JP2002214655A - 強誘電体の分極反転方法および光波長変換素子の作製方法 - Google Patents

強誘電体の分極反転方法および光波長変換素子の作製方法

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JP2002214655A
JP2002214655A JP2001345496A JP2001345496A JP2002214655A JP 2002214655 A JP2002214655 A JP 2002214655A JP 2001345496 A JP2001345496 A JP 2001345496A JP 2001345496 A JP2001345496 A JP 2001345496A JP 2002214655 A JP2002214655 A JP 2002214655A
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crystal
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electrodes
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JP2001345496A
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English (en)
Inventor
Yasukazu Nihei
靖和 二瓶
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Fuji Photo Film Co Ltd
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  • Optical Modulation, Optical Deflection, Nonlinear Optics, Optical Demodulation, Optical Logic Elements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 単分極化された強誘電体結晶の一表面に、所
定のパターンを有する電極を形成し、この電極を介して
強誘電体結晶の表裏に電場を印加することにより、該強
誘電体結晶に前記電極のパターンに対応した局部的な分
極反転部を形成する方法において、分極反転パターンを
正確に形成可能とする。 【解決手段】 単分極化された強誘電体結晶1の一表面
1aに、所定のパターンを有する電極2を形成し、この
電極2を介して強誘電体結晶1の表裏に電場を印加する
ことにより、該強誘電体結晶1に局部的な分極反転部7
を形成する方法において、電極2の複数に各々対応する
強誘電体結晶1の部分と、それらの部分の間の部分とを
分極反転させて1つの分極反転部7を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は強誘電体結晶に電場
を印加して分極反転部を形成する方法に関し、さらに詳
しくは、電場印加時間を短くして、均一な分極反転パタ
ーンを形成できるようにした強誘電体の分極反転方法に
関するものである。
【0002】また本発明は、上述のような強誘電体の分
極反転方法を応用した光波長変換素子の作製方法に関す
るものである。
【0003】
【従来の技術】非線形光学効果を有する強誘電体の自発
分極(ドメイン)を周期的に反転させた領域を設けた光
波長変換素子を用いて、基本波を第2高調波に波長変換
する方法が既にBleombergenらによって提案されている
(Phys.Rev.,Vol.127,No.6,1918(1962)参照)。この方
法においては、分極反転部の周期Λを、 Λc=2π/{β(2ω)−2β(ω)} ……(1) ただしβ(2ω)は第2高調波の伝搬定数 β(ω)は基本波の伝搬定数 で与えられるコヒーレント長Λcの整数倍になるように
設定することで、第2高調波の位相整合を取ることがで
きる。非線形光学材料のバルク結晶を用いて波長変換す
る場合は、位相整合する波長が結晶固有の特定波長に限
られるが、上記の方法によれば、任意の波長に対して
