JP2004239959A - 擬似位相整合器の製造方法、擬似位相整合器、及び固体レーザ装置 - Google Patents

擬似位相整合器の製造方法、擬似位相整合器、及び固体レーザ装置 Download PDF

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Abstract

【課題】波長が200nm以下の紫外光を発生させるために使用することができる擬似位相整合器の製造方法を提供する。
【解決手段】QPM結晶から、超精密加工と研磨等により数μm〜50μmの薄板1〜8を作製し、これらを交互に分極が反転するようにして(図の矢印が分極の方向を示す)接合することにより、擬似位相整合器9を作製する。接合方法としては、拡散接合や常温接合で行うことにより、光学的/機械的に安定な接合を行なうことができる。好適なQPM結晶としては、吸収端が200nm以下で機械的/光学的特性に優れたLBO、水晶、LB4があり、この中でも非線形光学定数が最も大きいLBOと低価格な水晶でが特に好適である。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、200nm以下の波長の紫外光を発生するために使用される擬似位相整合器の製造方法、擬似位相整合器、及びこの擬似位相整合器を用いた固体レーザ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、固体レーザにより200nm以下の紫外光を発生させる方法として、可視/近赤外の光を射出する固体レーザの光を波長変換する方法が一般的に用いられている。波長変換に用いられる波長変換素子は、非線形光学結晶の複屈折を利用するものと、非線形光学結晶の擬似位相整合を利用するものに分けることができる。
【0003】
前者の複屈折を利用するものとしては、KBBFやSBBOを用いて第二高調波を形成するものがあるが、これらの結晶は育成が難しく、いまだに大型結晶が実用化の段階に至っていない。又、BBO、CLBO、LBOなどを用いて和周波を形成するものでは、位相整合による制限により光学系が複雑となり、面倒な光学調整が必要であった。さらに、これら複屈折を用いた非線形結晶ではnon−critical位相整合ができずwalk−off効果を生じるため、変換効率やビーム品質が悪いという問題もあった。
【0004】
擬似位相整合(QPM:Quasi−phase Matching)は、基本波の速度と第二高調波の速度が等しくないことを利用して第二高調波を発生させるものである。すなわち、非線形光学結晶の屈折率は波長分散があるために、基本波の速度と第二高調波の速度が等しくないので、位相差が現われる。このために結晶内では、光路に沿って発生する第二高調波の合成波は周期関数となる。したがって、結晶端で発生した第二高調波と、結晶端からある距離xで発生した第二高調波との間にπの位相差が発生するような距離xが存在する。この距離xの長さをコヒーレンス長と言う。
【0005】
コヒーレンス長を超えると、合成高調波の強度は減少し、この周期で増減を繰り返すことになる。この現象を利用して、アームストロング(Armstrong )等は、この周期毎に非線形光学定数の符号を反転させ、第二高調波の位相を反転させれば高効率になることを提案した。すなわち、コヒーレンス長で非線形光学定数の符号が反転するように分極方向が反転する結晶を積層させれば、コヒーレンス長からの第二高調波の強度を増大させることが可能になる。
【0006】
擬似位相整合に基づく波長変換としては、PPLN、PPLT、PPKTP、BMFなどの強誘電体材料を用いる方法が早くから開発されていたが、これらの物質はBMFを除いて吸収端が200nm以上であり、200nm以下の波長の紫外光を発生するのには適していなかった。又、BMFは非線形光学定数が非常に小さく、加えて、実用的な物を作製するのが難しかった。
【0007】
一方、常誘電体である水晶やLB4を用いて擬似位相整合器を製造する方法も開発されており、特開平11−212128号公報(特許文献1)、特開2002−122898号公報(特許文献2)、及び特開平9−197455号公報(特許文献3)等に開示されている。
【0008】
【特許文献1】特開平11−212128号公報
【特許文献2】特開2002−122898号公報
【特許文献3】特開平9−197455号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの特許文献に開示されている方法では、波長が長い領域で使用するための擬似位相整合器は製造可能であるものの、波長が200nm以下の紫外光を発生させる擬似位相整合器を製造するのは困難であるという問題点があった。
