JP2010140775A - 回路基板内蔵コネクタ - Google Patents

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Abstract

【課題】シールド構造を有すると共に、相手方コネクタとの嵌合接続の際に、組み込まれた回路基板との接続部に応力が加わらない回路基板内蔵コネクタを提供すること。
【解決手段】直線形状の内導体端子と、内導体端子が絶縁性のインナーハウジングを介して収容保持される筒形状の外導体端子と、外導体端子が収容保持される端子収容部および該端子収容部に連通して内導体端子と外導体端子のそれぞれに嵌合接続される相手方コネクタが挿入されるコネクタ挿入部を有したアウターハウジングと、内導体端子と外導体端子のそれぞれの基板接続部にハンダ付け接続によって内導体端子および外導体端子に対して垂直に固定される回路基板とを備え、アウターハウジングには端子収容部に連通して回路基板が収容される基板収容部が設けられると共に、回路基板は基板収容部内の壁面に当接することなく浮かされた状態で収容されている。
【選択図】図5

Description

本発明はシールドツイストペア電線や同軸線などのシールド電線と、抵抗、コイル、IC等の各種電子部品が実装された回路基板との接続に用いられるコネクタに関し、更に詳しくは、コネクタのハウジング内に回路基板が組み込まれた回路基板内蔵コネクタに関する。
コネクタは一般に導体の電気的接続に用いるのであるが、コネクタのハウジング内に回路基板を組み込めば、コネクタに様々な機能を持たせることができる。例えば通信回路の分岐点に抵抗やコイル等の電子部品を設けることで、分岐点における信号の反射を減衰することができることから、このような抵抗やコイルが実装された回路基板や、信号の分配・切換を行うICが実装された回路基板などを内蔵したコネクタが提案されている。
従来、このような回路基板内蔵コネクタとして下記特許文献1に開示されているものがある。図6に示されるように、特許文献1に記載される回路基板内蔵コネクタ61は、メス型の端子62、コンデンサ63とIC64が実装された回路基板65、これらを収容するハウジング66を備えている。
回路基板65が収容されるハウジング66の基板収容部66aの内壁面には、リブ66cが形成されており、基板収容部66aの底面の段部66bに載置された回路基板65の端縁をリブ66cが支持することで、基板収容部66aに回路基板65が固定されるようになっている。端子62の後方に設けられた基板接続部62bは、回路基板65のスルーホール65aに嵌入されてハンダS付けにより回路基板65に形成された電気回路と接続されている。また、端子62の前方に設けられた端子接続部62aは、電線の端末に接続された図示しない相手方コンクタが嵌合接続されるようになっている。
特開2005−5168号公報
しかしながら、相手方コネクタと嵌合接続したときに、端子62が後方、つまり回路基板65側に押し込まれることになって回路基板65のハンダS付け接続部に応力が加わり、この接続部に断線などの接続不良が発生する場合がある。
また、このような回路基板内蔵コネクタ61のような構成では、高周波信号を伝送するために、端子62を内導体端子とし、その外周を電磁的にシールドする外導体端子を更に備えたシールド構造としつつ、相手方コネクタとの嵌合接続の際に回路基板65のハンダS付け接続部に応力が加わらないようにすることが難しい。
そこで、本発明が解決する課題は、シールド構造を有すると共に、相手方コネクタとの嵌合接続の際に、組み込まれた回路基板との接続部に応力が加わらない回路基板内蔵コネクタを提供することである。
上記課題を解決するため本発明に係る回路基板内蔵コネクタは、直線形状の内導体端子と、前記内導体端子が絶縁性のインナーハウジングを介して収容保持される筒形状の外導体端子と、前記外導体端子が収容保持される端子収容部および該端子収容部に連通して前記内導体端子と前記外導体端子のそれぞれに嵌合接続される相手方コネクタが挿入されるコネクタ挿入部を有したアウターハウジングと、前記内導体端子と前記外導体端子のそれぞれの基板接続部にハンダ付け接続によって前記内導体端子および前記外導体端子に対して垂直に固定される回路基板とを備え、前記アウターハウジングには前記端子収容部に連通して前記回路基板が収容される基板収容部が設けられると共に、前記回路基板は該基板収容部内の壁面に当接することなく浮かされた状態で収容されていることを要旨とするものである。
