JP2004067703A - 架橋ポリマー、微粒子および製造方法 - Google Patents
架橋ポリマー、微粒子および製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004067703A JP2004067703A JP2002121850A JP2002121850A JP2004067703A JP 2004067703 A JP2004067703 A JP 2004067703A JP 2002121850 A JP2002121850 A JP 2002121850A JP 2002121850 A JP2002121850 A JP 2002121850A JP 2004067703 A JP2004067703 A JP 2004067703A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- hydrogen atom
- weight
- fine particles
- integer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08F—MACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
- C08F290/00—Macromolecular compounds obtained by polymerising monomers on to polymers modified by introduction of aliphatic unsaturated end or side groups
- C08F290/02—Macromolecular compounds obtained by polymerising monomers on to polymers modified by introduction of aliphatic unsaturated end or side groups on to polymers modified by introduction of unsaturated end groups
- C08F290/06—Polymers provided for in subclass C08G
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B82—NANOTECHNOLOGY
- B82Y—SPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
- B82Y5/00—Nanobiotechnology or nanomedicine, e.g. protein engineering or drug delivery
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B22—CASTING; POWDER METALLURGY
- B22F—WORKING METALLIC POWDER; MANUFACTURE OF ARTICLES FROM METALLIC POWDER; MAKING METALLIC POWDER; APPARATUS OR DEVICES SPECIALLY ADAPTED FOR METALLIC POWDER
- B22F1/00—Metallic powder; Treatment of metallic powder, e.g. to facilitate working or to improve properties
- B22F1/10—Metallic powder containing lubricating or binding agents; Metallic powder containing organic material
- B22F1/102—Metallic powder coated with organic material
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B82—NANOTECHNOLOGY
- B82Y—SPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
- B82Y10/00—Nanotechnology for information processing, storage or transmission, e.g. quantum computing or single electron logic
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B82—NANOTECHNOLOGY
- B82Y—SPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
- B82Y30/00—Nanotechnology for materials or surface science, e.g. nanocomposites
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08F—MACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
- C08F265/00—Macromolecular compounds obtained by polymerising monomers on to polymers of unsaturated monocarboxylic acids or derivatives thereof as defined in group C08F20/00
- C08F265/10—Macromolecular compounds obtained by polymerising monomers on to polymers of unsaturated monocarboxylic acids or derivatives thereof as defined in group C08F20/00 on to polymers of amides or imides
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08F—MACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
- C08F290/00—Macromolecular compounds obtained by polymerising monomers on to polymers modified by introduction of aliphatic unsaturated end or side groups
- C08F290/02—Macromolecular compounds obtained by polymerising monomers on to polymers modified by introduction of aliphatic unsaturated end or side groups on to polymers modified by introduction of unsaturated end groups
- C08F290/06—Polymers provided for in subclass C08G
- C08F290/062—Polyethers
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08J—WORKING-UP; GENERAL PROCESSES OF COMPOUNDING; AFTER-TREATMENT NOT COVERED BY SUBCLASSES C08B, C08C, C08F, C08G or C08H
- C08J3/00—Processes of treating or compounding macromolecular substances
- C08J3/12—Powdering or granulating
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08L—COMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
- C08L51/00—Compositions of graft polymers in which the grafted component is obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds; Compositions of derivatives of such polymers
- C08L51/003—Compositions of graft polymers in which the grafted component is obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds; Compositions of derivatives of such polymers grafted on to macromolecular compounds obtained by reactions only involving unsaturated carbon-to-carbon bonds
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B22—CASTING; POWDER METALLURGY
- B22F—WORKING METALLIC POWDER; MANUFACTURE OF ARTICLES FROM METALLIC POWDER; MAKING METALLIC POWDER; APPARATUS OR DEVICES SPECIALLY ADAPTED FOR METALLIC POWDER
- B22F2998/00—Supplementary information concerning processes or compositions relating to powder metallurgy
Abstract
【課題】生物学的技術分野または医用材料として有用な多機能性架橋ポリマーの提供。
【解決手段】少くともポリエチレングリコールセグメントを有するマクロモノマーと側鎖に第三級アミン基を有するコモノマーと架橋剤との共重合により得ることのできる架橋ポリマー。該架橋ポリマーは高分子ミクロスフェアとして提供でき、さらに該ミクロスフェアのコア部に金属または半導体のナノ粒子を内包した複合体としても提供できる。
