JPH06273817A - 光波長変換素子およびその製造方法および光波長変換素子を用いた短波長コヒーレント光発生装置および分極反転層の製造方法 - Google Patents

光波長変換素子およびその製造方法および光波長変換素子を用いた短波長コヒーレント光発生装置および分極反転層の製造方法

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JPH06273817A
JPH06273817A JP24653093A JP24653093A JPH06273817A JP H06273817 A JPH06273817 A JP H06273817A JP 24653093 A JP24653093 A JP 24653093A JP 24653093 A JP24653093 A JP 24653093A JP H06273817 A JPH06273817 A JP H06273817A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高効率な光波長変換素子を提供する。 【構成】 X板のLiTa(1-x)NbxO3(0≦x≦1)基板に
周期状の分極反転層を形成する方法である。プロトン交
換層10をストライプ状に形成し、ストライプ方向を基
板のC軸より傾けて形成することにより、分極反転層の
形成な基板の分極分極を反転させる内部電界13の発生
を可能にし、分極反転層の形成を実現する。ストライプ
状の分極反転層を周期的に形成することにより光波長変
換素子に必要な周期的分極反転層が形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コヒーレント光源を応
用した、光情報処理、光応用計測制御分野に使用される
光波長変換素子およびその製造方法、またそれを用いた
短波長コヒーレント光発生装置、ならびに分極反転層の
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】誘電体の分極を強制的に反転させる分極
反転は、誘電体に周期的な分極反転層を形成することに
より、表面弾性波を利用した光周波数変調器や、非線形
分極の分極反転を利用した光波長変換素子などに利用さ
れる。特に非線形光学物質の非線形分極を周期的に反転
することが可能になれば、非常に変換効率の高い第二高
調波発生素子を作製することができる。これによって半
導体レーザなどの光を変換すると、小型の短波長光源が
実現でき、印刷、光情報処理、光応用計測制御分野など
に応用できるため盛んに研究が行われている。
【0003】従来のLiTaO3における、周期的分極反転層
の形成方法については、特願平3-301667号に示されてい
る。これは、選択的プロトン交換により、周期的なプロ
トン交換層を形成し、赤外線加熱を用いた、高速な加熱
方法により、−C板のLiTaO3に短周期の分極反転層の形
成を可能にしたというものである。
【0004】この従来の分極反転層の製造方法を図26
を用いて説明する。図26(a)−C板のLiTaO3基板上
にプロトン交換用のマスクとして、スパッタリング法に
よりTa107を30nm堆積する。(b)フォトリソ
グラフィ法と(c)ドライエッチングにより周期的パタ
ーンを形成する。(d)ピロ燐酸中で熱処理し、非マス
ク部分をプロトン交換105する。(d)基板を450
℃以上で熱処理する。以上の工程で−c板のLiTaO3基板
に周期的分極反転層106が形成される。(d)の工程
において、熱処理の昇温速度を10℃/秒以上にするこ
とにより、基板の−C面に短周期の分極層の形成が可能
になる。
【0005】また従来の短波長コヒーレント光発生装置
について説明する。1mW以上の高出力が得られる小型の
青色光源を得るには、擬位相整合(以下、QPMと記
す)方式の光波長変換素子と半導体レーザを一体化し
て、短波長コヒーレント光発生装置を構成するのが有効
な手段である(山本他、オプティクス・レターズ Opti
csLetters Vol.16, No.15, 1156 (1991))。
【0006】図27に、半導体レーザーと分極反転光導
波路を用いた従来の短波長コヒーレント光発生装置の概
略構成図を示す。
【0007】−C板のLiTaO3基板上に周期的分極反転層
と光導波路からなる光波長変換素子を形成する。半導体
レーザー101から放射された光は、コリメートレンズ
98により平行ビームに変換され、λ/2板19で偏向
方向を回転させ、N.A.=0.6のフォーカシングレンズ99
により光導波路の入射端面に集光される。半導体レーザ
101から出射した光の48%がプロトン交換光導波路
5に入射した。そして出射面より波長変換されたブルー
光1.3mWが得られた。
【0008】半導体レーザ101の導波光は、一般に発
振効率を上げるために、導波光の偏光はTEモードであ
る。一方−C板の光波長変換素子108はプロトン交換
によりC軸方向の屈折率が増加するため、TMモードの
光しか伝搬しない。非対称性を有する半導体レーザと光
導波路のそれぞれの導波光を結合を最大にとるために
は、半導体レーザの光をλ/2板でTEモードからTM
モードに変換する必要がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】まず、従来の分極反転
層の製造方法についての課題を述べる。
【0010】従来の分極反転層の製造方法においては、
−C板のLiTaO3基板にしか周期的分極反転層が形成でき
なかった。ところが、プロトン交換層を熱処理して、形
成する分極反転層の形成方法においては、−C板のLiTa
O3に形成される分極反転層の深さに限界があり、そのた
め作製した周期的分極反転層を用いて、光波長変換素子
を作製する場合、光波長変換素子の変換効率の増大に限
界があった。
【0011】その理由は、LiTaO3における、プロトン交
換層の熱拡散の速度はC軸方向に比べ、基板のC軸に垂
直方向の方が、1.5倍以上早い。そのため、熱処理中
にプロトン交換層の拡散による分極反転層の幅方向の拡
大が起こり、隣接する分極反転層同士がつながってしま
うことがあり、短周期の分極反転層を形成する場合、隣
接する分極反転層同士がつながってしまわないようにす
ることが必要であるため、深い分極反転層の形成が困難
であるという問題があった。
【0012】これを解決するには、深さ方向のプロトン
交換速度が早い±C板以外の基板を用いる必要がある。
例えば、XY板(結晶のC軸平行な面で切り出した基
板)を用いれば、深さ方向のプロトン交換速度が最大
(−C板の約1.5倍)になる。この±C板以外の基板
を用いれば、プロトン交換層の深さ方向の拡散が早いた
め、深い分極反転層が形成できると考えられる。しかし
ながら、従来の製造方法では−C板以外のLiTaO3には周
期的分極反転層の形成ができないという問題があった。
【0013】そこで本発明は上記の点に鑑み、−C板以
外のLiTa(1-x)NbxO3結晶に短周期の分極反転層を形成
し、短波長への変換が可能でかつ高効率に波長変換でき
る光波長変換素子およびその製造方法を提供することを
目的とする。
【0014】次に、従来の短波長コヒーレント光発生装
置についての課題を述べる。従来の短波長コヒーレント
光発生装置は−C板のLiTaO3結晶を用いて作製した光波
長変換素子に半導体レーザの光を入射し、これを変換す
ることにより、短波長のコヒーレント光を発生してい
た。一般に半導体レーザの光導波路内の光の伝搬はTE
モードで伝搬している。これに対し、−C板に形成した
光波長変換素子はTMモードの光しか伝搬しない。その
ため、半導体レーザの光を光波長変換素子に高効率で結
合させるには、光学系にλ/2板または、プリズムを用
いたビーム整形光学系などが必要となり、複雑な光学系
を必要とするという問題があった。
【0015】また小型の短波長コヒーレント光発生装置
を実現するには、半導体レーザと光波長変換素子を一体
化する必要がある。ところが、半導体レーザと−C板に
形成した光波長変換素子を光学系なしで直接結合させる
には、お互いの偏光方向の違いから、大きな結合ロスが
生じるという問題があった。
【0016】そこで本発明は、−C板以外のLiTa(1-x)N
bxO3を用いた光波長変換素子により半導体レーザとの高
効率結合を実現し、小型で高出力の短波長コヒーレント
光発生装置を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明では、 (1)−C板以外のLiTa(1-x)NbxO3(0≦x≦1)基板
と、前記基板表面に形成したストライプ状の分極反転層
と、光導波路とを備え、前記ストライプ状の分極反転層
