JP2008268547A - レーザー装置、波長変換素子、およびその製造方法 - Google Patents

レーザー装置、波長変換素子、およびその製造方法 Download PDF

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淳二 廣橋
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浩 茂手木
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  • Optical Modulation, Optical Deflection, Nonlinear Optics, Optical Demodulation, Optical Logic Elements (AREA)

Abstract

【課題】周期分極反転構造を有する波長変換素子において、その有効幅の広い素子を実現する構造、製造方法、および幅の広い素子を用いた高出力レーザー装置を提供すること。
【解決手段】必要な分極反転領域幅に対して、その領域幅より狭い複数の電極幅に分割した分極反転領域を構築できるように、強誘電体基板に対抗する電極構造を作成し、両電極間に電界を印加することにより分極反転領域を形成する。その際、幅方向に隣接する電極を介して発生したそれぞれの分極反転領域が、幅方向に接合させないことにより、従来生じていた長さ方向における隣接する分極反転領域との接合を抑制する。この方法により、全体に均一で且つ有効幅の広い波長変換素子を実現させる。さらに、前記素子を用いることにより、高出力レーザー装置を実現する。
【選択図】図1

Description

本発明は、特定の領域(ドメイン)毎に自発分極の方向を反転させた構造を有する非線形光学結晶を用いた波長変換素子、製造方法および前記波長変換素子を用いたレーザー装置に関するものである。
強誘電体結晶(特に、非線形光学結晶)の自発分極の方向を特定の領域毎に反転させることによって、種々の波長変換素子として利用し得ることが知られている(例えば、特許文献1)。
自発分極の方向を、特定の領域毎に、特定の周期をもって反転させた構造が、周期的分極反転構造(以下、分極反転構造)であり、その周期的分極反転構造を局所的または全体的に付与された非線形光学結晶が分極反転構造を結晶である。
分極反転結晶は、その分極反転構造の周期を変えることにより、第2高調波発生(Second Harmonic Generation:SHG)、光パラメトリック発振(Optical Parametric Oscillator:OPO)、差周波発生(Difference Frequency Generation:DFG)、和周波発生(Sum Frequency Generation:SFG)など、種々の波長変換素子として用いることができる。従って、分極反転結晶を用いた波長変換素子は、可視領域のみならず紫外から赤外領域まで幅広い波長変換が実現可能なため、光通信、光情報処理、ガス検知などの分野への応用が研究されている。
図12(a)、(b)は、それぞれ分極反転結晶の例を示しており、分極方向を反転させた反転領域E20と、もとの結晶の分極方向のままの非反転領域E10とが、所定の周期にてストライプ状に交互に並ぶように結晶基板110中に形成されている。
図12(a)では、非線形光学結晶基板(以下、「結晶基板」)110の表層に分極反転構造が形成され、さらに該構造を横断するように導波路120が形成されている。また、図12(b)では、結晶基板110全体に分極反転構造が形成されており、光路が限定されないいわゆるバルク型となっている。
波長変換すべき入力光R10が非反転領域と反転領域とを交互に通過すると、結晶の非線形光学効果および分極反転構造の擬似位相整合によって、波長変換された出力光R20が発生し出射される。
従来の分極反転結晶の応用例においては、前記図12(a)に示される導波路形状の場合、分極反転構造の幅W厚さTはともにせいぜい30から50μm以下程度である。前記図12(b)に示すバルク形の場合、厚さT、幅Wともに0.3mm以上を必要とする。さらに、高出力を発生させるためには、結晶の破壊閾値を越えないように入力光の単位面積当たりの密度を低減する必要がある。そのため、高出力用のバルク型の波長変換素子の場合、幅Wまたは厚さTが500μmm以上、さらには1mm以上のものが望ましい。
前記高出力用のレーザー装置の一例としては、特許文献2が挙げられる。特許文献2では図13に示すように、複数のレーザー光源500をアレイ状に並べ、幅の広い波長変換素子510に対して、幅の広い扁平な入力光R11を入射し、それぞれのレーザー光を波長変換し、出力光R21のパワーとして高出力が得られる。
従来の分極反転結晶の製造方法としては、次の(i)〜(ii)のものが挙げられるが、それぞれに問題を有している。以下、単に「反転」というときは、分極方向の反転を意味する。
