JP2007048938A - 半導体レーザ - Google Patents

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Abstract

【課題】 半導体レーザ素子をキャップで気密封止をしながら、またはオープン構造でも半導体レーザ素子近傍を外力から保護しながら、半導体レーザ素子で発生する熱を効率よく放散させることができる構造の半導体レーザを提供する。
【解決手段】 平面形状がほぼ円形のベース11にそれぞれ絶縁体16を介して2本のリード13、15が固定され、そのベース11の一面側にヒートシンク12が設けられることによりステム1が形成されている。このヒートシンク12に、たとえばサブマウント3を介して半導体レーザ素子2が固着され、その半導体レーザ素子2を被覆するように、円筒状のキャップ5または保護容器がベース11上に被せられている。このキャップ5または保護容器とベース11とが共に主として銅を含む材料により形成され、両者が接合されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、CD、DVD(デジタル多用途ディスク;digital versatile disk)、DVD−ROM、データ書き込み可能なCD−R/RWなどのピックアップ用光源に用いるのにとくに適した半導体レーザに関する。さらに詳しくは、半導体レーザ素子をステムとキャップとにより気密に封止しながら半導体レーザ素子で発生する熱を速やかに放出し、半導体レーザ素子の信頼性を向上させることができる半導体レーザに関する。
従来のCD用のピックアップなどに用いられるステムタイプの半導体レーザは、図4に示されるような構造になっている(たとえば特許文献1参照)。すなわち、鉄などの金属材料を冷間鍛造法により成形して、ベース21の中心部の一部を盛り上げてヒートシンク部22を形成し、リード23、25をガラス26などにより固定したステム20が用いられ、このヒートシンク部22に半導体レーザ素子31がシリコン基板などからなるサブマウント34を介してマウントされ、一方の電極(チップ31の裏側)がサブマウント34の中継部38を介してワイヤ33によりリード23と電気的に接続され、他方の電極はワイヤ33を介してサブマウント34に接続され、その裏面を介してヒートシンク部22およびベース21を経てコモンリード24と電気的に接続されている。
なお、32はモニタ用の受光素子で、一方の電極はワイヤ33を介してリード25と、他方の電極はサブマウント34、ヒートシンク部22およびベース21を介してコモンリード24とそれぞれ電気的に接続されている。そしてその周囲にコバール(登録商標)などの鉄系材料からなるキャップ35が被せられることにより形成されている。キャップ35の頂部中央部には半導体レーザ素子31により発光する光が透過するように貫通孔35aが設けられ、ガラス板36が低融点ガラス37により封着されている。
一方、最近のDVD−ROMやデータ書き込み可能なCD−R/RWなどのピックアップ用光源では、非常に高出力化されており、発熱量も多くなってきており、効率的な熱放散を行わないと、半導体レーザ素子の寿命が低下するという問題が生じてきており、ステムに銅系材料または鉄−銅−鉄のクラッド材料を用いることにより熱放散を良くする工夫がなされている。このようなステムに銅のような熱伝導の優れた材料を用いる半導体レーザの構造は、たとえば図5に示されるような構造が提案されている(たとえば特許文献2参照)。すなわち、図5において、41がアイレットで、銅などからなり、42、43はそのアイレットと一体にそれぞれ形成された放熱部および防御部である。そして、アイレットにリード44〜46が設けられている。
特開2001−111152号公報(図7) 特開2004−349320号公報
