JP2004071404A - ツイストペア電線の端末部分のインピーダンス調整方法及びその端末処理構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】ツイストペア電線の撚り戻し部のインピーダンス不整合を解消するインピーダンス調整方法及び端末処理構造を提供すること。
【解決手段】コネクタハウジング10bの外側で一部撚りが戻されたツイストペア電線Wの戻された部分Yの電線2本を電線保持部材1により近接させて保持することで、この部分の静電容量を大きくすることで高くなってしまった撚り戻し部分Yのインピーダンス整合を図る。
【選択図】 図1
【解決手段】コネクタハウジング10bの外側で一部撚りが戻されたツイストペア電線Wの戻された部分Yの電線2本を電線保持部材1により近接させて保持することで、この部分の静電容量を大きくすることで高くなってしまった撚り戻し部分Yのインピーダンス整合を図る。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車用ワイヤーハーネスに関し、さらに詳しくは車載されるLANシステムに用いられる伝送ケーブルであるツイストペア電線のコネクタ接続部におけるインピーダンス不整合を解消する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、UTP(アンシールド・ツイステッド・ペア)などのツイストペア電線はモジュラーコネクタと呼ばれる専用のコネクタに端末加工されて接続されるが、近年、カーナビゲーションシステム等の自動車に搭載される電気機器等を、図18に示すようなツイストペア電線Wと通常のコネクタ10を使用して車載ネットワークを構成することがある。
【0003】
ツイストペア電線Wは2本の1芯電線Wa,Waを撚り合わせたもので、ツイストによって形成された隣り合うループで発生する磁界の向きが逆になり、お互いに発生磁界を打ち消すことにより、電磁誘導の影響を少なくすることができるのが特徴で、電磁誘導ノイズを外部に輻射し難いとともに電磁誘導ノイズを外部から受け難いことが知られており、同軸ケーブルなどのシールド電線と比べて安価で曲げも良好なためLAN接続の電線として広く使われている。このような構成であるため、コネクタに接続ためのツイストの撚り戻しはJIS規格にもあるようにUTPの種類ごとに撚り戻し長さが制限されている。
【0004】
図18に示すコネクタ10へのツイストペア電線Wの端末加工は、電線端末部分の絶縁被覆Wd,Wdを剥いで導体Wb,Wbを露出させて端子10a,10aを接続し、その端子10a,10aをコネクタハウジング10bに挿入するというものであるが、端子10a,10aをコネクタハウジング10bに挿入するとき、端子10a,10a近傍まで電線Wa,Waが撚り合わせられていると、コネクタハウジング10bへの挿入が困難であるため、撚り合わせ方向とは逆方向にねじって所要区間Yの撚り戻しを行いツイストを解除してコネクタハウジング10bに挿入している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
この撚り戻し区間Yが長くなるほど、コネクタハウジング10bへの端子10a,10aの挿入が容易で作業性がよくなる。しかし、このようなツイストの撚り戻しは、低速の多重通信では問題はないのだが、通信速度が上昇するに従い、撚り合わせの戻しが通信品質に与える影響が顕著になってくる。
【0006】
電気信号の高速伝送路においては、信号の反射を抑え、送信側回路と受信側回路とのインピーダンス整合を取るために、一般的には送信側回路と受信側回路と伝送用の電線の特性インピーダンスを等しくする方法が取られる。この場合、伝送線であるツイストペア電線の特性インピーダンスは、ツイストのねじり具合によってバラツキがあるが電線全体としてはインピーダンスの許容範囲内のずれに抑えられている。
【0007】
ところが、図18のようなコネクタ10への接続のための撚り戻し部Yは、許容する長さを超えている上に開いた状態になっているため、電線Wa,Wa間の電気的結合性(静電容量)が小さく結果インピーダンスが高くなってしまっている。つまりこの部分が伝送線路のインピーダンスと整合されなくなり、この不整合が大きすぎると、より高速の電気信号の伝送においては信号の反射等が起きるという問題があった。
【0008】
この撚り戻し部Aの高くなってしまったインピーダンスを下げるには、撚り戻しを出来るだけ短くするとか、戻した部分を再度撚り合わせることが考えられるが、これらの作業は煩雑で作業性も悪く精度も良くない。
【0009】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、このようなツイストペア電線の撚り戻し部のインピーダンス不整合を解消するインピーダンス調整方法及びツイストペア電線の端末処理構造を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するため本発明に係るツイストペア電線端末部分のインピーダンス調整方法は、ツイストペア電線の端末部分を撚り戻し、この端末部分にコネクタ端子を接続してコネクタハウジングに収容するに際し、このツイストペア電線のコネクタ端子との接続側端末部分の電線撚り戻し部の電線間隔を近接保持させるようにしたことを要旨とするものである。
【0011】
本発明では開いてしまった撚り戻し部の電線2本を近接させて、この部分の静電容量を大きくすることで高くなってしまった撚り戻し部分のインピーダンスを下げる方法を提案する。上記インピーダンス調整方法によれば、撚り戻しによりツイストが解除されて開いてしまった電線2本の電線を近接させて保持することで、この部分の静電容量を大きくして結果インピーダンスを下げることにより整合が図られる。これにより規定以上に撚りが戻されたツイストペア電線のインピーダンス不整合を抑えることができる。