が周期的に形成され、かつ前記分極反転層のストライプ
方向が基板のC軸に対して0°より大きい角度で傾いて
いる光波長変換素子である。
【0018】(2)−C板以外のLiTa(1-x)NbxO3(0≦
x≦1)基板の表面に、前記LiTa(1- x)NbxO3基板のC軸
に対し0°より大きく傾けたストライプ状のマスクを形
成する工程と、前記LiTa(1-x)NbxO3基板本体をプロトン
交換処理により、非マスク部分から前記LiTa(1-x)NbxO3
基板内のLiとH+イオンを交換しプロトン交換層を形成す
る工程と、前記LiTa(1-x)NbxO3基板を熱処理し分極反転
層を形成する工程とを備えた光波長変換素子の製造方法
である。
【0019】(3)−C板以外のLiTa(1-x)NbxO3(0≦
x≦1)基板と、前記基板表面に形成したストライプ状
の分極反転層と光導波路と、前記光導波路の端面に形成
した入射部と、前記光導波路の他の端面に形成した出射
部とを備えた波長変換素子と、半導体レーザとを具備
し、前記ストライプ状の分極反転層周期的に形成され、
前記ストライプの方向が前記LiTa(1-x)NbxO3(0≦x≦
1)基板のC軸に対し、0°より大きい角度で傾いてお
り、前記光導波路の入射部に前記半導体レーザから出射
された基本波が入射し、前記入射した基本波が前記分極
反転層により第2高調波に変換されている短波長コヒー
レント光発生装置である。
【0020】
【作用】本発明は前述した方法により、−C板以外のLi
Ta(1-x)NbxO3基板上に、結晶のC軸から僅かに傾けて、
ストライプ状のプロトン交換層を形成し、これを熱処理
することにより、従来実現していなかった−C板以外の
LiTa(1-x)NbxO3基板において、周期的な分極反転層の形
成を可能にする。その結果、短周期でかつ深い分極反転
層の形成が可能になる。
【0021】以下にその理由を述べる。−C板のLiTaO3
結晶基板における分極反転層の形成は、この基板表面に
プロトン交換層を形成し、これを熱処理することにより
作製する。これはプロトン交換を行うと、基板にプロト
ン交換LiTaO3が形成される。このプロトン交換LiTaO3
LiTaO3結晶のキュリー温度近傍で熱処理すると、プロト
ンの拡散が発生し、プロトン交換層周辺に+電荷を持っ
たプロトンができ、またプロトン交換層内部には−電荷
を持った欠陥(プロトンが抜けた跡)ができる。このた
めC板のLiTaO3基板においては、プロトン交換層周辺に
空間電界が形成される。強誘電体の分極を反転させるに
は、強誘電体の有する自発分極(以下、Psとする)を
反転させる電界ベクトルの発生が必要である。プロトン
交換の熱処理により発生した電界は、−C面において、
プロトン交換層と基板間にPsと反対方向の電界が発生
するため、−C面でのみ分極反転層の核の形成、および
核を中心にした反転層の形成が行われる。
【0022】−C板以外でも同様にイオンの偏りによる
電界を発生させれば、分極反転の核が形成され、周期的
分極反転層が形成される。そこで、耐プロトン交換性を
有するマスクを用いて選択的なプロトン交換を行い周期
的なプロトン交換層を形成する。このとき、周期的なパ
ターンを基板のC軸方向対し、0゜以上の角度をつけて
形成することにより、Psと反対方向のベクトル成分を
有する電界を発生させることが可能になる。その結果、
分極の核の形成が行われ、分極反転層が形成される。例
えば、XY板において、基板表面に形成するプロトン交
換層のストライプ方向をC軸方向より傾けて形成するこ
とにより、Psに対立する電界ベクトルが基板平面内に
発生する。また、基板のC軸方向を基板の水平線より傾
けることにより、同様の電界ベクトル成分が基板内部に
発生する。
【0023】さらに、−C板以外のLiTa(1-x)NbxO3基板
の光波長変換素子を形成すると、半導体レーザと高効率
結合が可能な光波長変換素子を形成することができる。
その理由を以下に述べる。
【0024】−C板以外の基板における分極反転層を用
いて光波長変換素子を作製すると、半導体レーザと光導
波路の偏光方向を一致させることができるため、複雑な
光学系を必要とせず、半導体レーザの光を高効率で光波
長変換素子に結合することができる。
【0025】すなわち、半導体レーザから出る光はTE
モードであり、XY板に分極反転層を形成した波長変換
素子の光の伝搬もTEモードであるので、半導体レーザ
と、この波長変換素子のモードが一致しているため、半
導体レーザの光をそのまま波長変換素子に結合できると
いうのである。このため、高出力の短波長コヒーレント
光発生装置を実現できる。また結晶のC軸を基板の水平
線より僅かに傾けた基板を用いた光波長変換素子を形成
した場合、伝搬する光は疑似TEモードであり、半導体
レーザの出射光と高効率で結合できる。
【0026】
【実施例】図1は、本発明の光波長変換素子の構成斜視
図である。1は−X板のLiTaO3基板、4は分極反転層、
5はプロトン交換光導波路、6は波長860nmの基本
波、7は波長430nmの第二高調波(以下、SHG光
と略す)、8は分極反転層の周期Λ、9は分極反転層の
幅Wである。また分極反転層のストライプ方向(図中で
はA−B)の方向は基板のC軸方向に対し0度より大き
い角度θを有している。このように基板1のC軸の結晶
方向に対して分極反転層のストライプ方向(A−B方
向)が傾いている点(θ度)が本波長変換素子の構成上
のポイントである。
【0027】導波路の形成方向について説明する。LiTa
O3基板をプロトン交換するとC軸方向の屈折率が増加す
る。そのため、光導波路を形成するには、X板の場合、
C軸方向に導波光の電界振幅を取る必要があり、Y伝搬
の光導波路を形成するのが好ましい(XY板の場合、C
軸方向に垂直な方向に光導波路を伝搬させるのが好まし
い)。そのため、分極反転層はC軸方向にストライプを
形成する必要がある。
【0028】図1において分極反転層4は、基板の分極
反転に対し、分極の方向が逆転している部分である。Li
TaO3基板1の場合、分極の方向は+C方向であり、それ
に対して分極反転層の分極の方向は−C方向である。こ
の分極反転層の周期Λは、基本波の波長、光導波路の屈
折率で異なる。光導波路に入射した光は周期的な分極反
転層により波長変換され、入射した基本波6の半分の波
長の光になる。
【0029】以下、本発明の波長変換素子の製造方法に
ついて説明に入る前に、まず、製造方法の概略を説明す
ると、 (1)LiTaO3基板に、周期的なプロトン交換層を形成す
る。 (2)プロトン交換層を熱処理により、分極反転層にす
る。
【0030】以上の2点にまとめられる。また上記
(2)の、LiTaO3基板における、分極反転層の形成メカ
ニズムについて説明しておく。
【0031】分極反転層の形成は、 (1)分極反転層の核が形成される。 (2)核を中心として分極反転層が拡大する。
【0032】発明者らは、LiTaO3の分極反転層の形成過
程の観測をもとに、内部電界をもとにした分極反転層形
成の核形成のメカニズムを解明した。図2を用いて、こ
の内部電界モデルを説明する。
【0033】従来の波長変換素子では、−C板のLiTaO3
基板をプロトン交換すると、結晶中のLi+とH+が交換さ
れプロトン交換層(H(1-x)LixTaO3)10が、基板の+
C表面および−C表面に形成される。
【0034】これを高温で熱処理するとH+の拡散がお
こり、H+濃度の高いプロトン交換層10から基板方向
にH+の拡散が起こる。Li+も同様に基板側からプロトン
交換層内に拡散するが、H+の拡散速度の方が早いた
め、プロトン交換層10の周辺にH+による+(プラス)
チャージが、プロトン交換層内部にはH+が抜けたあと
の欠陥による−(マイナス)チャージが発生し、プロトン
交換層10周辺に電界の偏りが発生する。これが図2に
示すプロトン交換層周辺のチャージの分布である。
【0035】図2に示すように、プロトン交換層周辺に
発生するチャージの分布は−C面に形成したプロトン交
換層と基板間の境界部においてのみ基板の分極方向PS
と反対方向に発生し、これが分極反転層の核11の形成
を行う。核が発生すると、分極反転層は核を中心に拡大
していく。
【0036】これに対して基板の+C面のプロトン交換
層10b周辺に発生するチャージの分布は基板の分極方
向Ps12と同じ方向であるため分極反転核は発生しな
いので分極反転層は形成しない。
【0037】以下、図面を参照して本発明の光波長変換
素子について説明する。 (実施例1)周期的分極反転層の製造方法について述べ
る。
【0038】発明者らは光波長変換素子の作製に必要な
LiTaO3における周期的な反転層の形成について検討し
た。図26の従来例に示したように、−C板のLiTaO3
