JPH06289344A - 光導波路素子およびその製造方法 - Google Patents

光導波路素子およびその製造方法

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JPH06289344A
JPH06289344A JP4107134A JP10713492A JPH06289344A JP H06289344 A JPH06289344 A JP H06289344A JP 4107134 A JP4107134 A JP 4107134A JP 10713492 A JP10713492 A JP 10713492A JP H06289344 A JPH06289344 A JP H06289344A
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optical
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和生 江田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】光ファイバーとの結合損失の少ない、伝搬損失
の少ない、光損傷の少ない光導波路素子を得る。 【構成】光の伝搬モードに対して、イオン拡散処理を行
わない純粋の単結晶としての光学特性を有するニオブ酸
リチウムの基板1の屈折率よりも、ニオブ酸リチウムの
薄板2の屈折率の方が大きくなるように結晶軸を選んで
2枚直接接合し、これにより薄板2に入射した光は薄板
2内に閉じこめられる。さらに薄板2にリッジ構造を設
けることにより、リッジ下部の部分の方がその他の部分
よりも実効誘電率が大きくなるため、光は集中的にリッ
ジ下部に閉じこめられ、したがって、リッジ下部が導波
光伝搬部8となって光導波路4,5として作用する。こ
の導波光の中心は、光導波路4,5の中心または少し基
板1側に入ったところになり、かつ円形に近い形とな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光導波路を使った光強
度変調、光スイッチング、偏波面制御、さらに伝搬モー
ド制御などを行う各種の光導波路素子およびその製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、光導波路素子、たとえば、光変調
器、光スイッチ、光偏波面制御素子、光伝搬モード制御
素子などは、ニオブ酸リチウムやタンタル酸リチウムな
どの電気光学効果を有する誘電体単結晶に、単一モード
伝搬の光導波路を形成し、その形状を工夫するとともに
電極を適当な形で設け、電気光学効果により、光導波路
通過光を制御して行っている。また、光導波路の作製
は、金属、たとえばチタンを蒸着させ、高温で熱拡散さ
せることにより、拡散部分の屈折率を他の部分よりも少
し高くすることによって、光を閉じ込めるように構成し
ている。さらに、所定部分に金属マスクをして温度200
℃〜300 ℃の燐酸中でプロトンイオン交換を行い、屈折
率を一部変えて光導波路を形成している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の構
成では、表面からの拡散処理により光導波路を形成して
いることから、光導波路の断面形状が、拡散に従った形
状になるため色々不都合がある。その大きな問題の1つ
に光導波路と光ファイバーとの結合損失がある。光ファ
イバーの断面形状は円形であるのに対して、光導波路の
形状は、表面からの拡散によるため逆三角形に似た形状
であり、かつ導波光の強度の最も強い部分が表面近くに
あるため、光ファイバーとの光結合があまりうまくいか
ず、そこで大きな損失を生じていた。このように、光導
波路素子では光の結合損失の低減は極めて重要な問題と
なっている。
【0004】また、拡散処理を行うことにより、拡散前
よりも光伝搬損失が増大するという問題もあった。たと
えば、チタン拡散光導波路の場合、通常1dB/cm程
