JP2008186034A - 擬似位相整合水晶の製造方法及び擬似位相整合水晶 - Google Patents

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Abstract


【課題】 目的とする形状の結晶軸反転領域を形成することが容易な擬似位相整合水晶の製造方法を提供する。
【解決手段】 水晶基板1の片側の表面には、長方形の凸部2が形成されているが、この凸部2は、さらに細かな長方形の凸部4の集合体として形成されている。凸部4相互の間には、凸部4の表面より低い凹部5が形成されているが、この凹部5の幅は狭く、巨視的に見た場合には、凸部4が多数集まって一つの凸部2を形成している。このような水晶基板1を、上下方向からヒーターブロックで挟み込み、水晶基板の温度を昇温して所望の温度に到達した時点で、プレスにより押圧する。すると、凸部4に相当する部分のみに応力が作用し、この部分でのみ結晶軸成分が反転する。この結晶軸反転部分が結晶内部まで成長して結晶内部まで伝播し、凸部4に対応する部分がつながって、結晶軸反転領域6が形成される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、擬似位相整合水晶の製造方法及び擬似位相整合水晶に関するものである。
常誘電体である水晶(SiO)に、そのα−β相転移温度付近で応力を印加することにより、周期的な双晶構造を作り込み周期的な分極反転構造を実現させた擬似位相整合波長変換光学素子が提案されている(S.Kurimura, R.Batchko, J.Mansell, R.Route, M.Fejer, and R.Byer:1998年春応用物理学会予稿28a−SG−18:非特許文献1)。これは、水晶のドフィーネ双晶を利用し、非線形光学定数d11の符号を周期的に反転させることにより水晶による擬似位相整合結晶を作製する方法である。
水晶の場合、吸収端が波長150nm程度であり、波長200nm以下での紫外光吸収は、従来の複屈折位相整合を用いた非線形光学素子(β―BaBやCsLiB10等)や強誘電体の擬似位相整合を用いた非線形光学素子(LiNbOやLiTaO等)による場合に比べてほとんどない。このため、第二光高調波発生によりArFエキシマレーザと同等の波長約193nmの光を高効率に発生させることができ、これを用いた半導体露光装置も提案されている(特開2002−1222898号公報:特許文献1)。このときの結晶軸反転周期は、約0.95μmである。
従来の擬似位相整合結晶としては、ニオブ酸リチウムやタンタル酸リチウムが周知であり、波長多重光通信における光直接変換などを目的とした研究が盛んである。しかし、ニオブ酸リチウムやタンタル酸リチウムにおいては、フォトリフラクティブ効果による光損傷が大きな問題となり、高出力での利用に制限があった。これに対し、水晶においては、フォトリフラクティブ効果による光損傷は無く、十分に安定な状態で使用できる。光通信に良く利用されている波長約1.55μmにおける結晶軸反転周期は、約70μmである。
さらに、水晶自体は、生産技術が確立されている物質であり、入手も容易でコストも低く押さえることができる。そして、その機械的特性、化学的性質も光学結晶のなかで最も優れている部類に属する。また、従来の複屈折位相整合を用いた非線形光学結晶(例えば前記β―BaBやCsLiB10等)などに顕著に見られる潮解性もなく、取り扱いの点で非常に有利である。さらに、d11係数は、およそ0.3pm/Vであり、一般的な非線形光学結晶にくらべて少し小さい程度であり、十分な変換効率が期待できる。
水晶に人工的な双晶構造を作製する方法としては種々の方法が知られているが、現在有力なものとしてホットプレス法が提案されている。(S.Kurimura, I.Shoji, T.Taira, M.Fejer, Y.Uesu, and H.Nakajima:2000年秋応用物理学会予稿3a−Q−1;非特許文献2)。この方法は、水晶基板の片面の表面上に周期的な段差構造を作製し、その水晶基板を上下方向からヒーターブロックで挟み込み、水晶基板の温度を昇温して所望の温度に到達した時点で、圧力を印加するものである。このとき、段差構造のうち凸部にあたる部分にのみ応力が作用するので、この部分でのみ結晶軸成分が反転する。この結晶軸反転部分が結晶内部まで成長して結晶内部まで伝播し、深さ方向に大きく入った周期的な双晶の格子を作製することができる。すなわち、凸部のみに応力が集中してそこから双晶が発生し、次第に内部へと成長し、アスペクト比の大きい双晶構造が作製される。
