試料台パッド上に落下した水又は薬液による試料表面の酸化、腐食又は溶解等の不具合の発生が回避される。
試料台上に落下した水を効率よく排出するために、試料台パッドの試料に接触する面側には、試料台パッドの外縁まで延びる溝を形成しておくことが好ましい。試料台パッド上に落下した水は、試料台パッド上にウェハを載置するときに、溝を通って試料台パッドの外縁から排出される。
試料台に液体供給源及び真空装置に接続されるノズルが設けられている場合、試料台パッドには穴を設けてノズルを塞がないようにすることが必要となる。この場合、溝と穴とが連結していると、試料台パッド上に試料を吸着する際に、溝を介してノズルにエアーが流入し、試料台パッド上に試料を十分に吸着することができなくなることがある。従って、穴と連結しないように溝を形成することが好ましい。
また、試料台パッドを、複数の個別のパッド構成部材により構成してもよい。この場合に、試料台パッドには、試料台のノズルを囲むリング状のパッド構成部材を含むことが好ましい。
本願発明者等は、CMP研磨終了からアンロードまでの間に銅の酸化や腐食が発生する原因を探求した。以下、その詳細を説明する。
図5(a)〜(e)は、ウェハの移動とCMP装置のヘッドユニットの動きとを示す模式図である。
まず、図5(a)に示すように、搬送ロボットにより、ウェハ63がロードカップ70まで搬送され、ペデスタル上に載置される。次に、ペデスタル上のウェハ63が研磨ヘッド64aに保持される。その後、図5(b)に示すように、ヘッドユニット80が左方向に約90°回転して、ウェハ63を第1のプラテン(第1の研磨ステージ)60aに搬送する。そして、第1のプラテン60aでウェハ63をCMP研磨する。
第1のプラテン60aでCMP研磨が終了すると、ウェハ63は研磨ヘッド64aに保持される。その後、図5(c)に示すように、ヘッドユニット80が更に左方向に約90°回転して、ウェハ63を第2のプラテン(第2の研磨ステージ)60bに搬送する。そして、第2のプラテン60bでウェハ63をCMP研磨する。
第2のプラテン60bでCMP研磨が終了すると、ウェハ63は研磨ヘッド64aに保持される。その後、図5(d)に示すように、ヘッドユニット80が更に約90°回転して、ウェハ63を第3のプラテン(第3の研磨ステージ)60cに搬送する。そして、第3のプラテン60cでウェハ63をCMP研磨する。
第3のプラテン60cでCMP研磨が終了すると、図5(e)に示すように、ウェハ63は研磨ヘッド64aに保持されてロードカップ70に戻され、ペデスタル上に載置される。このとき、ヘッドユニット80は右方向に約270°回転する。その後、このペデスタル上のウェハ63は、搬送ロボットによりCMP装置から搬出される。
このように、ウェハ63はロードカップ70→第1のプラテン60a→第2のプラテン60b→第3のプラテン60c→ロードカップ70の順に搬送される。
なお、ウェハをCMP研磨するときには、ウェハを特定のプラテンのみで研磨する(すなわち、ウェハがプラテン間を移動しない)方法と、上述したように複数のプラテンで1枚のウェハを順番に研磨する(分割研磨)方法とがある。半導体装置の製造工程では、スループットを上げるために、後者の方法を採用することが多い。
ところで、第3のプラテン60cでCMP研磨が終了したウェハ63をロードカップ70まで戻すときにヘッドユニット80が逆回転するため、他の研磨ヘッド64b〜64dに保持された研磨途中のウェハ63がロードカップ70の上を通過する。各プラテン60a〜60cでは、研磨終了時にスラリ供給ノズルから純水を放出してウェハ63の表面の洗浄が行われる。しかし、ウェハ63の表面や研磨ヘッド64a〜64dには、わずかではあるもののスラリ成分を含む水が残留し、この水がウェハ搬送時にロードカップ70のペデスタルパッドの上に落下することがある。
ロードカップ70では純水による洗浄が行われており、ペデスタルパッド上にスラリ成分を含む水が落下しても、ある程度は除去することができる。しかし、前述したように、従来のペデスタルパッドはポリウレタンの垂直発泡体により形成されており、表面に蜂の巣状の微細な孔を有している。これらの孔の中にスラリ成分を含んだ水が残ってしまうため、研磨終了後のウェハ63がペデスタルパッドの上に載置されると、ウェハ63の研磨面とスラリ成分を含んだ水とが接触する。これにより、水に含まれるスラリ成分の種類及び濃度などの条件にもよるが、ウェハ表面の金属膜(特に銅膜)に酸化や腐食が発生する。特に、ペデスタルパッド上に落下した水に銅イオンが含まれていると、銅膜が溶解されやすくなったり、酸化や腐食が促進される。