【0010】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、波長が200nm以下の紫外光を発生させるために使用することができる擬似位相整合器の製造方法、及び擬似位相整合器、さらにはこれら擬似位相整合器を使用した固体レーザ装置を提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための第1の手段は、200nm以下の波長を有する紫外光を発生させるために用いられる擬似位相整合器の製造方法であって、結晶から、当該結晶の分極方向に平行な薄板を製造し、当該薄板を、その結晶の分極方向が180°逆転するように交互に重ね合わせ、重ね合わされた前記薄板同士を接合して一体化することを特徴とするもの(請求項1)である。
【0012】
一般に擬似位相整合器は、結晶の分極方向が180°異なる厚さの薄い部分が交互に積層されたような状態とすることにより形成される。このような構造の形成手段として、本手段においては、最初に結晶から、結晶の分極方向に平行な薄板を製造し、当該薄板を、その結晶の分極方向が180°逆転するように交互に重ね合わせ、重ね合わされた薄板同士を接合して一体化することにより形成している。このような薄板の厚さは数μm〜50μm程度であるが、超精密加工と研磨等により、このような厚さの薄板を形成することができる。又、薄板同士の接合は、拡散接合や常温接合で行うことができる。
【0013】
前記課題を解決するための第2の手段は、200nm以下の波長を有する紫外光を発生させるために用いられる擬似位相整合器の製造方法であって、結晶から、当該結晶の分極方向に平行な薄板を製造し、当該薄板を、その結晶の分極方向が180°逆転するように交互に重ね合わせ、重ね合わされた前記薄板同士を接合して一体化して1つの部材とし、当該部材を、重ね合わせ方向に切断して複数とし、切断されたものを複数個、接合によりつなぎ合わせて一体化することを特徴とするもの(請求項2)である。
【0014】
本手段においては、擬似位相整合器の製造方法の途中までは、前記第1の手段と同じである。しかし、一般的に薄板の研削/研磨や接合には手間がかかるので、必要な枚数の薄板を全て製造して接合するのは得策でない。よって、本手段においては、所定枚数の薄板を製造して接合した後、それを重ね合わせ方向に切断して複数の部材を作り、切断された部材を複数個、接合によりつなぎ合わせて一体化することにより、最終的に擬似位相整合器とするようにしている。よって、最初に製造する薄板の枚数と接合の回数を減らすことができ、効率良く、擬似位相整合器を製造することができる。
【0015】
前記課題を解決するための第3の手段は、200nm以下の波長を有する紫外光を発生させるために用いられる擬似位相整合器の製造方法であって、結晶から、櫛歯状の凹凸部を有する部材であって、当該櫛歯の長さ方向が、その結晶の分極方向であるものを製造し、この部材同士の櫛歯部分を、その分極方向が180°逆転するように互いに噛み合わせた状態とすることを特徴とするもの(請求項3)である。
【0016】
本手段においては、互いに噛み合わせた櫛歯部分において、結晶の分極方向が交互に180°逆転するような部分が形成される。よって、簡単な方法で擬似位相整合器を製造することができる。噛み合わせた状態で接合してもよく、場合によっては噛み合わせの中にマッチングオイルを入れて光学的なマッチングをとるようにしてもよい。
【0017】
前記課題を解決するための第4の手段は、前記1の手段から第3の手段のいずれかであって、前記結晶の材料が、水晶、LBO、又はLB4であることを特徴とするもの(請求項4)である。
【0018】
水晶、LBO、LB4は潮解性がないので扱いやすく、また200nm以下の紫外光を透過するので、200nm以下の紫外光を形成することが可能である。しかしながら、従来の製造方法では、200nm以下の紫外光を形成するために必要な厚さでの分極の反転を形成することが困難であった。しかし、本手段によれば、これを容易に製造することができる。
【0019】
前記課題を解決するための第5の手段は、前記第1の手段から第4の手段の内いずれかにより製造された、200nm以下の波長を有する紫外光を発生させるために用いられる擬似位相整合器(請求項5)である。
【0020】
本手段は、容易に製造でき、200nm以下の波長を有する紫外光を発生させるために用いることができる。
【0021】
前記課題を解決するための第6の手段は、結晶の分極方向が交互に反転するような構造を有し、200nm以下の波長を有する紫外光を発生させるために用いられる、LBOからなる擬似位相整合器(請求項6)である。
【0022】
本手段によれば、LBOを使用して、200nm以下の波長を有する紫外光を発生させることができる。
【0023】
前記課題を解決するための第7の手段は、前記5の手段又は第6の手段である擬似位相整合器を有することを特徴とする固体レーザ装置(請求項7)である。
【0024】