(i)特許文献3、4に記載された方法では、図14に示すとおり、結晶基板(Z板)110の一方の板面(同図の基板上面;+Z面)に、反転すべき領域(反転予定領域)だけが露出するよう絶縁体からなるレジストパターン220を形成し、その上を金属電極材料からなる電極層230で一様に覆う。これによって、反転予定領域にのみ電極層230が接触し(以下、この接触している部分の電極を「上部電極」という)、反転用の電極として作用する。同図の例では、電極層230上にさらに液状電極240を接触させており、これによって、電極層230には、全面にわたって均一な電圧を印加させることが可能になっている。
結晶基板110の他方の板面(−Z面)には、液状電極(液状電解質)310が全面に接触している。液状電極を接触させるための容器などは図示を省略している。両電極は、それぞれ、反転電圧印加用の電源装置S10(図示せず)に接続されており、両電極間に分極反転電圧が印加(+Z面に+電位、−Z面に−電位を与える)されて、自発分極の方向が反転し、分極反転結晶が得られる。図14では、分極反転電圧によって生じる電界を矢印で示している。
しかしながらこのような方法では、反転予定領域全面にわたって電極を接触させているために、該領域が帯状の場合、電極のエッジ部(端部)に電界が集中するため(エッジ効果)、先ず帯状領域の両端から反転が起こり、次いで両端から中間部分へと反転が進行し、最後には帯状領域全体が反転する。
従って、結晶基板上の広い領域にストライプ状の反転構造を形成する場合には、長い帯状領域の両端から中央部へと反転部分が成長することになるため、各帯状領域毎に反転が完了する時間が異なる。また、図15に示すように、各帯状領域121において実際に反転する領域131は、周期方向(帯状領域の長手方向に対して垂直にストライプを横切る方向)にも広がっていく。そのため、帯状領域全体が反転するまでの間に、最初に反転した両端部分が帯状領域121から外へ広がり、反転構造が不均一になってしまう。
(ii)特許文献5の方法では、図16に示すように前記帯状の電極122の形状を櫛形状に作製し、電界を印加することにより分極反転構造を作製する方法である。この方法の場合でも、先の例(i)と同様に、櫛形電極の先端部に電界が集中し、先端部で早く分極反転領域132が広がってしまう。そのため、櫛の長さを長くすると、巾の広い分極反転形状が得られる前に、櫛の先端部の反転領域が隣接する領域と癒着してしまい、幅の広い分極反転領域を作製することが難しい。
以上のように、前記特許文献に示されるように、分極反転の領域は電極エッジ部に集中し、電極エッジ部から分極反転が進行し、電極櫛部に広がる。そのため、最初に反転した電極エッジ部での電極のふくらみが大きくなり、隣のパターンと接合しやすいと説明されている。そのため、幅Wの広い分極反転領域を作製することは困難であった。
特開平6−110095号公報 米国特許第5800767号公報 米国特許US2006/011561号公報 米国特許第5193023号公報 特開2005−70195号公報
本発明の課題は、周期分極反転構造を有する波長変換素子において、その有効幅の広い素子を実現する構造、および電界印加法による同構造の製造方法を提供することにある。さらに、本構造により、高出力のレーザー装置を実現することにある。
本発明は、上記問題を解決し、周期分極反転構造を有する波長変換素子において、その有効幅の広い素子を実現する構造、および前期構造を用いたレーザー装置を提供し、さらに電界印加法による前記構造の製造方法を提供することにある。
本発明は以下の特徴を有するものである。
(1)周期分極反転構造を有する波長変換素子であって、周期をPとし、周期のグレーティングベクトルkと垂直な方向をjとしたときのj方向の波長変換素子として有効な分極反転領域の幅Wとするとき、j方向に対して以下の条件(A)を満たす幅Wxを有する複数の分極反転領域により有効な分極反転領域の幅Wを構成することを特徴とする周期分極反転構造を有する波長変換素子。
(A)幅Wxと周期Pの比Wx/Pの値が3以上100未満、さらには4以上50未満を満たす任意の幅Wx。
(2)前記(1)で示される周期分極反転構造を有する波長変換素子であって、j方向に対して隣接する分極反転領域との距離をgとするとき、gが10μm以下であること、さらにはgが1μm以上を特徴とする波長変換素子。
(3)前記幅Wが500μm以上であることを特徴とする前記(1)および(2)に示す波長変換素子。
(4)前記(1)から(3)に示す周期分極反転構造を有する波長変換素子を用いたレーザー装置。
(5)強誘電体基板の一方を全面電極、もう一方の面に下記(B)の条件を満たす周期Peを有する周期電極を設け、両電極間に電界を印加することにより前記(1)から(3)を満たす分極反転構造を作製する波長変換素子の製造方法。
(B)周期電極のグレーティングベクトルをke、keと垂直な方向をjeとし、個々の電極のje方向の幅Weとしたときに、幅Weと周期Peの比We/Peが3以上100未満、さらには4以上50未満を満たす任意の幅Weを有する電極形状であること。
(6)強誘電体基板の一方の面に周期Pfを有する周期電極を設け、前記周期電極のグレーティングベクトルをkf、kfと垂直な方向をjfとしたとき、強誘電体基板のもう一方の面にj方向の幅Wfが下記(C)の条件を満たす複数の電極形状に分割した電極構造を設け、両電極間に電界を印加することにより前記(1)から(3)を満たす分極反転構造を作製する波長変換素子の製造方法。
