JP2012208393A - 波長変換素子及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】形成が容易であって、高い波長変換効率が実現される波長変換素子及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】周期的分極反転構造が形成された強誘電体結晶基板10に被波長変換光及び波長変換光を導波するリッジ型光導波路14が強誘電体結晶の主表面10aを含んで形成されている。このリッジ型光導波路14の幅Wは、被波長変換光に対して高次伝播モードカットオフ条件を満たす寸法に形成されている。そして、このリッジ型光導波路のリッジ部分14hにはZnが拡散されている。リッジ型光導波路は、強誘電体結晶基板の主表面10aに、被波長変換光及び波長変換光が伝播する方向に沿って平行な2本の溝16-1及び16-2を穿つことによって形成される。
【選択図】図1

Description

この発明は、光導波路を具えた擬似位相整合型波長変換素子及びその製造方法に関する。
周期的分極反転構造によって擬似位相整合(QPM: Quasi-Phase Matching)を実現して波長変換を行う擬似位相整合型波長変換素子(以後「QPM型波長変換素子」ということもある。)が注目されている。QPM型波長変換素子は、周期的分極反転構造の周期を調整することによって、所望の被波長変換光に対する波長変換を可能とする。この優れた特長を備えていることによって、QPM型波長変換素子は、光ファイバ通信の分野に限らず、光計測の分野等においても積極的に利用されつつある。
QPM型波長変換素子に共通する課題の一つは、波長変換効率を高くすることにある。波長変換効率を高くするためには、被波長変換光及び波長変換光を導波させる光導波路を設け、被波長変換光をそのエネルギー密度を高く保ったままこの光導波路を導波させつつ波長変換が実現される構成とすることが有効である。
ニオブ酸リチウム(LiNbO3)結晶基板を用いたQPM型波長変換素子が盛んに製造されている。そして、このLiNbO3に光導波路を形成する手法として、LiNbO3結晶基板表面近傍においてLi+イオンをH+イオンに交換してこの交換された領域の屈折率を高くするプロトン交換法が広く用いられている。しかしながら、プロトン交換法によればLiNbO3の異常光線に対する屈折率のみが増加するので、TM(Transverse Magnetic)偏波しか伝播しない光導波路となる。
このように特定の伝播モードだけを伝播させる機能を有する光導波路に対して、伝播モードに依存せずに光を伝播させる機能を有する偏波無依存光導波路として、Ti拡散導波路が知られている。しかしながら、Ti拡散により形成される光導波路には、当該光導波路を伝播する光電場によって屈折率が変化する、いわゆる光損傷と呼ばれる現象が発現する。光損傷が発現されると、QPM条件を満たさなくなり、波長変換効率が低下する。
そこで、この光損傷が発現せずしかも偏波無依存の光導波路を形成する手法が検討された。その結果、Zn拡散によって形成される光導波路が、光損傷が発現せずしかも偏波無依存の伝播特性を有するという条件を満たすことが確認されている(例えば、非特許文献1及び2参照)。
結晶基板に、TiあるいはZn等(拡散種ということもある。)を熱拡散させて形成される光導波路、及びプロトン交換法で形成される光導波路は、熱拡散工程において結晶基板の深さ方向に拡散種が拡散すると共に表面と平行な方向にも拡散される。そのため、熱拡散またはプロトン交換のための熱処理による光導波路の形成では、光導波路の幅(導波方向と直交する方向の寸法)を制御するのが非常に難しく、導波方向と直交する方向の伝播モード(光電場の振幅分布)を基本モードに限定するように光導波路の幅を確定することが困難となる。
光導波路の幅が、当該光導波路を伝播する被波長変換光と波長変換光の互いの光電場が重なり合う割合を決定する。波長変換効率は、被波長変換光と波長変換光の互いの光電場が重なり合う割合に比例するので、光導波路の幅を正確に制御することが、高い波長変換効率を得るための必須の条件となる。
