JP2004070207A - 分極反転結晶の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】結晶内への電極材料の拡散を抑制しながらも、電極パターンに従ったより良好な反転領域の形成を可能とする、分極反転結晶の製造方法を提供すること。
【解決手段】結晶基板1の片面の分極反転すべき領域に、半導電層2を介在させて金属電極3を配置し、これに液体電極4を接触させ、該基板1の裏面に配置した電極5との間で分極反転電圧を印加する。半導電層は、(A)厚さ1.0μm以下とし、かつ当該半導電層の上面の任意の位置に選択した1.0mm2の領域とその裏面で対向する領域との間での該領域全体としての層厚方向の抵抗が、層厚を1.0μmとして測定したときに、1×10−6Ω〜1×108Ωであるように形成した層であるか、または(B)抵抗率1×1010Ω・cm以上の絶縁性材料からなり、上記分極反転電圧の印加で強誘電体結晶基板に生じる抗電界によって、絶縁破壊が生じ得るような層厚として形成した層である。
【選択図】 図1
【解決手段】結晶基板1の片面の分極反転すべき領域に、半導電層2を介在させて金属電極3を配置し、これに液体電極4を接触させ、該基板1の裏面に配置した電極5との間で分極反転電圧を印加する。半導電層は、(A)厚さ1.0μm以下とし、かつ当該半導電層の上面の任意の位置に選択した1.0mm2の領域とその裏面で対向する領域との間での該領域全体としての層厚方向の抵抗が、層厚を1.0μmとして測定したときに、1×10−6Ω〜1×108Ωであるように形成した層であるか、または(B)抵抗率1×1010Ω・cm以上の絶縁性材料からなり、上記分極反転電圧の印加で強誘電体結晶基板に生じる抗電界によって、絶縁破壊が生じ得るような層厚として形成した層である。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学結晶の技術分野に属し、特に、分極反転結晶(即ち、周期的分極反転構造が形成された強誘電体結晶)の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、強誘電体結晶基板(以下、結晶基板ともいう)に周期的分極反転構造(以下、分極反転構造ともいう)を形成してなる分極反転結晶を用いた、擬似位相整合による波長変換が盛んに行われている。
【0003】
分極反転構造は、図3(a)、(b)に一例を示すように、結晶基板11中の分極方向を局所的に反転させた構造であって、分極方向を反転させた反転領域R1と、もとの結晶基板の分極方向のままの非反転領域N1とが、所定の周期にてストライプ状に交互に並ぶように形成された構造である。図3(a)では、結晶基板11の表層に分極反転構造が形成され、さらに該構造を横断するように導波路12が形成されている。図3(b)では、結晶基板全体に分極反転構造が形成されており、光路が限定されない所謂バルク型となっている。波長変換すべき入力光L10が非反転領域と反転領域とを交互に通過すると、結晶の非線形光学効果、および分極反転構造の擬似位相整合によって波長変換された出力光L20が発生し出射される。
【0004】
図4(a)〜(c)は、従来の分極反転結晶の製造方法の一例を示す図である。図4(a)の例では、結晶基板(Z板)11の一方の板面(同図の基板上面;+Z面)の分極反転すべき領域にのみ、金属電極21をストライプ状パターン(紙面に垂直に延びている)として配置している。他方の板面(同図の基板下面;−Z面)には、液体電極(液状電解質)31が全面に接触している。液体電極を接触させるための容器などは図示を省略している。
両電極は、それぞれ、反転電圧印加用の電源装置S10(図示せず)に接続されており、両電極間に分極反転電圧を印加すると(+Z面に+電位、−Z面に−電位を与える。図中、電界を矢印で示す)、結晶の自発分極方向が反転し、分極反転結晶が得られる。
【0005】
図4(b)の例は、図4(a)の例をさらに改善したものであって、結晶基板11の一方の板面に、分極反転すべき領域だけが露出するように、絶縁体からなるレジストパターン22を形成し、その上を金属電極層23で一様に覆っている。これによって、分極反転すべき領域にのみ金属電極層23が接触し、反転用電極として作用する。同図の例では、金属電極23上にさらに液体電極24を接触させており、これによって、金属電極23には、全面にわたって均一な電圧を印加させることが可能になっている。他方側の電極は、図4(a)と同様、液体電極31による全面接触である。
【0006】
図4(a)、(b)に示すように、結晶基板に金属電極を直接接触させて行う分極反転加工法では、電極に用いる金属材料が結晶内に拡散し、散乱損失や吸収損失が増加するという問題や、反転電圧印加の際に意図しない大きな電流が流れて結晶が損傷を受けるといった問題が生じる場合がある。
【0007】
このような問題に対して、図4(c)に示すように、結晶基板11の上面と金属電極26との間に絶縁体層25を介在させて分極反転を行う方法が知られている(例えば、特開平3−121425号公報)。同図の例では、金属電極26を電極媒体27で覆うことで、全電極に均一な電圧を印加させることが可能になっている。また、結晶基板の他方側にも、電極媒体32が全面接触している。電極26と結晶との間に絶縁体25を介在させることによって、結晶の損傷や、電極材料の拡散を回避できることが報告されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、本発明者らが、図4(c)に示すような、絶縁体を介在させた電極配置による分極反転を詳細に検討したところ、電極から結晶中への金属材料の拡散は抑制され得るが、その反面、形成される分極反転構造の形状的な品質に新たな問題が生じていることが判った。具体的には、電極形状どおりの形状には反転しない、意図した深さまで反転しない、反転領域内の反転状態が均一でない、反転領域が制御できず余剰な反転を起こしてしまうなどの現象が生じ、電極を直接接触させる場合と比べて、得られる分極反転構造そのものが不完全になるという問題である。
【0009】
本発明の課題は、上記問題を解決し、結晶内への電極材料の拡散を抑制しながらも、電極パターンに従ったより良好な反転領域の形成を可能とする、分極反転結晶の製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、絶縁体層を介在させた電圧印加では、結晶基板の表面に電荷が充分に供給されないために反転状態が不安定になると考え、該絶縁体層の代わりに、特定の導電性を有する半導電層を介在させることによって、電極金属の拡散を防止しながらも、良好な反転状態が得られることを見出し、本発明を完成させた。
