JP2020017467A - 基板用コネクタ - Google Patents

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Abstract

【課題】部品点数の増加を抑制しつつ端子のインピーダンスを低下できる基板用コネクタを提供する。【解決手段】基板用コネクタ1は、基板100に対して固定される絶縁性の筐体2と、筐体の内部において通信ケーブルの第一通信線と電気的に接続され、かつ筐体の外部において基板の回路に電気的に接続される第一端子5Aと、筐体の内部において通信ケーブルの第二通信線と電気的に接続され、かつ筐体の外部において基板の回路に電気的に接続される第二端子5Bと、を備え、第一端子および第二端子は、筐体の外部に露出した部分に、隣接する部分よりも幅広に形成された幅広部55を有し、筐体は、第一端子の幅広部と第二端子の幅広部との間を仕切るリブ22を有する。【選択図】図7

Description

本発明は、基板用コネクタに関する。
従来、基板用コネクタがある。特許文献1には、相手方端子に接続される接続部を備えた内導体端子と、内導体端子の接続部の外周を覆う外導体端子と、内導体端子と外導体端子との間に配設される誘電体と、外導体端子を内部に収容して回路基板の実装面に固定されるコネクタハウジングとを備えた基板用コネクタが開示されている。
特開2012−138201号公報
端子のインピーダンスを低下させる点について、なお改良の余地がある。例えば、部品点数の増加を抑制しつつ端子のインピーダンスを低下できることが望ましい。
本発明の目的は、部品点数の増加を抑制しつつ端子のインピーダンスを低下できる基板用コネクタを提供することである。
本発明の基板用コネクタは、基板に対して固定される絶縁性の筐体と、前記筐体の内部において通信ケーブルの第一通信線と電気的に接続され、かつ前記筐体の外部において前記基板の回路に電気的に接続される第一端子と、前記筐体の内部において前記通信ケーブルの第二通信線と電気的に接続され、かつ前記筐体の外部において前記基板の回路に電気的に接続される第二端子と、を備え、前記第一端子および前記第二端子は、前記筐体の外部に露出した部分に、隣接する部分よりも幅広に形成された幅広部を有し、前記筐体は、前記第一端子の前記幅広部と前記第二端子の前記幅広部との間を仕切るリブを有することを特徴とする。
本発明に係る基板用コネクタは、基板に対して固定される絶縁性の筐体と、筐体の内部において通信ケーブルの第一通信線と電気的に接続され、かつ筐体の外部において基板の回路に電気的に接続される第一端子と、筐体の内部において通信ケーブルの第二通信線と電気的に接続され、かつ筐体の外部において基板の回路に電気的に接続される第二端子と、を備える。
第一端子および第二端子は、筐体の外部に露出した部分に、隣接する部分よりも幅広に形成された幅広部を有し、筐体は、第一端子の幅広部と第二端子の幅広部との間を仕切るリブを有する。本発明に係る基板用コネクタは、筐体のリブによって第一端子および第二端子のインピーダンスを低下させる。よって、本発明に係る基板用コネクタによれば、部品点数の増加を抑制しつつ端子のインピーダンスを低下できるという効果を奏する。
図1は、実施形態に係る基板用コネクタの斜視図である。 図2は、実施形態に係る基板用コネクタの平面図である。 図3は、実施形態に係る基板用コネクタの分解斜視図である。 図4は、実施形態に係るケーブルコネクタの分解斜視図である。 図5は、実施形態に係るケーブルコネクタのメス端子を示す斜視図である。 図6は、実施形態に係る基板用コネクタの内部を示す斜視図である。 図7は、実施形態に係る基板用コネクタの内部における接続形態を示す斜視図である。 図8は、実施形態に係る基板用コネクタの内部における接続形態を示す他の斜視図である。 図9は、実施形態に係るインナーシールドの組み付けを説明する斜視図である。 図10は、実施形態に係るアウターシールドの組み付けを説明する斜視図である。 図11は、実施形態に係る基板用コネクタの要部を示す斜視図である。 図12は、実施形態に係る基板用コネクタの要部を示す正面図である。 図13は、実施形態に係る基板用コネクタの断面図である。
以下に、本発明の実施形態に係る基板用コネクタにつき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記の実施形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるものあるいは実質的に同一のものが含まれる。