度の伝搬損失が生ずる。この伝搬損失の低減も光導波路
素子の大きな問題となっている。また同様に、拡散処理
により光損傷が大きくなるという問題もあった。これ
は、強度の強い光、または短波長の光を拡散型光導波路
に入れると、伝搬損失が時間とともに増大するというも
のである。これはイオンの光導波路中への拡散により、
光導波路中に電子のトラップが増大することによると考
えられている。
【0005】さらに、イオン拡散型でない光導波路の形
成方法として、単結晶のエピタキシャル成長膜を用いる
方法が知られている。たとえば、タンタル酸リチウム基
板にニオブ酸リチウムとタンタル酸リチウムの混晶膜を
形成した光導波路が知られている。しかし、この方法に
はいくつかの制約がある。まず、第1に、エピタキシャ
ル成長膜は成長速度や成長時に発生する結晶内の歪の問
題から、5ミクロン以上の膜厚を、実用的に得ることが
困難であり、コア径約10ミクロンの光ファイバーとの結
合特性が悪くなる。また、エピタキシャル成長の条件が
限られている。結晶格子間隔がほぼ同じでなければエピ
タキシャル成長が困難であることから、タンタル酸リチ
ウム基板上に、純粋のニオブ酸リチウムを形成すること
は困難であり、そのため混晶膜の成長に留まっている。
ニオブ酸リチウムの場合、混晶膜よりも、純粋のニオブ
酸リチウムの方が、光導波路特性全般に優れている。ま
た、同種のエピタキシャル成長は可能であるが、結晶方
位が同じになるため、屈折率が一様な基板となり、光導
波路を形成できないなどの問題があった。
【0006】したがって、単一基板に上からの拡散法の
みにより形成した光導波路またはエピタキシャル成長膜
を用いた光導波路素子では、光導波路と光ファイバーと
の結合損失が大きく、伝搬損失が大きく、さらに光損傷
が大きいなどの問題があった。
【0007】本発明は上記従来の問題を解決するもの
で、光ファイバーとの結合損失の少ない、伝搬損失の少
ない、光損傷の少ない光導波路素子およびその製造方法
を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明の光導波路素子は、電気光学効果を有し、結晶
方位により屈折率の異なる単結晶誘電体基板を、結晶方
位を変えて少なくとも2枚直接接合した基板を設け、結
晶方位の違いによる屈折率の差により、一方の前記単結
晶誘電体基板内に光の閉じこめられる光導波路を設け、
前記光導波路を通る光を電気光学効果により制御可能に
構成したものである。
【0009】また、本発明の光導波路素子は、電気光学
効果を有し、屈折率の異なる単結晶誘電体基板を、少な
くとも2枚直接接合した基板を設け、前記屈折率の差に
より、一方の前記単結晶誘電体基板内に光の閉じこめら
れる光導波路を設け、前記光導波路を通る光を電気光学
効果により制御可能に構成したものである。
【0010】さらに、本発明の光導波路素子の製造方法
は、結晶方位の異なる少なくとも2枚の、結晶方位によ
り屈折率の異なる電気光学効果を有する単結晶誘電体基
板の表面を平滑かつ清浄にし、親水処理した後、水を介
して直接接合し、温度100 ℃〜1100℃の範囲で加熱した
後、光導波路を形成する側の基板を、前記光導波路を形
成するに十分な厚みまで薄く加工した後、この加工され
た基板に光導波路を形成し、前記光導波路を通る光を電
気光学効果により制御可能な電極を形成して光導波路素
子を製造するものである。
【0011】さらに、本発明の光導波路素子の製造方法
は、屈折率の異なる少なくとも2枚の、電気光学効果を
有する単結晶誘電体基板の表面を平滑かつ清浄にし、親
水処理した後、水を介して直接接合し、温度100 ℃〜11
00℃の範囲で加熱した後、光導波路を形成する側の基板
を、前記光導波路を形成するのに十分な厚みまで薄く加
工した後、この加工された基板に光導波路を形成し、前
記光導波路を通る光を電気光学効果により制御可能な電
極を形成して光導波路素子を製造するものである。
【0012】