【0011】
即ち、本発明は以下の特徴を有するものである。
(1)強誘電体結晶基板の一方の板面の分極反転すべき領域に、下記(A)または(B)の半導電層を介在させて金属電極を配置し、該基板の他方の板面に配置した電極との間で分極反転電圧を印加する工程を有することを特徴とする、分極反転結晶の製造方法。
【0012】
(A)厚さ1.0μm以下の層であって、かつ、当該半導電層の上面の任意の位置に選択した1.0mm2の領域とその裏面で対向する領域との間での該領域全体としての層厚方向の抵抗が、層厚を1.0μmとして測定したときに、1×10−6Ω〜1×108Ωであるように形成されている半導電層。
(B)抵抗率1×1010Ω・cm以上の絶縁性材料からなり、上記分極反転電圧の印加で強誘電体結晶基板に生じる抗電界によって、絶縁破壊が生じ得るような層厚として形成されている半導電層。
【0013】
(2)半導電層が、
(イ)抵抗率1×10−4Ω・cm〜1×1010Ω・cmの半導電性材料からなる層、
(ロ)抵抗率1×1010Ω・cm以上の絶縁性材料を母材としこれに導電性材料をドーピングしてなる層、または、
(ハ)抵抗率1×1010Ω・cm以上の絶縁性材料を用い、結晶欠陥または元素の欠損が生じるように形成した層である、上記(1)記載の製造方法。
【0014】
(3)半導電層を介在させて金属電極を配置する際の、半導電層と金属電極の配置の態様が、
(a)半導電層を強誘電体結晶基板の一方の板面全体に形成し、その上に、分極反転すべき領域に対応させてストライプ状の金属電極を配置する態様、
(b)半導電層を強誘電体結晶基板の一方の板面全体に形成し、その上に、分極反転すべきでない領域に対応させて分極反転電圧が効力を示さない厚さの絶縁体層を形成し、これら半導電層と絶縁体層とを一体的に覆うように金属電極を配置する態様、または、
(c)半導電層を分極反転すべき領域だけに形成し、分極反転すべきでない領域には分極反転電圧が効力を示さない厚さにて絶縁体層を形成し、これら半導電層と絶縁体層とを一体的に覆うように金属電極を配置する態様である、上記(1)記載の製造方法。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の製造方法は、図1に構成の一例を示すように、結晶基板1の一方の板面(図の結晶基板上面)の分極反転すべき領域に、上記(A)または(B)の半導電層2を介在させて金属電極3を配置し、該基板の他方の板面に配置した電極との間で分極反転電圧を印加し、分極反転結晶を製造するものである。同図中、Sは、分極反転電圧を印加するための電源装置であって、液体電極4、5が、電源装置Sの端子に接続されている状態を示している。
【0016】
以下、説明のために、結晶基板の両主面のうち、分極反転構造のパターンに従って電極を配置する側の板面を「上面」、該上面に配置する電極を「上部電極」とも呼ぶ。図1の例では、金属電極3上にさらに液体電極4を接触させている。結晶基板1の他方の板面(下面)には、前記電極3に対向する電極(「下部電極」とも呼ぶ)5を配置する。下部電極は、上部電極と1対1で対応するストライプ状の電極であってもよいが、形成工程の手間と反転パターンに与える影響を鑑みれば、下面全体に接触させる態様が好ましい。下部電極については、公知技術を参照してよい。以下、下部電極の例として、下面全体に液体電極を接触させる態様を挙げて本発明を説明する。
【0017】
図1のように、金属電極3と結晶基板1との間に半導電層2を介在させることによって、先ず、該半導電層2が障壁となって、金属電極材料が結晶中に拡散することが抑制される。しかも、絶縁体層を介在させた場合に比べて、必要な電荷が供給されるので、反転不足や余剰な反転などの問題が解消され、良好な分極反転が形成される。
【0018】
本発明において分極反転加工の対象となる結晶基板の材料は、公知のものであってよく、例えば、LiNbO3、LiTaO3、XATiOXBO4(XA=K、Rb、Tl、Cs、XB=P、As)などの代表的なものや、これらにMgなどの種々の元素をドープしたものが挙げられる。LiNbO3やLiTaO3は、コングルーエント組成であってもストイキオメトリック組成であってもよい。
LiNbO3、LiTaO3などの強誘電体結晶は、第2高調波発生、光パラメトリック発振・増幅、差周波発生、和周波発生などの波長変換を行う素子の材料として好ましく用いられている。また、MgOドープLiNbO3は、特に耐光損傷性に優れた材料である。
【0019】
加工対象とする結晶基板は、Z板や、特定の結晶軸が基板面の法線と特定の角度(オフ角度)をなすようにカットされたオフカット板であってもよい。Z板は、結晶のZ軸の方向が基板面に垂直となるようにカット(所謂、Zカット)された結晶基板であり、本発明の有用性が最も顕著となる素材である。
【0020】
結晶基板の寸法は限定されないが、板状の直方体である場合の寸法例を挙げると、光路方向(図1において紙面の左右方向)の基板寸法が5mm〜70mm程度、光路方向に垂直な断面の寸法が(3mm×70mm)〜(0.2mm×5mm)程度である。これら寸法にて形成した分極反転結晶を、そのまま、または任意に分断・加工して用いればよい。
【0021】
結晶基板の上面に半導電層を介して設けられる上部電極の材料は、従来公知の電極材料であるAl、Au、Cr、Ti、Niなどを用いてよく、これらの金属材料を多層に積層した電極構造としてもよい。
【0022】
半導電層を上記(A)の態様とする場合について説明する。
この場合、層厚は1.0μm以下とする。
また、この場合の半導電層の抵抗値については、層厚を測定用の厚さ1.0μmとして測定し、かつ、該層の上面の任意の位置に、測定の基準となる面積1mm2の領域(以下、「測定基準領域」)を選択して、該測定基準領域全体としての層厚方向の抵抗値を測定したときの抵抗値として規定する。このとき、該抵抗値が、常に1×10−6Ω〜1×108Ωとなるように、材料、組織、不純物の添加などを選択する。
これら層厚と抵抗値との限定によって、該半導電層は、金属電極と結晶との間に良好に介在し、結晶内への電極材料の拡散を抑制しながらも、電極パターンに従ったより良好な反転領域の形成が可能となる。
前記抵抗値の範囲の中でも、より好ましい範囲は、1Ω〜1×108Ωであって、より好ましく必要な電荷を供給でき、かつ金属電極の拡散を防止することができるようになる。
【0023】
上記測定基準領域の外周形状は限定されないが、例えば、正方形は、抵抗値測定のための電極を容易に形成し得る点で、標準として好ましい形状である。
【0024】
