JP2004020749A - 波長変換素子用薄膜基板の製造方法及び波長変換素子の製造方法 - Google Patents

波長変換素子用薄膜基板の製造方法及び波長変換素子の製造方法 Download PDF

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宮澤 弘
Masao Yube
遊部 雅生
Yoshiki Nishida
西田 好毅
Osamu Tadanaga
忠永 修
Hiroyuki Suzuki
鈴木 博之
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  • Optical Modulation, Optical Deflection, Nonlinear Optics, Optical Demodulation, Optical Logic Elements (AREA)

Abstract

【課題】大面積にわたって均一な組成と、膜厚を持つような波長変換素子用薄膜基板を提供すること。
【解決手段】第一の工程では、第一の基板11及び第二の基板12を清浄雰囲気中で重ね合わせ、400℃で1時間熱処理することにより拡散接合を行った。次に、第二の工程では、第一の基板11の厚さが20μmになるまで研磨加工を施し、ほぼ全体にわたってサブミクロンの平行度が得られ、波長変換素子の作製に好適な薄膜基板を作製する。次に、第三の工程では、作製した薄膜基板を用いて1.5μm帯で位相整合条件が満たされるように周期分極反転構造を作製し、波長変換素子用薄膜基板を作製した。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、波長変換素子用薄膜基板の製造方法及び波長変換素子の製造方法に関し、より詳細には、波長多重や時間多重を利用した光通信システムにおける光駆動型光回路装置、具体的には、非線形光学媒質中で生じる差周波発生効果を用いて信号光の波長を異なる波長に変換する波長変換素子及びその波長変換素子用薄膜基板に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、光通信システムの通信容量の増大を図るために、波長の異なる複数の光を多重化して伝送する波長分割多重(WDM)通信システムが積極的に導入されている。このようなWDM通信システムにおいては、限られた波長数を有効に利用するために、信号波長を任意の信号波長に変換する波長変換デバイスの実用化が求められている。
【0003】
従来、光の波長を変換する波長変換素子としては、半導体光増幅器を用いるものや四光波混合を利用するもの等が知られている。しかしながら、これらの波長変換素子においては、光通信システムにおいて求められる。高効率、高速、広帯域、低ノイズ、偏波無依存などの条件を満足させることはできていなかった。
【0004】
一方、二次非線形効果の一種である擬似位相整合による差周波発生を利用した波長変換素子が知られている。
【0005】
図8は、この種の擬似位相整合型の波長変換素子の構成を示す概略図で、図中符号1は合波器、2は非線形光導波路、3は分波器を示している。比較的小さな光強度を持つ信号光Aと、比較的大きな光強度を持つ制御光Bは、合波器1によって合波されて、分極反転構造をもった非線形光導波路2に入射される。光導波路2中で信号光Aは、別の波長を持つ差周波光Cへと変換され、制御光Bと共に光導波路2から出射される。差周波光Cと制御光Bは、分波器3により分離される。例えば、制御光Bの波長λ1=0.77μmとした場合、波長λ2=1.55μmの信号光Aを波長λ3=1.53μmの差周波光Cへと変換することができる。
【0006】
このような擬似位相整合を利用した波長変換素子を作製する従来の方法においては、ニオブ酸リチウムなどの非線形光学結晶基板に周期分極反転構造を作製した後、プロトン交換導波路を作製することによって波長変換素子を作製していた。
【0007】
これに対し、導波路中への光閉じ込めを改善しバルクもしくはバルクに近い非線形効果を利用した高効率な波長変換を実現するために、リッジ型の光導波路構造をもった波長変換素子が提案されている。
【0008】
リッジ型光導波路を持つような波長変換素子を作製するための従来の方法は、液相エピタキシャル法によって成長されたニオブ酸リチウムなどの単結晶膜に、通常のフォトリソグラフィによってエッチングマスクを作製し、これに続くドライエッチングプロセスにおいて、マスク以外の単結晶膜を除去することによってリッジ型光導波路を作製していた。
【0009】
一方、これとは別にリッジ型光導波路を作製する方法として、Mg添加ニオブ酸リチウム基板に周期分極反転構造を作製した後に、別に用意したニオブ酸リチウム基板に接着剤を用いて接着し、Mg添加ニオブ酸リチウム基板の基板厚さを平面研削加工によって薄くした後に、ダイシングソーを用いて超精密研削加工によってリッジ型光導波路を作製することが行われている(例えば、「レーザ研究」第28巻 第9号 p.601−603参照)。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、プロトン交換導波路は、拡散型の屈折率分布をもち、基板の深さ方向における導波モードが非対称であること、また、プロトン交換処理によって基板表面に高濃度のHイオンが存在し、結晶構造が異なるため、導波路部分の非線形光学効果が劣化することなどが問題となっていた。
【0011】