前述のように、半導体レーザ素子で発生する熱を効率的に放散させるため、ステムに銅系の材料を用いたり、銅系の材料を鉄系の材料でサンドイッチ構造にしたクラッド材によりステムが形成されたりしている。しかしながら、銅系の材料でステムを形成すると、その上にキャップを気密封止することができないため、前述の引用文献2に記載の発明では、気密封止をすることを要しない仕様の半導体レーザ素子が用いられており、気密封止を要求される半導体レーザには適用することができないという問題がある。さらに、防御部43は、前面の半導体レーザ素子をボンディングしたりワイヤボンディングしたりするための開口部43aを設ける必要があり、ワイヤボンディングされた部分がむき出しになっている。そのため、防御部43は、肝心な保護をしたいワイヤボンディング部および半導体レーザ素子の部分を保護することができず、防御の機能を充分に果たすことができないという問題がある。なお、引用文献2には、防御部43の上側からダイボンディングやワイヤボンディングを行えれば、開口部43aを設ける必要がない旨の記載があるが、狭い円筒部内で上から横向きにワイヤボンディングを行える訳がない。
また、ベースに鉄−銅−鉄のような板材をサンドイッチ構造に重ね合せたクラッド材を用い、コバール(登録商標)などの鉄系のキャップを溶接することにより、気密封止をした半導体レーザを形成しても、表面に露出する部分は鉄系の材料であるため、充分な熱伝導を得ることはできないという問題がある。
本発明はこのような問題を解決するためになされたもので、半導体レーザ素子をキャップで気密封止をしながら、半導体レーザ素子で発生する熱を効率よく放散させることができる構造の半導体レーザを提供することを目的とする。
本発明の他の目的は、半導体レーザ素子を気密封止しないまでも半導体レーザ素子の周囲を保護容器により完全に被覆して保護しながら、半導体レーザ素子で発生する熱を効率よく放散させることができる構造の半導体レーザを提供することにある。
本発明者は、キャップを有する構造の半導体レーザでありながら、半導体レーザ素子で発生する熱を効率的に放散して半導体レーザ素子の信頼性を向上させるため鋭意検討を重ねた結果、ステムに銅系の熱伝導のよい材料を用いてキャップにコバール(登録商標)などの鉄系の材料を用いると、キャップのみが溶融して溶接することができないが、キャップにも銅系材料を用いると共に、キャップのベースとの接合部に周方向で均一な突起部(プロジェクション)形成しておき、溶接の際のキャップとベースとの間に印加する圧力を周方向で均一になるように圧接することにより、周方向に沿って気密に封止することができることを見出した。すなわち、ベースおよびキャップの両方共に銅系で抵抗が小さいため、非常に電流が流れやすく温度が上昇しにくいが、突起部の形成されている部分は接触抵抗が大きくなっているため、溶融して、その溶融による温度でその突起部の接触部のベースおよびキャップ両方共に温度が上昇して溶接することができることを見出して本発明を完成した。
この場合、突起部が円周方向に沿って均一に形成されていないと、または圧接する圧力が周方向で均一になっていないと、部分的に電流が集中して周方向全体で気密に封止することができないため、突起部はその高さおよび幅共に非常に均一に形成されている必要がある。また、鉄系の材料を銅系の材料でサンドイッチ構造にした板材を用いてベースおよびキャップの少なくとも一方を形成することにより、表面に銅材が露出しており熱伝導を良好に維持しながら、溶接の際には、中心部の鉄系材料が溶融しやすいため、電流が流れた部分の鉄系の材料が溶融してその間に挟まれた銅系の材料も溶融しやすくなり、溶接をしやすくなる。
本発明による半導体レーザは、平面形状がほぼ円形のベース、該ベースに絶縁体を介して固定される少なくとも1本のリード、および該ベースの一面側に設けられるヒートシンクからなるステムと、前記ヒートシンクに固着される半導体レーザ素子と、該半導体レーザ素子を被覆するように前記ベース上に被せられ、前記半導体レーザ素子からの出射光を透過させるように窓部材が気密封止された蓋付き円筒状のキャップとを具備する半導体レーザであって、前記ベースおよびキャップが共に主として銅を含む材料からなり、前記ベースおよびキャップが気密に封止されている。
ここにほぼ円形のベースとは、完全な円形だけを意味するのではなく、位置決め用のスロットがベース周端部に数箇所形成されているもの、ベース周端部の一部が欠落しているものなども含む意味である。また、主として銅を含むとは、銅のみからなる材料に限らず、材料の50%以上は銅を含むことを意味し、たとえば銅板と鉄板と銅板とのクラッド材料や、銅とスズおよびリンの合金であるリン青銅、銅とタングステンの合金、銅とモリブデンの合金、銅−タングステン−モリブデン合金など、銅を50at%以上含む合金などを意味する。