そこで、光導波路の幅を正確に確定することが容易であるリッジ型光導波路を利用する波長変換素子が開示されている(特許文献1参照)。リッジ型光導波路は、屈折率の低い基板に光導波路の構成素材となる基板を接合し、光導波路の構成素材となる基板を研磨してその厚みを薄くした上で、エッチングすることによって形成される。例えば、光導波路の構成材料となる基板として周期的分極反転構造が形成されたZn添加LiNbO3基板を利用し、屈折率の低い基板としてMg添加LiNbO3基板を利用し、ドライエッチング法でリッジ型光導波路を形成した例が開示されている。
Toshiaki Suhara, et al., "Fabrication of Zn:LiNbO3 Waveguides by Diffusing ZnO in Low-Pressure Atmosphere", Jpn. J. Appl. Phys Vol. 39 (2000) pp. L864-L865 M. Fujimura, et al., "Quasi-phasematched wavelength conversion in Zn-diffused LiNbO3 waveguides", Technical Digest CLEO/PR 2001, ME1-5
特開2009-25555号公報
しかしながら、上述の特許文献1に記載された、リッジ型光導波路の形成方法において、基板同士の精密な接合、あるいは数μmに至るまでの精密研磨機械加工は非常に高度の技術を要する。また、ドライエッチング法によるエッチング速度は小さく、好適なリッジの高さをもつリッジ型光導波路を効率よく形成することは難しい。
従って、この発明の目的は、形成が容易であって、高い波長変換効率が実現される波長変換素子を提供すること、及びこの波長変換素子を製造する方法を提供することにある。
この発明の要旨によれば、以下の構成の波長変換素子及びこの波長変換素子を製造する方法が提供される。
この発明の波長変換素子は、入力される被波長変換光を、擬似位相整合により波長変換光に変換して出力する波長変換素子であって、以下の特徴を備えている。
被波長変換光及び波長変換光を導波する光導波路が、周期的分極反転構造を備える強誘電体結晶基板の主表面を含んで形成されている。強誘電体結晶基板の主表面に平行な2本の溝が形成されており、光導波路は該溝に挟まれた領域をリッジとするリッジ型光導波路である。リッジ幅は、被波長変換光に対して高次伝播モードカットオフ条件を満たす寸法に形成されている。
この発明の波長変換素子の製造方法は、入力される被波長変換光を、擬似位相整合により波長変換光に変換して出力する波長変換素子の製造方法であって、分極反転構造形成工程と、拡散種拡散工程と、リッジ型光導波路形成工程を含み、以下の特徴を備えている。
分極反転構造形成工程は、自発分極の方向が揃えられた強誘電体結晶が、自発分極の向きに直交する平面でカットされた強誘電体結晶基板に、周期的分極反転構造を形成する工程である。拡散種拡散工程は、周期的分極反転構造が形成された強誘電体結晶基板の主表面から、拡散種を拡散する工程である。リッジ型光導波路形成工程は、周期的分極反転構造が形成され、かつ拡散種が拡散された強誘電体結晶基板の主表面に、被波長変換光が擬似位相整合条件を満たす方向に伝播されるように、この方向に沿った平行な2本の溝を研削加工によって形成する工程である。
このリッジ型光導波路形成工程において、リッジ型光導波路の幅を被波長変換光に対して高次伝播モードカットオフ条件を満たす寸法に形成する。
この発明の波長変換素子の光導波路は、研削加工によって形成された平行な2本の溝に挟まれた領域をリッジとするリッジ型光導波路であり、リッジ幅は、被波長変換光に対して高次伝播モードカットオフ条件を満たす寸法に形成されている。
ここでは、強誘電体結晶基板に対する研削加工により、リッジ型光導波路を形成するので、上述の接合及びドライエッチング法を利用する従来の形成方法に比べて容易にリッジ型光導波路を形成できる。
また、リッジ幅が被波長変換光に対して高次伝播モードカットオフ条件を満たす寸法に形成され、高い波長変換効率が実現される。
