JPWO2006101034A1 - 周期分極反転構造の作製方法 - Google Patents

周期分極反転構造の作製方法 Download PDF

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遊部 雅生
雅生 遊部
毅伺 梅木
毅伺 梅木
西田 好毅
好毅 西田
忠永 修
修 忠永
勉 柳川
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克明 曲
宏泰 馬渡
宏泰 馬渡
宮澤 弘
弘 宮澤
湯本 潤司
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    • G02F1/35Non-linear optics
    • G02F1/355Non-linear optics characterised by the materials used
    • G02F1/3558Poled materials, e.g. with periodic poling; Fabrication of domain inverted structures, e.g. for quasi-phase-matching [QPM]

Abstract

変換効率が高く、作製歩留まりを向上させた周期分極反転構造の作製方法を提供する。シングルドメイン化された二次非線形光学結晶(31)に周期分極反転構造を作製する作製方法において、二次非線形光学結晶(31)の−Z面に、分極反転周期に一致するレジストパターン(32)を形成する工程と、レジストパターン(32)が作製された−Z面を負の電圧、+Z面を正の電圧として、二次非線形光学結晶(31)に電界が加わるように電圧を印加する工程とを備え、二次非線形光学結晶(31)は、結晶の欠陥を補填する少なくとも1種の元素を添加物として含有している。

Description

本発明は、周期分極反転構造の作製方法に関し、より詳細には、可視光レーザまたは中赤外光レーザとして実用化が期待されている擬似位相整合型波長変換素子に用いる二次非線形光学結晶に周期分極反転構造を作製する方法に関する。
従来、光の波長を変換する波長変換素子として、半導体光増幅器を応用した素子、四光波混合を利用する素子等が知られている。しかしながら、これら波長変換素子は、システムにおいて求められる、高効率、高速、広帯域、低ノイズ、偏波無依存などの条件を満足させることができなかった。
一方、二次非線形光学効果の一種である擬似位相整合による第二高調波発生、和周波発生、差周波発生を利用した波長変換素子の応用が期待されている。図1に、従来の擬似位相整合型の波長変換素子の構成を示す。波長変換素子は、比較的小さな光強度を有する励起光Aと、比較的大きな光強度を有する励起光Bとを合波する合波器11と、分極反転構造を有する非線形光学結晶からなる導波路12と、和周波光または差周波光Cと励起光Bとを分離する分波器13とから構成されている。励起光Aは、導波路12において、別の波長を有する和周波光または差周波光Cへと変換され、励起光Bと共に出射される。もし、励起光Aおよび励起光Bが同一の波長であった場合、または励起光Aのみが入射された場合には、第二高調波発生によって励起光の2倍の周波数を有する第二高調波が導波路12から出射される。
例えば、励起光Bの波長λ2=1300nmとした場合、波長λ1=980nmの励起光Aは、波長λ3=560nmの黄色の可視光である和周波光Cに変換される。このような波長変換素子を利用した可視光源は、遺伝子識別色素として使われる蛍光タンパクの高効率な励起光源として利用することができる。従って、生体観測用機器の高感度化に著しい効果がある。
例えば、励起光A,Bを波長λ1=λ2=976nmとした場合、または励起光Aのみを波長λ1=976nmを入力した場合には、第二高調波発生によって、波長λ3=488nmの可視光を得ることができる。この波長は、従来用いられているアルゴンレーザの主要な発振波長である、このような波長変換素子を適用した可視レーザ光源は、アルゴンレーザを光源として用いている蛍光顕微鏡、DNAシーケンサ、サイトフローメータなどの分析機器の小型化、低消費電力化に著しい効果を有する。