結晶基板上に形成された半導電層の抵抗値を測定し確認するためには、該半導電層の上面のみならず、裏面にも抵抗値測定のための電極を配置しなければならならない。そのために該半導電層の裏面の特定領域を露出させるなど、破壊的な測定を行ってもよいが、その破壊的な測定が困難な場合には、該半導電層と同じ形成方法、形成条件にて、抵抗値を容易に測定し得るように、例えば、最初から測定用の電極面上に層形成するなど、測定用厚さ1μmの半導電層を別途形成して測定用サンプルとし、抵抗値測定を行い、これを検査目的の半導電層の抵抗値と見なしてもよい。また、前記測定用サンプルを形成するに際しては、形成方法や形成条件が検査目的の半導電層と異なっていても、形成された結果の半導電層の性質(成分、組織、転位やクラックなどの分布密度など)が同等であれば、測定用サンプルとしてよい。
【0025】
半導電層の抵抗値を測定するに際して、該層へ抵抗値測定用電極を接触させる方法、該抵抗値測定用電極の材料の選択、抵抗値の補正(温度補正、接触抵抗の補正など)など、正しい抵抗値測定のための手法は適宜導入すればよい。なお、抵抗値の測定は、実際の分極反転を行なう場合と同様の温度において行なうことが好ましい。
【0026】
半導電層を上記(A)の態様とする場合、抵抗値を上記(A)の範囲とするための好ましい具体的な態様として、上記(イ)〜(ハ)の態様が挙げられる。これらを、次に順に説明する。
【0027】
上記(イ)の態様は、物質自体の抵抗率(電気固有抵抗)が1×10−4Ω・cm〜1×1010Ω・cmであるような半導電性材料(高抵抗材料ということもできる)によって半導電層を形成する態様である。
このような材料としては、Ni−Cr合金(Ni80%−Cr20%程度)などが挙げられる。
上記半導電性材料を用いて結晶基板面上に半導電層を形成する方法としては、スパッタ,電子ビーム蒸着などが挙げられる。
【0028】
上記(ロ)の態様は、抵抗率が1×1010Ω・cm以上の絶縁性材料を母材とし、該材料に、導電性材料をドーピングすることによって半導電層を形成する態様である。
好ましい絶縁性材料としては、SiO2,TiO2,Al2O3などが挙げられる。
ドーピングに用いる好ましい導電性材料としては、Si,Ti,Ni,Al,Crなどが挙げられる。
【0029】
絶縁性材料に導電性材料をドーピングする方法としては、絶縁体層を形成しながらのドーピング、絶縁体層を形成した後からのドーピングなど、従来公知の不純物添加方法を用いればよい。例えば、前者の方法として、半導電層の形成方法をスパッタリング法とし、そのターゲット材料に、導電性材料をドーパントとして適量含有した絶縁性材料を用いる方法が挙げられる。
絶縁性材料に対する導電性材料の添加量は、上記(A)で規定する抵抗値を満たすように決定すればよい。
【0030】
上記(ハ)の態様は、絶縁性材料を用いて絶縁体層を形成するが、形成の際に、層内に▲1▼欠陥や元素の欠損を意図的に生じさせ、それによって総じて半導電層とする態様である。
ここでいう欠陥とは、電荷を供給する経路となるように、絶縁体層を層厚方向に貫通する空孔(孔径0.001μm〜0.1μm程度)であることが好ましい。また、絶縁体層を結晶成長させたときに生じる転位欠陥であってもよい。また、元素の欠損とは、例えば、SiO2膜における酸素欠損など、電荷の供給に寄与し得る局所的な欠損である。
このような、欠陥、元素の欠損などによって意図した抵抗値となり得るような絶縁性材料としては、例えば、SiO2、Al2O3、TiO2などが挙げられる。また、これらの材料を、意図した量だけ欠陥、元素の欠損などを有するように形成する方法としては、成膜後のイオンエッチング(特に反応性イオンエッチング)が挙げられる。スパッタ、電子ビーム蒸着、スピンコートなどを用いて成膜した後、イオンエッチングを施すことによって、意図した欠陥を作製することができる。
【0031】
上記(イ)〜(ハ)の態様における好ましい層厚は0.001μm〜1.0μmであり、より好ましくは0.01μm〜0.1μmである。
これらの層厚としたときに、必要な電荷の供給と、金属電極の拡散を防止し得る、好ましい半導電層となる。
【0032】
半導電層を上記(B)の態様とする場合について説明する。
この態様は、半導電層の材料として絶縁性材料を用い、層厚を特定の薄さに限定することによって、分極反転加工時に意図的に絶縁破壊を生じさせ、それによって、半導電層としての上記作用効果(半導電層が障壁となって金属電極材料が結晶中に拡散することが抑制され、しかも、絶縁体層を介在させた場合に比べて、必要な電荷が供給されること)を得ようとするものである。
この場合の半導電層は、上記(B)のとおり、抵抗率1×1010Ω・cm以上の絶縁性材料からなり、分極反転加工時に印加される分極反転電圧で強誘電体結晶基板に生じる抗電界によって、絶縁破壊が生じるような薄さとなるよう、層厚が選択されてなる層である、
好ましい絶縁性材料としては、上記したSiO2、TiO2、Al2O3などが挙げられる。
また、上記のような材料を用いた場合、分極反転電圧の印加によって絶縁破壊が生じるような好ましい厚さは0.001μm〜0.01μm程度、特に好ましい厚さは0.001μm〜0.005μmである。
【0033】
上部電極は、半導電層を介在させた状態で、分極反転すべき領域上に配置すればよいが、上記(3)における(a)〜(c)が好ましい半導電層の態様である。これらを、次に順に図を用いて説明する。
【0034】
上記(a)の態様は、図2(a)に示すように、半導電層2を結晶基板1の上面全体に形成し、その上に、分極反転すべき領域に対応させてストライプ状の金属電極3aを配置する態様である。下部電極は図示を省略している。
【0035】
上記(b)の態様は、図1に示すように、半導電層2を結晶基板1の一方の板面全体を覆うように形成し、その上に絶縁体層Rを形成し、さらに、これら半導電層2と絶縁体層Rとを一体的に覆うように金属電極層3を形成する態様である。これによって、分極反転すべき領域には、半導電層2を介して電極3が配置されていることになる。
また、絶縁体層Rは、一様な電極層3に反転電圧を印加したとき、分極反転すべきでない領域に分極反転電圧が実質的に作用し得ない厚さ(1.0μm以上)にて形成すればよい。絶縁体層の材料や形成法は、公知技術を参照してもよい。
【0036】
上記(c)の態様は、半導電層を分極反転すべき領域だけに形成する態様である。
図2(b)は、上記(c)の態様の一例を示している。同図の例では、先ず、結晶基板1の上面全体を覆うように一様厚さの絶縁体層2cを形成し、該層2cのうちの分極反転すべき領域上の部分2aだけを半導電化する。もとの絶縁体層のまま残った部分2bの上には、図1と同様の絶縁体層Rを形成し、さらに、露出している半導電層2aと絶縁体層Rとを一体的に覆うように金属電極層3を形成する。