また、液相エピタキシャル法による単結晶膜の作製は大面積化が難しく、例えば、3インチのウエハの面積にわたって均一な組成あるいは膜厚を持つような単結晶膜の作製は難しかった。
【0012】
さらに、基板同士を、接着剤を用いて貼り合わせる方法は、接着剤と基板の熱膨張係数が異なるため、温度が変化した時に薄膜に割れが生じることが問題となることのほかに、導波路中で発生するSHG光によって接着剤が劣化するために動作中に導波路損失が増加し波長変換素子の効率が劣化することが問題となっていた。また、接着層の不均一性のために単結晶膜の膜厚が不均一となり、波長変換素子の位相整合波長がずれることが問題となっていた。
【0013】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、大面積にわたって均一な組成と、膜厚を持つような波長変換素子用薄膜基板を提供することにある。
【0014】
また、本発明の他の目的は、波長変換素子用薄膜基板を用いて分極反転構造を有する光導波路を作製して高性能な波長変換素子を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は、このような目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、波長変換素子用薄膜基板の製造方法であって、二次の非線形効果を有する第一の基板と、第二の基板とを熱処理による拡散接合によって直接貼り合わせる第一の工程と、前記第一の基板厚さを薄くして光導波路を形成するための所定の厚さにする第二の工程と、前記第一の基板に非線形定数を周期的に変調する第三の工程とを備えたことを特徴とする。
【0016】
また、請求項2に記載の発明は、波長変換素子用薄膜基板の製造方法であって、二次の非線形効果を有する第一の基板と、第二の基板とを熱処理による拡散接合によって直接貼り合わせる第一の工程と、前記第一の基板に非線形定数を周期的に変調する第二の工程と、前記第一の基板厚さを薄くして光導波路を形成するための所定の厚さにする第三の工程とを備えたことを特徴とする。
【0017】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、前記第一の工程における熱処理が、第一の基板のキュリー温度より低い温度で行うことを特徴とする。
【0018】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1,2又は3に記載の発明において、前記第二の工程における前記第一の基板の厚さを20μm以下にすることを特徴とする。
【0019】
また、請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4いずれかに記載の発明において、前記第二の基板の第一の基板に接合する表面層の使用波長領域における屈折率が、第一の基板の屈折率よりも小さいことを特徴とする。
【0020】
また、請求項6に記載の発明は、請求項1乃至5いずれかに記載の発明において、前記第二の基板の熱膨張係数が、前記第一の基板の熱膨張係数にほぼ一致することを特徴とする。
【0021】
また、請求項7に記載の発明は、請求項1乃至6いずれかに記載の発明において、前記第一の基板が、LiNbO、LiTaO、LiNbTa1−x(0<x<1)、KNbO、KTiOPO或いは、それらにMg、Zn、Sc、Inからなる群から選ばれた少なくとも一種を添加物として含有していることを特徴とする。
【0022】
また、請求項8に記載の発明は、波長変換素子の製造方法であって、請求項1乃至7いずれかに記載の波長変換素子用薄膜基板の製造方法によって波長変換素子用薄膜基板を作製し、その後の工程で前記波長変換素子用薄膜基板における前記第一の基板に光導波路を作製することを特徴とする。
【0023】
また、請求項9に記載の発明は、波長変換素子用薄膜基板の製造方法であって、二次の非線形効果を有する基板の使用波長領域における屈折率よりも小さい屈折率を有する薄膜を前記基板の片側に形成した第一の基板と、第二の基板とを前記薄膜を挟むように熱処理による拡散接合によって直接貼り合わせる第一の工程と、前記第一の基板厚さを薄くして光導波路を形成するための所定の厚さにする第二の工程と、前記第一の基板に非線形定数を周期的に変調する第三の工程とを備えたことを特徴とする。
【0024】
また、請求項10に記載の発明は、波長変換素子用薄膜基板の製造方法であって、二次の非線形効果を有する第一の基板と、使用波長領域における屈折率が第一の基板の屈折率よりも小さい薄膜を基板の片側に形成した第二の基板とを薄膜を挟むように熱処理による拡散接合によって直接貼り合わせる第一の工程と、前記第一の基板に非線形定数を周期的に変調する第二の工程と、前記第一の基板厚さを薄くして光導波路を形成するための所定の厚さにする第三の工程とを備えたことを特徴とする。
【0025】
また、請求項11に記載の発明は、請求項9又は10に記載の発明において、前記第一の工程における熱処理が、第一の基板のキュリー温度より低い温度で行うことを特徴とする。
【0026】
また、請求項12に記載の発明は、請求項9,10又は11に記載の発明において、前記第三の工程における前記第一の基板の厚さを20μm以下にすることを特徴とする。
【0027】
また、請求項13に記載の発明は、請求項9乃至12いずれかに記載の発明において、前記第二の基板もしくは薄膜の熱膨張係数が、前記第一の基板の熱膨張係数にほぼ一致することを特徴とする。
【0028】