に選択プロトン交換と熱処理により周期的分極反転層を
形成できることは、すでに、従来確認されていた。そこ
で、X板のLiTaO3基板表面に選択的にプロトン交換する
ことにより、X板のLiTaO3基板に周期的なプロトン交換
層を形成し、これを熱処理することにより周期的分極反
転層の形成を試みた。
【0039】プロトン交換層のプロトン交換濃度、均一
性は形成される分極反転層の形状、均一性に影響するの
で、プロトン交換率が高く、均一なプロトン交換層の形
成が可能なピロ燐酸(H4P2O7)により、プロトン交換を
行なった。
【0040】ところが、ピロ燐酸により260℃で20
分間以上プロトン交換を行うとX板の表面に荒れが生じ
た。そこでピロ燐酸に燐酸リチウム(Li3PO4)を20%
まぜて、希釈したピロ燐酸でプロトン交換を行うと表面
の荒れを防止することができた。さらに、希釈したピロ
燐酸でプロトン交換を行っても拡散定数等のプロセスの
変化がなく、希釈しないピロ燐酸と同様のプロセス条件
が利用できた。
【0041】さらに選択的なプロトン交換を行なうには
プロトン阻止効果の大きなマスクが必要である。そこで
選択率(プロトン交換される領域と、されない領域の選
択率)をほぼ無限大にできるTaによりマスクを形成
し、選択的なプロトン交換層を作製した。
【0042】図3は、実施例1における光波長変換素子
の製造方法の工程断面図を示すものである。
【0043】図3において、1は−X板のLiTaO3基板、
2はTaマスク、3プロトン交換層、4は分極反転層、
8はマスクの幅W、9は分極反転層の周期Λである。
【0044】以下、その製造方法を図3に従って説明す
る。 (a)−X板のLiTaO3基板1上にスパッタリング法によ
りTa膜を300A形成する。 (b)Ta膜上にフォトレジストを塗布した後、通常のフ
ォトリソグラフィ法により周期Λごとに幅Wのストライ
プを基板のC軸の伝搬方向に形成する(周期Λは1〜2
0μm、WはΛ/2とした)。 (c)CF4雰囲気中でドライエッチングでTaマスク
にレジストのパターンを転写する。 (d)260℃の希釈したピロ燐酸中でプロトン交換層
を形成する。 (e)LiTaO3基板を熱処理する。通常のヒータ加熱によ
る加熱炉を用いたところ昇温速度は約1℃/秒程度であ
った。
【0045】ところが上記の方法では−X板のLiTaO3
板上に分極反転層は形成されなかった。
【0046】これは、X板においては、プロトンの拡散
によって発生する電界13は図4に示すように、プロト
ン交換層10のストライプの両側面からストライプの内
側に向かっている。これは、C軸方向に形成した周期的
な分極反転層では内部電界13の方向は基板の分極方向
Ps12の方向と垂直になるため、Psを反転させる電界
にならず、核形成が行われないと考えられる。
【0047】そこで図5に示すように、プロトン交換層
10のストライプの方向A1−A2をC軸方向よりθ=2
0度傾けて分極反転層の形成を行った。ストライプ方向
をC軸に対しθ傾けるとプロトン交換によるプロトン交
換層10付近の内部電界Eの方向は、C軸すなわち基板
の分極方向Ps12と垂直な方向からθ傾く。そのた
め、基板のPsの方向にE・sinθの大きさ電界ベクトル
が発生する。図5に示す様に、C軸に対する角度を+θ
方向に傾けると、プロトン交換層10のストライプの右
側に、−θ方向に傾けるとストライプの左側に基板の分
極方向(Psの方向)と逆の電界ベクトル12aが発生す
る。このため、ストライプを傾ける方向によって、スト
ライプのどちらかの側面に分極反転層の核11が形成さ
れる。
【0048】これを確認するために、分極反転層の形成
を行った。プロトン交換用のTaマスクのストライプの
方向をサンプル1はC軸に対し、−22゜、サンプル2
は22゜傾けて形成した。これを希釈したピロ燐酸中で
260℃で40分間熱処理し、プロトン交換層を形成し
た。これを530℃でそれぞれ10秒間熱処理した。結
果を図6に示す。
【0049】図6(a)はサンプル1の(b)はサンプ
ル2の断面の様子である。サンプルの端面を光学研磨
し、HF+HNO3でエッチングして、分極反転層の形
状を顕微鏡で観測した。サンプル1、2においては、熱
処理10秒でそれぞれ分極反転層の核11がストライプ
の右と左に形成されているのが観測された。θ=0°の
サンプルでは分極反転層の核が形成されなかった。
【0050】以上の結果より、プロトン交換用マスクの
周期的パターンの方向を結晶軸のC軸に対し、傾けるこ
とにより、分極反転層の核形成が行われ、分極反転層の
形成を可能にすることが分かった。
【0051】次に周期的分極反転層の形成を行った。周
期10μm、のプロトン交換層のストライプを基板C軸
方向から22°傾けて形成した後、希釈したピロ燐酸中
で260℃40分間熱処理を行い、周期的なプロトン交
換層を形成した。これを加熱炉を用いて400〜600
℃の間で熱処理温度を変えて、熱処理した。熱処理装置
には、RTA(Rapid Thermal Anealing)を用いた。RT
Aは赤外線により試料を高速に加熱する方法で、非常に
低速から50℃/秒以上の高速の加熱まで制御性よく加
熱できる。分極反転層の形成方法においてプロトン交換
を熱処理するときRTAを用いて周期的な反転層の形成
を試みた。
【0052】その結果、昇温速度10℃/秒以上で熱処
理したときのみ、分極反転層が形成されることを発見し
た。熱処理温度は500℃〜600℃の間で分極反転層
の形成が確認できた。さらに熱処理時間と分極反転層の
形状の関係を図7に示す。
【0053】熱処理温度580℃のとき熱処理温度を1
0秒(同図(a))、60秒(同図(b))と観測した
が、熱処理時間とともに、分極反転層は横方向に広が
り、短周期の分極反転層の形成が困難になることが分か
った。高速かつ短時間の熱処理により、高効率のSHG
素子に必要な短周期でかつ深い反転層が形成できること
が分かった。
【0054】また、同様の条件で結晶のC軸方向とスト
ライプのなす角度が0°のマスクを形成したサンプルを
プロトン交換後、熱処理したが、分極反転層は形成され
なかった。これは、既に述べたように、分極反転層の核
形成が行われないためである。|θ|の値が5゜以下の
とき分極反転層の形成が行われず、6゜以上ではいずれ
の角度においても、反転層が形成されることが確認され
た。
【0055】以上の結果、X板のLiTaO3基板上に分極反
転層を形成するには、周期の方向を結晶のC軸方向より
も傾け、かつ最低でも10℃/秒以上の昇温速度で加熱
する必要があり、熱処理時間も1分間以内に終了する必
要がある。通常の炉を用いると昇温速度はせいぜい1℃
/秒であるため、周期的分極反転層は形成されなかっ
た。ところがRTAを用いると50℃/秒以上の高速加
熱が可能なため、X板のLiTaO3基板においても分極反転
層を形成することが可能になった。形成された分極反転
層は周期4μmのとき深さ3μmに達し、−C板に形成
した分極反転層の約1.5倍になった。−C板以外の基
板に形成することにより、深い分極反転層の形成が可能
になった。
【0056】また、マスクの幅に対する分極反転層の形
成状態について調べた。マスク幅を広げていくと、スラ
ブ状に形成した分極反転層と同様深い反転層が形成でき
なくなる。マスク幅が50μm以上のとき、分極反転層
は局所的な不均一な形状しか形成されなかった。また厚
みが均一な分極反転層を形成するにはマスク幅を10μ
m以下にする必要があった。
【0057】以上の条件によりプロトン交換層を形成す
ることによって、LiTaO3結晶に分極反転層の作製が可能
になるのである。
【0058】なお、本実施例では基板にX板のLiTaO3
用いたが、他に−X板、±Y板等、C軸に並行な基板な
ら同様な分極反転層が形成できる。
【0059】なお、本実施例では基板にX板のLiTaO3
用いたが、他に±X板、±Y板、−C軸が基板の法線に
対し、60度以上85度以下の角度で傾いているLiNbO3
でも同様な分極反転層が形成できる。
【0060】なお、本実施例では基板にLiTaO3基板を用
いたが他にMgO、Nb、NdなどをドープしたLiTaO3、また
はLiNbO3基板でも同様な分極反転層が作製できる。
【0061】なお、本実施例では加熱装置として赤外線
加熱装置を用いたが、他にフラッシュランプ加熱装置、
CO2レーザ加熱装置など昇温速度の高い加熱装置でも
同様な分極反転層が作製できる。
【0062】なお、本実施例では、イオン交換にピロ燐
酸(H4P2O7)を用いたが、他にオルト燐酸(H2PO4)な
ど他の燐酸も用いることができる。
【0063】なお、本実施例では燐酸を希釈するのに、
燐酸リチウム(Li3PO4)を用いたが、他に安息香酸リチ
