JP2004071689A - 電子部品用のキャップ構造及びその製造方法、並びに電子装置 - Google Patents
電子部品用のキャップ構造及びその製造方法、並びに電子装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004071689A JP2004071689A JP2002225965A JP2002225965A JP2004071689A JP 2004071689 A JP2004071689 A JP 2004071689A JP 2002225965 A JP2002225965 A JP 2002225965A JP 2002225965 A JP2002225965 A JP 2002225965A JP 2004071689 A JP2004071689 A JP 2004071689A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- cap
- electronic component
- cap structure
- manufacturing
- metal film
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Semiconductor Lasers (AREA)
Abstract
【課題】半導体レーザ素子の小型化が可能な電子部品用のキャップ構造及びその製造方法、並びに電子装置を提供すること。
【解決手段】キャップ10と窓ガラス20の接合面のそれぞれの面に金からなる金属膜30を形成した後に、この両面を低温金属拡散接合法により加圧下で接合する。これにより、キャップ10の開口部4を塞ぐ窓ガラス20の接合を接着材を用いずに行えるため、接着材で接合する場合に比べてキャップ10の高さH2を低くできると共に、接着材のはみ出しがないので、開口部4の直径D2を小さく設計することができ、キャップサイズ自体の小型化が可能になる。
【選択図】 図1
【解決手段】キャップ10と窓ガラス20の接合面のそれぞれの面に金からなる金属膜30を形成した後に、この両面を低温金属拡散接合法により加圧下で接合する。これにより、キャップ10の開口部4を塞ぐ窓ガラス20の接合を接着材を用いずに行えるため、接着材で接合する場合に比べてキャップ10の高さH2を低くできると共に、接着材のはみ出しがないので、開口部4の直径D2を小さく設計することができ、キャップサイズ自体の小型化が可能になる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば半導体レーザ用キャップのサイズを小さくすることにより、素子の小型化が容易な電子部品用のキャップ構造及びその製造方法、並びに電子装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図6は従来の半導体レーザ用キャップ構造の一例を示す概略図である。半導体レーザ用キャップは、キャップ本体となるアイレット(以下、キャップと称する。)1と、レーザを透過させる窓ガラス2、及びキャップ1と窓ガラス2を気密封着する低融点ガラス3により構成されている。
【0003】
この半導体レーザ素子11は、円板状の金属製のステム5と一体化したヒートシンク6に、レーザチップ7等がマウントされ、ステム5を貫通する複数の端子8がステム5に配設されている。これらは窒素雰囲気中において、レーザチップ7及び不図示のレーザダイオードが端子8に不図示のワイヤにより電気的に接続された後に、上部の開口部4を窓ガラス2によって塞がれたキャップ1が被せられ、キャップ1の下部のフランジ9がステム5に熔接にて接合され、レーザチップ7等は窒素雰囲気内に配置されているため、外気に触れることなく、耐湿性、熱放散性を有している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記したように、開口部4におけるキャップ1の内面と窓ガラス2とは低融点ガラス3によって接着されるが、低融点ガラスは溶融時に溶け方にばらつきを伴うと共に、はみ出し3aが生じるため、図6に示すように、開口部4の有効径を狭めてしまうので、予め、ばらつきやはみ出しを見込み、これらを吸収し得る許容寸法に設計しなければならない。
【0005】
半導体レーザ素子として要求されている項目の一つに小型化が挙げられるが、図6に示すように、熱放散性等のために、必要なキャップ内の実質的容積の確保のために、キャップ内の高さh3が必要であり、このため、最低限必要な高さを除いて小型化を計ろうとする場合、キャップ1、窓ガラス2及び低融点ガラス3それぞれの厚みの変更が考えられるが、キャップ1及び窓ガラス2は強度的な問題があり、単純に薄型化するのは困難である。
【0006】
また、気密封着材として考えた場合、低融点ガラス3の代りに硬化性樹脂や接着材が考えられるが、気密性やガス発生の観点から使用は容易でないということもあり、低融点ガラス3を使用せざるを得ない状況である。
【0007】
なお、半導体レーザ素子のキャップ構造について、特開平07−170024号公報においては、半導体素子の外気からの保護のためにキャップ内に流体材料を充填し、開口部のキャップ上面に窓ガラスを配する構造であり、窓ガラスは紫外線硬化樹脂等の接着材により接着されている。
【0008】
また、特開2001−332804号公報においては、窓ガラスはキャップ上面の開口部の内面に配する構造であるが、溶着剤により固着されており、開口部縁位置の窓ガラスに円環状の溝を設け、開口領域内への溶着材の流出を防止を目的とするものである。
【0009】
また、特開平03−174789号公報においては、ファラデー回転子及び検光子からなる二重構造の窓材がキャップ体の上縁に接着材により接着され、その外周縁にマグネットを配し、発信光の雑音成分を持つ光を遮断する目的のものである。
【0010】
また、特開平05−313048号公報においては、キャップの開口部上に球レンズがホルダーを介して密着され、これに光ファイバーが光学的に結合され、半導体パッケージ、レンズ及び光ファイバーを直接一体化する目的の構造である。
【0011】
このように、いずれも構成や目的が本発明とは異なると共に、窓ガラスの接着方法が従来と同様に接着材又は低融点ガラスを用いるものであり、副次的に小型化が可能であるが、本発明における改善方法を意図したものではない。
