JP2004068882A - ころねじ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】負荷容量が高い装置であるとともに、動摩擦トルクを低く抑えてモータ消費動力の低減化を図ることができるころねじ装置を提供する。
【解決手段】ころ12のころ公転方向Rkと、ころピッチ円螺旋方向Rpとが一致せず、ころ公転方向Rkがピッチ円螺旋方向Rpに対してシャフト4の回転中心側に所定の角度δで傾くように、自転軸S1をころピッチ円螺旋方向Rpに傾斜させて配置する。このようにすると、シャフトつば面2bに向かう分力Fd2が、ナットつば面6bに向かって発生する合力Fcに対して逆方向に作用し、ころ12の端面12aとナットつば面6bとの間に発生する接触荷重Peが小さくなることから、ころピッチ円螺旋方向Rpに対して逆向きに発生する滑り摩擦力Feが小さくなる。
【選択図】    図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転運動を直線運動に変換する駆動用に使用されるころねじ装置に係り、特に、射出成形機やプレス機などのように直線運動に変換する際に高負荷が加わるころねじ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、機械設備の省力化傾向に伴い、従来は油圧装置で駆動されていた射出成形機やプレス機などが電動化される傾向にある。上記のような用途で油圧装置に代わるものとして、機械効率の高い転がりねじ装置が利用されてきている。
転がりねじ装置には、転動体に剛球を用いたボールねじ装置や、転動体にころを用いたころねじ装置がある。射出成形機やプレス機には、大きな負荷容量の駆動装置が必要であるが、ボールねじ装置は、油圧装置に比べて負荷容量が劣る。これは、油圧装置は負荷を油圧ピストンの面で受けるのに対して、ボールねじ装置は、負荷を複数の剛球とナット軌道溝やシャフト軌道溝との接触点で受けるという構造の違いによる。
【0003】
一方、ころねじ装置は、外周面に螺旋状のシャフト転造溝を形成したシャフトと、内周面に前記シャフト転動溝に対応する螺旋状のナット転動溝を形成したナットと、シャフト転動溝及びナット転動溝で形成した螺旋状の転動路に配列した複数のころとを備え、ころが螺旋状の転動路を転動しつつシャフトがナットに対して相対的に回転することで、ナットがシャフトに対して相対的に往復運動する装置であり、例えば特開2001−241527号公報に記載の技術が知られている。
【0004】
この特開2001−241527号公報のころねじ装置は、複数のころ(公報ではローラと記載している)の中心線がねじ軸の中心線に対して一定の角度をもつように配列された一群の行き荷重負荷用ローラ列と、複数のころの中心線がねじ軸の中心線に対して前記一定の角度とは異なる角度をもつように配列された一群の帰り荷重負荷用ローラ列とを備え、前記行き荷重負荷用ローラ列と前記帰り荷重負荷用ローラ列とが、分離して配置される装置である。この特開2001−241527号公報のころねじ装置によると、行き荷重負荷用ローラ列が往復運動中の行きの軸線方向荷重を受け、帰り荷重負荷用ローラ列が帰りの軸線方向荷重を受けるので、行き及び帰りの軸線方向荷重いずれも受けることができる。したがって、特開2001−241527号公報のころねじ装置は、ボールねじ装置と比較して負荷容量が優れた装置となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前述した特開2001−241527号公報を含む従来のころねじ装置は、ころと螺旋状のナット溝の接触部、或いは、ころと螺旋状のシャフト溝の接触部で必ず滑りが生じ、ころの端面と、それに対向するナット溝やシャフト溝のつば面が接触して生じる滑り摩擦のために、ボールねじ装置と比較して動摩擦トルクが大きくなる。このように動摩擦トルクが大きくなると、ころねじ装置を駆動する際に、モータ消費動力が増大してしまうという問題がある。
【0006】
本発明は、このような従来技術の未解決の課題に着目してなされたものであり、負荷容量が高い装置であるとともに、動摩擦トルクを低く抑えてモータ消費動力の低減化を図ることができるころねじ装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