また、請求項14に記載の発明は、請求項9乃至13いずれかに記載の発明において、前記第一の基板が、LiNbO、LiTaO、KLi1− NbTa1−x(0<x<1,0<y<1)、KNbO、KTiOPO或いは、それらにMg、Zn、Sc、Inからなる群から選ばれた少なくとも一種を添加物として含有していることを特徴とする。
【0029】
また、請求項15に記載の発明は、波長変換素子の製造方法であって、請求項9乃至14いずれかに記載の波長変換素子用薄膜基板の製造方法によって波長変換素子用薄膜基板を作製し、その後の工程で前記波長変換素子用薄膜基板における前記第一の基板に光導波路を作製することを特徴とする。
【0030】
本発明において、擬似位相整合を利用した波長変換素子の効率を改善するためには、変換効率が原理的に相互作用長(周期分極反転構造を有する導波路長)の2乗に比例することから、素子の長さを長くすること、すなわち、素子作製に用いる非線形光学結晶基板を大面積化すること、さらには、光導波路中での信号光と制御光の光電界の重なりを良くすることが重要である。
【0031】
このとき、入射された励起光と信号光は光導波路の基底モードを励振することが望ましく、かつ、導波路中での高いパワー密度が光導波路中で得られるようにするためには、光導波層すなわち非線形光学結晶膜の厚さがおよそ20μm以下であることが望ましい。光導波層の厚さが20μm以上である場合には、信号光と励起光とが多モード状態となって光電界の重なりを良くすることが難しい。
【0032】
本発明者らは、このような長尺の波長変換素子の作製が可能となり、かつ、20μm以下の膜厚をもつような、非線形光学結晶からなる薄膜基板の製造方法について鋭意検討した結果、非線形効果をもつ光学結晶からなる基板と熱膨張係数がおよそ一致するような、同種の非線形光学結晶、異種の光学結晶あるいは非晶質光学基板などを拡散による直接接合によって貼り合わせた後、非線形光学結晶基板を研削、研磨あるいはエッチングなどの方法によって20μm以下の膜厚になるよう調整し、光導波路の作製に好適な非線形単結晶薄膜基板を製造する方法を見出した。
【0033】
本発明において、第一の非線形光学結晶基板は、その第一の工程において別に用意された第二の基板にマイクロパーティクルが極力存在しないような清浄雰囲気中で直接重ね合わされた後、電気炉中で熱処理されることによって拡散接合される。ここで、基板を熱処理する温度は第一の基板のキュリー温度より低いことが望ましい。キュリー温度以上の温度で熱処理すると第一の基板の分極が乱れることになり、整然とした分極反転構造を形成するには、後の工程を行う前に単分極域処理(キュリー温度以上で高電界を印加する処理)を必要とするので好ましくない。特に非線形光学結晶基板としてLiTaOを用いた場合においては、キュリー温度が650℃であるので、650℃を越える温度で熱処理することは基板の分極が乱れる原因となるので好ましくない。
【0034】
貼り合わされた基板は、第二の工程において非線形光学基板の厚さが20μm以下になるまで研磨・研削あるいはエッチングされることによって、波長変換素子用の薄膜基板とすることができる。
【0035】
本発明においては、基板の接合に接着剤を用いておらず基板同士の直接接合である点が従来の方法とは異なる。
【0036】
また、引き続いて本発明の薄膜基板を用いて波長変換素子を作製する場合は、薄膜基板を製造する工程に続く工程において、ダイシングソーを用いた超精密研削加工によってリッジ型の光導波路を作製することもできるし、ドライエッチングあるいはウエットエッチング法によってリッジ型の光導波路を作製することもできる。
【0037】
このように、本発明は、波長変換素子の製造に好適な波長変換素子用薄膜基板の製造方法を提供することができ、例えば、3インチウエハの全面積にわたって、均一な組成と膜厚を有するようなニオブ酸リチウムの薄膜基板を提供することが可能である。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施例について説明する。
【0039】
[実施例1]
図1は、本発明の波長変換素子用薄膜基板の一実施例を説明するための工程図である。図1に示すように、本実施例1においては、第一の基板11としてZカットZn添加LiNbO基板を用い、第二の基板12としてZカットMg添加LiNbO基板を用いて波長変換素子用薄膜基板を作製した。
【0040】
第一の基板11と第二の基板12は、何れもLiNbOに添加物を添加したものであり、熱膨張係数がほぼ一致している。また、添加物の種類を変えることにより、第一の基板11の屈折率よりも第二の基板12の屈折率の方が小さくなっている。なお、基板はいずれも少なくとも接合される面が光学研磨、もしくは鏡面を呈している。
【0041】
第一の工程では、用意した第一の基板11および第二の基板12の表面を通常の酸洗浄あるいはアルカリ洗浄によって親水性にした後に、これら二つの基板をマイクロパーティクルが極力存在しない清浄雰囲気中で重ね合わせた。そして、この重ね合わせた第一および第二の基板を電気炉に入れ、400℃で1時間熱処理することにより拡散接合を行った。接着された基板は接合面にマイクロパーティクルの付着がなくてボイドフリーであり、室温に戻したときにおいてもクラックなどの発生はなかった。
【0042】