[実施形態]
図1から図13を参照して、実施形態について説明する。本実施形態は、基板用コネクタに関する。図1は、実施形態に係る基板用コネクタの斜視図、図2は、実施形態に係る基板用コネクタの平面図、図3は、実施形態に係る基板用コネクタの分解斜視図、図4は、実施形態に係るケーブルコネクタの分解斜視図、図5は、実施形態に係るケーブルコネクタのメス端子を示す斜視図、図6は、実施形態に係る基板用コネクタの内部を示す斜視図、図7は、実施形態に係る基板用コネクタの内部における接続形態を示す斜視図、図8は、実施形態に係る基板用コネクタの内部における接続形態を示す他の斜視図、図9は、実施形態に係るインナーシールドの組み付けを説明する斜視図、図10は、実施形態に係るアウターシールドの組み付けを説明する斜視図、図11は、実施形態に係る基板用コネクタの要部を示す斜視図、図12は、実施形態に係る基板用コネクタの要部を示す正面図、図13は、実施形態に係る基板用コネクタの断面図である。
図1乃至図3に示すように、本実施形態に係る基板用コネクタ1は、ハウジング2、ペグ4、端子5、インナーシールド10、およびアウターシールド30を有する。本実施形態の基板用コネクタ1は、通信ケーブル7と基板100に配置された回路とを接続する。通信ケーブル7は、差動伝送用のケーブルであり、例えば、Ethernet(登録商標)ケーブルである。通信ケーブル7は、被覆71に挿通された第一通信線72Aおよび第二通信線72Bを有する(例えば、図4参照)。
基板用コネクタ1の説明において、基板用コネクタ1の軸方向を「第一方向L」と称する。基板用コネクタ1の幅方向を「第二方向W」と称する。第二方向Wは、後述する第一端子5Aおよび第二端子5Bが配列される方向である。基板用コネクタ1の高さ方向を「第三方向H」と称する。第三方向Hは、第一方向Lおよび第二方向Wの何れとも直交する方向である。基板用コネクタ1は、第三方向Hの一方の面(底面)が基板100と対向するように基板100に対して固定される。ハウジング2から見て端子5が接続される側を第一方向Lの「前側」と称し、前側と反対側を「後側」と称する。通信ケーブル7の端部には、ケーブルコネクタ6が接続されている。ケーブルコネクタ6は、基板用コネクタ1に対して後側から接続される。
基板100は、例えば、プリント基板である。基板100は、その表面や内部に形成された回路を有する。また、本実施形態の基板100は、通信回路を有する。通信回路は、基板100に直接形成されていてもよく、通信機能を有するIC(集積回路)等として基板100に実装されていてもよい。図1および図2に示すように、基板100は、第一導体101A、第二導体101B、パッド102A,102B、および接地導体103A,103Bを有する。
第一導体101Aおよび第二導体101Bは、第二方向Wに沿って隣接して配置されている。接地導体103A,103Bは、第二方向Wにおいて第一導体101Aおよび第二導体101Bを間に挟んで配置されている。第二方向Wに沿って、接地導体103A、第一導体101A、第二導体101B、接地導体103Bの順序で並んでいる。パッド102A,102Bは、第一方向Lに沿って第一導体101A、第二導体101B、および接地導体103A,103Bとずらして配置されている。第一導体101Aおよび第二導体101Bは、それぞれ基板100の通信回路に接続されている。通信回路は、通信ケーブル7を介した通信を制御する。
ハウジング2は、基板用コネクタ1の筐体である。ハウジング2は、絶縁性の合成樹脂等で略直方体形状に形成されている。ハウジング2の後側には、ケーブルコネクタ6が挿入される開口が形成されている。端子5は、ハウジング2の内部において、ケーブルコネクタ6を介して通信ケーブル7と電気的に接続される。
図3に示すように、端子5は、第一端子5Aおよび第二端子5Bを有する。第一端子5Aおよび第二端子5Bは、第一接続部51、第二接続部52、および中間部53を有する。第一接続部51、第二接続部52、および中間部53は、銅等の導電性の金属によって一体に形成されている。端子5は、平板状に形成された後に折り曲げられて図3に示す屈曲した形状とされる。第一接続部51は、端子5の一端部であり、第二接続部52は、端子5の他端部である。中間部53は、第一接続部51と第二接続部52との間の部分である。第一接続部51および第二接続部52は、中間部53に対して直交するように折れ曲がっている。第一接続部51および第二接続部52は、中間部53に対して互いに逆方向に向けて折れ曲がっている。