【0012】
そこで本発明者は、上記の事情に鑑み鋭意検討の結果、窓ガラスの接合方法に着目して本発明に到達したものであり、本発明は、半導体装置の小型化が容易な電子部品用のキャップ構造及びその製造方法、並びに電子装置の提供を目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、電子部品を収容するキャップ本体に開口部を有し、この開口部が光透過性部材によって塞がれている電子部品用のキャップ構造において、
前記キャップ本体と前記光透過性部材とが拡散接合法によって接合されていることを特徴とする、電子部品用のキャップ構造(以下、本発明のキャップ構造と称する。)に係るものである。
【0014】
本発明のキャップ構造によれば、キャップ本体と光透過性部材とが拡散接合法によって接合されるので、キャップ本体の接合面と光透過性部材の接合面とが元素の相互拡散によって接合される。従って、接合面に接着材が介在しないため、接着材を使用する場合に比べて、接着材の厚さ相当分のサイズを小さくでき、かつ接着材のはみ出しがないことにより、開口部の有効径が実質的に保持されるため、開口寸法を小さく設計することができ、その結果、キャップサイズの小型化が可能なキャップ構造を提供することができる。
【0015】
また、本発明は、電子部品を収容するキャップ本体に開口部を有し、この開口部が光透過性部材によって塞がれている電子部品用のキャップ構造を製造するに際し、
前記キャップ本体と前記光透過性部材とを拡散接合法によって接合することを特徴とする、電子部品用のキャップ構造の製造方法(以下、本発明の製造方法と称する。)に係るものである。
【0016】
本発明の製造方法によれば、キャップ本体と光透過性部材とを拡散接合法によって接合するので、キャップ本体と光透過性部材の接合面を元素の相互拡散によって接合することができる。従って、接合に接着材を使用しないので、本発明のキャップ構造と同様に、接合に接着材を使用する場合に比べて、接着材の厚さ相当分のサイズを小さくでき、接着材のはみ出しがないため、開口部の有効径を実質的に保持させることにより開口寸法を小さく設計でき、キャップサイズの小型化が可能な再現性の良い製造方法が提供できる。
【0017】
また、本発明は、上記した本発明のキャップ構造と、このキャップ構造内に収容された電子部品とによって構成される電子装置(以下、本発明の電子装置と称する。)に係るものである。
【0018】
本発明の電子装置によれば、電子部品を収容するキャップのキャップ本体と光透過性部材とが拡散接合法によって接合されるので、上記した効果を奏するキャップ構造内に電子部品が収容されて電子装置が構成されることにより、サイズが小型化された電子装置を提供できる。
【0019】
なお、本発明において「拡散接合法」とは、金属元素等の元素の相互拡散によって接合界面を溶融することなしに接合する接合を指すが、接合する材質としては、同種金属同士、異種金属同士又は金属以外の材質による接合も含む概念である。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態を説明する。
【0021】
上記した本発明のキャップ構造、製造方法及び電子装置においては、前記キャップ部材と前記光透過性部材との少なくとも一方の面(即ち、この場合は光透過性部材側の面)に金属膜が被着され、この金属膜を介して前記キャップ部材と前記光透過性部材とが金属拡散接合法により接合されていることが望ましい。
【0022】
そして、前記キャップ本体と前記光透過性部材としてのガラス部材とが金属膜を介して、低温金属拡散接合法によって接合されていることが、キャップ本体とガラス部材との間の距離を極めて小さくでき、キャップサイズを小型化し易い点で望ましい。
【0023】
この場合、前記金属膜が金からなっていることが、ガラス部材の融点以下の温度で拡散接合が可能である点から好ましく、但し、この場合の金属膜の厚さが0.1μm以上であることが望ましい。
【0024】
更に、前記光透過性部材が前記キャップ本体の内面に接合されていることが、光透過性部材としてのガラス部材の破損防止の点で望ましい。
【0025】
この場合、金属膜を金で形成することにより、前記拡散接合法における接合温度を200〜250℃とすることができ、この接合を加圧下で行うことが、接合を助ける点で望ましい。
【0026】
また、前記金属膜は、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、イオンビーム法、電解めっき法又は無電解めっき法によって成膜してよい。
【0027】
そして、前記キャップ構造及び前記電子部品が支持体に固定され、前記電子部品と対向して前記光透過性部材が配置されていることが、相互の位置関係が安定し、目的方向へ光が透過し易い点で望ましい。
【0028】
これにより、前記キャップ構造内に電子部品が収容され、小型化が可能な半導体レーザ素子を形成することができる。
【0029】
次に、上記した本発明の好ましい実施の形態を図面参照下で具体的に説明する。
【0030】
図1は、本実施の形態による半導体レーザ素子のキャップ構造を示す概略断面図である。
【0031】
この半導体レーザ素子15も図6に示した従来例と同様に、円板状の金属製のステム5と一体化したヒートシンク6に、レーザチップ7等がマウントされ、ステム5を貫通する複数の端子8がステム5に配設されている。
【0032】
そして、これらは、窒素雰囲気中において、レーザチップ7及び不図示のレーザダイオードが、端子8に不図示のワイヤにより電気的に接続された後に、上部の開口部4を窓ガラス20によって塞がれたキャップ10が被せられ、キャップ10の下部のフランジ9がステム5に熔接にて接合され、キャップ10内に配されたレーザチップ7等は窒素雰囲気内に配設されているため、外気に触れることなく、耐湿性、熱放散性を有している。
【0033】
ここで重要なことは、図1に示すように、開口部4を塞ぐ窓ガラス20とキャップ10との接合が、従来の低融点ガラスを用いた接合でなく、金からなる金属膜30を介在させた低温金属拡散接合により接合されていることである。これにより、キャップ10内の必要な容積確保のための内部の高さh4は、図6に示した従来とほぼ同寸法に保ちつつ、外部の高さH2を従来よりも低く形成することができる。
【0034】