このような構成の回路基板内蔵コネクタによれば、内導体端子と外導体端子のそれぞれの基板接続部に固定された回路基板がアウターハウジングの基板収容部内の壁面に当接することなく基板収容部内で浮かされた状態で収容されているので、相手方コネクタがコネクタ挿入部に挿入されて内導体端子と外導体端子に嵌合接続された際に、回路基板のハンダ付け接続部に応力が加わらないことになっている。
これにより内蔵された回路基板と内導体端子および外導体端子の接続の信頼性が向上すると共に、従来技術で説明したような回路基板を基板収容部内に固定するための手段としてのリブや固定ネジ等が不要な構成なので、その分、アウターハウジングの構成を簡略化することができ、回路基板内蔵コネクタの製造にかかるコストを削減することができる。
また、回路基板は内導体端子と外導体端子のそれぞれの基板接続部にハンダ付け接続によって内導体端子および外導体端子に対して垂直に固定されている構成なので、シールド構造を実現しつつ、回路基板の厚さ方向、つまり内導体端子の長手方向においてコネクタを小型化することが可能である。
更に、回路基板に対して垂直に内導体端子が接続された構成なので、同じ長さを有する内導体端子を対になるように設けて、例えば、差動伝送の平衡通信線路として、この対になった内導体端子を用いる場合には、各内導体端子に伝送される電気信号の位相にズレが生じないようにすることが可能である。
この場合、前記回路基板の前記内導体端子と前記外導体端子が接続された側の端子接続面とは反対側の面を覆うように導電性のシールド板が設けられている構成や、更に前記回路基板の前記端子接続面の前記外導体端子が接続された領域を除いた部分にはグランドパターンが形成されている構成にすれば、電子部品が実装された回路基板から放射される電磁波の外部への漏洩量や、回路基板への外部からの電磁波の侵入量を低減してコネクタの耐ノイズ性を向上させることが可能である。
上記構成を有する本発明に係る回路基板内蔵コネクタによれば、アウターハウジングの基板収容部に組み込まれた回路基板が基板収容部内の壁面に当接することなく基板収容部内で浮かされた状態で収容されているので、相手方コネクタがコネクタ収容部に挿入されて内導体端子と外導体端子に嵌合接続された際に回路基板のハンダ付け接続部に応力が加わらず、内蔵された回路基板と内導体端子および外導体端子の接続の信頼性を向上させることが可能である。
以下に、本発明に係る回路基板内蔵コネクタの実施の形態について図面を参照して説明する。図1は回路基板内蔵コネクタの概略構成を示した分解斜視図、図2(a)は回路基板を内蔵する前の状態、図2(b)は回路基板を内蔵した後の状態を示した回路基板内蔵コネクタの外観斜視図である。図3(a)は回路基板内蔵コネクタとこの回路基板内蔵コネクタに嵌合接続される相手方コネクタとしての電線側コネクタの嵌合接続前の状態を示した外観斜視図、図3(b)は電線側コネクタの分解斜視図である。また、図4は回路基板内蔵コネクタと電線側コネクタの嵌合接続前の状態を示した断面図、図5は嵌合接続後の状態を示した断面図である。尚、以下の説明における各コネクタが備える部材においては、図3(a)および図4に示されるように電線側コネクタ20側を前方、回路基板内蔵コネクタ1側を後方として説明する。
先ず、本発明に係る回路基板内蔵コネクタ1に嵌合接続される相手方コネクタとしての電線側コネクタ20について説明する。図3および図4に示されるようにシールドツイストペア電線Wの端末部分に接続される電線側コネクタ20は、電気信号の受け渡しに直接的な役割を担う電線側内導体端子21と、この電線側内導体端子21を電磁的にシールドする電線側外導体端子23と、これら電線側内導体端子21と電線側外導体端子23との間を絶縁状態にする電線側インナーハウジング22と、電線側外導体端子23を収容保持する電線側アウターハウジング26を備える。この場合、電線側コネクタ20には、シールドツイストペア電線Wが備える4本の信号線Waにそれぞれ接続されるように4つの電線側内導体端子21が備えられている。
電線側内導体端子21は、シールドツイストペア電線Wの信号線Waの信号導体Wbに接続されて電気信号を伝達するもので、金属板を打ち抜いた展開形状のものに曲げ加工を施すことにより成形されており、いわゆるメス型と呼ばれる端子形状を有している。この電線側内導体端子21は、後方部に回路基板内蔵コネクタ1が備える基板側内導体端子2と接続される端子接続部21a、前方部に信号線Waの信号導体Wbにカシメ加工により接続される電線接続部21bを有している。