第一端子5Aの第一接続部51は、ハウジング2の第一孔部21Aに挿入される。第二端子5Bの第一接続部51は、ハウジング2の第二孔部21Bに挿入される。図1および図2に示すように、第一端子5Aの第二接続部52は、基板100の第一導体101Aに接続される。第二端子5Bの第二接続部52は、第二導体101Bに接続される。第二接続部52は、例えば、半田によって導体101A,101Bに対して固定される。
インナーシールド10は、ハウジング2に対して後側から挿入され、ハウジング2によって保持される。インナーシールド10は、例えば、導電性を有する金属によって形成されている。インナーシールド10は、平板状に形成された後に折り曲げ加工によって筒状に形成される。本実施形態のインナーシールド10の形状は、断面形状が矩形の筒型形状である。インナーシールド10は、筒状の本体11と、前壁12とを有する。本体11は、頂壁11a、底壁11b、および一対の側壁11cを有する。頂壁11aと底壁11bとは第三方向Hにおいて互いに対向している。一対の側壁11cは、第二方向Wにおいて互いに対向している。ハウジング2に対して組み付けられる前の状態では、頂壁11aと前壁12とが第一方向Lに沿って連続した平板をなしている。
ハウジング2は、インナーシールド10を挿通可能なスリット26を有する。スリット26は、ハウジング2の前面2fに開口している。スリット26は、第一方向Lに沿って延在しており、ハウジング2の内部と外部とを第一方向Lに沿って連通している。前側から見た場合のスリット26の形状は、U字を上下逆にした形状である。インナーシールド10の前壁12、および本体11の一部は、スリット26からハウジング2の外部に突出する。より詳しくは、本体11における頂壁11aの一部、および側壁11cの一部がスリット26から前側に向けて突出する。前壁12は、頂壁11aに対して折り曲げられ、端子5を前側から覆う(図6参照)。
図3に示すように、インナーシールド10の本体11は、ばね部13を有する。ばね部13は、本体11の内部空間に向けて湾曲した板ばねである。ばね部13は、頂壁11aおよび側壁11cに設けられている。ばね部13は、ケーブルコネクタ6のシールド部材9に対して電気的に接触する。ケーブルコネクタ6が基板用コネクタ1に挿入されると、ばね部13がシールド部材9の前側部分9fと接触する。インナーシールド10は、ばね部13を介してシールド部材9と電気的に接続される。
ペグ4は、例えば、導電性を有する金属によって形成されている。図2および図3に示すように、本実施形態の基板用コネクタ1は、ペグ4として、第一ペグ4Aおよび第二ペグ4Bを有する。本実施形態のペグ4の形状は、略矩形である。図3に示すように、ペグ4は、本体40、圧入部41、および接続部42を有する。本体40、圧入部41、および接続部42は、一体に形成されている。
本体40は、矩形の平板状の構成部である。接続部42は、本体40の一端に形成された部分であり、パッド102A,102Bに対して固定される。接続部42は、断面形状が略U字形状となるように折り返されている。第一ペグ4Aの接続部42は、一方のパッド102Aに対して半田等によって固定される。第二ペグ4Bの接続部42は、他方のパッド102Bに対して半田等によって固定される。圧入部41,41は、本体40における接続部42とは反対側の端部に配置されている。圧入部41,41は、接続部42の延在方向に沿って両側に突出している。すなわち、一対の圧入部41,41は、本体40から第一方向Lに沿って互いに反対の方向に向けて突出している。
アウターシールド30は、例えば、導電性を有する金属によって形成されている。図3に示すように、アウターシールド30は、頂壁31、前壁32、および一対の側壁33,33を有する。頂壁31、前壁32、および側壁33,33は、一体に形成されている。頂壁31は、ハウジング2の頂面2cを覆う壁部である。前壁32は、ハウジング2の前面2fを覆う壁部である。側壁33,33は、ハウジング2の側面2a,2bを覆う壁部である。