図2及び図3は、本実施の形態におけるキャップ10の分解斜視図を示し、図2はキャップ10の本体の一部分を破断した図であり、図3は組立て方を示す図である。
【0035】
このキャップ10の材質としては、Fe−Ni−Co系合金材又は50%Ni−Fe合金材が用いられ、窓ガラス20としては、軟質ガラスが用いられる。
【0036】
そして図2に示すように、キャップ10の開口部4の接合面と窓ガラス20の接合面に金を用いて金属膜30を形成後に、図3のように組立て、金を成膜したキャップ10と窓ガラス20とを低温金属拡散接合法に代表される金属接合技術を用い、加圧下で一体化する。
【0037】
この場合、金属膜30は窓ガラス20の側のみに設けてもよい。そして、金属膜30の材料としては、金以外に、低温金属拡散接合に用いられる従来より公知の金属がいずれも使用できる。また金属膜30の成膜方法としては、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーディング法、イオンビーム法、電解及び無電解めっき法等に代表される従来より公知の薄膜技術を用いることができる。
【0038】
本実施の形態で用いる低温金属拡散接合法における接合の原理は、金属の原子と原子との間のイオン交換作用により結合するものであり、同種の金属同士及び異種の金属同士の接合も可能である。実際には常温においてもこの作用は起こるが、反応を促進させるために、金の場合、比較的低温(200〜250℃程度)状態で、かつ一定の圧力(数g以上)を加えることでより顕著になる。従って、軟質ガラスからなる窓ガラス20の融点(600℃程度)以下で接合することができる。
【0039】
即ち、成膜金属としては金(Au)を用い、成膜厚さは0.1〜1μmが好ましい。また、成膜温度は装置によって違いはあるが、窓ガラス20の融点(600℃程度)以下であることが必要である。
【0040】
このように、金を用いた金属膜30をキャップ10と窓ガラス20との接合面に形成し、低温金属拡散接合法によってキャップ10と窓ガラス20とを接合することにより、低融点ガラスで接合する場合の低融点ガラスの厚さと比較して、金属膜30の厚さは極めて薄くできるので、キャップ10の高さH2を抑えられ、キャップの小型化が可能になる。
【0041】
具体的には、図6におけるキャップサイズD1=3.55mm及びH1=2.3mm程度に対して、本実施の形態を示す図1のキャップサイズは、D2=2.8mm、H2=1.9mm程度とすることができ、いずれも10%〜20%小型化することができる。
【0042】
しかも、低温金属拡散接合法に用いた金属膜30は、低融点ガラスと異なりガラスのはみ出しがないので、キャップ10の開口部4の穴の直径と有効直径をほぼ同じにできるため、キャップの直径を小さくすることが可能となり、キャップの小型化がし易い。
【0043】
また、低融点ガラスは、溶融時に溶け方のばらつきに伴い、高さもばらつくので、そのばらつきを吸収し得る許容寸法にて設計しなければならないが、本実施の形態では金属膜の厚みがほぼ一定となるため、許容寸法を従来より小さく設計することができ、高精度に高さが保証されたキャップの提供が可能となる。
【0044】
更に、低融点ガラスには、一般的に鉛化合物が用いられているが、本実施の形態では低融点ガラスを使用しないために鉛レス化ができ、環境に配慮した製品の提供が可能となる。
【0045】
上記したように、本実施の形態によれば、開口部4におけるキャップ10と窓ガラス20との接合が、金からなる金属膜30を双方の接合面の少なくとも一方に形成後に、両者を低温金属拡散接合法により接合するので、低融点ガラスを用いる接合に比べて金属膜30は極めて薄く形成できるため、キャップ高さH2を小さくすることができると共に、低融点ガラスのようにはみ出しがないので、はみ出しを見込んだ許容寸法で設計する必要がなく、開口部4の有効径を小さく設計できるため、この点でもキャップ直径D2を小さくでき、キャップサイズを小型化することができる。
【0046】
図4及び図5に本実施の形態のキャップ構造の変形例を示す。
【0047】
図4のキャップ構造は、窓ガラス20をキャップ10Aの開口部4の上部外側に配置したものであり、これ以外は図1とほぼ同様な構成である。そして、キャップ10Aと窓ガラス20との接合も、これらの接合面に金を用いた金属膜30を形成し、低温金属拡散接合法によって接合される。
【0048】
これにより、窓ガラス20を含むキャップ高さH4は、窓ガラス20をキャップ内面に配した図1におけるキャップ高さH1と同様であり、実際のキャップ高さH3は窓ガラス20の厚さ相当分だけ図1のH1よりも低いが、キャップ内の有効高さh5は図1と同様であるため、キャップ内の必要容積は確保されている。
【0049】
また、図5のキャップ構造は、窓ガラス22をキャップ10Bの開口部14に嵌め込んだ構造であり、これ以外は図1とほぼ同様な構成である。そして、キャップ10Bと窓ガラス22との接合も、これらの接合面に金を用いた金属膜30を形成し、低温金属拡散接合法により接合される。
【0050】
従って、窓ガラス22が開口部14に嵌め込まれる構造であるため、接合面の面積を確保するために、開口部14面のキャップ10Bの肉厚t2が側壁部の肉厚t1よりも厚く形成されている。
【0051】
しかし、この場合は、窓ガラス22を開口部14のキャップ内面又は外面に設ける場合に比べて、キャップの高さH2’を図1及び図4の高さよりも低く形成することができるものの、キャップ内部の高さh6は図1及び図4と同様に、キャップ内の容積を確保できる高さになっている。
【0052】
そして、上記した変形例についても、金属膜30の成膜方法、成膜条件及び成膜材料等も図1の場合と同様であり、このキャップ構造により、図1と同様の効果を奏することができる。
【0053】
上記した実施の形態は、本発明の技術的思想に基づいて種々変形が可能である。
【0054】
例えば、実施の形態は、キャップ10及び窓ガラス20のそれぞれの接合面に金からなる金属膜30を設けたが、この金属膜30は窓ガラス20側のみに設けてもよい。そして、成膜材料は金以外の金属でもよく、金属膜と同等に機能し得るものであれば、金属以外の材料を金属膜の代りに使用することも可能である。更に接合は、金と金以外の金属との接合又は金以外の金属同士の接合でもよい。
【0055】