波長変換素子の構造の説明に供する図である。 強誘電体結晶基板の第1主表面の開口部に液体電極である第1電極が接触しかつ第1主表面に対向する第2主表面に液体電極である第2電極が接触している様子を示す図である。 金属薄膜電極である第1金属電極及び第2金属電極が形成された状態の強誘電体結晶基板のZ軸に平行な方向に切断して示す概略的切断面図である。 波長変換素子の製造方法の拡散種拡散工程の説明に供する図である。 波長変換素子の製造方法の拡散種拡散工程の説明に供する図である。 波長変換素子の製造方法のリッジ型光導波路形成工程の説明に供する図である。 被波長変換光及び波長変換光の基板の深さ方向の伝播モードについての説明に供する図である。
図1〜図7を参照して、この発明の実施の形態につき説明する。なお、各図はこの発明が理解できる程度に概略的に示したものに過ぎない。また、以下にこの発明の好適な構成例について説明するが、各構成要素の材質及び数値的条件などは、単なる好適例に過ぎない。従って、この発明は、以下の実施の形態に何ら限定されない。また、図1〜図6に示す図については、共通する構成要素に対しては同一の番号を付して示し、その重複する説明を省略することもある。
<波長変換素子>
図1を参照して、この発明の実施形態の波長変換素子の構造について説明する。
この実施形態の波長変換素子は、被波長変換光Sを、周期的分極反転構造に基づく擬似位相整合により波長変換光に変換して出力する波長変換素子である。図1では、被波長変換光Sを太い矢印で示してあるが、この波長変換素子から出力される被波長変換光及び波長変換光については図示を省略してある。
強誘電体結晶基板10は、周期的分極反転構造が形成されたZカットLiNbO3結晶基板である。図1では、自発分極の向きを白抜きの矢印で示してある。周期的分極反転構造は、図1に示すように、自発分極が反転したドメインが並ぶ周期的な構成である。図1では、ドメイン間の境目を破線で示してある。すなわち、破線で囲まれる領域が自発分極のドメインを形成している。
被波長変換光及び波長変換光を導波するリッジ型光導波路14が強誘電体結晶基板10の主表面10aを含んで形成されている。このリッジ型光導波路14の幅Wは、被波長変換光に対して高次伝播モードカットオフ条件を満たす寸法に形成されている。
そして、このリッジ型光導波路14のリッジ部分14hにはZnが拡散されている。図1では、リッジ部分14hの頂点14Pから強誘電体結晶基板10の深さ方向に向って黒色から白色に徐々に変化するように影をつけて、リッジ部分14hにZnが拡散されている様子を模式的に示している。強誘電体結晶基板10の主表面10aから深さ方向に向かって濃さが薄くなるように影を付けた部分が拡散種拡散部分12である。
リッジ型光導波路14の幅Wは、被波長変換光及び波長変換光の波長に依存して決定される。リッジ型光導波路14を導波される光の波長が1μm程度である場合、リッジ型光導波路14の幅Wは、周知のように4〜10μmの寸法に設定すれば、導波される光の伝播モードは基本モードに限定される。被波長変換光のエネルギー密度をできるだけ高密度に高く保ったままこの光導波路を導波させることを考慮すると、リッジ型光導波路14の幅Wを、4〜5μmの寸法に設定するのが好ましい。
リッジ型光導波路14は、後述するように強誘電体結晶基板10の主表面10aに、被波長変換光S及び波長変換光が伝播する方向に沿って平行な2本の溝16-1及び16-2を穿つことによって形成される。溝16-1及び16-2に挟まれた領域がリッジである。
リッジ型光導波路14に、被波長変換光Sが入力されると、被波長変換光及び波長変換光が、被波長変換光が入力された入力端の反対側の出力端から出力される。
<波長変換素子の製造方法>
図2〜図6を参照して、この発明の実施形態の波長変換素子の製造方法について説明する。以下の説明において、強誘電体結晶基板には厚みが500μmであるZカットLiNbO3基板を用い、拡散種としてはZnを選択したものとして説明する。従って、強誘電体結晶基板とは、LiNbO3基板を指すものと了解されたい。
<分極反転構造形成工程>
この発明の波長変換素子の製造方法は、絶縁膜形成工程、電極接触工程、及び高電圧印加工程を含む分極反転構造形成工程を含む。以下これらの工程について説明する。