従来のころねじ装置は、図13に示すように、ころ(円筒ころ)12が公転する方向(ころ公転方向)Rk’と、ころ12のころピッチ円直径上でのシャフト転動溝2の螺旋方向(ころピッチ円螺旋方向)Rpとが一致しており、このようなころ12の配置にすると、ころ12の端面12aと、ナット転動溝(ナットつば面)6bとの間に発生する接触荷重Pe’が大きくなる。ここで、前述したころ12のころピッチ円直径とは、図14及び図15に示すように、軌道路内に配置した複数のころ12のころ長さの中点を結んでできる螺旋曲線を含む円筒面の直径のことを称しており、ころ12として円筒ころ、円錐ころのいずれを使用しても、ころピッチ円直径は同一値を示す。
【0008】
図13に示したように、接触荷重Pe’が大きい従来のころねじ装置は、ころ12の端面12aとなっと転動溝6bとの間でころピッチ円螺旋方向Rpに対して逆向きに発生する滑り摩擦力Fe’が大きくなる。
そこで、本発明者等は、ころ12の端面12aと、ナット転動溝6bとの間に発生する接触荷重が小さくなるように、鋭意研究を行った。その結果、図3に示すように、ころ12のころ公転方向Rkと、ころピッチ円螺旋方向Rpとが一致せず、ころ公転方向Rkがピッチ円螺旋方向Rpに対してシャフト4の回転中心側に所定の角度δで傾くように、自転軸S1をころピッチ円螺旋方向Rpに傾斜させて配置すると、シャフトつば面2bに向かう分力Fd2が、ナットつば面6bに向かって発生する合力Fcに対して逆方向に作用し、ころ12の端面12aとナットつば面6bとの間に発生する接触荷重Peが小さくなることから、ころピッチ円螺旋方向Rpに対して逆向きに発生する滑り摩擦力Feが小さくなることを見いだした。
【0009】
本発明は、以上の知見に基づいてなされたものであり、請求項1記載の発明は、内周面に螺旋状のナット転動溝を形成したナットと、前記ナット転動溝に対応する螺旋状のシャフト転動溝を外周面に形成したシャフトと、前記ナット転動溝及び前記シャフト転動溝で形成した螺旋状の軌道路を転動する複数の円筒ころと、を備えたころねじ装置において、前記シャフト転動溝を転動する前記複数の円筒ころが、ころピッチ円直径のねじ螺旋方向に対して前記シャフトの回転中心側にずれて公転するようにした。
【0010】
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載のころねじ装置において、前記円筒ころの自転軸がころピッチ円直径のねじ螺旋方向に対して直交せず、前記円筒ころの公転方向の前方に向かって傾斜するように、前記円筒ころを保持するスペーサを配置した。
一方、請求項3記載の発明は、内周面に螺旋状のナット転動溝を形成したナットと、前記ナット転動溝に対応する螺旋状のシャフト転動溝を外周面に形成したシャフトと、前記ナット転動溝及び前記シャフト転動溝で形成した螺旋状の軌道路を転動する複数の円錐ころと、を備えたころねじ装置において、前記シャフト転動溝を転動する前記複数の円錐ころが、ころピッチ円直径のねじ螺旋方向に対して前記シャフトの回転中心側にずれて公転するようにした。
【0011】
また、請求項4記載の発明は、請求項3記載のころねじ装置において、前記円錐ころの自転軸がころピッチ円直径のねじ螺旋方向に対して直交せず、前記円錐ころの公転方向の前方に向かって傾斜するように、前記円錐ころを保持するスペーサを配置した。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るころねじ装置の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、ころねじ装置の第1実施形態を示すものである。本実施形態のころねじ装置は、外周面に螺旋状のシャフト転動溝2を形成したシャフト4と、内周面に前記シャフト転動溝2に対応する螺旋状のナット転動溝6を形成したナット8と、シャフト転動溝2及びナット転動溝6で形成した螺旋状の転動路10に配列した複数の円筒ころ12とを備えている。
【0013】
