JP2013160970A - 周期分極反転用電極、周期分極反転構造の形成方法及び周期分極反転素子 - Google Patents

周期分極反転用電極、周期分極反転構造の形成方法及び周期分極反転素子 Download PDF

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勝彦 徳田
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  • Optical Modulation, Optical Deflection, Nonlinear Optics, Optical Demodulation, Optical Logic Elements (AREA)

Abstract

【課題】給電部直下での分極反転を防止すると共に、周期分極反転用電極のパターン形状が正確に反映された、分極反転部分の形状が均一な分極反転構造を基板の厚みに依らずに実現できる周期分極反転用電極、周期分極反転構造の形成方法及び周期分極反転素子を提供する。
【解決手段】強誘電体結晶基板の分極方向と垂直な+Z面上に配置された周期分極反転用電極であって、+Z面上の一部に配置された絶縁層と、強誘電体結晶基板と接触せずに絶縁層上に配置され、行方向に延伸する給電部と、絶縁層の配置された領域の残余の領域である分極反転領域において強誘電体結晶基板に接しつつ行方向に垂直な列方向に+Z面上をストライプ状で互いに離間して平行に延伸し、且つ、少なくとも一方の端部がそれぞれ給電部に接続する複数の反転用電極片とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、強誘電体結晶基板を用いた周期分極反転用電極、周期分極反転構造の形成方法及び周期分極反転素子に関する。
所望の波長のレーザ光を得るためなどに使用される波長変換素子として、強誘電体結晶基板を用いた周期分極反転素子が用いられている。周期分極反転素子では、強誘電体結晶基板内部で分極方向が周期的に反転する周期分極反転構造が形成されている。例えば、周期分極反転素子は、入射するレーザ光と擬似位相整合することによって、2次高調波である波長のレーザ光を出力することができる。このため、周期分極反転素子は、擬似位相整合(QPM)型の波長変換素子として使用される。
周期分極反転構造の形成には、強誘電体結晶基板の表面に一定の間隔で配置した周期分極反転用電極に電圧を印加する電圧印加方法などが用いられる。
例えば、強誘電体結晶基板の表面に配置した梯子形状の周期分極反転用電極と、強誘電体結晶基板の裏面に一様に配置した平面電極との間に所定の電圧を印加する。このとき強誘電体結晶基板に生じる電界を強誘電体結晶の分極反転に必要な抗電界よりも大きくすると、周期分極反転用電極の平行ストライプ部分(横木部分)である電極片の直下に分極反転が生じ、強誘電体結晶基板内部に周期分極反転構造が形成される。
しかし、上記方法では、平行ストライプ部分の全体を均一な電位に保つための給電部の直下においても強誘電体結晶基板が不必要に分極反転する。更に、周期分極反転用電極直下の領域をはみ出して分極反転が生じる場合がある。したがって、分極反転部分を周期分極反転用電極パターンの形状を正確に反映した形状に形成することが困難である。つまり、分極反転が不要な給電部直下が分極反転してしまうばかりか、給電部と平行ストライプ部分との接続部付近に電界が集中することにより、分極反転部分の形状が不均一になる。
この問題を解決するために、強誘電体結晶基板上に配置した絶縁膜に細線状の開口パターンを形成し、この絶縁膜上に周期分極反転用電極を配置する方法が提案されている(例えば特許文献1参照。)。この方法によれば、給電部を必要としない。
特開2011−43604号公報
上記提案された方法では、周期的な開口パターンが形成された絶縁膜上の全面を覆った金属薄膜や電解質溶液を周期分極反転用電極として用いているが、絶縁膜を介して強誘電体結晶基板に電界がかかってしまう。このため、強誘電体結晶基板が厚いために分極反転に高電界が必要な場合に、絶縁膜を厚く形成する必要がある。しかし、絶縁膜を厚くすると微細化が難しくなり、短周期の開口パターンを形成することが困難になる。
上記問題点に鑑み、本発明は、給電部直下での分極反転を防止すると共に、周期分極反転用電極のパターン形状が正確に反映された、分極反転部分の形状が均一な分極反転構造を基板の厚みに依らずに実現できる周期分極反転用電極、周期分極反転構造の形成方法及び周期分極反転素子を提供することを目的とする。