また、図2(c)に示す例では、例えば、半導電層をフォトリソグラフィ技術を用いて形成し、その上から、フォトリソグラフィ技術を用いて半導電層のない部分に絶縁体層を形成する。さらに、図2(b)の場合と同様、半導電層2と絶縁体層Rとを一体的に覆うように金属電極層3を形成する。
【0037】
上記図2(a)に示す態様では、結晶基板1の上面全体を半導電層2で覆っている。このような場合、半導電層内の電荷の経路が分極反転すべき領域の外側へも広がってしまう場合があり、それによって得られる分極反転領域の形状も、意図せず大きくなってしまう場合がある。
これに対して、上記図2(b)、(c)に示す態様では、半導電層が、分極反転すべき領域上だけに形成されており、しかも、その両側は絶縁体によって充分に厚く覆われている。これによって、半導電層内の電荷の経路は、図2(a)の場合のように外側へ広がるようなことが無くなり、半導電層の直下だけを分極反転することが可能となる。
【0038】
上記(c)の態様としては、上記図2(b)、(c)の例以外にも、図2(a)の態様において、半導電層2を全面の一様な層として形成せず、ストライプ状の金属電極3aの直下だけに形成する態様としてもよい。
【0039】
上記絶縁層Rは、PMMA(ポリメタクリル酸メチル)など公知の材料を用い、フォトリソグラフィーなど公知のパターン形成技術を用いてよい。また、該絶縁層R上を覆う上部電極の形成方法も、スパッタ・電子ビーム蒸着など公知技術を参照してよい。
【0040】
液体電極としては、公知の液体電極法で用いられている液状電界質や、ガリウム、インジウム、水銀などの液体金属などを用いてよい。
液状電界質を構成する溶媒としては、水、ポリオール、またはこれらの混合物などが挙げられる。また、電解質材料としては、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウムなどが挙げられる。
また、図1に示すように、液体電極4、5を、それぞれ金属電極3の上面や結晶基板1の裏面に接触させるために必要な容器(図示せず)、両電極に接続される配線構造、電源装置(制御回路等を含む)Sも、公知の液体電極法で用いられているものを用いてよい。
【0041】
本発明では、下部電極と結晶基板との間にも、必要に応じて半導電層を介在させてもよい。
【0042】
【実施例】
実施例1
本実施例では、図3(b)に示すタイプの分極反転結晶を実際に製造した。
結晶基板として、単分極化処理されたZカットのMgOドープLiNbO3結晶基板を用い、半導電層をSiO2を主体とした上記(ロ)の態様とし、図1に示す態様に従って上部電極、下部電極を構成した。
該結晶基板の寸法は、板厚が0.5mm、板面が(幅)10mm×(光路方向)50mmである。該結晶基板1の+z面、−z面は、光学研磨されている。
【0043】
(半導電層の形成)
図1に示すように、結晶基板1の上面(+Z面)に、スパッタ法を用いてSiドープSiO2膜(厚さ0.005μm)を形成し、半導電層2とした。
【0044】
(半導電層の抵抗値確認)
別途用意した銅板上に、厚さを測定用の厚さ1μmとしたこと以外は、上記半導電層の形成プロセスと全く同様のプロセスにて、半導電層の測定用サンプルを形成し、該サンプルの上面に測定基準領域1mm2の方形電極を形成して抵抗値を測定したところ、50Ωであった。
【0045】
上記半導電層上に、フォトリソグラフィーにより周期的な縞状のマスクパターンを有するレジスト膜を絶縁体層Rとして形成した。縞状のマスクパターンは、帯状のマスク部分と帯状の露出部分(分極反転すべき領域に対応)とが交互に配置されたパターンであって、周期長20μm、マスク部分の幅(非反転長)14μm、帯状の露出部分の幅(反転長)6μmとした。
【0046】
上記絶縁体層Rおよび露出部分を一体的に覆うように厚さ0.3μmのAu層をスパッタリングによって形成し、上部電極(+電極)3とした。
この上部電極3の上面および結晶基板の裏面に、それぞれ液体電極としてLiCl水溶液4を直接接触させ、これら各々と電源とを接続した。
【0047】
上記電極構成とした状態で、結晶温度を100℃に保ち、両電極間に結晶の抗電界に相当する直流電圧(分極反転電圧)を印加し、分極反転結晶を得た。
分極反転結晶の表面をオージェ電子分光分析装置を用いて観察したところ、上部電極の金属材料の拡散はなく、また、絶縁体層を介在させた場合のような不完全な分極反転は見られなかった。
【0048】
比較例
上記実施例1における半導電層の代わりに、アンドープのSiO2からなる絶縁膜(厚さ0.01μm)をスパッタにより形成したこと以外は、上記実施例1と同様に、絶縁体層、上部電極を形成し、分極反転加工を行ったところ、反転領域(5mm×35mm幅)のうち、4割程度しか周期状の反転構造が得られなかった。
【0049】
実施例2
本実施例では、半導電層として、SiO2からなる厚さ0.05μmの膜をスピンコートによって形成し、上記(ハ)の態様としたこと以外は、上記実施例1と同様に分極反転結晶を形成した。
【0050】
スピンコートによりSiO2膜を基板上に作製し、400℃のオーブン中で熱処理して、0.05μm厚の膜を形成した。その後リアクティブイオンエッチング(RIE)により、SiO2膜に欠陥を形成した。実施例1と同様、サンプルを作成して膜抵抗を調べたところ、1×102Ωであった。
【0051】
得られた分極反転結晶の表面には、実施例1と同様、上部電極の金属材料の拡散はなく、また、絶縁体層を介在させた場合のような不完全な分極反転は見られなかった。
【0052】
【発明の効果】
以上のように、半導電層を上部電極と結晶基板との間に介在させることによって、結晶内への電極材料の拡散を抑制しながら、分極反転結晶を製造することができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法を説明する図であって、分極反転電圧を印加するための電極配置構成を模式的に示す断面図である。
【図2】本発明の製造方法における電極配置構成の他の態様を示す図である。
【図3】結晶基板に形成した分極反転構造の例を模式的に示す斜視図である。
【図4】従来の分極反転結晶の製造方法を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
1 強誘電体結晶基板
2 半導電層
3 上部電極(金属電極)
4、5 液体電極
R 絶縁体層