ペデスタルパッド上に落下するスラリの量を減少するために、ヘッドユニット80を常に一方向に回転させる(すなわち、逆転させない)ことも考えられる。しかし、その場合はヘッドユニット80を支持する回転軸の中を通る配線やチューブがねじれないようにする必要があり、装置構造が複雑になってしまう。また、仮にヘッドユニット80を常に一方向に回転させるようにしても、ウェハ63又は研磨ヘッド64a〜64dからペデスタルパッド上にスラリ成分を含んだ水が落下することを完全に防止することはできない。
なお、銅のCMP研磨の場合は、ペデスタルパッドの表面に残る水による腐食や酸化が顕著に現れるが、タングステン(W)、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)、タンタル(Ta)、銀(Ag)、金(Au)、白金(Pt)及びルテニウム(Ru)等の金属膜の研磨においても、スラリの成分によっては酸化、腐食又は金属の部分的な溶解等の不具合が発生する。また、多結晶シリコン膜及びアモルファスシリコン膜等の半導体膜の研磨や、SiO膜、SiO2 膜、SiOC膜、SiC膜、SiON膜、SiN膜及びBPSG膜等の絶縁膜の研磨においても、スラリによっては部分的に膜成分が溶解することがある。
以上の考察から、本願発明者等はペデスタルパッド上にスラリ成分を含む水(又はその他の液体)が落下しても、ペデスタルパッド上に水(又はその他の液体)が残留しないようにすることが重要であるとの結論に達した。以下、本発明の実施形態を説明する。
(第1の実施形態)
図6は、本発明の第1の実施形態の研磨装置(CMP装置)を示す上面図である。
本実施形態の研磨装置では、ベース102上に3個のプラテン(研磨ステージ)110と1つのロードカップ120とが設けられている。各プラテン110の周囲には、先端にスラリ供給ノズルが設けられたスラリ供給アーム131と、コンディショニングディスクが取り付けられたコンディショニングディスク駆動アーム132とがそれぞれ設けられている。各プラテン110の上には研磨パッド(研磨布)が装着される。
また、回転軸に支持されるヘッドユニット130には、プラテン110及びロードカップ120に対応して4つの研磨ヘッド114が取り付けられている。研磨ヘッド114にウェハを吸着保持した状態でヘッドユニット130が回転することにより、各プラテン110にウェハが搬送される。なお、研磨ヘッド114は回転軸とともに回転するだけでなく、ヘッドユニット130の回転半径方向に往復移動するようになっている。
図7に、研磨ヘッド114、ヘッドユニット130、スラリ供給アーム131及びコンディショニングディスク駆動アーム132の動作を示す。この図7において、研磨ヘッド114、ヘッドユニット130、スラリ供給アーム131及びコンディショニングディスク駆動アーム132はそれぞれ矢印で示す方向に駆動される。
ロードカップ120の内側には、図8に示すように、研磨前又は研磨終了後のウェハ(試料)113を一時的に保持するペデスタル(試料台)121が設けられている。このペデスタル121の内部は空洞になっており、上側には空洞とつながった複数のノズル(穴)121aが設けられている。ペデスタル121内の空洞は、ペデスタル121を支持する中空シャフト122の内部空間に接続されている。このシャフト122の内部空間は、複数の切換えバルブ(図示せず)を介して窒素ガス供給源、純水(洗浄液)供給源及び真空ポンプに接続される。また、ロードカップ120の内側には、研磨ヘッド114に対してウェハ113を位置合わせするための位置決め部材(図示せず)が設けられている。
ペデスタル121の上には、図9に平面図を示すようなペデスタルパッド125が接合される。このペデスタルパッド125はプラスチックの一種であるポリウレタンのシートにより形成され、表面(ウェハとの接触面)が平滑であり、水(液体)を保持する微細な空隙(孔等)を有していない。また、ペデスタルパッド125には、ペデスタル121のノズル121aに対応する位置に穴(開口部)125aが設けられている。この例では、中央の穴125aの形状が菱形であり、他の穴125aの形状は円形である。
更に、ペデスタルパッド125には、溝125bが放射状に設けられている。本実施形態において、ペデスタルパッド121の直径は183.4mm、厚さは1〜2mm、溝125bの幅は5mm、溝125bの深さは0.1〜0.7mmである。なお、ペデスタルパッド125は他のプラスチック又はゴムのシートにより形成してもよい。例えば、ポリウレタンを主成分とする樹脂、ポリエチレンを主成分とする樹脂、ポリ塩化ビニルを主成分とする樹脂、アクリルを主成分とする樹脂、又はネオプレーン等によりペデスタルパッド125を形成することができる。但し、ペデスタルパッド125は、少なくともウェハ(試料)との接触面が非吸水性であることが必要である。すなわち、ペデスタルパッド125は、少なくともウェハ(試料)との接触面が平滑であり、水(液体)を保持する微細な孔のような空隙を有していないことが必要である。