前壁32および側壁33,33は、頂壁31に対して実質的に直交するように折れ曲がっている。側壁33,33は、第二方向Wにおいて互いに対向する。前壁32は、側壁33,33と実質的に直交している。前壁32には、一対のばね部34が形成されている。一対のばね部34は、第二方向Wに沿って並んで配置されている。ばね部34は、インナーシールド10の前壁12に接触する接点部34aを有する。ばね部34は、片持ち状に形成された板ばねであり、後側に向けてわずかに傾斜している。接点部34aは、後側に向けて湾曲している。前壁32の先端には、一対の脚部37A,37Bが形成されている。一対の脚部37A,37Bは、第二方向Wに沿って並んで配置されている。脚部37A,37Bは、前壁32から前側に向けて突出している。
側壁33,33には、ペグ4および保持部24,25と対応する位置に切り欠き部35が形成されている。切り欠き部35の形状は、例えば、矩形である。側壁33,33には、一対のばね部36が形成されている。一対のばね部36は、第一方向Lに沿って並んで配置されている。ばね部36は、ペグ4に接触する接点部36aを有する。ばね部36は、片持ち状に形成された板ばねであり、頂壁31から遠ざかる方向に向けて切り欠き部35から突出している。接点部36aは、アウターシールド30の内側に向けて湾曲している。
ハウジング2の側面2a,2bには、凹部27が形成されている。アウターシールド30の側壁33,33は、凹部27と係合する凸部38を有する。アウターシールド30は、第三方向Hに沿ってハウジング2に対して相対移動しながらハウジング2に組み付けられる。ハウジング2の凹部27に対してアウターシールド30の凸部38が係合することでハウジング2に対するアウターシールド30の装着が完了する。ハウジング2に対してアウターシールド30が装着されると、アウターシールド30は、ばね部34を介してインナーシールド10と電気的に接続される。また、アウターシールド30は、ばね部36を介してペグ4と電気的に接続される。
図3に示すように、通信ケーブル7の一端にはケーブルコネクタ6が取り付けられている。ケーブルコネクタ6は、後述するように、メス端子82A,82B(図5参照)を内部に有する雌コネクタである。図4に示すように、ケーブルコネクタ6は、アウターハウジング3、インナーハウジング8、およびシールド部材9を有する。アウターハウジング3およびインナーハウジング8は、絶縁性の合成樹脂等で形成されている。インナーハウジング8は、断面形状が略矩形の筒状に形成されている。インナーハウジング8の前面には、第一孔部85Aおよび第二孔部85Bが形成されている。第一孔部85Aおよび第二孔部85Bは、外部空間とインナーハウジング8の内部空間とを連通している。
図5に示すように、インナーハウジング8には、第一メス端子82Aおよび第二メス端子82Bが挿入されている。本実施形態の第一メス端子82Aおよび第二メス端子82Bは、同一の形状を有するメス型の端子である。メス端子82A,82Bは、銅等の導電性の金属によって形成されている。第一メス端子82Aは、第一通信線72Aに接続され、第二メス端子82Bは、第二通信線72Bに接続されている。メス端子82A,82Bは、接続部83および加締め部84を有する。接続部83は、角筒状に形成されており、端子5を受け入れる。加締め部84は、通信線72A,72Bの被覆および芯線に対して加締められる。メス端子82A,82Bは、加締め部84において通信線72A,72Bの芯線に対して電気的に接続されている。端子5の第一接続部51は、接続部83に挿入されて接続部83と電気的に接続される(図8参照)。
図4に示すように、シールド部材9は、本体90およびカバー93を有する。本体90およびカバー93は、例えば、導電性の金属によって形成されている。本体90は、加締め部91および保持部92を有する。保持部92は、加締め部91と一体に形成されている。保持部92は、角形の半筒形状に形成されており、インナーハウジング8と係合する。加締め部91は、保持部92の後端につながっている。カバー93は、角形の半筒形状に形成されている。
カバー93は、保持部92と組み合わされて角筒形状のシールド部を形成する。カバー93の後端には、半筒部93aが形成されている。半筒部93aは、加締め部91と共に、被覆71の末端に対して加締められる。加締め部91と被覆71との間には、通信ケーブル7の編組73が挟み込まれる。編組73は、複数の編組線が交差状に編み込まれた筒状の導体であり、第一通信線72Aおよび第二通信線72Bを覆っている。編組73は、末端部において外側に折り返されており、被覆71を覆っている。シールド部材9は、加締め部91において編組73に対して電気的に接続される。なお、編組73と被覆71との間には、リング形状のスリーブが配置されている。加締め部91は、スリーブとの間に編組73を挟み込むようにして加締められる。