【0012】
また、この課題を解決するため本発明に係るツイストペア電線の端末処理構造は、ツイストペア電線のコネクタ端子との接続側端末部分の電線撚り戻し部に、この電線撚り戻し部の電線間隔を近接保持する電線保持部材が介設されていることを要旨とするものである。
【0013】
上記構成を有するツイストペア電線の端末処理構造によれば、撚り戻しによりツイストが解除されて開いてしまった電線2本の電線を近接させて保持するための電線保持部材を設けることで、この部分の静電容量を大きくして結果インピーダンスを下げることにより整合が図ることが可能になる。
【0014】
この場合、前記電線保持部材は、導電性材料により構成されている構成にすれば、さらに撚りが戻された部分の電気的結合を大きくしてインピーダンスを下げることが可能となる。また、前記電線撚り戻し部の電線間には電線間隔保持用のスペーサーが介在されている構成にすれば、電線間隔ほ均一にしてインピーダンスの乱れをなくすことが可能になるとともに、このスペーサ―の厚みを変えれば電線間の距離を調整することができ、インピーダンスの下げ幅を調整することが可能となる。
【0015】
さらに、前記電線保持部材がコネクタハウジングと一体的に設けられている構成にすれば、部材の増加を抑えることができる。そして、前記電線保持部材には電線撚り戻し部からのずれが規制されるズレ防止部が設けられている構成にすれば、安定したインピーダンス調整が行われる。また、電線保持部材が設けられるとともに、前記コネクタ端子を収容するコネクタハウジングの外周が導電性の部材により覆われている構成にすれば、コネクタ端子間の電気的結合性を大きくして、コネクタ部分のインピーダンス不整合をも解消することができる。
【0016】
このような電線保持部材としては、2本の電線に巻かれるテープやチューブ又は適当な止め具が用いられる。テープやチューブは金属製や導電性を有するものを用いれば、さらに撚りが戻された部分の電気的結合を大きくしてインピーダンスを下げることが可能で、通信速度等の伝送路の仕様に合わせて樹脂製のものや金属製のものを使い分ければ、ツイストペア電線の撚り戻し部分のインピーダンスの下げ幅を調整することができる。この場合、樹脂性のテープやチューブに金属箔を貼り付けたりしても同じ効果が得られる。
【0017】
また、撚り戻し部分の電線2本の間にスペーサーを挟んでからテープやチューブで保持することで、電線間を均一な距離に設定してインピーダンスの乱れを防ぐ上に、このスペーサ―の厚みを変えれば電線間の距離を調整することができ、インピーダンスの下げ幅を調整することが可能となる。
【0018】
適当な止め具としては、半割可能な筒状のものや結束バンド状のものを用いられ、撚り戻し部の電線2本を近接させて保持することができる上に、コネクタに接続後の撚り戻し部への取り付け取り外しが可能である。前述のテープやチューブの場合と同様に、導電性材料により成形したり、金属箔を貼り付けたりすれば更なるインピーダンスの調整が可能である。この場合も、撚り戻し部分の電線間を均一な距離に設定するためのスペーサ―を一体的に設ければ前述と同様の効果が得られる。さらに、このような止め具に、電線に沿ってずれることを防止するためにズレ防止部を設けても良い。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係るツイストペア電線の端末処理の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。尚、本発明の説明に用いられるコネクタ10は図18に示したのと同様にごく一般的に用いられるもので、樹脂製のコネクタハウジング10bと内部に収容されている端子10aとで構成されている。
【0020】
図1は本発明の第1の実施の形態を示した図である。図示されるように、コネクタハウジング10bへの端子挿入のために撚りが戻されたツイストペア電線Wの撚り戻し部Yには、テープ1がテーピングされている。このテープ1は樹脂製又は金属製のもので、テーピングによって撚り戻し部Yの電線Wa,Waは近接して保持されている。これにより撚り戻し部Yの電線Wa,Wa間の電気的結合が大きくなるので、この部分の高かった特性インピーダンスが下げられて伝送線路のインピーダンスとの整合を図ることができる。
【0021】
この場合、テープ1を導電性を有するもの、たとえば金属テープや導電性樹脂材により成形されたテープを用いれば、撚り戻し部Yの電線Wa,Wa間の電気的結合性をより大きくしてインピーダンスをさらに下げることが可能である。もちろんテープに導電性の金属箔を貼り付けたものでも良い。
【0022】
図16及び図17を用いて、このようなテーピングによるツイストの撚り戻し部のインピーダンス調整の効果について説明する。図16(a)に示すように、2つのツイストペア電線W,W同士が、雌型コネクタ20と雄型コネクタ30との嵌合により接続されている。この線路における特性インピーダンスを測定すると図17(a)に示すようなグラフになる。このグラフの横軸は図16(a)の線路の長さ方向を表しており、縦軸は特性インピーダンスの大きさを表しており、線路の各部分A,B,C,D,Eのインピーダンスの大きさが示されている。
【0023】
図16(a)に示されるように雌型コネクタ20の撚り戻し部分Bと雄型コネクタ30の撚り戻し部分D位置でのインピーダンスの大きさは、図16(b)に示されるように、撚り合わされているツイストペア電線部分A,Eのインピーダンスより高くなってしまっている。また、コネクタ部分Cでのインピーダンスも撚り戻し部B,Dほどではないが高くなっている。
【0024】
図16(b)は撚り戻し部分G,Iに樹脂製のテープ2がテーピングされており、図17(b)はこの線路のインピーダンス測定のグラフが示されている。図示されるように、撚り戻し部G,Iにテーピングを施して電線間を近接させることにより、この部分G,Iのインピーダンスが低くされるとともに、コネクタ部分Hでのインピーダンスもそれに伴い若干低くなっている。