前記キャップの底面に円周の全周に亘って均一な突起部が形成され、該全周の突起部に均一に電流を集中させることにより、前記ベースとキャップとの気密封止が抵抗溶接により行なわれる。
前記ベースおよびキャップの少なくとも一方は、銅系材料、鉄系材料および銅系材料のサンドイッチ構造の材料により構成することもできる。ここに銅系材料とは、銅または銅を50at%以上含む合金を意味し、鉄系材料とは、鉄または鉄を50at%以上含む合金を意味する。
前記ベースおよびヒートシンクが、銅系材料により一体に形成されることにより、ロウ付けなどの作業を要することなく、非常に熱伝導が向上するため好ましい。
本発明による半導体レーザの他の形態は、平面形状がほぼ円形のベース、該ベースに絶縁体を介して固定される少なくとも1本のリード、および該ベースの一面側に設けられるヒートシンクからなるステムと、前記ヒートシンクに固着される半導体レーザ素子と、該半導体レーザ素子を被覆するように前記ベース上に被せられ、前記半導体レーザ素子からの出射光を透過させるように開口部が形成された円筒状の保護容器とを具備する半導体レーザであって、前記ベースおよび保護容器が共に主として銅を含む材料からなり、前記ベースおよびキャップが固着されている。
本発明の構造にすることにより、ステムとキャップとが共に主として銅を含む材料からなっているため、非常に熱伝導がよく、半導体レーザ素子で発生した熱がヒートシンクを介してベースやキャップに伝導し、キャップの広い表面積から熱放散により放熱することができる。しかも、キャップのレーザ光出射部に、ガラスなどの透光性部材が気密に接合されることにより、従来のキャンシール型半導体レーザのようにキャップ内を完全に気密封止することができ、湿気が多いなどの環境のよくない所で使用する半導体レーザや、水分などに腐食しやすい材料を含む半導体レーザの場合でも、非常に信頼性を向上させることができる。
また、気密封止にしなくてもよい場合でも、主として銅を含む材料のステムに主として銅を含む材料のキャップを固着することにより、キャップの広い表面積から熱を放散させることができ、大出力用の発熱量の大きい半導体レーザ素子でも、同様に効率よく熱放散をすることができて、半導体レーザ素子の信頼性を向上させることができる。この場合、キャップ頂部のレーザ光出射部分には、透明窓を気密封止する必要はなく、頂部全体または中心部を開口した円筒状の保護容器にすることができるが、側壁部は円周方向全体に被覆されていることがワイヤボンディング部分などを確実に保護するのに好ましい。
つぎに、図面を参照しながら本発明の半導体レーザについて説明をする。本発明による半導体レーザは、その一実施形態のキャップを一部破断した斜視説明図が図1に、キャップを接合する前の分解図が図2に断面説明図でそれぞれ示されるように、平面形状がほぼ円形のベース11にそれぞれ絶縁体16を介して2本のリード13、15が固定され、そのベース11の一面側にヒートシンク12が設けられることによりステム1が形成されている。そして、ヒートシンク12に、たとえばサブマウント3を介して半導体レーザ素子2が固着され、その半導体レーザ素子2を被覆するように、蓋付き円筒状のキャップ5がベース11上に被せられている。このキャップ5には、半導体レーザ素子2からの出射光を透過させ得るように窓部材6が低融点ガラス7などにより気密封止されている。本発明では、ベース11およびキャップ5が共に主として銅を含む材料からなり、ベース11およびキャップ5が気密に封止されていることに特徴がある。