また、キャップ10側は金属膜30の代りに、窓ガラス20との接合領域をキャップの材質以外の金属(例えば金)で形成しておくか、或いはキャップ10全体をその金属で形成してもよい。
【0056】
また、実施の形態では開口部4をキャップ10の上面に設けたが、開口部4はキャップ10の側面に設け、ミラー等の光学的反射手段によってレーザ光を側方へ導いてもよい。
【0057】
また、レーザチップからの出射光をビームスプリッタ等の如き偏光分離手段により分離して出射してもよく、窓ガラス自体を偏光分離手段として偏光可能に構成し、必要な光のみを出射するようにすることもできる。
【0058】
また、実施の形態は、発光素子である半導体レーザ素子への適用例であるが、レーザ素子以外の各種の電子部品及び外光を受光して検出する受光素子の構成に適用することもできる。
【0059】
また、上記した実施の形態におけるキャップの構造、材料、寸法、形状等も実施の形態に限らず適宜であってよい。
【0060】
【発明の作用効果】
上述した如く、本発明の電子部品のキャップ構造、その製造方法及び電子装置によれば、キャップ本体と光透過性部材とが拡散接合法によって接合されるので、キャップ本体の接合面と光透過性部材の接合面とが元素の相互拡散によって接合される。従って、接合面に接着材が介在しないため、接着材を使用する場合に比べて、接着材の厚さ相当分のサイズを小さくでき、かつ接着材のはみ出しがないことにより、開口部の有効径が実質的に保持されるため、開口寸法を小さく設計することができ、その結果、キャップサイズの小型化が可能となり、サイズが小型化された電子装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態による半導体レーザ素子のキャップ構造を示す概略断面図である。
【図2】同、実施の形態によるキャップを破断して示した分解斜視図である。
【図3】同、実施の形態によるキャップの組立て方を示す分解斜視図である。
【図4】同、実施の形態によるキャップの変形例の一例を示す概略断面図である。
【図5】同、実施の形態によるキャップの他の変形例の一例を示す概略断面図である。
【図6】従来例による半導体レーザ素子のキャップ構造の一例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1、10、10A、10B…キャップ(アイレット)、
2、20、22…窓ガラス、3…低融点ガラス、3a…はみ出し、
4、14…開口部、5…ステム、6…ヒートシンク、7…レーザチップ、
8…端子、9…フランジ、11、15…半導体レーザ素子、30…金属膜、
D1、D2…直径、H1、H2、H2’、H3…キャップの高さ、
H4…キャップの実質高さ、h3、h4、h5、h6…キャップ内部の有効高さ、
t1、t2…厚さ
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば半導体レーザ用キャップのサイズを小さくすることにより、素子の小型化が容易な電子部品用のキャップ構造及びその製造方法、並びに電子装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図6は従来の半導体レーザ用キャップ構造の一例を示す概略図である。半導体レーザ用キャップは、キャップ本体となるアイレット(以下、キャップと称する。)1と、レーザを透過させる窓ガラス2、及びキャップ1と窓ガラス2を気密封着する低融点ガラス3により構成されている。
【0003】
この半導体レーザ素子11は、円板状の金属製のステム5と一体化したヒートシンク6に、レーザチップ7等がマウントされ、ステム5を貫通する複数の端子8がステム5に配設されている。これらは窒素雰囲気中において、レーザチップ7及び不図示のレーザダイオードが端子8に不図示のワイヤにより電気的に接続された後に、上部の開口部4を窓ガラス2によって塞がれたキャップ1が被せられ、キャップ1の下部のフランジ9がステム5に熔接にて接合され、レーザチップ7等は窒素雰囲気内に配置されているため、外気に触れることなく、耐湿性、熱放散性を有している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記したように、開口部4におけるキャップ1の内面と窓ガラス2とは低融点ガラス3によって接着されるが、低融点ガラスは溶融時に溶け方にばらつきを伴うと共に、はみ出し3aが生じるため、図6に示すように、開口部4の有効径を狭めてしまうので、予め、ばらつきやはみ出しを見込み、これらを吸収し得る許容寸法に設計しなければならない。
【0005】
半導体レーザ素子として要求されている項目の一つに小型化が挙げられるが、図6に示すように、熱放散性等のために、必要なキャップ内の実質的容積の確保のために、キャップ内の高さh3が必要であり、このため、最低限必要な高さを除いて小型化を計ろうとする場合、キャップ1、窓ガラス2及び低融点ガラス3それぞれの厚みの変更が考えられるが、キャップ1及び窓ガラス2は強度的な問題があり、単純に薄型化するのは困難である。
【0006】
また、気密封着材として考えた場合、低融点ガラス3の代りに硬化性樹脂や接着材が考えられるが、気密性やガス発生の観点から使用は容易でないということもあり、低融点ガラス3を使用せざるを得ない状況である。
【0007】
なお、半導体レーザ素子のキャップ構造について、特開平07−170024号公報においては、半導体素子の外気からの保護のためにキャップ内に流体材料を充填し、開口部のキャップ上面に窓ガラスを配する構造であり、窓ガラスは紫外線硬化樹脂等の接着材により接着されている。
【0008】
また、特開2001−332804号公報においては、窓ガラスはキャップ上面の開口部の内面に配する構造であるが、溶着剤により固着されており、開口部縁位置の窓ガラスに円環状の溝を設け、開口領域内への溶着材の流出を防止を目的とするものである。
【0009】
また、特開平03−174789号公報においては、ファラデー回転子及び検光子からなる二重構造の窓材がキャップ体の上縁に接着材により接着され、その外周縁にマグネットを配し、発信光の雑音成分を持つ光を遮断する目的のものである。
【0010】
また、特開平05−313048号公報においては、キャップの開口部上に球レンズがホルダーを介して密着され、これに光ファイバーが光学的に結合され、半導体パッケージ、レンズ及び光ファイバーを直接一体化する目的の構造である。
【0011】