(1)式を満足する周期Λを選択することにより、効率良
く位相整合(いわゆる疑似位相整合)を取ることが可能
となる。
【0004】上述のような周期分極反転構造を形成する
方法の1つとして、特開平7−72521号公報に示さ
れるように、単分極化された非線形光学効果を有する強
誘電体結晶の一表面に所定のパターンの周期電極を形成
した後、この電極と、上記一表面と反対の表面側に配し
たコロナワイヤーとにより強誘電体結晶をコロナ帯電さ
せてそこに電場を印加し、該強誘電体結晶の上記電極に
対向する部分を局部的な分極反転部とする方法が知られ
ている。
【0005】またこのコロナ帯電を利用する他、例えば
特許第3005225号公報に示されるように、所定パ
ターンの周期電極を形成した表面の反対側の強誘電体表
面に全面電極を形成し、この全面電極と周期電極とによ
り強誘電体に直接的に電場を印加して、局部的な分極反
転部を形成する方法も知られている。
【0006】なお、以上説明した従来方法で強誘電体結
晶の分極を反転させる場合、いずれの方法においても、
強誘電体結晶の、周期電極の1つに対応する部分に1つ
の分極反転部を形成するようにしていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述のよう
な電極を用いて強誘電体結晶に周期的な分極反転部を形
成する際、特に周期の長いものや、大面積の周期分極反
転構造を形成する場合には、長い電場印加時間を要する
ことになる。そしてこのように電場印加時間が長いと、
分極反転が最初に始まった初期反転部では反転幅が広
く、遅れて分極反転が始まった後期反転部では反転幅が
狭くなって、分極反転部の幅が不均一になるという問題
が認められる。
【0008】非線形光学効果を有する強誘電体結晶に周
期分極反転構造を形成してなる光波長変換素子におい
て、上述のような問題が生じると、分極反転部の周期や
反転幅デューティー比が不均一になって波長変換効率の
低下を招く。
【0009】本発明は上記の事情に鑑み、短い電場印加
時間で、所望のパターンの分極反転部を正確に形成する
ことができる強誘電体の分極反転方法を提供することを
目的とする。
【0010】また本発明は、強誘電体である非線形光学
結晶に周期性の優れた周期分極反転構造を形成すること
ができる、光波長変換素子の作製方法を提供することを
目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明による第1の強誘
電体の分極反転方法は、従来方法のように強誘電体結晶
の分極反転させたい領域にそれに対応した形状の1つの
電極を配置するのではなく、分極反転させたい領域にそ
れよりも小さい複数の電極を配置しておいて、それら複
数の電極を介して強誘電体結晶に電場を印加するように
したものであって、すなわち、前述したように、単分極
化された強誘電体結晶の一表面に所定のパターンを有す
る電極を形成し、この電極を介して前記強誘電体結晶の
表裏に電場を印加することにより、該強誘電体結晶に局
部的な分極反転部を形成する方法において、前記電極の
複数の各々に対応する強誘電体結晶の部分と、それらの
部分の間の部分とを分極反転させて所望パターンの1つ
の分極反転部を形成することを特徴とするものである。
【0012】また本発明による第2の強誘電体の分極反
転方法は、上記第1の方法を、特に周期分極反転構造を
形成する場合に適用したものであり、前記電極として、
複数本で1群とされた電極が複数群周期的に繰り返す周
期電極を用い、前記1群の電極毎に1つの分極反転部を
形成して、該分極反転部が周期的に繰り返してなる周期
分極反転構造を形成することを特徴とするものである。
【0013】なお本発明による強誘電体の分極反転方法
では、特に、強誘電体結晶の一表面と反対側の表面側に
コロナワイヤーを配し、このコロナワイヤーと電極とを
用いて、コロナ帯電法により電場の印加を行なうことが
望ましい。
【0014】また、本発明による第1および第2の強誘
電体の分極反転方法は、強誘電体結晶が、LiNb
1−x (0≦x≦1)結晶、またはそれにMg
O、ZnOもしくはScがドープされた結晶である場合
に適用されると特に効果的である。
【0015】一方本発明による光波長変換素子の作製方