絶縁膜形成工程は、Zカット強誘電体結晶基板のZ面の第1主表面上に、ストライプ状の開口部を周期的に設けた絶縁膜を形成する工程である。第1主表面を+Z面としても-Z面としてもよいが、後述する高電圧印加工程において、第1電極と第2電極とのいずれを正極として設定するかを決定する際に考慮しなければならない。すなわち第1主表面を+Z面とした場合は、第1電極を正電極に設定し、第2電極を負電極に設定する。一方、第1主表面を-Z面とした場合は、第1電極を負電極に設定し、第2電極を正電極に設定する。
絶縁膜として、フォトレジストマスク、窒化シリコン膜、あるいは酸化シリコン膜のいずれを用いることも可能である。窒化シリコン膜あるいは酸化シリコン膜は、スパッタリング法あるいは真空蒸着法等の周知の方法で形成できる。また、開口部は、周知のフォトリソグラフィー及びエッチング処理によって形成可能である。
次に、図2を参照して電極接触工程について説明する。電極接触工程では、強誘電体結晶基板の第1主表面の開口部に液体電極である第1電極を接触させ、かつ第1主表面に対向する第2主表面に液体電極である第2電極を接触させる。
図2は、強誘電体結晶基板のZ軸に平行な方向に切断して示す概略的切断面図である。図2は、強誘電体結晶基板の第1主表面の開口部に液体電極である第1電極が接触し、かつ第1主表面に対向する第2主表面に液体電極である第2電極が接触している様子を示している。
ここでは、強誘電体結晶基板30の+Z面を第1主表面として設定し、-Z面を第2主表面として設定してある。第1主表面には、ストライプ状の開口部が形成された絶縁膜32が形成されている。
第1電極として電解質溶液52が開口部内に露出した強誘電体結晶基板30の第1主表面に接触されて構成されている。電解質溶液52は、円柱状の第2容器46に満たされており、電解質溶液52が漏れ出さないように、O-リング44を挟んで第1主表面に接触されている。
一方、第2電極として電解質溶液50が強誘電体結晶基板30の第2主表面に接触されて構成されている。電解質溶液50は円柱状の第1容器40に満たされており、電解質溶液50が漏れ出さないように、O-リング42を挟んで第2主表面に接触されている。
電解質溶液52には第1電極棒36が挿入されており、電解質溶液50には第2電極棒38が挿入されている。第2電極棒38は、第1容器40の底から挿入されており、第2電極棒38の挿入部分から電解質溶液50が漏れ出さないように接着剤等で処置が施されている。
以上説明した様に、第1容器40に満たされた電解質溶液50及び第2容器46に満たされた電解質溶液52が、それぞれ強誘電体結晶基板30の第2主表面である-Z面及び第1主表面である+Z面に接触されて構成される、図2に示す状態に強誘電体結晶基板30をセットすることで電極接触工程が完了する。
電極接触工程が完了した後、続いて高電圧印加工程を実施する。高電圧印加工程では、第1電極棒36を電圧源34のプラス極に接続し、第2電極棒38を電圧源34のマイナス極に接続して電圧を印加する。
ここでは、電圧源34から6 kV/mmでパルス幅が数百ミリ秒のパルス状の電圧信号を供給することにより電圧の印加を行った。高電圧印加工程をこのように実施したところ、分極反転領域と非分極反転領域の幅が等しくかつ分極反転周期が均一に形成されることが確かめられた。電圧源34から供給される電圧信号のパルス幅が電圧印加時間に相当する。
高電圧印加工程が終了した後、電解質溶液50及び52を水洗して取り除き、絶縁膜32を周知の化学エッチングで取り除くことによって、強誘電体結晶基板30への周期的分極反転構造の形成が完了する。
電解質溶液50及び52として、電解質である塩化リチウム(LiCl)、塩化ナトリウム(NaCl)、塩化カリウム(KCl)等の水溶液を適宜利用することが可能である。
一方、強誘電体結晶基板30への周期的分極反転構造を形成する方法として、上述の液体電極を利用する方法の他に、金属薄膜電極を利用する方法がある。
そこで、第1金属電極及び第2金属電極に金属薄膜電極を利用する方法について図3を参照して説明する。図3は、第1金属電極22及び第2金属電極24に金属薄膜電極を利用して周期的分極反転構造を形成する方法の説明に供する図であり、金属薄膜電極である第1金属電極22及び第2金属電極24が形成された状態の強誘電体結晶基板のZ軸に平行な方向に切断して示す概略的切断面図である。