また、励起光Bの波長λ2=1560nmとした場合、波長λ1=1060nmの励起光Aは、波長λ3=3.3μmの中赤外光である差周波光Cに変換される。このような波長変換素子を利用した中赤外光源は、メタン、エタンなどの炭化水素ガスの基本振動吸収を検出することができる。従って、産業、医療、環境計測用のガスセンシング装置の高感度化に著しい効果がある。
さらにまた、励起光Bの波長λ2=1550nmとした場合、波長λ1=976nmの励起光Aは、波長λ3=2.7μmの中赤外光である差周波光Cに変換される。このような波長変換素子を利用した中赤外光源は、水蒸気、NOガスの強い振動吸収を検出することができる。従って、半導体プロセスに含まれる微量水分検出などの産業応用、呼気中の濃度測定による医療応用などのガスセンシング装置の高感度化に著しい効果がある。
さらにまた、励起光Bの波長λ2=1580nmとした場合、波長λ1=940nmの励起光Aは、波長λ3=2.3μmの中赤外光である差周波光Cに変換される。このような波長変換素子を利用した中赤外光源は、一酸化炭素の強い振動吸収を検出することができる。従って、焼却炉の燃焼制御などの産業応用、呼気中の濃度測定による医療応用などのガスセンシング装置の高感度化に著しい効果がある。
このような擬似位相整合型の波長変換素子を作製するためには、二次非線形光学結晶に、その分極方向が周期的に反転しているような周期分極反転構造を作製する必要がある。周期分極反転構造を作製するための第1の方法として、以下の方法が知られている(例えば、非特許文献1参照)。シングルドメイン化された非線形強誘電体光学材料体である厚さ500ミクロンのMgOドープニオブ酸リチウム(MgO−LiNbO)基板を用いる。この基板の+Z面に、目的とするドメイン反転パターンに応じた所要の幅および間隔で作製された電極パターンを有する第1の電極を配置する。一方、−Z面に第2の電極を対向配置させ、液体電極によって第1の電極に正の電圧を、第2の電極に負の電圧を印加する。電圧の印加を停止した後には、電極パターンに対応するパターンの周期的ドメイン反転パターンを有するドメイン反転構造部が保持されている。
また、周期分極反転構造を作製するための第2の方法として、以下の方法が知られている(例えば、非特許文献2参照)。シングルドメイン化された非線形強誘電体光学材料体である厚さ200μm以下のニオブ酸リチウム(LiNbO、以下、LNと略す)基板を用いる。この基板の−Z面に目的とするドメイン反転パターンに応じた所要の幅および間隔で作製された電極パターンを有する第1の電極を配置する。一方、+Z面に第2の電極を対向配置させ、液体電極によって第1の電極に負の電圧を、第2の電極に正の電圧を印加する。電圧の印加を停止した後には、電極パターンに対応するパターンの周期的ドメイン反転パターンを有するドメイン反転構造部が保持されている。
しかしながら、上述した周期分極反転構造を作製するための第1の方法は、周期的ドメイン反転パターンを形成している+Z面において、−Z面と比較して作製プロセス中に予期しないドメイン反転部が生成しやすい。MgO−LN基板にレジストを塗布する際に、極性溶剤を使用するため、ドメイン間の極性の違いにより、ドメイン境界でレジストパターンの広がりが生ずるという問題があった。生成したドメインの大きさは、レジストパターンの大きさと比較しても無視できず、レジストパターンの乱れは、分極反転パターンの乱れとなる。その結果、波長変換素子として変換効率の低下が生じるという欠点を有していた。
また、上述した周期分極反転構造を作製するための第2の方法は、電圧印加による二次非線形光学結晶の絶縁破壊を防止するため、結晶の厚さを200μm以下に限定する必要があった。その結果、シングルドメイン化された二次非線形光学結晶において電極パターン作製プロセスの昇温または降温過程に発生する強い焦電効果によって、結晶自体が破損する。このため、波長変換素子の作製歩留まりが上がらないという問題があった。
本発明の目的は、変換効率が高く、作製歩留まりを向上させた周期分極反転構造の作製方法を提供することにある。