(C)幅Wfと周期Pfの比Wf/Pfが3以上100未満、さらには4以上50未満を満たす任意の幅Wf。
本発明では、分極反転構造を有する波長変換素子において、分極反転構造の周期をP、周期のグレーティングベクトルkと垂直な方向jとしたときのj方向の有効な分極反転構造の幅Wを有する分極反転構造を得ようとするとき、幅Wの領域全域に反転構造を作るのでは無く、前記j方向に対して幅Wxと周期Pとの比Wx/Pが3以上100未満の範囲、さらには4以上50未満の範囲を満たすような任意の幅Wxを有する複数の分極反転領域に分割することにより、分極反転構造の有効幅Wの広い波長変換素子を実現する。さらに前記構造を有する波長変換素子により小型高効率の高出力レーザー装置を実現する。
さらに前記構造を実現するために、強誘電体等の基板に、前記j方向に対して幅Weと周期Pとの比We/Pが3以上100未満の範囲、さらには4以上50未満の範囲を満たす任意の幅Weに分割した電界分布を与えることにより、隣接する分極反転領域が癒着することがない分極反転構造を実現することができ、その結果、平均的に見て有効な分極反転領域幅が広い波長変換素子を実現することが可能となる。
上記作用によって、次の利点が得られる。
(あ)波長変換素子において、有効な断面積が広いため、ビームのパワー密度を低減することができ、より高出力を得られる波長変換素子を実現できる。
(い)従来に比べて、反転領域の癒着を大幅に低減することができ、より基板面に均一な反転構造が得られる。
(う)前記有効幅の広い波長変換素子を用いることにより、小型高効率の高出力レーザー装置を実現できる。
以下適宜図面を参照しつつ本発明を説明する。
はじめに、本発明にかかる波長変換素子の構造について説明する。
図1は本発明による周期P、周期のグレーティングベクトルkと垂直な方向をjとしたときのj方向の有効幅Wを有する周期分極反転結晶構造により構成された波長変換素子を説明するための模式図である。従来の分極反転構造を有する波長変換素子は図に示すように、有効幅WをW/Pが50以上に広くすると、波長変換素子長50mmの中でに隣接する分極反転構造との癒着率が10%以上起こり、さらには有効幅WをW/Pが100以上に広くすると前記癒着率が25%以上起こり、波長変換素子としての本来の65%程度以下しか得ることができず問題であった。
本発明は、有効幅W方向に対して、個々の分極反転領域133の幅WxがWx/Pが3以上100未満を満たすような、さらには4以上50未満を満たすような複数の分極反転領域に分割されていることにより、隣接する構造との癒着が無い有効幅W有する波長変換素子が実現できる。
なお、図1に示した例は、本発明による波長変換素子の典型例であるが、図2(a)から(g)に示すように、ギャップgの位置が光の伝播方向R(入力光R10および出力光R20)に対して同じ位置に存在しない素子、ギャップgの位置が素子全体にわたり任意の多角形を構成するように埋め尽くされている形状、グレーティングベクトルkと光の伝播方向Rが平行でない素子構造も面内の特性均一性を高めるために有効な方法である。さらに、図2(h)および図2(i)に示すように、分極反転領域の外形が分極反転領域の外形が5角形以上の多角形で囲まれている領域内に配置されている構造、具体的には、例えば、前記分極反転領域の外形が山形状になっている構造や、前記外形が鋸刃状になっている構造などがあげられる。このような構造をとることにより、各分極反転領域の幅Wxが同じで、且つギャップgの位置が光の伝播方向Rに対して平行でない構造をとることができる。
また、ギャップgは10μmより短いほうが、有効領域の無駄を低減できることから望ましい。さらには、ギャップgは1μm未満の場合は隣接する構造との癒着を避けられないことから、ギャップgは1μm以上であることが望ましい。
ところで、波長変換素子には、入力光または出力光の光強度密度に限界がある。これらの限界は材料によって異なる。そのため、前記限界の入力光または出力光の光強度密度以上の出力光を得ることは不可能であった。この問題を解決するためには光強度密度を低減するのが得策と考えられる。本発明で前記図1または図2で示した幅の広い波長変換素子を用いると、たとえば図13に示すような、前記幅の広い波長変換素子とアレイ状のレーザー光源500と組み合わせたることにより、前記レーザー光源500からでた全体として扁平な入力光R11を前記波長変換素子を通して小型高効率で高出力な出力光R21を出力するレーザー装置を実現できる。この出力光R21の全出力光強度は、従来の波長変換素子で得られる光強度よりもアレイの数分だけ高い光強度を得ることができる。
次に、本発明にかかる波長変換素子の製造方法について説明する。
以下の説明では、そこに接触させる電極の接触領域の形状と、その結果得られる反転領域の形状とが、三者共、互いに等しいように描いた図を用いる場合があるが、これは説明や図示を簡単にするためである。実際の分極反転では、反転領域が外側へ広がるなど、電極の接触領域の形状とその結果得られる反転領域の形状とが完全に一致しない場合がある。従って、小領域を反転させた結果の反転領域の形状を、もとの設計上の小領域の形状にできるだけ近づけるために、小領域の形状に対して、第一電極の接触領域の形状を予め意図的にひとまわり小さくしておく場合がある。