図3は金属薄膜電極を利用して行われる分極反転構造形成工程の説明に供する図である。金属薄膜電極を利用して行われる分極反転構造形成工程は、第1金属電極形成工程、第2金属電極形成工程、及び高電圧印加工程を含む。ここでは、強誘電体結晶基板10の+Z面を第1主表面として設定し、-Z面を第2主表面として設定してある。
第1金属電極形成工程は、強誘電体結晶基板10の第1主表面(+Z面)に、波長変換を実現させる擬似位相整合条件を満たす周期で間隔を隔てて複数の第1金属電極22を形成する工程である。この工程によって第1主表面には、ストライプ状の金属薄膜が周期的に形成された第1金属電極22が形成される。
第2金属電極形成工程は、強誘電体結晶基板の第2主表面(-Z面)を均一に覆う金属薄膜である第2金属電極24を形成する工程である。
これらの工程が終了すると、強誘電体結晶基板10の+Z面に波長変換を実現させる擬似位相整合条件を満たす周期で間隔を隔てて複数のストライプ状の金属薄膜群から構成される第1金属電極22が形成される。また、強誘電体結晶基板10の-Z面を均一に覆う金属薄膜である第2金属電極24が形成される。
第1金属電極22及び第2金属電極24には、例えば、真空蒸着法によって形成される厚さ数十ナノメートル(nm)のTi薄膜を利用することが好適である。
高電圧印加工程では、図3に示すように、第1金属電極22と第2金属電極24との間に、第1金属電極22の側が正の電位となるようにして高電圧を印加した。ここで印加した高電圧は、パルス幅が数ナノ秒、ピーク電圧が2 kVのパルス電圧である。
高電圧印加工程が終了した後、第1金属電極22、第2金属電極24を周知の化学エッチングで取り除くことによって、強誘電体結晶基板10への周期的分極反転構造の形成が完了する。
<拡散種拡散工程>
図4及び図5を参照して、拡散種拡散工程について説明する。拡散種拡散工程は、上述の分極反転構造形成工程によって周期的分極反転構造が形成された強誘電体結晶基板の主表面に、拡散種を拡散する工程である。ここでは、拡散種としてZnを用いる。拡散種拡散工程は、拡散種薄膜形成工程と熱拡散工程とを含む。
拡散種拡散工程は、まず図4に示すように、強誘電体結晶基板10の+Z面にZn薄膜あるいはZnO薄膜を形成する拡散種薄膜形成工程が実行される。この工程は、真空蒸着法あるいはスパッタリング法等の周知の方法で適宜実行される。図4では、Zn薄膜あるいはZnO薄膜を拡散種薄膜18と示してある。
拡散種薄膜形成工程の次に、熱拡散工程が実行される。熱拡散工程では、+Z面にZn薄膜あるいはZnO薄膜が形成された強誘電体結晶基板10を、熱拡散炉中で、温度800℃〜1100℃で、10分〜10時間、Znを強誘電体結晶基板10の+Z面から深さ方向に熱拡散させる。熱拡散工程が終了すると図5に模式的に強誘電体結晶基板10の深さ方向に向って黒色から白色に徐々に変化させて示すように、主表面においてその濃度が最大であり、深さ方向に進むにつれて指数関数的にその濃度が低くなるようにZnが拡散される。
拡散種薄膜形成工程において形成されるZn薄膜あるいはZnO薄膜の厚みは、被波長変換光の波長を考慮して、後述する被波長変換光及び波長変換光の基板の深さ方向の光電場の強度分布の重なり合いが最も大きくなるように設定する。この厚みを決定するには、厚みを変えて多数の波長変換素子を形成し、その波長変換効率が最大となる条件の厚みを見出すのが好適である。
<リッジ型光導波路形成工程>
図6を参照して、リッジ型光導波路形成工程について説明する。
リッジ型光導波路形成工程は、周期的分極反転構造が形成され、かつ拡散種が拡散された強誘電体結晶基板10の主表面(+Z面)にリッジ型光導波路を形成する工程である。
リッジ型光導波路14は、強誘電体結晶基板10の主表面10aに、被波長変換光が擬似位相整合条件を満たす方向に伝播されるように、当該方向に沿った平行な2本の溝16-1及び16-2を研削加工によって穿つことによって形成される。この平行な2本の溝16-1及び16-2を穿つには、ダイシングソーを利用して研削加工すればよい。この加工は、ダイシングソーの回転ブレード20として、研削面が鏡面仕上げされる仕様の回転ブレードを利用するのが好適である。このような仕様の回転ブレードを使用すれば、リッジの両側面が鏡面研磨された状態に形成され、リッジ型光導波路14を伝播する被波長変換光及び波長変換光の伝播中の散乱を小さく抑えることが可能である。この散乱を小さく抑えることによって被波長変換光及び波長変換光の伝播中のエネルギー損失が小さくでき、波長変換効率を大きくすることに寄与する。