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学結晶の技術分野に属し、特に、分極反転結晶(即ち、周期的分極反転構造が形成された強誘電体結晶)の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、強誘電体結晶基板(以下、結晶基板ともいう)に周期的分極反転構造(以下、分極反転構造ともいう)を形成してなる分極反転結晶を用いた、擬似位相整合による波長変換が盛んに行われている。
【0003】
分極反転構造は、図3(a)、(b)に一例を示すように、結晶基板11中の分極方向を局所的に反転させた構造であって、分極方向を反転させた反転領域R1と、もとの結晶基板の分極方向のままの非反転領域N1とが、所定の周期にてストライプ状に交互に並ぶように形成された構造である。図3(a)では、結晶基板11の表層に分極反転構造が形成され、さらに該構造を横断するように導波路12が形成されている。図3(b)では、結晶基板全体に分極反転構造が形成されており、光路が限定されない所謂バルク型となっている。波長変換すべき入力光L10が非反転領域と反転領域とを交互に通過すると、結晶の非線形光学効果、および分極反転構造の擬似位相整合によって波長変換された出力光L20が発生し出射される。
【0004】
図4(a)〜(c)は、従来の分極反転結晶の製造方法の一例を示す図である。図4(a)の例では、結晶基板(Z板)11の一方の板面(同図の基板上面;+Z面)の分極反転すべき領域にのみ、金属電極21をストライプ状パターン(紙面に垂直に延びている)として配置している。他方の板面(同図の基板下面;−Z面)には、液体電極(液状電解質)31が全面に接触している。液体電極を接触させるための容器などは図示を省略している。
両電極は、それぞれ、反転電圧印加用の電源装置S10(図示せず)に接続されており、両電極間に分極反転電圧を印加すると(+Z面に+電位、−Z面に−電位を与える。図中、電界を矢印で示す)、結晶の自発分極方向が反転し、分極反転結晶が得られる。
【0005】
図4(b)の例は、図4(a)の例をさらに改善したものであって、結晶基板11の一方の板面に、分極反転すべき領域だけが露出するように、絶縁体からなるレジストパターン22を形成し、その上を金属電極層23で一様に覆っている。これによって、分極反転すべき領域にのみ金属電極層23が接触し、反転用電極として作用する。同図の例では、金属電極23上にさらに液体電極24を接触させており、これによって、金属電極23には、全面にわたって均一な電圧を印加させることが可能になっている。他方側の電極は、図4(a)と同様、液体電極31による全面接触である。
【0006】
図4(a)、(b)に示すように、結晶基板に金属電極を直接接触させて行う分極反転加工法では、電極に用いる金属材料が結晶内に拡散し、散乱損失や吸収損失が増加するという問題や、反転電圧印加の際に意図しない大きな電流が流れて結晶が損傷を受けるといった問題が生じる場合がある。
【0007】
このような問題に対して、図4(c)に示すように、結晶基板11の上面と金属電極26との間に絶縁体層25を介在させて分極反転を行う方法が知られている(例えば、特開平3−121425号公報)。同図の例では、金属電極26を電極媒体27で覆うことで、全電極に均一な電圧を印加させることが可能になっている。また、結晶基板の他方側にも、電極媒体32が全面接触している。電極26と結晶との間に絶縁体25を介在させることによって、結晶の損傷や、電極材料の拡散を回避できることが報告されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、本発明者らが、図4(c)に示すような、絶縁体を介在させた電極配置による分極反転を詳細に検討したところ、電極から結晶中への金属材料の拡散は抑制され得るが、その反面、形成される分極反転構造の形状的な品質に新たな問題が生じていることが判った。具体的には、電極形状どおりの形状には反転しない、意図した深さまで反転しない、反転領域内の反転状態が均一でない、反転領域が制御できず余剰な反転を起こしてしまうなどの現象が生じ、電極を直接接触させる場合と比べて、得られる分極反転構造そのものが不完全になるという問題である。
【0009】
本発明の課題は、上記問題を解決し、結晶内への電極材料の拡散を抑制しながらも、電極パターンに従ったより良好な反転領域の形成を可能とする、分極反転結晶の製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、絶縁体層を介在させた電圧印加では、結晶基板の表面に電荷が充分に供給されないために反転状態が不安定になると考え、該絶縁体層の代わりに、特定の導電性を有する半導電層を介在させることによって、電極金属の拡散を防止しながらも、良好な反転状態が得られることを見出し、本発明を完成させた。
【0011】
即ち、本発明は以下の特徴を有するものである。
(1)強誘電体結晶基板の一方の板面の分極反転すべき領域に、下記(A)または(B)の半導電層を介在させて金属電極を配置し、該基板の他方の板面に配置した電極との間で分極反転電圧を印加する工程を有することを特徴とする、分極反転結晶の製造方法。
【0012】
(A)厚さ1.0μm以下の層であって、かつ、当該半導電層の上面の任意の位置に選択した1.0mm2の領域とその裏面で対向する領域との間での該領域全体としての層厚方向の抵抗が、層厚を1.0μmとして測定したときに、1×10−6Ω〜1×108Ωであるように形成されている半導電層。
(B)抵抗率1×1010Ω・cm以上の絶縁性材料からなり、上記分極反転電圧の印加で強誘電体結晶基板に生じる抗電界によって、絶縁破壊が生じ得るような層厚として形成されている半導電層。
【0013】
(2)半導電層が、
(イ)抵抗率1×10−4Ω・cm〜1×1010Ω・cmの半導電性材料からなる層、
(ロ)抵抗率1×1010Ω・cm以上の絶縁性材料を母材としこれに導電性材料をドーピングしてなる層、または、
(ハ)抵抗率1×1010Ω・cm以上の絶縁性材料を用い、結晶欠陥または元素の欠損が生じるように形成した層である、上記(1)記載の製造方法。
【0014】
(3)半導電層を介在させて金属電極を配置する際の、半導電層と金属電極の配置の態様が、
(a)半導電層を強誘電体結晶基板の一方の板面全体に形成し、その上に、分極反転すべき領域に対応させてストライプ状の金属電極を配置する態様、
(b)半導電層を強誘電体結晶基板の一方の板面全体に形成し、その上に、分極反転すべきでない領域に対応させて分極反転電圧が効力を示さない厚さの絶縁体層を形成し、これら半導電層と絶縁体層とを一体的に覆うように金属電極を配置する態様、または、