M. Nakamura et al., "Quasi-Phase-Matched Optical Parametric Oscillator Using Periodically Poled MgO-Doped LiNbO3 Crystal", Jpn. J. Appl. Phys., Vol.38, Part2, No.11A, pp.L1234-L1236 (1999) J. Webjoern et al., "Quasi-phase-matched blue light generation in bulk lithium niobate, electrically poled via periodic liquid electrodes", Electronics Letters, Vol.30, No.11, p.894-895 (1994)
このような目的を達成するために、一実施態様は、シングルドメイン化された二次非線形光学結晶に周期分極反転構造を作製する作製方法において、二次非線形光学結晶の−Z面に、分極反転周期に一致するレジストパターンを形成する工程と、レジストパターンが作製された−Z面を負の電圧、+Z面を正の電圧として、二次非線形光学結晶に電界が加わるように電圧を印加する工程とを備え、二次非線形光学結晶は、結晶の欠陥を補填する少なくとも1種の元素を添加物として含有していることを特徴とする。
二次非線形光学結晶の欠陥を補填する元素は、Mg、Zn、Sc、Inの少なくとも1種とすることができる。二次非線形光学結晶は、LiNbO、LiTaO、LiNbTa1−x(0≦x≦1)の少なくとも1つとすることができる。二次非線形光学結晶の基板厚は、200μm以上8mm以下であることが好ましい。
また、電圧を印加する工程は、二次非線形光学結晶が50℃以上150以下に加温された状態で行われることが好ましい。
図1は、従来の擬似位相整合型の波長変換素子の構成を示す図、 図2は、予期しないドメイン反転部が生成されている二次非線形光学結晶基板を示す図、 図3Aは、ニオブ酸リチウムの破壊電圧と分極反転電圧の関係を示す図、 図3Bは、ニオブ酸リチウムの破壊電圧と分極反転電圧の関係を示す図、 図4Aは、本発明の一実施形態にかかる周期分極反転構造の作製方法を示す図、 図4Bは、本発明の一実施形態にかかる周期分極反転構造の作製方法を示す図、 図5は、実施例1にかかる周期分極反転構造の作製方法を示す図、 図6は、実施例2にかかる周期分極反転構造の作製方法を示す図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳細に説明する。高効率な擬似位相整合波長変換素子を高い歩留まりで実現するためには、周期分極反転パターンの乱れが無く、作製工程で結晶の破損を生じないようにする必要がある。そこで、二次非線形光学結晶の欠陥を補填する少なくとも1種類の元素、すなわちMg、Zn、Sc、Inの少なくとも1種を添加物として含有するシングルドメイン化された二次非線形光学結晶基板を用いる。この基板の−Z面に、分極反転周期に一致するレジストパターンを形成する。レジストパターンが作製された−Z面を負の電圧、+Z面を正の電圧として、二次非線形光学結晶に電界が加わるように電圧を印加する。
代表的な二次非線形光学結晶であるMgO−LN結晶は、一般的にチョクラルスキー法などの結晶引き上げ法を用いて製造されている。引き上げられた結晶(ブール)は、自発分極の向きがランダムであるマルチドメイン状態である。この結晶をシングルドメイン化するためには、キュリー点近くまで結晶を加温した状態で、両方のZ面の間に電界が加わるように電圧を印加する。このように、自発分極の向き一方向にするシングルドメイン化の工程を、いわゆるポーリング作業という。
図2に、予期しないドメイン反転部が生成されている二次非線形光学結晶基板を示す。ここで基板21の分極の向きが、+の領域を+Z面、−の領域を−Z面と称する。図に示したように、+Z面には、−Z面と比較して作製プロセス中に予期しないドメイン反転部22a〜22cが生成しやすい。そのため、極性溶剤にレジストを溶解して塗布する際に、ドメイン間の極性の違いにより、ドメイン境界でレジストパターンの広がり23a〜23cが生ずる。本実施形態の方法によれば、予期しないドメイン反転部の生成が少ない−Z面に、分極反転周期に一致するレジストパターンを形成する。従って、予期しないドメイン反転パターンによる周期分極反転パターンの乱れを防止することができ、変換効率の低下を防止することができる。