複数の円筒ころ12は、円筒ころ12の中心線がシャフト4の中心線に対して一定のねじれの位置に配列された一群の行き荷重負荷用ころ列14と、円筒ころ12の中心線がシャフト4の中心線に対して前記一定のねじれの位置とは異なるねじれの位置をもつように配列された一群の帰り荷重負荷用ころ列16とで構成されている。
【0014】
ナット8は、略円筒形状の部材であり、軸方向の一端部に案内部材(図示せず)と結合するフランジ8aが設けられている。ナット8には2個のリターンパイプ18,20が一体化されており、リターンパイプ18が行き荷重負荷用ころ列14の円筒ころ12を循環し、リターンパイプ20が帰り荷重負荷用ころ列16の円筒ころ12を循環するようになっている。
【0015】
次に、図2は、転動路10を軸方向に沿った断面で示すものであり、シャフト転動溝2は、シャフト転動面2a及びシャフトつば面(ランド)2bが略90°で直交することでV字形状をなして螺旋状に延在している。また、ナット転動溝6も、ナット転動面6a及びナットつば面(ランド)6bが略90°で直交することでV字形状をなして螺旋状に延在しており、ナット転動面6a及び前記シャフト転動面2aが円筒ころ12の周面に対向し、ナットつば面6b及びシャフトつば面2bが円筒ころ12の端面に対向している。
【0016】
一方、図3は、螺旋状に延在しているシャフト転動溝2を平面上に展開した図であり、符号Rpで示す一点鎖線の直線が、円筒ころ12のころピッチ円直径上でのシャフト転動溝2の螺旋方向を示している(以下、ころピッチ円螺旋方向Rpと称する)。そして、円筒ころ12の自転軸S1に直交し、ころの長手方向の中心を通過している符号Rkで示す一点鎖線の直線が、円筒ころ12の公転方向である(以下、ころ公転方向Rkと称する)。
【0017】
本実施形態の円筒ころ12は、ころ公転方向Rkと、ころピッチ円螺旋方向Rpとが一致せず、ころ公転方向Rkがころピッチ円螺旋方向Rpに対してシャフト4の回転中心側に所定の角度δで傾くように、自転軸S1をころピッチ円螺旋方向Rpに傾斜させて配置されている。
次に、本実施形態のころねじ装置が、図1に示すようにシャフト4が矢印A方向に回転し、矢印B方向の負荷を受けたナット8が直線運動の動作(以下、正動作と称する)を行うときに発生する摩擦力について、図2及び図3を参照して説明する。
【0018】
ここで、本実施形態と比較のために、従来のころねじ装置が発生する摩擦力についても図4を参照して説明する。従来のころねじ装置が本実施形態と異なる点は、ころ公転方向Rk’と、ころピッチ円螺旋方向Rpとが一致しており、円筒ころ12は、その自転軸S1がころピッチ円螺旋方向Rpに直交するように配置されている点である。
【0019】
本実施形態のころねじ装置は、図2に示すように、円筒ころ12の周面とナット転動面6aの接触荷重Paと、円筒ころ12の周面とシャフト転動面2aの接触荷重Pbとによって、円筒ころ12の周面とナット軌道面6aとの間、円筒ころ12の周面とシャフト転動面2aとの間に滑り摩擦力Fa,Fbが発生し、これら滑り摩擦力Fa,Fbの合力Fcが、ナットつば面6bに向かって作用する。
【0020】
また、本実施形態では、図3に示すように、シャフト転動面2aを公転する円筒ころ12により、ころ公転方向Rkに向かう方向に滑り摩擦力Fdが発生する。ころ公転方向Rkは、ピッチ円螺旋方向Rpに対して所定の角度αで傾いているので、前記滑り摩擦力Fdは、ころピッチ円螺旋方向Rpに向かう分力Fd1と、シャフトつば面2bに向かう分力Fd2とに分けられる。このシャフトつば面2bに向かう分力Fd2は、ナットつば面6bに向かって発生する合力Fcに対して逆方向に作用するので、円筒ころ12の端面12aとナットつば面6bとの間に発生する接触荷重Peが小さくなる。
【0021】
このように、円筒ころ12の端面12aとナットつば面6bとの間に発生する接触荷重Peが小さくなる本実施形態に対し、図13に示す従来のころねじ装置では、ころ公転方向Rk’と、ころピッチ円螺旋方向Rpとが一致しているので、ナットつば面6bに向かって発生する合力Fcに対して逆方向に作用する滑り摩擦力Fdの分力が発生しない。このため、円筒ころ12の端面12aとナットつば面6bとの間に発生する接触荷重Pe’が大きくなる。
【0022】