【0025】
この樹脂製のテープ2を金属製のテープ3に変えたものが図16(c)に示されており、この線路におけるインピーダンス測定のグラフが図17(c)に示されている。図示されるように、前述の樹脂製のテープ2の場合よりも、金属製のテープ3の場合の方がさらに撚り戻し部L,Nのインピーダンスが低くされるとともに、コネクタ部分Mでのインピーダンスもそれに伴い若干低くなっている。
【0026】
図16(d)は図16(c)の状態から、さらにコネクタ部分Rにも金属テープ4が巻かれた構成が示されている。この線路のインピーダンスは図17(d)に示すように、コネクタ部分Rのインピーダンスが低められるとともに、撚り戻し部Q,Sのインピーダンスもそれに伴い若干低くなっている。このような雄型コネクタ20と雌型コネクタ30の外周を覆うように導電性の金属テープを巻くことで、この部分のインピーダンスも下げることができる。これはコネクタハウジング内の端子同士の電気的結合を大きくすることにより、インピーダンスを下げるというもので、撚り戻し部へのテーピングと組合せることで効果的にインピーダンス整合を図ることができる。この場合、雌型コネクタ20と雄型コネクタ30の外表面を金属メッキコーティングする構成でも同様の効果が得られる。
【0027】
次に本発明の第2の実施の形態について説明する。図2(a)に示されるようにコネクタハウジング10bへの端子挿入のために撚りが戻されたツイストペア電線Wの撚り戻し部Yには、チューブ5が取り付けられている。このチューブ5により撚り戻し部Yの電線Wa,Waが近接して保持されると、この部分の高かった特性インピーダンスが下げられ、インピーダンスの整合が図られる。チューブ5による電線の保持が弱い場合にはチューブの上からさらにテーピングしたり、かしめ部材を取り付けたりすることで、安定した保持が得られる。また、図2(b)に示すようなスリット5aを有する構成にすれば、コネクタ接続後の撚り戻し部Yに簡便に取り付けることができる。
【0028】
このチューブ5は、ごく一般的にある熱収縮チューブでもよく、この場合でも撚り戻し部Yの電線Wa,Waを近接させて保持することができる。また、チューブ5を導電性を有するもの、たとえば金属チューブや導電性樹脂材により成形されたチューブなどを用いれば、撚り戻し部分のインピーダンスをさらに下げることが可能である。もちろんチューブ5に導電性の金属箔を貼り付けたものでもよく、導電性を有する熱収縮チューブでもよい。
【0029】
図3及び図4は本発明の第3の実施の形態を示している。撚り戻し部Yへの処理は、図3に示すように、先ず、撚り戻し部Yの電線Wa,Waとの間にスペーサー6を挟んでから図4に示すようにテープ1をテーピングする。このようにスペーサー6を撚り戻し部Yの電線Wa,Wa間に挟むことにより、電線の導体間距離を均一して保持することが可能になり、インピーダンスの乱れをなくすことができる上に、スペーサー6の厚みを変えることで電線間距離を調整するができるので、必要なインピーダンスの下げ幅を調整することが可能になる。用いられるテープ1は前述の第1の実施の形態で説明した各種テープが適用可能である。また、テープ1の代わりに前述の第2の実施の形態で説明したチューブ5を用いても良い。
【0030】
次に、本発明の第4の実施の形態について図5〜図15を用いて説明する。まず図5〜図7に示される止め具7は樹脂製材料又は金属製材料により成形された半割状のケース7a,7bがヒンジ部7cで連結されており、図6に示すようにコネクタ接続後の撚り戻し部Yに装着して、ケース7a,7bを閉じると図7に示すように取り付けられる。
【0031】
ケース7a,7bの前方部は端子の間隔に合わせて広めな凹部7d,7eを有し、後方になるに従って撚り戻し部Wの電線Wa,Waを近接させるように電線2本分のスペースが確保された凹部7f,7gを有した形状になっており、この止め具7からツイスト電線Wが後方に延びる回転の方向性を問わない構造になっている。
【0032】
ケース7aの方の後端にはズレ防止部8が設けられており、爪8aをツイストの隙間に挿入することで、止め具7が後方にずれてしまうことが防止される。ケース7a,7bを閉じる際には、ケース7aに設けられた係合孔9a,9bに、ケース7bに設けられた突部9c,9dがはめ込まれてロックされるようになっている。
【0033】
この場合、図8及び図9に示すように、ケース7a,7bにスペーサー7h,7iを形成して、このスペーサー7h,7iが電線Wa,Wa間に挟まれる構成にすれば、前述したように撚り戻し部Wの電線2本の間隔を調整することが可能である。このような止め具7を装着することで、撚り戻し部Yの電線Wa,Waは近接して保持され、この部分の高かった特性インピーダンスが下げられてインピーダンスの整合が図られる。
【0034】
次に、図10〜図12を用いて止め具11について説明する。図示されるように、この止め具11は3つの支柱11a,11b,11cを屈曲自在な薄肉の連結部12a,12a,12b,12bで結合した構成になっていおり、樹脂製材料又は金属製材料により成形されたものである。中央の支柱11bの後端にはツイストペア電線Wのツイストの隙間に挿入できる大きさの爪8aを有したズレ防止部8が設けられている。
【0035】
上の支柱11aと下の支柱11cには、互いに係合可能な係合片13a,13a,13aと切欠部13b,13b,13bが形成されており、図11及び図12に示すように、撚り戻し部Yにこの止め具11が取り付けられると、電線Wa,Waが近接して保持される。この場合、中央の支柱11bを撚り戻し部Yの電線間に挟むことように取り付ける構成にすれば、支柱11bの厚みを変えることで電線の導体間距離を調整することもできる。
【0036】
