JPH08133990A - 反応性マイクロスフェアー - Google Patents

反応性マイクロスフェアー

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JPH08133990A
JPH08133990A JP6276687A JP27668794A JPH08133990A JP H08133990 A JPH08133990 A JP H08133990A JP 6276687 A JP6276687 A JP 6276687A JP 27668794 A JP27668794 A JP 27668794A JP H08133990 A JPH08133990 A JP H08133990A
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JP
Japan
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microsphere
immobilized
reactive
microspheres
oxyalkylene
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Pending
Application number
JP6276687A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeshi Miyazaki
剛 宮崎
Yasuyoshi Koinuma
康美 鯉沼
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NOF Corp
Original Assignee
Nippon Oil and Fats Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 マイクロスフェアー表面に機能性物質が共有
結合により固定されたマイクロスフェアーであって、水
中での分散安定性に優れ、しかもタンパク質などの非特
異的吸着が起こりにくい機能性物質固定化マイクロスフ
ェアーを得る。 【構成】 一般式(1) 【化1】 〔OAはオキシアルキレン基、nは1〜1000、
1、R2は水素またはメチル基〕の化合物とスチレンと
を、有機溶媒と水との混合溶媒中で重合させ、コアにポ
リスチレンが集積し、シェルにポリオキシアルキレン鎖
が集積した構造を有する反応性マイクロスフェアーを
得、次にこのマイクロスフェアー表面上のオキシカルボ
ニルイミダゾール基と機能性物質中のアミノ基とを反応
させ、機能性物質を固定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は(ポリ)オキシアルキレ
ン誘導体をマクロモノマー成分とする反応性マイクロス
フェアー、およびこのマイクロスフェアーに機能性物質
が固定化された機能性物質固定化マイクロスフェアーに
関する。さらに詳しくは、診断薬、薬物運搬体、機能性
塗料、機能性染料、機能性インクなどとして利用するこ
とができる反応性マイクロスフェアーおよび機能性物質
固定化マイクロスフェアーに関する。
【0002】
【従来の技術】塗料または診断薬の分野においては、ポ
リスチレンからなるラテックスまたはマイクロスフェア
ーが広く用いられている。しかし、ポリスチレンのみか
らなるラテックスまたはマイクロスフェアーは、溶媒
中、特に水中での分散安定性が悪くて沈降しやすいた
め、これらを水系媒体中で単独で使用することは難し
く、界面活性剤などとの併用が必要である。また、特に
診断薬用の担体としてポリスチレンラテックスを用いる
場合、ポリスチレンラテックス中にはタンパク質と反応
する官能基が存在していないので、抗体の担持方法は吸
着平衡によるものとなり、このため吸着担持される抗体
量が制限されたり、あるいは吸着担持した抗体が脱離し
やすいという問題点がある。さらに、検体中に共存する
他のタンパク質などが非特異的に吸着し、検出感度や信
頼性を低下させるなどの問題点もある。
【0003】このためスチレンなどと共重合させること
により、得られるポリスチレンラテックスまたはマイク
ロスフェアーに水分散安定性を付与することができるモ
ノマー、あるいは診断薬用高分子のモノマーとして使用
することにより、タンパク質などの機能性物質と容易に