溝125bの幅は、水をスムーズに排出するために、1mm以上とすることが好ましい。また、溝125bの断面は、図10(a),(b)に示すように、上部の幅Aが広く下部の幅Bが狭い形状としてもよい。例えば、溝の断面を図11に示すように上部の幅Aが狭く下部の幅Bが広い形状とした場合は、水が表面張力により溝の壁面に付着して排出されにくくなることが考えられる。これに対し、溝125bの断面を図10(a),(b)に示す形状とした場合は、溝125bの壁面への水の付着が抑制される。
また、溝125bの壁面及び底面は、水をスムーズに排出するために、できるだけ滑らかにすることが好ましい。例えば図12に示すように、溝125bの壁面及び底面に、撥水性又は疎水性の皮膜126を付着させてもよい。このような皮膜は、溝125bの部分以外をマスクで覆い、溝125bの壁面及び底面に撥水性又は疎水性の薬品を塗布することにより形成できる。
一方、研磨ヘッド114の下側には、薄膜状のゴムよりなるメンブレンを備えた吸着部材(図示せず)が設けられている。この吸着部材は空気圧調整機構に接続されており、吸着部材の内部空間を負圧にするとメンブレンが上側にへこんでウェハ113を吸着する。
以下に、本実施形態の研磨装置の動作について、図13に示すフローチャートを参照して説明する。なお、予め各プラテン110の上には研磨パッドを装着しておく。
まず、ステップS11において、研磨ヘッド114の洗浄が行われる(図9参照)。すなわち、ペデスタル121内の空間(空洞)と純水供給源とが接続されるように切換えバルブが操作される。その後、純水供給源からペデスタル121内の空間に純水が供給され、ノズル121aから純水が噴射してロードカップ120の上方の研磨ヘッド114が洗浄される。
次に、研磨パッド114の洗浄が終了すると、ステップS12に移行し、搬送ロボット(図示せず)により、ウェハポッドからロードカップ120のペデスタル121(ペデスタルパッド125)上にウェハ113が搬送される。その後、切換えバルブの切換えが行われ、ペデスタル121の内部空間と真空ポンプとが接続されてペデスタル121の内部空間が負圧になる。これにより、ウェハ113がペデスタル121(ペデスタルパッド125)上に吸着される。
次に、ステップS13に移行し、搬送ロボットが退避した後に切換えバルブの切換えが行われ、ペデスタル121の内部空間が純水供給源又は窒素ガス供給源に接続される。これにより、ノズル121aから純水又は窒素ガスが噴出され、ウェハ113がペデスタル121(ペデスタルパッド125)から離脱する。そして、位置決め部材により、ウェハ113は研磨ヘッド114に対し位置合わせされる。
次に、ステップS14に移行し、ウェハのCMP研磨が行われる。つまり、空気圧調整機構によりメンブレンが駆動され、研磨ヘッド114にウェハ113が吸着される。その後、ヘッドユニット130が回転し、ウェハ113をプラテン110の上に移動する(図6参照)。次いで、研磨ヘッド114が回転するとともに、スラリ供給アーム131の先端(スラリ供給ノズル)から研磨パッド上にスラリが供給される。また、空気圧調整機構により研磨ヘッド114内のメンブレンが駆動されて下側に膨らみ、ウェハ113が研磨パッドに押し当てられる。このようにして、ウェハ113が研磨パッドに押し当てられた状態でプラテン110が回転し、ウェハ113と研磨パッドとの間にスラリが供給されてウェハ113の表面が機械的及び化学的に研磨される。
ウェハ113の研磨が終了すると、空気圧調整機構によりメンブレンが駆動され、ウェハ113が研磨ヘッド114に吸着される。そして、ヘッドユニット130の回転により、ウェハ113はロードカップ120の上まで戻される。
その後、ステップS15に移行し、空気圧調整機構によりメンブレンが駆動され、研磨ヘッド114からウェハ113が離脱する。このとき、ペデスタル121の内部空間が切換えバルブの切換えにより真空ポンプに接続されて、ウェハ113がペデスタル121(ペデスタルパッド125)上に吸着される。次いで、ステップS16に移行し、搬送ロボットにより、ウェハ113はペデスタル121(ペデスタルパッド125)上から例えば研磨装置に併設された洗浄装置に搬出(アンロード)される。