次に、図13〜図15を用いて止め具14について説明する。図示されるように、この止め具14は一般に用いられる結束バンドを2つ並べて支柱14aで結合させた構造を有しており、樹脂製材料又は金属製材料により成形されたものである。この支柱14aの後端にもツイストペア電線Wのツイストの隙間に挿入できる大きさの爪8aを有したズレ防止部8が設けられている。
【0037】
撚り戻し部Yへの取り付けは図14に示すように支柱14aから延びたバンド15a、15aを撚り戻し部Yに巻いて、支柱14aに形成された係合部14b,14bに係合させた後、図15に示すようにバンド15a,15aの余分な先端を切除することで取り付けられる。この場合、支柱14aを撚り戻し部Yの電線間に挟むことように取り付ける構成にすれば、支柱14aの厚みを変えることで電線の導体間距離を調整することもできる。尚、上述した止め具7,11,14を、図示しないがコネクタハウジング10bと一体的に設ける構成にしてもよく、部材の増加が抑えることができる。
【0038】
以上説明したように、撚りが戻されてインピーダンスが高くなったしまった部分に、このような撚り戻し部の電線2本を近接させて、この部分の静電容量を大きくすることで高くなってしまったこの部分のインピーダンスを下げるための電線保持部材を追加するだけという簡易な構成で、インピーダンスを整合させることができる。
【0039】
尚、本発明はこうした実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施できることは勿論である。例えば、上記の実施の形態で説明に使われたツイストペア電線は電線を覆うシース無しタイプのものであったが、もちろんシース付きのタイプのものにも適用可能であることは言うまでもない。尚、電線保持部材について樹脂材料を用いる場合には、目標とする撚り戻し部のインピーダンスの下げ幅に対して適当な誘電率を考慮して選定や、導電性材料を用いる場合にも同様に導電率を考慮した選定が必要である。
【0040】
【発明の効果】
本発明に係るツイストペア電線端末部分のインピーダンス調整方法によれば、撚り戻しによりツイストが解除されて開いてしまった電線2本の電線を近接させて保持する電線保持部材を設けることで、この部分の静電容量を大きくして結果インピーダンスを下げることによりインピーダンス整合を図るという構成なので、通常のコネクタとツイストペア電線の接続のために撚りが戻された部分のインピーダンス不整合を、本発明に係る電線保持部材を取り付けるだけで整合させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電線保持部材であるテープがテーピングされたツイストペア電線端末部分の外観斜視図である。
【図2】本発明に係る電線保持部材であるチューブが取り付けられたツイストペア電線端末部分の外観斜視図である。
【図3】撚り戻し部分にスペーサーが挟まれた状態を示したツイストペア電線端末部分の外観斜視図である。
【図4】図3の状態からテーピングが施されたツイストペア電線端末部分の外観斜視図である。
【図5】電線保持部材である止め具7が取り付けられる前の状態を示したツイストペア電線端末部分の外観斜視図である。
【図6】図5の止め具7の取り付け手順を示したツイストペア電線端末部分の外観斜視図である。
【図7】図5の止め具7の取り付けられた状態を示したツイストペア電線端末部分の外観斜視図である。
【図8】電線間距離調整用のスペーサーが設けられた止め具7を示した外観斜視図である。
【図9】図8の止め具7が取り付けられた状態を示したツイストペア電線端末部分の外観斜視図である。
【図10】電線保持部材である止め具11が取り付けられる前の状態を示したツイストペア電線端末部分の外観斜視図である。
【図11】図10の止め具11の取り付け手順を示したツイストペア電線端末部分の外観斜視図である。
【図12】図10の止め具11の取り付けられた状態を示したツイストペア電線端末部分の外観斜視図である。
【図13】電線保持部材である止め具14が取り付けられる前の状態を示したツイストペア電線端末部分の外観斜視図である。
【図14】図13の止め具14の取り付け手順を示したツイストペア電線端末部分の外観斜視図である。
【図15】図13の止め具14の取り付けられた状態を示したツイストペア電線端末部分の外観斜視図である。
【図16】(a)は電線保持部材が取り付けられていない状態のツイストペア電線とコネクタの接続を示した図、(b)は樹脂製の電線保持部材が取り付けられた状態のツイストペア電線とコネクタの接続を示した図、(c)は金属製の電線保持部材が取り付けられた状態のツイストペア電線とコネクタの接続を示した図、(d)は(c)の状態でさらに導電製の部材によりコネクタ部分の外周が覆われたツイストペア電線とコネクタの接続を示した図である。
【図17】(a)は図16(a)の線路におけるインピーダンスの大きさを表したグラフ、(b)は図16(b)の線路におけるインピーダンスの大きさを表したグラフ、(c)は図16(c)の線路におけるインピーダンスの大きさを表したグラフ、(d)は図16(d)の線路におけるインピーダンスの大きさを表したグラフを示した図である。
【図18】従来用いられてきたコネクタとの接続を示したツイストペア電線端末部分の外観斜視図である。
【符号の説明】
1 テープ
10 コネクタ
W ツイストペア電線
Wa 1芯電線
Y 撚り戻し部
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車用ワイヤーハーネスに関し、さらに詳しくは車載されるLANシステムに用いられる伝送ケーブルであるツイストペア電線のコネクタ接続部におけるインピーダンス不整合を解消する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、UTP(アンシールド・ツイステッド・ペア)などのツイストペア電線はモジュラーコネクタと呼ばれる専用のコネクタに端末加工されて接続されるが、近年、カーナビゲーションシステム等の自動車に搭載される電気機器等を、図18に示すようなツイストペア電線Wと通常のコネクタ10を使用して車載ネットワークを構成することがある。