ウム(LiCH3COOH)等、他のLiを含む塩も用いることが
できる。
【0064】なお、本実施例では耐イオン化のマスクと
して、Ta膜を用いたが、他にTa2O 5、Pt、Auなど耐酸
性を有する膜なら用いることができる。
【0065】なお、本実施例では光導波路としてプロト
ン交換光導波路を用いたが、他にTi拡散光導波路、N
b拡散光導波路、イオン注入光導波路など他の光導波路
も用いることができる。
【0066】なお、本実施例では金属膜として、Taを
用いたが、このような金属膜として他にAu、Pt、T
i、Agなどでも同様な分極反転層が構成できる。
【0067】(実施例2)ここではXY板以外の基板を
用いた光波長変換素子の構成について述べる。
【0068】分極反転層の形成メカニズムより、XY板
以外の基板への分極反転層の形成が可能であることが考
察される。XY板においては基板平面内に基板の自発分
極Psに対立する電界成分の発生を行い、分極反転を可
能にしたが、基板の−C軸方向を基板の平行線より傾け
ることにより、同様の電界成分が基板の内部(プロトン
交換層と基板の低面の境界部分)に発生することができ
る。図8は、本発明の光波長変換素子の構成斜視図であ
る。1はLiTaO3基板、4は分極反転層、5はプロトン交
換光導波路、6は波長860nmの基本波、7は波長4
30nmの第二高調波(以下、SHG光と略す)、8は
分極反転層の周期Λ、9は分極反転層の幅W、22は基
板法線、A−Bは基板の水平線である。また基板の−C
軸は基板の法線に対し0度以上85度以下の角度(θ
度)で傾いている(以下R板とする)。このように基板
1のC軸を結晶の法線に対して傾けることにより、結晶
表面に形成した層状プロトン交換層は結晶のC軸に対し
角度θの傾きを、またストライプ状のプロトン交換層を
形成すると、C軸に対し角度θ以上の傾きを持つこと
が、この構成のポイントである。
【0069】図9は実施例2における分極反転層の製造
方法の工程図を示すものである。図9において、1はLi
TaO3基板、3プロトン交換層、4は分極反転層、22は
基板表面の法線である。但し、LiTaO3基板1の−C軸は
基板の法線22に対し、θ゜の角度で傾いている。
【0070】以下、その製造方法を図9に従って説明す
る。 (b)260℃のピロ燐酸中でプロトン交換層を形成す
る。 (c)LiTaO3基板を熱処理する(恒温槽を用いたとこ
ろ、昇温速度は1℃/secであった)。
【0071】以上の工程で分極反転層の形成を行ったと
ころ、熱処理温度が450度〜基板のキュリー温度(使用
した基板のキュリー温度は604℃)の範囲で分極反転
層の形成が確認できた。しかしながら、形成された分極
反転層は面内不均一性が大きく1μm以下の浅い反転層
しか形成されなかった。これは昇温過程でプロトン交換
層の拡散がおこり、分極反転層が形成される450℃近
傍に基板温度が上がるまでにプロトン交換層がかなり広
がってしまい、内部電界の強度が低下したためと、考え
られる。そこで、熱処理にRTAを用いて反転層の形成
を試みた。その結果、10℃/秒以上の昇温速度で熱処
理を行うと、深い反転層が均一に形成できた。このとき
の角度θと分極反転層深さの関係を図10に示す。プロ
トン交換は260℃で20分間おこない、熱処理は58
0℃で30秒間加熱した(昇温速度:50℃/秒)。熱
処理温度は500℃〜600℃の間で分極反転層の形成
が確認できた。分極反転層はθが89°以下で形成され
た。分極反転層の深さは角度θが89°から小さくなる
に従い増加し、85°で飽和する。また、30°以下に
なると反転層深さが減少していくことがわかった。これ
はLiTaO3基板においてC軸方向のプロトンの拡散速度が
他の結晶方向の拡散速度に比べて1/1.5程遅いこと
に起因すると考えられる。その結果分極反転層の形成は
0°以上89°以下で可能となり、30°以上85°以
下の角度で形成すると深い分極反転層が形成できること
が分かった。さらに60°以上85°以下の角度で形成
すると反転層の均一性も増した。
【0072】次に分極反転層形成の原理について図11
を用いて説明する。図1で説明したように、分極反転層
の形成には基板の分極方向と逆方向の内部電界が必要で
ある。プロトン交換層を熱処理するとプロトン交換層と
基板の境界部にプロトンの拡散による電界が発生し、−
C板の場合(分極は基板平面の法線方向)プロトン交換
層の低面で分極反転核が発生する。ところが、XY板で
は、基板平面の接線方向に分極が存在するため、その方
向に電界を発生させる必要があり、層状のプロトン交換
層では、内部電界は基板平面方向すなわち分極方向と垂
直となり、電界分極反転層は形成されない。そこで基板
の−C軸を基板平面からわずかに傾ける方法を提案し
た。−C軸を基板法線からθ(基板接線から90−θ)
傾けると、プロトン交換層を熱処理した際、発生する内
部電界Eの方向と分極方向が90−θの角度となるた
め、分極方向に大きさE・sin(90−θ)の内部電界ベ
クトルが発生する。このベクトルはθが90度以上にな
ると、分極方向と同方向になるため分極反転層は形成さ
れなくなる。以上の結果、基板の−C軸方向と基板表面
の法線を90゜以下の角度で傾けることにより分極反転
層の形成が可能になる。
【0073】さらに熱処理時間と分極反転層の形状の関
係を図12に示す。熱処理温度540℃のとき熱処理温
度を10秒(図12(a))、60秒(図12(b))
と観測したが、熱処理時間とともに、分極反転層は横方
向に広がり、短周期の分極反転層の形成が困難になるこ
とが分かった。周期4μmの分極反転層を形成した。プ
ロトン交換を260℃10分間行った後、熱処理を54
0℃10秒間行った。その結果深さ2.8μmの分極反
転層の形成を確認した。−C板に形成した分極反転層に
比べ約1.4倍の深さが得られた。高速かつ短時間の熱
処理により、高効率のSHG素子に必要な短周期でかつ
深い反転層が形成できることが分かった。
【0074】なお、本実施例では基板にLiTaO3基板を用
いたが他にMgO、Nb、NdなどをドープしたLiTaO3またはL
iNbO3でも同様な分極反転層が作製できる。
【0075】なお、本実施例では加熱装置として赤外線
加熱装置を用いたが、他にフラッシュランプ加熱装置、
CO2レーザ加熱装置など昇温速度の高い加熱装置でも
同様な分極反転層が作製できる。
【0076】なお、本実施例では、イオン交換にピロ燐
酸(H4P2O7)を用いたが、他にオルト燐酸(H2PO4)な
ど他の燐酸も用いることができる。
【0077】なお、本実施例では燐酸を希釈するのに、
燐酸リチウム(Li3PO4)を用いたが、他に安息香酸リチ
ウム(LiCH3COOH)等、他のLiを含む塩も用いることが
できる。
【0078】なお、本実施例では耐イオン化のマスクと
して、Ta膜を用いたが、他にTa2O 5、Pt、Auなど耐酸
性を有する膜なら用いることができる。
【0079】なお、本実施例では光導波路としてプロト
ン交換光導波路を用いたが、他にTi拡散光導波路、N
b拡散光導波路、イオン注入光導波路など他の光導波路
も用いることができる。
【0080】なお、本実施例では金属膜として、Taを
用いたが、このような金属膜として他にAu、Pt、T
i、Agなどでも同様な分極反転層が構成できる。
【0081】(実施例3)ここで述べるのは、分極反転
層形成後の、低ロスの光導波路の形成方法である。
【0082】高効率な光波長変換素子を形成するために
は分極反転層上に、低ロスの光導波路を形成する必要が
ある。実施例1で説明した分極反転層の形成方法は、分
極反転層を形成するためプロトン交換層を熱処理して形
成する。ところがプロトン交換層は基板との間に屈折率
差を有するため、周期的な分極反転層を形成すると、分
極反転層と非反転層の間に屈折率差が存在する。このた
め分極反転層上に光導波路を形成すると、この屈折率変
化によって、導波ロスが発生した。そこでこの導波ロス
を小さくするために、分極反転層上に低ロスの光導波路
を形成する方法を検討した。
【0083】図13において、1は−X板のLiTaO3
板、2は耐イオン化マスク材料であるTaマスク、3はプ
ロトン交換層、4は分極反転層、5はTaマスク、6はプ
ロトン交換光導波路、14は耐イオン化マスク材料であ
るTaマスクである。ただし、アニール処理とは、LiTaO3
結晶を分極が反転しない温度で熱処理し、LiTaO3結晶内
の交換処理イオンを拡散させる工程である。
【0084】実施例1で説明した分極反転層を作製(図
3(a)〜(d))した後、作製した分極反転層4の屈折率を
プリズムカップラ法で測定すると、基板1との屈折率差
が約0.02存在した。このまま、基板表面に導波路を形成