次に、第二の工程では、研磨定盤の平坦度が管理された研磨装置を用いて、接着された基板の第一の基板11の厚さが20μmになるまで研磨加工を施した。研磨加工の後に、ポリッシング加工を行うことにより鏡面の研磨表面を得ることができた。基板の平行度(最大高さと最小高さとの差)を光学的な平行度測定機を用いて測定したところ、ウエハの周囲を除き、ほぼ全体にわたってサブミクロンの平行度が得られ、波長変換素子の作製に好適な薄膜基板を作製することができた。この薄膜基板は、接着剤を用いず、第一の基板11と第二の基板12とを熱処理による拡散接合によって直接貼り合わせることにより作製したため、ウエハの全面積にわたって均一な組成を持つものであった。
【0043】
次に、第三の工程では、作製した薄膜基板を用いて1.5μm帯で位相整合条件が満たされるように周期分極反転構造を作製した。すなわち、薄膜基板の表面に通常のフォトリソグラフィのプロセスによってレジストによる周期パターンを作製した後に、表面および裏面に塩化リチウム水溶液からなる液体電極13を形成し、これらの電極間に数kV程度の高電圧を短時間印加する、いわゆる液体電極を用いた電界印加法で、薄膜基板のレジストパターン以外の部分の分極を反転させた。拡散接合によって直接貼り合わせた基板においても、通常の基板を用いた場合と同様に均一に周期反転分極構造を形成することができ、波長変換素子用薄膜基板として使用することができた。
【0044】
さらに、第四の工程では、図2に示すように、作製した波長変換素子用薄膜基板を用い、また、光導波路の作製方法としては、ドライエッチングプロセスを用いて波長変換素子を作製した。すなわち、波長変換素子用薄膜基板表面に、エッチング用マスク14を用いて通常のフォトリソグラフィのプロセスによって導波路パターンを作製した後、ドライエッチング装置に基板をセットし、CF4ガスをエッチングガスとして基板表面をエッチングすることによりリッジ型光導波路15を作製した。
【0045】
図3は、本発明の実施例1の波長変換素子の斜視拡大図で、エッチング後の基板断面を示す図である。高さ8μm、導波路幅およそ8μmのリッジ型光導波路15を薄膜基板(第一の基板)に作製することができた。図示されているように、ドライエッチングのプロセスにおいてはマスクと膜のエッチング選択比が大きくないために、光導波路がメサ形状となる。
【0046】
次の工程では、図4に示すように、光導波路22はウエハである薄膜基板21に平行に複数本作製した。そして、これらの各光導波路ごとに基板を短冊状に切りだし、光導波路の両端面を光学研磨することによって、3インチウエハから長さ60mmの波長変換素子23を作製した。作製した波長変換素子に0.77μmの制御光と1.55μmの信号光を入射したところ、1.53μmに波長変換光が得られ、500%/W以上の高効率な波長変換を実現できた。
【0047】
なお、第一の基板としてzカットLiNbO基板を用い、第二の基板としてzカットLiTaO基板を用いた場合においても、本実施例1と同様の方法によって波長変換素子用薄膜基板を作製することができた。
【0048】
このほか、第一の基板として、LiNbO、LiTaO、KLi1−yNbTa1− (0<x<1,0<y<1)、KNbO、KTiOPO或いは、それらにMg、Zn、Sc、Inからなる群から選ばれた少なくとも一種を添加物として含有した基板などを用いた場合においても、同様の波長変換素子用薄膜基板を作製することができる。
【0049】
また、第二の基板として、熱膨張係数の値が第一の基板の値に近く、屈折率が第一の基板よりも小さいようなガラス基板、あるいは結晶基板を用いた場合においても同様の波長変換素子用薄膜基板を作製することができた。ここで、ガラス基板材料としては、多成分石英ガラス、リン酸ガラス、鉛ガラス、フッ化物ガラス、テルライトガラスなどのガラス材料を用いることができる。
【0050】
なお、このガラス材料の組成を適宜調整することによって所望の熱膨張係数や屈折率を持つようなガラス基板を作製することは、ガラス材料を製造する当業者が適宜なしうるものである。また、結晶基板においては、水晶やLiTaO等が挙げられる。水晶のz軸に垂直な面内方向に熱膨張係数は13.6×10−6/Kであり、LiNbO熱膨張係数に近く、またLiNbOの屈折率が2.1であるのに対して、水晶の屈折率は1.53と小さいため、本発明の実施形態の一例として好適である。また、LiTaOについても同様である。
【0051】
[実施例2]
図5は、本発明の波長変換素子用薄膜基板の他の実施例を説明するための工程図である。図5に示すように、本実施例2においては、本実施例1と同様に、第一の基板11としてzカットZn添加LiNbO基板を用い、第二の基板12としてzカットMg添加LiNbO基板を用いて波長変換素子用薄膜基板を作製した。
【0052】
第一の基板11と第二の基板12は、何れもLiNbOに添加物を添加したものであり、熱膨張係数がほぼ一致している。また、添加物の種類を変えることにより、第一の基板11の屈折率よりも第二の基板12の屈折率の方が小さくなっている。なお、基板はいずれも少なくとも接合される面が光学研磨、もしくは鏡面を呈している。
【0053】
第一の工程では、用意した第一の基板11および第二の基板12の表面を通常の酸洗浄あるいはアルカリ洗浄によって親水性にした後、これら二つの基板をマイクロパーティクルが極力存在しない清浄雰囲気中で重ね合わせた。そして、この重ね合わせた第一の基板11および第二の基板12を電気炉に入れ、400℃で1時間熱処理することにより拡散接合を行った。接着された基板は、接合面にマイクロパーティクルの付着がなくボイドフリーであり、室温に戻したときにおいてもクラックなどの発生はなかった。
【0054】