【選択図】 なし
【解決手段】少くともポリエチレングリコールセグメントを有するマクロモノマーと側鎖に第三級アミン基を有するコモノマーと架橋剤との共重合により得ることのできる架橋ポリマー。該架橋ポリマーは高分子ミクロスフェアとして提供でき、さらに該ミクロスフェアのコア部に金属または半導体のナノ粒子を内包した複合体としても提供できる。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリ(エチレングリコール)マクロモノマー(以下、PEGマクロモノマーと称する場合もある)に由来する反復単位を有する架橋ポリマー、その特定の形状物、およびそれらの製造方法に関する。特定の形状物は、例えば、バイオアッセイ系における光学的検出手段として好適に使用できる。
【0002】
【従来の技術】
本発明者らは、下記式
【0003】
【化6】
【0004】
で表されるヘテロテレケリックポリマー、ならびに該ポリマーをマクロモノマーとして用い、スチレンまたは(メタ)アクリル酸またはそのエステルもしくはアミドとのコポリマーを提供した(特開平9−302048号公報参照)。前記コポリマーは、PEG鎖を枝ポリマーとする一種のグラフトポリマーであり、グラフトポリマーそれ自体が奏する機能に加え、片末端のアルデヒド(O=CH−)基と介して、各種の生体分子とのコンジュケートを形成する、生体適合性材料として興味がもたれるものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記のようなグラフトポリマーまたは、例えば該グラフトポリマーの出発原料として都合よく使用できるマクロモノマーまたはその類似体を利用して、さらに新たな機能を有するポリマー材料が提供できれば、当業技術分野の発展に資することができるであろう。したがって、本発明の目的は、前記グラフトポリマーにさらなる特性または機能が付加した新たなポリマー材料を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、以上のような観点から検討してきたところ、前記のようなマクロモノマーを、少なくとも、第三級アミンモノマーおよび架橋剤と共重合させることにより、機能性基としての第三級アミンをコア領域に有し、そしてPEG由来の可動性の親水性鎖をシエル領域に有する水性媒体中で分散性に優れたゲルが得られることを見出した。こうして得られるゲルは、アミンの窒素原子を介して種々の物質、例えば半導体量子ドットをゲル内に安定に内包しておくことができるだけでなく、PEGの末端に存在しうる官能基を介して生体分子(例えば、抗体、等)とのコンジュゲートを形成することもできるとの機能を有することが確認された。
【0007】
前記の半導体量子ドットを内包したゲルは、例えば、Han et.al.,Nature Biotechnology Vol.19,2001,631−635に記載されている、スチレン、ジビニルベンゼンおよびアクリル酸の乳化重合で生成された架橋ビーズに半導体量子ドットを内包したものに比べて、水性媒体分散性、量子ドットの安定な内包性、生体親和性、等に優れている。
【0008】
したがって、本発明によれば、特有の構造と機能を有しうる架橋ポリマーが提供される。より具体的には本発明によれば、(a) 式I:
【0009】
【化7】
【0010】
[式中、Xは水素原子、−COOZ基(ここで、Zは水素原子または有機基を表す)−CHR1R2(ここで、R1およびR2は、独立して、C1−6アルキルオキシ基、フェニルオキシ基もしくはフェニル−C1−3アルキルオキシ基を表すか、またはR1およびR2は一緒になって−OCHR′−CH2O−であって、R′が水素原子もしくはC1−6アルキル基である基を表す)または−CH=Oを表し、
Raは水素原子またはC1−6アルキル基を表し、
L1はメチレン基またはカルボニル基を表し、
L2はカルボニル基、C1−3アルキレン基またはC1−3アルキルフェニレン基を表し、
nは2〜10,000の整数であり、そして
pは1〜5の整数である]で表されるポリ(エチレングリコール)マクロモノマーと、
(b) 式II:
【0011】
【化8】
【0012】
(式中、R3およびR4は、独立してC1−6アルキル基を表し、Rbは水素原子またはC1−6アルキル基を表し、Yは−O−または−NH−を表し、そしてqは2〜6の整数である)で表されるコモノマーと、
(c) 2個または3個以上の重合性不飽和基を有する架橋剤と、
(d) 場合によって存在してもよい(a)および(b)以外の重合性不飽和基を有する希釈モノマー、
との共重合によって得られる架橋ポリマーが提供される。
【0013】
本発明の好ましい態様では、少なくとも、上記(a)のPEGマクロモノマーと(b)のコモノマーと(c)の架橋剤が重量基準で、それぞれ、10〜70重量%と30〜90重量%と0.1〜20重量%の範囲内にあるが、但し、(a)と(b)と(c)との、存在する場合にはさらに(d)との、合計が100重量%となるように各成分が選択されるか、あるいは組み合わされる、架橋ポリマーが提供される。
【0014】
また、別の態様の本発明としては、殊に水中の共重合により得ることのできる、上記架橋ポリマーから構成される微粒子(またはビーズ)であって、(b)のモノマー由来の第三級アミン部が主としてコアに存在し、そして(a)のマクロモノマー由来のポリエチレンセグメントが主としてシエル(またはコアを取り囲む領域)に存在する微粒子も提供される。
【0015】
さらにまた、前記のような微粒子は金または半導体超微粒子を内包した形態のものとしても提供される。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の架橋ポリマーは、三次元ポリマーまたは網目ポリマーとも称され、殆どが、実質的には水を初めとする溶媒に不溶であるが、水中ではPEGマクロモノマーに由来するPEGセグメントの作用により、分子全体が可溶化され、恰も、通常の意味に用いる溶液のごとき外観を呈する。したがって、本明細書で溶液と称するときは、上記のごとく溶質ポリマー全体が可溶化され、恰も溶液のごとき外観を呈する場合を包含する。
【0017】
前記架橋ポリマーは、それらの水溶液中で微粒子またはビーズ状の形態で可溶化または分散された状態で存在しうる。また、このような微粒子は、遠心分離、濾過、その他の方法により、固体粒子として溶液から分離することもできる。これらのいずれの形態の微粒子も本発明の一態様である。
【0018】
本明細書で使用するところのアルキル基およびアルキルオキシ基におけるアルキル部分は、直鎖または分枝のアルキルを意味する。したがって、C1−6のアルキル基およびアルコキシのアルキル部分としては、メチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、sec.−ブチル、tert.−ブチル、n−ペンチル、iso−ペンチル、n−ヘキシル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル等が挙げられる。これらのうち、式IにおけるR1およびR2にいうアルキルオキシのアルキル部分、ならびに式IIにおけるRb、R3およびR4のアルキル基は、特にC1−3アルキルが好ましい。
【0019】
したがって、R1およびR2にいうアルコキシ基として特に好ましいものとしてはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基が挙げられる。その他、R1およびR2はフェニルオキシ基またはフェニルC1−3アルキルオキシ基、特にベンジルオキシ基もしくはフェネチルオキシ基、を好ましいものとして挙げることができる。これらの基は、同一または異なっていてもよいが、好ましくは同一の基である。また、R1およびR2は、一緒になって、C1−6アルキルで置換されていてもよい1,2−エチレンジオキシ基(−OCH(R′)−CH2O−:ここでR′はC1−6アルキル基である)であってもよいが、好ましくは、1,2−エチレンジオキシ基、1−メチル−1,2−エチレンジオキシ基、1−エチル−1,2−エチレンジオキシ基である。
【0020】
このような基からなる−CHR1R2基は、例えば、酸で処理することにより、R1およびR2が一緒になって、オキシ(=O)すなわち、Xが−CH=Oを表すアルデヒド基に容易に転化できる。従って、Xが水素原子または−CH=O基以外を表す式(I)のマクロモノマーを用いて架橋ポリマーを製造した後、ポリマーを酸(例えば酢酸)で処理することによっても、PEG鎖の分子の片末端にアルデヒド基を有する架橋ポリマーを提供できる。
【0021】
Rbは、好ましくはメチル基または水素原子であり、また、R3およびR4は、独立して、メチル基、エチル基、n−プロピル基であることが好ましい。
【0022】
また、Lはカルボニル基(=C=O)、C1−3アルキレン基またはC1−3アルキルフェニレン基
【0023】
【化9】
【0024】
(ここで、tは1〜3の整数である)
であるが、好ましくはカルボニル基、メチレンおよびベンジレン基
【0025】
【化10】
【0026】
である。
【0027】
nは2〜10,000の整数であることができる。したがって、本発明にいうポリマーの語「ポリマー」は、オリゴマーを包含する概念で使用している。
【0028】
本発明で用いる上記マクロモノマーは式Iの構造を参照し、多様な方法で製造できる。市販のPEGを、例えば、(メタ)アクリル酸クロライド、ビニルベンジルクロリド、アリルクロリドを用いる脱ハロゲン化水素反応により、部分的に末端を修飾することにより製造できるが、例えば、前記特開平9−302048号公報に記載されているように、いわゆるリビング重合によって製造すると、ポリオキシエチレンセグメントは、重合開始剤に対してエチレンオキシドの使用量を調整することによって一峰性の分子量をもつセグメントとすることが可能である。したがってnは、2〜10,000の範囲内で、極めて分布の狭い数(単分散)とすることができ、好ましくは10〜200のいずれかの整数であることができる。
【0029】
pは、1〜5の整数である。好ましくは、1〜3の整数を挙げることができる。
【0030】
式IIのモノマーは、(メタ)アクリル酸のアミノアルキルアミドまたはエステルである。Rb、R3およびR4について上記したとおりの定義を有するものであるが、特に好ましいものとしては、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレートもしくはメタクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレートもしくはメタクリルアミド、およびN,N−ジエチルアミノプロピルメタクリレートもしくはメタクリルアミド、ならびにこれらの対応するアクリレートもしくはアクリルアミドを挙げることができる。
