JP2012138201A - 基板用コネクタ - Google Patents

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Abstract

【課題】内導体端子におけるインピーダンスを下げることでインピーダンスを基準値に近付けると共に、外導体端子の組み付け作業性を向上させる。
【解決手段】相手方端子に接続される接続部11を備えた内導体端子10と、接続部11の外周を覆う外導体端子30と、内導体端子10と外導体端子30との間に配設される誘電体20と、外導体端子30を内部に収容して回路基板P固定されるコネクタハウジング50とを備えた基板用コネクタであって、内導体端子10は、外導体端子30から露出された内導体リード部14を備え、内導体リード部14は、接続部11よりも拡幅した拡幅部16を備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、基板用コネクタに関する。
自動車等に搭載されるカーナビゲーションシステムなどの各種電気機器には高周波信号を用いるものがあり、そのような高周波信号を伝送するためには同軸ケーブルが使用される。そのため、電気機器の回路基板と同軸ケーブルとを接続する部材として、例えば特許文献1に記載の基板用コネクタが使用されている。この基板用コネクタは、高周波信号を伝送する内導体端子と、内導体端子の外周を覆う絶縁性の誘電体と、誘電体の外周を覆ってアース接続される外導体端子と、これら全てを収容するコネクタハウジングとを備えている。また、内導体端子は、相手方端子に接続される接続部と、接続部の高さ位置から回路基板に向かって内導体端子を屈曲させて回路基板まで延ばした内導体リード部とを備えている。
ところで、この種の基板用コネクタでは、内導体端子のインピーダンスを同軸ケーブルの特性インピーダンスに近付けるようにコントロールすることが重要である。そのため、例えば内導体端子のインピーダンスが同軸ケーブルの特性インピーダンスよりも大きい場合には、内導体端子の外周を外導体端子によって覆うことで内導体端子のインピーダンスを小さくしている。
特開2000−12165号公報
ところが、内導体端子における内導体リード部は、接続部の後端から回路基板に向かって下方に延びて形成されていることから、内導体リード部を外導体端子によって覆う覆い部を設けるなどすると、外導体端子の形状が複雑化する。また、内導体端子及び誘電体を外導体端子に組み付けた後、外導体端子を曲げ加工することで内導体端子の背面を覆うことから、外導体端子の組み付け作業性が悪い。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、外導体端子の形状を複雑化することなく、内導体端子のインピーダンスを同軸ケーブルの特性インピーダンスに近付けるようにすることで、外導体端子の組み付け作業性を向上させることを目的とする。
上記の目的を達成するための手段として本発明は、相手方端子に接続される接続部を備えた内導体端子と、前記内導体端子の前記接続部の外周を覆う外導体端子と、前記内導体端子と前記外導体端子との間に配設される誘電体と、前記外導体端子を内部に収容して回路基板の実装面に固定されるコネクタハウジングとを備えた基板用コネクタであって、前記内導体端子は、前記外導体端子の後方に露出され、前記接続部の後端から前記回路基板側に延びて前記回路基板に接続される内導体リード部を備え、前記内導体リード部は、前記接続部よりも幅広に拡幅して形成された拡幅部を備えているところに特徴を有する。
一般的に内導体リード部が外導体端子から露出した状態においては、内導体リード部のインピーダンスが大きくなる。その点、上記の構成によると、内導体リード部に拡幅部を設けることで拡幅部における幅方向の断面積を大きくし、内導体リード部のインピーダンスを小さくすることができる。これにより、外導体端子の形状を複雑化することなく、内導体端子のインピーダンスを小さくすることができる。また、外導体端子によって内導体端子の後方側を覆う必要がなくなるため、外導体端子の構造を簡素化できると共に、外導体端子の組み付け作業性を向上させることができる。
本発明の実施の態様として、以下の構成が望ましい。
前記内導体端子は、前記接続部と前記内導体リード部との間に位置して、前記外導体端子に覆われ、前記接続部よりも幅広に拡幅して形成された補助拡幅部を備えている構成としてもよい。