次に、第二の工程では、作製した薄膜基板を用いて1.5μm帯で位相整合条件が満たされるように周期分極反転構造を作製した。すなわち、接合基板の表面に通常のフォトリソグラフィのプロセスによってレジストによる周期パターンを作製した後に、表面および裏面に塩化リチウム水溶液からなる液体電極13を形成し、これらの電極間に数kV程度の高電圧を短時間印加する、いわゆる液体電極を用いた電界印加法で、接合基板のレジストパターン以外の部分の分極を反転させた。拡散接合によって直接貼り合わせた基板においても、通常の基板を用いた場合と同様に均一に周期反転分極構造を形成することができた。
【0055】
次に、第三の工程では、研磨定盤の平坦度が管理された研磨装置を用いて、接着された基板の第一の基板11の厚さが20μmになるまで研磨加工を施した。研磨加工の後、ポリッシング加工を行うことにより鏡面の研磨表面を得ることができた。基板の平行度(最大高さと最小高さとの差)を光学的な平行度測定機を用いて測定したところ、ウエハの周囲を除き、ほぼ全体にわたってサブミクロンの平行度が得られ、波長変換素子の作製に好適な薄膜基板を作製することができた。
【0056】
この薄膜基板は、接着剤を用いず、第一の基板11と第二の基板12とを熱処理による拡散接合によって直接貼り合わせることにより作製したため、ウエハの全面積にわたって均一な組成、膜厚を持つものであり、波長変換素子用薄膜基板として使用することができた。
【0057】
さらに、第四の工程では、図2に示すように、作製した波長変換素子用薄膜基板を用い、また、光導波路の作製方法としてはドライエッチングプロセスを用いて波長変換素子を作製した。すなわち、波長変換素子用薄膜基板に、エッチング用マスク14を用いて通常のフォトリソグラフィのプロセスによって導波路パターンを作製した後、ドライエッチング装置に基板をセットし、CF4ガスをエッチングガスとして基板表面をエッチングすることによりリッジ型光導波路15を作製した。
【0058】
次の工程では、図4に示した実施例1と同様に、光導波路22はウエハである薄膜基板21に平行に複数本作製した。そして、これらの各光導波路ごとに基板を短冊状に切りだし、光導波路の両端面を光学研磨することによって、3インチウエハから長さ60mmの波長変換素子23を作製した。作製した波長変換素子に0.77μmの制御光と1.55μmの信号光を入射したところ、1.53μmに波長変換光が得られ、500%/W以上の高効率な波長変換を実現できた。
【0059】
なお、第一の基板としてzカットLiNbO基板を用い、第二の基板としてzカットLiNbO基板を用いた場合においても、本実施例1と同様の方法によって波長変換素子用薄膜基板を作製することができた。
【0060】
このほか、第一の基板として、LiNbO、LiTaO、KLi1−yNbTa1−x(0<x<1,0<y<1)、KNbO、KTiOPO或いは、それらにMg、Zn、Sc、Inからなる群から選ばれた少なくとも一種を添加物として含有した基板などを用いた場合においても、同様の波長変換素子用薄膜基板を作製することができる。
【0061】
また、第二の基板として、熱膨張係数の値が第一の基板の値に近く、屈折率が第一の基板よりも小さいようなガラス基板、あるいは結晶基板を用いた場合においても同様の波長変換素子用薄膜基板を作製することができた。ここで、ガラス基板材料としては、多成分石英ガラス、リン酸ガラス、鉛ガラス、フッ化物ガラス、テルライトガラスなどのガラス材料を用いることができる。
【0062】
なお、このガラス材料の組成を適宜調整することによって所望の熱膨張係数や屈折率を持つようなガラス基板を作製することは、ガラス材料を製造する当該業者が適宜なしうるものである。また、結晶基板においては、水晶やLiTaO等が挙げられる。水晶のz軸に垂直な面内方向に熱膨張係数は、13.6×10−6/Kであり、LiNbO熱膨張係数に近く、またLiNbOの屈折率が2.1であるのに対して、水晶の屈折率は1.53と小さいため、本発明の実施形態の一例として好適である。また、LiTaOについても同様である。
【0063】
[実施例3]
図6は、本発明の波長変換素子用薄膜基板のさらに他の実施例を説明するための工程図である。図6に示すように、本実施例3においては、第一の基板11としてzカットLiNbO基板を用い、その基板の接合する面に厚さd1の薄膜16を形成してある。ここでは、この薄膜16を、ゾルゲル法を用いたMg添加LiNbO膜とした。そして、第二の基板12としてzカットLiNbO基板を用いて波長変換素子用薄膜基板を作製した。
【0064】
第一の基板11の主要部分と薄膜16、および第二の基板12は、熱膨張係数がほぼ一致している。また、第一の基板11の薄膜の屈折率は、第一の基板11と主要部分の屈折率よりも小さくなっている。なお、基板はいずれも少なくとも接合される面が光学研磨、もしくは鏡面を呈している。ここで、薄膜d1の最小膜厚は、および第一の基板11、第二の基板12および薄膜16の屈折率差の大きさにより決定される。
【0065】
第一の工程では、用意した第一の基板11および第二の基板12の表面を通常の酸洗浄あるいはアルカリ洗浄によって親水性にした後、これら二つの基板をマイクロパーティクルが極力存在しない清浄雰囲気中で重ね合わせた。そして、この重ね合わせた第一の基板11および第二の基板12を電気炉に入れ、400℃で1時間熱処理することにより拡散接合を行った。接着された基板は、接合面にマイクロパーティクルの付着がなくてボイドフリーであり、室温に戻したときにおいてもクラックなどの発生はなかった。