したがって、接触荷重Pe’が大きい従来のころねじ装置は、円筒ころ12の端面12aとナットつば面6bとの間でころピッチ円螺旋方向Rpに対して逆向きに発生する滑り摩擦力Fe’が大きくなり、動摩擦トルクが大きいころねじ装置となるが、本実施形態のころねじ装置は、円筒ころ12の端面12aとナットつば面6bとの間に発生する接触荷重Peが小さく、円筒ころ12の端面12aとナットつば面6bとの間でころピッチ円螺旋方向Rpに対して逆向きに発生する滑り摩擦力Feが小さくなる。このため、滑り摩擦力Feが小さいために動摩擦トルクが小さいころねじ装置となるので、モータ消費動力を小さくしてころねじ装置を駆動することができる。
【0023】
したがって、本実施形態は、高い負荷容量に優れるとともに、動摩擦トルクを低く抑えてモータ消費動力の低減化を図ったころねじ装置を提供することができる。
なお、本実施形態では、シャフト4が回転し、ナット8が直線運動を行う場合について説明したが、ナット8が回転し、シャフト4が直線運動を行う場合であってもよい。
【0024】
次に、図4から図6に示すものは、螺旋状の転動路10に配置した複数の円筒ころ12を保持するスペーサ22を示すものである。
本実施形態のスペーサ22は、図4に示すように、複数の円筒ころ12の間に各々配置され、円筒ころ12を回転自在に保持する分離式のスペーサであり、図5及び図6に示すように、側面視略L字形状の部材であり、シャフトつば面2bに面接触する底面22aと、円筒ころ12の端面12aを載せるころ受け面22bと、ころ受け面22bに載った円筒ころ12の周面に面接触する曲面形状の第1ポケット面22cと、この第1ポケット面22cに対向する位置に設けられて前記円筒ころ12に隣接する他の円筒ころの周面に面接触する曲面形状の第2ポケット面22dとを備えている。
【0025】
ここで、前記第1及び第2ポケット面22c,22dは、ころ公転方向Rk(前述したピッチ円螺旋方向Rpに対して角度δで傾いた方向)に対して直交する曲面として形成されている。
このため、螺旋状の転動路10を転動する複数の円筒ころ12の各々は、所定のスペーサ22のころ受け面22bに端面12aが載り、且つ、周面の一部が前記所定のスペーサ22の第1ポケット面22cに支持されるとともに、他の箇所の周面の一部が、隣接する他のスペーサ22の第2ポケット面22dに支持されながら転動するので、全ての円筒ころ12をころ公転方向Rkに傾斜した状態で転動させることができる。
【0026】
次に、図7に示すものは、他の実施形態のスペーサ24を示しており、このスペーサ24は、螺旋状の転動路10に配置した複数の円筒ころ12のうち所定数の円筒ころ12を同時に保持するスペーサであり、螺旋状の転動路10に複数配置されている。
本実施形態のスペーサ24は、長手方向に曲率を有する部材であり、シャフトつば面2bに面接触する底面26と、この底面26に対して逆側位置の長手方向に所定間隔をあけて形成した複数のポケット28a,28b,28c…とを備えている。
【0027】
ポケット28cは、円筒ころ12の端面12aを載せるころ受け面28c1と、円筒ころ12の周面に面接触する第1ポケット面28c2及び第2ポケット面28c3を設けている。そして、第1及び第2ポケット面28c2,28c3は、ころ公転方向Rkに対して直交する曲面として形成されている。
また、他のポケット28a、28b、28dも、前記ポケット28cと同一構造のころ受け面28a1,28b1,28d1と、第1ポケット面28a2,28b2,28d3及び第2ポケット面28a3,28b3,28d3を設けている。
【0028】
これにより、螺旋状の転動路10を転動する複数の円筒ころ12は、所定のスペーサ24のポケット28a,28b,28c…にそれぞれ保持されて転動するので、全ての円筒ころ12をころ公転方向Rkに傾斜した状態で転動させることができる。
次に、図8から図11は、ころねじ装置の第2実施形態を示すものである。なお、図1から図7で示した第1実施形態のころねじ装置と同一構成部分には、同一符号を付してその説明を省略する。
【0029】
本実施形態のころねじ装置は、外周面に螺旋状のシャフト転動溝30を形成したシャフト4と、内周面に前記シャフト溝30に対応する螺旋状のナット転動溝32を形成したナット8と、シャフト転動溝30及びナット転動溝32で形成した螺旋状の転動路34に配列した複数の円錐ころ36とを備えている。