このような構成によると、内導体リード部が外導体端子から露出されることで、内導体端子のインピーダンスが大きくなる前に、補助拡幅部によって予めインピーダンスを小さくしておくことで、内導体リード部におけるインピーダンスを、より小さくすることができる。
前記外導体端子は、前記回路基板側に延びて前記回路基板に接続される外導体リード部を備え、前記内導体リード部と前記外導体リード部とは並んで配されている構成としてもよい。
このような構成によると、内導体リード部の側面を外導体リード部によって覆うことで、内導体リード部におけるインピーダンスを更に小さくすることができる。
前記外導体リード部は、外導体端子の両側に一対備えられ、前記両外導体リード部は前記内導体リード部の両側に並んで配置されている構成としてもよい。
このような構成によると、内導体リード部の両側面を両外導体リード部によって両側から覆うことで、一側面を覆う場合に比べて、内導体リード部におけるインピーダンスを更に小さくすることができる。
本発明によれば、外導体端子の形状を複雑化することなく、内導体端子のインピーダンスを同軸ケーブルの特性インピーダンスに近付けるようにすることで、外導体端子の組み付け作業性を向上させることができる。
本実施形態に係る基板用コネクタの斜視図 同平面図 同底面図 同背面図 図2のV−V線断面図 図4のVI−VI線断面図 本実施形態に係る基板用コネクタの分解斜視図 内導体端子の正面図 同平面図 同側面図 外導体端子の平面図 同側面図 同底面図 内導体端子とインピーダンスとの関係を示すグラフ
<実施形態>
本発明の一実施形態について図1乃至図13を参照して説明する。
本実施形態の基板用コネクタは、図5及び図6に示すように、回路基板Pに取り付けられるコネクタハウジング50と、コネクタハウジング50に収容された外導体端子30と、外導体端子30の内部に誘電体20を介して収容された内導体端子10とを備えている。尚、以下の説明において、上下方向とは図5における上下方向を基準とし、前後方向とは図5における左右方向を基準とし、基板用コネクタの嵌合面側(図5の右側)を前側とする。
コネクタハウジング50は、合成樹脂製であって、全体としては前後方向に長い箱型状をなしている。このコネクタハウジング50は、図5に示すように、前方側がフード部51とされ、後方側が端子保持部52とされている。また、コネクタハウジング50の幅方向両側面には、図1及び図7に示すように、基板取付片54が固定された装着溝53が形成されている。この基板取付片54は半田付けによって回路基板Pに固定される。
フード部51は、図5に示すように、前方に向かって開口しており、前方から図示しない相手方コネクタハウジングがフード部51の内部に嵌合される構成になっている。フード部51の開口縁部における天井壁には、ロック爪51Aが突設されている。このロック爪51Aは、フード部51に挿入される相手方コネクタハウジングに係止して両コネクタハウジングを嵌合状態に保持する。
端子保持部52には前後方向に貫通する円孔形状のキャビティ55が設けられている。このため、キャビティ55はフード部51の奥壁51Bと端子保持部52の後方端面とに開口した形態をなしている。
コネクタハウジング50の端子保持部52の後方両側には、後方に向かって延びる一対の保護壁56が延設されている。この保護壁56は、後述するコネクタハウジング50の端子保持部52から露出された内導体端子10及び外導体端子30を幅方向両側から囲むように形成されている。これにより、保護壁56は、図示しない他の部材が内導体端子10及び外導体端子30に接触することを防止する役割を果たしている。
また、コネクタハウジング50の下面には、一対の位置決めボス57が形成されている。この位置決めボス57は、回路基板Pに形成された位置決め孔P1に対して嵌合され、コネクタハウジング50を回路基板Pの所定の位置に位置決めする。
一方、コネクタハウジング50内に収容された外導体端子30は、導電性に優れた金属板をプレスによって打ち抜き形成して、所定の曲げ加工等を施すことによって成形されている。この外導体端子30は、図7及び図12に示すように、円筒形状をなす本体筒部31と、本体筒部31の後端両側に設けられた左右一対の外導体リード部32とを備えて構成されている。また、外導体端子30は、図5に示すように、内導体端子10の外周を覆うことで内導体端子10を電磁的にシールドする役割を果たしている。