本発明の一態様によれば、強誘電体結晶基板の分極方向と垂直な+Z面上に配置された周期分極反転用電極であって、(イ)+Z面上の一部に配置された絶縁層と、(ロ)強誘電体結晶基板と接触せずに絶縁層上に配置され、行方向に延伸する給電部と、(ハ)絶縁層の配置された領域の残余の領域である分極反転領域において強誘電体結晶基板に接しつつ行方向に垂直な列方向に+Z面上をストライプ状で互いに離間して平行に延伸し、且つ、少なくとも一方の端部がそれぞれ給電部に接続する複数の反転用電極片とを備える周期分極反転用電極が提供される。
本発明の他の態様によれば、(イ)強誘電体結晶基板の分極方向と垂直な+Z面上の一部に絶縁層を形成するステップと、(ロ)給電部が強誘電体結晶基板と接触せずに絶縁層上に配置されて行方向に延伸し、複数の反転用電極片が絶縁層の配置された領域の残余の領域である分極反転領域において強誘電体結晶基板に接しつつ行方向に垂直な列方向に+Z面上をストライプ状で互いに離間して平行に延伸し、且つ、複数の反転用電極片の少なくとも一方の端部がそれぞれ給電部に接続するように、給電部及び複数の反転用電極片を有する周期分極反転用電極を形成するステップと、(ハ)+Z面と対向する強誘電体結晶基板の−Z面上の、少なくとも分極反転領域と対向する領域の全域を覆うように平面電極を形成するステップと、(ハ)周期分極反転用電極と平面電極間に電圧を印加して、反転用電極片直下の強誘電体結晶基板に分極反転構造を生じさせるステップとを含む周期分極反転構造の形成方法が提供される。
本発明の更に他の態様によれば、(イ)強誘電体結晶基板の分極方向と垂直な+Z面上の一部に絶縁層を形成するステップと、(ロ)給電部が強誘電体結晶基板と接触せずに絶縁層上に配置されて行方向に延伸し、複数の反転用電極片が絶縁層の配置された領域の残余の領域である分極反転領域において強誘電体結晶基板に接しつつ行方向に垂直な列方向に+Z面上をストライプ状で互いに離間して平行に延伸し、且つ、複数の反転用電極片の少なくとも一方の端部がそれぞれ給電部に接続するように、給電部及び複数の反転用電極片を有する周期分極反転用電極を形成するステップと、(ハ)+Z面と対向する強誘電体結晶基板の−Z面上の、少なくとも分極反転領域と対向する領域の全域を覆うように平面電極を形成するステップと、(ハ)周期分極反転用電極と平面電極間に電圧を印加して、反転用電極片直下の強誘電体結晶基板に分極反転構造を生じさせるステップとを含む周期分極反転構造の形成方法を用いて形成された周期分極反転構造を備える周期分極反転素子が提供される。
本発明によれば、給電部直下での分極反転を防止すると共に、周期分極反転用電極のパターン形状が正確に反映された、分極反転部分の形状が均一な分極反転構造を基板の厚みに依らずに実現できる周期分極反転用電極、周期分極反転構造の形成方法及び周期分極反転素子を提供できる。
本発明の実施形態に係る周期分極反転用電極の構成を示す模式的な平面図である。 図1のII−II方向に沿った模式的な断面図である。 本発明の実施形態に係る絶縁層と平面電極の配置例を示す模式的な平面図である。 本発明の実施形態に係る周期分極反転用電極を用いた分極反転構造の形成方法を説明するための工程断面図である(その1)。 本発明の実施形態に係る周期分極反転用電極を用いた分極反転構造の形成方法を説明するための工程断面図である(その2)。 本発明の実施形態に係る周期分極反転用電極を用いた分極反転構造の形成方法を説明するための工程断面図である(その3)。 本発明の実施形態に係る周期分極反転用電極を用いた分極反転構造の形成方法を説明するための工程断面図である(その4)。 本発明の実施形態に係る周期分極反転用電極を用いた分極反転構造の状態を示す、+Z面方向から見た写真である。 比較例の周期分極反転用電極の構成を示す模式図であり、図9(a)は平面図、図9(b)は図9(a)のIX−IX方向に沿った断面図である。 本発明の実施形態の変形例に係る周期分極反転用電極の構成を示す模式的な平面図である。
図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。又、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることはもちろんである。