共有結合する官能基を有するモノマーが要望されている
が、このような要望を十分に満足させる化合物は知られ
ていない。従って、塗料または診断薬の分野における要
望を十分に満足させるような水中での分散安定性に優れ
たマイクロスフェアーは得られていない。またマイクロ
スフェアー表面にタンパク質などの機能性物質を化学結
合により容易に固定化することができるマイクロスフェ
アーも得られていない。
【0004】ところで特開昭57−92332号には、
片末端に重合性二重結合、他方の片末端に官能基を有す
るポリオキシアルキレン誘導体が開示され、感光性樹脂
組成物のモノマー成分として利用されている。しかし、
この化合物を、タンパク質等の機能性物質固定用の高分
子を製造するためのマクロモノマーとして利用すること
は示唆されていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、水ま
たは有機媒体中での分散安定性に優れ、しかもタンパク
質などの機能性物質を容易に化学結合により安定に固定
化することが可能で、かつタンパク質などの非特異的吸
着が起こりにくい反応性マイクロスフェアーを提供する
ことである。本発明の他の目的は、上記反応性マイクロ
スフェアーにタンパク質などの機能性物質が化学結合に
より固定されたマイクロスフェアーであって、固定化さ
れた物質の脱離が起らず、しかも固定化された物質の活
性が十分に発揮される機能性物質固定化マイクロスフェ
アーを提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は次の反応性マイ
クロスフェアー、この反応性マイクロスフェアーに機能
性物質が固定化された機能性物質固定化マイクロスフェ
アーである。
【0007】(1)一般式(1)
【化2】 〔式中、OAは炭素数2〜4のオキシアルキレン基、n
はオキシアルキレン基の平均付加モル数で、1〜100
0の正数を表わす。オキシアルキレン基は1種のものが
付加していても、2種以上のものが付加していてもよ
い。2種以上の場合、ランダム状に付加していても、ブ
ロック状に付加していてもよい。R1およびR2はそれぞ
れ独立に水素原子またはメチル基を表わす。〕で表わさ
れる(ポリ)オキシアルキレン誘導体と、疎水性のラジ
カル重合性単量体との共重合体からなることを特徴とす
る反応性マイクロスフェアー。 (2)上記(1)記載の反応性マイクロスフェアーに機
能性物質が固定されたことを特徴とする機能性物質固定
化マイクロスフェアー。
【0008】本発明において、「(ポリ)オキシアルキ
レン」はオキシアルキレンまたはポリオキシアルキレン
を意味する。一般式(1)のOAで表わされるオキシア
ルキレン基は、炭素数2〜4のオキシアルキレン基であ
り、オキシエチレン基、オキシプロピレン基、オキシト
リメチレン基、オキシ−1−エチルエチレン基、オキシ
−1,2−ジメチルエチレン基、オキシテトラメチレン
基などがあげられる。これらのオキシアルキレン基は、
エチレンオキシド、プロピレンオキシド、オキセタン、
1−ブテンオキシド、2−ブテンオキシド、テトラヒド
ロフランなどのアルキレンオキシドを付加重合させた基
である。
【0009】一般式(1)のnは1〜1000、好まし
くは2〜500、さらに好ましくは5〜300の正数で
ある。nが2以上の場合、オキシアルキレン基の種類は
同一のものでも、異なるものでもよい。後者の場合、ラ
ンダムに付加していても、ブロック状に付加していても
よい。親水性を付与する場合、OAとしてはエチレンオ
キシドが単独で付加したものが好ましく、この場合nが
3以上のものが好ましい。また種類の異なるオキシアル
キレンが付加している場合、エチレンオキシドが20モ
ル%、好ましくは50モル%以上付加しているのが望ま
しい。(ポリ)オキシアルキレン鎖に親油性を付与する
場合はエチレンオキシド以外の付加モル数を多くする。
【0010】オキシアルキレン基の種類の異なるものと
しては、例えばオキシエチレン基とオキシプロピレン基
とがランダムに付加したもの、ポリオキシエチレン/ポ
リオキシプロピレンのようにブロック状に付加したも
の、またはポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレン
/ポリオキシエチレンのようにブロック状に付加したも
のなどがあげられる。
【0011】一般式(1)で表わされる(ポリ)オキシ