本体筒部31は、図5に示すように、コネクタハウジング50のキャビティ55内において端子保持部52を貫通した状態に保持されている。そのため、本体筒部31は端子保持部52の後方端面から突出するとともに、フード部51の奥壁51Bから突出している。また、本体筒部31の内部には誘電体20が収容可能とされている。
本体筒部31には、図6及び図12に示すように、本体筒部31の内側に向かって叩き出し形成した一対の第一圧入突起33が形成されている。
この第一圧入突起33は本体筒部31の左右両側の壁面に設けられている。また、第一圧入突起33は後方から前方に向かって拡がる形状をなしている。第一圧入突起33は、本体筒部31内に誘電体20が挿入されたときに、誘電体20の外面に食い込んで誘電体20を外導体端子30に対して保持固定する役割を果たしている。
また、第一圧入突起33の前方には本体筒部31の外側に向かって叩き出し形成した一対の第二圧入突起34が形成されている。この第二圧入突起34は第一圧入突起33に比べてやや大きく形成されている。また、第二圧入突起34は、第一圧入突起33とは逆に、前方から後方に向かって拡がる形状をなしている。第二圧入突起34は、外導体端子30がキャビティ55内に挿入されたときにキャビティ55の内面に食い込んで外導体端子30をコネクタハウジング50のキャビティ55内に保持固定する役割を果たしている。
また、本体筒部31の底面には、図13に示すように、外導体リード部32の前方に収容溝37が形成されている。この収容溝37は、後述する誘電体20に設けられた位置決めリブ22が収容される構成となっている。
この収容溝37の後方両側縁部には、図12及び図13に示すように、下方に突出した一対の位置決め片38が設けられている。この一対の位置決め片38は、図4に示すように、コネクタハウジング50におけるキャビティ55の底面に設けられたリブ収容凹部58に後方から嵌合される構成となっている。これにより、外導体端子30は第二圧入突起34と共に、位置決め片38によってコネクタハウジング50に対して二重に固定されている。また、両位置決め片38は、外導体端子30がキャビティ55内に収容されるときに、リブ収容凹部58の内側面と摺動することで、外導体端子30をキャビティ55内の所定の位置に案内する役割を果たしている。
一方、外導体リード部32は、本体筒部31の後端部の両側から真っ直ぐ下方に延設され、図5に示すように、コネクタハウジング50の底面50Aとほぼ同じ位置において後方に向かって屈曲されて形成されている。そして、この外導体リード部32の先端部は回路基板Pの上面(実装面)に沿った形態をなす外導体基板接続部35とされている。この外導体基板接続部35は、図11及び図12に示すように、一対の対向状態にある外導体リード部32の下方後端部からそれぞれ反対方向に向くように幅方向に延出し、その延出端部から下方に向かいつつ、後方に曲げられて延びた形態とされている。
一方、誘電体20は、図4及び図7に示すように、全体としては円筒形状をなしている。この誘電体20は、円筒形状をなす誘電体本体21と、誘電体本体21の底面中央部に設けられた位置決めリブ22とを備えて構成されている。
誘電体本体21は、図5及び図6に示すように、外導体端子30の本体筒部31の内周形状とほぼ同一の外周形状をなしている。このため、誘電体20は、外導体端子30の本体筒部31の内周面に外周面を密着させて本体筒部31の先端側に空間を余した状態で収容されている。また、誘電体本体21には、その内部に内導体端子10を収容した端子収容部23が形成されている。
位置決めリブ22は箱型状をなし、その幅寸法は外導体端子30の収容溝37の溝幅寸法とほぼ同一に設けられている。この位置決めリブ22は、外導体端子30の収容溝37に後方から挿入され、図4に示すように、外導体端子30における一対の位置決め片38に挟持されている。これにより、誘電体20は外導体端子30の第一圧入突起33と共に、位置決めリブ22によって外導体端子30に対して二重に固定されている。
また、位置決めリブ22は、誘電体20が外導体端子30に挿入されるときに、位置決め片38と摺動することで、誘電体20を外導体端子30の所定の位置まで案内する役割を果たしている。
誘電体20に収容された内導体端子10は、外導体端子30に比べてやや厚みのある導電性に優れた金属板をプレスによって打ち抜き形成され、所定の曲げ加工等を施すことによって成形されている。