本実施形態においては、ペデスタルパッド125が、プラスチックの一種であるポリウレタンのシートにより形成されており、表面(ウェハとの接触面)が平滑であって、水を保持する微細な孔等の空隙を有していない。また、ペデスタルパッド125には放射状に溝125bが設けられている。このため、ペデスタルパッド125上にスラリ成分を含む水が落下しても、研磨ヘッド114を純水で洗浄するとき(ステップS11)に、ペデスタルパッド125上のスラリ成分は純水とともにペデスタルパッド125上から容易に除去される。従って、ペデスタルパッド125の上(ウェハと接触する部分)にスラリ成分が残留することがなく、その結果ウェハ表面の金属膜の酸化及び腐食等の発生が抑制される。これにより、従来に比べて信頼性が高く高品質の半導体装置の製造が可能となる。
なお、本実施形態のペデスタルパッド125では、従来のペデスタルパッドと異なりポリウレタンの垂直発泡体からなる層を有していないため、ウェハ表面に傷がつきやすいことが考えられる。しかし、本願発明者等の実験により、ウェハに接触する部分が平滑なポリウレタンシートをペデスタルパッドとして使用しても、ウェハに傷がつきにくいことが判明している。
次に、本実施形態の研磨装置によりウェハ(半導体ウェハ)表面の銅膜をCMP研磨し、表面の欠陥数を調べた結果について説明する。
研磨試料として、直径が8インチのウェハを多数用意し、これらのウェハの表面に銅膜を形成した。そして、実験例として、上述した実施形態の研磨装置によりウェハを連続的に研磨し、1枚目のウェハの表面の欠陥数(銅の酸化又は腐食)と25枚目のウェハの表面の欠陥数とを測定した。但し、研磨時にはスラリの替わりに過酸化水素水を使用し、タッチポリッシュ(低圧力による軽い研磨)を行った。過酸化水素水は、銅研磨用スラリの一成分として使用されている。また、欠陥数の測定には、KLA−Tencor社の欠陥検査装置(AIT−XP)を用いた。
図14(a)は、実験例において用いたペデスタルパッド125の模式断面図である。この図14(a)に示すように、実験例において用いたペデスタルパッドはポリウレタン樹脂のシートにより形成され、組織が緻密であり、表面(ウェハとの接触面)が平滑であって、水を保持する微細な孔等の空隙を有していない。
一方、比較例として、ポリウレタンの垂直発泡体の層とポリウレタン繊維の不織布にポリウレタン樹脂を含浸した層との2層構造を有するペデスタルパッドを用いた従来の研磨装置により、実験例と同様の条件でウェハ(表面に銅膜が形成されたウェハ)を連続的に研磨し、1枚目のウェハの表面の欠陥数と25枚目のウェハの表面の欠陥数とを測定した。
図14(b)は、比較例において用いた従来のペデスタルパッド127の模式断面図である。この図14(b)に示すように、従来のペデスタルパッド127は、下層がポリウレタン繊維の不織布にポリウレタン樹脂を含浸させた層127a、上層がポリウレタンの垂直発泡体の層127bの2層構造となっており、表面には蜂の巣状の微細な孔を有している。ウェハを連続的に研磨すると、ペデスタル上に落下した水がこれらの孔内に保持される。
図15(a)は実験例の研磨装置により研磨したウェハの欠陥数を測定した結果を示す図、図15(b)は比較例の研磨装置により研磨したウェハの欠陥数を測定した結果を示す図である。図15(b)からわかるように、比較例の研磨装置では、1枚目のウェハの欠陥数は少ないものの、25枚目のウェハには約5800個の欠陥が検出された。これに対し、実験例の研磨装置では、図15(a)からわかるように、1枚目のウェハの欠陥数は18個、25枚目のウェハの欠陥数は24個であり、ウェハを連続的に研磨しても、欠陥の発生が極めて少ないことが確認された。
以下、本実施形態の研磨装置を使用した銅配線の形成方法(デュアルダマシン法)について、図16,図17の断面図を参照して説明する。ここでは、第1層目の配線(銅配線)が形成された半導体基板の上に第2層目の配線(銅配線)を形成する場合について説明するが、第1層目の配線及び第3層目の配線も、同様の工程により形成される。
まず、図16(a)に示すように、不純物拡散層151、第1の層間絶縁膜152、第1のバリア層153及び第1層目の配線(銅配線)154が形成された半導体基板(シリコンウェハ)150の上に、例えばCVD法により酸化シリコンからなる第2の層間絶縁膜155を形成する。ここで、不純物拡散層151は、例えばトランジスタのソース/ドレインとなる領域である。また、第1層目の配線154は、コンタクトホール152aを介して不純物拡散層151に電気的に接続しているものとする。バリア層153は、層間絶縁膜152中に銅が拡散することを防止するために設けられている。
次に、図16(b)に示すように、フォトリソグラフィ法により、第2の層間絶縁膜155の上面から第1層目の配線154に到達するコンタクトホール155aを所望の位置に形成する。その後、図16(c)に示すように、フォトリソグラフィ法により、所望の配線パターンで溝155bを形成する。この溝155bの深さは、例えば層間絶縁膜155の厚さの1/2程度とする。