このような、片面の表面上に段差構造が形成された水晶基板の例を、図4を用いて説明する。水晶基板1の片側の表面には段差構造が形成され、その結果、直方体の形状を有する凸部2が、所定の間隔で形成されている。この凸部2は、図の左右方向に所定の幅を有し、その幅と同じ間隔で複数の凸部2が、図の左右方向に形成されている。凸部2は図の奥行き方向に長い直方体形状を有している。この長手方向に平行な方向をa軸方向とする。当然、a軸は水晶基板1の法線に対して垂直となっている。
水晶の結晶のc軸方向は、a軸に対して垂直であるが、非特許文献3(栗村直、応用物理学会誌2000年5月号)にあるように、水晶基板1の法線方向に対してわずかながら傾けてある。すなわち、水晶基板1はその法線とc軸がわずかな角度を持つようにカットされている。その角度が大きくなる程双晶の生成がし易くなるが、実際は10〜20度程度に押さえてある。光は、図示したように、水晶基板1の端面より入射し、偏光方向はa軸方向と同じ方向である。水晶基板1の内部で波長変換された光は、入射面とは反対の端面から出射する。
以下、図4に示すような凸部2の作製方法の例を説明する。最初に水晶基板1上にCr膜をスパッター法により厚さが100nm程度となるように成膜する。この膜上にポジ型のレジストを塗布し、i線ステッパーなどの半導体露光装置を用いて、凸部2となる部分以外の部分を露光し現像する。次に、残ったレジストをマスクとしてCr膜を除去する。そして、残ったレジスト膜とCr膜をマスクとして、弗化水素酸にてウエットエッチングを行い数μm程度の深さの段差構造を作製する。これにより、図4に示すような凸部2を有する段差構造が表面に形成された水晶基板1が完成する。なお、Cr膜は、押圧の前にはがしてもはがさなくともどちらでもよい。
c軸と水晶基板法線との角度が小さくなるほど波長変換デバイスとしては都合が良いが、双晶形成に要する応力が大きくなる。従って、c軸と水晶基板法線との角度は、ほぼ数度から20度程度となるように水晶はカットされている。
また、公知の技術ではないが、上述のウエットエッチングの代わりにドライエッチングを用いることも考えられる。この場合は、例えば、最初に水晶基板1上にCr膜をスパッター法により厚さが100nm程度となるように成膜する。この膜上にポジ型のレジストを塗布し、i線ステッパーなどの半導体露光装置を用いて、凸部2となる部分以外の部分を露光し現像する。そして、残ったレジストをマスクとしてCr膜を除去する。その後、残ったレジスト膜とCr膜をマスクとして、RIEあるいはICPなどのドライエッチングを行い、数μm程度の深さの段差構造を作製する。最後に、レジスト膜とCr膜を除去することにより、図4に示すような凸部2を有する段差構造が表面に形成された水晶基板1が完成する。
双晶構造を有する水晶基板を得るためには、カートリッジヒーターを備えたプレス装置を用いて、水晶基板1を上下より挟み込んで相転移温度付近まで昇温し、所望の温度に達した時に押圧する。すると、凸部2の部分にのみ応力が作用し、この部分でのみ結晶軸成分が反転する。そして、結晶軸反転部分が結晶内部まで成長して結晶内部まで伝播し、深さ方向に大きく入った周期的な双晶の格子を作製することができる。押圧時間や圧力の時間的な変化を制御することにより深さ方向の高アスペクト比を作成することができる。
以上の説明では、水晶基板1の表面に段差構造を形成したが、水晶表面を平面研磨し、プレス側の押圧する面に段差加工を形成することも考えられる(公知の技術ではない)。プレス側の押圧面にセラミックスSiなどを使用すると、前記リソグラフィー技術とドライエッチング加工を用いて周期的な段差構造を作製することができる。
特開2002−1222898号公報 1998年春応用物理学会予稿28a−SG−18 2000年秋応用物理学会予稿3a−Q−1 応用物理学会誌2000年5月号