ステム1は、ベース11、ヒートシンク12およびベース11に設けられた貫通孔に軟質ガラス16などにより封着されたリード13、15と、ベース11に直接銀ロウ付けなどにより設けられたコモンリード14とからなっている。なお、封着されるリードは、受光素子がない場合には1本の場合もある。このベース11とヒートシンク12とは、たとえば銅板などの銅を主体とした板材を冷間鍛造法により成形加工することにより、一体に形成されている。しかし、ステム11とヒートシンク12を銅などの熱伝導の良好な材料により別々に形成して、ロウ付けなどにより固着してもよい。図1に示されるベース11の厚さは、たとえば1mm程度で、その径が5.6mmφ程度に形成され、図示されていないが、周囲には位置決め用の切欠きなどが形成される場合もある。ヒートシンク12は、図1に示される例では、熱伝導の良好な銅ブロックの構造に形成されており、半導体レーザ素子2をマウントするほぼ平面状のマウント面12aを有し、そのマウント面12aに半導体レーザ素子2がマウントされることにより、半導体レーザ素子2から出射されるレーザ光がほぼステム1の中心から上方に出射するように形成されている。
なお、図1に示される例では、ヒートシンク12は四角柱状の形状に形成されているが、前述のマウント面12aが平坦面に形成されていれば、その他の側面などの形状は自由に形成することができ、たとえばマウント面12aと反対面側をキャップ5の内面に沿わせて断面形状が円弧状になるように形成することもできる。また、ヒートシンク12をステム11と別個に製造してステム11に固着する場合には、ヒートシンク12をブロック状ではなく、銅板の打抜きと折曲げなどにより形成し、ヒートシンク12をベースにロウ付けなどにより固着する構造にすることもできる。ヒートシンク部12を折り曲げた構造に形成することにより、限られた空間でその表面積を大きく形成することができ、放熱特性を向上させることができる。
このステムを構成する熱伝導の良好な材料としては、銅または銅合金、リン青銅などの銅を50at%以上含む銅系の材料を用いることができ、銅合金でなくても、たとえば銅系材料と鉄系材料と銅系材料とをサンドイッチ構造にしたクラッド材を用いることもできる。このような銅が表面に設けられた材料は表面での熱伝導が非常に良好でありながら、鉄系の材料がサンドイッチされていることにより、溶接の際にその近傍の温度を上昇させて表面に銅が露出する銅同士の溶接でも行いやすくなる。さらに、リードなどを低融点ガラスで溶着する場合にも、ガラスとの馴染みがよくなり、ガラスを溶着しやすくなるという利点がある。なお、鉄系材料とは、鉄の他に、たとえばコバール(登録商標)、Fe−Niなどの鉄を主成分としながら、Co、Niなどを含む材料を意味する。
リード13、15を固着する貫通孔の径は、たとえば0.75mmφ程度で、その間隔は2mm程度にそれぞれ形成される。リード13、15は、たとえば0.3mmφ程度のFe-Ni合金またはコバール(登録商標)棒などからなり、軟質ガラス16などからなるガラスビーズによりベース11の貫通孔に封着されている。コモンリード14は、たとえばコバール(登録商標)またはFe−Niからなっており、ベース11と電気的に接続するため直接ベース11の他面(裏面)に銀ロウ付けなどにより固着されている。
半導体レーザ素子2は、レーザ光を出射するように形成され、ベアチップの状態でサブマウント3を介してヒートシンク12上にマウントされているが、その大きさはCD再生用では250μm×250μm程度であり、DVD再生用では250μm×350μm程度、CD−R/RW用では250μm×900μm程度となる。しかし、この一番大きいチップでも非常に小さく、その取扱を容易にし、さらに放熱性を確保するため、前述のように、通常0.8mm×1mm程度の大きさのシリコン基板またはAlN(アルミナイトライド)などからなるサブマウント3上にボンディングされている。そして、図1〜2に示されるように、一方の電極はサブマウント3に金線8などのワイヤボンディングにより接続されてその裏面から導電性接着剤またはインジウムによりヒートシンク12、ベース11を介してコモンリード14に接続され、他方の電極(裏面電極)はサブマウント3上の接続部3aを介して金線8などのワイヤボンディングによりリード13と接続されている。
この半導体レーザ素子2がボンディングされたサブマウント3は吸着コレットにより搬送され、ヒートシンク12にマウントされる。また、半導体レーザ素子2の発光出力をモニタするための受光素子4がベース11表面に形成された凹部内にマウントされ、その一方の電極はベース11を介してコモンリード14に接続され、他方の電極は金線8などのワイヤボンディングによりリード15と電気的に接続されている。なお、この受光素子4は、サブマウント12上または半導体レーザの外側に設けられてもよい。