図3に本発明にかかる第一の製造方法を説明するための模式図を示す。図3に示すように、強誘電体基板の一方の面に周期Peを有する第一の周期電極410を設け、もう一方の面に第二の電極420として全面電極を設ける。その際に、第一の電極410は、第一の電極の周期電極のグレーティングベクトルをke、keと垂直な方向をjeとし、個々の電極のje方向の幅Weとしたときに、幅Weと周期Peとの比We/Peが3以上100未満を満たす、さらには4以上50未満を満たす任意の幅Weを有する形状で形成する。次に、両電極間に電界を印加することにより癒着のない分極反転構造を得ることかができる。得られた分極構造を素子に切り出すことにより前記図1または図2に示した分極反転構造を有する波長変換素子を得る。
以下、前記Weの大きさを規定する根拠を示す。
前記背景技術に述べたとおり、従来分極反転構造を作製する際、隣接する分極反転領域と癒着する原因は、図15に示す電極エッジ部における電界集中により、電極エッジ部から隣接する分極反転領域が癒着すると考えられていた。
しかし、本発明者らは鋭意検討した結果、ある分極反転条件下においては隣接する電極410の電極下の分極反転領域430との癒着は電界集中がおこるエッジ部ではなく、図4に示すように、幅方向の中心部となることを見出した。さらに、本発明者らは種々のことなるWe/Peの条件を有する電極構造において癒着量を評価した。その結果、図5に示すように最適な幅と周期との関係があることがわかった。
この現象は以下のように解釈される。これまで、どのような場合においても、分極反転は最初に電界集中する電極エッジ部の領域で最も早く起こると考えられていた。しかし、実際には、We/Peが100以上の場合、電極410の電極下の分極反転領域430が図のように接合するまでは、反転領域の広がりは生じず、電極410の電極下のみへ広がる傾向にあることが確認された。これは、電極410の面積が大きくなることにより、反転領域430全体に対して、当該エッジ部における電界の集中度合いが低苦なるためと推測される。その後、電極410の電極下の全域が分極反転領域440となった後は、分極反転領域430に点電界があるかのごとく均等に広がっていく。この均等に広がっていく原因としては、分極反転領域430が分極未反転領域440と比べてひずみが多く、おそらくこれに起因して電気的特性たとえば電気伝導度等の低下が起こるためと考えられる。すなわち、電気的特性の異なる二つの領域があるとき、その広がり方は、電極エッジによる微小な電界分布の違いとは関係なく、電気的特性の均等な領域が中心部から見て相対的に外側に広がる方向に働き、楕円形状に広がると考えられる。
さらに、その結果をもとに考察すると、葉形状が広がる場合において、We/Peの比が大きく広がった場合は、その広がりやすさはWにほぼ比例する傾向にあり、Peが細くなった場合は、Weの値は比We/Peが100未満、さらには50未満であることが有効なことがわかった。
一方、We/Peが3以下の場合は、状況は上記とは異なる。We/Peが3以下の場合は、各電極410の面積が相対的に小さい。すなわち、各電極410の電極下の反転を終了する時間が異なる。そのため、ある電極下ではすべて分極反転が終了している状況において、隣接する電極410の電極下では、反転が全く進行していない状況が発生する。そのような場合、先に反転した領域はその面積がさらに大きくなり、隣接する電極下の分極反転領域430との癒着が発生してしまう。結果として、We/Peが3以下の場合は、隣接する電極410の電極下での分極反転領域430の癒着したものと、分極未反転領域440とが混在することになる。この状況下でさらに未反転領域430を低減させるためにさらに電圧印加を続けると、未反転領域440はなくなるが、分極反転領域430が癒着した領域が増加すると考えられる。その結果、波長変換効率の低下を招くため望ましくない。以上のことから、We/Peは3以上、さらには4以上のほうが望ましい。
なお、第一の電極410の隣接する電極におけるギャップgの位置とグレーティングベクトルkとの位置関係は任意であり、たとえば、図6(a)から(j)に示すように、グレーティングベクトルkfに対して、gの位置の分散の仕方は直線でもよく、ランダムでもよく、直線の場合も、グレーティングベクトルkeに対して平行である必要は無い。さらに、個々の電極の幅Weは前記範囲を満たすものであれば異なる大きさでもよいが、反転の均質性を高めるためには同じほうが望ましい。前記同じ電極幅Weを有する電極構造の例としては、図6(h)および図6(i)に示すように、周期電極領域の外形が分極反転領域の外形が5角形以上の多角形で囲まれている領域内に配置されている構造、具体的には、例えば、前記分極反転領域の外形が山形状になっている構造や、前記外形が鋸刃状になっている構造などにすることにより、ギャップgの位置がグレーティングベクトルkeに対して平行でなく、且つ電極幅Wfが同じである構造を実現することができる。さらに隣接するギャップgの大きさは、1μm以上10μm以下であることが望ましく、さらには2μm以上8μm以下であることが望ましい。