【0031】
(c)の架橋剤は2個または3個以上の重合性不飽和基を有する多官能性のモノマーであって、式Iおよび式IIのモノマーと共重合でき、本発明の目的を達成できるものであればいかなる架橋剤であってもよい。また、多種多様な市販されている架橋剤がそのまま使用できる。好ましいものとしては、限定されるものでないが、式III:
【0032】
【化11】
【0033】
(式中、Rcは水素原子またはC1−6アルキル基を表し、Y′は原子価結合、CO−または−NH−を表し、Aはフェニレン基−(CH2)r−(ここで、rは1〜4の整数である)または−(OCH2CH2O)s−(ここで、sは1〜4の整数である)で表される架橋剤を挙げることができる。より具体的に、特に好ましい架橋剤としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼンおよびN,N′−メチレンビスアクリルアミドである。
【0034】
本発明の架橋ポリマーはさらに場合により、1種以上の、好ましくは1種の重合性不飽和基を有する希釈モノマー由来の反復単位を含むことができる。限定されるものでないが、希釈モノマーとしては、スチレン、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸アミド、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、イソプレン、ブタジエン等を挙げることができる。
【0035】
好ましい態様の架橋ポリマーを構成するのに必須の(a)のマクロモノマーと(b)コモノマーと(c)架橋剤は、これらの合計重量が100重量%となるように組み合わされることを前提条件として、重量基準で、それぞれ、好ましくは10〜70重量%と30〜90重量%と0.1〜20重量%であり、より好ましくは(a)が10〜50重量%、(b)が40〜80重量%、(c)が0.2〜10重量%であり、特に好ましくは、(a)が15〜30重量%、(b)が50〜60重量%、(c)が0.5〜1重量%であることができる。
【0036】
これらのモノマーの共重合反応は、ラジカル重合が起こる条件下、例えば、溶媒として、必要により水混和性の有機溶媒、メタノール、エタノールの存在してもよい水、好ましくは水単独で、開始剤として、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、4,4′−アゾビス−4−シアノバレリアン酸等を用いて、必要により加熱下に行うことができる。反応体の混合溶液は、不活性ガス(例えば、窒素、アルゴン等)により脱気を行った状態で、激しく攪拌しながら反応を行えばよい。反応は、反応混合物のアリコートを、例えばガスクロマトグラフィーで分析し、未反応のモノマーが消失するまで行う。こうして、一般的には、架橋ポリマーが微粒子(またはビーズ)状で得られる。このような微粒子の粒径は、反応において、(a)のマクロモノマーと(b)のコモノマーと(c)の架橋剤の使用割合を選ぶことにより、また、(a)のマクロモノマーのPEGの分子量を選ぶことにより、粒径を約30nm〜約1μmに調整することができ、必要により、さらに1μm以上にも調整することができる。したがって、本発明の微粒子はミクロスフェアと称することもできる。通常、コモノマーの配合比を増加させることにより大きい粒径の微粒子を形成できる。他方、架橋剤の使用割合を変化させることにより、網目の疎密を調整できる。また、希釈剤モノマーとして、例えば、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(HEMA)を併用すると微粒子に水溶性を向上させることができ、例えば、スチレンを併用すると微粒子に屈折率の向上特性を付与することができる。
【0037】
こうして得られる微粒子(またはミクロスフェア)は、再現性よく容易に作製でき、主としてシエル領域を構成するPEGの特性とその末端に存在する官能基を利用することにより、特有の機能材料として有用である。例えば、医用では、ラテックス診断薬や細胞分離材料に使用できる。
【0038】
さらに本発明の架橋ポリマーの微粒子は、その網目構造、さらには、第三級アミン部分を介して、金、銀、銅等の自由電子金属、あるいは限定されるものでないが下記半導体の超微粒子を内包した複合微粒子として提供することができる。金、銀等の超微粒子が生物学的アッセイ系で標識として利用されていることは周知であり、また、ある種の半導体、限定されるものでないが、例えば、ZnS、CdSe、CdS、InP、InAs、CdTe、ZnSe、ZnTe等のナノ結晶またはそれらの複合体が有機色素に比べ、より優れた蛍光ラベルであることも知られている(例えば、Chan et al., Science Vol.281(1998)2016−2018;Mamedova et al.,Nano Lett.,Vol.1(2001)282−286;上記 Han et al.,参照)。したがって、本発明に従う複合微粒子は、生物学的アッセイ系で有用である。
【0039】
本明細書で使用するところの「超微粒子(またはナノ粒子)」 は、本発明の高分子ミクロスフェア内に内包される大きさのものをすべて包含するサイズの粒子を意味するが、例えば、半導体超微粒子の場合には、直径が1〜20nmの範囲内にあることができる。例えば、これらの半導体超微粒子は半導体を構成する成分および/または粒径を選ぶことによって発光波長の異なる高分子ミクロスフェアを提供できる。
【0040】
かような金属または半導体超微粒子を内包した架橋ポリマーの微粒子またはミクロスフェアは、本発明に従うミクロスフェアと金属または半導体超微粒子のゾルとを水性媒体中で混合撹拌することにより、作製することができる。また、半導体超微粒子を内包させるには、例えば、周期律表のIIB族またはIIIB族の元素の塩化物等の水溶液を上記ミクロスフェアの水溶液と混合撹拌して該元素をミクロスフェアに内包し、次いで例えば、VIB族の元素とアルカリ金属との塩の水溶液またはH2Sと混合撹拌することにより、ミクロスフェア内において、インサイチュー(in situ)で半導体を形成することによることもできる。
【0041】
【実施例】
以下、具体例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。
<実施例において使用する略号の意味>
略号は、それぞれ以下の意味を表す。
(a)成分:マクロモノマー
m−PEGMA:ポリエチレングリコールマクロモノマー1:α−メトキシ−ω−メタクリロイルポリエチレングリコール
c−PEGVB:ポリエチレングリコールマクロモノマー2:α−ビニルベンジル−ω−カルボキシルポリエチレングリコール
(b)成分:コモノマー
DEAEMA:N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート(モノマー)
(c)成分:架橋剤
EDMA:エチレングリコールジメタクリレート(架橋剤)、
KPS:過硫酸カリウム(重合開始剤)、
微粒子(ナノスフェア):PEG−P(DEAEMA−EDMA)、
CdS内包ナノスフェア:PEG−P(DEAEMA−EDMA)−CdS。
<実施例において使用する分析機器>
GSC(ガスクロマトグラフ):GC5890 SERIES II(ヒューレットパッカート)、
DLS(動的光散乱粒径解析装置):DLS−7000(大塚電子社)、
元素分析測定装置:(パーキンエルマー)、
レーザー微粒子蛍光検出装置:ZEECOM(マイクロテック・ニチオン)。
実施例1:m−PEGMA−P(DEAEMA−EDMA)−400の合成
反応容器にα−メトキシ−ω−メタクリロイルポリエチレングリコール(ポリエチレングリコールマクロモノマーの数平均分子量5,000)12g、KPS449mgおよび水900mlを加え、撹拌溶解した。この反応容器をアスピレータにより脱気を行った後にアルゴン置換した。別の容器をアルゴン置換した後、シリンジ操作によりDEAEMA30gおよびEDMA327mgを加え、攪拌した。更に、前記のDEAEMA/EDMA混合溶液をシリンジ操作により、ポリエチレングリコールマクロモノマー/KPS水溶液に加え、室温で30分間撹拌した後、60℃に昇温し24時間反応させた。24時間後、反応混合物のGC測定を行い、未反応のDEAEMAおよびEDMAが消失していることを確認した。得られた混合物を濾過して不溶物を除いた。その後、可溶成分を遠心分離操作により沈積させ、精製水中に分散させた。このようにしてm−PEGMA−P(DEAEMA−EDMA)−400ナノスフェアーの水溶液を得た。
【0042】
得られたナノスフェアーの粒径および粒度分布を前記のDLSを用いて測定した。また、ナノスフェアー水溶液1mlを凍結乾燥し、水溶液中の重合物含量を算出した。更に、凍結乾燥品の元素分析を行い、乾燥重合物中の窒素含量を算出した。これらの結果を下記の表1に示す。
実施例2:m−PEGMA−P(DEAEMA−EDMA)−300の合成
m−PEGMA(数平均分子量5,000)6.21g、DEAEMA14.71g、EDMA150mg、水450ml、KPS204mgを用いた以外は実施例1と同様の操作を行い、m−PEGMA−P(DEAEMA−EDMA)−300ナノスフェアー水溶液を得た。
【0043】
得られたナノスフェアーについて実施例1と同様の評価を行い、結果を下記の表1に示す。
実施例3:c−PEGVB−P(DEAEMA−EDMA)−50の合成
反応容器にα−ビニルベンジル−ω−カルボキシルポリエチレングリコール(ポリエチレングリコールマクロモノマーの数平均分子量2,000)0.25g、KPS7.7mgおよび水15mlを加え、撹拌溶解した。この反応容器をアスピレータにより脱気を行った。別の容器をアルゴン置換した後、シリンジ操作によりDEAEMA0.50gおよびEDMA5.6mgを加え、撹拌した。更に、前記DEAEMA/EDMA混合溶液をシリンジ操作によりポリエチレングリコールマクロモノマー/KPS水溶液に加え、室温で30分間撹拌した後、60℃に昇温し24時間撹拌させた。24時間後、反応混合物のGC測定を行い、未反応のDEAEMAおよびEDMAが消失していることを確認した。得られた重合物を濾過操作により不溶物を除き、c−PEGVB−P(DEAEMA−EDMA)−50ナノスフェアー水溶液を得た。
【0044】
得られたナノスフェアーについて実施例1と同様の評価を行い、結果を下記の表1に示す。
【0045】
【表1】
【0046】
実施例4:m−PEGMA−P(DEAEMA−EDMA)−400−CdSの調製