(c)半導電層を分極反転すべき領域だけに形成し、分極反転すべきでない領域には分極反転電圧が効力を示さない厚さにて絶縁体層を形成し、これら半導電層と絶縁体層とを一体的に覆うように金属電極を配置する態様である、上記(1)記載の製造方法。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の製造方法は、図1に構成の一例を示すように、結晶基板1の一方の板面(図の結晶基板上面)の分極反転すべき領域に、上記(A)または(B)の半導電層2を介在させて金属電極3を配置し、該基板の他方の板面に配置した電極との間で分極反転電圧を印加し、分極反転結晶を製造するものである。同図中、Sは、分極反転電圧を印加するための電源装置であって、液体電極4、5が、電源装置Sの端子に接続されている状態を示している。
【0016】
以下、説明のために、結晶基板の両主面のうち、分極反転構造のパターンに従って電極を配置する側の板面を「上面」、該上面に配置する電極を「上部電極」とも呼ぶ。図1の例では、金属電極3上にさらに液体電極4を接触させている。結晶基板1の他方の板面(下面)には、前記電極3に対向する電極(「下部電極」とも呼ぶ)5を配置する。下部電極は、上部電極と1対1で対応するストライプ状の電極であってもよいが、形成工程の手間と反転パターンに与える影響を鑑みれば、下面全体に接触させる態様が好ましい。下部電極については、公知技術を参照してよい。以下、下部電極の例として、下面全体に液体電極を接触させる態様を挙げて本発明を説明する。
【0017】
図1のように、金属電極3と結晶基板1との間に半導電層2を介在させることによって、先ず、該半導電層2が障壁となって、金属電極材料が結晶中に拡散することが抑制される。しかも、絶縁体層を介在させた場合に比べて、必要な電荷が供給されるので、反転不足や余剰な反転などの問題が解消され、良好な分極反転が形成される。
【0018】
本発明において分極反転加工の対象となる結晶基板の材料は、公知のものであってよく、例えば、LiNbO3、LiTaO3、XATiOXBO4(XA=K、Rb、Tl、Cs、XB=P、As)などの代表的なものや、これらにMgなどの種々の元素をドープしたものが挙げられる。LiNbO3やLiTaO3は、コングルーエント組成であってもストイキオメトリック組成であってもよい。
LiNbO3、LiTaO3などの強誘電体結晶は、第2高調波発生、光パラメトリック発振・増幅、差周波発生、和周波発生などの波長変換を行う素子の材料として好ましく用いられている。また、MgOドープLiNbO3は、特に耐光損傷性に優れた材料である。
【0019】
加工対象とする結晶基板は、Z板や、特定の結晶軸が基板面の法線と特定の角度(オフ角度)をなすようにカットされたオフカット板であってもよい。Z板は、結晶のZ軸の方向が基板面に垂直となるようにカット(所謂、Zカット)された結晶基板であり、本発明の有用性が最も顕著となる素材である。
【0020】
結晶基板の寸法は限定されないが、板状の直方体である場合の寸法例を挙げると、光路方向(図1において紙面の左右方向)の基板寸法が5mm〜70mm程度、光路方向に垂直な断面の寸法が(3mm×70mm)〜(0.2mm×5mm)程度である。これら寸法にて形成した分極反転結晶を、そのまま、または任意に分断・加工して用いればよい。
【0021】
結晶基板の上面に半導電層を介して設けられる上部電極の材料は、従来公知の電極材料であるAl、Au、Cr、Ti、Niなどを用いてよく、これらの金属材料を多層に積層した電極構造としてもよい。
【0022】
半導電層を上記(A)の態様とする場合について説明する。
この場合、層厚は1.0μm以下とする。
また、この場合の半導電層の抵抗値については、層厚を測定用の厚さ1.0μmとして測定し、かつ、該層の上面の任意の位置に、測定の基準となる面積1mm2の領域(以下、「測定基準領域」)を選択して、該測定基準領域全体としての層厚方向の抵抗値を測定したときの抵抗値として規定する。このとき、該抵抗値が、常に1×10−6Ω〜1×108Ωとなるように、材料、組織、不純物の添加などを選択する。
これら層厚と抵抗値との限定によって、該半導電層は、金属電極と結晶との間に良好に介在し、結晶内への電極材料の拡散を抑制しながらも、電極パターンに従ったより良好な反転領域の形成が可能となる。
前記抵抗値の範囲の中でも、より好ましい範囲は、1Ω〜1×108Ωであって、より好ましく必要な電荷を供給でき、かつ金属電極の拡散を防止することができるようになる。
【0023】
上記測定基準領域の外周形状は限定されないが、例えば、正方形は、抵抗値測定のための電極を容易に形成し得る点で、標準として好ましい形状である。
【0024】
結晶基板上に形成された半導電層の抵抗値を測定し確認するためには、該半導電層の上面のみならず、裏面にも抵抗値測定のための電極を配置しなければならならない。そのために該半導電層の裏面の特定領域を露出させるなど、破壊的な測定を行ってもよいが、その破壊的な測定が困難な場合には、該半導電層と同じ形成方法、形成条件にて、抵抗値を容易に測定し得るように、例えば、最初から測定用の電極面上に層形成するなど、測定用厚さ1μmの半導電層を別途形成して測定用サンプルとし、抵抗値測定を行い、これを検査目的の半導電層の抵抗値と見なしてもよい。また、前記測定用サンプルを形成するに際しては、形成方法や形成条件が検査目的の半導電層と異なっていても、形成された結果の半導電層の性質(成分、組織、転位やクラックなどの分布密度など)が同等であれば、測定用サンプルとしてよい。
【0025】
半導電層の抵抗値を測定するに際して、該層へ抵抗値測定用電極を接触させる方法、該抵抗値測定用電極の材料の選択、抵抗値の補正(温度補正、接触抵抗の補正など)など、正しい抵抗値測定のための手法は適宜導入すればよい。なお、抵抗値の測定は、実際の分極反転を行なう場合と同様の温度において行なうことが好ましい。
【0026】
半導電層を上記(A)の態様とする場合、抵抗値を上記(A)の範囲とするための好ましい具体的な態様として、上記(イ)〜(ハ)の態様が挙げられる。これらを、次に順に説明する。
【0027】
上記(イ)の態様は、物質自体の抵抗率(電気固有抵抗)が1×10−4Ω・cm〜1×1010Ω・cmであるような半導電性材料(高抵抗材料ということもできる)によって半導電層を形成する態様である。
このような材料としては、Ni−Cr合金(Ni80%−Cr20%程度)などが挙げられる。
上記半導電性材料を用いて結晶基板面上に半導電層を形成する方法としては、スパッタ,電子ビーム蒸着などが挙げられる。
【0028】
上記(ロ)の態様は、抵抗率が1×1010Ω・cm以上の絶縁性材料を母材とし、該材料に、導電性材料をドーピングすることによって半導電層を形成する態様である。