次に本発明にかかる第二の製造方法を説明するための模式図を図7(a)に示す。
強誘電体基板の一方の面に周期Pfを有する第一の周期電極411を設け、前記周期電極のグレーティングベクトルをkf、kfと垂直な方向をjfとしたとき、強誘電体基板のもう一方の面にj方向の幅Wfを有する複数の電極形状に分割した第二の電極構造421を設ける。ここで、幅Wfは、幅Wfと周期Pfの比Wf/Pfが3以上100未満、さらにはWf/Pfが4以上50未満を満たす任意の幅である。次に、両電極間に電界を印加することにより癒着のない分極反転構431造を得ることかができる。得られた分極構造を素子に切り出すことにより前記図1または図2に示した分極反転構造を有する波長変換素子を得る。
なお、第一の電極411と第二の電極421との相対的な位置関係は、図7(b)から図7(e)に示すように、グレーティングベクトルkfに対して、角度を有していてもよいし、素子全体にわたり任意の多角形を構成するように埋め尽くされている形状でもよい。Wfの幅は個々の前記範囲を満たすものであれば異なる大きさでもよいが、均質性を高めるためには同じほうが望ましい。前記同じ電極幅Wfを有する電極構造の具体的な例としては、図7(f)および図6(g)に示すように、第二の電極421の外形が5角形以上の多角形で囲まれている領域内に配置されている構造、例えば、前記第二の電極421の外形が山形状になっている構造や、前記外形が鋸刃状になっている構造などにすることにより、ギャップgの位置がグレーティングベクトルkfに対して平行でなく、且つ電極幅Wfが同じである構造を実現することができる。さらに隣接する第二の電極間のギャップgの大きさは、1μm以上10μm以下であることが望ましく、さらには2μm以上8μm以下であることが望ましい。
上記強誘電体基板は、公知のものであってよく、例えば、LiNbO、LiTaO、KNbO、XTiOX(X=K、Rb、Tl、Cs、X=P、As)などの代表的なものや、これらにMgなど、種々の他の元素をドープしたものが挙げられる。LiNbOやLiTaOは、コングルーエント組成であってもストイキオメトリック組成であってもよい。
LiNbO、LiTaOなどの強誘電体結晶は、第2高調波発生、光パラメトリック発振・増幅、差周波発生、和周波発生などの波長変換を行う素子の材料として好ましく用いられている。また、MgOドープLiNbOは、特に耐光損傷性に優れた材料であり、本発明の効果が最も顕著に現れる材料である。
分極反転加工を施すべき結晶基板は、Z板が代表的であるが、特定の結晶軸が基板面の法線と特定の角度(オフ角度)をなすようにカットされたオフカット板であってもよい。
Z板は、結晶のZ軸の方向が基板面に垂直となるようにカット(所謂、Zカット)された結晶基板である。結晶基板は、分極方向を同一に揃えて、全体を単一ドメイン化(単分極化処理)したものが好ましい。
結晶基板の寸法は限定されないが、板状の直方体である場合の寸法例を挙げると、光路方向の長さが5mm〜70mm程度、光路方向に垂直な断面の寸法が(5mm×70mm)〜(3mm×5mm)程度である。これら寸法にて形成した分極反転結晶を、そのまま、または任意に分断・加工して用いればよい。
Z板で代表されるように、結晶基板の主面に結晶軸のY軸を含むようにカットされた結晶基板を用いる場合、反転予定領域内に存在する複数の小領域を、Y軸方向に直線状に並べて配置することは、好ましい態様の1つである。これは、LiNbOやLiTaOなどの強誘電体結晶(これらにMgOなどの不純物をドープしたものを含む)がY軸方向に反転領域が成長し易いので、Z板などの結晶基板面に小領域をY軸方向に直線状に並べて配置することによって、帯状の反転予定領域が形成し易くなるからである。
分極反転構造を用いた擬似位相整合法による波長変換では、最大変換効率(m=1の場合)は、分極反転比率Dに依存し、最も理想的な値はD=1/2、即ち、分極反転領域の帯幅(ドメイン幅)が分極反転周期の半分の時、波長変換素子として最も変換効率が高い。よって、周期的な分極反転構造を作製する場合、ストライプ状に配列された全ての分極反転領域を、どの領域も同様に均一な精度で分極反転比率50%となるように作製することが好ましい。
一般的な周期的分極反転構造で形成される反転領域の帯幅(周期方向の反転長さ)は、取り扱う光の波長によって大きく異なるが、赤外線〜紫外線を取り扱う場合において、通常、1μm〜20μm程度である。特に前記帯幅が6.5μm以下(周期13.0μm以下に相当)、さらにはLiNbOを用いた場合には青色から赤色光発生用の帯幅2.0μmから6.5μm(周期4.0μmから13.0μmに相当)、さらには青色から緑色光発生用の帯幅2.0μmから4.0μm(周期4.0μmから8.0μmに相当)に対しては本発明の効果が顕著に現れる。さらにこの周期は単一周期に限られたものではない。たとえば、周期を光の伝播方向に対して変化させたり、周期に変調を加えたりした単一周期からならない周期分極反転構造を有する波長変換素子に対しても、本発明の効果が顕著に現れる。