【作用】上記構成により、光導波路として均一状の構造
が得られることから、従来の拡散による光導波路断面形
状と比較して光導波路断面形状の対称性が良好となり、
かつ光の伝搬中心がほぼ薄板中央になり、また、その厚
みを自在にでき、これにより、光ファイバーとの結合損
失が大幅に低減される。また、拡散処理していない純粋
の単結晶誘電体薄板を光導波路に用いるので、光伝搬損
失が少なく、また、光損傷の少ない光導波路素子が得ら
れる。
【0013】
【実施例】以下、本発明の実施例の光導波路素子を、光
通信などに用いる光変調器に適用した場合の構成とその
製造方法について図面を参照しながら説明する。
【0014】(実施例1)図1は本発明の第1の実施例
における光導波路素子を用いた光変調器の構成を示す斜
視図である。図1において、ニオブ酸リチウム基板1上
にニオブ酸リチウム薄板2が直接接合され、ニオブ酸リ
チウム薄板2はニオブ酸リチウム基板1と結晶方位を異
ならしめて接合している。また、入出力光導波路部3は
ニオブ酸リチウム薄板2上に形成されており、入力部と
してのこの入出力光導波路部3から第1の分岐光導波路
4と第2の分岐光導波路5の2つの光導波路に分岐さ
れ、さらに第1の分岐光導波路4と第2の分岐光導波路
5は、出力部としての入出力光導波路部3に連結されて
いる。さらに、電極6,7は分岐光導波路5を挟むよう
に両側に形成されて電気光学効果により光導波路を通る
光を制御している。
【0015】図2は図1の光導波路素子における中央部
分の断面図である。図2において、分岐光導波路4、5
は、断面頭の部分が台形となっており、いわゆるリッジ
型光導波路の構造となっている。図2には表れていない
が、入出力光導波路3の断面形状も同様である。ここ
で、導波光伝搬部8は、光が基板厚さの厚い側を集中し
て通り、光導波路として均一状の構造が得られ、かつ、
光導波路断面形状の対称性も良く、光の伝搬中心は略薄
板中央部となる。光変調器の構成そのものは、いわゆる
マッハーゼンダー型と呼ばれるもので、入力部より入射
した光を2つに分岐し、分岐した一方の光導波路に電極
6,7により電界を加え、電気光学効果により光導波路
部の屈折率を変えて導波光の伝搬速度を変え、再結合部
での光の位相が異なるようにすることにより、出力部の
光の強度を変調するものである。
【0016】また、これらニオブ酸リチウム薄板2およ
びニオブ酸リチウム基板1の材料であるニオブ酸リチウ
ムは、結晶光軸方向とそれに垂直な方向とで誘電率が大
きく異なり、それに伴い屈折率にも違いが生ずる。常光
線に対する屈折率は2.29であるのに対して、異常光線に
対しては2.20の屈折率となる。この屈折率に0.01程度以
上の差があれば、屈折率の大きい方に光を閉じこめるこ
とができ、光導波路の形成が可能となる。本実施例の場
合、光の伝搬モードに対して、ニオブ酸リチウム基板1
の屈折率よりも、ニオブ酸リチウム薄板2の屈折率の方
が大きくなるように結晶軸を選んで接合し、これにより
ニオブ酸リチウム薄板2に入射した光は薄板内に閉じこ
められる。さらにリッジ構造を設けることにより、リッ
ジ下部の部分の方がその他の部分よりも実効誘電率が大
きくなるため、光はリッジ下部に閉じこめられ、したが
って、リッジ下部が導波光伝搬部8となり光導波路とし
て作用する。
【0017】この場合の導波路形状は頭部が台形または
矩形で、ニオブ酸リチウム薄板2の厚みを異ならしめて
おり、後は均一の屈折率からなることにより、図2の導
波光伝搬部8のように、導波光の中心は、光導波路の中
心または少し基板側に入ったところになり、かつ円形に
近い形となる。入出力光導波路部3の断面も同じ形状で
あり、したがって、光ファイバーの直径約10ミクロンの
円形光導波路部構造との結合効率は極めて良好となっ
た。
【0018】また、各寸法の代表値は、ニオブ酸リチウ
ム基板1の厚みが600 ミクロン、ニオブ酸リチウム薄板
2の厚みが7ミクロン、リッジ頭部の凸部の高さが3ミ
クロン、光導波路幅は7ミクロン、分岐光導波路部の長