次に、図17(a)に示すように、スパッタ法により、半導体基板150の上側全面にバリア層156を形成する。このバリア層156により、第2の層間絶縁膜155の上側だけではなく、溝155bの壁面及び底面、並びにコンタクトホール155aの壁面及び底面が覆われる。
次に、図17(b)に示すように、スパッタ法、めっき法又はCVD法等により、半導体基板150の上側全面に銅膜157を形成し、コンタクトホール155a及び溝155b内に銅を埋め込む。
次いで、本実施形態の研磨装置を使用してCMP研磨を行い、図17(c)に示すように、第2の層間絶縁膜155上の銅及びバリア層156を除去し、溝155b及びコンタクトホール155a内にのみ銅を残存させる。
CMP研磨時には研磨剤(研磨粒子)と化学的研磨成分とを含むスラリを使用する。例えば、研磨剤と配線材料(銅)を溶出する成分(例えばクエン酸又はシュウ酸等の有機酸)とを含有するスラリや、研磨剤と配線材料を酸化する成分(例えば過酸化水素水)とを含有するスラリを使用する。また、例えば配線材料(銅)をイオン化して溶出させるスラリ(pHが4〜5程度の弱酸性のスラリ)を使用する。
このようにして、本実施形態の研磨装置を使用したダマシン法により、第2の配線158と配線接続部159とが同時に形成される。上述の方法により、銅配線を有する半導体装置を歩留りよく製造することができる。
本実施形態においては、図9に示すように表面に放射状の溝125bが設けられたペデスタルパッド125を使用したが、図18(a)の平面図に示すように、溝が設けられていないペデスタルパッド145を使用してもよい。但し、この場合も、図18(b)に図18(a)のI−I線における断面を示すように、少なくともウェハ(試料)に接触する面が平滑であり、水(液体)を保持する微細な孔等の空間を有していないことが必要である。また、ペデスタルパッドからウェハを離脱させるときの動作をスムーズにすること、及び水を効率よく排出することを考慮すれば、図9に示すペデスタルパッド125のように溝を設けることが好ましい。
なお、上記の例では本実施形態の研磨装置により銅配線を形成する場合について説明したが、本実施形態の研磨装置は半導体ウェハの研磨、半導体ウェハ上に形成された銅、タングステン、チタン、アルミニウム、タンタル、銀、金、白金及びルテニウム等の金属膜の研磨、多結晶シリコン及びアモルファスシリコン等の半導体膜の研磨、並びにSi、SiO、SiO2 、SiOC、SiC、SiON、SiN及びBPSG等の絶縁膜の研磨に使用することができる。
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施形態について説明する。第2の実施形態が第1の実施形態と異なる点は、ペデスタル上に配置されるペデスタルパッドが異なることにあり、その他の基本的な構造は第1の実施形態と同じであるので、ここでは重複する部分の説明は省略する。
図19(a)は、本発明の第2の実施形態の研磨装置において使用するペデスタルパッド210を示す平面図、図19(b)は同じくそのペデスタルパッド210の穴210aの近傍を拡大して示す平面図である。
本実施形態においても、ペデスタルパッド210はポリウレタンのシートにより形成され、少なくともウェハとの接触面が液体に対し非吸収性である。すなわち、ペデスタルパッド210の表面(ウェハとの接触面)は平滑であって、水(液体)を保持する微細な孔等の空隙を有していない。また、本実施形態においても、ペデスタルパッド210には放射状に溝210bが形成されている。
第1の実施形態のペデスタルパッド(図9参照)では、溝125bと穴125aとが接続されている。このため、図20に模式的に示すように、研磨ヘッド114からウェハ113を離脱(デチャック)するときに、溝125bを介してペデスタル121のノズルにエアーが流入し、ウェハ113がペデスタルパッド125上に十分に吸着されないという問題(デチャックエラー)が発生することがある。
そこで、第2の実施形態では、穴210aと溝210bとの間に、図19(a),(b)に示すように、クリアランス(隙間)を設けている。これにより、デチャック時に溝210bを介してペデスタルのノズルにエアーが流入することがなくなり、デチャックエラーを防止できる。
本実施形態においても、ペデスタルパッド210の表面(ウェハとの接触面)は平滑であり、水(液体)を保持する微細な孔等の空間を有していないため、第1の実施形態と同様に、研磨終了からアンロードのまでの間にウェハ(試料)の表面に酸化や腐食等の不具合が発生することを抑制できる。
(第3の実施形態)
以下、本発明の第3の実施形態について説明する。第3の実施形態が第1の実施形態と異なる点は、ペデスタル上に配置されるペデスタルパッドが異なることにあり、その他の基本的な構造は第1の実施形態と同じであるので、ここでは重複する部分の説明は省略する。