この電線側内導体端子21を収容する電線側インナーハウジング22は、電線側内導体端子21と電線側外導体端子23の両導体間を絶縁状態にするためのもので、樹脂製の絶縁材料により略角柱形状に成形されている。この電線側インナーハウジング22の前方から電線側内導体端子21は挿入されて収容保持される。この場合、電線側インナーハウジング22は、4つの電線側内導体端子21が収容可能となっている。
電線側外導体端子23は、シールドツイストペア電線Wのシールド導体Wdに接続されて4つの電線側内導体端子21の周囲を覆って電磁的にシールドするものである。この電線側外導体端子23は、ケース24と、このケース24に組み付けられるカバー25とから構成される。
ケース24は、金属板を打ち抜いた展開形状のものに曲げ加工を施すことにより成形されており、電線側インナーハウジング22が収容される側面が開口した略箱形状の本体部24aを備えている。この本体部24aの開口部は、カバー25が組み付けられて塞がれるようになっている。
またケース24は、その本体部24aから前方に延設された接続片24bを備えている。この接続片24bには、シールドツイストペア電線Wのシールド導体Wdが被されて、その上からカバー25の前方に延設されたシールド導体圧着片25bとシース圧着片25cがカシメ加工されている。
ケース24の接続片24bの上に被せられたシールド導体Wd上に、カバー25のシールド導体圧着片25bがカシメ加工されると、接続片24bとシールド導体圧着片25bとの間にシールド導体Wdが挟み込まれることになる。これにより電線側コネクタ20が備える電線側外導体端子23とシールドツイストペア電線Wが備えるシールド導体Wdが電気的に接続される。
また、ケース24の接続片24bの上に被せられたシールド導体WdおよびシースWe上に、カバー25のシース圧着片25cがカシメ加工されると、接続片24bとシース圧着片25cとの間にシールド導体WdおよびシースWeが挟み込まれることになる。これにより電線側コネクタ20がシールドツイストペア電線Wの端末部分から容易に抜けないように固定される。
図3(b)に示されるように電線側外導体端子23の側面から側方に突出したガイド片25dが、カバー25から延設されており、電線側アウターハウジング26の端子収容部26aの側壁の内側に凹設されたガイド溝26bに挿入されるようになっている。ガイド溝26bの奥側にはストッパ26cが形成されており、ガイド溝26bに挿入されたガイド片25dの前端が当接することにより前止まりされるようになっている。
電線側アウターハウジング26は、絶縁性の樹脂材料より略角筒状に成形されており、電線側外導体端子23を収容保持する。この場合、電線側外導体端子23は、電線側アウターハウジング26の端子収容部26aに前方から挿入されて収容保持される。
この電線側アウターハウジング26の外壁面には、ロック部26dが撓み変形可能に設けられており、そのロック部26dの外側には突部26eが設けられている。この突部26eが、図3(a)に示されるように回路基板内蔵コネクタ1が備える基板側アウターハウジング5のコネクタ挿入部5aの左右の内壁面に凹設された凹部5bに係止されると、電線側アウターハウジング26はコネクタ収容部5a内で抜け止め状態にされるようになっている。
次に、上述した2つの電線側コネクタ20が嵌合接続される回路基板内蔵コネクタ1について説明する。図1に示されるように、回路基板内蔵コネクタ1は、電気信号の受け渡しに直接的な役割を担う基板側内導体端子2と、この基板側内導体端子2の外周を覆って電磁的に遮蔽する基板側外導体端子4と、これら基板側内導体端子2と基板側外導体端子4との間を絶縁状態にする基板側インナーハウジング3を備えている。この場合、回路基板内蔵コネクタ1には、上述した2つの電線側コネクタ20が備える4つの電線側内導体端子21にそれぞれ嵌合接続される8つの基板側内導体端子2が備えられている。
また、回路基板内蔵コネクタ1は、基板側内導体端子2と基板側外導体端子4を収容保持すると共に、これら基板側内導体端子2と基板側外導体端子4に接続される回路基板6を収容する基板側アウターハウジング5を備えている。
基板側内導体端子2は、金属板の打ち抜きにより直線形状に成形されたもので、タブ状の端子接続部2aと同じくタブ状の基板接続部2bを有したオス型の端子形状となっている。端子接続部2aは上述した電線側コネクタ20が備える電線側内導体端子21の端子接続部21aと嵌合接続される。また、基板接続部2bは回路基板6のスルーホール6bに嵌入されて、ハンダS付けにより回路基板6に形成された信号回路パターン6aと接続されるようになっている(図2(b)参照)。