すると、屈折率差による光の導波ロスがおこる。そこ
で、次の(e)の工程が重要になる。
【0085】(e)この基板を450℃で4時間アニー
ル処理すると分極反転層4と基板1の屈折率差は0.005
以下になった。また分極反転後550℃以上でアニール
処理すると、反転した分極が再反転し、分極反転層は消
滅した。したがって550℃以上でアニールしないほう
がよい。
【0086】(f)LiTaO3基板1上にスパッタリング法
によりTa膜を形成する。このTa膜上にレジストを塗布し
た後、フォトリソグラフィ法により幅4μmの光導波路
ストライプを基板のX伝搬方向に形成する、つぎにCF
4雰囲気中でドライエッチングを行いTaマスク14を形
成する。
【0087】(g)この基板を230℃のピロ燐酸で2
0分間熱処理し、非マスク部分のLiTaO3をプロトン交換
処理し、プロトン交換光導波路6を形成する。
【0088】(h)Taマスクを除去した後LiTaO3基板の
両端面を光学研磨すると光波長変換素子を製造できる。
【0089】次に、作製した光波長変換素子の特性を比
較した。分極反転後に450℃で1時間熱処理したもの
(サンプル1)、分極反転後に熱処理を行わなかったも
の(サンプル2)、分極反転後に550℃で1時間熱処
理したもの(サンプル3)を作製し、波長800μm、
出力40mWの半導体レーザの光を集光光学系により集
光した。光導波路より、出射される基本波及びSHG光
をレンズでコリメートしパワーメータで測定した。結果
を以下の表に示す。
【0090】
【表1】
【0091】サンプル1とサンプル2の結果より、サン
プル1は分極反転後のアニール処理(図13の工程
(e))により分極反転層の屈折率差が減少し、光波長変
換素子の導波ロスが2dB/cm(サンプル2)から
0.4dB/cmに減少した。これによってサンプル1
の導波ロスが減少し、その結果、基本波の出力が増加し
た。
【0092】さらに、導波ロスの減少に伴いSHG光の
出力が増加した。変換効率の非常に高い光波長変換素子
が形成されている。サンプル3は基本波は導波している
が。SHG光が発生していない。これは550℃の熱処
理により分極反転層が再反転して消滅したためと考えら
れる。
【0093】以上にように本実施例によれば、部分的に
プロトン交換を行うことにより、周期的な分極反転層を
形成し、その後550℃以下でアニール処理することに
より導波ロスを減少させ低ロスの光導波路を形成でき
る。その結果、変換効率の高い光波長変換素子を形成で
きた。
【0094】なお、本実施例では、イオン交換にピロ燐
酸(H4P2O7)を用いたが、他にオルト燐酸(H2PO4)な
ど他の燐酸も用いることができる。
【0095】なお、本実施例では耐イオン化のマスクと
して、Ta膜を用いたが、他にTa2O 5、Ptなど耐酸性を
有する膜なら用いることができる。
【0096】なお、本実施例では、基板として、LiTaO3
を用いたが、他にLiNbaO3、LiTaO3とLiNbO3の混合物、M
gOをドーピングした、LiTaO3またはLiNbO3基板でも用い
ることができる。LiNbO3との混合物は非線形光学定数が
大きくかつ、耐光損傷性にも優れているため、より高効
率かつ、高出力の波長変換が可能になる。またMgOをド
ーピングした、LiTaO3またはLiNbO3を用いると、耐光損
傷性に優れるため、より高出力の波長変換が行える。
【0097】なお、本実施例では−X板の基板を用いた
が、他に+X板、±Y板などC軸に並行な基板ならば同
様な分極反転層を形成できる。
【0098】なお、本実施例では、分極反転層を光波長
変換素子に応用したが、その他電気光学効果を利用した
光スイッチにも応用できる。分極反転層により電気光学
効果による屈折率変化の方向を逆転することができるた
め、高速の光スイッチや電気光学効果を利用したグレー
ティングの形成などに応用できる。
【0099】なお、本実施例では、分極反転層を光波長
変換素子に応用したが、その他圧電効果を利用した、表
面弾性波(SAW)デバイスにも応用できる。分極反転
層を用いると櫛形電極を必要とせず、SAWデバイスを
実現できるため、広い応用が可能である。
【0100】(実施例4) 光波長変換素子の特性評価について 光波長変換素子の特性について述べる。実施例1で説明
した分極反転層上に実施例3で説明した光導波路を形成
し、3次の周期の光波長変換素子を作製した。作成した
光波長変換素子の構成図を図14に示す。図14におい
て、1は−X板のLiTaO3基板、4は分極反転層、5はプ
ロトン交換光導波路、6は波長860nmの基本波、7
は波長430nmの第二高調波(以下、SHG光と略
す)である。
【0101】光導波路は基板のY軸方向に形成され、分
極反転層のストライプ方法は、基板のC軸に対し、20
゜角度を付けて形成した。分極反転層はC軸に対して角
度を付けることにより、X板における形成が可能とな
る。
【0102】作製した光波長変換素子はX板の基板上
に、周期4μm、幅2μm深さ3μmの分極反転層上
に、幅4μm深さ1.9μmのプロトン交換光導波路を
素子長10mmに渡って結晶のY軸方向に形成したもの
である。作製した光波長変換素子のSHG特性を測定し
た。波長可変なTiサファイアレーザを用いて、入射光
の波長を840〜880nmの間で走査して、位相整合
する波長を求めた。
【0103】測定の結果、位相整合は波長860nmで
成立し、波長430nmのSHG光が出力された。X板
のLiTaO3を用いて作製した1次の分極反転周期の光波長
変換素子のSHG特性は115mWの基本光を入力した
とき、23mWのSHG光が得られたこのときの換算効
率は300%/Wで、従来の−C板に形成した分極反転
型SHG素子(200%/W)の特性の約1.5倍の変
換効率が得られた。
【0104】これは分極反転層の周期構造を結晶のC軸
方向より傾けることと、RTAによりX板のLiTaO3に周
期的な分極反転層の形成が可能になり、かつ反転層深さ
が増し短周期においても深い反転層の形成が可能になっ
たからである。
【0105】さらに、X板のLiTaO3に分極反転型の光波
長変換素子を構成するとこにより、半導体レーザとの高
効率結合が可能となり、その結果、半導体レーザの高効
率波長変換が可能となった。
【0106】さらに、分極反転層を結晶のC軸より傾け
た構造にすることにより、分極反転層による散乱ロスが
低下し、光導波路の伝搬ロスを低減することができた。
【0107】(実施例5)ここでは、本発明の光波長変
換素子を用いた短波長コヒーレント光発生装置について
説明する。
【0108】高効率の光波長変換素子を実現するには次
の3つの条件を満足する必要がある。
【0109】1)光導波路の偏光方向 LiTaO3(LiNbO3)などの高非線形材料は一般にd33方向
に大きな非線形光学定数をもつ(これはC軸方向の電界
ベクトルを持った基本光が同じ方向の電界ベクトルを持
ったSHG光に変換される非線形定数)、そのため、光
導波路を伝搬する光は結晶のC軸方向に電界ベクトルを
持つとき最大の変換効率が得られる。
【0110】2)光導波路の閉じ込め プロトン交換光導波路は基板との屈折率変化に異方性を
持っており、基板のC軸方向の電界ベクトルを持つ光に
対して強い閉じ込め効果をもつ、そのため閉じ込めの強
い光導波路を形成するには、基板のC軸方向に電界ベク
トルをもつ光が伝搬する光導波路構造にする必要があ
る。
【0111】3)半導体レーザとの高効率結合 半導体レーザと光波長変換素子の高効率結合を行うには
素子の偏光方向が問題となる。半導体レーザは発振効率
を高めるためレーザ媒質中でTEモード(基板平面に対
して平行な方向の電界ベクトルを持つ)の偏光を持つた
め、半導体レーザとの直接結合または高効率結合を行う
には、基板平面に平行なTEモードの導波光を導波させ
る光導波路構造が必要となる。
【0112】上記の3条件を満足させるには、図14に
示すように分極反転層の周期構造は結晶のC軸に垂直な
方向に周期構造が並ぶ様に作製し、光導波路はTEモー
ドが伝搬する必要がある。
【0113】半導体レーザと波長変換を用いた短波長コ
ヒーレント光発生装置について述べる。図15に短波長
コヒーレント光発生装置の構成図を示す。図15におい
て16は半導体レーザ、17は集光光学系、6は基本
波、7は第二高調波、18はSHG素子、5はプロトン
交換光導波路である。半導体レーザ16から出射された
光は集光光学系17で集光され、光波長変換素子18の
プロトン交換光導波路5に入射する。半導体レーザと光
導波路の偏光方向が等しいため、集光光学系には、従来
必要であったλ/2板(光の偏光制御用、従来例図27
に示す)の必要が無い。半導体レーザからの出力6は7