さは2cm、光導波路部全体の長さは3cmであった。
電極6,7にはアルミニウムを用いた。
【0019】以上のような構成とすることにより、光フ
ァイバーとの結合損失は、屈折率の整合をとった接着材
を用いて接着固定することにより、片面で0.3 dB以下
となった。従来のチタン拡散光導波路を用いた場合、同
様の接着固定方法で、結合損失は約0.5 〜1.0 dBであ
ったことから大幅に改善された。
【0020】また、光導波路として、イオン拡散処理を
行わない純粋の単結晶としての光学特性を有するニオブ
酸リチウム薄板2を用いているため、光の伝搬損失も極
めて小さくすることができた。具体的には、0.1 dB/
cm以下の光導波路伝搬損失が容易に得られた。通常チ
タン拡散光導波路の場合、0.5 〜1.0 dB/cmであっ
たので、大幅に特性が改善された。
【0021】さらに、入射光の強度を0dBm〜30dB
mまで変えて、光損傷の様子をみたが、ほとんど光損傷
は見られなかった。これは、光導波路として電子トラッ
プの非常に少ない純粋の単結晶ニオブ酸リチウム薄板を
用いたことによる効果と考えられる。
【0022】なお、測定は1.3 ミクロンの波長で行っ
た。 (実施例2)図3は本発明の第2の実施例における光導
波路素子を用いた光変調器の構成を示す斜視図である。
図3において、タンタル酸リチウム基板11上にはニオブ
酸リチウム薄板12が直接接合されている。これらタンタ
ル酸リチウムとニオブ酸リチウムは、屈折率が異なり、
常光線に対して、タンタル酸リチウムは2.175 、ニオブ
酸リチウムは2.29である。この場合にも屈折率に0.115
という適当な差があり、屈折率の大きいニオブ酸リチウ
ム薄板12の方に光を効果的に閉じこめることができ、光
導波路の形成が可能となった。したがって、ニオブ酸リ
チウム薄板12に入射した光は、薄板内に閉じ込められ
た。さらに、リッジ構造を設けることにより、リッジ下
部の部分の方が、その他の部分よりも実効誘電率が大き
くなるため、光はリッジ下部に閉じ込められ、したがっ
て、リッジ下部が光導波路として作用する。また、この
場合の導波路形状は、実施例1の場合と全く同様であ
り、したがって、光ファイバーの円形の光導波路部構造
との結合効率は極めて良好となった。
【0023】ここで、各寸法の代表値は、タンタル酸リ
チウム基板11の厚みが600 ミクロンで、その他は実施例
1と同様である。以上のような構成とすることにより、
光ファイバーとの結合損失は、やはり実施例1と同様、
片面で0.3 dB以下となり、大幅に改善できた。また、
伝搬損失は、実施例1と同様に0.1 dB/cmのものが
容易に得られた。さらに、光損傷についても実施例1と
同様の効果が得られた。
【0024】(実施例3)以下、本発明の第3の実施例
における光導波路素子の製造方法について説明する。ま
ず、鏡面研磨された結晶方位の異なる2枚のニオブ酸リ
チウム基板の表面を、エッチングにより極めて清浄にし
た。具体的には、弗酸系エッチング液でニオブ酸リチウ
ム表面層をエッチング除去した。その後その表面を純水
で十分洗浄し、すぐに一様に重ね合わせると、ニオブ酸
リチウム基板表面に吸着した水酸基、水素によって、容
易に直接接合が得られた。このままでも十分強固な接合
が得られたが、さらにこの状態で、100 ℃〜1100℃の温
度で熱処理を行うと、その接合はさらに強化された。
【0025】次に、屈折率の高い方の結晶方位のニオブ
酸リチウム基板を、機械的研磨およびエッチングによ
り、薄板化していった。7ミクロンまで薄板化した後、
薄板化した方のニオブ酸リチウム基板上にホトリソグラ
フィー技術により、実施例1で示した光導波路構造のパ
ターンにエッチングマスクを形成し、エッチングによ
り、光導波路部以外を3ミクロンエッチング除去した。
マスクとしてはCrを、エッチング液としては、弗酸系
エッチング液を用いた。この後、マスクを除去し、アル
ミニウム電極を通常のホトリソグラフィーとエッチング