前記押圧した後の水晶基板をフッ酸で数分間に浸し、エッチングレートの違いを利用することにより、結晶軸が反転した境界を観察することができる。図5は水晶基板1を基板法線方向から見たものである。水晶基板1表面に設けられた長方形の凸部2の周りがドライエッチング等により切り取られている。従ってプレスの平面で押圧した場合。凸部2に対応する長方形部分が結晶軸反転することになるはずであるが、実際には水晶のc軸周りの3回対称性を反映して、結晶軸反転領域3は、ハッチングで図示したように六角形のパターンで生成することが多い。
そのため、段差周期が短い場合、例えば数μm程度では、結晶軸反転領域3が段差の凸部2全体に広がらずに、図示したように途中で六角形形状のままで止まってしまい、段差パターン(凸部2)の端まで結晶軸反転が起きないことになる。このような場合には、一般的に半径数十μm以上の広がりを持つレーザー光を入射する場合、そのごく一部しか波長変換されないことになる。
一方、水晶の結晶軸反転領域は、応力が集中する段差パターン(凸部2)の端の方から生成し易い。よって、段差パターンが長い周期、例えば数十μmの場合、結晶軸反転領域が段差パターンの端の方だけに生成し、中心部には生成せず、所望の双晶周期構造が得られないという問題点があった。
さらに、長方形パターンの凸部2の四隅に極端に大きい応力が集中することに起因して、凸部2から外れた部分に結晶軸反転領域が生成される現象が起こることがある。このようなことが発生すると、特に段差パターンが短い周期構造の場合、隣り合うパターン同士でこの領域がくっついてしまい、周期構造が壊れてしまうことがあった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、目的とする形状の結晶軸反転領域を形成することが容易な擬似位相整合水晶の製造方法、及びこの方法の一例によって形成された擬似位相整合水晶を提供することを課題とする。
前記課題を解決するための手段は、ホットプレス法により結晶軸が反転した結晶軸反転領域を水晶基板に周期的に生成する擬似位相整合水晶基板の製造方法であって、前記結晶軸反転領域のそれぞれに相当する加圧面は、前記加圧面の面方向に複数に分割されていることを特徴とする。
本手段は、結晶軸反転領域のそれぞれに相当する加圧面が、面方向に複数に分割されている。すなわち、細かなパターンの凸部(複数の分割)が複数集まって、巨視的に見ると一つのパターンからなる凸部を形成するようになっている。細かなパターン同士の境界には凸部の面より低い面(凹部)が形成されている。よって、このようなパターンの凸部が水晶基板に形成され、これをプレスの平面で押圧した場合、細かなパターンの凸部の一つ一つがプレスの平面で押圧されるので、結晶軸反転領域が全体に広がらなかったり、逆に、結晶軸反転領域の隅部にのみ集中的な応力が発生することに起因して所望の双晶周期構造が得られなかったりすることを防ぐことができる。
細かなパターンの凸部の間にある凹部(凸部の面より低い面)には、応力がかからないが、この凹部の幅を十分狭くすることにより、凸部で発生した結晶軸反転部分が結晶内部まで成長して結晶内部まで伝播するときに、この凹部に対応する結晶内部にも結晶軸反転部分が形成されてつながり、所望の形状を有する結晶軸反転部分を形成することができる。
水晶基板の表面を研磨した表面とし、水晶基板を押圧する面(加圧面)に凸部(複数の分割)を設けることにより、凸部が接する水晶基板の部分に結晶軸反転部分を形成してもよい。この場合、水晶基板を押圧する面は、細かなパターンの凸部の集合(複数の分割)から形成されるようにすることにより、結晶軸反転領域が全体に広がらなかったり、逆に、結晶軸反転領域の隅部にのみ集中的な応力が発生することにより、所望の双晶周期構造が得られなかったりすることを防ぐことができる。
前記課題を解決するための別の手段は、前記分割された一片は、長方形、正方形または六角形の形状であることを特徴とする。
一般に、結晶軸反転領域は、平面的に見ると長方形であることが多いので、前記さらに細かなパターンの凸部(複数の分割)の形状を、正方形または長方形とすることにより、結晶軸反転領域を、さらに細かなパターンの集合として形成することが容易となる。また、さらに細かなパターンを正方形または長方形とすれば、加工がし易いという特徴を出すことができる。