法は、上述した本発明による第2の強誘電体の分極反転
方法を適用したものであり、単分極化された強誘電体結
晶として非線形光学結晶を用い、該非線形光学結晶に前
記1群の電極の周期パターンに対応した周期分極反転構
造を形成することを特徴とする。
【0016】
【発明の効果】一般に強誘電体結晶の分極を反転させる
際には、まず反転の核が発生し、その反転核を中心に反
転成長して行くことが実験により確認されている。そし
て、強誘電体結晶に電極を介して電場印加する場合は、
図6の(1)に示すように、まず電極51の端部において強
誘電体結晶52に反転核(斜線で示す部分)が発生し、そ
れらが同図(2)のように成長し、それらが互いに繋がり
広がって、最終的に同図(3)のように電極51に対応した
形状の分極反転部53が形成される。
【0017】そして従来方法によって周期分極反転構造
を形成する場合は、図7の(1)に示すように強誘電体結
晶52に周期状の電極51を形成しておき、この電極51から
ある時間電場印加することにより、同図(2)に示すよう
に電極51よりも幅広い領域まで分極反転部53を太らせ
て、所望パターンの分極反転部を形成していた。特に周
期が長くなると、例えばアスペクト比1:1の所望パタ
ーンを形成する場合は、電場印加時間を長くする必要が
あった。
【0018】この従来方法のように電場印加時間つまり
反転時間が長いと、初期反転部つまり最初に反転核が生
じた部分に電荷が集中しやすく、それが反転幅の不均一
を招いていることが判明した。この現象は特に、分極反
転の前後で強誘電体結晶の電気伝導度が大きく変化し
て、初期反転部に電荷が集中しやすい、MgO、ZnO
もしくはScがドープされたLiNbTa1−x
(0≦x≦1)結晶において顕著に認められる。
【0019】本発明による強誘電体の分極反転方法にお
いては、強誘電体結晶の分極反転させたい領域にそれよ
りも小さい複数の電極を配置しておいて、それら複数の
電極を介して強誘電体結晶に電場を印加するようにした
から、分極反転させたい領域にそれに対応した形状の1
つの電極を配置する従来方法と比べると、1つの分極反
転させたい領域において電極端部がより多く存在するこ
とになる。
【0020】この本発明の方法により、強誘電体結晶52
に所望パターンの分極反転部53が形成される様子を図8
の(1)、(2)に示す。なお図中の51が電極であり、ここで
は2本の電極51によって1つの分極反転部53を形成する
場合を例示してある。
【0021】このように、反転核が発生する電極端部が
より多く存在すれば、反転核がより高密度に発生するの
で、短い電場印加時間で所望領域に分極反転部を形成す
ることができる。したがって、反転核の発生密度が低
く、反転核が不均一であることによって生じる不具合、
つまり初期反転部では分極反転領域が広くなり、遅れて
分極反転が始まった後期反転部では分極反転領域が狭く
なるという不具合を回避して、正確に所望パターンの分
極反転部を形成可能となる。
【0022】また本発明による第2の強誘電体の分極反
転方法は、上記第1の方法において、電場印加用の電極
として、複数本で1群とされた電極が複数群周期的に繰
り返す周期電極を用い、前記1群の電極毎に1つの分極
反転部を形成して、該分極反転部が周期的に繰り返して
なる周期分極反転構造を形成するようにしたから、初期
反転部では反転幅が広くなり、後期反転部では反転幅が
狭くなるという不具合を回避して、周期および反転幅デ
ューティー比の均一な周期分極反転構造を形成可能とな
る。
【0023】一方、本発明による光波長変換素子の作製
方法は、上述した本発明による第2の強誘電体の分極反
転方法を適用して、非線形光学結晶である強誘電体結晶
に前記1群の電極の周期パターンに対応した周期分極反
転構造を形成するようにしたから、周期が均一な周期分
極反転構造を備えて波長変換効率の高い光波長変換素子
を作製可能となる。
【0024】なおこの本発明による光波長変換素子の作
製方法は、赤外域の光を波長変換する光波長変換素子を
作製する場合に適用するとより効果的である。すなわ
ち、その種の光波長変換素子は分極反転部の周期が比較
的長い、つまり分極反転部の幅が比較的広いため、必要
な電場印加時間が長くて反転幅が不均一になりやすい