0mW、光導波路へは42mWの光が結合し、結合効率
は60%であった。従来の結合効率45%を上回ってい
る。このときのSHG出力は3mWで、換算効率は18
0%/Wであった。
【0114】波長0.8μm帯の半導体レーザと実施例
1で作製した光波長変換素子を組み合わせた短波長コヒ
ーレント光発生装置を図16(a)に示す。
【0115】同図(a)において16は半導体レーザ、
1はLiTaO3基板、4は分極反転層、5はプロトン交換光
導波路である。図16(b)に半導体レーザの導波光、
C板上の光導波路の導波光、X板上の光導波路の導波光
をそれぞれ示す。半導体レーザ16の光導波路内での発
振はTEモード(基板に垂直方向に電界が振動する)発
振である。かつ半導体レーザの導波光の電界分布は基板
の深さ方向に対し、幅方向の広がりが大きな、楕円形状
をしている。そのため、C板の基板に形成した光導波路
の導波光(伝搬はTMモード、電界分布は基板の深さ方
向に対し、幅方向の広がりが大きな、楕円形状)と、直
接結合すると非常に低い結合効率しか得られない。なぜ
ならば、電界分布を一致させると光の偏光方向が直行す
るため結合しない。また、光の偏光方向を一致させる
と、電界分布が直行するため、非常に低い結合しか起こ
らないからである。ところが、X板に形成した光導波路
は、光の偏光方向、電界分布ともに半導体レーザの光導
波路内を伝搬する光と一致するため、高効率の結合が可
能である。そのため、図に示すような、半導体レーザと
光波長変換素子の直接結合が非常に高い効率で実現し
た。半導体レーザは出力70mW、光波長変換素子に3
5mWの光が入射した。従来のC板上に作成した光波長
変換素子では半導体レーザとの結合効率は10%以下で
あったが、X板に形成することによって結合効率は50
%になり、飛躍的に結合効率を増やすことができた。ま
た集光光学系を必要としないため、非常に小型の短波長
コヒーレント光発生装置が構成できる。出力は波長43
0nm、出力2mWである。
【0116】以上のように、XY板のLiTaO3基板に形成
した分極反転型SHG素子と半導体レーザにより構成さ
れた短波長コヒーレント光発生装置は、半導体レーザと
の高効率結合が光学系を必要とせず可能となったため、
小型で高出力の装置が構成できる。その結果、光ディス
ク、レーザプリンタなどの光源に応用できる。この短波
長光源により、光ディスクの記憶容量を大幅に増大で
き、かつ非常に小型の機器が製造できた。
【0117】次に、R板のLiTaO3基板を用いた光波長変
換素子による半導体レーザの高効率変換について述べ
る。上記の3条件を満足させるには、図17に示すよう
に分極反転層の周期構造は結晶のC軸に垂直な方向に周
期構造が並ぶ様に作製し、光導波路はTEモードが伝搬
する。しかし、−C軸が基板法線22に対してθ°傾い
ているため、TEモードの伝搬光に対して、実効的な非
線形光学定数はd33*SIN(θ)、また実効的な光導波路
の屈折率変化はΔn*SIN(θ)となりθが90°のとき
変換効率、光導波路の屈折率変化共に最大になる。この
ため光波長変換素子の変換効率は、図18に示すように
θの減少とともに光波長変換素子の変換効率が低下す
る。変換効率を最大値(XY板の光波長変換素子の変換
効率)の75%以上にするにはθの値を60°以上にす
る必要がある。θの値は分極反転層形成が可能な範囲が
85度以下であるから、有効な範囲は60°≦θ≦85
°である。
【0118】(実施例6)ここでは、本発明の光波長変
換素子による半導体レーザの安定な波長変換および安定
出力の短波長コヒーレント光発生装置について述べる。
半導体レーザの発振波長は駆動電流、環境温度の変化で
変動する。例えば温度変動は0.2〜0.3nm/℃で変化す
る。しかも波長の変動は連続的に起こるのではなく、
0.2ないし0.3nmのモードホップをともない離散
的に変化する。駆動電流による波長変動も同様であり、
その他、戻り光などによってもモードホップは発生す
る。一方、光波長変換素子の波長許容度は素子長10m
mのとき0.1ないし0.2nmと非常に狭く、半導体
レーザのモードホップが発生すると、位相整合条件から
外れてしまい、SHG出力が大幅に低下する。このた
め、光波長変換素子と半導体レーザを一体化した。小型
の短波長コヒーレント光発生装置を実現するためには、
半導体レーザの波長変動を光波長変換素子の位相整合許
容度内に抑えることが必要となる。そこで、波長選択グ
レーティングによる半導体レーザの波長固定および波長
制御を試みた。半導体レーザの活性層内に特定波長コヒ
ーレント光を入射すると発振波長が、この波長に固定さ
れる。グレーティングを用いると、半導体レーザの特定
波長を選択できるため、これを帰還することにより、波
長固定および制御が可能になる。
【0119】グレーティングを光波長変換素子上に集積
化し、出力の安定化を図った短波長コヒーレント光発生
装置の構成図を図19に示す。図19において、1は−
X板のLiTaO3基板、4は分極反転層、5はプロトン交換
光導波路、31はグレーティングである。
【0120】光波長変換素子上にグレーティングを形成
する方法を図20に示す。a)光導波路上に希釈したフ
ォトレジスト(AZ1400−17)を塗布する。フォ
トレジスト厚みは0.2μmとした。b)これをHe−
Cdレーザ(波長0.4416nm)により構成した干渉露光装
置で、周期0.4μmの周期状パターンを露光した後、
現像し、フォトレジストによるグレーティング層(屈折
率1.5)を形成する。今回使用したレジストはポジ型
レジストであり、光が当たった部分の組成が変化し、現
像を行うとその部分が現像液に溶解する。作製したグレ
ーティング層は周期0.4μm、高さ0.2μm、デュ
ーティ比3:1、グレーティングの長さは1mmであっ
た。c)作製したグレーティング層にスパッタリング法
でTa2O5(屈折率2)を0.3μm堆積し回折素子を作
製した。
【0121】図21に光波長変換素子を用いた短波長コ
ヒーレント光発生装置を示す。図21において16は半
導体レーザ、17は集光光学系、6は基本波、7は第二
高調波、5はプロトン交換光導波路、23はグレーティ
ングである。半導体レーザ16から出射された光は集光
光学系17で集光され、光波長変換素子のプロトン交換
光導波路5に入射する。半導体レーザからの基本波出力
は70mで光導波路に結合したのは42mW(結合効率
は60%であった。またグレーティング31により基本
波は半導体レーザに帰還される。グレーティングの反射
波長は光波長変換素子の位相整合波長と等しくなるよう
860nmに設計してある。このときのグレーティング
の周期は2次の周期の0.4μm、分極反転層の周期は
3.9μmである。長さ0.5mmのグレーティング長
に対し、反射率は30%であり、グレーティングにより
半導体レーザに帰還された基本波により半導体レーザの
波長は860nmに固定された。このときのSHG出力
は3mWであった。
【0122】半導体レーザの波長安定性を調べるため、
半導体レーザの温度を変化させてSHG出力の変動を測
定した結果を図22に示す。温度10〜30℃の間で出
力変動は±5%以内で安定した出力が得られた。X板に
形成した光波長変換素子により小型、高効率の光波長変
換素子が形成でき、さらに、グレーティングを集積化す
ることにより出力の安定性も得られた。
【0123】次に、半導体レーザと光波長変換素子を直
接接合した。結合効率は80%であった。X板のLiTaO3
を用いることで、高効率の結合が可能になった。さらに
半導体レーザと光波長変換素子間にARコート層を設け
ることにより接合部での反射を0.01%に抑えた。そ
の結果、半導体レーザの後面と光波長変換素子のグレー
ティング間での共振構造が実現され、光波長変換素子内
部の基本波パワーが増加した結果、変換効率が増加しS
HG出力10mWが得られた。
【0124】(実施例7)ここでは、本発明の回折素子
について説明する。周期的分極反転層の形成が可能にな
ると、電界により制御可能な回折格子が形成できる。実
施例1、2で述べた周期的分極反転層と電極により、周
期的な屈折率変化を誘起し回折格子を形成することがで
きる。図23に回折素子の構成斜視図を示す。図23に
おいて、1はX板のLiTaO3基板、4は分極反転層、5は
プロトン交換光導波路、25は電極である。電極に電圧
を印可すると結晶のZ方向に電界が発生する。結晶の分
極が周期的に反転しているため、電界による屈折率変化
は反転層ではΔn、非反転層では−Δn変化し、周期的
な屈折率変化によりグレーティングを形成する。
【0125】次に、回折素子の特性について述べる。分
極反転層の周期2μm、光導波路は幅4μm、厚み1.