基板側インナーハウジング3は、樹脂製の絶縁材料より略角柱形状に成形されており、基板側内導体端子2と基板側外導体端子4の導体間を絶縁状態にする役割を担うもので、4つの端子収容孔3bが前後に貫通して形成されている。この端子収容孔3bに収容された基板内導体端子2は、端子接続部2aが基板側インナーハウジング3の前方に突出され、基板接続部2bが基板側インナーハウジング3の後方に突出された状態で保持される。また、図1に示されるように、基板側インナーハウジング3の上面と下面には凸部3aが形成されており、基板側外導体端子4に収容された際に、基板側外導体端子4の上壁と下壁から内側に向かって切り起こし形成されたインナーハウジング係止片4cに係止されて保持されるようになっている。
基板側外導体端子4は、金属板を打ち抜いた展開形状のものに曲げ加工を施すことにより略角筒形状に成形されたもので、上述した電線側コネクタ20が備える電線側外導体端子23と嵌合接続されて、4つの基板側内導体端子2の周囲を覆って電磁的にシールドする。
この基板側外導体端子4は、角筒形状の嵌合部4aを備えており、この嵌合部4aの内側のほぼ中央に基板側インナーハウジング3が収容される。この場合、嵌合部4aの前方の内壁面に電線側外導体端子23の外壁面が挿入されて嵌合接続される(図5参照)。
基板側外導体端子4の嵌合部4aの後端の四隅の角部には、基板接続部4bが後方に向かって突出するように設けられており、この基板接続部4bが回路基板6のスルーホール6eに嵌め込まれて、ハンダS付けにより回路基板6に形成されたグランドパターン6dと接続される(図2(b)参照)。
図4に示されるように回路基板6は、基板側内導体端子2と基板側外導体端子4のそれぞれの基板接続部2bと基板接続部4bに接続されると、これら基板側内導体端子2と基板側外導体端子4の長手方向に対して垂直に固定される。
基板側外導体端子4の嵌合部4aの左右の側壁には外側に向かって切り起こされたアウターハウジング係止片4dが設けられており、基板側アウターハウジング5の端子収容部5cの内壁に設けられた凸部5dに係止されると、基板側外導体端子4は容易に外れないように端子収容部5c内に収容保持される(図4参照)。
図4に示されるように基板側アウターハウジング5は、樹脂製の絶縁材料より略筒形状に成形されており、その内部には前方から後方に向かって順に、電線側コネクタ20が挿入されるコネクタ挿入部5a、基板側外導体端子4を収容保持する端子収容部5c、回路基板6を収容する基板収容部5eがそれぞれ連通して設けられている。また、基板側アウターハウジング5の上面には車体等に基板側アウターハウジング5を固定するロック部5hが設けられている(図1参照)。
図4に示されるように、端子収容部5cに収容保持された基板側外導体端子4は、嵌合部4bの前方部がコネクタ挿入部5a内に突出し、基板接続部4bと共に嵌合部4aの後方部が基板収容部5e内で突出するように配置されている。
図1に示されるように基板側アウターハウジング5の基板収容部5eの後方の開口部5fは、蓋9によって塞がれるようになっている。蓋9の左右の端部から前方に向かって係止片9aが突出して設けられており、この係止片9aが基板収容部5eの左右の側壁の内面に凹設された凹部5gに係止されるようになっている。
図1に示されるように基板側アウターハウジング5の基板収容部5eに収容される回路基板6の後面には、ICなどの電子部品7が実装されると共に、この電子部品7に接続される信号回路パターン6aが形成されている。また、電子部品7と信号回路パターン6aを除いた部分のほぼ全面にはグランドパターン6dが形成されている。
信号パターン6aのスルーホール6bには、基板側内導体端子2の基板接続部2bが回路基板6の前面側から嵌入されて、後面から突出された部分にハンダS付けが施されると、信号パターン6aと基板側内導体端子2が電気的に接続される。また、グランドパターン6dのスルーホール6eには、基板側外導体端子4の基板接続部4bが同じく回路基板6の前面側から挿入されて、後面から突出された部分にハンダS付けが施されると、グランドパターン6dと基板側外導体端子4が電気的に接続される。