【0066】
次に、第二の工程では、研磨定盤の平坦度が管理された研磨装置を用いて、接着された基板の第一の基板11の厚さが20μmになるまで研磨加工を施した。研磨加工の後に、ポリッシング加工を行うことにより鏡面の研磨表面を得ることができた。基板の平行度(最大高さと最小高さとの差)を光学的な平行度測定機を用いて測定したところ、ウエハの周囲を除き、ほぼ全体にわたってサブミクロンの平行度が得られ、波長変換素子の作製に好適な薄膜基板を作製することができた。
【0067】
この薄膜基板は、接着剤を用いず、第一の基板11と第二の基板12とを熱処理による拡散接合によって直接貼り合わせることにより作製したため、ウエハの全面積にわたって均一な組成を持つものであった。
【0068】
次に、第三の工程では、作製した薄膜基板を用いて1.5μm帯で位相整合条件が満たされるように周期分極反転構造を作製した。すなわち、薄膜基板の表面に通常のフォトリソグラフィのプロセスによってレジストによる周期パターンを作製した後に、表面および裏面に塩化リチウム水溶液からなる液体電極13を形成し、これらの電極間に数kV程度の高電圧を短時間印加する、いわゆる液体電極を用いた電界印加法で、薄膜基板のレジストパターン以外の部分の分極を反転させた。拡散接合によって直接貼り合わせた基板においても、通常の基板を用いた場合と同様に均一に周期反転分極構造を形成することができ、波長変換素子用薄膜基板として使用することができた。
【0069】
さらに、第四の工程では、図2に示すように、作製した波長変換素子用薄膜基板を用い、また、光導波路の作製方法としてはドライエッチングプロセスを用いて波長変換素子を作製した。すなわち、波長変換素子用薄膜基板表面に、エッチング用マスク14を用いて通常のフォトリソグラフィのプロセスによって導波路パターンを作製した後、ドライエッチング装置に基板をセットし、CF4ガスをエッチングガスとして基板表面をエッチングすることによりリッジ型光導波路15を作製した。
【0070】
次の工程では、図4に示した実施例1と同様に、光導波路22はウエハである薄膜基板21に平行に複数本作製した。そして、これらの各光導波路ごとに基板を短冊状に切りだし、光導波路の両端面を光学研磨することによって、3インチウエハから長さ60mmの波長変換素子23を作製した。作製した波長変換素子に0.77μmの制御光と1.55μmの信号光を入射したところ1.53μmに波長変換光が得られ、500%/W以上の高効率な波長変換を実現できた。
【0071】
なお、第一の基板の主要部分としてzカットLiNbO第一の基板の薄膜をZカットLiNbO膜を用い、第二の基板としてzカットLiNbO基板を用いた場合においても、本実施例3と同様の方法によって波長変換素子用薄膜基板を作製することができた。
【0072】
このほか、第一の基板の主要部分として、LiNbO、LiTaO、KLi1−yNbTa1−x(0<x<1,0<y<1)、KNbO、KTiOPO或いは、それらにMg、Zn、Sc、Inからなる群から選ばれた少なくとも一種を添加物として含有した基板などを用いた場合においても、同様の波長変換素子用薄膜基板を作製することができる。
【0073】
第一の基板の薄膜の形成方法として、本実施例1で示した第一の工程および第二の工程と同様の方法を用いて、例えば、LiNbO基板上にMg添加LiNbO膜やLiNbO膜等を形成することができる。また、この薄膜として、スパッタ法やCVD法、ゾルゲル法等で形成したSiO膜やMgO膜、ITO膜等の接合時の温度に耐えうる材料を用いることができる。
【0074】
また、第二の基板として、熱膨張係数の値が第一の基板の値に近いガラス基板、あるいは結晶基板を用いた場合においても同様の波長変換素子用薄膜基板を作製することができた。ここで、ガラス基板材料としては、多成分石英ガラス、リン酸ガラス、鉛ガラス、フッ化物ガラス、テルライトガラスなどのガラス材料を用いることができる。
【0075】
なお、このガラス材料の組成を適宜調整することによって所望の熱膨張係数や屈折率を持つようなガラス基板を作製することは、ガラス材料を製造する当該業者が適宜なしうるものである。また、結晶基板においては、水晶やLiTaO等が挙げられる。水晶のz軸に垂直な面内方向に熱膨張係数は、13.6×10−6/Kであり、LiNbO熱膨張係数に近く、またLiNbOの屈折率が2.1であるのに対して、水晶の屈折率は1.53と小さいため、本発明の実施形態の一例として好適である。また、LiTaOについても同様である。
【0076】
[実施例4]
図7は、本発明の波長変換素子用薄膜基板のさらに他の実施例を説明するための工程図である。図7に示すように、本実施例3においては、第一の基板11としてzカットZn添加LiNbO基板を用い、第二の基板12として、その基板の接合する面に厚さd2の薄膜16を形成してあるzカットMg添加LiNbO基板を用いて波長変換素子用薄膜基板を作製した。
【0077】
ここでは、この薄膜16を、ゾルゲル法を用いたLiTaO膜とした。第一の基板11と第二の基板12の主要部分、および薄膜16は、熱膨張係数がほぼ一致している。また、第二の基板12の薄膜の屈折率は、第一の基板11の屈折率よりも小さくなっている。なお、基板はいずれも少なくとも接合される面が光学研磨、もしくは、鏡面を呈している。ここで、薄膜d1の最小膜厚は、および第一の基板11、第二の基板12および薄膜16の屈折率差の大きさにより決定される。
【0078】