本手段は、前記5の手段又は第6の手段である擬似位相整合器を使用しているので、安価であり、かつ、取り扱いが簡単で、しかもwalk−offが少なくビームの形状が良好な固体レーザ装置とすることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態の例を、図を用いて説明する。前述のように、擬似位相整合器とは、コヒーレンス長(Lc)ごとに結晶の分極方向を周期的に反転させたもので、この方法を適用した非線形光学結晶を擬似位相整合結晶(QPM結晶)と呼ぶ。ここで第二高調波を作製する場合のコヒーレンス長は、k1を基本波(入射光)の波数、k2を第二高調波(射出光)の波数とした場合には、
Lc=π/(k2−2*k1)
で表され、和周波を作製する場合のコヒーレンス長は、k3、k4を入射光の波数、k5を射出光の波数とした場合に、
Lc=π/{k5−(k3+k4)}
で表される。
【0026】
そして分極反転の周期Dは、
D=2m*Lc(m:次数)
で表される。ここでDは1周期分の長さであり、その中にある、基準となる方向に分極している部分の長さdと分極反転している部分dの関係は、
D=d+dとなる。
【0027】
このときd:d=1:1(mが奇数)、d:d=1:3(mが偶数)の関係が望ましい。
【0028】
擬似位相整合器による波長変換では、第二高調波を発生させるためには複屈折性が無くてもよく、必要な周期で分極方向を反転させることができ、その波長で十分な透過率さえあればよい。またwalk−offがないため、高い変換効率と優れたビーム形状を得ることができる。
【0029】
本発明で用いるのに好適なQPM結晶としては、吸収端が200nm以下で機械的/光学的特性に優れたLBO、水晶、LB4があり、この中でも非線形光学定数が最も大きいLBOと低価格な水晶が特に好適である。
【0030】
図1は、本発明の第1の実施の形態である擬似位相整合器の作製方法を示す図である。図1に示すように、QPM結晶から、超精密加工と研磨等により数μm〜50μmの薄板1〜8を作製し、これらを交互に分極が反転するようにして(図の矢印が分極の方向を示す)接合することにより、擬似位相整合器9を作製する。接合方法としては、拡散接合や常温接合で行うことにより、光学的/機械的に安定な接合を行なうことができる。ここでは8枚を接合するように記述しているが、本発明の薄板の枚数はこれに限定されるものではない。
【0031】
また薄板1、3、5、7の厚さd、薄板2、4、6、8の厚さdは、高次の周期にすれば(前記mを大きくすれば)厚くできるため、加工精度に応じて最適な次数にすればよい。
【0032】
図2は、本発明の第2の実施の形態である擬似位相整合器の作製方法を示す図である。図1に示したような方法で必要な枚数だけ薄板を重ねて接合することにより擬似位相整合器9を作る場合には、枚数が非常に多くなるため、それら全てを研削/研磨して接合するのは時間と価格がかかる。そこで図2に示すとおり、図1に示すような方法で製作した擬似位相整合器9を、破線で示すように分割し(図2の場合9分割している)、それらを接合すれば、長い擬似位相整合器10を作製できる。一般的に波長変換に必要な断面(光路面)は数mm□でよいが、加工や接合を用いれば、10mm□以上のものも比較的容易に作製できる。
【0033】
図3は、本発明の第3の実施の形態である擬似位相整合器の作製方法を示す図である。素材となる結晶から、X線リソグラフィーや超精密加工等により、2つの櫛形状基板11、12を作成する。この際、櫛形の歯の部分の長さ方向が分極の方向となるようにしておく(矢印が分極の方向を示す)。そして、櫛形状基板11と12を、櫛形の歯の部分の分極が互いに反転する方向となるようにして嵌合させて接合する。接合方法としては拡散接合や常温接合を用いることができる。
【0034】
このとき勘合しやすいように溝が深くなるに従い、溝の間隔が狭くなるように、精密加工や異方性エッチングなどで櫛形部の構造を形成してもよい。また接合を用いずに嵌め合わせただけで使用可能な場合には、互いの櫛歯の間に少し隙間ができるように加工し、隙間をマッチングオイルなどで埋めるようにしてもよい。
【0035】
このとき、櫛形状基板11の櫛形部(凸部)の幅をd、凹部の幅をdとし、櫛形状基板12の櫛形部(凸部)の幅をd、凹部の幅をd+とする。ただし、嵌め合い公差を考慮する必要があることは言うまでもない。
【0036】
図4は、以上説明したような擬似位相整合器を用いた、200nm以下(193nm)の紫外光を発生させる固体レーザ装置の例を示す図である。図4において100は、DFB構造を持ちパルス変調されたInGaAsP系半導体レーザである。このレーザは波長1554nmで発振するように不図示の温度調節機構によって温度コントロールされている。
【0037】