内導体端子10は、図5乃至図7に示すように、先端に位置する接続部11と、接続部11の後方に位置する角型圧入部12と、角型圧入部12の後方に位置する幅広の補助拡幅部13と、補助拡幅部13の後方から回路基板P側に延びる内導体リード部14とを備えて構成されている。
内導体端子10は、誘電体20の端子収容部23の後方から挿入されて、図5及び図6に示すように、誘電体20の前方端面から接続部11が突出した状態に保持固定されている。尚、このとき、誘電体20の前方端面から突出した接続部11は外導体端子30の本体筒部31内に位置するように構成されている。
接続部11は細長い円柱形状に形成され、図示しない相手方コネクタに装着された相手方端子と接続されて、電気的に接続されるようになっている。
角型圧入部12は、接続部11よりも左右方向にやや幅広で、且つ、細長い角柱状に形成されている。また、角型圧入部12の左右両側面には誘電体20の端子収容部23の内面に係止する係止突起12Aがそれぞれ二箇所に設けられている。
補助拡幅部13は、角型圧入部12よりも更に幅広な板状に形成されている。この補助拡幅部13における後端面の中央部には、内導体リード部14が設けられている。内導体リード部14は、図5に示すように、外導体端子30の本体筒部31の後端から露出された状態で、補助拡幅部13の後端面における中央部から下方向に屈曲して延びて、コネクタハウジング50の底面50Aとほぼ同じ位置において更に後方に向かって屈曲したクランク状に形成されている。
また、内導体リード部14の先端部は、回路基板Pの上面に沿った形態をなす内導体基板接続部15とされている。この内導体基板接続部15は、図6に示すように、内導体端子10における接続部11の外径寸法とほぼ同一の幅寸法に形成されている。また、内導体基板接続部15は、図2及び図4に示すように、外導体端子30における一対の外導体基板接続部35によって両側から挟まれ、三本の基板接続部15,35が平行で、且つ、横並びに配された形態となっている。
また、補助拡幅部13の後端面における内導体リード部14の両側は、図7に示すように、押圧面13Aとされ、内導体端子10を誘電体20の端子収容部23に圧入する際に、専用治具によって押圧される面とされている。
一方、誘電体20の端子収容部23は、図6に示すように、前方側が細長の直方体形状をなす端子支持部24とされ、後方側が端子支持部24よりも幅広な端子押さえ部25とされている。
端子支持部24は、内導体端子10の角型圧入部12を収容可能とし、左右両内側面の間隔は角型圧入部12の幅寸法とほぼ同じ寸法に設けられている。これにより、内導体端子10が端子収容部23に収容された状態においては、角型圧入部12の係止突起12Aが、端子支持部24の幅方向両側面に圧入された状態となって内導体端子10を端子収容部23内に保持固定する構成となっている。
端子押さえ部25の上部内面における幅方向両端には、図4に示すように、内側に向かって突出して前後方向に延びる押圧突起25Aが形成されている。この押圧突起25Aは、内導体端子10が端子収容部23に挿入された時に補助拡幅部13の上面を押さえつけて内導体端子10を端子収容部23内に保持固定する構成となっている。
さて、内導体端子10におけるクランク形状をなす内導体リード部14の中央部分には、図8及び図10に示すように、拡幅部16が形成されている。この拡幅部16は板状をなし、内導体端子10の補助拡幅部13と同じ板厚寸法で、且つ、同じ幅寸法に形成されている。すなわち、拡幅部16も、補助拡幅部13と同様、内導体端子10の接続部11に比べて幅広に形成されている。また、拡幅部16は、補助拡幅部13の位置から内導体基板接続部15の位置までのほぼ全高に亘って形成されている。
本実施形態の基板用コネクタは上記のような構造であって、続いてその作用効果を説明する。
高周波信号を伝送する内導体端子10は、そのインピーダンスを所定の基準値に近付けるようにコントロールすることが重要であるため、内導体端子10の外周を外導体端子30によって覆うことでインピーダンスを下げるようにコントロールしている。なお、前記の基準値は回路基板Pの仕様に基づいて決定され、基板用コネクタに嵌合される相手方コネクタに接続された同軸ケーブルの特性インピーダンスと同一とされている。また、本実施形態における基準値は50Ωとされている。