アウターハウジング3は、筒状に形成されており、両端が開放している。本実施形態のアウターハウジング3の形状は、断面形状が矩形の筒形状である。アウターハウジング3は、ロックアーム3bを有する。ロックアーム3bは、後端が自由端である片持ち状のアーム部である。ロックアーム3bには、ハウジング2と係合する係合爪3aが形成されている。ロックアーム3bの後端には、操作部3cが設けられている。作業者は、操作部3cを押し下げることにより、ロックアーム3bとハウジング2との係合を解除することができる。シールド部材9は、アウターハウジング3に対して後側から挿入され、アウターハウジング3と係合する。
ケーブルコネクタ6は、基板用コネクタ1に対して後側から接続される。ケーブルコネクタ6のシールド部材9は、基板用コネクタ1の内部においてインナーシールド10と接続する。図6には、インナーシールド10とシールド部材9との接続状態が示されている。シールド部材9の前側部分は、インナーシールド10の本体11に対して嵌合している。インナーシールド10は、第一端子5Aおよび第二端子5Bを覆っている。端子5は、インナーシールド10の前壁12によって前側から覆われている。また、端子5は、インナーシールド10の側壁11cによって第二方向Wの両側から覆われている。また、端子5は、インナーシールド10の頂壁11aによって基板100とは反対側から覆われている。シールド部材9は、インナーシールド10と共に、筒状のシールドユニットを構成している。このシールドユニットは、端子5と通信ケーブル7との電気的な接続部を覆っている。
図7には、端子5とケーブルコネクタ6との接続状態が示されている。端子5の第一接続部51は、インナーハウジング8の第一孔部85Aおよび第二孔部85Bに挿入されている。端子5は、インナーハウジング8の内部において、図8に示すように第一メス端子82Aおよび第二メス端子82Bと電気的に接続される。
図3、図9および図10を参照して、基板用コネクタ1の組み立て順序について説明する。まず、ハウジング2に対してペグ4が組み付けられる。第一ペグ4Aおよび第二ペグ4Bは、第三方向Hに沿ってハウジング2に取り付けられる。第一ペグ4Aは、ハウジング2の一方の側面2aに取り付けられ、第二ペグ4Bは、ハウジング2の他方の側面2bに取り付けられる。
本実施形態では、ハウジング2に対してペグ4の圧入部41が圧入される。ハウジング2の側面2a,2bには、それぞれ圧入部41を保持する保持部24,25が形成されている。保持部24,25は、第一方向Lにおいて、接続部42が通過可能な隙間をあけて配置されている。保持部24,25は、それぞれ溝24a,25aを有する。保持部24の溝部24aと、保持部25の溝部25aとは第一方向Lにおいて互いに対向している。ペグ4の圧入部41,41は、第三方向Hに沿ってスライドしながら溝24a,25aに圧入される。
ハウジング2にペグ4A,4Bが取り付けられると、次に端子5がハウジング2に組み付けられる。端子5は、中間部53が第三方向Hに沿って延在する姿勢でハウジング2に対して組み付けられる。このときに、第一接続部51は、中間部53から第一方向Lに沿って後側に向けて延在している。第二接続部52は、中間部53から第一方向Lに沿って前側に向けて延在している。第一接続部51は、ハウジング2の前面2fに形成されている孔部21A,21Bに対して挿入される。二つの孔部21A,21Bは、第二方向Wに沿って並んで配置されている。第一端子5Aの第一接続部51は、第一孔部21Aに圧入され第一孔部21Aによって保持される。第二端子5Bの第一接続部51は、第二孔部21Bに圧入され、第二孔部21Bによって保持される。
ハウジング2に端子5が取り付けられると、図9に示すようにインナーシールド10がハウジング2に組み付けられる。インナーシールド10は、前壁12を先頭にしてハウジング2に挿入される。インナーシールド10の前壁12は、ハウジング2のスリット26を通過して前面2fよりも前側に突出する。また、インナーシールド10の側壁11cの一部は、ハウジング2のスリット26を通過して前面2fよりも前側に突出する。インナーシールド10は、ハウジング2によって保持される。