又、以下に示す実施形態は、この発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、この発明の実施形態は、構成部品の材質、形状、構造、配置などを下記のものに特定するものでない。この発明の実施形態は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
本発明の実施形態に係る周期分極反転用電極10は、図1及び図2に示すように、強誘電体結晶基板20の分極方向と垂直な+Z面201上の一部に配置された絶縁層21と、絶縁層21上に配置された給電部11と、+Z面201の絶縁層21が配置された領域の残余の領域である分極反転領域200に配置された複数の反転用電極片12とを備える。
図1に示した例では、絶縁層21は+Z面201の外縁領域に枠状で配置され、分極反転領域200は、絶縁層21に周囲を囲まれて+Z面201に定義された領域である。図1で、反転用電極片12の下方に配置された部分の絶縁層21の外縁を破線で示している。
給電部11は、強誘電体結晶基板20と直接には接触しないように配置され、行方向に延伸する。一方、反転用電極片12は、分極反転領域200において強誘電体結晶基板20に接しつつ、行方向に垂直な列方向に+Z面201上をストライプ状で互いに離間して平行に延伸する。なお、詳細は後述するが、給電部11の延伸する行方向を強誘電体結晶基板20のX軸方向とし、反転用電極片12の延伸する列方向を強誘電体結晶基板20のY軸方向とすることが好ましい。
複数の反転用電極片12それぞれの両端部は、+Z面201の互いに対向する外縁の両側に沿って配置された給電部11にそれぞれ接続する。つまり、図1に示した周期分極反転用電極10は梯子形状であり、反転用電極片12は梯子形状の横木に相当する。反転用電極片12は、強誘電体結晶基板20の+Z面201上に同一の幅で一定の周期で配列される。給電部11によって、反転用電極片12の全体は均一な電位に保たれる。
また、図2に示すように、+Z面201に対向する強誘電体結晶基板20の−Z面202上に平面電極30が配置されている。したがって、強誘電体結晶基板20は、周期分極反転用電極10と平面電極30とで挟まれている。平面電極30は、少なくとも分極反転領域200と対向する領域の全域を覆うように、−Z面202上に配置されている。例えば図3に示すように、平面電極30の外縁S3は分極反転領域200の外縁S2よりも外側に位置する。図3において周期分極反転用電極10を表示しておらず、絶縁層21及び強誘電体結晶基板20を透過して平面電極30の外縁S3を破線で示している。
後述するように、強誘電体結晶基板20の反転用電極片12直下の部分が分極反転する。
例えば、周期分極反転素子をQPM型の波長変換素子として使用する場合は、強誘電体結晶基板20の屈折率や波長変換素子に入射されるレーザ光の波長及び出力されるレーザ光の波長などに応じて周期tを決定し、分極反転させる部分(以下において「分極反転部分」という。)と分極反転させない部分(以下において「非分極反転部」という。)の幅が等しくなるように反転用電極片の幅w、及び隣接する反転用電極片12間の間隔dを設定すればよい。
強誘電体結晶基板20は、例えばタンタル酸リチウム(LT)単結晶やニオブ酸リチウム(LN)単結晶などからなる。強誘電体結晶基板20の厚みは、例えば0.4〜1mm程度である。
強誘電体結晶基板20に採用するタンタル酸リチウム単結晶やニオブ酸リチウム単結晶は、コングルエント組成(一致溶融組成)又はストイキオメトリ組成(化学量論的組成)のものが用いられる。例えば、タンタル酸リチウムの場合、ストイキオメトリ組成にすることによって、抗電界が10分の1程度になる。つまり、印加電圧を10分の1にすることができる。
また、タンタル酸リチウム単結晶やニオブ酸リチウム単結晶からなる強誘電体結晶基板20に、マグネシウム(Mg)や亜鉛(Zn)、スカンジウム(Sc)、インジウム(In)などが添加されていてもよい。これにより、耐光損傷性を高めることができる。また、ニオブ酸リチウムの場合、Mgを5モル%程度添加することにより、抗電界が4分の1程度に減少する。これにより、印加電圧を4分の1程度にすることができる。
絶縁層21は、例えば酸化シリコン(SiOx)膜、窒化シリコン(Si34)膜、フォトレジスト膜などの絶縁膜が使用される。
周期分極反転用電極10には、例えばタンタル(Ta)膜やアルミニウム(Al)膜などが採用可能である。他にも、金(Au)膜、銀(Ag)膜、クロム(Cr)膜、銅(Cu)膜、ニッケル(Ni)膜、ニッケルクロム合金(Ni-Cr)膜、パラジウム(Pd)膜、モリブデン(Mo)膜、タングステン(W)膜なども使用可能である。周期分極反転用電極10は、例えば、強誘電体結晶基板20の+Z面201上に形成されたTa膜をフォトリソグラフィ技術などを用いてパターニングすることにより形成される。