実施例1において調製したm−PEGMA−P(DEAEMA−EDMA)−400を用いて、ナノスフェアー中に含まれる窒素含量とカドミウムイオンのモル比を1:1〜1:12の範囲で変化させm−PEGMA−P(DEAEMA−EDMA)−CdSの調製を行った。この調製条件を下記の表2に示す。
【0047】
所定濃度に希釈したm−PEGMA−P(DEAEMA−EDMA)ナノスフェアー水溶液(4ml)に1.0×10−3M塩化カドミウム水溶液1ml(1.0×10−5mol)を加えしばらく撹拌させた。次に、1.0×10−3M硫化ナトリウム9水和物水溶性1ml(1.0×10−5mol)を、室温に於いてゆっくりと滴下させた。1時間反応させることにより、PEG−P(DEAEMA−EDMA)−400−CdSを得た。得られたPEG−P(DEAEMA−EDMA)−400−CdSの外観の状態を下記の表3に示す。
実施例5:m−PEGMA−P(DEAEMA−EDMA)−300−CdSの調製
実施例2において調製したm−PEGMA−P(DEAEMA−EDMA)−300を用いた以外は、実施例4と同様の操作を行い、m−PEGMA−P(DEAEMA−EDMA)−300−CdSを得た。この調製条件を下記の表2に示す。得られたPEG−P(DEAEMA−EDMA)−300−CdSの外観を下記の表3に示す。
実施例6:c−PEGVB−P(DEAEMA−EDMA)−50−CdSの調製
実施例3において調製したc−PEGVB−P(DEAEMA−EDMA)−50を用いた以外は、実施例4と同様の操作を行い、c−PEGVB−P(DEAEMA−EDMA)−50−CdSを得た。この調製条件を下記の表2に示す。得られたc−PEGVB−P(DEAEMA−EDMA)−50−CdSの外観を下記の表3に示す。
【0048】
【表2】
【0049】
【表3】
【0050】
実施例7:レーザー微粒子蛍光検出装置による蛍光観察
実施例4〜6において調製されたm−PEGMA−P(DEAEMA−EDMA)−CdS、c−PEGVB−P(DEAEMA−EDMA)−CdSのうち、試行番号(RUN)10(Cd:N=1:12)、同11(Cd:N=1:1)、同12(Cd:N=1:2)、同13(Cd:N=1:13)、同14(Cd:N=1:8)および同15(Cd:N=1:12)において、マイクロテック・ニチオン社製レーザー微粒子蛍光検出装置を用いて蛍光観察を行った。水中で安定に可溶化されたPEG−P(DEAEMA−EDMA)−CdSは、何れも蛍光性を有することが確認できた(出願人は、これらの結果を示すカラー写真を、本発明審査および効果の確認のために必要があれば制限することなく提出する。)。
実施例8:c−PEGVB−EAMAゲルナノ粒子中における金イオンの自動還元法
(実験条件)
c−PEGVB(数平均分子量1800):EAMA=1:4(wt/wt)の条件で作成したゲル粒子(平均粒径120nm)の水溶液を凍結乾燥し重量濃度を決定したところ、30.16mg/mlであった。このゲル粒子水溶液を1ml取り分け、超純水で5倍に希釈しpH6に調整した。塩化金酸・4水和物水溶液2.5mg/mlを1ml取り分け、pH6に調整し前述のゲル粒子水溶液を激しく攪拌している中に加え、そのまま1日攪拌を続け金イオンを還元した。得られた赤い溶液を5倍希釈し、UV−visスペクトル測定を行った。得られたスペクトグラムを図1に示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例8で行われたUV−visスペクトグラムである。なお、λmax=522.5nmである。
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリ(エチレングリコール)マクロモノマー(以下、PEGマクロモノマーと称する場合もある)に由来する反復単位を有する架橋ポリマー、その特定の形状物、およびそれらの製造方法に関する。特定の形状物は、例えば、バイオアッセイ系における光学的検出手段として好適に使用できる。
【0002】
【従来の技術】
本発明者らは、下記式
【0003】
【化6】
【0004】
で表されるヘテロテレケリックポリマー、ならびに該ポリマーをマクロモノマーとして用い、スチレンまたは(メタ)アクリル酸またはそのエステルもしくはアミドとのコポリマーを提供した(特開平9−302048号公報参照)。前記コポリマーは、PEG鎖を枝ポリマーとする一種のグラフトポリマーであり、グラフトポリマーそれ自体が奏する機能に加え、片末端のアルデヒド(O=CH−)基と介して、各種の生体分子とのコンジュケートを形成する、生体適合性材料として興味がもたれるものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
前記のようなグラフトポリマーまたは、例えば該グラフトポリマーの出発原料として都合よく使用できるマクロモノマーまたはその類似体を利用して、さらに新たな機能を有するポリマー材料が提供できれば、当業技術分野の発展に資することができるであろう。したがって、本発明の目的は、前記グラフトポリマーにさらなる特性または機能が付加した新たなポリマー材料を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、以上のような観点から検討してきたところ、前記のようなマクロモノマーを、少なくとも、第三級アミンモノマーおよび架橋剤と共重合させることにより、機能性基としての第三級アミンをコア領域に有し、そしてPEG由来の可動性の親水性鎖をシエル領域に有する水性媒体中で分散性に優れたゲルが得られることを見出した。こうして得られるゲルは、アミンの窒素原子を介して種々の物質、例えば半導体量子ドットをゲル内に安定に内包しておくことができるだけでなく、PEGの末端に存在しうる官能基を介して生体分子(例えば、抗体、等)とのコンジュゲートを形成することもできるとの機能を有することが確認された。
【0007】
前記の半導体量子ドットを内包したゲルは、例えば、Han et.al.,Nature Biotechnology Vol.19,2001,631−635に記載されている、スチレン、ジビニルベンゼンおよびアクリル酸の乳化重合で生成された架橋ビーズに半導体量子ドットを内包したものに比べて、水性媒体分散性、量子ドットの安定な内包性、生体親和性、等に優れている。
【0008】
したがって、本発明によれば、特有の構造と機能を有しうる架橋ポリマーが提供される。より具体的には本発明によれば、(a) 式I:
【0009】
【化7】
【0010】
[式中、Xは水素原子、−COOZ基(ここで、Zは水素原子または有機基を表す)−CHR1R2(ここで、R1およびR2は、独立して、C1−6アルキルオキシ基、フェニルオキシ基もしくはフェニル−C1−3アルキルオキシ基を表すか、またはR1およびR2は一緒になって−OCHR′−CH2O−であって、R′が水素原子もしくはC1−6アルキル基である基を表す)または−CH=Oを表し、
Raは水素原子またはC1−6アルキル基を表し、
L1はメチレン基またはカルボニル基を表し、
L2はカルボニル基、C1−3アルキレン基またはC1−3アルキルフェニレン基を表し、
nは2〜10,000の整数であり、そして
pは1〜5の整数である]で表されるポリ(エチレングリコール)マクロモノマーと、
(b) 式II:
【0011】
【化8】
【0012】
(式中、R3およびR4は、独立してC1−6アルキル基を表し、Rbは水素原子またはC1−6アルキル基を表し、Yは−O−または−NH−を表し、そしてqは2〜6の整数である)で表されるコモノマーと、
(c) 2個または3個以上の重合性不飽和基を有する架橋剤と、
(d) 場合によって存在してもよい(a)および(b)以外の重合性不飽和基を有する希釈モノマー、
との共重合によって得られる架橋ポリマーが提供される。
【0013】
本発明の好ましい態様では、少なくとも、上記(a)のPEGマクロモノマーと(b)のコモノマーと(c)の架橋剤が重量基準で、それぞれ、10〜70重量%と30〜90重量%と0.1〜20重量%の範囲内にあるが、但し、(a)と(b)と(c)との、存在する場合にはさらに(d)との、合計が100重量%となるように各成分が選択されるか、あるいは組み合わされる、架橋ポリマーが提供される。
【0014】
また、別の態様の本発明としては、殊に水中の共重合により得ることのできる、上記架橋ポリマーから構成される微粒子(またはビーズ)であって、(b)のモノマー由来の第三級アミン部が主としてコアに存在し、そして(a)のマクロモノマー由来のポリエチレンセグメントが主としてシエル(またはコアを取り囲む領域)に存在する微粒子も提供される。
【0015】
さらにまた、前記のような微粒子は金または半導体超微粒子を内包した形態のものとしても提供される。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の架橋ポリマーは、三次元ポリマーまたは網目ポリマーとも称され、殆どが、実質的には水を初めとする溶媒に不溶であるが、水中ではPEGマクロモノマーに由来するPEGセグメントの作用により、分子全体が可溶化され、恰も、通常の意味に用いる溶液のごとき外観を呈する。したがって、本明細書で溶液と称するときは、上記のごとく溶質ポリマー全体が可溶化され、恰も溶液のごとき外観を呈する場合を包含する。
【0017】
前記架橋ポリマーは、それらの水溶液中で微粒子またはビーズ状の形態で可溶化または分散された状態で存在しうる。また、このような微粒子は、遠心分離、濾過、その他の方法により、固体粒子として溶液から分離することもできる。これらのいずれの形態の微粒子も本発明の一態様である。
【0018】
本明細書で使用するところのアルキル基およびアルキルオキシ基におけるアルキル部分は、直鎖または分枝のアルキルを意味する。したがって、C1−6のアルキル基およびアルコキシのアルキル部分としては、メチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、sec.−ブチル、tert.−ブチル、n−ペンチル、iso−ペンチル、n−ヘキシル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル等が挙げられる。これらのうち、式IにおけるR1およびR2にいうアルキルオキシのアルキル部分、ならびに式IIにおけるRb、R3およびR4のアルキル基は、特にC1−3アルキルが好ましい。
【0019】