複数の円錐ころ36は、円錐ころ36の自転軸S2がシャフト4の中心線に対して一定のねじれ位置に配列された一群の行き荷重負荷用ころ列38と、円錐ころ36の自転軸S2がシャフト4の中心線に対して前記ねじれ位置とは異なるねじれ位置をもつように配列された一群の帰り荷重負荷用ころ列40とで構成されている。また、ナット8には3個のリターンパイプ42,44,46が一体化されている。
【0030】
シャフト4のシャフト転動溝30は、図9に示すように、シャフト転動面30a及びシャフトつば面(ランド)32bが90°より小さな角度で交差することでV字形状をなして螺旋状に延在している。また、ナット8のナット転動溝32も、ナット転動面32a及びナットつば面(ランド)6bが90°より小さな角度で交差することでV字形状をなして螺旋状に延在している。また、螺旋状の転動路34には、複数の円錐ころ36を保持するスペーサ38が配置されている。
【0031】
スペーサ38は、複数の円錐ころ36の間に配置された分離式のスペーサであり、図10及び図11に示すように、側面視略L字形状の部材であり、シャフトつば面30bに面接触する底面38aと、円錐ころ36の端面36aを載せるころ受け面38bと、ころ受け面38bに載った円錐ころ36の周面に面接触する曲面形状の第1ポケット面38cと、この第1ポケット面38cに対向する位置に設けられて前記円錐ころ36に隣接する他の円筒ころの周面に面接触する曲面形状の第2ポケット面38dとを備えている。
【0032】
ここで、前記第1及び第2ポケット面38c,38dは、円錐ころ36の自転軸S2がころ公転方向Rk(前述したピッチ円螺旋方向Rpに対して角度δで傾いた方向)に直交する、すなわち、円錐ころ36の転がり方向がころ公転方向Rkとなるように、円錐ころ36の周面を保持する曲面として形成されている。
上記構成のスペーサ38に保持されて螺旋状の転動路34を転動する複数の円錐ころ36は、スペーサ38のころ受け面38b、第1及び第2ポケット面38c,38dに支持されながら転動するので、ころ公転方向Rkに傾斜した状態で転動する。
【0033】
複数円錐ころ36が、ころ公転方向Rkに傾斜した状態で螺旋状の転動路34を転動すると、図2及び図3で説明した摩擦力の作用と同様に、円錐ころ36の端面36aとナットつば面32bとの間に発生する接触荷重が小さくなって滑り摩擦力が小さくなり、動摩擦トルクが小さいころねじ装置となるので、モータ消費動力を小さくすることができる。
【0034】
したがって、本実施形態は、高い負荷容量に優れるとともに、動摩擦トルクを低く抑えてモータ消費動力の低減化を図ったころねじ装置を提供することができる。
なお、本実施形態も、シャフト4が回転し、ナット8が直線運動を行う場合について説明したが、ナット8が回転し、シャフト4が直線運動を行う場合であってもよい。
【0035】
さらに、図12に示すものは、図9から図11で示したスペーサ24と異なる構造のスペーサ50を示すものであり、螺旋状の転動路34に配置した複数の円錐ころ36のうち所定数の円錐ころ36を同時に保持しており、螺旋状の転動路34に複数配置されている。
本実施形態のスペーサ50は、長手方向に曲率を有する部材であり、シャフトつば面30bに面接触する底面52と、この底面52に対して逆側位置の長手方向に所定間隔をあけて形成した複数のポケット54a,54b,54c…とを備えている。
【0036】
ポケット54cは、円錐ころ36の端面36aを載せるころ受け面54c1と、円錐ころ54の周面に面接触する第1ポケット面54c2及び第2ポケット面54c3を設けている。そして、第1及び第2ポケット面54c2,54c3は、ころ公転方向Rkに対して直交する曲面として形成されている。
また、他のポケット54a、54b、54dも、前記ポケット54cと同一構造のころ受け面54a1,54b1,54d1と、第1ポケット面54a2,54b2,54d3及び第2ポケット面54a3,54b3,54d3を設けている。
【0037】
これにより、螺旋状の転動路34を転動する複数の円錐ころ36は、所定のスペーサ50のポケット54a,54b,54c…にそれぞれ保持されて転動するので、全ての円錐ころ36をころ公転方向Rkに傾斜した状態で転動させることができる。