ところで、本実施形態のように、外導体端子30における本体筒部31の後方から内導体リード部14が露出した状態においては、内導体リード部14のインピーダンスが大きくなる。これは、以下に示すインピーダンスの関係式により表わされる。
Z=138/(ε)0.5×log(D/d)
ここで、Zはインピーダンス、εは誘電体の比誘電率、dは円柱状の内導体端子の外径寸法、Dは円筒状の外導体端子の内径寸法である。
したがって、内導体リード部14が外導体端子30及び誘電体20から露出した状態においては、外導体端子の内径寸法が無限大、誘電体の比誘電率が1(空気)となり、インピーダンスZは大きくなる。
ところが、本実施形態によると、内導体リード部14に拡幅部16を設けたことで、内導体リード部14の拡幅部16における幅寸法が、拡幅部16がない場合に比べて大きくなる。これは、内導体リード部14における拡幅部16の幅寸法を円柱状の内導体端子の外径寸法dに近似させることで、インピーダンス関係式における内導体端子の外径寸法dが大きくなった場合と同様であると考えることができる。
このように、本実施形態では、拡幅部16を設けたことで、内導体端子10のインピーダンスを小さくすることができるので、内導体端子10の後方部分を外導体端子30によって覆うことなく、インピーダンスを所定の基準値に近付けることができる。これにより、本実施形態においては、外導体端子30の形状を複雑化することなく、内導体端子10のインピーダンスを所定の基準値に近付けることができる。また、内導体端子10の後方部分を外導体端子30によって覆う必要がないため、外導体端子30の組み付け作業性を向上させることができる。
また、本実施形態においては、内導体端子10の内導体リード部14が外導体端子30から露出される直前の位置に、接続部11に比べて幅広となる補助拡幅部13を形成している。これにより、内導体リード部14が外導体端子30から露出されることで、内導体端子10のインピーダンスが大きくなる前に、補助拡幅部13よって予めインピーダンスを小さくしておくことで、内導体リード部14におけるインピーダンスを、より小さくすることができる。これにより、内導体端子10のインピーダンスを所定の基準値に近付けるようにコントロールすることができる。
更に、本実施形態においては、内導体リード部14における内導体基板接続部15が外導体リード部32における外導体基板接続部35によって両側から挟まれた状態となって、三本が平行状態に並んで配されていることから、内導体基板接続部15においても内導体リード部14におけるインピーダンスを更に小さくすることができる。これにより、内導体端子10のインピーダンスをより所定の基準値に近付けるようにコントロールすることができる。
<実施例>
本発明の実施例について図14を参照して説明する。
本実施例は、外導体端子30内に装着した内導体端子10における各部のインピーダンスと距離との関係を図14に示したものである。なお、本実施例の測定は、TDR測定器を用いて実施しており、本実施形態の基板用コネクタに相手方コネクタを嵌合させ、相手方コネクタから引き出された同軸ケーブルにSMAコネクタを取り付けてTDR測定器によって測定している。
図14に示したグラフにおいて、X軸は内導体端子10の伝送線路上の位置をドット(dot)で表したものであり、Y軸は各位置(ドット)におけるインピーダンス(Ω)の大きさを表したものである。
このグラフには、内導体リード部14の形状が異なる二種類の内導体端子のインピーダンスの測定結果が示されている。グラフ内の実線αは本実施形態における内導体端子10のインピーダンスを示し、破線βは本実施形態の内導体リード部14における拡幅部16がない場合(拡幅部16に該当する部分の幅寸法が、内導体基板接続部15の幅寸法と同一である場合)のインピーダンスを示している。また、図5に示すように、内導体端子10における補助拡幅部13が設けられた部分を範囲A、内導体リード部14における拡幅部16が設けられた部分を範囲B、内導体リード部14における内導体基板接続部15が設けられた部分を範囲Cとし、図14においては、二種類の内導体端子における各範囲A,B,Cに対応するインピーダンスを領域A’,B’,C’で示している。なお、インピーダンスの測定の範囲は、内導体端子が誘電体本体21内に収容された角型圧入部12の前端位置から内導体リード部14の内導体基板接続部15の後端位置までとされ、基準値は50Ωとされている。