したがって、R1およびR2にいうアルコキシ基として特に好ましいものとしてはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基が挙げられる。その他、R1およびR2はフェニルオキシ基またはフェニルC1−3アルキルオキシ基、特にベンジルオキシ基もしくはフェネチルオキシ基、を好ましいものとして挙げることができる。これらの基は、同一または異なっていてもよいが、好ましくは同一の基である。また、R1およびR2は、一緒になって、C1−6アルキルで置換されていてもよい1,2−エチレンジオキシ基(−OCH(R′)−CH2O−:ここでR′はC1−6アルキル基である)であってもよいが、好ましくは、1,2−エチレンジオキシ基、1−メチル−1,2−エチレンジオキシ基、1−エチル−1,2−エチレンジオキシ基である。
【0020】
このような基からなる−CHR1R2基は、例えば、酸で処理することにより、R1およびR2が一緒になって、オキシ(=O)すなわち、Xが−CH=Oを表すアルデヒド基に容易に転化できる。従って、Xが水素原子または−CH=O基以外を表す式(I)のマクロモノマーを用いて架橋ポリマーを製造した後、ポリマーを酸(例えば酢酸)で処理することによっても、PEG鎖の分子の片末端にアルデヒド基を有する架橋ポリマーを提供できる。
【0021】
Rbは、好ましくはメチル基または水素原子であり、また、R3およびR4は、独立して、メチル基、エチル基、n−プロピル基であることが好ましい。
【0022】
また、Lはカルボニル基(=C=O)、C1−3アルキレン基またはC1−3アルキルフェニレン基
【0023】
【化9】
【0024】
(ここで、tは1〜3の整数である)
であるが、好ましくはカルボニル基、メチレンおよびベンジレン基
【0025】
【化10】
【0026】
である。
【0027】
nは2〜10,000の整数であることができる。したがって、本発明にいうポリマーの語「ポリマー」は、オリゴマーを包含する概念で使用している。
【0028】
本発明で用いる上記マクロモノマーは式Iの構造を参照し、多様な方法で製造できる。市販のPEGを、例えば、(メタ)アクリル酸クロライド、ビニルベンジルクロリド、アリルクロリドを用いる脱ハロゲン化水素反応により、部分的に末端を修飾することにより製造できるが、例えば、前記特開平9−302048号公報に記載されているように、いわゆるリビング重合によって製造すると、ポリオキシエチレンセグメントは、重合開始剤に対してエチレンオキシドの使用量を調整することによって一峰性の分子量をもつセグメントとすることが可能である。したがってnは、2〜10,000の範囲内で、極めて分布の狭い数(単分散)とすることができ、好ましくは10〜200のいずれかの整数であることができる。
【0029】
pは、1〜5の整数である。好ましくは、1〜3の整数を挙げることができる。
【0030】
式IIのモノマーは、(メタ)アクリル酸のアミノアルキルアミドまたはエステルである。Rb、R3およびR4について上記したとおりの定義を有するものであるが、特に好ましいものとしては、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレートもしくはメタクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレートもしくはメタクリルアミド、およびN,N−ジエチルアミノプロピルメタクリレートもしくはメタクリルアミド、ならびにこれらの対応するアクリレートもしくはアクリルアミドを挙げることができる。
【0031】
(c)の架橋剤は2個または3個以上の重合性不飽和基を有する多官能性のモノマーであって、式Iおよび式IIのモノマーと共重合でき、本発明の目的を達成できるものであればいかなる架橋剤であってもよい。また、多種多様な市販されている架橋剤がそのまま使用できる。好ましいものとしては、限定されるものでないが、式III:
【0032】
【化11】
【0033】
(式中、Rcは水素原子またはC1−6アルキル基を表し、Y′は原子価結合、CO−または−NH−を表し、Aはフェニレン基−(CH2)r−(ここで、rは1〜4の整数である)または−(OCH2CH2O)s−(ここで、sは1〜4の整数である)で表される架橋剤を挙げることができる。より具体的に、特に好ましい架橋剤としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼンおよびN,N′−メチレンビスアクリルアミドである。
【0034】
本発明の架橋ポリマーはさらに場合により、1種以上の、好ましくは1種の重合性不飽和基を有する希釈モノマー由来の反復単位を含むことができる。限定されるものでないが、希釈モノマーとしては、スチレン、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸アミド、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、イソプレン、ブタジエン等を挙げることができる。
【0035】
好ましい態様の架橋ポリマーを構成するのに必須の(a)のマクロモノマーと(b)コモノマーと(c)架橋剤は、これらの合計重量が100重量%となるように組み合わされることを前提条件として、重量基準で、それぞれ、好ましくは10〜70重量%と30〜90重量%と0.1〜20重量%であり、より好ましくは(a)が10〜50重量%、(b)が40〜80重量%、(c)が0.2〜10重量%であり、特に好ましくは、(a)が15〜30重量%、(b)が50〜60重量%、(c)が0.5〜1重量%であることができる。
【0036】
これらのモノマーの共重合反応は、ラジカル重合が起こる条件下、例えば、溶媒として、必要により水混和性の有機溶媒、メタノール、エタノールの存在してもよい水、好ましくは水単独で、開始剤として、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、4,4′−アゾビス−4−シアノバレリアン酸等を用いて、必要により加熱下に行うことができる。反応体の混合溶液は、不活性ガス(例えば、窒素、アルゴン等)により脱気を行った状態で、激しく攪拌しながら反応を行えばよい。反応は、反応混合物のアリコートを、例えばガスクロマトグラフィーで分析し、未反応のモノマーが消失するまで行う。こうして、一般的には、架橋ポリマーが微粒子(またはビーズ)状で得られる。このような微粒子の粒径は、反応において、(a)のマクロモノマーと(b)のコモノマーと(c)の架橋剤の使用割合を選ぶことにより、また、(a)のマクロモノマーのPEGの分子量を選ぶことにより、粒径を約30nm〜約1μmに調整することができ、必要により、さらに1μm以上にも調整することができる。したがって、本発明の微粒子はミクロスフェアと称することもできる。通常、コモノマーの配合比を増加させることにより大きい粒径の微粒子を形成できる。他方、架橋剤の使用割合を変化させることにより、網目の疎密を調整できる。また、希釈剤モノマーとして、例えば、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル(HEMA)を併用すると微粒子に水溶性を向上させることができ、例えば、スチレンを併用すると微粒子に屈折率の向上特性を付与することができる。
【0037】
こうして得られる微粒子(またはミクロスフェア)は、再現性よく容易に作製でき、主としてシエル領域を構成するPEGの特性とその末端に存在する官能基を利用することにより、特有の機能材料として有用である。例えば、医用では、ラテックス診断薬や細胞分離材料に使用できる。
【0038】
さらに本発明の架橋ポリマーの微粒子は、その網目構造、さらには、第三級アミン部分を介して、金、銀、銅等の自由電子金属、あるいは限定されるものでないが下記半導体の超微粒子を内包した複合微粒子として提供することができる。金、銀等の超微粒子が生物学的アッセイ系で標識として利用されていることは周知であり、また、ある種の半導体、限定されるものでないが、例えば、ZnS、CdSe、CdS、InP、InAs、CdTe、ZnSe、ZnTe等のナノ結晶またはそれらの複合体が有機色素に比べ、より優れた蛍光ラベルであることも知られている(例えば、Chan et al., Science Vol.281(1998)2016−2018;Mamedova et al.,Nano Lett.,Vol.1(2001)282−286;上記 Han et al.,参照)。したがって、本発明に従う複合微粒子は、生物学的アッセイ系で有用である。
【0039】
本明細書で使用するところの「超微粒子(またはナノ粒子)」 は、本発明の高分子ミクロスフェア内に内包される大きさのものをすべて包含するサイズの粒子を意味するが、例えば、半導体超微粒子の場合には、直径が1〜20nmの範囲内にあることができる。例えば、これらの半導体超微粒子は半導体を構成する成分および/または粒径を選ぶことによって発光波長の異なる高分子ミクロスフェアを提供できる。
【0040】
かような金属または半導体超微粒子を内包した架橋ポリマーの微粒子またはミクロスフェアは、本発明に従うミクロスフェアと金属または半導体超微粒子のゾルとを水性媒体中で混合撹拌することにより、作製することができる。また、半導体超微粒子を内包させるには、例えば、周期律表のIIB族またはIIIB族の元素の塩化物等の水溶液を上記ミクロスフェアの水溶液と混合撹拌して該元素をミクロスフェアに内包し、次いで例えば、VIB族の元素とアルカリ金属との塩の水溶液またはH2Sと混合撹拌することにより、ミクロスフェア内において、インサイチュー(in situ)で半導体を形成することによることもできる。
【0041】
【実施例】
以下、具体例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。
<実施例において使用する略号の意味>
略号は、それぞれ以下の意味を表す。
(a)成分:マクロモノマー
m−PEGMA:ポリエチレングリコールマクロモノマー1:α−メトキシ−ω−メタクリロイルポリエチレングリコール
c−PEGVB:ポリエチレングリコールマクロモノマー2:α−ビニルベンジル−ω−カルボキシルポリエチレングリコール
(b)成分:コモノマー
DEAEMA:N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート(モノマー)
(c)成分:架橋剤
EDMA:エチレングリコールジメタクリレート(架橋剤)、
KPS:過硫酸カリウム(重合開始剤)、
微粒子(ナノスフェア):PEG−P(DEAEMA−EDMA)、
CdS内包ナノスフェア:PEG−P(DEAEMA−EDMA)−CdS。
<実施例において使用する分析機器>
GSC(ガスクロマトグラフ):GC5890 SERIES II(ヒューレットパッカート)、
DLS(動的光散乱粒径解析装置):DLS−7000(大塚電子社)、
元素分析測定装置:(パーキンエルマー)、