図21(a),(b)は、いずれも本発明の第3の実施形態の研磨装置において使用するペデスタルパッド221,222を示す平面図である。本実施形態においても、ペデスタルパッド221,222はポリウレタンのシートにより形成され、表面(ウェハとの接触面)は液体に対し非吸収性である。すなわち、ペデスタルパッド221,222の表面(ウェハとの接触面)は平滑であって、水(液体)を保持する微細な孔等の空隙を有していない。また、本実施形態においても、ペデスタルパッド221,222には、ペデスタルのノズルに対応する穴221a,222aと、水を排出するための溝221b,222bとが設けられている。
ペデスタルパッドの溝は、例えばNC(Numerical Control )ルータ装置により形成する。この場合、前述の第2の実施形態のペデスタルパッド(図19(a),(b)参照)では、溝210bと穴210aとの間にクリアランスを設けるので、NCルータ装置の制御プログラムが複雑になり、製品コストが上昇するという問題がある。
また、別の問題もある。つまり、NCルータ装置で使用する一般的な横方向加工用のルータビットの先端形状は平らであり、第1の実施形態のペデスタルパッド(図9参照)では一般的なルータビットを用いてパッドの縁から溝を形成することができる。これに対し、第2の実施形態のペデスタルパッド(図19(a),(b)参照)では、穴から離れた位置から溝を形成する必要があるので、先端形状が平らな一般的なルータビットを使用することができない。従って、第2の実施形態のペデスタルパッドの溝の形成には、縦方向の切削も可能な特殊な先端形状のルータビットを用いることが必要となる。しかし、このようなルータビットを用いると溝の底面の平坦性が悪くなり、溝内の水をスムーズに排出することが困難になってしまう。溝を形成した後に溝の底面を平坦にする加工を施すことも考えられるが、その場合は製品コストが更に高くなってしまう。
そこで、第3の実施形態のペデスタルパッド221,222では、図21(a),(b)に示すように、穴221a,222aの部分を避けて溝221b,222bを形成している。これにより、デチャックエラーを回避でき、且つ製造コストの上昇を回避することができる。
実際に本実施形態のペデスタルパッドを製造し、第1の実施形態と同様にCMP研磨後の銅の欠陥の発生数を調べた。その結果、欠陥の発生数は第1の実施形態と殆ど同じであった。
(第4の実施形態)
図22(a),(b)は、いずれも本発明の第4の実施形態に係る研磨装置のペデスタルパッド231,232を示す平面図である。
前述したように、CMP研磨終了後からアンロードまでの間に発生する金属の酸化及び腐食等の不具合を防止するためには、ペデスタルパッドの表面(ウェハとの接触面)が水(液体)に対して非吸収性であること、すなわちペデスタルパッドの表面(ウェハとの接触面)が平坦であり、水(液体)を保持する微細な孔等の空間を有していないことが必要である。これに加えて、本実施形態では、ペデスタルパッドとウェハとの接触面積を小さくすることにより、金属の酸化及び腐食等の不具合の発生をより確実に防止する。
図22(a)に示すペデスタルパッド231は十字形に形成されており、ウェハとの接触面積を小さくしている。また、図22(b)に示すペデスタルパッド232は円形であるが、表面に格子状に溝232bを形成してウェハとの接触面積を小さくしている。なお、これらのペデスタルパッド231,232においても、ペデスタルのノズルに対応する位置に穴231a,232aが設けられている。
本実施形態においては、ペデスタルパッドの表面(ウェハとの接触面)が平滑であり、水(液体)を保持する微細な孔等の空間を有しないことに加えて、ウェハとペデスタルパッドとの接触面積を第1の実施形態に比べて小さくしているので、研磨後の試料の表面に酸化や腐食が発生することをより確実に防止できる。
(第5の実施形態)
以下、本発明の第5の実施形態について説明する。第5の実施形態が第1の実施形態と異なる点は、ペデスタル上に配置されるペデスタルパッドが異なることにあり、その他の基本的な構造は第1の実施形態と同様であるので、ここでは重複する部分の説明は省略する。
図23は、本実施形態に係る研磨装置のペデスタルパッドを構成するパッド構成部材を示す平面図である。この図23に示すように、本実施形態のペデスタルパッドは、ペデスタルのノズルに対応した菱形及び円形(リング状)のパッド構成部材241a,241bと、長方形のパッド構成部材241cとにより構成され、図24に示すようにペデスタル121上に接合される。これらのパッド構成部材241a〜241cは、例えばポリウレタンシート(又はその他の樹脂シート)を型抜きすることにより形成され、表面は平滑であり、水(液体)を保持する微細な孔等の空間を有していない(すなわち、液体に対し非吸収性である)ことが必要である。また、デチャックエラーを防止するために、ペデスタル121のノズルを囲むパッド構成部材241a,241bを含んでいることも必要である。