第一の工程では、用意した第一の基板11および第二の基板12の表面を通常の酸洗浄あるいはアルカリ洗浄によって親水性にした後、これら二つの基板をマイクロパーティクルが極力存在しない清浄雰囲気中で重ね合わせた。そして、この重ね合わせた第一の基板11および第二の基板12を電気炉に入れ、400℃で1時間熱処理することにより拡散接合を行った。接着された基板は接合面にマイクロパーティクルの付着がなくてボイドフリーであり、室温に戻したときにおいてもクラックなどの発生はなかった。
【0079】
次に、第二の工程では、研磨定盤の平坦度が管理された研磨装置を用いて、接着された基板の第一の基板11の厚さが20μmになるまで研磨加工を施した。研磨加工の後に、ポリッシング加工を行うことにより鏡面の研磨表面を得ることができた。基板の平行度(最大高さと最小高さとの差)を光学的な平行度測定機を用いて測定したところ、ウエハの周囲を除き、ほぼ全体にわたってサブミクロンの平行度が得られ、波長変換素子の作製に好適な薄膜基板を作製することができた。
【0080】
この薄膜基板は、接着剤を用いず、第一の基板11と第二の基板12とを熱処理による拡散接合によって直接貼り合わせることにより作製したため、ウエハの全面積にわたって均一な組成を持つものであった。
【0081】
次に、第三の工程では、作製した薄膜基板を用いて1.5μm帯で位相整合条件が満たされるように周期分極反転構造を作製した。すなわち、薄膜基板の表面に通常のフォトリソグラフィのプロセスによってレジストによる周期パターンを作製した後に、表面および裏面に塩化リチウム水溶液からなる液体電極13を形成し、これらの電極間に数kV程度の高電圧を短時間印加する、いわゆる液体電極を用いた電界印加法で、薄膜基板のレジストパターン以外の部分の分極を反転させた。拡散接合によって直接貼り合わせた基板においても、通常の基板を用いた場合と同様に均一に周期反転分極構造を形成することができ、波長変換素子用薄膜基板として使用することができた。
【0082】
さらに、第四の工程では、図2に示すように、作製した波長変換素子用薄膜基板を用い、また、光導波路の作製方法としてはドライエッチングプロセスを用いて波長変換素子を作製した。すなわち、波長変換素子用薄膜基板表面に、エッイング用マスク14を用いて通常のフォトリソグラフィのプロセスによって導波路パターンを作製した後、ドライエッチング装置に基板をセットし、CF4ガスをエッチングガスとして基板表面をエッチングすることによりリッジ型光導波路15を作製した。
【0083】
次の工程では、図4に示した実施例1と同様に、光導波路22はウエハである薄膜基板21に平行に複数本作製した。そして、これらの各光導波路ごとに基板を短冊状に切りだし、光導波路の両端面を光学研磨することによって、3インチウエハから長さ60mmの波長変換素子23を作製した。作製した波長変換素子に0.77μmの制御光と1.55μmの信号光を入射したところ1.53μmに波長変換光が得られ、500%/W以上の高効率な波長変換を実現できた。
【0084】
なお、第一の基板としてzカットLiNbO、第一の基板の薄膜を、zカットLiTaO膜を用い、第二の基板の主要部分としてzカットLiNbO基板を用いた場合においても、本実施例3と同様の方法によって波長変換素子用薄膜基板を作製することができた。
【0085】
このほか、第一の基板として、LiNbO、LiTaO、K(y)Li1−yNbTa1−x(0<x<1,0<y<1)、KNbO、KTiOPO或いは、それらにMg、Zn、Sc、Inからなる群から選ばれた少なくとも一種を添加物として含有した基板などを用いた場合においても、同様の波長変換素子用薄膜基板を作製することができる。
【0086】
第二の基板の薄膜の形成方法として、本実施例1で示した第一の工程および第二の工程と同様の方法を用いて、例えば、LiNbO基板上にMg添加LiNbO膜やLiNbO膜等を形成することができる。また、この薄膜として、スパッタ法やCVD法、ゾルゲル法等で形成したSiO膜やMgO膜、ITO膜等の接合時の温度に耐えうる材料を用いることができる。
【0087】
また、第二の基板の主要部分として、熱膨張係数の値が第一の基板の値に近いガラス基板、あるいは結晶基板を用いた場合においても同様の波長変換素子用薄膜基板を作製することができた。ここで、ガラス基板材料としては、多成分石英ガラス、リン酸ガラス、鉛ガラス、フッ化物ガラス、テルライトガラスなどのガラス材料を用いることができる。
【0088】
なお、このガラス材料の組成を適宜調整することによって所望の熱膨張係数や屈折率を持つようなガラス基板を作製することは、ガラス材料を製造する当該業者が適宜なしうるものである。また、結晶基板においては、水晶やLiTaO等が挙げられる。水晶のz軸に垂直な面内方向に熱膨張係数は、13.6×10−6/Kであり、LiNbO熱膨張係数に近く、またLiNbOの屈折率が2.1であるのに対して、水晶の屈折率は1.53と小さいため、本発明の実施形態の一例として好適である。また、LiTaOについても同様である。
【0089】
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明はこれらの実施例によって何ら制限されるものではない。
【0090】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、大面積にわたって均一な組成と、膜厚を持つような波長変換素子用薄膜基板を提供することができる。従って、本発明の波長変換素子用薄膜基板を用いれば、長尺の波長変換素子の製造が可能となり波長変換効率の向上に効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の波長変換素子用薄膜基板の一実施例を説明するための工程図である。