また、グランドパターン6dの四隅角部に配置されたスルーホール6gには、回路基板6の後面側からシールド板8の基板接続部8aが嵌入されて接続されるようになっており、回路基板6の後面に設けられた電子部品7と信号回路パターン6aから放射される電磁波の外部への漏洩量や、これらへの外部からの電磁波の侵入量を低減して耐ノイズ性を向上させることができる。この場合、シールド板8は金属板を打ち抜いた展開形状のものに曲げ加工を施すことにより浅底の略箱形状に成形されており、四隅角部の位置に基板接続部8aが前方に向かって突出するように設けられている。
また、図4に示されるように回路基板6の前面、つまり基板側内導体端子2と基板側外導体端子4が接続される側の端子接続面6hにも、グランドパターン6fが形成されている。このグランドパターン6fは、図示されるように少なくとも端子接続面6hの基板側外導体端子4が配置される領域を除いた部分の全面に形成されており、スルーホール6gを介して後面に形成されたグランドパターン6dと導通されている。これにより、回路基板6の前面側、すなわち基板接続面6h側から放射される電磁波の外部への漏洩量や、基板接続面6h側への外部からの電磁波の侵入量を低減して耐ノイズ性を向上させることができる。
このように回路基板6は、その後面を覆うように設けられたシールド板8と、その前面(端子接続面6h)に形成されたグランドパターン6dおよび基板側外導体端子4によって、回路基板6から放射される電磁波の外部への漏洩量や、回路基板6への外部からの電磁波の侵入量が低減されており、回路基板コネクタ1の耐ノイズ性が向上している。
このような回路基板6は、図4に示されるように基板側内導体端子2の基板接続部2bおよび基板側外導体端子4の基板接続部4bとの接続により基板側内導体端子2と基板側外導体端子4に固定されると共に、基板側アウターハウジング5の基板収容部5e内の壁面に当接することなく浮かされた状態で収容されている。
これにより、図5に示されるように電線側コネクタ20が基板側アウターハウジング5のコネクタ挿入部5aに挿入されて、電線側内導体端子21および電線側外導体端子23が基板側内導体端子2および基板側外導体端子4とそれぞれ嵌合接続された際に、回路基板6のハンダS付けされた接続部に応力が加わらないようになっている。したがって、基板側アウターハウジング5に内蔵された回路基板6と基板側内導体端子2および基板側外導体端子4の接続の信頼性が向上されている。
以上説明した回路基板内蔵コネクタ1によれば、直線形状の内導体端子2と、内導体端子2が絶縁性のインナーハウジング3を介して収容保持される筒形状の外導体端子4と、外導体端子4が収容保持される端子収容部5cおよび該端子収容部5cに連通して内導体端子2と外導体端子4のそれぞれに嵌合接続される相手方コネクタ20が挿入されるコネクタ挿入部5aを有したアウターハウジング5と、内導体端子2と外導体端子4のそれぞれの基板接続部2b,4bにハンダS付け接続によって内導体端子2および外導体端子4に対して垂直に固定される回路基板6とを備え、アウターハウジング5には端子収容部5cに連通して回路基板6が収容される基板収容部5eが設けられると共に、回路基板6は該基板収容部5e内の壁面に当接することなく浮かされた状態で収容されているので、相手方コネクタ20がコネクタ挿入部5aに挿入されて内導体端子2と外導体端子4に嵌合接続された際に、ハンダS付け接続部に応力が加わらないようになっている。
つまり、図5に示されるように相手方コネクタ(電線側コネクタ)20をアウターハウジング5のコネクタ挿入部5aに挿入して嵌合接続させたときに加わる応力は、もっぱら外導体端子4のアウターハウジング係止片4dと端子収容部5cの凸部5dの部分、つまり外導体端子4がアウターハウジング5に固定された部分(図中A部)にかかることになるので、回路基板6と内導体端子2および外導体端子4とのハンダS付け接続部には応力がかからないようになっている。
したがって、回路基板内蔵コネクタ1に内蔵された回路基板6と内導体端子2および外導体端子4の接続の信頼性が向上すると共に、従来技術で説明したような回路基板を基板収容部内に固定するための手段としてのリブや固定ネジが不要な構成なので、その分、アウターハウジング5の構成を簡略化することができる。
また、回路基板6は内導体端子2と外導体端子4のそれぞれの基板接続部2b,4bにハンダS付け接続によって内導体端子2および外導体端子4に対して垂直に固定されている構成なので、シールド構造を実現しつつ、回路基板6の厚さ方向、つまり内導体端子2の長手方向において回路基板内蔵コネクタ1を小型化することができる。