【0003】
ツイストペア電線Wは2本の1芯電線Wa,Waを撚り合わせたもので、ツイストによって形成された隣り合うループで発生する磁界の向きが逆になり、お互いに発生磁界を打ち消すことにより、電磁誘導の影響を少なくすることができるのが特徴で、電磁誘導ノイズを外部に輻射し難いとともに電磁誘導ノイズを外部から受け難いことが知られており、同軸ケーブルなどのシールド電線と比べて安価で曲げも良好なためLAN接続の電線として広く使われている。このような構成であるため、コネクタに接続ためのツイストの撚り戻しはJIS規格にもあるようにUTPの種類ごとに撚り戻し長さが制限されている。
【0004】
図18に示すコネクタ10へのツイストペア電線Wの端末加工は、電線端末部分の絶縁被覆Wd,Wdを剥いで導体Wb,Wbを露出させて端子10a,10aを接続し、その端子10a,10aをコネクタハウジング10bに挿入するというものであるが、端子10a,10aをコネクタハウジング10bに挿入するとき、端子10a,10a近傍まで電線Wa,Waが撚り合わせられていると、コネクタハウジング10bへの挿入が困難であるため、撚り合わせ方向とは逆方向にねじって所要区間Yの撚り戻しを行いツイストを解除してコネクタハウジング10bに挿入している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
この撚り戻し区間Yが長くなるほど、コネクタハウジング10bへの端子10a,10aの挿入が容易で作業性がよくなる。しかし、このようなツイストの撚り戻しは、低速の多重通信では問題はないのだが、通信速度が上昇するに従い、撚り合わせの戻しが通信品質に与える影響が顕著になってくる。
【0006】
電気信号の高速伝送路においては、信号の反射を抑え、送信側回路と受信側回路とのインピーダンス整合を取るために、一般的には送信側回路と受信側回路と伝送用の電線の特性インピーダンスを等しくする方法が取られる。この場合、伝送線であるツイストペア電線の特性インピーダンスは、ツイストのねじり具合によってバラツキがあるが電線全体としてはインピーダンスの許容範囲内のずれに抑えられている。
【0007】
ところが、図18のようなコネクタ10への接続のための撚り戻し部Yは、許容する長さを超えている上に開いた状態になっているため、電線Wa,Wa間の電気的結合性(静電容量)が小さく結果インピーダンスが高くなってしまっている。つまりこの部分が伝送線路のインピーダンスと整合されなくなり、この不整合が大きすぎると、より高速の電気信号の伝送においては信号の反射等が起きるという問題があった。
【0008】
この撚り戻し部Aの高くなってしまったインピーダンスを下げるには、撚り戻しを出来るだけ短くするとか、戻した部分を再度撚り合わせることが考えられるが、これらの作業は煩雑で作業性も悪く精度も良くない。
【0009】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、このようなツイストペア電線の撚り戻し部のインピーダンス不整合を解消するインピーダンス調整方法及びツイストペア電線の端末処理構造を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するため本発明に係るツイストペア電線端末部分のインピーダンス調整方法は、ツイストペア電線の端末部分を撚り戻し、この端末部分にコネクタ端子を接続してコネクタハウジングに収容するに際し、このツイストペア電線のコネクタ端子との接続側端末部分の電線撚り戻し部の電線間隔を近接保持させるようにしたことを要旨とするものである。
【0011】
本発明では開いてしまった撚り戻し部の電線2本を近接させて、この部分の静電容量を大きくすることで高くなってしまった撚り戻し部分のインピーダンスを下げる方法を提案する。上記インピーダンス調整方法によれば、撚り戻しによりツイストが解除されて開いてしまった電線2本の電線を近接させて保持することで、この部分の静電容量を大きくして結果インピーダンスを下げることにより整合が図られる。これにより規定以上に撚りが戻されたツイストペア電線のインピーダンス不整合を抑えることができる。
【0012】
また、この課題を解決するため本発明に係るツイストペア電線の端末処理構造は、ツイストペア電線のコネクタ端子との接続側端末部分の電線撚り戻し部に、この電線撚り戻し部の電線間隔を近接保持する電線保持部材が介設されていることを要旨とするものである。
【0013】
上記構成を有するツイストペア電線の端末処理構造によれば、撚り戻しによりツイストが解除されて開いてしまった電線2本の電線を近接させて保持するための電線保持部材を設けることで、この部分の静電容量を大きくして結果インピーダンスを下げることにより整合が図ることが可能になる。
【0014】
この場合、前記電線保持部材は、導電性材料により構成されている構成にすれば、さらに撚りが戻された部分の電気的結合を大きくしてインピーダンスを下げることが可能となる。また、前記電線撚り戻し部の電線間には電線間隔保持用のスペーサーが介在されている構成にすれば、電線間隔ほ均一にしてインピーダンスの乱れをなくすことが可能になるとともに、このスペーサ―の厚みを変えれば電線間の距離を調整することができ、インピーダンスの下げ幅を調整することが可能となる。
【0015】