インナーシールド10の前壁12は、図10に示す形状に折り曲げられる。前壁12は、例えば、頂壁11aと直交するように折り曲げられる。前壁12は、一対の側壁11cと係合して端子5を囲む壁を形成する。前壁12は、第一方向Lにおいて端子5の中間部53と対向し、中間部53を前側から覆う。側壁11cは、第二方向Wにおいて中間部53と対向し、中間部53を側方から覆う。前壁12および側壁11cによって端子5のうちハウジング2の外部に露出した部分が囲まれることで、基板用コネクタ1のシールド性が向上する。
インナーシールド10がハウジング2に取り付けられると、図10に示すようにアウターシールド30がハウジング2に対して組み付けられる。図1に示すように、アウターシールド30の側壁33は、ペグ4、および保持部24,25を露出させながらハウジング2を覆う。これにより、側壁33とハウジング2の側面との距離を小さくしてアウターシールド30のシールド性を向上させることができる。また、ハウジング2において、側壁33の切り欠き部35に対応する領域は、ペグ4によってシールドされる。よって、アウターシールド30およびペグ4により、ハウジング2の側面の略全域がシールドされる。
ハウジング2に対してアウターシールド30が装着されると、基板用コネクタ1が完成する。基板用コネクタ1は、基板100に対して取り付けられる。基板用コネクタ1は、図1に示すように、第一端子5Aの第二接続部52が基板100の第一導体101Aと対向し、第二端子5Bの第二接続部52が第二導体101Bと対向するように基板100に載置される。また、基板用コネクタ1は、第一ペグ4Aおよび第二ペグ4Bが基板100のパッド102A,102Bとそれぞれ対向し、かつアウターシールド30の脚部37A,37Bが接地導体103A,103Bとそれぞれ対向するように載置される。
第一端子5Aおよび第二端子5Bの第二接続部52は、第一導体101Aおよび第二導体101Bに対して物理的にかつ電気的に接続される。アウターシールド30の脚部37A,37Bは、接地導体103A,103Bに対して物理的にかつ電気的に接続される。第一ペグ4Aおよび第二ペグ4Bの接続部42は、パッド102A,102Bに対して物理的に接続され、パッド102A,102Bに固定される。本実施形態の基板用コネクタ1では、第二方向Wにおいて、第一端子5Aの第二接続部52と第二端子5Bの第二接続部52との間隔(第一の間隔)が最も狭く、第一ペグ4Aの接続部42と第二ペグ4Bの接続部42との間隔(第二の間隔)が最も広い。脚部37Aと脚部37Bとの間隔(第三の間隔)は、第一の間隔よりも広く、第二の間隔よりも狭い。第一の間隔が第二の間隔および第三の間隔よりも狭いことで、端子5のコプラナリティが低下しにくい。
本実施形態の基板用コネクタ1では、ペグ4とアウターシールド30とが別の部材である。よって、端子5のコプラナリティの確保が容易である。端子5のコプラナリティは、例えば、基板100の実装面に対する第二接続部52の平坦度である。アウターシールド30とペグ4とが別部材であることで、アウターシールド30とペグ4とがまとまった一つの部材である場合と比較して、各部の公差が累積しにくい。例えば、アウターシールド30に脚部37A,37Bおよび接続部42が形成された場合、ハウジング2に対してアウターシールド30が組み付けられたときに、各部の公差が累積されて端子5のコプラナリティが損なわれる可能性がある。
これに対して、本実施形態の基板用コネクタ1では、アウターシールド30および二つのペグ4A,4Bが全て別々にハウジング2に対して組み付けられる。よって、公差が累積されにくく、端子5のコプラナリティが容易に確保される。
ここで、端子5において、ハウジング2の外部に露出した部分では、インピーダンスの値が大きくなりやすい。これに対して、本実施形態の端子5は、図11および図12に示すように、幅広部55を有する。本実施形態の端子5において、幅広部55は、中間部53に形成されている。幅広部55は、中間部53における長手方向の中央部に形成されている。第一端子5Aの幅広部55と、第二端子5Bの幅広部55とは、同じ形状を有し、かつ中間部53における同じ位置に配置されている。
中間部53は、第一端部56および第二端部57を有する。第一端部56は、第一接続部51側の端部であり、幅広部55と第一接続部51とをつないでいる。第二端部57は、第二接続部52側の端部であり、幅広部55と第二接続部52とをつないでいる。幅広部55は、第一端部56および第二端部57の何れと比較しても幅が広い。幅広部55が形成されていることで、端子5における外部に露出した部分のインピーダンスが低下する。その結果、本実施形態の基板用コネクタ1は、端子5のインピーダンスを低下させて所望の値に近づけることができる。