が、本発明を適用すればその不具合発生を確実に防止で
きる。
【0025】また、上述のように分極反転部の周期が比
較的長ければ、電極間隔が比較的広くなり、分割された
1群の電極を形成するのが容易になる。それに対して短
周期の分極反転部を形成する場合は、分割された1群の
電極の各電極幅を非常に細くする必要があり、電極の加
工が困難なものとなる。
【0026】なお、1群の電極を構成する電極の数は、
多いほど反転核が発生する電極端部がより多く存在する
ことになって、前述した本発明の効果が顕著化する。し
かし、電極の数が多いほど各電極の幅が小さくなって加
工が困難になるので、この1群の電極を構成する電極の
数は、効果と加工性の双方を考慮して適切に設定するの
が望ましい。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。図1は、本発明の第1の実施形態
による強誘電体の分極反転方法の工程を概略的に示すも
のである。本実施形態では、強誘電体結晶として非線形
光学結晶を用いるとともに、電場印加用の電極として周
期パターンを有する周期電極を用い、非線形光学結晶に
上記電極の周期パターンに対応した周期分極反転構造を
形成して、光波長変換素子を作製する。
【0028】この図1中、1は非線形光学効果を有する
強誘電体である、MgOが5mol%ドープされたLiN
bO(MgO−LN)結晶の基板である。このMgO
−LN基板1は単分極化処理がなされて厚さ0.4 mmに
形成され、最も大きい非線形光学定数d33が有効に利
用できるようにZ面でカット、光学研磨されている。
【0029】このMgO−LN基板1の+Z面1a上に
Crを蒸着あるいはスパッタして例えば厚さ50nmのC
r薄膜を形成した後、フォトリソグラフィーにより、C
r薄膜からなる周期電極2を形成する。この周期電極2
は図2に概略平面形状を示す通り、例えば基板1のX軸
方向に多数繰り返すように形成されたものである。な
お、これらの周期電極2は全て図示外の共通の基部から
延ばされて、互いに電気的に導通する状態となってい
る。
【0030】図2に示される通り、本例においてMgO
−LN基板1の長さ(X軸方向寸法)は45mm、幅(Y
軸方向寸法)は5mmである。そして周期電極2の各々
は幅1〜2μmとされ、互いに1〜3μmの間隔で並べ
られた2本が1群を構成して、この電極群が一定の周期
Λ=19μmで繰り返すように形成されている。なお、1
つの電極群を構成する1本の周期電極2と、その隣の電
極群を構成する1本の周期電極2との間隔は、上記1群
における2本の周期電極2の間隔1〜3μmよりも大き
くなっている。
【0031】次に図1(2)に示すように、周期電極2を
接続線3を介して高圧電源4に接続するとともに、Mg
O−LN基板1の−Z面1bに向かい合う位置に配した
コロナワイヤー5を、接続線6を介して高圧電源4に接
続する。それによりMgO−LN基板1に、コロナ帯電
により電場が印加される。なお本実施形態では、電場印
加時の温度は100℃である。また印加電圧は−3kV、印
加電流は−600μA、電場印加時間は7s(秒)であ
る。
【0032】この電場印加により、図1(3)に示すよう
に、1群の2本の周期電極2が形成されていた部分とそ
の間の部分とにおいて、MgO−LN基板1の+Z面1
aから−Z面1bまで貫通する分極反転部7が形成され
る。これらの分極反転部7は、電極群の周期Λと同じ周
期で繰り返して、周期分極反転構造を構成するものとな
る。
【0033】なお、本実施形態におけるものと同様の分
極反転部を、前述した図7のような周期電極を用いて従
来方法で形成する場合、電場印加時間は12s(秒)を要
した。このように本実施形態の方法によれば、より短い
電場印加時間で分極反転部7を形成することができる。
そして、このように短い電場印加時間で分極反転部7を
形成できれば、先に詳しく説明した理由により分極反転
部7の幅が均一化されるので、周期性の優れた周期分極
反転構造を形成可能となる。
【0034】以下、実際に周期分極反転構造の周期性を
評価した結果について説明する。周期分極反転構造が形
成されたMgO−LN基板1を室温に保ったHF(フッ