レーザー微粒子蛍光検出装置:ZEECOM(マイクロテック・ニチオン)。
実施例1:m−PEGMA−P(DEAEMA−EDMA)−400の合成
反応容器にα−メトキシ−ω−メタクリロイルポリエチレングリコール(ポリエチレングリコールマクロモノマーの数平均分子量5,000)12g、KPS449mgおよび水900mlを加え、撹拌溶解した。この反応容器をアスピレータにより脱気を行った後にアルゴン置換した。別の容器をアルゴン置換した後、シリンジ操作によりDEAEMA30gおよびEDMA327mgを加え、攪拌した。更に、前記のDEAEMA/EDMA混合溶液をシリンジ操作により、ポリエチレングリコールマクロモノマー/KPS水溶液に加え、室温で30分間撹拌した後、60℃に昇温し24時間反応させた。24時間後、反応混合物のGC測定を行い、未反応のDEAEMAおよびEDMAが消失していることを確認した。得られた混合物を濾過して不溶物を除いた。その後、可溶成分を遠心分離操作により沈積させ、精製水中に分散させた。このようにしてm−PEGMA−P(DEAEMA−EDMA)−400ナノスフェアーの水溶液を得た。
【0042】
得られたナノスフェアーの粒径および粒度分布を前記のDLSを用いて測定した。また、ナノスフェアー水溶液1mlを凍結乾燥し、水溶液中の重合物含量を算出した。更に、凍結乾燥品の元素分析を行い、乾燥重合物中の窒素含量を算出した。これらの結果を下記の表1に示す。
実施例2:m−PEGMA−P(DEAEMA−EDMA)−300の合成
m−PEGMA(数平均分子量5,000)6.21g、DEAEMA14.71g、EDMA150mg、水450ml、KPS204mgを用いた以外は実施例1と同様の操作を行い、m−PEGMA−P(DEAEMA−EDMA)−300ナノスフェアー水溶液を得た。
【0043】
得られたナノスフェアーについて実施例1と同様の評価を行い、結果を下記の表1に示す。
実施例3:c−PEGVB−P(DEAEMA−EDMA)−50の合成
反応容器にα−ビニルベンジル−ω−カルボキシルポリエチレングリコール(ポリエチレングリコールマクロモノマーの数平均分子量2,000)0.25g、KPS7.7mgおよび水15mlを加え、撹拌溶解した。この反応容器をアスピレータにより脱気を行った。別の容器をアルゴン置換した後、シリンジ操作によりDEAEMA0.50gおよびEDMA5.6mgを加え、撹拌した。更に、前記DEAEMA/EDMA混合溶液をシリンジ操作によりポリエチレングリコールマクロモノマー/KPS水溶液に加え、室温で30分間撹拌した後、60℃に昇温し24時間撹拌させた。24時間後、反応混合物のGC測定を行い、未反応のDEAEMAおよびEDMAが消失していることを確認した。得られた重合物を濾過操作により不溶物を除き、c−PEGVB−P(DEAEMA−EDMA)−50ナノスフェアー水溶液を得た。
【0044】
得られたナノスフェアーについて実施例1と同様の評価を行い、結果を下記の表1に示す。
【0045】
【表1】
【0046】
実施例4:m−PEGMA−P(DEAEMA−EDMA)−400−CdSの調製
実施例1において調製したm−PEGMA−P(DEAEMA−EDMA)−400を用いて、ナノスフェアー中に含まれる窒素含量とカドミウムイオンのモル比を1:1〜1:12の範囲で変化させm−PEGMA−P(DEAEMA−EDMA)−CdSの調製を行った。この調製条件を下記の表2に示す。
【0047】
所定濃度に希釈したm−PEGMA−P(DEAEMA−EDMA)ナノスフェアー水溶液(4ml)に1.0×10−3M塩化カドミウム水溶液1ml(1.0×10−5mol)を加えしばらく撹拌させた。次に、1.0×10−3M硫化ナトリウム9水和物水溶性1ml(1.0×10−5mol)を、室温に於いてゆっくりと滴下させた。1時間反応させることにより、PEG−P(DEAEMA−EDMA)−400−CdSを得た。得られたPEG−P(DEAEMA−EDMA)−400−CdSの外観の状態を下記の表3に示す。
実施例5:m−PEGMA−P(DEAEMA−EDMA)−300−CdSの調製
実施例2において調製したm−PEGMA−P(DEAEMA−EDMA)−300を用いた以外は、実施例4と同様の操作を行い、m−PEGMA−P(DEAEMA−EDMA)−300−CdSを得た。この調製条件を下記の表2に示す。得られたPEG−P(DEAEMA−EDMA)−300−CdSの外観を下記の表3に示す。
実施例6:c−PEGVB−P(DEAEMA−EDMA)−50−CdSの調製
実施例3において調製したc−PEGVB−P(DEAEMA−EDMA)−50を用いた以外は、実施例4と同様の操作を行い、c−PEGVB−P(DEAEMA−EDMA)−50−CdSを得た。この調製条件を下記の表2に示す。得られたc−PEGVB−P(DEAEMA−EDMA)−50−CdSの外観を下記の表3に示す。
【0048】
【表2】
【0049】
【表3】
【0050】
実施例7:レーザー微粒子蛍光検出装置による蛍光観察
実施例4〜6において調製されたm−PEGMA−P(DEAEMA−EDMA)−CdS、c−PEGVB−P(DEAEMA−EDMA)−CdSのうち、試行番号(RUN)10(Cd:N=1:12)、同11(Cd:N=1:1)、同12(Cd:N=1:2)、同13(Cd:N=1:13)、同14(Cd:N=1:8)および同15(Cd:N=1:12)において、マイクロテック・ニチオン社製レーザー微粒子蛍光検出装置を用いて蛍光観察を行った。水中で安定に可溶化されたPEG−P(DEAEMA−EDMA)−CdSは、何れも蛍光性を有することが確認できた(出願人は、これらの結果を示すカラー写真を、本発明審査および効果の確認のために必要があれば制限することなく提出する。)。
実施例8:c−PEGVB−EAMAゲルナノ粒子中における金イオンの自動還元法
(実験条件)
c−PEGVB(数平均分子量1800):EAMA=1:4(wt/wt)の条件で作成したゲル粒子(平均粒径120nm)の水溶液を凍結乾燥し重量濃度を決定したところ、30.16mg/mlであった。このゲル粒子水溶液を1ml取り分け、超純水で5倍に希釈しpH6に調整した。塩化金酸・4水和物水溶液2.5mg/mlを1ml取り分け、pH6に調整し前述のゲル粒子水溶液を激しく攪拌している中に加え、そのまま1日攪拌を続け金イオンを還元した。得られた赤い溶液を5倍希釈し、UV−visスペクトル測定を行った。得られたスペクトグラムを図1に示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例8で行われたUV−visスペクトグラムである。なお、λmax=522.5nmである。
Claims (10)
- (a) 式I:
Raは水素原子またはC1−6アルキル基を表し、
L1はメチレン基またはカルボニル基を表し、
L2はカルボニル基、C1−3アルキレン基またはC1−3アルキルフェニレン基を表し、
nは2〜10,000の整数であり、そして
pは1〜5の整数である]で表されるポリ(エチレングリコール)マクロモノマーと、
(b) 式II:
(c) 2個または3個以上の重合性不飽和基を有する架橋剤と、
(d) 場合によって存在してもよい(a)および(b)以外の重合性不飽和基を有する希釈モノマー、
との共重合によって得られる架橋ポリマー。 - (a)のポリ(エチレングリコール)マクロモノマーと(b)のコモノマーと(c)の架橋剤が、重量基準で、それぞれ、10〜70重量%と30〜90重量%と0.1〜20重量%であるが、但し、(a)と(b)と(c)との、存在する場合にはさらに(d)との、合計が100重量%になるように各成分が選択される、請求項1記載の架橋ポリマー。
- (a)、(b)および(c)のみから得られる請求項1または2記載の架橋ポリマー。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の架橋ポリマーから構成される微粒子であって、(b)のモノマー由来の第三級アミン部が主としてコアに存在し、そして(a)のマクロモノマー由来のポリエチレンセグメントが主としてシエル(またはコアを取り囲む領域)に存在する微粒子。
- さらに、コア部に粒径が1nm〜40nmの金または半導体超微粒子を内包した請求項5記載の微粒子。
- 金または半導体超微粒子を内包した微粒子の粒径が30nm〜1μmである請求項6記載の微粒子。
- 不活性ガスの雰囲気下で、(a) 式I:
Raは水素原子またはC1−6アルキル基を表し、
L1はメチレン基またはカルボニル基を表し、
L2はカルボニル基、C1−3アルキレン基またはC1−3アルキルフェニレン基を表し、
nは2〜10,000の整数であり、そして
pは1〜5の整数である]で表されるポリ(エチレングリコール)マクロモノマーおよび重合開始剤を含有する水溶液と、
(b) 式II:
(c) 2個または3個以上の重合性不飽和基を有する架橋剤とを室温下で混合し、次いでこの混合液を攪拌しながら共重合反応が開始できる温度に加温し、(b)のコモノマーおよび(c)の架橋剤が実質的に検出できなくなるまで反応を継続する工程を含んでなり、かつ、(a)のマクロモノマーと(b)のコモノマーと(c)の架橋剤が、重量基準で、それぞれ10〜70重量%と30〜90重量%と0.1〜20重量%との範囲内で、合計100重量%となるように使用されることを特徴とする微粒子を形成している架橋ポリマーの製造方法。 - 請求項5記載の微粒子の水溶液を周期律表のIIB族もしくはIIIB族元素の塩化物の水溶液と混合攪拌し、次いで、VIB族元素のアルカリ金属塩を前記塩化物の当量以上含有する水溶液を加えて、さらに反応させる工程を含んでなり、かつ、微粒子の窒素含量とIIB族もしくはIIIB族元素のモル比を1:1〜1:12で用いることを特徴とする、半導体超微粒子を内包した架橋ポリマー微粒子の製造方法。
- 塩化物は塩化カドミウムであり、そして塩が硫化ナトリウムである請求項9記載の製造方法。
Priority Applications (8)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002121850A JP2004067703A (ja) | 2002-04-24 | 2002-04-24 | 架橋ポリマー、微粒子および製造方法 |
EP03725640A EP1500670A4 (en) | 2002-04-24 | 2003-04-23 | NETWORKED POLYMER, FINE POLYMER PARTICLES AND MANUFACTURING METHOD THEREFOR |
CNB038091941A CN100349938C (zh) | 2002-04-24 | 2003-04-23 | 交联聚合物、聚合物微粒及其制备方法 |