本実施形態においても、ペデスタルパッドの表面が平滑であり、水(液体)を保持する微細な孔等の空間がないことに加えて、ウェハとペデスタルパッドとの接触面積を第1の実施形態に比べて小さくしているので、研磨後の試料の表面に酸化や腐食が発生することをより確実に防止できる。
なお、上記実施形態では本発明をウェハ研磨用のCMP研磨装置に適用した場合について説明したが、本発明はウェハ以外の試料を研磨するCMP装置に適用できることは勿論である。また、本発明は、CMP装置以外の研磨装置(ロード/アンロード時に研磨試料が一時的にされる試料台を備えた研磨装置)に適用することもできる。
以下、本発明の諸態様を、付記としてまとめて記載する。
(付記1)研磨ステージと、
試料台と、
前記試料台上に配置され、少なくとも試料に接触する面が液体に対して非吸収性である試料台パッドと、
前記試料台パッドの上に載置された試料を前記研磨ステージに搬送し、前記研磨ステージで研磨された試料を前記試料台パッドの上に戻す研磨ヘッドと
を有することを特徴とする研磨装置。
(付記2)前記試料台パッドの前記試料に接触する面が平滑であって液体を保持する空隙を有しないことを特徴とする付記1に記載の研磨装置。
(付記3)前記試料台にはノズルが設けられ、前記試料台パッドには前記試料台のノズルに対応する位置に穴が設けられていることを特徴とする付記1に記載の研磨装置。
(付記4)前記試料台のノズルが、液体供給源及び真空装置に接続されることを特徴とする付記3に記載の研磨装置。
(付記5)樹脂により形成され、試料台の上に配置されて研磨前又は研磨後の試料が一時的に載置される研磨装置の試料台パッドにおいて、
少なくとも試料に接触する面が液体に対して非吸収性であることを特徴とする試料台パッド。
(付記6)前記試料に接触する面が平滑であって液体を保持する空隙を有しないことを特徴とする付記5に記載の試料台パッド。
(付記7)前記試料台に設けられたノズルに対応する位置に穴が形成されていることを特徴とする付記5に記載の試料台パッド。
(付記8)前記試料に接触する面側に、外縁まで延びる複数の溝が形成されていることを特徴とする付記5に記載の試料台パッド。
(付記9)複数の個別のパッド構成部材により構成され、それらのパッド構成部材が前記試料台の上に貼着されること特徴とする付記5に記載の試料台パッド。
(付記10)前記複数のパッド構成部材のうちの少なくとも一部が前記試料台に設けられたノズルを囲むリング状に形成されていることを特徴とする付記9に記載の試料台パッド。
(付記11)試料を試料台の上に載置する工程と、
研磨ヘッドにより前記試料台の上から研磨ステージまで前記試料を搬送する工程と、
前記研磨ステージで前記試料を研磨する工程と、
研磨後の前記試料を前記試料台の上に戻す工程とを有し、
前記試料台の上には、少なくとも試料に接触する面が液体に対して非吸収性である試料台パッドを配置することを特徴とする研磨方法。
(付記12)前記研磨ステージに、研磨剤を含むスラリを供給することを特徴とする付記11に記載の研磨方法。
(付記13)前記研磨ステージに、研磨剤及び化学的研磨成分を含むスラリを供給することを特徴とする付記11に記載の研磨方法。
(付記14)前記試料が、半導体ウェハであることを特徴とする付記11に記載の研磨方法。
(付記15)前記半導体ウェハの上に形成された金属膜を研磨することを特徴とする付記14に記載の研磨方法。
(付記16)前記スラリは、前記金属膜を構成する金属を溶出する成分を含むことを特徴とする付記15に記載の研磨方法。
(付記17)前記スラリは、前記金属の膜の表面を酸化する成分を含むことを特徴とする付記15に記載の研磨方法。
(付記18)前記金属膜を構成する金属をイオン化することによって溶出するスラリを使用することを特徴とする付記15に記載の研磨方法。
(付記19)前記半導体ウェハの上に形成された半導体膜を研磨することを特徴とする付記14に記載の研磨方法。
(付記20)前記半導体ウェハの上に形成された絶縁膜を研磨することを特徴とする付記14に記載の研磨方法。