前述のように、水晶基板を押圧した場合、水晶のc軸周りの3回対称性を反映して、結晶軸反転領域は、六角形のパターンで生成することが多い。よって、さらに細かなパターンの凸部(複数の分割)の形状を六角形としておくことにより、結晶軸反転領域の生成に合わせたパターンの部分に応力を加えることができ、効率的に結晶軸反転領域を形成することができる。
前記課題を解決するための別の手段は、前記結晶軸反転領域は略長方形であり、前記略長方形の長手方向の端部は、前記水晶基板の双晶境界と整合することを特徴とする。
本手段においては、略長方形の結晶軸反転領域の端部が水晶の双晶境界にならうような形とされているので、結晶軸反転領域の生成に合わせたパターンの部分に応力を加えることができ、結晶軸反転領域が押圧パターンの外側に広がることを抑制することができる。また、このようにすると、パターンの形状は六角形に近いものとなるが、パターンの形状が長方形であるものに比べて、隅部を多数形成することができるので、応力の集中を緩和することができる。
前記課題を解決するための別の手段は、上述の製造方法により得られた擬似位相整合水晶基板であって、多数に分割された加圧面による加圧によって生成された結晶軸反転領域を有することを特徴とする。
本手段においては、上記方法を用いて結晶軸反転領域を形成することができるので、結晶軸反転領域が全体に広がらなかったり、逆に、結晶軸反転領域の隅部にのみ集中的な応力が発生することに起因して所望の双晶周期構造が得られなかったりすることを防ぐことができる。
以下、本発明の実施の形態の例を、図を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態の第1の例である擬似位相整合水晶の基板を、基板法線方向から見た図であり、従来例の図5に対応するものである。この擬似位相整合水晶の基板の全体構成は、図4に示した従来のものと変わるところはない。
図1において、水晶基板1の片側の表面には、長方形の凸部2が形成されているが、この凸部2は、さらに細かな長方形の凸部4の集合体として形成されている点が、図5に示した従来のものと異なっている。すなわち、微視的に見た場合には、凸部4相互の間には、凸部4の表面より低い凹部5が形成されているが、この凹部5の幅は狭く、巨視的に見た場合には、凸部4が多数集まって一つの凸部2を形成している。
凸部2は、水晶の結晶軸を反転させたい部分に亘って形成されている。このような水晶基板1を、上下方向からヒーターブロックで挟み込み、水晶基板の温度を昇温して所望の温度に到達した時点で、プレスにより押圧する。すると、凸部4に相当する部分のみに応力が作用し、この部分でのみ結晶軸成分が反転する。この結晶軸反転部分が結晶内部まで成長して結晶内部まで伝播し、深さ方向に大きく入った周期的な双晶の格子を作製することができる。
結晶軸反転部分が結晶内部(水晶基板1の凸部2の下方の部分)に伝搬する際に、凹部5の部分にも伝搬が行われ、結晶内部では、各凸部4間の凹部5が埋まってつながった形で結晶軸反転部分が形成される。最終的に所望の領域全部に反転部分が形成され、それがc軸方向に沿って水晶基板1の反対面に向かって成長する。すなわち、図1に破線で示したような略長方形の部分6が結晶軸反転領域となる。逆に言えば、凹部5の幅は、プレスを行った際に、結晶軸反転部分の伝搬により、結晶内部で結晶軸反転領域が繋がるような幅とする必要がある。実際には少なくとも数μm以下であることが好ましい。
また、プレスの際の温度、印加荷重の時間パターンをコントロールすることにより、凸部4よりはみ出る結晶軸反転部分の幅を変えることもできる。このようにして、凹部5の幅を変えたり、プレスの際の温度、印加荷重の時間パターンをコントロールすることにより、凹部5の部分が埋って結晶軸反転部分がつながるようにする。さらに、凸部4の縦横比を変えることにより、結晶軸反転部分がつながりやすいようにしてもよい。