ここで、範囲Bにおける二種類の内導体端子のインピーダンスを比較すると、領域B’で示すように、拡幅部16を設けた場合の実線αは、拡幅部16がない場合の破線βに比べてインピーダンスが小さくなっており、インピーダンスを目標値の50Ωに近付けるようにコントロールすることが可能となっている。このように、本実施形態では、拡幅部16を設けたことで、内導体端子10のインピーダンスを小さくすることができる。すなわち、内導体端子の外径寸法dに拡幅部16の幅寸法を近似させることで、前記のインピーダンスの関係式を本実施形態においても適用させることができる。
また、範囲Aにおけるインピーダンスを領域A’で確認すると、内導体端子10における内導体リード部14が外導体端子30から露出される直前の位置に補助拡幅部13を設けたことで、インピーダンスが大きくなる前に、予めインピーダンスを小さくしておくことが可能となっている。これにより、内導体端子10における内導体リード部14のインピーダンスをより基準値50Ωに近付けるようにコントロールすることが可能となっている。
更に、範囲Cにおけるインピーダンスを領域C’で確認すると、内導体基板接続部15が外導体基板接続部35によって両側から挟まれた状態となっていることから、内導体基板接続部15においてもインピーダンスを更に小さくすることが可能となっている。
以上のことから、本実施形態においては、拡幅部16及び補助拡幅部13を設けたことで、内導体端子10のインピーダンスを小さくすることができる。これにより、外導体端子30の形状を複雑化することなく、内導体端子10のインピーダンスを所定の基準値に近付けることができる。また、内導体端子10の後方部分を外導体端子30によって覆う必要がないため、外導体端子30の組み付け作業性を向上させることができる。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、内導体端子10における角型圧入部12の後方に補助拡幅部13を形成することで内導体リード部14が露出される前にインピーダンスを予め小さくする構成としたが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、例えば、内導体リード部14の拡幅部16をより幅広に拡幅することで、補助拡幅部13を形成しない構成としてもよい。
(2)上記実施形態では、内導体リード部14における拡幅部16を幅広にすることで拡幅した形態に構成したが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、例えば、拡幅部16の外形形状が大きくなるように構成すればよい。
10:内導体端子
11:接続部
13:補助拡幅部
14:内導体リード部
16:拡幅部
20:誘電体
30:外導体端子
32:外導体リード部
50:コネクタハウジング

Claims (4)

  1. 相手方端子に接続される接続部を備えた内導体端子と、前記内導体端子の前記接続部の外周を覆う外導体端子と、前記内導体端子と前記外導体端子との間に配設される誘電体と、前記外導体端子を内部に収容して回路基板の実装面に固定されるコネクタハウジングとを備えた基板用コネクタであって、
    前記内導体端子は、前記外導体端子の後方に露出され、前記接続部の後端から前記回路基板側に延びて前記回路基板に接続される内導体リード部を備え、
    前記内導体リード部は、前記接続部よりも拡幅して形成された拡幅部を備えていることを特徴とする基板用コネクタ。
  2. 前記内導体端子は、前記接続部と前記内導体リード部との間に位置して、前記外導体端子に覆われ、前記接続部よりも幅広に拡幅して形成された補助拡幅部を備えていることを特徴とする請求項1記載の基板用コネクタ。
  3. 前記外導体端子は、前記回路基板側に延びて前記回路基板に接続される外導体リード部を備え、
    前記内導体リード部と前記外導体リード部とは並んで配されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の基板用コネクタ。
  4. 前記外導体リード部は、外導体端子の両側に一対備えられ、前記両外導体リード部は前記内導体リード部の両側に並んで配置されていることを特徴とする至請求項3記載の基板用コネクタ。
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