9μmであった。基本波として波長860nmの半導体
レーザの光を集光光学系を用いて、光導波路に入射させ
ると、グレーティングにより反射される。このときのグ
レーティング次数は10次である。グレーティング長5
mmのとき印可電圧と回折効率の関係を図24に示す。
印可電圧10Vで80%の回折効率が得られた。
【0126】なお、本実施例では、基板として、LiTaO3
を用いたが、他にLiNbaO3、LiTaO3とLiNbO3の混合物、M
gOをドーピングした、LiTaO3またはLiNbO3基板でも用い
ることができる。LiNbO3との混合物は非線形光学定数が
大きくかつ、耐光損傷性にも優れているため、より高効
率かつ、高出力の波長変換が可能になる。またMgOをド
ーピングした、LiTaO3またはLiNbO3を用いると、耐光損
傷性に優れるため、より高出力の回折素子構成できる。
【0127】なお、本実施例では−X板の基板を用いた
が、他に+X板、±Y板、R板などC軸に並行な基板な
らば同様の回折素子が構成できる。
【0128】(実施例8)ここでは、本実施例の光波長
変換素子および短波長コヒーレント光発生装置について
説明する。実施例5で示した光波長変換素子上に実施例
6で示した回折素子を集積化することにより安定動作の
光波長変換素子を構成できる。
【0129】図25に本実施例の短波長コヒーレント光
発生装置の構成斜視図を示す。図25において、1は−
X板のLiTaO3基板、4は分極反転層、5はプロトン交換
光導波路、25は電極、16は半導体レーザ、17は集
光光学系、6は基本波、7は第2高調波である。電極下
の分極反転層の周期は2μm、他の分極反転層の周期は
4μmである。半導体レーザ16から出射された基本波
6は集光光学系17により集光され、プロトン光導波路
5に入射する。基本波6は分極反転層により第2高調波
7に変換される。電極25に電圧を印可すると屈折率変
化を誘起しグレーティングとなり、伝搬する特定波長の
基本波を反射する。反射された基本波は半導体レーザの
発振波長を固定するため、グレーティングの周期により
半導体レーザの発振波長を固定できる。グレーティング
の反射波長を分極反転層の位相整合波長と一致させてお
けば、半導体レーザの発振波長は環境温度、注入電流等
の外乱により変動することなく、一定波長に固定される
ため、光波長変換素子は安定した位相整合により安定な
波長変換が可能になる。またグレーティングに形成した
電極に印可する電圧を変えることにより、グレーティン
グの反射波長を制御することができるため、光波長変換
素子の位相整合波長とグレーティングの反射波長を一致
するように電圧を調整することで、安定で、高効率の変
換が可能になる。
【0130】実験では素子長15mm電極部は5mm
で、印可電圧5Vのときグレーティングの反射効率は3
0%で半導体レーザの活性層に10%反射光が戻った。
室温で出力100mWのとき発振波長858nmの半導
体レーザが、グレーティングのフィードバックにより、
発振波長はグレーティングの反射波長870nmに固定
された。周期4μmの分極反転層の位相整合波長は87
0nmなので、グレーティングにより、反射波長を位相
整合波長に固定することができた。その結果、SHG出
力10mWが得られ、このときの変換効率は15%であ
った。半導体レーザの温度を10度から50度まで変化
させたが、SHG出力変動は5%以内におさえることが
できた。また半導体レーザへの注入電流を変えても発振
波長が位相整合波長から外れることはなかった。
【0131】また、グレーティングにより第2高調波出
力を変調することができる。発振波長を位相整合波長よ
り外れたレーザを用いる。実験では発振波長868nm
の半導体レーザを用いた。グレーティング部の電極に電
界を印可しない場合、半導体レーザの発振波長は位相整
合条件を満足せず、第2高調波出力は0.01mWと小
さかった。電極に5Vの電圧を印可すると半導体レーザ
の発振波長は870nmに固定され、SHG出力は10
mW、変調は100MHzまで可能であった。このとき
のS/N比は25dBであった。電界により第2高調波
出力の高速変調が可能になり、光ディスクへの書き込み
が可能になる。
【0132】
【発明の効果】以上説明したように、−C板以外のLiTa
O3基板上に基板のC軸方向から傾けてストライプ状のプ
ロトン交換層を形成し、これを熱処理して分極反転層を
形成することにより、分極反転層の形成に必要な分極を
反転させる内部電界の発生を可能にする。さらに熱処理
の昇温速度を上げることにより分極反転処理温度に達す
るまでのプロトン交換層の拡散を防ぎ、プロトン交換層
内に形成される分極反転の横広がりを防止することがで
きた。その結果、−C板のLiTaO3では困難であった短周
期で非常に深い分極反転構造が、LiTaO3に形成がするこ
とができた。これを用いることにより、高効率で短波長
変換が可能な光波長変換素子が製造できるため、その実
用効果は大きい。
【0133】さらに、−C板以外のLiTaO3基板に結晶の
C軸に対し傾けた方向に形成した周期的分極反転層と分
極反転層にほぼ垂直方向に形成した光導波路により、高
効率変換が可能な、分極反転型の光波長変換素子が構成
できた。この光波長変換素子は、半導体レーザとの高効
率結合に、従来必要であった複雑な光学系を必要とせ
ず、簡単な光学系により、高効率の結合を可能にするた
め、その実用効果は大きい。
【0134】さらに、C板以外のLiTaO3基板に結晶のC
軸に対し0゜以上の角度で傾けたストライプ有する方向
に形成した周期的分極反転層と分極反転層にほぼ垂直方
向に形成した光導波路により、構成される光波長変換素
子と半導体レーザを一体化することにより、高出力かつ
小型の短波長コヒーレント光発生装置を形成できる。特
に結晶のC軸が基板の水平線のほぼ平行な場合、光波長
変換素子は半導体レーザとの偏光方向が等しいため、光
波長変換素子の光導波路と半導体レーザの光導波路の間
で高効率の直接結合が可能になる。このため、光波長変
換素子と半導体レーザを直接結合させた、一体化のモジ
ュールを構成することができた。作製した装置は小型、
高出力であり、光ディスク、レーザプリンタなど広い範
囲で応用ができ、その実用効果は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光波長変換素子の構成図
【図2】C板のLiTaO3基板における分極反転層形成メカ
ニズムを表す図
【図3】本発明における分極反転層の作成工程図
【図4】X板のLiTaO3基板における内部電界と自発分極
Psの関係を表す図
【図5】X板のLiTaO3基板における分極反転層形成メカ
ニズムを表す図
【図6】(a)分極反転層の核の形成の様子を示す図 (b)分極反転層の核の形成の様子を示す図
【図7】(a)熱処理時間と分極反転層の関係を示す特
性図 (b)熱処理時間と分極反転層の関係を示す特性図
【図8】本発明の光波長変換素子の構成図
【図9】分極反転層の作製工程図
【図10】結晶のC軸と基板の法線ベクトルのなす角度
と基板に形成された分極反転層の深さの関係を表す特性
【図11】R板のLiTaO3基板における内部電界と自発分
極Psの関係を表す図
【図12】(a)熱処理時間と分極反転層の関係を示す
特性図 (b)熱処理時間と分極反転層の関係を示す特性図
【図13】本発明の光導波路の作製方法の工程斜視図
【図14】本発明の光波長変換素子の構成図
【図15】光波長変換素子による半導体レーザ光の波長
変換実験の光学系を示す図
【図16】(a)本発明の短波長コヒーレント光発生装
置の構成図 (b)導波モードの電界分布と表す図
【図17】光波長変換素子の構成斜視図
【図18】基板の法線ベクトルと結晶のC軸のなす角θ
と変換効率の関係を表す特性図
【図19】グレーティングを集積化した光波長変換素子
の構成図
【図20】グレーティングの作製工程を表す図
【図21】短波長コヒーレント光発生装置をの構成図
【図22】短波長コヒーレント光発生装置の出力の温度
特性を表す図
【図23】回折素子の構成図
【図24】印可電圧と回折効率の関係を表す特性図
【図25】短波長コヒーレント光発生装置の構成斜視図
【図26】従来の光波長変換素子の製造方法を示す工程
断面図
【図27】従来の短波長コヒーレント光発生装置の構成
【符号の説明】
1 LiTaO3基板 2 Taマスク 3 プロトン交換層 4 分極反転層 5 プロトン交換光導波路 6 基本波 7 第二高調波 8 周期Λ 9 マスク幅W 10 プロトン交換層 11 分極反転核 12 Ps(自発分極) 13 電界 14 Taマスク 15 フォトレジスト 16 半導体レーザ 17 集光光学系 18 SHG素子 19 λ/2板 22 基板の法線 23 グレーティング 24 Ta2O5膜 25 電極 42 第二高調波 43 基本波 44 プロトン交換光導波路 45 分極反転層 98 コリメートレンズ 99 フォーカスレンズ 101 半導体レーザ 104 LiTaO3基板 105 プロトン交換層 106 分極反転層 107 Taマスク 108 SHG素子

Claims (52)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 −C板以外のLiTa(1-x)NbxO3(0≦x≦
    1)基板と、前記基板表面に形成したストライプ状の分
    極反転層と、光導波路とを備え、前記ストライプ状の分
    極反転層が周期的に形成され、かつ前記分極反転層のス
    トライプ方向が基板のC軸に対して0°より大きい角度
    で傾いていることを特徴とする光波長変換素子。
  2. 【請求項2】 XY板のLiTa(1-x)NbxO3(0≦x≦1)
    基板を用いる請求項1記載の光波長変換素子。
  3. 【請求項3】 分極反転層の周期が1次であることを特
    徴とする請求項2記載の光波長変換素子。
  4. 【請求項4】 周期的分極反転層の一部に電極が形成さ
    れていることを特徴とする請求項2記載の光波長変換素
    子。
  5. 【請求項5】 光導波路の一部にグレーティングが形成
    されていることを特徴とする請求項2記載の光波長変換
    素子。
  6. 【請求項6】 分極反転層のストライプ幅が10μm以
    下であることを特徴とする請求項2記載の光波長変換素
    子。
  7. 【請求項7】 XY板以外のLiTa(1-x)NbxO3(0≦x≦
    1)基板を用いる請求項1記載の光波長変換素子。