【図2】本発明の波長変換素子を作製する第四の工程を示す図である。
【図3】本発明の実施例1の波長変換素子の斜視拡大図である。
【図4】光導波路をウエハである薄膜基板に平行に複数本作製した工程を示す図である。
【図5】本発明の波長変換素子用薄膜基板の他の実施例を説明するための工程図である。
【図6】本発明の波長変換素子用薄膜基板のさらに他の実施例を説明するための工程図である。
【図7】本発明の波長変換素子用薄膜基板のさらに他の実施例を説明するための工程図である。
【図8】従来の擬似位相整合型の波長変換素子の構成を示す図である。
【符号の説明】
1 合波器
2 非線形光導波路
3 分波器
11 第一の基板
12 第二の基板
13 液体電極
14 エッチング用マスク
15 リッジ型光導波路
16 薄膜
21 薄膜基板
22 光導波路
23 波長変換素子

Claims (15)

  1. 二次の非線形効果を有する第一の基板と、第二の基板とを熱処理による拡散接合によって直接貼り合わせる第一の工程と、前記第一の基板厚さを薄くして光導波路を形成するための所定の厚さにする第二の工程と、前記第一の基板に非線形定数を周期的に変調する第三の工程とを備えたことを特徴とする波長変換素子用薄膜基板の製造方法。
  2. 二次の非線形効果を有する第一の基板と、第二の基板とを熱処理による拡散接合によって直接貼り合わせる第一の工程と、前記第一の基板に非線形定数を周期的に変調する第二の工程と、前記第一の基板厚さを薄くして光導波路を形成するための所定の厚さにする第三の工程とを備えたことを特徴とする波長変換素子用薄膜基板の製造方法。
  3. 前記第一の工程における熱処理が、第一の基板のキュリー温度より低い温度で行うことを特徴とする請求項1又は2に記載の波長変換素子用薄膜基板の製造方法。
  4. 前記第二の工程における前記第一の基板の厚さを20μm以下にすることを特徴とする請求項1,2又は3に記載の波長変換素子用薄膜基板の製造方法。
  5. 前記第二の基板の第一の基板に接合する表面層の使用波長領域における屈折率が、第一の基板の屈折率よりも小さいことを特徴とする請求項1乃至4いずれかに記載の波長変換素子用薄膜基板の製造方法。
  6. 前記第二の基板の熱膨張係数が、前記第一の基板の熱膨張係数にほぼ一致することを特徴とする請求項1乃至5いずれかに記載の波長変換素子用薄膜基板の製造方法。
  7. 前記第一の基板が、LiNbO、LiTaO、LiNbTa1−x(0<x<1)、KNbO、KTiOPO或いは、それらにMg、Zn、Sc、Inからなる群から選ばれた少なくとも一種を添加物として含有していることを特徴とする請求項1乃至6いずれかに記載の波長変換素子用薄膜基板の製造方法。
  8. 請求項1乃至7いずれかに記載の波長変換素子用薄膜基板の製造方法によって波長変換素子用薄膜基板を作製し、その後の工程で前記波長変換素子用薄膜基板における前記第一の基板に光導波路を作製することを特徴とする波長変換素子の製造方法。
  9. 二次の非線形効果を有する基板の使用波長領域における屈折率よりも小さい屈折率を有する薄膜を前記基板の片側に形成した第一の基板と、第二の基板とを前記薄膜を挟むように熱処理による拡散接合によって直接貼り合わせる第一の工程と、前記第一の基板厚さを薄くして光導波路を形成するための所定の厚さにする第二の工程と、前記第一の基板に非線形定数を周期的に変調する第三の工程とを備えたことを特徴とする波長変換素子用薄膜基板の製造方法。
  10. 二次の非線形効果を有する第一の基板と、使用波長領域における屈折率が第一の基板の屈折率よりも小さい薄膜を基板の片側に形成した第二の基板とを薄膜を挟むように熱処理による拡散接合によって直接貼り合わせる第一の工程と、前記第一の基板に非線形定数を周期的に変調する第二の工程と、前記第一の基板厚さを薄くして光導波路を形成するための所定の厚さにする第三の工程とを備えたことを特徴とする波長変換素子用薄膜基板の製造方法。
  11. 前記第一の工程における熱処理が、第一の基板のキュリー温度より低い温度で行うことを特徴とする請求項9又は10に記載の波長変換素子用薄膜基板の製造方法。
  12. 前記第三の工程における前記第一の基板の厚さを20μm以下にすることを特徴とする請求項9,10又は11に記載の波長変換素子用薄膜基板の製造方法。
  13. 前記第二の基板もしくは薄膜の熱膨張係数が、前記第一の基板の熱膨張係数にほぼ一致することを特徴とする請求項9乃至12いずれかに記載の波長変換素子用薄膜基板の製造方法。
  14. 前記第一の基板が、LiNbO、LiTaO、KLi1− NbTa1−x(0<x<1,0<y<1)、KNbO、KTiOPO或いは、それらにMg、Zn、Sc、Inからなる群から選ばれた少なくとも一種を添加物として含有していることを特徴とする請求項9乃至13いずれかに記載の波長変換素子用薄膜基板の製造方法。
  15. 請求項9乃至14いずれかに記載の波長変換素子用薄膜基板の製造方法によって波長変換素子用薄膜基板を作製し、その後の工程で前記波長変換素子用薄膜基板における前記第一の基板に光導波路を作製することを特徴とする波長変換素子の製造方法。
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