半導体レーザ100から出射された波長1554nmの光は、シングルモード光ファイバー101中を伝播し、アイソレータ102を通り再びシングルモード光ファイバー101中を伝播する。半導体レーザ103は、波長980nmの光または波長1480nmの光を発振させることができる。半導体レーザ103からの光は、シングルモードファイバー104を通り、光合波装置105で波長1554nmの光と合流し、希土類元素のエルビウム(Er)をドープした光ファイバー106に入射される。ここで、エルビウムドープファイバーは、半導体レーザ103からの光によって励起され、波長1554nmの光を増幅する働きを持つ。
【0038】
増幅された光は、光ファイバー端面またはコネクタ端面107より出射光108として空間に出射され、レンズ109によって非線形光学結晶LBO110に入射される。非線形光学結晶LBO110では、第二光高調波が発生する。このLBO110は、タイプ1のnon−critical位相整合をするように、結晶方位θ=90°、φ=0°でカットされ、結晶温度は約117℃に保たれている。非線形光学結晶110は、LBO以外に前記水晶、Li:NbO、Li:TaO、KTP(KTiOPO)による擬似位相整合結晶で置き換えてもよい。その場合1次の擬似位相整合を行うとすると、分極反転の周期はそれぞれ約34μm、約9.3μm、約10.4μm、約12.6μmである。前記いずれの場合も、Walk−Off効果がなく、高効率でビーム品質の良い第二光高調波発生が可能である。
【0039】
波長772nmの光111は、レンズ112により非線形光学結晶LBO113に集光され、第二光高調波発生により波長386nmの光に変換される。LBOは、タイプ1の位相整合をするように、結晶方位θ=90°、φ=34.5°でカットされている。この非線形光学結晶113をLBOではなく、GdYCOB(Gd1−XCaO(BO)に置き換えてもよい。GdYCOBでは、GdとYとの組成比を変えることで複屈折性を制御することができ、したがって位相整合特性を変えることができる。そのため、GdとYの組成比を適当に変えることにより、結晶方位φ=90°、θ=90°でタイプ1のnon−critical位相整合による波長772nmの光の第二光高調波変換を実現することができる。この場合、波長772nmでnon−critical位相整合できないLBO結晶による第二光高調波発生よりもビーム品質の良い波長386nmの光が得られる。
【0040】
非線形光学結晶113を、前記水晶、Li:NbO、Li:TaO、KTP(KTiOPO)による擬似位相整合結晶で置き換えてもよい。その場合1次の擬似位相整合を行うとすると、分極反転の周期はそれぞれ約9.4μm、約1.1μm、約1.4μm、約1.4μmである。前記いずれの場合も、Walk−Off効果がなく、高効率でビーム品質の良い第二光高調波発生が可能である。
【0041】
波長386nmの光114は、レンズ115によりLBOを素材として、本発明の実施の形態である製造方法によって製造された擬似位相整合結晶116に集光され、第二光高調波発生により波長193nmの光117に変換される。その場合1次の擬似位相整合を行うとすると、分極反転の周期は、約0.95μmである。この場合も、Walk−Off効果がなく、高効率でビーム品質の良い第二光高調波発生が可能である。
【0042】
この実施の形態においては、LBOを素材とする擬似位相整合結晶116のみで、最終段の第二光高調波発生を行っている。その場合、ビーム品質が高く高効率な波長193nmの光への波長変換が期待できる。また、擬似位相整合結晶116の素材に水晶を用いれば、光損傷のしきい値が大きく、安価に193nmの波長を有する光を作成できる。
【0043】
200nm以下の波長を有する紫外光を発生する固体レーザ装置としてはこの他に種々のものが考えられ、例えば特許文献3に示されるような種々の固体レーザ装置の最終段に、本発明に係る擬似位相整合器を使用することによって、目的とする波長の紫外光を、Walk−Off効果がなく、高効率でビーム品質の良いものとして発生させることができる。なお、193nmはArFエキシマレーザ光の波長としてよく使用されているものであるが、Fエキシマレーザの波長である157nm、YAGレーザの6倍波の波長である177nmの波長を有する紫外光を形成するのにも、本発明に係る擬似位相整合器は有効に使用することができる。
【0044】
図5は、図4に示す非線形光学結晶110、113として、LBOの代わりに潮解性のあるCLBO等を使用する場合の使用方法の例を示す図である。CLBO結晶は潮解性があるため、大気中で使用することが難しく、ArやNなどのガスでパージしたり、除湿器の中にいれるなどして使用されている。これに対し、この例では、はCLBO13の全面にガラス14を接合することにより、外気から遮断することで潮解性の問題を回避している。ガラスとしては接合可能で、使用波長に対して透過率が高ければよく、さらにはCLBO結晶と屈折率が近いものを用いることが好ましい。このようなガラス材料としては、合成石英や蛍石等がある。