技術により形成した。これにより実施例1に示す光導波
路素子の構造を得た。この素子の光ファイバーとの結合
特性、伝搬損失、光損傷特性は、いずれも実施例1と同
様であった。
【0026】(実施例4)以下、本発明の第4の実施例
における光導波路素子の製造方法について説明する。ま
ず、鏡面研磨されたタンタル酸リチウム基板とニオブ酸
リチウム基板の表面をそれぞれエッチングにより極めて
清浄にした。以下のプロセスは、実施例3と同様にし
て、タンタル酸リチウムとニオブ酸リチウムの直接接合
基板を得た。次に、屈折率の大きいニオブ酸リチウム基
板を、実施例1と同様の方法により7ミクロンまで薄板
化した。以下、実施例3と同様の方法により、アルミニ
ウム電極まで形成し、実施例2に示す光導波路素子の構
造を得た。
【0027】この光導波路素子の光ファイバーとの結合
特性、伝搬損失、光損傷特性は、いずれも実施例2と同
様であった。以上により実施例3,4とも、接合強化の
熱処理効果は、たとえば100 ℃で1時間程度保持するだ
けでも接合強度は数倍に上がり、数10Kg/平方cmの
強度が得られた。一般に温度が高いほどまた時間が長い
ほど接合強度は強くなった。しかし、1100℃以上に温度
を上げると、ニオブ酸リチウムまたはタンタル酸リチウ
ム板表面からのリチウムの抜けが激しくなるため、表面
の特性劣化が大きく光導波路素子としての性能が劣化し
た。したがって、接合熱処理温度は1100℃以下が好まし
かった。
【0028】また、実施例3に示すニオブ酸リチウム同
士の結合の場合、熱膨張率が同じであることから、接着
強度向上のための熱処理温度を、より高温でより容易に
行うことができた。この場合、薄板化のための加工を強
度の研磨などで行っても剥離がない、または光導波路素
子として、より高温まで安定に動作するなどの効果が得
られた。したがって、同種基板の接合の場合は、直接接
合強度が強く高温まで安定なものが得られた。
【0029】さらに、基板の直接接合を、水、水酸基お
よび酸素で行った。これは、それぞれの誘電体表面に水
中の水酸基、水素などが表面吸着し、そのイオンの結合
力で接合したと考えられる。そして、この状態で熱処理
を行うと、接合界面から次第に水が抜け、水酸基の水素
や直接吸着していた水素が抜け、残された酸素と酸化物
である誘電体表面の酸素が誘電体構成元素と反応して、
接合が強化されると考えられる。
【0030】さらに、光導波路を形成する側の基板厚み
は、光通信が一般に単一モードで行われることから、単
一モードで伝搬する基板厚みにするのが望ましい。さら
に、実施例1に示す構成は、光導波路部と基板部で、常
光線と異常光線に対する屈折率が異なることから、特に
モードスプリッターに有効であった。
【0031】なお、単結晶誘電体の例として、ニオブ酸
リチウム、さらにニオブ酸リチウムおよびタンタル酸リ
チウムの例を用いて説明したが、単結晶誘電体基板に、
ニオブ酸リチウムおよびタンタル酸リチウムのうち少な
くとも何れかを用いてもよく、また、他の電気光学効果
を有する単結晶誘電体を用いても同様に形成できること
は原理的に明らかである。また、本実施例では光変調器
の構成例を示したが、本実施例の特徴が光導波路の構成
そのものにあることから、基本的には光導波路を用いた
各種光導波路素子に広く一般的に適用できるものであ
り、光変調器に限らず、光スイッチ、偏波面制御、伝搬
モード制御などの光導波路素子に適用できるものであ
る。すなわち、光導波路を通る光の電気光学効果による
制御として、光強度変調の他に、光スイッチングまたは
偏波面制御または伝搬モード制御を行う構成としてもよ
い。さらに、本実施例においては、単結晶誘電体基板内
に光の閉じ込められる光導波路を形成するに際して、基
板の厚みを異ならしめたが、光導波路以外の部分を拡散
させて屈折率を変えることにより、拡散していない部分
に光の閉じ込められる光導波路を形成してもよい。
【0032】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、光導波路