平面電極30には、例えばTa膜やAl膜などが採用可能である。平面電極30は、強誘電体結晶基板20の−Z面202上にベタ電極として形成される。
以下に、図4〜図7を参照して周期分極反転用電極10を用いた分極反転構造の形成について説明する。図4〜図7は、図1のII−II方向に沿った断面図である。
先ず、強誘電体結晶基板20の+Z面201上の全面に、膜厚250μm程度の酸化シリコン膜からなる絶縁膜210を形成する。そして、絶縁膜210上にフォトレジスト膜を形成した後、フォトリソグラフィ技術を用いてフォトレジスト膜をパターニングする。具体的には、図4に示すように、給電部11を配置する領域上にフォトレジスト膜41を残す。フォトレジスト膜41をマスクにして絶縁膜210をエッチングすることにより開口部211を形成し、図5に示すように絶縁層21を形成する。これにより、開口部211において強誘電体結晶基板20の分極反転領域200が露出する。開口部211の大きさは、例えば、給電部11の延伸する行方向が12mm、反転用電極片12の延伸する列方向が1mmである。上記の工程により、分極反転領域200を内側に囲むように絶縁層21が枠状に形成される。
次いで、開口部211を埋め込むようにして金属膜100を絶縁層21上に形成する。金属膜100の膜厚は例えば100nm程度である。そして、金属膜100上にフォトレジスト膜を形成した後、フォトリソグラフィ技術を用いてフォトレジスト膜をパターニングする。具体的には、図6に示すように、給電部11及び反転用電極片12を形成する領域上にフォトレジスト膜42を残す。フォトレジスト膜42をマスクにして金属膜100をエッチングすることにより、給電部11及び反転用電極片12が形成される。これにより、図1に示した周期分極反転用電極10が得られる。
図7に示すように、強誘電体結晶基板20の−Z面202上にベタ電極として平面電極30を形成する。既に述べたように、少なくとも分極反転領域200と対向する領域の全域を覆うように、−Z面202上に平面電極30が配置される。
その後、強誘電体結晶基板20の+Z面201上に配置された給電部11と−Z面202上に配置された平面電極30との間に、電圧Vを印加する。電圧Vの大きさは、強誘電体結晶基板20を分極反転させるのに必要な抗電界に応じて設定される。つまり、強誘電体結晶基板20の材料の抗電界よりも高い電界が強誘電体結晶基板20に生じるように、電圧Vは設定される。ただし、給電部11直下の領域において強誘電体結晶基板20が分極反転しないように、絶縁層21の膜厚及び電圧Vの大きさを設定する。
上記のように周期分極反転用電極10と平面電極30間に電圧Vを印加すると、周期分極反転用電極10と平面電極30間において、反転用電極片12直下の全域で+Z面201に対して垂直な電界が生じる。その結果、反転用電極片12直下の強誘電体結晶基板20において、+Z面201から−Z面202まで基板厚全体にわたり均一に分極反転する。
反転用電極片12は+Z面201上で周期的に配置されている。したがって、図1に示した周期分極反転用電極10によれば、分極反転領域200において反転用電極片12の直下に均一な形状の分極反転部分が周期的に形成される。つまり、均一な分極反転部分と非分極反転部分とを交互に周期的に備えた周期分極反転構造が強誘電体結晶基板20に形成される。
その結果、均一な分極反転部分と非分極反転部分とが交互に配置された周期分極反転構造を有する周期分極反転素子が得られる。例えば、QPM型波長変換素子、電気光学偏光器、テラヘルツ波発生装置などを実現できる。
上述したように、反転用電極片12が延伸する列方向を強誘電体結晶基板20のY軸方向とし、反転用電極片12が周期的に配列される行方向をX軸方向とすることが好ましい。これは、X軸方向に比べてY軸方向の方が分極反転が広がりやすく、Z面における分極反転部分の長手方向をY軸方向にすることが短周期の分極反転構造の形成に有利なためである(Y. Sheng 他、"Anisotropy of domain broadening in periodically poled lithium niobate crystals"、Appl. Phys. Lett. 88, 041121 (2006)参照。)。