この半導体レーザ素子2のダイボンディングおよびワイヤボンディングがなされた後に、半導体レーザ素子2の周囲には、キャップ(シェル)5が被せられてベース11(ステム1)に固着されて、半導体レーザ素子2が気密に封止されている。キャップ5は、通常はコバール(登録商標)などの鉄系材料により形成されているが、本発明では、銅を主体とするベースとの接着性および熱放散をよくするため、ベース11と共に銅または銅合金などの主として銅を含み熱伝導の優れた材料により形成されている。
前述のように、ステム1のベース11に主として銅を含む材料を用い、キャップ5に鉄系の材料を用いると、両者を抵抗溶接により溶接しようとしても溶接することができない。そのため、ベース11に鉄−銅−鉄のサンドイッチ構造としたクラッド材を用いることにより、表面の鉄系材料とキャップの鉄系材料とにより溶接をすることが提案されているが、表面が鉄系の材料になっていると、折角内部に銅系材料が挟まれていても、熱伝導は大幅に低下し、充分に放熱効果を上げることはできなかった。また、一般的に銅同士の溶接はできない、とされていたが、本発明者が放熱効果を向上させるため鋭意検討を重ねた結果、接合部の一方に、たとえばキャップの接合面に全周に亘って均一な高さで均一な幅の突起部(プロジェクション)を形成し、しかも、周方向の全体に亘って均一な圧力を印加して大電流を流すことにより、突起部の部分が溶融して気密封止することができることを見出した。この突起部や圧力が均一でないと、電流が不均一になり、円周方向の周囲全体に亘って均一に溶接することができず、気密封止をすることはできなかった。すなわち、均一な突起部を形成し、均一な圧力で圧接しながら電流を流すことにより、気密封止をすることができることを見出した。
本発明によるキャップ5は、このような銅系の熱伝導の優れた材料により形成されていること、および透光板6を溶着するタブレットガラスに熱膨張係数の大きいものを使用することの他は、従来のキャン封止型の半導体レーザと同じで、蓋付き円筒状のキャップ5の頂部中心部には、レーザ光が通過する窓部(貫通孔)5aが設けられており、その窓部5aにガラスなどの透光板6が低融点ガラスなどの接着剤7により貼着されることにより、気密封止し得る構造になっている。円筒状のキャップ5の内外面には、Niなどからなるメッキが施されて酸化しないように保護されている。このように構成されたキャップ5が、前述のように抵抗溶接などにより気密に接合されている。しかし、この気密接合は、抵抗溶接に限定されるものではなく、たとえばAu-Sn合金などの低融点ロウ材などにより接合することもできる。また、後述する例のように、キャップ5を気密に形成しない場合には、熱伝導の良好な接着剤を用いて接合することもできる。
このキャップ5は、図2に接合前の分解した断面説明図が示されるように、底面側に鍔部5bが形成されると共に、その接合面に突起部5cが形成されている。この突起部5cが前述のように、その高さおよび幅共に非常に均一に形成されていることが必要である。また、抵抗溶接の際には、図2に示されるように、半導体レーザ素子2などが組み立てられたステム1のベース11上に、窓部5aに透光板(窓部材)6が接着されたキャップ5を被せて行われるが、そのキャップ5をベース11上に被せて、鍔部5bの上面とベース11の下面との間に一定の圧力Fをかけながら電流を流す際に、一定の圧力Fを周方向に亘って均一に印加する必要がある。