このように、いずれも構成や目的が本発明とは異なると共に、窓ガラスの接着方法が従来と同様に接着材又は低融点ガラスを用いるものであり、副次的に小型化が可能であるが、本発明における改善方法を意図したものではない。
【0012】
そこで本発明者は、上記の事情に鑑み鋭意検討の結果、窓ガラスの接合方法に着目して本発明に到達したものであり、本発明は、半導体装置の小型化が容易な電子部品用のキャップ構造及びその製造方法、並びに電子装置の提供を目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、電子部品を収容するキャップ本体に開口部を有し、この開口部が光透過性部材によって塞がれている電子部品用のキャップ構造において、
前記キャップ本体と前記光透過性部材とが拡散接合法によって接合されていることを特徴とする、電子部品用のキャップ構造(以下、本発明のキャップ構造と称する。)に係るものである。
【0014】
本発明のキャップ構造によれば、キャップ本体と光透過性部材とが拡散接合法によって接合されるので、キャップ本体の接合面と光透過性部材の接合面とが元素の相互拡散によって接合される。従って、接合面に接着材が介在しないため、接着材を使用する場合に比べて、接着材の厚さ相当分のサイズを小さくでき、かつ接着材のはみ出しがないことにより、開口部の有効径が実質的に保持されるため、開口寸法を小さく設計することができ、その結果、キャップサイズの小型化が可能なキャップ構造を提供することができる。
【0015】
また、本発明は、電子部品を収容するキャップ本体に開口部を有し、この開口部が光透過性部材によって塞がれている電子部品用のキャップ構造を製造するに際し、
前記キャップ本体と前記光透過性部材とを拡散接合法によって接合することを特徴とする、電子部品用のキャップ構造の製造方法(以下、本発明の製造方法と称する。)に係るものである。
【0016】
本発明の製造方法によれば、キャップ本体と光透過性部材とを拡散接合法によって接合するので、キャップ本体と光透過性部材の接合面を元素の相互拡散によって接合することができる。従って、接合に接着材を使用しないので、本発明のキャップ構造と同様に、接合に接着材を使用する場合に比べて、接着材の厚さ相当分のサイズを小さくでき、接着材のはみ出しがないため、開口部の有効径を実質的に保持させることにより開口寸法を小さく設計でき、キャップサイズの小型化が可能な再現性の良い製造方法が提供できる。
【0017】
また、本発明は、上記した本発明のキャップ構造と、このキャップ構造内に収容された電子部品とによって構成される電子装置(以下、本発明の電子装置と称する。)に係るものである。
【0018】
本発明の電子装置によれば、電子部品を収容するキャップのキャップ本体と光透過性部材とが拡散接合法によって接合されるので、上記した効果を奏するキャップ構造内に電子部品が収容されて電子装置が構成されることにより、サイズが小型化された電子装置を提供できる。
【0019】
なお、本発明において「拡散接合法」とは、金属元素等の元素の相互拡散によって接合界面を溶融することなしに接合する接合を指すが、接合する材質としては、同種金属同士、異種金属同士又は金属以外の材質による接合も含む概念である。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好ましい実施の形態を説明する。
【0021】
上記した本発明のキャップ構造、製造方法及び電子装置においては、前記キャップ部材と前記光透過性部材との少なくとも一方の面(即ち、この場合は光透過性部材側の面)に金属膜が被着され、この金属膜を介して前記キャップ部材と前記光透過性部材とが金属拡散接合法により接合されていることが望ましい。
【0022】
そして、前記キャップ本体と前記光透過性部材としてのガラス部材とが金属膜を介して、低温金属拡散接合法によって接合されていることが、キャップ本体とガラス部材との間の距離を極めて小さくでき、キャップサイズを小型化し易い点で望ましい。
【0023】
この場合、前記金属膜が金からなっていることが、ガラス部材の融点以下の温度で拡散接合が可能である点から好ましく、但し、この場合の金属膜の厚さが0.1μm以上であることが望ましい。
【0024】
更に、前記光透過性部材が前記キャップ本体の内面に接合されていることが、光透過性部材としてのガラス部材の破損防止の点で望ましい。
【0025】
この場合、金属膜を金で形成することにより、前記拡散接合法における接合温度を200〜250℃とすることができ、この接合を加圧下で行うことが、接合を助ける点で望ましい。
【0026】
また、前記金属膜は、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、イオンビーム法、電解めっき法又は無電解めっき法によって成膜してよい。
【0027】
そして、前記キャップ構造及び前記電子部品が支持体に固定され、前記電子部品と対向して前記光透過性部材が配置されていることが、相互の位置関係が安定し、目的方向へ光が透過し易い点で望ましい。
【0028】
これにより、前記キャップ構造内に電子部品が収容され、小型化が可能な半導体レーザ素子を形成することができる。
【0029】
次に、上記した本発明の好ましい実施の形態を図面参照下で具体的に説明する。
【0030】
図1は、本実施の形態による半導体レーザ素子のキャップ構造を示す概略断面図である。
【0031】
この半導体レーザ素子15も図6に示した従来例と同様に、円板状の金属製のステム5と一体化したヒートシンク6に、レーザチップ7等がマウントされ、ステム5を貫通する複数の端子8がステム5に配設されている。
【0032】
そして、これらは、窒素雰囲気中において、レーザチップ7及び不図示のレーザダイオードが、端子8に不図示のワイヤにより電気的に接続された後に、上部の開口部4を窓ガラス20によって塞がれたキャップ10が被せられ、キャップ10の下部のフランジ9がステム5に熔接にて接合され、キャップ10内に配されたレーザチップ7等は窒素雰囲気内に配設されているため、外気に触れることなく、耐湿性、熱放散性を有している。
【0033】
ここで重要なことは、図1に示すように、開口部4を塞ぐ窓ガラス20とキャップ10との接合が、従来の低融点ガラスを用いた接合でなく、金からなる金属膜30を介在させた低温金属拡散接合により接合されていることである。これにより、キャップ10内の必要な容積確保のための内部の高さh4は、図6に示した従来とほぼ同寸法に保ちつつ、外部の高さH2を従来よりも低く形成することができる。