図8に、上記に説明した形成方法を用いて試作した周期分極反転構造の状態を示す。試作した周期分極反転構造は、強誘電体結晶基板20としてMgOをドープした定比組成タンタル酸リチウム結晶(MgSLT)を用いて形成した。強誘電体結晶基板20の厚みは0.4mmであり、試作に用いた強誘電体結晶の抗電界は800V/mm以下であった。周期分極反転用電極10と平面電極30間に800V/mmの電界がかかるように設定された電圧Vを3秒間印加して、周期分極反転構造を形成した。
図8は、強誘電体結晶基板20において分極反転した部分と分極反転していない部分のエッチングレートが異なることを利用して、+Z面201をエッチングして分極反転部分と非分極反転部分を示したものである。図8に示した+Z面201では、エッチングレートの高い分極反転部分が凹部になっている。図8に示すように、反転用電極片12の全体に渡って均一な、周期分極反転用電極10のパターン形状が正確に反映された分極反転構造が形成されている。
比較例として、+Z面201の全面に配置した絶縁層21Aに周期的に開口部を形成し、この開口部において絶縁層21A上に配置した周期分極反転用電極10Aと強誘電体結晶基板20とを接触させた例を、図9(a)、図9(b)に示す。図9(a)では、周期分極反転用電極10Aと強誘電体結晶基板20が接触している部分(以下において、「接触部分」という。)と周期分極反転用電極10Aと強誘電体結晶基板20が接触していない部分(以下において、「非接触部分」という。)との境界を破線で示している。破線で囲まれた絶縁層21Aの開口部が周期分極反転用電極10Aと強誘電体結晶基板20が接触している部分である。図9(b)に示すように、非分極反転部分上に絶縁層21Aを介して周期分極反転用電極10Aが配置されている。
図9(a)、図9(b)に示した比較例では、周期分極反転用電極10Aと平面電極30間に電圧を印加した場合に、絶縁層21Aの膜厚が不十分であると、絶縁層21Aを介して非接触部分の強誘電体結晶基板20に電界が発生してしまう。このため、例えば強誘電体結晶基板20が厚いために分極反転に高電界が必要な場合などにおいては、非接触部分が分極反転しないように絶縁層21Aの膜厚を厚くする必要がある。しかし、絶縁層21Aを厚くすると微細化が難しくなり、絶縁層21Aに短周期の開口パターンを形成することが困難になる。このため、強誘電体結晶基板20に所望の周期で周期分極反転構造を形成することができない。
これに対して、図1に示した周期分極反転構造では、分極反転領域200において接触部分にのみ反転用電極片12が周期的に配置され、非接触部分には周期分極反転用電極10が配置されていない。このため、絶縁層21を配置しなくても、分極反転領域200の非接触部分には電界が発生しない。つまり、強誘電体結晶基板20の分極反転に高電界が必要である場合に、給電部11直下の分極反転領域200を分極反転させないために絶縁層21を厚くしても、短い周期の分極反転部分を形成することができる。
以上に説明したように、図1に示した周期分極反転用電極10では、分極反転が不要な給電部11直下の強誘電体結晶基板20と給電部11との間にのみ絶縁層21が配置され、分極反転部分及び分極反転部分間の非分極反転部分を含む分極反転領域200には絶縁層21が配置されていない。したがって、分極反転領域200上の絶縁膜に開口パターンを形成する必要がなく、強誘電体結晶基板20に発生させる電界に応じて絶縁層21の膜厚を任意に厚くすることができる。その結果、給電部11直下では分極反転が生じない。また、分極反転領域200と絶縁層21との境界における分極反転部分の端部を境界に沿って均一に揃えることができる。上記のように、周期分極反転用電極10を用いて分極反転構造を形成することによって、強誘電体結晶基板20の厚みに依らずに、周期分極反転用電極10のパターン形状が正確に反映された分極反転構造を実現できる。
<変形例>
図1では、周期分極反転用電極10が梯子形状である場合について説明した。しかし、周期分極反転用電極10が他の形状であってもよい。図10に、周期分極反転用電極10が櫛型形状である例を示す。
図10に示した周期分極反転用電極10は、X軸方向に延伸する給電部11、及び給電部11からY軸方向に延伸する複数の短冊状の反転用電極片12を有する櫛形形状である。一方の端部のみが給電部11にそれぞれ接続する複数の反転用電極片12が、一定の間隔でX軸方向に周期的に配置されている。つまり、給電部11が櫛の柄に相当し、反転用電極片12が櫛の歯に相当する。給電部11と強誘電体結晶基板20間には絶縁層21が配置されている。