US10/512,424 US7129293B2 (en) | 2002-04-24 | 2003-04-23 | Crosslinked polymers, fine polymer particle, and process for producing these |
KR1020047015508A KR100645276B1 (ko) | 2002-04-24 | 2003-04-23 | 가교 폴리머, 폴리머 미립자 및 이들의 제조 방법 |
CA002483309A CA2483309A1 (en) | 2002-04-24 | 2003-04-23 | Crosslinked polymers, polymer fine particles, and processes for producing them |
PCT/JP2003/005144 WO2003091302A1 (fr) | 2002-04-24 | 2003-04-23 | Polymere reticule, particule fine de polymere et leur procede de production |
JP2003118379A JP4086188B2 (ja) | 2002-04-24 | 2003-04-23 | 架橋ポリマー、ポリマー微粒子およびそれらの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002121850A JP2004067703A (ja) | 2002-04-24 | 2002-04-24 | 架橋ポリマー、微粒子および製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004067703A true JP2004067703A (ja) | 2004-03-04 |
Family
ID=29267418
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002121850A Pending JP2004067703A (ja) | 2002-04-24 | 2002-04-24 | 架橋ポリマー、微粒子および製造方法 |
Country Status (7)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US7129293B2 (ja) |
EP (1) | EP1500670A4 (ja) |
JP (1) | JP2004067703A (ja) |
KR (1) | KR100645276B1 (ja) |
CN (1) | CN100349938C (ja) |
CA (1) | CA2483309A1 (ja) |
WO (1) | WO2003091302A1 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006129969A1 (en) * | 2005-06-01 | 2006-12-07 | Lg Chem. Ltd. | Functional organic particle, and method for preparing the same |
Families Citing this family (21)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20080260851A1 (en) * | 2004-05-13 | 2008-10-23 | The Trustees Of Columbia University In The City Of New York | Polymeric Nanoparticles and Nanogels for Extraction and Release of Compounds |
JP5093903B2 (ja) * | 2005-10-14 | 2012-12-12 | バイブ ナノ, インコーポレイテッド | 複合ナノ粒子、ナノ粒子およびその生成方法 |
AU2011244891B2 (en) * | 2005-10-14 | 2013-05-23 | Vive Crop Protection Inc. | Composite nanoparticles, nanoparticles and methods for producing same |
JP4706435B2 (ja) * | 2005-10-26 | 2011-06-22 | 日油株式会社 | 化粧料、化粧料用ナノ粒子及び化粧料用粉体 |
US7993749B2 (en) * | 2005-12-16 | 2011-08-09 | University Of Kansas | Nanoparticles comprising a nanoparticle template and a polymer shell having an amide side chain, and method of making thereof |
JP2009542862A (ja) * | 2006-06-29 | 2009-12-03 | インヴィトロジェン ダイナル エーエス | マルチブロックポリマーを含む粒子 |
US20080193766A1 (en) * | 2007-02-13 | 2008-08-14 | Northern Nanotechnologies | Control of Transport to and from Nanoparticle Surfaces |
WO2009028503A1 (ja) * | 2007-08-27 | 2009-03-05 | Nof Corporation | 熱可塑性樹脂組成物 |
CN101186706B (zh) * | 2007-11-15 | 2010-08-25 | 天津大学 | 一种peg系凝胶纳米颗粒的制备方法 |
US7645318B2 (en) * | 2008-05-07 | 2010-01-12 | Vive Nano, Inc. | Producing nanoparticles using nanoscale polymer templates |
TWI365185B (en) * | 2008-07-24 | 2012-06-01 | Lilly Co Eli | Amidophenoxyindazoles useful as inhibitors of c-met |
US10191060B2 (en) | 2009-11-09 | 2019-01-29 | University Of Washington | Functionalized chromophoric polymer dots and bioconjugates thereof |
JP6279902B2 (ja) | 2010-10-18 | 2018-02-14 | ユニバーシティ オブ ワシントン センター フォー コマーシャライゼーション | 発色団ポリマードット |
US9797840B2 (en) | 2011-11-28 | 2017-10-24 | University Of Washington Through Its Center For Commercialization | Highly fluorescent polymer nanoparticle |
EP3718573A1 (en) | 2011-12-30 | 2020-10-07 | University of Washington Through Its Center for Commercialization | Chromophoric polymer dots with narrow-band emission |
EP2809510B1 (en) | 2012-02-03 | 2021-03-31 | University of Washington through its Center for Commercialization | Polyelectrolyte-coated polymer dots and related methods |
US10514381B2 (en) | 2013-03-14 | 2019-12-24 | University Of Washington Through Its Center For Commercialization | Polymer dot compositions and related methods |
EP2923712A1 (en) | 2014-03-28 | 2015-09-30 | Spago Imaging AB | Nanostructures and applications thereof |
US9700635B2 (en) | 2015-11-11 | 2017-07-11 | International Business Machines Corporation | Hydrogels from dynamic covalent networks |
CN107552806B (zh) * | 2016-06-30 | 2020-01-21 | 郑州科斗科技有限公司 | 一种可大规模制备的具有尺寸与分散性可控的Fe3O4@Au核@壳结构纳米棒的制备方法 |
EP3763758A4 (en) * | 2018-03-07 | 2021-10-27 | Maruzen Petrochemical Co., Ltd. | CORE / SHELL POLYMER MICROPARTICLE, DISPERSION OF PARTICLES, AND METHOD OF MANUFACTURING THESE MICROPARTICLE |
Family Cites Families (18)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS62180745A (ja) | 1986-02-04 | 1987-08-08 | Res Dev Corp Of Japan | ラングミユア−ブロジエツト膜内で調製した超微粒子,その製造方法,及びそれからなる触媒 |
US5608021A (en) * | 1993-11-29 | 1997-03-04 | Osaka Yuki Kagaku Kogyo Kabushiki Kaisha | Cationic polymer thickener and process for preparing the same |
JPH08133990A (ja) | 1994-11-10 | 1996-05-28 | Nippon Oil & Fats Co Ltd | 反応性マイクロスフェアー |