【0034】
図2及び図3は、本実施の形態におけるキャップ10の分解斜視図を示し、図2はキャップ10の本体の一部分を破断した図であり、図3は組立て方を示す図である。
【0035】
このキャップ10の材質としては、Fe−Ni−Co系合金材又は50%Ni−Fe合金材が用いられ、窓ガラス20としては、軟質ガラスが用いられる。
【0036】
そして図2に示すように、キャップ10の開口部4の接合面と窓ガラス20の接合面に金を用いて金属膜30を形成後に、図3のように組立て、金を成膜したキャップ10と窓ガラス20とを低温金属拡散接合法に代表される金属接合技術を用い、加圧下で一体化する。
【0037】
この場合、金属膜30は窓ガラス20の側のみに設けてもよい。そして、金属膜30の材料としては、金以外に、低温金属拡散接合に用いられる従来より公知の金属がいずれも使用できる。また金属膜30の成膜方法としては、スパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーディング法、イオンビーム法、電解及び無電解めっき法等に代表される従来より公知の薄膜技術を用いることができる。
【0038】
本実施の形態で用いる低温金属拡散接合法における接合の原理は、金属の原子と原子との間のイオン交換作用により結合するものであり、同種の金属同士及び異種の金属同士の接合も可能である。実際には常温においてもこの作用は起こるが、反応を促進させるために、金の場合、比較的低温(200〜250℃程度)状態で、かつ一定の圧力(数g以上)を加えることでより顕著になる。従って、軟質ガラスからなる窓ガラス20の融点(600℃程度)以下で接合することができる。
【0039】
即ち、成膜金属としては金(Au)を用い、成膜厚さは0.1〜1μmが好ましい。また、成膜温度は装置によって違いはあるが、窓ガラス20の融点(600℃程度)以下であることが必要である。
【0040】
このように、金を用いた金属膜30をキャップ10と窓ガラス20との接合面に形成し、低温金属拡散接合法によってキャップ10と窓ガラス20とを接合することにより、低融点ガラスで接合する場合の低融点ガラスの厚さと比較して、金属膜30の厚さは極めて薄くできるので、キャップ10の高さH2を抑えられ、キャップの小型化が可能になる。
【0041】
具体的には、図6におけるキャップサイズD1=3.55mm及びH1=2.3mm程度に対して、本実施の形態を示す図1のキャップサイズは、D2=2.8mm、H2=1.9mm程度とすることができ、いずれも10%〜20%小型化することができる。
【0042】
しかも、低温金属拡散接合法に用いた金属膜30は、低融点ガラスと異なりガラスのはみ出しがないので、キャップ10の開口部4の穴の直径と有効直径をほぼ同じにできるため、キャップの直径を小さくすることが可能となり、キャップの小型化がし易い。
【0043】
また、低融点ガラスは、溶融時に溶け方のばらつきに伴い、高さもばらつくので、そのばらつきを吸収し得る許容寸法にて設計しなければならないが、本実施の形態では金属膜の厚みがほぼ一定となるため、許容寸法を従来より小さく設計することができ、高精度に高さが保証されたキャップの提供が可能となる。
【0044】
更に、低融点ガラスには、一般的に鉛化合物が用いられているが、本実施の形態では低融点ガラスを使用しないために鉛レス化ができ、環境に配慮した製品の提供が可能となる。
【0045】
上記したように、本実施の形態によれば、開口部4におけるキャップ10と窓ガラス20との接合が、金からなる金属膜30を双方の接合面の少なくとも一方に形成後に、両者を低温金属拡散接合法により接合するので、低融点ガラスを用いる接合に比べて金属膜30は極めて薄く形成できるため、キャップ高さH2を小さくすることができると共に、低融点ガラスのようにはみ出しがないので、はみ出しを見込んだ許容寸法で設計する必要がなく、開口部4の有効径を小さく設計できるため、この点でもキャップ直径D2を小さくでき、キャップサイズを小型化することができる。
【0046】
図4及び図5に本実施の形態のキャップ構造の変形例を示す。
【0047】
図4のキャップ構造は、窓ガラス20をキャップ10Aの開口部4の上部外側に配置したものであり、これ以外は図1とほぼ同様な構成である。そして、キャップ10Aと窓ガラス20との接合も、これらの接合面に金を用いた金属膜30を形成し、低温金属拡散接合法によって接合される。
【0048】
これにより、窓ガラス20を含むキャップ高さH4は、窓ガラス20をキャップ内面に配した図1におけるキャップ高さH1と同様であり、実際のキャップ高さH3は窓ガラス20の厚さ相当分だけ図1のH1よりも低いが、キャップ内の有効高さh5は図1と同様であるため、キャップ内の必要容積は確保されている。
【0049】
また、図5のキャップ構造は、窓ガラス22をキャップ10Bの開口部14に嵌め込んだ構造であり、これ以外は図1とほぼ同様な構成である。そして、キャップ10Bと窓ガラス22との接合も、これらの接合面に金を用いた金属膜30を形成し、低温金属拡散接合法により接合される。
【0050】
従って、窓ガラス22が開口部14に嵌め込まれる構造であるため、接合面の面積を確保するために、開口部14面のキャップ10Bの肉厚t2が側壁部の肉厚t1よりも厚く形成されている。
【0051】
しかし、この場合は、窓ガラス22を開口部14のキャップ内面又は外面に設ける場合に比べて、キャップの高さH2’を図1及び図4の高さよりも低く形成することができるものの、キャップ内部の高さh6は図1及び図4と同様に、キャップ内の容積を確保できる高さになっている。
【0052】
そして、上記した変形例についても、金属膜30の成膜方法、成膜条件及び成膜材料等も図1の場合と同様であり、このキャップ構造により、図1と同様の効果を奏することができる。
【0053】
上記した実施の形態は、本発明の技術的思想に基づいて種々変形が可能である。
【0054】
例えば、実施の形態は、キャップ10及び窓ガラス20のそれぞれの接合面に金からなる金属膜30を設けたが、この金属膜30は窓ガラス20側のみに設けてもよい。そして、成膜材料は金以外の金属でもよく、金属膜と同等に機能し得るものであれば、金属以外の材料を金属膜の代りに使用することも可能である。更に接合は、金と金以外の金属との接合又は金以外の金属同士の接合でもよい。
