JP5712611B2 - 基板用コネクタ - Google Patents
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Description
このような構成によると、内導体リード部の側面を外導体リード部によって覆うことで、内導体リード部におけるインピーダンスを更に小さくすることができる。
このような構成によると、内導体リード部の両側面を両外導体リード部によって両側から覆うことで、一側面を覆う場合に比べて、内導体リード部におけるインピーダンスを更に小さくすることができる。
本発明の一実施形態について図1乃至図13を参照して説明する。
本実施形態の基板用コネクタは、図5及び図6に示すように、回路基板Pに取り付けられるコネクタハウジング50と、コネクタハウジング50に収容された外導体端子30と、外導体端子30の内部に誘電体20を介して収容された内導体端子10とを備えている。尚、以下の説明において、上下方向とは図5における上下方向を基準とし、前後方向とは図5における左右方向を基準とし、基板用コネクタの嵌合面側(図5の右側)を前側とする。
端子保持部52には前後方向に貫通する円孔形状のキャビティ55が設けられている。このため、キャビティ55はフード部51の奥壁51Bと端子保持部52の後方端面とに開口した形態をなしている。
また、コネクタハウジング50の下面には、一対の位置決めボス57が形成されている。この位置決めボス57は、回路基板Pに形成された位置決め孔P1に対して嵌合され、コネクタハウジング50を回路基板Pの所定の位置に位置決めする。
この第一圧入突起33は本体筒部31の左右両側の壁面に設けられている。また、第一圧入突起33は後方から前方に向かって拡がる形状をなしている。第一圧入突起33は、本体筒部31内に誘電体20が挿入されたときに、誘電体20の外面に食い込んで誘電体20を外導体端子30に対して保持固定する役割を果たしている。
また、本体筒部31の底面には、図13に示すように、外導体リード部32の前方に収容溝37が形成されている。この収容溝37は、後述する誘電体20に設けられた位置決めリブ22が収容される構成となっている。
また、位置決めリブ22は、誘電体20が外導体端子30に挿入されるときに、位置決め片38と摺動することで、誘電体20を外導体端子30の所定の位置まで案内する役割を果たしている。
内導体端子10は、図5乃至図7に示すように、先端に位置する接続部11と、接続部11の後方に位置する角型圧入部12と、角型圧入部12の後方に位置する幅広の補助拡幅部13と、補助拡幅部13の後方から回路基板P側に延びる内導体リード部14とを備えて構成されている。
接続部11は細長い円柱形状に形成され、図示しない相手方コネクタに装着された相手方端子と接続されて、電気的に接続されるようになっている。
角型圧入部12は、接続部11よりも左右方向にやや幅広で、且つ、細長い角柱状に形成されている。また、角型圧入部12の左右両側面には誘電体20の端子収容部23の内面に係止する係止突起12Aがそれぞれ二箇所に設けられている。
また、補助拡幅部13の後端面における内導体リード部14の両側は、図7に示すように、押圧面13Aとされ、内導体端子10を誘電体20の端子収容部23に圧入する際に、専用治具によって押圧される面とされている。
端子支持部24は、内導体端子10の角型圧入部12を収容可能とし、左右両内側面の間隔は角型圧入部12の幅寸法とほぼ同じ寸法に設けられている。これにより、内導体端子10が端子収容部23に収容された状態においては、角型圧入部12の係止突起12Aが、端子支持部24の幅方向両側面に圧入された状態となって内導体端子10を端子収容部23内に保持固定する構成となっている。
高周波信号を伝送する内導体端子10は、そのインピーダンスを所定の基準値に近付けるようにコントロールすることが重要であるため、内導体端子10の外周を外導体端子30によって覆うことでインピーダンスを下げるようにコントロールしている。なお、前記の基準値は回路基板Pの仕様に基づいて決定され、基板用コネクタに嵌合される相手方コネクタに接続された同軸ケーブルの特性インピーダンスと同一とされている。また、本実施形態における基準値は50Ωとされている。
Z=138/(ε)0.5×log(D/d)
ここで、Zはインピーダンス、εは誘電体の比誘電率、dは円柱状の内導体端子の外径寸法、Dは円筒状の外導体端子の内径寸法である。
したがって、内導体リード部14が外導体端子30及び誘電体20から露出した状態においては、外導体端子の内径寸法が無限大、誘電体の比誘電率が1(空気)となり、インピーダンスZは大きくなる。