なお、上述した分離式のスペーサ22,38、複数のころ(円筒ころ12、円錐ころ36)を同時に保持するスペーサ24,50は、図で説明した構造に限るものではなく、ころ(円筒ころ12、円錐ころ36)がころ公転方向Rkに傾斜した状態となるように姿勢を保持するピースであれば他の構造であってもよい。
【0038】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によると、ころの端面とシャフト転動溝との間の滑り摩擦力が小さくなるので、動摩擦トルクを小さくすることができる。したがって、高い負荷容量に優れるとともに、動摩擦トルクを低く抑えたことで、モータ消費動力の低減化を図ったころねじ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1実施形態のころねじ装置を示す図である。
【図2】第1実施形態の装置の転動路を軸方向に沿った断面で示した図である。
【図3】第1実施形態において螺旋状に延在しているシャフト転動溝を平面上に展開した図である。
【図4】第1実施形態の装置の転動路にスペーサを配置した状態を示す図である。
【図5】図4のスペーサを側面から示した図である。
【図6】図5のVI−VI線矢視図である。
【図7】第1実施形態の装置で使用する他の構造のスペーサを示す図である。
【図8】本発明に係る第2実施形態のころねじ装置を示す図である。
【図9】第2実施形態の装置の転動路にスペーサを配置した状態を示す図である。
【図10】図9のスペーサを側面から示した図である。
【図11】図10のXI−XI線矢視図である。
【図12】第2実施形態の装置で使用する他の構造のスペーサを示す図である。
【図13】従来のころねじ装置において螺旋状に延在しているシャフト転動溝を平面上に展開した図である。
【図14】ころピッチ円直径を説明する軸方向断面図である。
【図15】ころピッチ円直径を説明する軸方向に沿った断面図である。
【符号の説明】
2、30  シャフト転動溝
2a、30a シャフト転動面
2b、30b シャフトつば面
4 シャフト
6,32  ナット転動溝
6a,32a ナット転動面
6b,32b ナットつば面
8 ナット
10,34 螺旋状の転動路
12 円筒ころ
12a 円筒ころの端面
22,24,38,50 スペーサ
22c,22d, ポケット面
28a,28b,28c,28d ポケット
36 円錐ころ
36a 円錐ころの端面
S1 円筒ころの自転軸
S2 円錐ころの自転軸
Rp ころピッチ円螺旋方向
Rk ころ公転方向

Claims (4)

  1. 内周面に螺旋状のナット転動溝を形成したナットと、前記ナット転動溝に対応する螺旋状のシャフト転動溝を外周面に形成したシャフトと、前記ナット転動溝及び前記シャフト転動溝で形成した螺旋状の軌道路を転動する複数の円筒ころと、を備えたころねじ装置において、
    前記シャフト転動溝を転動する前記複数の円筒ころが、ころピッチ円直径のねじ螺旋方向に対して前記シャフトの回転中心側にずれて公転するようにしたことを特徴とするころねじ装置。
  2. 前記円筒ころの自転軸がころピッチ円直径のねじ螺旋方向に対して直交せず、前記円筒ころの公転方向の前方に向かって傾斜するように、前記円筒ころを保持するスペーサを配置したことを特徴とする請求項1記載のころねじ装置。
  3. 内周面に螺旋状のナット転動溝を形成したナットと、前記ナット転動溝に対応する螺旋状のシャフト転動溝を外周面に形成したシャフトと、前記ナット転動溝及び前記シャフト転動溝で形成した螺旋状の軌道路を転動する複数の円錐ころと、を備えたころねじ装置において、
    前記シャフト転動溝を転動する前記複数の円錐ころが、ころピッチ円直径のねじ螺旋方向に対して前記シャフトの回転中心側にずれて公転するようにしたことを特徴とするころねじ装置。
  4. 前記円錐ころの自転軸がころピッチ円直径のねじ螺旋方向に対して直交せず、前記円錐ころの公転方向の前方に向かって傾斜するように、前記円錐ころを保持するスペーサを配置したことを特徴とする請求項3記載のころねじ装置。
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