分極反転を行なう際の第一電極、第二電極(裏面の電極)の材料、温度など、基本的な分極反転技術については従来公知の技術を参照してよい。電極の好ましい態様として液体電極が挙げられる。液体電極の材料としては、公知の液体電極法で用いられている液状電解質や、ガリウム、インジウム、水銀などの液体金属などを用いてよい。前記液状電解質を構成する溶媒としては、水、ポリオール、またはこれらの混合物などが挙げられる。また、電解質材料としては、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウムなどが挙げられる。
液体電極法を適用する際に、液体電極をそれぞれ金属電極の上面や結晶基板の裏面に接触させるために必要な容器、液体電極に接続される配線構造、電源装置(制御回路等を含む)も、公知技術を参照してよい。
分極反転を行う際に印加すべき電圧も、公知の分極反転技術を参照してよく、例えば、一定時間直流電圧を印加する方法や、パルス電圧を印加する方法などがある。印加電位は相対的に+Z面に正、−Z面に負となる方向に電圧を印加する。なかでも、本発明の製造方法に従って作用効果が最も顕著となるのは、パルス電圧である。パルス電圧を印加することにより、領域全体が同時に反転し易くなり、反転構造の均一性が向上する。
実施例1
作製すべき分極反転構造の設計仕様は、結晶基板面上の分極反転構造全体としての大きさが、ストライプの帯の長手方向寸法(幅)5mm×光路方向寸法(長さ)30mm、反転予定領域の帯幅2.1μm、それに挟まれた帯状の非反転領域の帯幅は2.1μmであり、分極反転周期は4.2μmである。
結晶基板として、厚さ0.5mm、MgOを1.3mol%添加したZカットLiNbO基板を用いた。基板のサイズは帯状15mm×45mmのものを用いた。
結晶基板の+Z面にフォトレジストで絶縁膜を形成し、該絶縁膜に第一電極の接触領域を露出させる開口を形成し、電極材料が接触し得る態様とした。電極材料は、絶縁膜の上から全面にスパッタにより(下層Cr/上層Au)金属膜を形成し、開口内に露出した基板面に該金属膜を接触させる態様とした。フォトレジストのパターンは周期方向と垂直な方向の幅5mmの範囲に幅195μmのパターン25本を各電極間のギャップ5μmを設けて配置した。LiCl電解液およびアルミ金属電極ブロックを基板の±Z面に各々接触させ、両電極間(+側と−側)に電圧を印加することにより、基板の±Z面間にパルス電圧を加え、分極反転を行った。
得られた分極反転構造を観察したところ、一例として図8に示すように、分極反転領域の癒着が5%以下で、構造全域に渡って均一な反転構造が5mmの幅で40mmの長さにわたって形成されていることを確認した。この基板から波長変換素子として、有効幅5mmを有する波長変換素子を得られた。
実施例2
作製すべき分極反転構造の設計仕様は、結晶基板面上の分極反転構造全体としての大きさが、ストライプの帯の長手方向寸法(幅)5mm×光路方向寸法(長さ)30mm、反転予定領域の帯幅2.1μm、それに挟まれた帯状の非反転領域の帯幅は2.1μmであり、分極反転周期は4.2μmである。
結晶基板として、厚さ0.5mm、MgOを1.3mol%添加したZカットLiNbO基板を用いた。基板のサイズは帯状15mm×45mmのものを用いた。
結晶基板の+Z面にフォトレジストで絶縁膜を形成し、該絶縁膜に第一電極の接触領域を露出させる開口を形成し、電極材料が接触し得る態様とした。電極材料は、絶縁膜の上から全面にスパッタにより(下層Cr/上層Au)金属膜を形成し、開口内に露出した基板面に該金属膜を接触させる態様とした。フォトレジストのパターンは周期方向と垂直な方向の幅5mmの帯状の反転予定領域全面に切れ目なく作製して第一電極を形成した。−Z面には、前記第一電極の周期パターンに対して垂直な方向に対して、幅5μmのガラスを200μmおきに配置するように蒸着し、LiCl電解液およびアルミ金属電極ブロックを接触させ第二電極とした。基板の±Z面に各々接触させ、両電極間(+側と−側)に電圧を印加することにより、基板の±Z面間にパルス電圧を加え、分極反転を行った。
得られた分極反転構造を観察したところ、一例として図9に示すように、分極反転領域の癒着が5%以下で、構造全域に渡って均一な反転構造が5mmの幅で40mmの長さにわたって形成されていることを確認した。この基板から波長変換素子として、有効幅5mmを有する波長変換素子を得られた。
比較例1
比較例1として、フォトレジストのパターンをパターンの周期方向と垂直な方向に幅5mmの帯状の反転予定領域全面に切れ目なく作製して第一電極を形成したこと以外は、上記実施例1と同様に分極反転構造を形成した。得られた構造は一例として図10に示すような、周期の中心部に癒着の多い分極反転構造となった。
比較例2
比較例2として、フォトレジストのパターンをパターンの周期方向と垂直な方向に幅5mmの帯状の反転予定領域を幅1μmのギャップを1μmにして細分化したドット状に作製して第一電極を形成したこと以外は、上記実施例1と同様に分極反転構造を形成した。得られた構造は一例として図11に示すような、周期の中心部に癒着の多い分極反転構造となった。