さらに、前記電線保持部材がコネクタハウジングと一体的に設けられている構成にすれば、部材の増加を抑えることができる。そして、前記電線保持部材には電線撚り戻し部からのずれが規制されるズレ防止部が設けられている構成にすれば、安定したインピーダンス調整が行われる。また、電線保持部材が設けられるとともに、前記コネクタ端子を収容するコネクタハウジングの外周が導電性の部材により覆われている構成にすれば、コネクタ端子間の電気的結合性を大きくして、コネクタ部分のインピーダンス不整合をも解消することができる。
【0016】
このような電線保持部材としては、2本の電線に巻かれるテープやチューブ又は適当な止め具が用いられる。テープやチューブは金属製や導電性を有するものを用いれば、さらに撚りが戻された部分の電気的結合を大きくしてインピーダンスを下げることが可能で、通信速度等の伝送路の仕様に合わせて樹脂製のものや金属製のものを使い分ければ、ツイストペア電線の撚り戻し部分のインピーダンスの下げ幅を調整することができる。この場合、樹脂性のテープやチューブに金属箔を貼り付けたりしても同じ効果が得られる。
【0017】
また、撚り戻し部分の電線2本の間にスペーサーを挟んでからテープやチューブで保持することで、電線間を均一な距離に設定してインピーダンスの乱れを防ぐ上に、このスペーサ―の厚みを変えれば電線間の距離を調整することができ、インピーダンスの下げ幅を調整することが可能となる。
【0018】
適当な止め具としては、半割可能な筒状のものや結束バンド状のものを用いられ、撚り戻し部の電線2本を近接させて保持することができる上に、コネクタに接続後の撚り戻し部への取り付け取り外しが可能である。前述のテープやチューブの場合と同様に、導電性材料により成形したり、金属箔を貼り付けたりすれば更なるインピーダンスの調整が可能である。この場合も、撚り戻し部分の電線間を均一な距離に設定するためのスペーサ―を一体的に設ければ前述と同様の効果が得られる。さらに、このような止め具に、電線に沿ってずれることを防止するためにズレ防止部を設けても良い。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係るツイストペア電線の端末処理の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。尚、本発明の説明に用いられるコネクタ10は図18に示したのと同様にごく一般的に用いられるもので、樹脂製のコネクタハウジング10bと内部に収容されている端子10aとで構成されている。
【0020】
図1は本発明の第1の実施の形態を示した図である。図示されるように、コネクタハウジング10bへの端子挿入のために撚りが戻されたツイストペア電線Wの撚り戻し部Yには、テープ1がテーピングされている。このテープ1は樹脂製又は金属製のもので、テーピングによって撚り戻し部Yの電線Wa,Waは近接して保持されている。これにより撚り戻し部Yの電線Wa,Wa間の電気的結合が大きくなるので、この部分の高かった特性インピーダンスが下げられて伝送線路のインピーダンスとの整合を図ることができる。
【0021】
この場合、テープ1を導電性を有するもの、たとえば金属テープや導電性樹脂材により成形されたテープを用いれば、撚り戻し部Yの電線Wa,Wa間の電気的結合性をより大きくしてインピーダンスをさらに下げることが可能である。もちろんテープに導電性の金属箔を貼り付けたものでも良い。
【0022】
図16及び図17を用いて、このようなテーピングによるツイストの撚り戻し部のインピーダンス調整の効果について説明する。図16(a)に示すように、2つのツイストペア電線W,W同士が、雌型コネクタ20と雄型コネクタ30との嵌合により接続されている。この線路における特性インピーダンスを測定すると図17(a)に示すようなグラフになる。このグラフの横軸は図16(a)の線路の長さ方向を表しており、縦軸は特性インピーダンスの大きさを表しており、線路の各部分A,B,C,D,Eのインピーダンスの大きさが示されている。
【0023】
図16(a)に示されるように雌型コネクタ20の撚り戻し部分Bと雄型コネクタ30の撚り戻し部分D位置でのインピーダンスの大きさは、図16(b)に示されるように、撚り合わされているツイストペア電線部分A,Eのインピーダンスより高くなってしまっている。また、コネクタ部分Cでのインピーダンスも撚り戻し部B,Dほどではないが高くなっている。
【0024】
図16(b)は撚り戻し部分G,Iに樹脂製のテープ2がテーピングされており、図17(b)はこの線路のインピーダンス測定のグラフが示されている。図示されるように、撚り戻し部G,Iにテーピングを施して電線間を近接させることにより、この部分G,Iのインピーダンスが低くされるとともに、コネクタ部分Hでのインピーダンスもそれに伴い若干低くなっている。
【0025】
この樹脂製のテープ2を金属製のテープ3に変えたものが図16(c)に示されており、この線路におけるインピーダンス測定のグラフが図17(c)に示されている。図示されるように、前述の樹脂製のテープ2の場合よりも、金属製のテープ3の場合の方がさらに撚り戻し部L,Nのインピーダンスが低くされるとともに、コネクタ部分Mでのインピーダンスもそれに伴い若干低くなっている。
【0026】
図16(d)は図16(c)の状態から、さらにコネクタ部分Rにも金属テープ4が巻かれた構成が示されている。この線路のインピーダンスは図17(d)に示すように、コネクタ部分Rのインピーダンスが低められるとともに、撚り戻し部Q,Sのインピーダンスもそれに伴い若干低くなっている。このような雄型コネクタ20と雌型コネクタ30の外周を覆うように導電性の金属テープを巻くことで、この部分のインピーダンスも下げることができる。これはコネクタハウジング内の端子同士の電気的結合を大きくすることにより、インピーダンスを下げるというもので、撚り戻し部へのテーピングと組合せることで効果的にインピーダンス整合を図ることができる。この場合、雌型コネクタ20と雄型コネクタ30の外表面を金属メッキコーティングする構成でも同様の効果が得られる。
【0027】