図3Aおよび3Bに、ニオブ酸リチウムの破壊電圧と分極反転電圧の関係を示す。図3Aに、ノンドープLN基板の基板厚さと破壊電圧との関係を示す。ノンドープLN基板では、分極反転のための電界が20kV/mm必要であり、そのため基板厚さを200μm以下に限定しなければならない。一方、LN基板にMg、Zn、Sc、Inの少なくとも1種の元素をドープすると、図3Bに示すように、分極反転のための電界を3〜5kV/mmに低減することができ、破壊電圧との関係では基板厚さに対する限定がなくなる。
従って、Mg、Zn、Sc、Inの少なくとも1種の元素を添加物として含有するシングルドメイン化された二次非線形光学結晶を用いることで、厚さ200ミクロン以上で8ミリ以下という厚さの二次非線形光学結晶を用いることができる。従って、フォトリソグラフィーを用いたレジストパターン作製プロセス中の昇温または降温過程において、結晶基板自体が破損する恐れがなくなり、波長変換素子作製の歩留まりが向上する。
この点について詳しく説明する。分極反転構造の作製プロセスには、パターン化されたレジスト膜(絶縁膜)を作製するレジスト工程と、基板上に塗布したレジストを加熱により固めるベーキング工程等を含む。LNは焦電性を有するので、これらの工程により表面電荷が必ず発生する。シングルドメインのLN基板を用いた場合には、発生する表面電荷の極性が一方向であるため、全体としてLN基板の表面と裏面に高い電界がかかる。その結果、基板端面で起こる放電により基板端面が欠け、そこを基点にLN基板自体が割れてしまい、素子作製の歩留まりが大幅に低下する。この現象は、特にLN基板が薄い場合に顕著である。
現状では、これらの欠点をできるだけ防止するために、温度上昇や降下をゆっくりと行うとともに、表面電荷を中和させる工程を付加することで対応を図っている。しかし、その結果時間がかかり、プロセスも複雑になる。しかし、LN基板を厚くすることにより、放電によるLN基板の割れを防止することができるため、歩留まりが大幅に向上する。表面電荷の中和工程を削除したり、または中和工程の時間を短縮することもできる。また、温度上昇・降下をより迅速に行うことができるなどプロセスの大幅な簡便化を図ることができる。
図4Aおよび4Bに、本発明の一実施形態にかかる周期分極反転構造の作製方法を示す。Mg、Zn、Sc、Inの少なくとも1種を添加物として含有するシングルドメイン化された二次非線形光学結晶基板31の−Z面に、分極反転周期に一致するレジストパターン32を形成する。+Z面と−Z面とに液体電極33a,33bを接続する(図4A)。なお、液体電極の代わりに、導電性ゲルを用いても良い。レジストパターン32が作製された−Z面を負の電圧、+Z面を正の電圧として、二次非線形光学結晶に電界が加わるように電圧を印加する。二次非線形光学結晶が有する抗電界以上の電界を両方のZ面の間に印加すると、−Z面の結晶表面に負の電圧がかかり、レジストパターンに一致する分極反転構造を作製することができる(図4B)。
ここで、レジストパターン32は、絶縁膜として用いられている。すなわち、液体電極33bが二次非線形光学結晶31に接している部位には、抗電界以上の電圧が印加されるので、自発分極の向きが反転する。一方、レジストパターン32が形成されている部位は、電気的に絶縁されているので、自発分極が反転することはないのでレジストパターン32に一致する周期分極反転構造を作製することができる。
抗電界とは、強誘電体結晶の自発分極の向きを一方向にそろえるために必要となる電圧のことである。典型的な二次非線形光学結晶であるノンドープLN、タンタル酸リチウム(LiTaO、以下、LTと略す)、またはLiNbTa1−x(0≦x≦1)で表される混合組成結晶(以下、LNTと記す)では、室温において22kV/mmの高電圧を必要とする。しかし、この抗電界の値は、Mg、Zn、Sc、Inなどの元素を結晶中にドーピングすることによって低減することができ、Mg5mol%を添加またはZn5mol%を添加したLNまたはLTにおいては、6kV/mm以下の抗電界が得られている。
本実施形態の二次非線形光学結晶の厚さは、200μm以上8mm以下である。200μmよりも薄いと基板自体のソリが顕著になり、レジストパターン作製のフォトリソグラフィーのプロセスを実行することが難しくなる。また、8mm以上であると、結晶基板の重量が重くなり取り扱いが難しくなる。また、分極反転に要する反転電圧が大きくなり、高電圧を発生するための電源が巨大となるので実用的でない。