平行な2本の溝16-1及び16-2をダイシングソーで形成する手法によれば、溝16-1と溝16-2との間隔を自由に設定することが可能であるので、リッジ型光導波路の幅を、被波長変換光及び波長変換光に対して、リッジの幅に平行な方向については、高次伝播モードカットオフ条件を満たす寸法に設定することは容易である。
<被波長変換光及び波長変換光の基板の深さ方向の導波モード>
図7を参照して、被波長変換光及び波長変換光の基板の深さ方向の伝播モードについて説明し、深さ方向において両者の光電場の強度分布の重なり合いについて考察する。リッジ型光導波路のリッジの幅に平行な方向については、上述したように、被波長変換光及び波長変換光に対して高次伝播モードカットオフ条件を満たす寸法に形成されている。一方、深さ方向においても両者の光電場の強度分布の重なり合う度合いが大きいほど波長変換効率が高くなる。
図7は、強誘電体結晶基板の主表面からの深さを縦軸に任意スケールで示し、横軸に被波長変換光及び波長変換光の光電場強度を任意スケールで示している。被波長変換光の伝播モードは、その光電場強度が基板表面から少し深い部分に達した位置で最大となり深さ方向に向って指数関数的に減衰する基本モード(0次伝播モード)である。
一方、波長変換光は、例えば、第2高調波発生に基づく波長変換の場合は、その波長が被波長変換光の半分であるため、その光電場強度は、主表面近傍で極大となり、更に深い部分で第2の極大が形成される高次伝播モード(1次伝播モード)である。
一般的に、拡散種の濃度が拡散によって表面から深部に向って順次拡散種の濃度が指数関数的に減少しており、それに伴って屈折率も低下する構成の光導波路では、被波長変換光の伝播モードは基本モードとなり波長変換光は高次伝播モードとなることが最も実現されやすい。
被波長変換光と波長変換光の両者の伝播モードが異なっていても、被波長変換光の光強度分布の極大が主表面から少し深い部分に達した位置になることから、光電場の強度分布の重なり度合いが極端に小さくなることはない。
拡散種の濃度分布に対応して屈折率分布も確定する。従って、被波長変換光及び波長変換光の基板の深さ方向の光電場の強度分布の重なり合いが最も大きくなるようにするには、屈折率分布を最適化する必要がある。
拡散種薄膜形成工程において形成されるZn薄膜あるいはZnO薄膜の厚み、拡散温度、拡散時間等の熱拡散条件を制御することによって、拡散種の濃度分布が確定される。ここで、熱拡散条件の設定は、これらの熱拡散条件を変えて幾つかの波長変換素子を形成し、その波長変換効率が最大となる条件を見出すことでなされるのがよい。波長変換効率が最大となる熱拡散条件が確定されることによって、この条件で形成される屈折率分布が最適化されたものと見なすことができる。
<強誘電体結晶基板としての素材>
また、強誘電体結晶基板素材として、上述のLiNbO3結晶基板以外に、タンタル酸リチウム(LiTaO3) 結晶基板、Potassium titanyl phosphate (KTP: KTiOPO4) 結晶基板、ニオブ酸カリウム(KNbO3) 結晶基板等を適宜利用することが可能である。
10、30:強誘電体結晶基板
10a:強誘電体結晶の主表面
12:拡散種拡散部分
14:リッジ型光導波路
14h:リッジ部分
14P:リッジ部分の頂点
16-1、16-2:溝
18:拡散種薄膜
20:ダイシングソーの回転ブレード
22:第1金属電極
24:第2金属電極
32:絶縁膜
34:電圧源
36:第1電極棒
38:第2電極棒
40:第1容器
42、44:O-リング
46:第2容器
50、52:電解質溶液

Claims (6)

  1. 入力される被波長変換光を、擬似位相整合により波長変換光に変換して出力する波長変換素子であって、
    前記被波長変換光及び前記波長変換光を導波する光導波路が周期的分極反転構造を備える強誘電体結晶基板の主表面を含んで形成されており、
    前記強誘電体結晶基板の主表面に平行な2本の溝が形成されており、前記光導波路は該溝に挟まれた領域をリッジとするリッジ型光導波路であり、