次に本発明の第2の実施の形態について説明する。図2(a)に示されるようにコネクタハウジング10bへの端子挿入のために撚りが戻されたツイストペア電線Wの撚り戻し部Yには、チューブ5が取り付けられている。このチューブ5により撚り戻し部Yの電線Wa,Waが近接して保持されると、この部分の高かった特性インピーダンスが下げられ、インピーダンスの整合が図られる。チューブ5による電線の保持が弱い場合にはチューブの上からさらにテーピングしたり、かしめ部材を取り付けたりすることで、安定した保持が得られる。また、図2(b)に示すようなスリット5aを有する構成にすれば、コネクタ接続後の撚り戻し部Yに簡便に取り付けることができる。
【0028】
このチューブ5は、ごく一般的にある熱収縮チューブでもよく、この場合でも撚り戻し部Yの電線Wa,Waを近接させて保持することができる。また、チューブ5を導電性を有するもの、たとえば金属チューブや導電性樹脂材により成形されたチューブなどを用いれば、撚り戻し部分のインピーダンスをさらに下げることが可能である。もちろんチューブ5に導電性の金属箔を貼り付けたものでもよく、導電性を有する熱収縮チューブでもよい。
【0029】
図3及び図4は本発明の第3の実施の形態を示している。撚り戻し部Yへの処理は、図3に示すように、先ず、撚り戻し部Yの電線Wa,Waとの間にスペーサー6を挟んでから図4に示すようにテープ1をテーピングする。このようにスペーサー6を撚り戻し部Yの電線Wa,Wa間に挟むことにより、電線の導体間距離を均一して保持することが可能になり、インピーダンスの乱れをなくすことができる上に、スペーサー6の厚みを変えることで電線間距離を調整するができるので、必要なインピーダンスの下げ幅を調整することが可能になる。用いられるテープ1は前述の第1の実施の形態で説明した各種テープが適用可能である。また、テープ1の代わりに前述の第2の実施の形態で説明したチューブ5を用いても良い。
【0030】
次に、本発明の第4の実施の形態について図5〜図15を用いて説明する。まず図5〜図7に示される止め具7は樹脂製材料又は金属製材料により成形された半割状のケース7a,7bがヒンジ部7cで連結されており、図6に示すようにコネクタ接続後の撚り戻し部Yに装着して、ケース7a,7bを閉じると図7に示すように取り付けられる。
【0031】
ケース7a,7bの前方部は端子の間隔に合わせて広めな凹部7d,7eを有し、後方になるに従って撚り戻し部Wの電線Wa,Waを近接させるように電線2本分のスペースが確保された凹部7f,7gを有した形状になっており、この止め具7からツイスト電線Wが後方に延びる回転の方向性を問わない構造になっている。
【0032】
ケース7aの方の後端にはズレ防止部8が設けられており、爪8aをツイストの隙間に挿入することで、止め具7が後方にずれてしまうことが防止される。ケース7a,7bを閉じる際には、ケース7aに設けられた係合孔9a,9bに、ケース7bに設けられた突部9c,9dがはめ込まれてロックされるようになっている。
【0033】
この場合、図8及び図9に示すように、ケース7a,7bにスペーサー7h,7iを形成して、このスペーサー7h,7iが電線Wa,Wa間に挟まれる構成にすれば、前述したように撚り戻し部Wの電線2本の間隔を調整することが可能である。このような止め具7を装着することで、撚り戻し部Yの電線Wa,Waは近接して保持され、この部分の高かった特性インピーダンスが下げられてインピーダンスの整合が図られる。
【0034】
次に、図10〜図12を用いて止め具11について説明する。図示されるように、この止め具11は3つの支柱11a,11b,11cを屈曲自在な薄肉の連結部12a,12a,12b,12bで結合した構成になっていおり、樹脂製材料又は金属製材料により成形されたものである。中央の支柱11bの後端にはツイストペア電線Wのツイストの隙間に挿入できる大きさの爪8aを有したズレ防止部8が設けられている。
【0035】
上の支柱11aと下の支柱11cには、互いに係合可能な係合片13a,13a,13aと切欠部13b,13b,13bが形成されており、図11及び図12に示すように、撚り戻し部Yにこの止め具11が取り付けられると、電線Wa,Waが近接して保持される。この場合、中央の支柱11bを撚り戻し部Yの電線間に挟むことように取り付ける構成にすれば、支柱11bの厚みを変えることで電線の導体間距離を調整することもできる。
【0036】
次に、図13〜図15を用いて止め具14について説明する。図示されるように、この止め具14は一般に用いられる結束バンドを2つ並べて支柱14aで結合させた構造を有しており、樹脂製材料又は金属製材料により成形されたものである。この支柱14aの後端にもツイストペア電線Wのツイストの隙間に挿入できる大きさの爪8aを有したズレ防止部8が設けられている。
【0037】
撚り戻し部Yへの取り付けは図14に示すように支柱14aから延びたバンド15a、15aを撚り戻し部Yに巻いて、支柱14aに形成された係合部14b,14bに係合させた後、図15に示すようにバンド15a,15aの余分な先端を切除することで取り付けられる。この場合、支柱14aを撚り戻し部Yの電線間に挟むことように取り付ける構成にすれば、支柱14aの厚みを変えることで電線の導体間距離を調整することもできる。尚、上述した止め具7,11,14を、図示しないがコネクタハウジング10bと一体的に設ける構成にしてもよく、部材の増加が抑えることができる。
【0038】
以上説明したように、撚りが戻されてインピーダンスが高くなったしまった部分に、このような撚り戻し部の電線2本を近接させて、この部分の静電容量を大きくすることで高くなってしまったこの部分のインピーダンスを下げるための電線保持部材を追加するだけという簡易な構成で、インピーダンスを整合させることができる。
【0039】