本発明の半導体レーザによれば、ステムを構成するベースおよびヒートシンクと、キャップとを共に銅を主とする材料、すなわち銅系の材料またはクラッド材により形成され、しかも気密に封止されているため、半導体レーザ素子を水蒸気の多い雰囲気などに晒すことなく信頼性を向上させることができる構造でありながら、熱放散を効率よく行うことができる。すなわち、キャップを有する半導体レーザのレーザ素子で発生する熱は、一般的にはヒートシンク12を経てベース11に伝達し、ベース11から直接輻射により熱放散するものと、ベース11からキャップ5に伝導してキャップ5の表面から輻射により熱放散することにより放熱される。しかし、従来の鉄系材料により形成されたベースやキャップでは、たとえヒートシンクが熱伝導の優れた銅などにより形成されていても、ベースでの熱伝導が悪く、また、ベースからキャップへの熱伝導、もしくはキャップのベースとの接合部からキャップ全体への熱伝導が悪いため、非常に熱放散が悪かった。しかし、本発明によれば、ベースおよびキャップが共に銅系の熱伝導の優れた材料により形成されているため、ヒートシンクもベースと一体に銅などにより形成されることにより、半導体レーザ素子で発生した熱は、直ちにベースに伝導し、さらにキャップにも速やかに伝導する。キャップは非常に大きな表面積を有しており、しかもベースのようにリードを固定するための絶縁物が所々に埋め込まれると言う構造ではなく、キャップの広い表面積の全体に速やかに伝導してその表面から輻射されることにより、非常に熱放散が優れ、半導体レーザ素子の温度を下げるのに寄与する。
その結果、CD−R/RW用のようにさらにチップサイズが大きくて発熱の大きい半導体レーザ素子でも、非常に信頼性よく連続動作をすることができる。さらに、本発明によれば、半導体レーザ素子が完全にキャップにより気密封止されているため、外気に全く晒されることがなく、さらに組立て段階において、作業者がワイヤボンディング部分にふれて故障の原因になるようなことも一切発生せず、非常に信頼性の高い半導体レーザが得られる。
前述の例は、半導体レーザ素子がキャップにより完全に気密封止された例であったが、半導体レーザ素子が外気に強く、または湿気や有害ガスの少ない雰囲気で使用される場合には、必ずしも気密封止にする必要はない。しかし、このような場合でも、半導体レーザ素子がマウントされた周囲は全周に亘って円筒状の保護容器により被覆されることが作業者の手が触れることによるワイヤボンディング部分の保護に好ましく、また、気密に封止されなくても、熱伝導の優れた材料による保護容器が設けられることにより、熱伝導と熱輻射による放熱を向上させることができる。この円周方向の全周に亘って外壁で保護される保護容器を設けるには、ステム側の半導体レーザ素子のボンディングなど、組立てが終った後に被せる必要があり、予めステムと一体に形成しておくことはできない。このような構造の例が図3に示されている。
すなわち、図3に示される構造は、前述の図1に示される例で、キャップ頂部の窓部にガラス板などの窓部材が溶着されないオープン構造とした保護容器9により半導体レーザ素子2が被覆されている。他の構造は、図1および図2に示される例と同じで、同じ部分には同じ符号を付してその説明を省略する。なお、図3では、ワイヤボンディングのワイヤなどは省略してある。前述の図1に示される例と同様に、銅のような熱伝導のよい材料によりステム1および保護容器9が形成され、保護容器9がベース11に密着性よく接合されている。この場合、前述の例と同様に、キャップの接合面に均一な突起部を形成しておくことにより、前述の例と同様に抵抗溶接により接合することもできるが、元々気密性を要求されていないため、気密溶接で行う必要もなく、たとえば熱伝導の優れた接着剤により接合してもよい。要は熱伝導を良好に維持するように接合されていればよい。
この例では、気密封止を要求されないことから、ステム1のリード13、15とベース11との接合もガラスで行う必要はなく、接着剤または樹脂などにより接合することができる。このようなガラス溶着を行う必要がなくなれば、リードなどに予めメッキを施しておくことができ、ワイヤボンディングなどのため厚いメッキが要求されるリード13、15のみをベース11と接続する前にメッキ処理することができ、ベース11などに余分なNi/Auiメッキなどを施す必要がなくなる。すなわち、従来はリード13、15をガラスで封着していたため、リード13、15を予めメッキしておくとガラス封着の際にメッキが飛んでしまうことから、リード13、15を封着した後にバレルメッキなどによりベース11およびリード13、15全体に、たとえばNi/Auメッキなどをしていた。そのため、ワイヤボンディングがされないベース11にはそれほど厚いメッキを必要としないにも拘らず、リード13、15に必要な厚さの0.1μm程度のAuメッキを施していたため、面積の非常に大きなベースに無駄なメッキを施してコストアップになっていたが、低温でリード13、15を接合することができれば、そのような無駄がなくなると共に、ベース11にリードを接合した状態でバレルメッキをしなくてもよいため、リードの曲がりなどを生じさせなくすることもできる。