本実施形態の基板用コネクタ1は、更に、ハウジング2に設けられたリブ22を有する。リブ22は、ハウジング2の前面2fから前側に向けて突出している。リブ22は、第一端子5Aと第二端子5Bとの間に配置されており、第一端子5Aと第二端子5Bとの間を仕切っている。本実施形態のリブ22の形状は、略矩形の平板状である。リブ22が配置されていることで、リブ22が配置されていない場合、すなわち第一端子5Aから第二端子5Bまでが空気層である場合と比較して、第一端子5Aおよび第二端子5Bのインピーダンスが低下する。本実施形態のハウジング2は、空気よりも誘電率が大きい材料で形成されており、端子5のインピーダンスを低下させることができる。リブ22は、ハウジング2よりも誘電率が大きい材料で形成されていてもよい。
図12に示すように、リブ22は、第一端子5Aと第二端子5Bとの隙間における中間部に配置されている。また、リブ22は、第一端子5Aおよび第二端子5Bのそれぞれとの間にわずかな隙間を設けて配置されている。リブ22は、第二方向Wにおいて、第一端子5Aまでの距離と、第二端子5Bまでの距離とが等距離となるように配置されている。
第三方向Hにおけるリブ22の延在範囲H1は、幅広部55の延在範囲H2を含んでいる。つまり、幅広部55は、第三方向Hにおいて、リブ22の第一端22tと第二端22bとの間に位置している。第二端22bは、リブ22における基板100側の端であり、図12では、リブ22の下端である。第一端22tは、リブ22における基板100側とは反対側の端であり、図12ではリブ22の上端である。このように、リブ22が第三方向Hに沿って幅広部55を含む広い範囲に配置されていることで、リブ22は端子5のインピーダンスを効果的に低下させることができる。
また、本実施形態のリブ22の延在範囲H1は、中間部53の延在範囲H3を含んでいる。言い換えると、リブ22の延在範囲H1は、中間部53の全体を含むように設定されている。すなわち、リブ22は、二つの端子5A,5Bの幅広部55,55の間を仕切っているだけでなく、第一端部56,56の間および第二端部57,57の間も仕切っている。よって、リブ22は、端子5のインピーダンスを効果的に低下させる。
図13に示すように、リブ22は、第一方向Lに沿って幅広部55よりも前側まで突出している。リブ22の前端22fは、幅広部55の前端55fよりも前側に位置している。このように、リブ22は、ハウジング2の前面2fよりも前側の空間部を、第一端子5Aを収容する空間部と第二端子5Bを収容する空間部とに仕切っている。よって、リブ22は、端子5のインピーダンスを効果的に低下させる。
以上説明したように、本実施形態に係る基板用コネクタ1は、ハウジング2と、第一端子5Aと、第二端子5Bと、を有する。ハウジング2は、基板100に対して固定された絶縁性の筐体である。第一端子5Aは、ハウジング2の内部において通信ケーブル7の第一通信線72Aと電気的に接続され、かつハウジング2の外部において基板100の第一導体101Aに電気的に接続される。第二端子5Bは、ハウジング2の内部において通信ケーブル7の第二通信線72Bと電気的に接続され、かつハウジング2の外部において基板100の第二導体101Bに電気的に接続される。第一導体101Aおよび第二導体101Bは、基板100の回路を構成する導体である。
第一端子5Aおよび第二端子5Bは、ハウジング2の外部に露出した部分である中間部53に、隣接する部分よりも幅広に形成された幅広部55を有する。ここで、本実施形態において、幅広部55に隣接する部分は、第一端部56および第二端部57である。幅広部55は、隣接する第一端部56および第二端部57の何れよりも幅広に形成されている。
ハウジング2は、第一端子5Aの幅広部55と第二端子5Bの幅広部55との間を仕切るリブ22を有する。リブ22によって第一端子5Aの幅広部55と第二端子5Bの幅広部55とが仕切られていることで、第一端子5Aおよび第二端子5Bのインピーダンスが低下する。よって、本実施形態の基板用コネクタ1は、通信性能の向上を図ることができる。