尚、本発明はこうした実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施できることは勿論である。例えば、上記の実施の形態で説明に使われたツイストペア電線は電線を覆うシース無しタイプのものであったが、もちろんシース付きのタイプのものにも適用可能であることは言うまでもない。尚、電線保持部材について樹脂材料を用いる場合には、目標とする撚り戻し部のインピーダンスの下げ幅に対して適当な誘電率を考慮して選定や、導電性材料を用いる場合にも同様に導電率を考慮した選定が必要である。
【0040】
【発明の効果】
本発明に係るツイストペア電線端末部分のインピーダンス調整方法によれば、撚り戻しによりツイストが解除されて開いてしまった電線2本の電線を近接させて保持する電線保持部材を設けることで、この部分の静電容量を大きくして結果インピーダンスを下げることによりインピーダンス整合を図るという構成なので、通常のコネクタとツイストペア電線の接続のために撚りが戻された部分のインピーダンス不整合を、本発明に係る電線保持部材を取り付けるだけで整合させることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電線保持部材であるテープがテーピングされたツイストペア電線端末部分の外観斜視図である。
【図2】本発明に係る電線保持部材であるチューブが取り付けられたツイストペア電線端末部分の外観斜視図である。
【図3】撚り戻し部分にスペーサーが挟まれた状態を示したツイストペア電線端末部分の外観斜視図である。
【図4】図3の状態からテーピングが施されたツイストペア電線端末部分の外観斜視図である。
【図5】電線保持部材である止め具7が取り付けられる前の状態を示したツイストペア電線端末部分の外観斜視図である。
【図6】図5の止め具7の取り付け手順を示したツイストペア電線端末部分の外観斜視図である。
【図7】図5の止め具7の取り付けられた状態を示したツイストペア電線端末部分の外観斜視図である。
【図8】電線間距離調整用のスペーサーが設けられた止め具7を示した外観斜視図である。
【図9】図8の止め具7が取り付けられた状態を示したツイストペア電線端末部分の外観斜視図である。
【図10】電線保持部材である止め具11が取り付けられる前の状態を示したツイストペア電線端末部分の外観斜視図である。
【図11】図10の止め具11の取り付け手順を示したツイストペア電線端末部分の外観斜視図である。
【図12】図10の止め具11の取り付けられた状態を示したツイストペア電線端末部分の外観斜視図である。
【図13】電線保持部材である止め具14が取り付けられる前の状態を示したツイストペア電線端末部分の外観斜視図である。
【図14】図13の止め具14の取り付け手順を示したツイストペア電線端末部分の外観斜視図である。
【図15】図13の止め具14の取り付けられた状態を示したツイストペア電線端末部分の外観斜視図である。
【図16】(a)は電線保持部材が取り付けられていない状態のツイストペア電線とコネクタの接続を示した図、(b)は樹脂製の電線保持部材が取り付けられた状態のツイストペア電線とコネクタの接続を示した図、(c)は金属製の電線保持部材が取り付けられた状態のツイストペア電線とコネクタの接続を示した図、(d)は(c)の状態でさらに導電製の部材によりコネクタ部分の外周が覆われたツイストペア電線とコネクタの接続を示した図である。
【図17】(a)は図16(a)の線路におけるインピーダンスの大きさを表したグラフ、(b)は図16(b)の線路におけるインピーダンスの大きさを表したグラフ、(c)は図16(c)の線路におけるインピーダンスの大きさを表したグラフ、(d)は図16(d)の線路におけるインピーダンスの大きさを表したグラフを示した図である。
【図18】従来用いられてきたコネクタとの接続を示したツイストペア電線端末部分の外観斜視図である。
【符号の説明】
1 テープ
10 コネクタ
W ツイストペア電線
Wa 1芯電線
Y 撚り戻し部
Claims (8)
- ツイストペア電線の端末部分を撚り戻し、この端末部分にコネクタ端子を接続してコネクタハウジングに収容するに際し、このツイストペア電線のコネクタ端子との接続側端末部分の電線撚り戻し部の電線間隔を近接保持させるようにしたことを特徴とするツイストペア電線端末部分のインピーダンス調整方法。
- ツイストペア電線のコネクタ端子との接続側端末部分の電線撚り戻し部に、この電線撚り戻し部の電線間隔を近接保持する電線保持部材が介設されていることを特徴とするツイストペア電線の端末処理構造。
- 前記電線保持部材は、導電性材料により構成されていることを特徴とする請求項2に記載のツイストペア電線の端末処理構造。
- 前記電線保持部材は、電線撚り戻し部の電線を一括して束ねるテープ、チューブ又は止め具よりなることを特徴とする請求項2又は3に記載のツイストペア電線の端末処理構造。
- 前記電線撚り戻し部の電線間には電線間隔保持用のスペーサーが介在されていることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載のツイストペア電線の端末処理構造。
- 前記電線保持部材がコネクタハウジングと一体的に設けられていることを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載のツイストペア電線の端末処理構造。
- 前記電線保持部材には電線撚り戻し部からのずれが規制されるズレ防止部が設けられていることを特徴とする請求項2〜6のいずれかに記載のツイストペア電線端末処理構造。
- 前記コネクタ端子を収容するコネクタハウジングの外周が導電性の部材により覆われていることを特徴とする請求項2〜7のいずれかに記載のツイストペア電線の端末処理構造。
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