ところが、本実施形態によると、内導体リード部14に拡幅部16を設けたことで、内導体リード部14の拡幅部16における幅寸法が、拡幅部16がない場合に比べて大きくなる。これは、内導体リード部14における拡幅部16の幅寸法を円柱状の内導体端子の外径寸法dに近似させることで、インピーダンス関係式における内導体端子の外径寸法dが大きくなった場合と同様であると考えることができる。
このように、本実施形態では、拡幅部16を設けたことで、内導体端子10のインピーダンスを小さくすることができるので、内導体端子10の後方部分を外導体端子30によって覆うことなく、インピーダンスを所定の基準値に近付けることができる。これにより、本実施形態においては、外導体端子30の形状を複雑化することなく、内導体端子10のインピーダンスを所定の基準値に近付けることができる。また、内導体端子10の後方部分を外導体端子30によって覆う必要がないため、外導体端子30の組み付け作業性を向上させることができる。
本発明の実施例について図14を参照して説明する。
本実施例は、外導体端子30内に装着した内導体端子10における各部のインピーダンスと距離との関係を図14に示したものである。なお、本実施例の測定は、TDR測定器を用いて実施しており、本実施形態の基板用コネクタに相手方コネクタを嵌合させ、相手方コネクタから引き出された同軸ケーブルにSMAコネクタを取り付けてTDR測定器によって測定している。
図14に示したグラフにおいて、X軸は内導体端子10の伝送線路上の位置をドット(dot)で表したものであり、Y軸は各位置(ドット)におけるインピーダンス(Ω)の大きさを表したものである。
更に、範囲Cにおけるインピーダンスを領域C’で確認すると、内導体基板接続部15が外導体基板接続部35によって両側から挟まれた状態となっていることから、内導体基板接続部15においてもインピーダンスを更に小さくすることが可能となっている。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態では、内導体端子10における角型圧入部12の後方に補助拡幅部13を形成することで内導体リード部14が露出される前にインピーダンスを予め小さくする構成としたが、参考例として、例えば、内導体リード部14の拡幅部16をより幅広に拡幅することで、補助拡幅部13を形成しない構成としてもよい。
(2)上記実施形態では、内導体リード部14における拡幅部16を幅広にすることで拡幅した形態に構成したが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、例えば、拡幅部16の外形形状が大きくなるように構成すればよい。
11:接続部
13:補助拡幅部
14:内導体リード部
16:拡幅部
20:誘電体
30:外導体端子
32:外導体リード部
50:コネクタハウジング
Claims (3)
- 相手方端子に接続される接続部を備えた内導体端子と、前記内導体端子の前記接続部の外周を覆う外導体端子と、前記内導体端子と前記外導体端子との間に配設される誘電体と、前記外導体端子を内部に収容して回路基板の実装面に固定されるコネクタハウジングとを備えた基板用コネクタであって、
前記外導体端子は、前後に延びる筒形状をなす本体筒部と、前記本体筒部の後端両側から真っ直ぐ下方に延設されて前記回路基板に接続される一対の外導体リード部とを有しており、
前記誘電体は、前記本体筒部の後端開口から後方に臨んだ状態で同本体筒部内に収容されており、
前記内導体端子は、前記外導体端子における前記本体筒部の後端開口から後方に露出され、前記回路基板側に延びて前記回路基板に接続される内導体リード部を備え、
前記内導体リード部は、前記接続部よりも拡幅して形成された拡幅部を備えており、
前記内導体端子は、前記接続部と前記内導体リード部との間に位置して、前記外導体端子に覆われ、前記拡幅部と同じ幅寸法に拡幅して形成された補助拡幅部を具備することにより、前記本体筒部の後端開口から露出した直後の位置が、前記補助拡幅部の後端面を露出させるように前記拡幅部および前記補助拡幅部に比べて幅狭に形成されており、
前記拡幅部は、前記外導体リード部のうち前記本体筒部から真っ直ぐ下方に延設された部分よりも後方に配されることにより前記外導体端子の外側に配されていることを特徴とする基板用コネクタ。 - 前記内導体リード部と前記外導体リード部とは並んで配されていることを特徴とする請求項1に記載の基板用コネクタ。
- 前記一対の外導体リード部は前記内導体リード部の両側に並んで配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の基板用コネクタ。
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