JP2008060140A - 配線基板収納構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】スルーホール32を形成したプリント配線基板3と、スルーホール32の径よりも大きく弾性を有する圧入部21を成形したコネクタピン2と、このコネクタピン2を支持したケース本体1aおよび蓋体1bとからなるケース1とを備えた配線基板収納構造であって、プリント配線基板3は、コネクタピン2の軸方向においてケース本体1aおよび蓋体1bのいずれにも干渉しないケース1内の基準位置に、スルーホール32に圧入部21を挿入させたときに圧入部21に生じる保持力によって、コネクタピン2を介して支持されて収納されている構造にした。
【選択図】図2
Description
この構成によれば、配線基板がコネクタピンのみによって、ケース内に支持されるため、ケースが熱膨張したとしても、配線基板とケースとが干渉しない状態を維持させることができる。したがって、ケースの熱膨張に伴う電気特性の変化を招くことを防ぐことができる。
この構成によれば、挿入孔が大径部分から外れないようになっているため、ケースが熱膨張した場合だけに限らず、ケースに衝撃が加わった場合であっても、配線基板とケースとが干渉しない状態を維持させることができるため、ケースの熱膨張や衝撃に伴う電気特性の変化を招くことを防ぐことができる。
この構成によれば、あらかじめ実験やシミュレーションを行って、熱膨張によって、前記配線基板が、前記コネクタピンの軸方向において前記ケース本体および前記蓋体のいずれにも干渉しない範囲に製造することで、ケースの熱膨張に伴う電気特性の変化を確実に防ぐことができる。
この構成によれば、あらかじめ実験やシミュレーションを行って、前記挿入孔と前記コネクタピンの前記大径部分との接触抵抗が所定範囲の値となる前記保持力を有する範囲になるように製造することで、ケースの熱膨張や衝撃に伴う電気特性の変化を、許容範囲に抑えることができる。
この構成によれば、規制部材によって、挿入孔が大径部分から外れるのを防止することができる。そのため、ケースが熱膨張した場合だけに限らず、ケースに衝撃が加わった場合であっても、配線基板とケースとが干渉しない状態を維持させることができるため、ケースの熱膨張や衝撃に伴う電気特性の変化を招くことを防ぐことができる。
また、ケース本体1aの内周面には、配線基板3の下方への移動を規制するように、段差状に規制部材15bが備えられている。この規制部材15bは、ケース本体1aに一体成形されたものとするが、帯状体を内周面に沿って配置するようにしてもよい。
ところで、特に、図2の(b)に示すように、この規制部材15bの配線基板3に対向する規制面14aと配線基板3の下方の面との間に距離rが空いている。一方、配線基板3の上方の面には、嵌合突出部(規制部材)16の規制面16aが距離sを空けて配置されている。そのため、配線基板3は、図2中、上方に距離sだけ、かつ、下方に距離rだけの範囲で移動自在になっている。つまり、その範囲で、配線基板3のスルーホール32は、スルーホール32の径よりも大きな径の圧入部(大径部分)21から外れない。そのため、配線基板3は、ケース1に熱や振動が加わって、スルーホール32とコネクタピン2とが嵌合したまま移動しても、規制部材15bと嵌合突出部16とによって、その移動が規制されることになる。
したがって、ケース本体1aや蓋体1bや配線基板3自体が熱膨張して、その容積が増加しても、配線基板3は、ケース本体1aや蓋体1bに接触しないからスルーホール32とコネクタピン2との接続を変化させない。そのため、電気特性が変化することもない。
図4の(a)に示すように、台座50上に載せたケース本体1aの上方から、配線基板3を位置決め部材40によって押し、図4の(b)に示すように、基板標準位置にセットする。
そして、位置決め部材40の枠体4をケース本体1aに被せ、枠体4の端面が台座50と接触するまで力を加えることによって、突出部42が配線基板3の上部を押す。そのため、圧入部21が弾性変形しつつ、コネクタピン2が基板標準位置になるまで、スルーホール32内に押し込まれていく。これによって、配線基板3の位置決めが終了し、位置決め部材40を外した後に、図1等に示すように、蓋体1bをケース本体1aに被せ、シールする。このシールは、例えば、接着剤による接着やレーザ加工による溶着によって行えばよい。