また、本実施形態の工程を、二次非線形光学結晶が加温された状態で行うこともできる。加温すると二次非線形光学結晶の抗電界の大きさが小さくなるので、肉厚の結晶基板の分極反転が低い電圧で実行することができる利点がある。また、結晶の電気伝導度も大きくなるので、分極反転の構造の成長が、結晶中の欠陥の存在によって妨害されることが少なくなり、均一な分極反転構造を作製することができる利点もある。加温する温度としては、50℃以上150以下であることが望ましい。これは温度を150℃より高くすると、液体電極の蒸発が顕著になるためである。より好ましくは加温を90℃から100℃の間で行うことである。
以下、実施例を用いて本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限られるものではない。
図5に、実施例1にかかる周期分極反転構造の作製方法を示す。実施例1においては、二次非線形光学結晶として、基板厚さ300μmの3インチ、ZnドープLN基板を用いる。LN基板41は、シングルドメイン化されており、−Z面には、周期分極反転構造に一致するレジストパターン42が作製されている。
レジストパターン42の作製は、通常のフォトリソグラフィーのプロセスを用いて行う。LN基板41の表面を有機洗浄ののち親油性処理を行い、シプレイ社製S1818レジストを基板上に滴下してスピンコートし、スピンコートされたレジスト膜を恒温炉中でベーキングすることによって乾燥、固化させる。ベーキングの途中の加熱あるいはその後の冷却によって基板が破損することはない。これは、LN基板41の基板厚が300ミクロンと厚いため焦電効果による基板割れを防止することができるためである。次に、周期分極反転構造に一致するフォトマスクをレジスト膜にコンタクトさせて紫外線を照射し、露光する。その後、現像することによって周期分極反転構造に一致したレジストパターン42を作製する。
アクリル製の容器43は、Oリング44によってLN基板41を挟み込み、容器内部に液体を注入したときにおいても、液漏れすることがないような構造となっている。容器43内部には、塩化リチウム水溶液45を充填する。水溶液液中に装填された電極棒46には負の電圧を発生する直流電源48が連結されており、もう一方の電極棒47は接地されている。直流電源48より3kVの電圧を300ミリ秒間印加する。このときレジストパターン42の目標反転面積に一致する自発分極電荷の2倍に相当する電流が直流電源から流れ、レジストパターン42に一致した周期分極反転構造を作製することができる。
図4に示したように、LN基板41には、レジストパターンに一致する分極反転構造を作製することができる。このほか、二次非線形光学結晶としてZnドープLT基板、ZnドープLNT基板を用いた場合においても、同様の周期分極反転構造を作製することがでる。実施例1においては、反転周期9.1μmのマスクを用いたが、2μm以上の任意の反転周期で分極反転構造を作製することができる。
作製されたLN基板から周期分極反転構造に直交する向きで短冊状の素子を切り出し、切り出した素子の両端面を研磨する。この素子に、周期分極反転構造に直交する向きに波長1300nmの励起光と波長1060nmの励起光を入射すると、波長589nmの黄色和周波光を発生させることができる。
実施例2においては、実施例1と同様の方法を用いて、基板厚さ5mmである3インチZnドープLN基板に周期分極反転構造を作製する。周期分極構造に一致するレジストパターンの作製は、実施例1と同様に行い、周期4.5ミクロンのレジストパターンを作製する。
図6に、実施例2にかかる周期分極反転構造の作製方法を示す。実施例2においては、実施例1で使用した容器43を、マントルヒータ51に収納することによって、LN基板41を加温した状態で分極反転構造を作製する。容器43は、耐熱性に優れたポリカーボネートを用いて作製する。ここでは、熱伝対52を容器43に装填した状態で90℃まで加温する。加温途中でLN基板41が破損することはない。これは、LN基板41の厚さが5mmと厚いため、焦電効果への耐性が高いためである。