更に、回路基板6に対して垂直に内導体端子2が接続された構成なので、同じ長さの内導体端子2を対になるように設けて、例えば、差動伝送の平衡通信線路として、この対になった内導体端子2を用いる場合には、各内導体端子2に伝送される電気信号の位相にズレが生じないようにすることが可能である。
この場合、回路基板6の内導体端子2と外導体端子4が接続された側の端子接続面6hとは反対側の面を覆うように導電性のシールド板8が設けられている構成や、回路基板6の端子接続面6hの外導体端子4が接続された領域を除いた部分にはグランドパターン6fが形成されている構成にすれば、電子部品7が実装された回路基板6から放射される電磁波の外部への漏洩量や、回路基板6への外部からの電磁波の侵入量を低減して耐ノイズ性を向上させることが可能である。
以上、本発明に係る回路基板内蔵コネクタの実施の形態について説明したが、本発明はこうした実施の形態に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施できることは勿論である。例えば、上述した実施形態ではオス型の端子接続部2aを有した内導体端子2を用いて説明したが、電線側コネクタ20が備えるメス型の端子接続部21aを有した内導体端子21と端子接続部同士を入れ替えた構成にしても本発明を適用することができる。また、角筒形状を有した外導体端子2を用いて説明したが、円筒形状のものでも本発明を適用することができる。更に、外導体端子2が樹脂性材料で成形されたものを用いたシールド構造を有しない回路基板内蔵コネクタという構成にしても良く、上述した実施形態には限定されない。
本発明の一実施形態に係る回路基板内蔵コネクタの概略構成を示した分解斜視図である。 (a)は図1の回路基板内蔵コネクタにおいて回路基板を内蔵する前の状態を示した外観斜視図、(b)は回路基板を内蔵した後の状態を示した外観斜視図である。 (a)は回路基板内蔵コネクタとこの回路基板内蔵コネクタに嵌合接続される相手方コネクタとしての電線側コネクタの嵌合接続前の状態を示した外観斜視図、(b)は電線側コネクタの分解斜視図である。 回路基板内蔵コネクタと電線側コネクタの嵌合接続前の状態を示した断面図である。 回路基板内蔵コネクタと電線側コネクタの嵌合接続後の状態を示した断面図である。 従来用いられてきた回路基板内蔵コネクタの概略構成を示した断面図である。
符号の説明
1 回路基板内蔵コネクタ
2 基板側内導体端子
3 基板側インナーハウジング
4 基板側外導体端子
4b 基板接続部
4d アウターハウジング係止片
5 基板側アウターハウジング
5a コネクタ挿入部
5c 端子収容部
5d 凸部
5e 基板収容部
6 回路基板
6a 信号回路パターン
6b スルーホール
6d グランドパターン
6e スルーホール
6f グランドパターン
6g スルーホール
6h 端子接続面
S 半田
7 電子部品
8 シールド板
8a 基板接続部
9 蓋
20 電気側コネクタ
21 電線側内導体端子
22 電線側インナーハウジング
23 電線側外導体端子
W シールドツイストペア電線

Claims (3)

  1. 直線形状の内導体端子と、前記内導体端子が絶縁性のインナーハウジングを介して収容保持される筒形状の外導体端子と、前記外導体端子が収容保持される端子収容部および該端子収容部に連通して前記内導体端子と前記外導体端子のそれぞれに嵌合接続される相手方コネクタが挿入されるコネクタ挿入部を有したアウターハウジングと、前記内導体端子と前記外導体端子のそれぞれの基板接続部にハンダ付け接続によって前記内導体端子および前記外導体端子に対して垂直に固定される回路基板とを備え、前記アウターハウジングには前記端子収容部に連通して前記回路基板が収容される基板収容部が設けられると共に、前記回路基板は該基板収容部内の壁面に当接することなく浮かされた状態で収容されていることを特徴とする回路基板内蔵コネクタ。
  2. 前記回路基板の前記内導体端子と前記外導体端子が接続された側の端子接続面とは反対側の面を覆うように導電性のシールド板が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の回路基板内蔵コネクタ。
  3. 前記回路基板の前記端子接続面の前記外導体端子が接続された領域を除いた部分にはグランドパターンが形成されていることを特徴とする請求項2に記載の回路基板内蔵コネクタ。
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