本手段においては、プレスにより圧力を受ける部分が、細かな凸部4に分割されているので、各凸部4が均等にプレスからの圧力を受ける。よって、結晶軸反転領域が周期的又は任意のパターンからなる凸部の全体に広がらなかったり、逆に、凸部の隅部にのみ集中的な応力が発生することにより、所望の双晶周期構造が得られなかったりすることを防ぐことができる。
なお、この例においては、細かな凸部4を長方形で構成している。このように、細かな凸部4を長方形又は正方形で構成することにより、全体として長方形の凸部2を容易に構成することができる。
図2は、本発明の実施の形態の第2の例である擬似位相整合水晶の基板を、基板法線方向から見た図であり、図1に対応するものである。この例においては、結晶軸反転部分を形成させたい部分に相当する凸部2が、六角形の微小な凸部4から形成され、微小な凸部4の間に狭い凹部5が形成されている。すなわち、この例は、第1の例における凸部4が長方形で構成されていたのに対し、六角形で構成されている他は、第1の例と変わるところがない。
このように形成された水晶基板1に対してホットプレス法を適用すると、結晶内部では、図2に破線で示した部分6が結晶軸反転領域となる。このように、図2に示した例は、基本的には図1に示した例と同じ作用効果を有するが、微細な凸部4が六角形をしているので、水晶のc軸周りの3回対称性にマッチングする形で水晶基板1をプレスすることができる。
図3は、本発明の実施の形態の第3の例である擬似位相整合水晶の基板を、基板法線方向から見た図であり、図1に対応するものである。この実施の形態においては、凸部2は細かなパターンに分割されていないが、凸部2の四隅を六角形状にすることにより、凸部2の端が水晶の双晶境界にならうような形とされている。これにより、水晶のc軸周りの3回対称性にマッチングする形で水晶基板1をプレスすることができる。よって、結晶軸反転領域が凸部2からはみだした形で形成されにくくなる。また、凸部2を長方形にした場合に比して、角の部分が多くなる結果、応力集中が緩和される。図3における凸部2を、図1、図2における場合と同じように、微細な凸部の集合として形成してもよい。
なお、上記いずれの実施の形態においても、水晶基板1の片側表面に段差構造である凸部を設けるようにしている。このようにせず、水晶基板1の表面を研磨面とし、プレスでの押圧面に図1〜図3に示すような段差構造を設けてプレスを行っても、同様の効果が得られることは説明の必要が無いであろう。
以上説明したように、本発明によれば、目的とする形状の結晶軸反転領域を形成することが容易な擬似位相整合水晶の製造方法、及びこの方法の一例によって形成された擬似位相整合水晶を提供することができる。
本発明の実施の形態の第1の例である擬似位相整合水晶の基板を、基板法線方向から見た図である。 発明の実施の形態の第2の例である擬似位相整合水晶の基板を、基板法線方向から見た図である。 本発明の実施の形態の第3の例である擬似位相整合水晶の基板を、基板法線方向から見た図である。 従来のホットプレス法に用いられる片面の表面上に段差構造が形成された水晶基板の例を示す図である。 図4に示す水晶基板を基板法線方向から見た図であり、形成された結晶軸反転領域の形状を示す図である。
符号の説明
1:水晶基板
2:凸部
3:結晶軸反転領域
4:凸部(微細な凸部)
5:凹部
6:結晶軸反転部分(領域)

Claims (4)

  1. ホットプレス法により結晶軸が反転した結晶軸反転領域を水晶基板に周期的に生成する擬似位相整合水晶基板の製造方法であって、
    前記結晶軸反転領域のそれぞれに相当する加圧面は、前記加圧面の面方向に複数に分割されていることを特徴とする、方法。
  2. 請求項1に記載の方法であって、前記分割された一片は、長方形、正方形または六角形の形状であることを特徴とする、方法。
  3. 請求項1に記載の方法であって、前記結晶軸反転領域は略長方形であり、前記略長方形の長手方向の端部は、前記水晶基板の双晶境界と整合することを特徴とする、方法。
  4. 請求項1から3に記載の製造方法により得られた擬似位相整合水晶基板であって、多数に分割された加圧面による加圧によって生成された結晶軸反転領域を有することを特徴とする、擬似位相整合水晶基板。
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