  8. 【請求項8】 基板表面の法線に対し、結晶の−C軸が
    60度以上、85度以下の角度で傾いているLiTa(1-x)N
    bxO3(0≦x≦1)基板を用いる請求項7記載の光波長
    変換素子。
  9. 【請求項9】 分極反転層の周期が1次であることを特
    徴とする請求項7記載の光波長変換素子。
  10. 【請求項10】 周期的分極反転層の一部に電極が形成
    されていることを特徴とする請求項7記載の光波長変換
    素子。
  11. 【請求項11】 光導波路の一部にグレーティングが形
    成されていることを特徴とする請求項7記載の光波長変
    換素子。
  12. 【請求項12】 分極反転層のストライプ幅が10μm
    以下であることを特徴とする請求項7記載の光波長変換
    素子。
  13. 【請求項13】 光導波路の方向が基板のC軸に対して
    ほぼ垂直であることを特徴とする請求項1記載の光波長
    変換素子。
  14. 【請求項14】 分極反転層の周期が1次であることを
    特徴とする請求項13記載の光波長変換素子。
  15. 【請求項15】 周期的分極反転層の一部に電極が形成
    されていることを特徴とする請求項13記載の光波長変
    換素子。
  16. 【請求項16】 光導波路の一部にグレーティングが形
    成されていることを特徴とする請求項13記載の光波長
    変換素子。
  17. 【請求項17】 分極反転層のストライプ幅が10μm
    以下であることを特徴とする請求項13記載の光波長変
    換素子。
  18. 【請求項18】 −C板以外のLiTa(1-x)NbxO3(0≦x
    ≦1)基板の表面に、前記LiTa(1-x)NbxO3基板のC軸に
    対し0°より大きく傾けたストライプ状のマスクを形成
    する工程と、前記LiTa(1-x)NbxO3基板本体をプロトン交
    換処理により、非マスク部分から前記LiTa(1-x)NbxO3
    板内のLiとH+イオンを交換しプロトン交換層を形成する
    工程と、前記LiTa(1-x)NbxO3基板を熱処理し分極反転層
    を形成する工程とを備えたことを特徴とする光波長変換
    素子の製造方法。
  19. 【請求項19】 XY板のLiTa(1-x)NbxO3(0≦x≦
    1)基板を用いる請求項18記載の光波長変換素子の製
    造方法。
  20. 【請求項20】 基板表面にプロトン交換層を形成する
    のに、希釈したピロ燐酸を用いることを特徴とする請求
    項19記載の光波長変換素子の製造方法。
  21. 【請求項21】 マスクとしてTaマスクを用いること
    を特徴とする請求項19記載の光波長変換素子の製造方
    法。
  22. 【請求項22】 周期的分極反転層形成後、基板を55
    0℃以下でアニール処理することを特徴とする請求項1
    9記載の光波長変換素子の製造方法。
  23. 【請求項23】 周期的分極反転層の形成に、RTAを
    用いて、10度/秒以上の速度で熱処理することを特徴
    とする請求項19記載の光波長変換素子の製造方法。
  24. 【請求項24】 マスクのストライプ幅を10μm以下
    にする請求項19記載の光波長変換素子の製造方法。
  25. 【請求項25】 XY板以外のLiTa(1-x)NbxO3(0≦x
    ≦1)基板を用いる請求項18記載の光波長変換素子の
    製造方法。
  26. 【請求項26】 基板表面の法線に対し、結晶の−C軸
    が60度以上、85度以下の角度で傾いているLiTa
    (1-x)NbxO3(0≦x≦1)基板を用いる請求項25記載
    の光波長変換素子の製造方法。
  27. 【請求項27】 基板表面にプロトン交換層を形成する
    のに、希釈したピロ燐酸を用いることを特徴とする請求
    項25記載の光波長変換素子の製造方法。
  28. 【請求項28】 マスクとしてTaマスクを用いること
    を特徴とする請求項25記載の光波長変換素子の製造方
    法。
  29. 【請求項29】 周期的分極反転層形成後、基板を55
    0℃以下でアニール処理することを特徴とする請求項2
    5記載の光波長変換素子の製造方法。
  30. 【請求項30】 周期的分極反転層の形成に、RTAを
    用いて、10度/秒以上の速度で熱処理することを特徴
    とする請求項25記載の光波長変換素子の製造方法。
  31. 【請求項31】 マスクのストライプ幅を10μm以下
    にする請求項25記載の光波長変換素子の製造方法。
  32. 【請求項32】 基板のC軸に対してほぼ垂直な方向
    に、光導波路を形成する工程を有することを特徴とする
    請求項18記載の光波長変換素子の製造方法。
  33. 【請求項33】 基板表面にプロトン交換層を形成する
    のに、希釈したピロ燐酸を用いることを特徴とする請求
    項32記載の光波長変換素子の製造方法。
  34. 【請求項34】 マスクとしてTaマスクを用いること
    を特徴とする請求項32記載の光波長変換素子の製造方
    法。
  35. 【請求項35】 周期的分極反転層の形成後、基板を5
    50℃以下でアニール処理することを特徴とする請求項
    32記載の光波長変換素子の製造方法。
  36. 【請求項36】 周期的分極反転層の形成に、RTAを
    用いて、10度/秒以上の速度で熱処理することを特徴
    とする請求項32記載の光波長変換素子の製造方法。
  37. 【請求項37】 マスクのストライプ幅を10μm以下
    にする請求項32記載の光波長変換素子の製造方法。
  38. 【請求項38】 基板表面の法線に対し、結晶の−C軸
    が0度以上、90度以下の角度で傾いているLiTa(1-x)N
    bxO3(0≦x≦1)基板の表面に、プロトン交換処理に
    より、前記LiTa(1-x)NbxO3基板内のLiとH+イオンを交換
    しプロトン交換層を形成する工程と、前記LiTa(1-x)Nbx
    O3基板を熱処理し分極反転層を形成する工程とを備えた
    ことを特徴とする分極反転層の製造方法。
  39. 【請求項39】 基板表面の法線に対し、結晶の−C軸
    が60度以上、85度以下の角度で傾いているLiTa
    (1-x)NbxO3(0≦x≦1)基板を用いる請求項38記載
    の分極反転層の製造方法。
  40. 【請求項40】 基板表面にプロトン交換層を形成する
    のに、希釈したピロ燐酸を用いることを特徴とする請求
    項25記載の分極反転層の製造方法。
  41. 【請求項41】 周期的分極反転層形成後、基板を55
    0℃以下でアニール処理することを特徴とする請求項3
    8記載の分極反転層の製造方法。
  42. 【請求項42】 周期的分極反転層の形成に、RTAを
    用いて、10度/秒以上の速度で熱処理することを特徴
    とする請求項38記載の分極反転層の製造方法。
  43. 【請求項43】 −C板以外のLiTa(1-x)NbxO3(0≦x
    ≦1)基板と、前記基板表面に形成したストライプ状の
    分極反転層と光導波路と、前記光導波路の端面に形成し
    た入射部と、前記光導波路の他の端面に形成した出射部
    とを備えた光波長変換素子と、半導体レーザとを具備
    し、前記ストライプ状の分極反転層周期的に形成され、
    前記ストライプの方向が前記LiTa(1-x)NbxO3(0≦x≦
    1)基板のC軸に対し、0°より大きい角度で傾いてお
    り、前記光導波路の入射部に前記半導体レーザから出射
    された基本波が入射し、前記入射した基本波が前記分極
    反転層により第2高調波に変換されていることを特徴と
    する短波長コヒーレント光発生装置。
  44. 【請求項44】 前記光導波路の一部にグレーティング
    が形成され、前記基本波の一部が前記グレーティングに
    より反射され、前記半導体レーザの活性層に帰還してい
    ることを特徴とする請求項43記載の短波長コヒーレン
    ト光発生装置。
  45. 【請求項45】 半導体レーザと、光波長変換素子の入
    射部とが直接結合されていることを特徴とする請求項4
    4記載の短波長コヒーレント光発生装置。
  46. 【請求項46】 半導体レーザから出射する基本波を、
    レンズを用いて光波長変換素子の入射部に結合している
    ことを特徴とする請求項44記載の短波長コヒーレント
    光発生装置。
  47. 【請求項47】 前記グレーティングが波長選択性を有
    し、前記活性層内に帰還した光により、前記半導体レー
    ザの発振波長を固定していることを特徴とする請求項4
    4記載の短波長コヒーレント光発生装置。
  48. 【請求項48】 前記光導波路の一部に電極が形成され
    ていることを特徴とする請求項43記載の短波長コヒー
    レント光発生装置。
  49. 【請求項49】 半導体レーザと、光波長変換素子の入
    射部とが直接結合されていることを特徴とする請求項4
    8記載の短波長コヒーレント光発生装置。
  50. 【請求項50】 半導体レーザから出射する基本波を、
    レンズを用いて光波長変換素子の入射部に結合している
    ことを特徴とする請求項48記載の短波長コヒーレント
    光発生装置。
  51. 【請求項51】 前記電極により前記分極反転層の屈折
    率が制御され、前記入射波の波長が、前記第2高調波の
    位相整合波長と一致していることを特徴とする請求項4
    8記載の短波長コヒーレント光発生装置。
  52. 【請求項52】 前記基本波が前記電極下の分極反転層
    により反射され、前記半導体レーザの活性層内に帰還し
    て、前記半導体レーザの発振波長を固定していることを
    特徴とする請求項48記載の短波長コヒーレント光発生
    装置。
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JP5290958B2 (ja) * 2007-03-22 2013-09-18 パナソニック株式会社 レーザ波長変換装置

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