実施例1、および2、比較例1、および2で、それぞれ得られた分極反転結晶に対して、隣接する分極反転領域の癒着および未反転等により周期構造が失われている割合を比較した。その結果、周期構造が失われている割合は、比較例1、および比較例2の結晶では25%以上であったのに対し、実施例1および実施例2では5%未満に抑制されていた。
実施例1および実施例2で得られた有効幅5mmを有する波長変換素子を用いて、青色レーザー装置を作成し、波長変換効率で比較したところ、実施例1および実施例2の波長変換素子を用いたレーザー装置の効率は、比較例1および2の波長変換素子を用いたレーザー装置に比べて200%以上であった。
前記実施例で示した青色レーザー装置の性能を鑑みると、例えば、図17に示すような構造を有するファイバーレーザー540を並列に並べた構造と波長変換素子510(第二高調波発生用、和周波発生用、差周波発生用、または光パラメトリック発生用)とを組み合わせたレーザー装置により、装置全体として高出力を得られるレーザー装置を構成することは容易である。
本発明によって、周期分極反転構造を有する波長変換素子において、その有効幅の広い素子を実現する構造を実現でき、高出力レーザー装置を実現することが可能となった。
本発明による周期P、周期のグレーティングベクトルkと垂直な方向をjとしたときのj方向の有効幅Wを有する周期分極反転結晶構造により構成された波長変換素子を説明するための模式図である。 本発明による周期P、周期のグレーティングベクトルkと垂直な方向をjとしたときのj方向の有効幅Wを有する周期分極反転結晶構造により構成された波長変換素子の構造の一例を示した模式図である。 本発明による周期Pe、周期のグレーティングベクトルkeと垂直な方向をjeとしたときのje方向の有効幅Wを有する周期分極反転結晶構造を作製するための基板および電極形状を示した模式図である。 従来の分極反転結晶の製造方法の問題点を示す模式図である。 隣接する分極反転構造との癒着の度合いと周期Pと幅Wの比P/Eとの関係を示した模式図である。 本発明による周期Pf、周期のグレーティングベクトルkfと垂直な方向をjfとしたときのjf方向の有効幅Wを有する周期分極反転結晶構造を作製するための基板および電極形状を示した模式図である。 本発明による周期Pf、周期のグレーティングベクトルkfと垂直な方向をjfとしたときのjf方向の有効幅Wを有する周期分極反転結晶構造を作製するためのその他の基板および電極形状の例を示した模式図である。 実施例1において作製した波長変換素子の分極反転構造の一例である。 実施例2において作製した波長変換素子の分極反転構造の一例である。 比較例1において作製した波長変換素子の分極反転構造の一例である。 比較例2において作製した波長変換素子の分極反転構造の一例である。 一般的な分極反転構造を有する波長変換素子の構造の例を示す模式図である。 小型高効率で高出力を可能にするレーザー装置の構造を示す模式図である。 従来の分極反転結晶の製造方法を示す模式図である。 従来の分極反転結晶の製造方法の問題点を示す模式図である。 従来の分極反転結晶の製造方法の問題点を示す模式図である。 ファイバーアレイと波長変換素子とを組み合わせたレーザー装置の一例を示した模式図である。
符号の説明
E10 非反転領域
E20 反転領域
R10 入力光
R11 入力光
R20 出力光
R21 出力光
W 有効な分極反転領域の幅
S10 電源装置
T 波長変換素子の厚さ
110 結晶基板
120 導波路
121 帯状領域
122 帯状電極
131 実際に反転した領域
132 実際に反転した領域
133 実際に反転した領域
220 レジストパターン
230 電極層
240 液状電極
310 液状電極
410 第一の電極
411 第一の電極
420 第二の電極
421 第二の電極
430 分極反転領域
431 分極反転領域
432 分極反転領域
440 分極未反転領域
442 分極未反転領域
500 アレイ状レーザー光源
510 波長変換素子
520 ミラー
530 光学フィルタ
540 ファイバレーザー
550 マイクロレンズ
P 分極反転構造の周期
k 周期のグレーティングベクトル
j 周期のグレーティングベクトルと垂直な方向
Wx W方向に分割した分極反転領域の一つの幅
g 隣接する分極反転領域とのギャップ
Pe 電極の周期
ke 電極周期のグレーティングベクトル
je 電極周期のグレーティングベクトルと垂直な方向
We W方向に分割した電極領域の一つの幅
Pf 電極の周期
kf 電極周期のグレーティングベクトル
jf 電極周期のグレーティングベクトルと垂直な方向
Wf 第二の電極のjf方向の電極幅

Claims (14)

  1. 周期分極反転構造を有する波長変換素子であって、周期をPとし、周期のグレーティングベクトルkと垂直な方向をjとしたときのj方向の波長変換素子として有効な分極反転領域の幅Wとするとき、j方向に対して以下の条件(A)を満たす幅Wxを有する複数の分極反転領域により有効な分極反転領域の幅Wを構成することを特徴とする周期分極反転構造を有する波長変換素子。
    (A)幅Wxと周期Pの比Wx/Pの値が3以上100未満を満たす任意の幅Wx。
  2. 前記請求項1に示す波長変換素子であって、前記j方向に対して、以下の条件(B)を満たす幅Wxを有する複数の分極反転領域により有効な分極反転領域の幅Wを構成することを特徴とする周期分極反転構造を有する波長変換素子。