酸):HNO(硝酸)=1:2の混合液に30分浸漬す
ると、分極方向の違いに起因するエッチングレートの差
異により、分極反転に対応したエッチング段差が生じ、
分極反転パターンを確認することができる。この分極反
転パターンを光学顕微鏡によって観察したところ、上記
従来方法によって分極反転部を形成した場合と比べて、
MgO−LN基板1の45mmの全長に亘って、分極反転
部7の幅がより均一になっていることが確認された。
【0035】以上説明した第1の実施形態により周期分
極反転構造を形成したMgO−LN基板1の+X面およ
び−X面を研磨し、そこに適宜のコートを施して、光通
過長が3mmの光波長変換素子を作製した。そして図3
に示すように、この光波長変換素子10に、Arレーザー
励起チタンサファイアレーザー11から発せられた波長λ
=1000nmのレーザー光12を、集光レンズ13により集
光して入射させた。
【0036】この基本波としてのレーザー光12は、光波
長変換素子10により波長λ=500nmの第2高調波14
に変換された。なおこの場合は、3次の疑似位相整合が
取られる。このときの波長変換効率を測定し、その測定
値から上記光波長変換素子10の非線形光学定数dを求め
たところ、d=4.0pm/Vであった。
【0037】また、図7のような周期電極を用いて従来
方法で分極反転させたMgO−LN基板から、上記と同
様にして比較例としての光波長変換素子を作製した。こ
の光波長変換素子も図3のように使用して、第2高調波
を発生させた。このときの波長変換効率を測定し、その
測定値から上記比較例の光波長変換素子の非線形光学定
数dを求めたところ、d=2.7pm/Vであった。
【0038】以上説明の通り、本発明方法により作製さ
れた光波長変換素子10は、従来方法による光波長変換素
子と比較して非線形光学定数が著しく向上しており、こ
の点からも、本発明方法によれば分極反転部を均一に成
長させて、周期性の優れた周期分極反転構造を形成可能
であることが裏付けられた。
【0039】次に、図4を参照して本発明の第2実施形
態について説明する。なおこの図4において、図2中の
要素と同等の要素には同番号を付してあり、それらにつ
いての説明は特に必要のない限り省略する。
【0040】図4は、本発明の第2の実施形態により周
期分極反転構造が形成されるMgO−LN基板1と、そ
こに電場印加用に形成された周期電極2の形状を示すも
のである。ここに示される通り本実施形態では、1つの
分極反転部を形成する1群の電極が3本の周期電極2に
よって構成されており、その他の点はMgO−LN基板
1の形状等も含めて、基本的に全て第1の実施形態にお
けるのと同様とされている。
【0041】周期電極2の各々は幅1〜2μmとされ、
互いに1〜3μmの間隔で並べられた3本が1群を構成
している。またこの電極群の周期Λ=19μmで、第1の
実施形態におけるのと同じである。なお、1つの電極群
を構成する1本の周期電極2と、その隣の電極群を構成
する1本の周期電極2との間隔は、上記1群における3
本の周期電極2の間隔1〜3μmよりも大きくなってい
る。
【0042】以上のように配置された周期電極2を用
い、図1に示したのと同様の構成を用いてコロナ帯電に
より電場印加を行なって、MgO−LN基板1に周期分
極反転構造を形成した。この場合、電場印加時の温度、
印加電圧、印加電流を第1の実施形態におけるのと同様
にしたとき電場印加時間は5s(秒)で済み、第1の実
施形態における7s(秒)よりさらに短縮される。
【0043】このように電場印加時間がさらに短縮され
れば、周期分極反転構造の周期性はより優れたものとな
る。この第2の実施形態により周期分極反転構造が形成
されたMgO−LN基板1から、実際に図3に示したも
のと同様の光波長変換素子10を作成して、Arレーザー
励起チタンサファイアレーザー11から発せられた波長λ
=1000nmのレーザー光12を該光波長変換素子10によ
り波長λ=500nmの第2高調波14に変換させたとこ
ろ、非線形光学定数d=4.3pm/Vであった。これ
は、第1の実施形態による光波長変換素子10の非線形光
学定数d=4.0pm/Vよりも高く、この点から、周期
分極反転構造の周期性がより優れていることが裏付けら
れている。