図1は、半導体装置の製造に使用されるCMP装置の概要を示す模式図である。 図2は、従来のCMP装置を示す斜視図である。 図3は、同じくそのCMP装置のロードカップ及び研磨ヘッドを示す断面図である。 図4(a)はペデスタル(試料台)上にペデスタルパッド(試料台パッド)が配置された状態を示す側面図、図4(b)は従来のペデスタルパッドを示す平面図である。 図5(a)〜(e)は、CMP装置におけるウェハの移動とヘッドユニットの動きとを示す模式図である。 図6は、本発明の第1の実施形態の研磨装置(CMP装置)を示す上面図である。 図7は、研磨ヘッド、ヘッドユニット、スラリ供給アーム及びコンディショニングディスク駆動アームの動作を示す上面図である。 図8は、ペデスタル及びペデスタルパッドを示す断面図である。 図9は、第1の実施形態の研磨装置のペデスタルパッドを示す平面図である。 図10(a),(b)は、ペデスタルパッドの溝の断面形状の例を示す図である。 図11は、溝の断面形状を、上部の幅が狭く下部の幅が広くした例を示す図である。 図12は、ペデスタルパッドの溝の壁面及び底面に、撥水性又は疎水性の皮膜を付着させた例を示す断面図である。 図13は、第1の実施形態の研磨装置の動作を示すフローチャートである。 図14(a)は実験例のペデスタルパッドを示す断面図、図14(b)は比較例のペデスタルパッドを示す断面図である。 図15(a)は実験例による欠陥発生数を示す図、図15(b)は比較例による欠陥発生数を示す図である。 図16は、実施形態の研磨装置を使用した銅配線の形成方法(デュアルダマシン法)を示す断面図(その1)である。 図17は、実施形態の研磨装置を使用した銅配線の形成方法(デュアルダマシン法)を示す断面図(その2)である。 図18(a)は第1の実施形態のペデスタルパッドの変形例を示す平面図、図18(b)は同じくその断面図である。 図19(a)は本発明の第2の実施形態の研磨装置において使用するペデスタルパッドを示す平面図、図19(b)は同じくそのペデスタルパッドの穴の近傍を拡大して示す平面図である。 図20は、研磨ヘッドからウェハを離脱(デチャック)するときの状態を示す模式図である。 図21(a),(b)は、いずれも本発明の第3の実施形態の研磨装置において使用するペデスタルパッドを示す平面図である。 図22(a),(b)は、いずれも本発明の第4の実施形態に係る研磨装置のペデスタルパッドを示す平面図である。 図23は、第5の実施形態に係る研磨装置のペデスタルパッドを構成するパッド構成部材を示す平面図である。 図24は、第5の実施形態のペデスタルパッドをペデスタル上に接合した状態を示す平面図である。
符号の説明
2,102…ベース、
10,60a,60b,60c,110…プラテン、
11…研磨パッド
12…コンディショニングディスク、
13,63,113…ウェハ(試料)、
14,64a,64b,64c,64d,114…研磨ヘッド、
15…スラリ供給ノズル、
20,70,120…ロードカップ、
21,121…ペデスタル(試料台)、
25,125,127,145,210,221,222,231,232…ペデスタルパッド(試料台パッド)、
30,80,130…ヘッドユニット、
31,131…スラリ供給アーム、
32,132…コンディショニングディスク駆動アーム、
125a,210a,221a,222a,231a,232a…ペデスタルパッドの穴、
125b,210b,221b,222b,232b…ペデスタルパッドの溝、
150…半導体基板、
151…不純物拡散層、
152,155…層間絶縁膜、
153,156…バリア層、
154,158…配線、
157…銅膜、
241a,241b,241c…ペデスタルパッド構成部材。

Claims (3)

  1. 研磨ステージと、
    試料台と、
    前記試料台上に配置されている、試料台パッドと、
    前記試料台パッドの上に載置された試料を前記研磨ステージに搬送し、前記研磨ステージで化学的機械研磨された試料を前記試料台パッドの上に戻す研磨ヘッドと
    を有し、
    前記試料台は純水を噴射するノズルを備え、
    前記試料台パッドに前記ノズルに対応する位置に穴が形成されており、
    前記試料台パッドの前記試料に接触する面側に、外縁まで達する溝が形成されている
    ことを特徴とする化学的機械研磨装置。
  2. 樹脂により形成され、試料台の上に配置されて研磨前又は研磨後の試料が一時的に載置される化学的機械研磨装置用試料台パッドにおいて、
    前記試料に接触する面側に、外縁まで達する溝が形成されており、
    前記試料台に設けられた純水を噴射するノズルに対応する位置に穴が形成されていることを特徴とする試料台パッド。
  3. 複数の個別のパッド構成部材により構成され、それらのパッド構成部材が前記試料台の上に貼着されていることを特徴とする請求項に記載の試料台パッド。
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