JP2690276B2 (ja) * | 1995-01-10 | 1997-12-10 | 科学技術振興事業団 | 静電結合型高分子ミセル薬物担体とその薬剤 |
JPH0978056A (ja) | 1995-09-11 | 1997-03-25 | Mitsubishi Paper Mills Ltd | 帯電防止剤 |
JP3345826B2 (ja) | 1996-05-09 | 2002-11-18 | 一則 片岡 | グラフトポリマーおよびその前駆体 |
WO1998046655A1 (fr) | 1997-04-14 | 1998-10-22 | Yukio Nagasaki | Polymere methacrylique possedant un groupe fonctionnel terminal, et composition a base de ce polymere |
JPH10317022A (ja) * | 1997-05-22 | 1998-12-02 | Daiken Kagaku Kogyo Kk | 金属微粒子粉末の製造方法 |
US6696089B2 (en) * | 1998-09-03 | 2004-02-24 | Board Of Regents Of The University Of Nebraska | Nanogel networks including polyion polymer fragments and biological agent compositions thereof |
US6306610B1 (en) * | 1998-09-18 | 2001-10-23 | Massachusetts Institute Of Technology | Biological applications of quantum dots |
ES2261111T3 (es) * | 1999-03-12 | 2006-11-16 | Basf Aktiengesellschaft | Sales polimericas solubles en agua o dispersables en agua. |
AU5248600A (en) | 1999-06-15 | 2001-01-02 | Kimoto, Masaaki | Ultrafine composite metal powder and method for producing the same |
JP3725743B2 (ja) | 1999-11-24 | 2005-12-14 | 独立行政法人科学技術振興機構 | 金属超微粒子とその製造方法 |
JP3579765B2 (ja) | 1999-12-29 | 2004-10-20 | 大研化学工業株式会社 | 金属超微粒子及びその製造方法 |
JP4518220B2 (ja) | 2000-01-17 | 2010-08-04 | 独立行政法人科学技術振興機構 | ポリエチレングリコール化金属超微粒子 |
JP2002080903A (ja) * | 2000-09-08 | 2002-03-22 | Japan Science & Technology Corp | 分散安定化機能性金族微粒子及び半導体微粒子およびその製造方法 |
JP2002211062A (ja) | 2001-01-17 | 2002-07-31 | Canon Inc | インクジェット記録装置 |
JP2002212062A (ja) * | 2001-01-24 | 2002-07-31 | Teijin Ltd | 遅延放出制御組成物 |
-
2002
- 2002-04-24 JP JP2002121850A patent/JP2004067703A/ja active Pending
-
2003
- 2003-04-23 US US10/512,424 patent/US7129293B2/en not_active Expired - Fee Related
- 2003-04-23 EP EP03725640A patent/EP1500670A4/en not_active Withdrawn
- 2003-04-23 KR KR1020047015508A patent/KR100645276B1/ko not_active IP Right Cessation
- 2003-04-23 CA CA002483309A patent/CA2483309A1/en not_active Abandoned
- 2003-04-23 WO PCT/JP2003/005144 patent/WO2003091302A1/ja active Application Filing
- 2003-04-23 CN CNB038091941A patent/CN100349938C/zh not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006129969A1 (en) * | 2005-06-01 | 2006-12-07 | Lg Chem. Ltd. | Functional organic particle, and method for preparing the same |
US7736691B2 (en) | 2005-06-01 | 2010-06-15 | Lg Chem, Ltd. | Method for preparing functional organic particle |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
KR100645276B1 (ko) | 2006-11-14 |
WO2003091302A1 (fr) | 2003-11-06 |
EP1500670A4 (en) | 2006-06-07 |
CN100349938C (zh) | 2007-11-21 |
KR20050002913A (ko) | 2005-01-10 |
CN1649922A (zh) | 2005-08-03 |
US7129293B2 (en) | 2006-10-31 |
EP1500670A1 (en) | 2005-01-26 |
CA2483309A1 (en) | 2003-11-06 |
US20050171289A1 (en) | 2005-08-04 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP2004067703A (ja) | 架橋ポリマー、微粒子および製造方法 | |
JP7089291B2 (ja) | コード化された発色団ポリマー粒子 | |
EP1231905B1 (en) | Responsive polymeric hollow particles | |
JP4638128B2 (ja) | 水性媒体における増強された分散性を有する、表面が修飾された半導性および金属性のナノ粒子 | |
US20090098663A1 (en) | Novel water-soluble nanocrystals comprising a polymeric coating reagent, and methods of preparing the same | |
JPH10330406A (ja) | 重合体親水性ナノ粒子の製造方法 | |
EP1883820A1 (en) | Novel water-soluble nanocrystals comprising a low molecular weight coating reagent, and methods of preparing the same | |
WO2011119654A1 (en) | Ligands for semiconductor nanocrystals | |
KR20190142241A (ko) | 자극반응성을 가지는 이중금속 나노구조체, 이의 제조 방법 및 이의 용도 | |
CA2630174A1 (en) | Loading quantum dots into thermo-responsive microgels by reversible transfer from organic solvents to water | |
Luo et al. | Preparation and drug controlled-release of polyion complex micelles as drug delivery systems | |
CN111040098B (zh) | 一种内部载有量子点的荧光聚合物微球及其制备方法 | |
JP4963789B2 (ja) | 蛍光体または造影剤を含有するラテックスポリマー粒子およびそれらの製造方法 | |
JPH10195152A (ja) | コア−シエル型ミクロスフイアーおよびその製造方法 | |
JP4086188B2 (ja) | 架橋ポリマー、ポリマー微粒子およびそれらの製造方法 | |
CN106861756B (zh) | 一种Au-Pt双金属纳米复合胶束及制备方法与应用 | |
Kim et al. | Thermo-responsive hydrogel-coated gold nanoshells for in vivo drug delivery | |
EP1577331A1 (en) | Latex particles and process for producing the same | |
WO2004001414A1 (fr) | Nanoparticules magnetiques fluorescentes | |
US4224359A (en) | Polyvinyl pyridine microspheres | |
Schwartz et al. | [14] Poly (vinylpyridine) microspheres | |
WO2023027609A1 (ru) | Флуоресцентная многоцелевая наноразмерная метка и конъюгаты на её основе | |
RU2607587C2 (ru) | Способ получения функционализированных визуализирующих агентов с антистоксовой фотолюминесценцией на основе полиакролеиновых дисперсий | |
WO2005036172A1 (ja) | 生物学的被検体の高速検出方法 | |
Behrendt et al. | Quantum dot-polymer bead composites for biological |