【0044】以上、周期状のライン分極反転パターンを
形成する実施形態について説明したが、本発明による強
誘電体の分極反転方法は、それ以外の分極反転パターン
を形成する場合にも同様に適用可能で、そして同様の効
果を奏するものである。例えば図5の(2)に示すよう
に、強誘電体結晶30にドット状の分極反転パターン31を
形成する場合には、同図(1)に示す同心円状のパターン
を有する電極32を強誘電体結晶30に形成し、これらの電
極32を介して電場印加を行なえばよい。
【0045】要するに本発明においては、所望する分極
反転パターン内で分割された形状の複数の電極を強誘電
体結晶の表面に形成して、それらの電極を介して電場印
加を行なうことにより、所望する分極反転パターン内に
電極端部が多く存在するようになり、それにより反転核
が高密度化されて、所望の分極反転パターンを正確に形
成可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態による強誘電体の分極反
転方法の工程を示す概略図
【図2】上記第1実施形態の方法に用いられる周期電極
の平面図
【図3】上記第1実施形態の方法により作製された光波
長変換素子の使用状態を示す概略図
【図4】本発明の第2実施形態による強誘電体の分極反
転方法に用いられる周期電極の平面図
【図5】本発明の強誘電体の分極反転方法に用いられる
電極の別の例を示す平面図
【図6】分極反転部の成長の様子を示す概略図
【図7】従来方法における電場印加用電極の形状と分極
反転パターンとの関係を示す概略図
【図8】本発明の方法における電場印加用電極の形状と
分極反転パターンとの関係を示す概略図
【符号の説明】
1 MgO−LN基板 1a MgO−LN基板の+Z面 1b MgO−LN基板の−Z面 2 周期電極 4 高圧電源 5 コロナワイヤー 7 分極反転部 10 光波長変換素子 11 Arレーザー励起チタンサファイアレーザー 12 レーザー光(基本波) 13 集光レンズ 14 第2高調波 30 強誘電体結晶 31 分極反転パターン 32 同心円状電極 51 電極 52 強誘電体結晶 53 分極反転部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単分極化された強誘電体結晶の一表面
    に、所定のパターンを有する電極を形成し、 この電極を介して前記強誘電体結晶の表裏に電場を印加
    することにより、該強誘電体結晶に局部的な分極反転部
    を形成する方法において、 前記電極の複数に各々対応する強誘電体結晶の部分と、
    それらの部分の間の部分とを分極反転させて所望パター
    ンの1つの分極反転部を形成することを特徴とする強誘
    電体の分極反転方法。
  2. 【請求項2】 前記電極として、複数本で1群とされた
    電極が複数群周期的に繰り返す周期電極を用い、 前記1群の電極毎に1つの分極反転部を形成して、該分
    極反転部が周期的に繰り返してなる周期分極反転構造を
    形成することを特徴とする請求項1記載の強誘電体の分
    極反転方法。
  3. 【請求項3】 前記強誘電体結晶の一表面と反対側の表
    面側にコロナワイヤーを配し、このコロナワイヤーと前
    記電極とを用いて、コロナ帯電法により前記電場の印加
    を行なうことを特徴とする請求項1または2記載の強誘
    電体の分極反転方法。
  4. 【請求項4】 前記強誘電体結晶が、LiNbTa
    1−x (0≦x≦1)結晶、またはそれにMg
    O、ZnOもしくはScがドープされた結晶であること
    を特徴とする請求項1から3いずれか1項記載の強誘電
    体の分極反転方法。
  5. 【請求項5】 請求項2から4いずれか1項記載の強誘
    電体の分極反転方法を用いた光波長変換素子の作製方法
    であって、 前記単分極化された強誘電体結晶として非線形光学結晶
    を用い、 該非線形光学結晶に前記1群の電極の周期パターンに対
    応した周期分極反転構造を形成することを特徴とする光
    波長変換素子の作製方法。
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