【0045】
図6は、walk−offのある材料を用いて、walk−offが小さい波長変換素子を製造する方法の例を示す図である。分極の方向が光軸に対して反転している単体波長変換素子15と16を、図に示すように交互に組み合わせて接合して波長変換素子17を形成する。このようにすれば、単体波長変換素子15と単体波長変換素子16との間で、walk−offが相殺されるので、ビーム形状変化を小さくできる。このような波長変換材料を作製し、図4に示す非線形光学結晶110、113として使用すれば、ビーム形状の変化が小さく、信頼性の高い系を形成することができる。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、波長が200nm以下の紫外光を発生させるために使用することができる擬似位相整合器の製造方法、及び擬似位相整合器、さらにはこれら擬似位相整合器を使用した固体レーザ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態である擬似位相整合器の作製方法を示す図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態である擬似位相整合器の作製方法を示す図である。
【図3】本発明の第3の実施の形態である擬似位相整合器の作製方法を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態である擬似位相整合器を用いた、200nm以下(193nm)の紫外光を発生させる固体レーザ装置の例を示す図である。
【図5】図4に示す非線形光学結晶として、LBOの代わりに潮解性のあるCLBO等を使用する場合の使用方法の例を示す図である。
【図6】walk−offのある材料を用いて、walk−offが小さい波長変換素子を製造する方法の例を示す図である。
【符号の説明】
1〜8…薄板、9…擬似位相整合器、10…擬似位相整合、11…櫛形状基板、12…櫛形状基板、13…CLBO、14…ガラス、15…単体波長変換素子、16…単体波長変換素子、17…波長変換素子、100…半導体レーザ、101…シングルモード光ファイバー、102…アイソレータ、103…半導体レーザ、104…シングルモードファイバー、105…光合波装置、106…光ファイバー、107…光ファイバー端面またはコネクタ端面、108…波長1554nmの出射光、109…レンズ、110…非線形光学結晶LBO、111…波長772nmの光、112…レンズ、113…非線形光学結晶LBO、114…波長386nmの光、115…レンズ、116…水晶の擬似位相整合結晶、117…波長193nmの光

Claims (7)

  1. 200nm以下の波長を有する紫外光を発生させるために用いられる擬似位相整合器の製造方法であって、結晶から、当該結晶の分極方向に平行な薄板を製造し、当該薄板を、その結晶の分極方向が180°逆転するように交互に重ね合わせ、重ね合わされた前記薄板同士を接合して一体化することを特徴とする擬似位相整合器の製造方法。
  2. 200nm以下の波長を有する紫外光を発生させるために用いられる擬似位相整合器の製造方法であって、結晶から、当該結晶の分極軸方向に平行な薄板を製造し、当該薄板を、その結晶の分極方向が180°逆転するように交互に重ね合わせ、重ね合わされた前記薄板同士を接合して一体化して1つの部材とし、当該部材を、重ね合わせ方向に切断して複数とし、切断されたものを複数個、接合によりつなぎ合わせて一体化することを特徴とする擬似位相整合器の製造方法。
  3. 200nm以下の波長を有する紫外光を発生させるために用いられる擬似位相整合器の製造方法であって、結晶から、櫛歯状の凹凸部を有する部材であって、当該櫛歯の長さ方向が、その結晶の分極方向であるものを製造し、この部材同士の櫛歯部分を、その分極方向が180°逆転するように互いに噛み合わせた状態とすることを特徴とする擬似位相整合器の製造方法。
  4. 請求項1から請求項3のうちいずれか1項に記載の擬似位相整合器の製造方法であって、前記結晶の材料が、水晶、LBO、又はLB4であることを特徴とする擬似位相整合器の製造方法。
  5. 請求項1から請求項4のうちいずれか1項に記載の擬似位相整合器の製造方法によって製造された、200nm以下の波長を有する紫外光を発生させるために用いられる擬似位相整合器。
  6. 内部で、結晶の分極方向が交互に反転するような構造を有し、200nm以下の波長を有する紫外光を発生させるために用いられる、LBOからなる擬似位相整合器。
  7. 請求項5又は請求項6に記載の擬似位相整合器を有することを特徴とする固体レーザ装置。
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