電極棒46が接続されている直流電源48より15kVの電圧を300ミリ秒間印加する。このときレジストパターン42の目標反転面積に一致する自発分極電荷の2倍に相当する電流が直流電源から流れ、レジストパターン42に一致した周期分極反転構造を作製することができる。
実施例2において、15kVの電圧を印加した理由は、90℃におけるZnドープLN基板の抗電界の大きさがおよそ3kV/mmであり、基板厚さを5mmとすると15kVの電圧が必要となるからである。このほか、二次非線形光学結晶としてZnドープLT基板、ZnドープLNT基板を用いた場合においても同様の周期分極反転構造を作製することができる。
作製されたLN基板から周期分極反転構造に直交する向きで短冊状の素子を切り出し、切り出した素子の両端面を研磨する。この素子に、周期分極反転構造に直交する向きに波長976nmの励起光を入射すると、波長488nmの第二高調波を発生させることができる。
実施例1と同様の方法を用いて、基板厚さ300μmの3インチ、ZnドープLN基板を用いて、周期分極反転構造を作製する。周期分極構造に一致するレジストパターンの作製は、実施例1と同様に行い、周期28.5ミクロンのレジストパターンを作製する。作製されたLN基板から周期分極反転構造に直交する向きで短冊状の素子を切り出し、切り出した素子の両端面を研磨する。この素子に、周期分極反転構造に直交する向きに波波長1560nmの励起光と波長1060nmの励起光を入射すると、波長3.3μmの中赤外光である差周波光を発生させることができる。
実施例1と同様の方法を用いて、基板厚さ500μmの3インチ、ZnドープLN基板を用いて、周期分極反転構造を作製する。周期分極構造に一致するレジストパターンの作製は、実施例1と同様に行い、周期26.3ミクロンのレジストパターンを作製する。作製されたLN基板から周期分極反転構造に直交する向きで短冊状の素子を切り出し、切り出した素子の両端面を研磨する。この素子に、周期分極反転構造に直交する向きに波波長1550nmの励起光と波長976nmの励起光を入射すると、波長2.7μmの中赤外光である差周波光を発生させることができる。
実施例1と同様の方法を用いて、基板厚さ400μmの3インチ、ZnドープLN基板を用いて、周期分極反転構造を作製する。周期分極構造に一致するレジストパターンの作製は、実施例1と同様に行い、周期25.6ミクロンのレジストパターンを作製する。作製されたLN基板から周期分極反転構造に直交する向きで短冊状の素子を切り出し、切り出した素子の両端面を研磨する。この素子に、周期分極反転構造に直交する向きに波波長1580nmの励起光と波長940nmの励起光を入射すると、波長2.3μmの中赤外光である差周波光を発生させることができる。

Claims (5)

  1. シングルドメイン化された二次非線形光学結晶に周期分極反転構造を作製する作製方法において、
    前記二次非線形光学結晶の−Z面に、前記分極反転周期に一致するレジストパターンを形成する工程と、
    前記レジストパターンが作製された−Z面を負の電圧、+Z面を正の電圧として、前記二次非線形光学結晶に電界が加わるように電圧を印加する工程とを備え、
    前記二次非線形光学結晶は、結晶の欠陥を補填する少なくとも1種の元素を添加物として含有していることを特徴とする周期分極反転構造の作製方法。
  2. 前記二次非線形光学結晶の欠陥を補填する元素は、Mg、Zn、Sc、Inの少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載の周期分極反転構造の作製方法。
  3. 前記二次非線形光学結晶は、LiNbO、LiTaO、LiNbTa1−x(0≦x≦1)の少なくとも1つからなることを特徴とする請求項1または2に記載の周期分極反転構造の作製方法。
  4. 前記二次非線形光学結晶の基板厚は、200μm以上8mm以下であることを特徴とする請求項1、2または3に記載の周期分極反転構造の作製方法。
  5. 前記電圧を印加する工程は、前記二次非線形光学結晶が50℃以上150以下に加温された状態で行われることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の周期分極反転構造の作製方法。
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