好ましい絶縁性材料としては、SiO2,TiO2,Al2O3などが挙げられる。
ドーピングに用いる好ましい導電性材料としては、Si,Ti,Ni,Al,Crなどが挙げられる。
【0029】
絶縁性材料に導電性材料をドーピングする方法としては、絶縁体層を形成しながらのドーピング、絶縁体層を形成した後からのドーピングなど、従来公知の不純物添加方法を用いればよい。例えば、前者の方法として、半導電層の形成方法をスパッタリング法とし、そのターゲット材料に、導電性材料をドーパントとして適量含有した絶縁性材料を用いる方法が挙げられる。
絶縁性材料に対する導電性材料の添加量は、上記(A)で規定する抵抗値を満たすように決定すればよい。
【0030】
上記(ハ)の態様は、絶縁性材料を用いて絶縁体層を形成するが、形成の際に、層内に▲1▼欠陥や元素の欠損を意図的に生じさせ、それによって総じて半導電層とする態様である。
ここでいう欠陥とは、電荷を供給する経路となるように、絶縁体層を層厚方向に貫通する空孔(孔径0.001μm〜0.1μm程度)であることが好ましい。また、絶縁体層を結晶成長させたときに生じる転位欠陥であってもよい。また、元素の欠損とは、例えば、SiO2膜における酸素欠損など、電荷の供給に寄与し得る局所的な欠損である。
このような、欠陥、元素の欠損などによって意図した抵抗値となり得るような絶縁性材料としては、例えば、SiO2、Al2O3、TiO2などが挙げられる。また、これらの材料を、意図した量だけ欠陥、元素の欠損などを有するように形成する方法としては、成膜後のイオンエッチング(特に反応性イオンエッチング)が挙げられる。スパッタ、電子ビーム蒸着、スピンコートなどを用いて成膜した後、イオンエッチングを施すことによって、意図した欠陥を作製することができる。
【0031】
上記(イ)〜(ハ)の態様における好ましい層厚は0.001μm〜1.0μmであり、より好ましくは0.01μm〜0.1μmである。
これらの層厚としたときに、必要な電荷の供給と、金属電極の拡散を防止し得る、好ましい半導電層となる。
【0032】
半導電層を上記(B)の態様とする場合について説明する。
この態様は、半導電層の材料として絶縁性材料を用い、層厚を特定の薄さに限定することによって、分極反転加工時に意図的に絶縁破壊を生じさせ、それによって、半導電層としての上記作用効果(半導電層が障壁となって金属電極材料が結晶中に拡散することが抑制され、しかも、絶縁体層を介在させた場合に比べて、必要な電荷が供給されること)を得ようとするものである。
この場合の半導電層は、上記(B)のとおり、抵抗率1×1010Ω・cm以上の絶縁性材料からなり、分極反転加工時に印加される分極反転電圧で強誘電体結晶基板に生じる抗電界によって、絶縁破壊が生じるような薄さとなるよう、層厚が選択されてなる層である、
好ましい絶縁性材料としては、上記したSiO2、TiO2、Al2O3などが挙げられる。
また、上記のような材料を用いた場合、分極反転電圧の印加によって絶縁破壊が生じるような好ましい厚さは0.001μm〜0.01μm程度、特に好ましい厚さは0.001μm〜0.005μmである。
【0033】
上部電極は、半導電層を介在させた状態で、分極反転すべき領域上に配置すればよいが、上記(3)における(a)〜(c)が好ましい半導電層の態様である。これらを、次に順に図を用いて説明する。
【0034】
上記(a)の態様は、図2(a)に示すように、半導電層2を結晶基板1の上面全体に形成し、その上に、分極反転すべき領域に対応させてストライプ状の金属電極3aを配置する態様である。下部電極は図示を省略している。
【0035】
上記(b)の態様は、図1に示すように、半導電層2を結晶基板1の一方の板面全体を覆うように形成し、その上に絶縁体層Rを形成し、さらに、これら半導電層2と絶縁体層Rとを一体的に覆うように金属電極層3を形成する態様である。これによって、分極反転すべき領域には、半導電層2を介して電極3が配置されていることになる。
また、絶縁体層Rは、一様な電極層3に反転電圧を印加したとき、分極反転すべきでない領域に分極反転電圧が実質的に作用し得ない厚さ(1.0μm以上)にて形成すればよい。絶縁体層の材料や形成法は、公知技術を参照してもよい。
【0036】
上記(c)の態様は、半導電層を分極反転すべき領域だけに形成する態様である。
図2(b)は、上記(c)の態様の一例を示している。同図の例では、先ず、結晶基板1の上面全体を覆うように一様厚さの絶縁体層2cを形成し、該層2cのうちの分極反転すべき領域上の部分2aだけを半導電化する。もとの絶縁体層のまま残った部分2bの上には、図1と同様の絶縁体層Rを形成し、さらに、露出している半導電層2aと絶縁体層Rとを一体的に覆うように金属電極層3を形成する。
また、図2(c)に示す例では、例えば、半導電層をフォトリソグラフィ技術を用いて形成し、その上から、フォトリソグラフィ技術を用いて半導電層のない部分に絶縁体層を形成する。さらに、図2(b)の場合と同様、半導電層2と絶縁体層Rとを一体的に覆うように金属電極層3を形成する。
【0037】
上記図2(a)に示す態様では、結晶基板1の上面全体を半導電層2で覆っている。このような場合、半導電層内の電荷の経路が分極反転すべき領域の外側へも広がってしまう場合があり、それによって得られる分極反転領域の形状も、意図せず大きくなってしまう場合がある。
これに対して、上記図2(b)、(c)に示す態様では、半導電層が、分極反転すべき領域上だけに形成されており、しかも、その両側は絶縁体によって充分に厚く覆われている。これによって、半導電層内の電荷の経路は、図2(a)の場合のように外側へ広がるようなことが無くなり、半導電層の直下だけを分極反転することが可能となる。
【0038】
上記(c)の態様としては、上記図2(b)、(c)の例以外にも、図2(a)の態様において、半導電層2を全面の一様な層として形成せず、ストライプ状の金属電極3aの直下だけに形成する態様としてもよい。
【0039】
上記絶縁層Rは、PMMA(ポリメタクリル酸メチル)など公知の材料を用い、フォトリソグラフィーなど公知のパターン形成技術を用いてよい。また、該絶縁層R上を覆う上部電極の形成方法も、スパッタ・電子ビーム蒸着など公知技術を参照してよい。
【0040】
液体電極としては、公知の液体電極法で用いられている液状電界質や、ガリウム、インジウム、水銀などの液体金属などを用いてよい。
液状電界質を構成する溶媒としては、水、ポリオール、またはこれらの混合物などが挙げられる。また、電解質材料としては、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウムなどが挙げられる。