本実施形態の幅広部55は、第一端子5Aおよび第二端子5Bにおける中間部53に配置されている。中間部53は、ハウジング2の前面2fに沿って延在する部分である。リブ22は、前面2fから突出している。よって、本実施形態の基板用コネクタ1は、前面2fおよびリブ22によって幅広部55の周囲を囲むことができ、第一端子5Aおよび第二端子5Bのインピーダンスを低下させることができる。
本実施形態の基板用コネクタ1では、前面2fに沿った方向において、リブ22の延在範囲H1は、幅広部55の延在範囲H2を含んでいる。本実施形態の延在範囲H1,H2は、第三方向Hにおける範囲である。リブ22は、幅広部55の第一端55tから第二端55bまでの全体と対向している。よって、本実施形態のリブ22は、第一端子5Aおよび第二端子5Bのインピーダンスを効果的に低下させることができる。
本実施形態の基板用コネクタ1では、第一方向Lにおいて、リブ22の前端22fは、幅広部55よりも前側に位置している。言い換えると、前面2fに対するリブ22の突出方向において、リブ22の先端は、幅広部55よりも前面2fから遠くに位置している。よって、本実施形態のリブ22は、第一端子5Aおよび第二端子5Bのインピーダンスを効果的に低下させることができる。
[実施形態の変形例]
リブ22の位置および形状は、上記の実施形態で例示した位置および形状には限定されない。例えば、上記実施形態では、リブ22の延在範囲H1は、中間部53の延在範囲H3を含むように設定されていたが、延在範囲H1はこれには限定されない。リブ22の延在範囲H1は、例えば、幅広部55の延在範囲H2に加えて、第一端部56の延在範囲および第二端部57の延在範囲のうち何れか一方を含むように定められてもよい。
上記の実施形態および変形例に開示された内容は、適宜組み合わせて実行することができる。
1 基板用コネクタ
2 ハウジング
2a,2b:側面、 2c:頂面、 2f:前面
3 アウターハウジング
3a:係合爪、 3b:ロックアーム
4 ペグ
4A:第一ペグ、 4B:第二ペグ
5 端子
5A:第一端子、 5B:第二端子
6 ケーブルコネクタ
7 通信ケーブル
8 インナーハウジング
9 シールド部材
9f 前側部分
10 インナーシールド
11 本体
11a:頂壁、 11b:底壁、 11c:側壁
12 前壁
21A 第一孔部
21B 第二孔部
24,25 保持部
24a,25a 溝
26 スリット
27 凹部
30 アウターシールド
31 頂壁
32 前壁
33 側壁
34 ばね部
35 切り欠き部
36 ばね部
37A,37B 脚部
40 本体
41 圧入部
42 接続部
51 第一接続部
51a 凸部
52 第二接続部
53 中間部
54 幅広部
55 幅広部
55t:第一端、 55b:第二端、 55f:前面
56 第一端部
57 第二端部
71 被覆
72A 第一通信線
72B 第二通信線
82A 第一メス端子
82B 第二メス端子
83 端子部
84 加締め部
85A 第一孔部
85B 第二孔部
90 本体
91 加締め部
92 保持部
93 カバー
100 基板
101A 第一導体
101B 第二導体
102A,102B パッド
103A,103B 接地導体

Claims (4)

  1. 基板に対して固定される絶縁性の筐体と、
    前記筐体の内部において通信ケーブルの第一通信線と電気的に接続され、かつ前記筐体の外部において前記基板の回路に電気的に接続される第一端子と、
    前記筐体の内部において前記通信ケーブルの第二通信線と電気的に接続され、かつ前記筐体の外部において前記基板の回路に電気的に接続される第二端子と、
    を備え、
    前記第一端子および前記第二端子は、前記筐体の外部に露出した部分に、隣接する部分よりも幅広に形成された幅広部を有し、
    前記筐体は、前記第一端子の前記幅広部と前記第二端子の前記幅広部との間を仕切るリブを有する
    ことを特徴とする基板用コネクタ。
  2. 前記幅広部は、前記第一端子および前記第二端子における前記筐体の壁面に沿って延在する部分に配置されており、
    前記リブは、前記壁面から突出している
    請求項1に記載の基板用コネクタ。
  3. 前記壁面に沿った方向において、前記リブの延在範囲は、前記幅広部の延在範囲を含んでいる
    請求項2に記載の基板用コネクタ。
  4. 前記壁面に対する前記リブの突出方向において、前記リブの先端は、前記幅広部よりも前記壁面から遠くに位置している
    請求項2または3に記載の基板用コネクタ。
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