したがって、配線基板3がコネクタピン2の軸方向において、ケース1aおよび蓋体1bのいずれにも干渉しないケース1の基板標準位置に、スルーホール32を介してケース1内に支持されて収納させることができる。
図5の(a)に示すように、配線基板3が上方に移動したとしても、規制面16aによってその動きが規制されている。そのため、配線基板3(スルーホール32)がコネクタピン2から外れて、電気的な接続が絶たれてしまうことがない。
一方、図5の(b)に示すように、配線基板3が下方に移動したとしても、規制面14aによってその動きが規制されている。そのため、配線基板3(スルーホール32)とコネクタピン2との電気的な接続が絶たれることもない。つまり、この場合、外れない範囲が、前記(2)の場合であることが好ましい。
圧入部21の弾性変形によってスルーホール32に与える圧力が、配線基板3の保持力になるため、その保持力と回路基板3の変位(コネクタピン2の軸方向の変位)との間には、例えば、図6の(a)のような変化を示す関係がある。
そのため、圧入部21の軸方向を中心部でスルーホール32に接続しているときが、一番大きい保持力であって、図6中左右で小さくなっている。ここで、保持力の基準値を実験やシミュレーションによって設定し、その基準値以上の範囲の保持力が得られるようにすればよい。つまり、蓋体1bの嵌合突出部(規制部材)16(図2等参照)の規制面16aを、図中「蓋体突当り」の変位のところに設定する。その値が、図2の(b)に示す距離sの位置となる。また、ケース本体1aも同様に設定できるので、そのときの規制面14aを、図中「ケース本体突当り」の変位のところに設定する。その値が、図2の(b)に示す距離rの位置となる。
なお、図6(a)における保持力と変位との関係は、一例を示すものであって、これに限定されるものではなく、基板標準位置で顕著に保持力のピークを有するものであってもよい。このようにすることで、振動に対しても、より安定して保持することができる。
前記実施形態では、ケース本体1aの内周に段差状に規制部材15bを設けた場合を説明したが、プリント配線基板3を受け止める台(受け止め台)として備えるようにしてもよい。この受け止め台の配置位置、配置数、および受け止め台の形状は特に制限はなく適宜に設計することができる。
2 コネクタピン
3 プリント配線基板(配線基板)
14a 規制面
15b 規制部材
16 嵌合突出部(規制部材)
16a 規制面
21 圧入部(大径部分)
S 配線基板収納構造
Claims (5)
- 挿入孔を形成した配線基板と、前記挿入孔の径よりも大きく弾性を有する大径部分を成形したコネクタピンと、前記コネクタピンを支持したケース本体および当該ケースの開口を塞ぐ蓋体とからなるケースとを備えた配線基板収納構造であって、
前記配線基板は、
前記コネクタピンの軸方向において前記ケース本体および前記蓋体のいずれにも干渉しない前記ケース内の基準位置に、前記挿入孔に前記大径部分を挿入させたときに前記大径部分が径方向に生じる保持力によって、前記コネクタピンを介して支持されて収納されていることを特徴とする配線基板収納構造。 - 前記配線基板は、前記配線基板の前記挿入孔が前記コネクタピンの前記大径部分から外れない範囲で移動自在としたことを特徴とする請求項1に記載の配線基板収納構造。
- 前記外れない範囲は、
前記配線基板自体と前記コネクタピンと前記ケース本体と前記蓋体の少なくとも1つの熱膨張によっても、前記配線基板が、前記コネクタピンの軸方向において前記ケース本体および前記蓋体のいずれにも干渉しない範囲であることを特徴とする請求項2に記載の配線基板収納構造。 - 前記外れない範囲は、
前記配線基板が、前記挿入孔と前記コネクタピンの前記大径部分との接触抵抗が所定範囲の値となる前記保持力を有する範囲であることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の配線基板収納構造。 - 前記外れない範囲で、前記回路基板を規制する規制部材を、前記ケース本体および前記蓋体の少なくとも一方に備えたことを特徴とする請求項2から請求項4までのいずれか1項に記載の配線基板収納構造。
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