また、図1に示すように、液体電極4、5を、それぞれ金属電極3の上面や結晶基板1の裏面に接触させるために必要な容器(図示せず)、両電極に接続される配線構造、電源装置(制御回路等を含む)Sも、公知の液体電極法で用いられているものを用いてよい。
【0041】
本発明では、下部電極と結晶基板との間にも、必要に応じて半導電層を介在させてもよい。
【0042】
【実施例】
実施例1
本実施例では、図3(b)に示すタイプの分極反転結晶を実際に製造した。
結晶基板として、単分極化処理されたZカットのMgOドープLiNbO3結晶基板を用い、半導電層をSiO2を主体とした上記(ロ)の態様とし、図1に示す態様に従って上部電極、下部電極を構成した。
該結晶基板の寸法は、板厚が0.5mm、板面が(幅)10mm×(光路方向)50mmである。該結晶基板1の+z面、−z面は、光学研磨されている。
【0043】
(半導電層の形成)
図1に示すように、結晶基板1の上面(+Z面)に、スパッタ法を用いてSiドープSiO2膜(厚さ0.005μm)を形成し、半導電層2とした。
【0044】
(半導電層の抵抗値確認)
別途用意した銅板上に、厚さを測定用の厚さ1μmとしたこと以外は、上記半導電層の形成プロセスと全く同様のプロセスにて、半導電層の測定用サンプルを形成し、該サンプルの上面に測定基準領域1mm2の方形電極を形成して抵抗値を測定したところ、50Ωであった。
【0045】
上記半導電層上に、フォトリソグラフィーにより周期的な縞状のマスクパターンを有するレジスト膜を絶縁体層Rとして形成した。縞状のマスクパターンは、帯状のマスク部分と帯状の露出部分(分極反転すべき領域に対応)とが交互に配置されたパターンであって、周期長20μm、マスク部分の幅(非反転長)14μm、帯状の露出部分の幅(反転長)6μmとした。
【0046】
上記絶縁体層Rおよび露出部分を一体的に覆うように厚さ0.3μmのAu層をスパッタリングによって形成し、上部電極(+電極)3とした。
この上部電極3の上面および結晶基板の裏面に、それぞれ液体電極としてLiCl水溶液4を直接接触させ、これら各々と電源とを接続した。
【0047】
上記電極構成とした状態で、結晶温度を100℃に保ち、両電極間に結晶の抗電界に相当する直流電圧(分極反転電圧)を印加し、分極反転結晶を得た。
分極反転結晶の表面をオージェ電子分光分析装置を用いて観察したところ、上部電極の金属材料の拡散はなく、また、絶縁体層を介在させた場合のような不完全な分極反転は見られなかった。
【0048】
比較例
上記実施例1における半導電層の代わりに、アンドープのSiO2からなる絶縁膜(厚さ0.01μm)をスパッタにより形成したこと以外は、上記実施例1と同様に、絶縁体層、上部電極を形成し、分極反転加工を行ったところ、反転領域(5mm×35mm幅)のうち、4割程度しか周期状の反転構造が得られなかった。
【0049】
実施例2
本実施例では、半導電層として、SiO2からなる厚さ0.05μmの膜をスピンコートによって形成し、上記(ハ)の態様としたこと以外は、上記実施例1と同様に分極反転結晶を形成した。
【0050】
スピンコートによりSiO2膜を基板上に作製し、400℃のオーブン中で熱処理して、0.05μm厚の膜を形成した。その後リアクティブイオンエッチング(RIE)により、SiO2膜に欠陥を形成した。実施例1と同様、サンプルを作成して膜抵抗を調べたところ、1×102Ωであった。
【0051】
得られた分極反転結晶の表面には、実施例1と同様、上部電極の金属材料の拡散はなく、また、絶縁体層を介在させた場合のような不完全な分極反転は見られなかった。
【0052】
【発明の効果】
以上のように、半導電層を上部電極と結晶基板との間に介在させることによって、結晶内への電極材料の拡散を抑制しながら、分極反転結晶を製造することができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法を説明する図であって、分極反転電圧を印加するための電極配置構成を模式的に示す断面図である。
【図2】本発明の製造方法における電極配置構成の他の態様を示す図である。
【図3】結晶基板に形成した分極反転構造の例を模式的に示す斜視図である。
【図4】従来の分極反転結晶の製造方法を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
1 強誘電体結晶基板
2 半導電層
3 上部電極(金属電極)
4、5 液体電極
R 絶縁体層
Claims (3)
- 強誘電体結晶基板の一方の板面の分極反転すべき領域に、下記(A)または(B)の半導電層を介在させて金属電極を配置し、該基板の他方の板面に配置した電極との間で分極反転電圧を印加する工程を有することを特徴とする、分極反転結晶の製造方法。
(A)厚さ1.0μm以下の層であって、かつ、当該半導電層の上面の任意の位置に選択した1.0mm2の領域とその裏面で対向する領域との間での該領域全体としての層厚方向の抵抗が、層厚を1.0μmとして測定したときに、1×10−6Ω〜1×108Ωであるように形成されている半導電層。
(B)抵抗率1×1010Ω・cm以上の絶縁性材料からなり、上記分極反転電圧の印加で強誘電体結晶基板に生じる抗電界によって、絶縁破壊が生じ得るような層厚として形成されている半導電層。 - 半導電層が、
(イ)抵抗率1×10−4Ω・cm〜1×1010Ω・cmの材料からなる層、
(ロ)抵抗率1×1010Ω・cm以上の絶縁性材料を母材としこれに導電性材料をドーピングしてなる層、または、
(ハ)抵抗率1×1010Ω・cm以上の絶縁性材料を用い、結晶欠陥または元素の欠損が生じるように形成した層である、
請求項1記載の製造方法。 - 半導電層を介在させて金属電極を配置する際の、半導電層と金属電極の配置の態様が、
(a)半導電層を強誘電体結晶基板の一方の板面全体に形成し、その上に、分極反転すべき領域に対応させてストライプ状の金属電極を配置する態様、
(b)半導電層を強誘電体結晶基板の一方の板面全体に形成し、その上に、分極反転すべきでない領域に対応させて分極反転電圧が効力を示さない厚さの絶縁体層を形成し、これら半導電層と絶縁体層とを一体的に覆うように金属電極を配置する態様、または、
(c)半導電層を分極反転すべき領域だけに形成し、分極反転すべきでない領域には分極反転電圧が効力を示さない厚さにて絶縁体層を形成し、これら半導電層と絶縁体層とを一体的に覆うように金属電極を配置する態様である、
請求項1記載の製造方法。
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