【0055】
また、キャップ10側は金属膜30の代りに、窓ガラス20との接合領域をキャップの材質以外の金属(例えば金)で形成しておくか、或いはキャップ10全体をその金属で形成してもよい。
【0056】
また、実施の形態では開口部4をキャップ10の上面に設けたが、開口部4はキャップ10の側面に設け、ミラー等の光学的反射手段によってレーザ光を側方へ導いてもよい。
【0057】
また、レーザチップからの出射光をビームスプリッタ等の如き偏光分離手段により分離して出射してもよく、窓ガラス自体を偏光分離手段として偏光可能に構成し、必要な光のみを出射するようにすることもできる。
【0058】
また、実施の形態は、発光素子である半導体レーザ素子への適用例であるが、レーザ素子以外の各種の電子部品及び外光を受光して検出する受光素子の構成に適用することもできる。
【0059】
また、上記した実施の形態におけるキャップの構造、材料、寸法、形状等も実施の形態に限らず適宜であってよい。
【0060】
【発明の作用効果】
上述した如く、本発明の電子部品のキャップ構造、その製造方法及び電子装置によれば、キャップ本体と光透過性部材とが拡散接合法によって接合されるので、キャップ本体の接合面と光透過性部材の接合面とが元素の相互拡散によって接合される。従って、接合面に接着材が介在しないため、接着材を使用する場合に比べて、接着材の厚さ相当分のサイズを小さくでき、かつ接着材のはみ出しがないことにより、開口部の有効径が実質的に保持されるため、開口寸法を小さく設計することができ、その結果、キャップサイズの小型化が可能となり、サイズが小型化された電子装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態による半導体レーザ素子のキャップ構造を示す概略断面図である。
【図2】同、実施の形態によるキャップを破断して示した分解斜視図である。
【図3】同、実施の形態によるキャップの組立て方を示す分解斜視図である。
【図4】同、実施の形態によるキャップの変形例の一例を示す概略断面図である。
【図5】同、実施の形態によるキャップの他の変形例の一例を示す概略断面図である。
【図6】従来例による半導体レーザ素子のキャップ構造の一例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1、10、10A、10B…キャップ(アイレット)、
2、20、22…窓ガラス、3…低融点ガラス、3a…はみ出し、
4、14…開口部、5…ステム、6…ヒートシンク、7…レーザチップ、
8…端子、9…フランジ、11、15…半導体レーザ素子、30…金属膜、
D1、D2…直径、H1、H2、H2’、H3…キャップの高さ、
H4…キャップの実質高さ、h3、h4、h5、h6…キャップ内部の有効高さ、
t1、t2…厚さ
Claims (25)
- 電子部品を収容するキャップ本体に開口部を有し、この開口部が光透過性部材によって塞がれている電子部品用のキャップ構造において、
前記キャップ本体と前記光透過性部材とが拡散接合法によって接合されていることを特徴とする、電子部品用のキャップ構造。 - 前記キャップ部材と前記光透過性部材との少なくとも一方の面に金属膜が被着され、この金属膜を介して前記キャップ部材と前記光透過性部材とが金属拡散接合法により接合されている、請求項1に記載した電子部品用のキャップ構造。
- 前記キャップ本体と前記光透過性部材としてのガラス部材とが低温金属拡散接合法によって接合されている、請求項2に記載した電子部品用のキャップ構造。
- 前記金属膜が金からなっている、請求項2に記載した電子部品用のキャップ構造。
- 前記金属膜の厚さが0.1μm以上である、請求項2に記載した電子部品用のキャップ構造。
- 前記光透過性部材が前記キャップ本体の内面に接合されている、請求項1に記載した電子部品用のキャップ構造。
- 前記電子部品が半導体素子である、請求項1に記載した電子部品用のキャップ構造。
- 前記半導体素子が半導体レーザ素子である、請求項7に記載した電子部品用のキャップ構造。
- 電子部品を収容するキャップ本体に開口部を有し、この開口部が光透過性部材によって塞がれている電子部品用のキャップ構造を製造するに際し、
前記キャップ本体と前記光透過性部材とを拡散接合法によって接合することを特徴とする、電子部品用のキャップ構造の製造方法。 - 前記キャップ部材と前記光透過性部材との少なくとも一方の面に金属膜を被着し、この金属膜を介して前記キャップ部材と前記光透過性部材とを金属拡散接合法により接合する、請求項9に記載した電子部品用のキャップ構造の製造方法。
- 前記キャップ本体と前記光透過性部材としてのガラス部材とを低温金属拡散接合法によって接合する、請求項10に記載した電子部品用のキャップ構造の製造方法。
- 前記金属膜に金を用いる、請求項10に記載した電子部品用のキャップ構造の製造方法。
- 前記金属膜の厚さを0.1μm以上とする、請求項10に記載した電子部品用のキャップ構造の製造方法。
- 前記拡散接合法における接合温度を200〜250℃とする、請求項9に記載した電子部品用のキャップ構造の製造方法。
- 前記接合を加圧下で行う、請求項9に記載した電子部品用のキャップ構造の製造方法。
- 前記金属膜をスパッタリング法、真空蒸着法、イオンプレーティング法、イオンビーム法、電解めっき法又は無電解めっき法によって形成する、請求項10に記載した電子部品用のキャップ構造の製造方法。
- 前記光透過性部材を前記キャップ本体の内面に接合する、請求項9に記載した電子部品用のキャップ構造の製造方法。
- 前記電子部品が半導体素子である、請求項9に記載した電子部品用のキャップ構造の製造方法。
- 前記半導体素子としての半導体レーザ素子のキャップ構造を製造する、請求項18に記載した電子部品用のキャップ構造の製造方法。
- 請求項1に記載したキャップ構造と、このキャップ構造内に収容された電子部品とによって構成される電子装置。
- 請求項2〜8のいずれか1項に記載したキャップ構造と電子部品とを有する、請求項20に記載した電子装置。
- 前記キャップ構造及び前記電子部品が支持体に固定されている、請求項20に記載した電子装置。
- 前記電子部品と対向して前記光透過性部材が配置されている、請求項20に記載した電子装置。