    (B)幅Wxと周期Pの比Wx/Pの値が4以上50未満を満たす任意の幅Wx。
  3. 前記請求項1および2で示される周期分極反転構造を有する波長変換素子であって、j方向に対して隣接する分極反転領域との距離をgとするとき、gが10μm以下であることを特徴とする前記請求項1および2に示す波長変換素子。
  4. 前記幅Wが500μm以上であることを特徴とする請求項1から3に示す波長変換素子。
  5. 前記請求項1から4に示す波長変換素子において、光の伝播方向をRとしたとき、周期のグレーティングベクトルkと垂直な方向をjとした特のj方向の隣接する分極領域とのギャップの位置をgとしたとき、gの位置が光の伝播方向Rに対して平行でないように配置されていることを特徴とする請求項1および4に示す波長変換素子。
  6. 前記請求項1から5に示す波長変換素子において、光の伝播方向をRとしたとき、周期のグレーティングベクトルkと垂直な方向をjとした特のj方向の隣接する分極領域とのギャップの位置をgの位置が、素子全体にわたり任意の多角形を構成するように埋め尽くされていることを特徴とする請求項1および4に示す波長変換素子。
  7. 前記請求項1から6に示す波長変換素子において、光の伝播方向をRとしたとき、周期のグレーティングベクトルkと垂直な方向をjとした特のj方向の隣接する分極領域とのギャップの位置をgとしたとき、gの位置が光の伝播方向Rに対して平行でないように配置されており、分極反転領域の外形が5角形以上の多角形で囲まれている領域内に配置されていることを特徴とする請求項1および6に示す波長変換素子。
  8. 前記請求項1から6に示す周期分極反転構造を有する波長変換素子であって、周期をPが4.0μm以上13.0μm以下であることを特徴とする請求項1から7に示す波長変換素子。
  9. 前記波長変換素子の材料がMgOをドープしたLiNbOであることを特徴とする請求項1から8に示す波長変換素子。
  10. 前記請求項1から9に示す周期分極反転構造を有する波長変換素子を用いたレーザー装置。
  11. 強誘電体基板の一方を全面電極、もう一方の面に下記(C)の条件を満たす周期Peを有する周期電極を設け、両電極間に電界を印加することにより前記請求項1から9を満たす分極反転構造を作製する波長変換素子の製造方法。
    (C)周期電極のグレーティングベクトルをke、keと垂直な方向をjeとし、個々の電極のje方向の幅Weとしたときに、幅Weと周期Peの比We/Peが3以上100未満を満たす任意の幅Weを有する電極形状であること。
  12. 前記請求項11のうち、強誘電体基板の一方を全面電極、もう一方の面に下記(D)の条件を満たす周期Peを有する周期電極を設け、両電極間に電界を印加することにより前記請求項1から9を満たす分極反転構造を作製する波長変換素子の製造方法。
    (D)周期電極のグレーティングベクトルをke、keと垂直な方向をjeとし、個々の電極のje方向の幅Weとしたときに、幅Weと周期Peの比We/Peが4以上50未満を満たす任意の幅Weを有する電極形状であること。
  13. 強誘電体基板の一方の面に周期Pfを有する周期電極を設け、前記周期電極のグレーティングベクトルをkf、kfと垂直な方向をjfとしたとき、強誘電体基板のもう一方の面にj方向の幅Wfが下記(E)の条件を満たす複数の電極形状に分割した電極構造を設け、両電極間に電界を印加することにより前記請求項1から9を満たす分極反転構造を作製する波長変換素子の製造方法。
    (E)幅Wfと周期Pfの比Wf/Pfが3以上100未満を満たす任意の幅Wf。
  14. 前記請求項13のうち、強誘電体基板の一方の面に周期Pfを有する周期電極を設け、前記周期電極のグレーティングベクトルをkf、kfと垂直な方向をjfとしたとき、強誘電体基板のもう一方の面にj方向の幅Wfが下記(F)の条件を満たす複数の電極形状に分割した電極構造を設け、両電極間に電界を印加することにより前記請求項1から9を満たす分極反転構造を作製する波長変換素子の製造方法。
    (F)幅Wfと周期Pfの比Wf/Pfが4以上50未満を満たす任意の幅Wf。
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JP2011043604A (ja) * 2009-08-20 2011-03-03 Oki Electric Industry Co Ltd 周期的分極反転構造の形成方法
JP2015219335A (ja) * 2014-05-16 2015-12-07 株式会社島津製作所 周期分極反転用電極、周期分極反転構造の形成方法及び周期分極反転素子
JP2016024423A (ja) * 2014-07-24 2016-02-08 日本碍子株式会社 波長変換素子の製造方法および波長変換素子
CN111226167A (zh) * 2017-10-10 2020-06-02 日本碍子株式会社 周期极化反转结构的制造方法

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