図3に示される例では、保護容器9として、図1に示されるキャップの窓部に封着された透明体が除去されただけの構造ものが用いられているが、この保護容器9は、主として熱放散と、取扱い時における半導体レーザ素子2の保護のためのものであるため、天井部分は全くない円筒状の形状でもよい。熱を均一に放散し、また、半導体レーザ素子2を保護するためには、円筒状で、側面周囲が被覆される構造であることが好ましい。
このようなオープン構造にしても、熱伝導の良好な円筒状の保護容器がステム上に被せられることにより、半導体レーザ素子を保護するのみならず、半導体レーザ素子で発生する熱を、ヒートシンクを介してベースおよび保護容器に速やかに伝達して保護容器の表面から放散させることができるため、非常に放熱効果が向上する。
この構造によれば、ステムと防御部とを一体化した特殊な構造のステムを形成する必要がなく、また、確実に半導体レーザ素子のワイヤボンディングなどを保護することができる構造の半導体レーザを非常に安価に得ることができる。その結果、気密封止型でも、オープン型でも、DVD用、CD−R/RW用、DVD−R/RW用などの高出力のピックアップに用いる半導体レーザに、非常に放熱性のよい安価なものが得られ、信頼性の高いピックアップを形成することができる。
本発明による半導体レーザの一実施形態の構造を示す一部破断斜視説明図である。 図1の半導体レーザのキャップを接合する前の状態を説明する図である。 本発明の半導体レーザにおける他の実施形態を示す断面説明図である。 従来の半導体レーザの一例を示す断面説明図である。 従来の半導体レーザの他の構成例を示す斜視説明図である。
符号の説明
1 ステム
2 半導体レーザ素子
3 サブマウント
4 受光素子
5 キャップ
5a 窓部
5b 鍔部
5c 突起部
6 透光板
7 低融点ガラス
8 金線
9 保護容器
11 ベース
12 ヒートシンク
13 リード
14 コモンリード
15 リード

Claims (5)

  1. 平面形状がほぼ円形のベース、該ベースに絶縁体を介して固定される少なくとも1本のリード、および該ベースの一面側に設けられるヒートシンクからなるステムと、前記ヒートシンクに固着される半導体レーザ素子と、該半導体レーザ素子を被覆するように前記ベース上に被せられ、前記半導体レーザ素子からの出射光を透過させるように窓部材が気密封止された蓋付き円筒状のキャップとを具備する半導体レーザであって、前記ベースおよびキャップが共に主として銅を含む材料からなり、前記ベースおよびキャップが気密に封止されてなる半導体レーザ。
  2. 前記キャップの底面に円周の全周に亘って均一な突起部が形成され、該全周の突起部に均一に電流を集中させることにより、前記ベースとキャップとの気密封止が抵抗溶接により行なわれてなる請求項1記載の半導体レーザ。
  3. 前記ベースおよびキャップの少なくとも一方は、銅系材料、鉄系材料および銅系材料のサンドイッチ構造の材料からなる請求項1または2記載の半導体レーザ。
  4. 前記ベースおよびヒートシンクが、銅系材料により一体に形成されてなる請求項1ないし3のいずれか1項記載の半導体レーザ。
  5. 平面形状がほぼ円形のベース、該ベースに絶縁体を介して固定される少なくとも1本のリード、および該ベースの一面側に設けられるヒートシンクからなるステムと、前記ヒートシンクに固着される半導体レーザ素子と、該半導体レーザ素子を被覆するように前記ベース上に被せられ、前記半導体レーザ素子からの出射光を透過させるように開口部が形成された円筒状の保護容器とを具備する半導体レーザであって、前記ベースおよび保護容器が共に主として銅を含む材料からなり、前記ベースおよびキャップが固着されてなる半導体レーザ。
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