として、従来のような拡散層ではなく均一状の構造が得
られることから、光導波路断面形状の対称性を良くする
ことが可能となって光の伝搬中心を略薄板中央部にする
ことができ、また、その厚みを自在にでき、これにより
光ファイバーとの結合損失を大幅に低減させることがで
きるものである。また、光導波路として、拡散処理して
いない純粋の単結晶誘電体薄板を用いているため、光伝
搬損失が少なく、また光損傷の少ない光導波路素子を得
ることができるものである。さらに、同物質からなる直
接接合基板の場合には、熱膨張率が同じであることか
ら、直接接合強度の向上のための熱処理をより高温で、
より容易に行うことができて、薄板加工がより容易にな
り、高温まで特性を安定化させることができるものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例における光導波路素子を
用いた光変調器の構成を示す斜視図である。
【図2】図1の光導波路素子における中央部分の断面図
である。
【図3】本発明の第2の実施例における光導波路素子を
用いた光変調器の構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 ニオブ酸リチウム基板 2 ニオブ酸リチウム基板1と結晶方位の異なるニオ
ブ酸リチウム薄板 3 入出力光導波路部 4 第1の分岐光導波路 5 第2の分岐光導波路 6,7 電極 8 導波光伝搬部 11 タンタル酸リチウム基板 12 ニオブ酸リチウム薄板

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電気光学効果を有し、結晶方位により屈折
    率の異なる単結晶誘電体基板を、結晶方位を変えて少な
    くとも2枚直接接合した基板を設け、結晶方位の違いに
    よる屈折率の差により、一方の前記単結晶誘電体基板内
    に光の閉じこめられる光導波路を設け、前記光導波路を
    通る光を電気光学効果により制御可能に構成した光導波
    路素子。
  2. 【請求項2】電気光学効果を有し、屈折率の異なる単結
    晶誘電体基板を、少なくとも2枚直接接合した基板を設
    け、前記屈折率の差により、一方の前記単結晶誘電体基
    板内に光の閉じこめられる光導波路を設け、前記光導波
    路を通る光を電気光学効果により制御可能に構成した光
    導波路素子。
  3. 【請求項3】結晶方位の異なる少なくとも2枚の、結晶
    方位により屈折率の異なる電気光学効果を有する単結晶
    誘電体基板の表面を平滑かつ清浄にし、親水処理した
    後、水を介して直接接合し、温度100 ℃〜1100℃の範囲
    で加熱した後、光導波路を形成する側の基板を、前記光
    導波路を形成するに十分な厚みまで薄く加工した後、こ
    の加工された基板に光導波路を形成し、前記光導波路を
    通る光を電気光学効果により制御可能な電極を形成して
    光導波路素子を製造する光導波路素子の製造方法。
  4. 【請求項4】屈折率の異なる少なくとも2枚の、電気光
    学効果を有する単結晶誘電体基板の表面を平滑かつ清浄
    にし、親水処理した後、水を介して直接接合し、温度10
    0 ℃〜1100℃の範囲で加熱した後、光導波路を形成する
    側の基板を、前記光導波路を形成するのに十分な厚みま
    で薄く加工した後、この加工された基板に光導波路を形
    成し、前記光導波路を通る光を電気光学効果により制御
    可能な電極を形成して光導波路素子を製造する光導波路
    素子の製造方法。
JP4107134A 1992-04-21 1992-04-27 光導波路素子およびその製造方法 Expired - Lifetime JP2581486B2 (ja)

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