強誘電体結晶基板20の材料の抗電界よりも高い電界が反転用電極片12直下の領域に発生するように、周期分極反転用電極10と平面電極30間に電圧を印加する。このとき、給電部11直下の強誘電体結晶基板20には抗電界よりも高い電界が生じないように絶縁層21の膜厚を設定する。以上により、給電部11直下の領域で分極反転させることなく、反転用電極片12直下の領域で強誘電体結晶基板20が分極反転する。そして、分極反転領域200と絶縁層21との境界における分極反転部分の端部を、境界に沿って均一に揃えることができる。
上記のように、図10に示した周期分極反転用電極10を使用することによっても、強誘電体結晶基板20の厚みに依らずに、周期分極反転用電極10パターンの形状が正確に反映された分極反転構造を実現できる。
なお、給電部11の両側からY軸方向に沿ってそれぞれ延伸する反転用電極片12を有する周期分極反転用電極10を用いて、強誘電体結晶基板20に分極反転構造を形成してもよい。
上記のように、本発明は実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。即ち、本発明はここでは記載していない様々な実施形態等を含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
10…周期分極反転用電極
11…給電部
12…反転用電極片
20…強誘電体結晶基板
21…絶縁層
30…平面電極
100…金属膜
200…分極反転領域
201…+Z面
202…−Z面
210…絶縁膜
211…開口部

Claims (7)

  1. 強誘電体結晶基板の分極方向と垂直な+Z面上に配置された周期分極反転用電極であって、
    前記+Z面上の一部に配置された絶縁層と、
    前記強誘電体結晶基板と接触せずに前記絶縁層上に配置され、行方向に延伸する給電部と、
    前記絶縁層の配置された領域の残余の領域である分極反転領域において前記強誘電体結晶基板に接しつつ前記行方向に垂直な列方向に前記+Z面上をストライプ状で互いに離間して平行に延伸し、且つ、少なくとも一方の端部がそれぞれ前記給電部に接続する複数の反転用電極片と
    を備えることを特徴とする周期分極反転用電極。
  2. 前記複数の反転用電極片それぞれの両端部が、前記+Z面の互いに対向する外縁の両側に沿って配置された前記給電部にそれぞれ接続することを特徴とする請求項1に記載の周期分極反転用電極。
  3. 前記複数の反転用電極片それぞれの一方の端部のみが前記給電部に接続することを特徴とする請求項1に記載の周期分極反転用電極。
  4. 強誘電体結晶基板の分極方向と垂直な+Z面上の一部に絶縁層を形成するステップと、
    給電部が前記強誘電体結晶基板と接触せずに前記絶縁層上に配置されて行方向に延伸し、複数の反転用電極片が前記絶縁層の配置された領域の残余の領域である分極反転領域において前記強誘電体結晶基板に接しつつ前記行方向に垂直な列方向に前記+Z面上をストライプ状で互いに離間して平行に延伸し、且つ、前記複数の反転用電極片の少なくとも一方の端部がそれぞれ前記給電部に接続するように、前記給電部及び前記複数の反転用電極片を有する周期分極反転用電極を形成するステップと、
    前記+Z面と対向する前記強誘電体結晶基板の−Z面上の、少なくとも前記分極反転領域と対向する領域の全域を覆うように平面電極を形成するステップと、
    前記周期分極反転用電極と前記平面電極間に電圧を印加して、前記反転用電極片直下の前記強誘電体結晶基板に分極反転構造を生じさせるステップと
    を含むことを特徴とする周期分極反転構造の形成方法。
  5. 前記複数の反転用電極片それぞれの両端部が、前記+Z面の互いに対向する外縁の両側に沿って配置された前記給電部にそれぞれ接続するように、前記周期分極反転用電極を形成することを特徴とする請求項4に記載の周期分極反転構造の形成方法。
  6. 前記複数の反転用電極片それぞれの一方の端部のみが前記給電部に接続するように前記周期分極反転用電極を形成することを特徴とする請求項4に記載の周期分極反転構造の形成方法。
  7. 請求項4乃至6のいずれか1項に記載の周期分極反転構造の形成方法を用いて形成された周期分極反転構造を備えることを特徴とする周期分極反転素子。
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