    該リッジ型光導波路の両側面は鏡面研磨されており、該リッジ型光導波路の幅は、前記被波長変換光に対して高次伝播モードカットオフ条件を満たす寸法に形成されている
    ことを特徴とする波長変換素子。
  2. 前記強誘電体結晶基板は、Zカットニオブ酸リチウム(LiNbO3)結晶基板であって、前記リッジ型光導波路のリッジ部分にはZnが拡散されていることを特徴とする請求項1に記載の波長変換素子。
  3. 入力される被波長変換光を、擬似位相整合により波長変換光に変換して出力する波長変換素子の製造方法であって、
    自発分極の方向が揃えられた強誘電体結晶が、該自発分極の向きに直交する平面でカットされた強誘電体結晶基板に、周期的分極反転構造を形成する分極反転構造形成工程と、
    前記周期的分極反転構造が形成された前記強誘電体結晶基板の主表面から、拡散種を拡散する拡散種拡散工程と、
    前記周期的分極反転構造が形成され、かつ拡散種が拡散された前記強誘電体結晶基板の主表面に対する研削加工によってリッジ型光導波路を形成するリッジ型光導波路形成工程と
    を含み、
    該リッジ型光導波路形成工程は、前記周期的分極反転構造が形成され拡散種が拡散された前記強誘電体結晶基板の主表面に、前記被波長変換光が擬似位相整合条件を満たす方向に伝播されるように、当該方向に沿った平行な2本の溝を研削加工によって形成する工程であり、
    該リッジ型光導波路形成工程において、前記リッジ型光導波路の幅を、前記被波長変換光に対して高次伝播モードカットオフ条件を満たす寸法に形成する
    ことを特徴とする波長変換素子の製造方法。
  4. 前記分極反転構造形成工程は、
    前記強誘電体結晶基板の第1主表面上に、ストライプ状の開口部を、波長変換を実現させる擬似位相整合条件を満たす周期で間隔を隔てて設けた絶縁膜を形成する絶縁膜形成工程と、
    前記開口部内に露出した前記強誘電体結晶基板の前記第1主表面に、液体電極である第1電極を接触させ、かつ前記第1主表面に対向する前記第2主表面に液体電極である第2電極を接触させる電極接触工程と、
    前記第1電極と前記第2電極との間に電圧を印加して、当該強誘電体結晶の自発分極の向きを周期的に反転させて前記強誘電体結晶基板に周期的分極反転構造を形成する高電圧印加工程と
    を含むことを特徴とする請求項3に記載の波長変換素子の製造方法。
  5. 前記分極反転構造形成工程は、
    前記強誘電体結晶の第1主表面上に、波長変換を実現させる擬似位相整合条件を満たす周期で間隔を隔てて複数の金属電極を形成する第1金属電極形成工程と、
    前記強誘電体結晶の第2主表面を均一に覆う金属電極を形成する第2金属電極形成工程と、
    前記第1金属電極と前記第2金属電極との間に電圧を印加して、当該強誘電体結晶の自発分極の向きを周期的に反転させて前記強誘電体結晶基板に周期的分極反転構造を形成する高電圧印加工程と
    を含むことを特徴とする請求項3に記載の波長変換素子の製造方法。
  6. 前記強誘電体結晶基板をZカットニオブ酸リチウム(LiNbO3)結晶基板とし、
    前記拡散種拡散工程は、
    前記周期的分極反転構造が形成された前記強誘電体結晶基板の主表面上にZn薄膜又はZnO薄膜を形成する拡散種薄膜形成工程と、
    前記拡散種を含む薄膜が形成された前記強誘電体結晶基板を、温度800℃〜1100℃の範囲で、10分〜10時間の範囲で熱処理する熱拡散工程と
    を含むことを特徴とする請求項3〜5のいずれか一項に記載の波長変換素子の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104793287A (zh) * 2015-04-07 2015-07-22 南京大学 一种铁电超晶格制备方法
WO2020254799A1 (en) * 2019-06-19 2020-12-24 University Of Southampton Method for fabrication of ridge waveguides

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