- 前記電子部品が半導体素子である、請求項20に記載した電子装置。
- 前記半導体素子が半導体レーザ素子である、請求項24に記載した電子装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002225965A JP2004071689A (ja) | 2002-08-02 | 2002-08-02 | 電子部品用のキャップ構造及びその製造方法、並びに電子装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002225965A JP2004071689A (ja) | 2002-08-02 | 2002-08-02 | 電子部品用のキャップ構造及びその製造方法、並びに電子装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004071689A true JP2004071689A (ja) | 2004-03-04 |
Family
ID=32013457
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002225965A Pending JP2004071689A (ja) | 2002-08-02 | 2002-08-02 | 電子部品用のキャップ構造及びその製造方法、並びに電子装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004071689A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005017684A (ja) * | 2003-06-26 | 2005-01-20 | Nec Corp | 光モジュールおよびその製造方法 |
JPWO2009145141A1 (ja) * | 2008-05-26 | 2011-10-13 | シャープ株式会社 | 発光装置 |
CN105914577A (zh) * | 2016-06-28 | 2016-08-31 | 杭州华锦电子有限公司 | 激光多极管封装底座的刻蚀方法 |
CN105914578A (zh) * | 2016-06-28 | 2016-08-31 | 杭州华锦电子有限公司 | 激光多极管封装底座的制备方法 |
JP7534692B2 (ja) | 2018-12-14 | 2024-08-15 | 日亜化学工業株式会社 | 発光装置 |
-
2002
- 2002-08-02 JP JP2002225965A patent/JP2004071689A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005017684A (ja) * | 2003-06-26 | 2005-01-20 | Nec Corp | 光モジュールおよびその製造方法 |
JPWO2009145141A1 (ja) * | 2008-05-26 | 2011-10-13 | シャープ株式会社 | 発光装置 |
CN105914577A (zh) * | 2016-06-28 | 2016-08-31 | 杭州华锦电子有限公司 | 激光多极管封装底座的刻蚀方法 |
CN105914578A (zh) * | 2016-06-28 | 2016-08-31 | 杭州华锦电子有限公司 | 激光多极管封装底座的制备方法 |
JP7534692B2 (ja) | 2018-12-14 | 2024-08-15 | 日亜化学工業株式会社 | 発光装置 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
WO2017047358A1 (ja) | 発光モジュールおよび発光モジュールの製造方法 | |
JPH10293230A (ja) | 光ファイバ導入部の気密封止方法及び気密封止構造 | |
KR100780522B1 (ko) | 반도체 레이저 | |
JP2007086472A (ja) | 半導体レーザ用キャップ及び光モジュール | |
WO2003019263A1 (fr) | Module isolateur optique | |
JP2004071689A (ja) | 電子部品用のキャップ構造及びその製造方法、並びに電子装置 | |
JP2001358398A (ja) | 半導体レーザー素子ユニットおよび半導体レーザーモジュール | |
US10411167B2 (en) | Semiconductor light emitting apparatus, stem part | |
JP2002033519A (ja) | 光通信用パッケージ及びその窓部材並びにその製造方法 | |
JP7306831B2 (ja) | 半導体パッケージ用ステム、半導体パッケージ | |
JP2007048938A (ja) | 半導体レーザ | |
JPS60180183A (ja) | 光半導体素子気密パツケ−ジ | |
US6955483B2 (en) | Packages for housing optoelectronic assemblies and methods of manufacture thereof | |
JP2010263070A (ja) | 半導体レーザモジュール及びその製造方法 | |
JP2008041918A (ja) | 光学装置および光学モジュール | |
JP2970635B2 (ja) | 半導体レーザーモジュール及び金属フェルール | |
JP4262136B2 (ja) | 透明窓付き光アイソレータモジュール及び光素子モジュール | |
CN115280611A (zh) | 量子级联激光装置 | |
JP2022126893A (ja) | 光モジュール及びその製造方法 | |
JP2002116355A (ja) | 光半導体装置 | |
JP2001332804A (ja) | 半導体レーザ用キャップ、その製造方法及び半導体レーザ | |
JPH11248973A (ja) | 光モジュール | |
JP2019179067A (ja) | 光モジュール | |
JP4308049B2 (ja) | 半導体素子モジュール | |
JPH11295564A (ja) | 光アイソレータモジュールと光アイソレータ部品 |