アルキレン誘導体は、例えば(ポリ)アルキレングリコ
ールのモノメタクリル酸エステルまたはモノアクリル酸
エステル、具体的にはα−メタクリロイル−ω−ヒドロ
キシポリ(オキシエチレン)などと、N,N′−カルボ
ニルジイミダゾールとを、無溶媒であるいはベンゼン、
トルエン、クロロホルム、アセトニトリル、テトラヒド
ロフラン、1,4−ジオキサンなどの有機溶媒中で、−
100〜+150℃、好ましくは0〜100℃で、10
分間〜100時間、好ましくは1〜4時間反応させるこ
とにより容易に製造することができる。反応終了後は、
抽出、蒸留、再結晶、再沈殿、透析、限外濾過、ゲル濾
過、イオン交換樹脂処理、吸着剤処理などの方法によ
り、容易に単離・精製することができる。
【0012】本発明の反応性マイクロスフェアーは一般
式(1)で表わされる(ポリ)オキシアルキレン誘導体
と疎水性のラジカル重合性単量体との共重合体からなる
ものであり、コアに共重合体の主鎖が集積し、シェルに
共重合体の側鎖である(ポリ)オキシアルキレン鎖が集
積した構造を有する粒子であって、(ポリ)オキシアル
キレン鎖の先端に、アミノ基、水酸基またはチオール基
などの官能基、特に第1級アミノ基に対して高い反応活
性を有するオキシカルボニルイミダゾール基またはその
置換基が存在している。反応性マイクロスフェアーの粒
径は特に限定されないが、平均粒径1〜1000nm、
好ましくは100〜500nmのものが望ましい。
【0013】本発明の反応性マイクロスフェアーを模式
的に示すと次式(2)のように表すことができる。
【化3】
【0014】本発明の反応性マイクロスフェアーに親水
性を付与する場合、一般式(1)で表される(ポリ)オ
キシアルキレン誘導体としてはOAがエチレンオキシド
の単独付加であるものを使用するのが好ましく、特にn
が3以上のものを使用するのが好ましい。オキシアルキ
レン基の種類が異なる場合、エチレンオキシドが20モ
ル%以上、好ましくは50モル%以上付加しているポリ
オキシアルキレン誘導体を使用するのが望ましい。この
ようなポリオキシアルキレン誘導体を用いることによ
り、前記式(2)に示したように、親水性のポリオキシ
アルキレン鎖がマイクロスフェアーの表面に集積するの
で、水分散安定性に優れたマイクロスフェアーが得られ
る。またこのような反応性マイクロスフェアーは、ポリ
オキシエチレン鎖またはオキシエチレン基の付加モル数
の多いポリオキシアルキレン鎖が両親媒性を示すので、
酢酸エチル、エタノール、メタノール、プロパノール、
ブタノールなどの有機溶媒中においても分散安定性に優
れている。反応性マイクロスフェアーに親油性を付与す
る場合、エチレンオキシド以外のアルキレンオキシドの
付加モル数が多い(ポリ)オキシアルキレン誘導体を使
用する。
【0015】前記疎水性のラジカル重合性単量体として
は、一般式(1)で表わされる(ポリ)オキシアルキレ
ン誘導体とラジカル重合可能な疎水性の単量体が使用で
き、例えばスチレン、p−クロロスチレン、m−クロロ
スチレン、p−ブロモスチレン、m−ブロモスチレン、
p−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−エチル
スチレン、m−エチルスチレン、p−ジビニルベンゼ
ン、m−ジビニルベンゼン等のスチレン誘導体;ベンジ
ル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレー
ト、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アク
リレート等のアクリル誘導体;酢酸ビニル、安息香酸ビ
ニル等のビニルエステル誘導体などがあげられる。これ
らの中ではスチレン誘導体、特に比重が小さく生成する
反応性マイクロスフェアーの水分散液状態での安定性に
特に優れるという理由からスチレンが好ましい。
【0016】本発明の反応性マイクロスフェアーは、一
般式(1)で表される(ポリ)オキシアルキレン誘導体
と疎水性のラジカル重合性単量体とを、水および水と混
合可能な有機溶媒の混合溶媒中でラジカル重合させるこ
とにより製造することができる。上記有機溶媒として
は、メタノール、エタノール、アセトニトリル、テトラ
ヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジメチルホルムア
ミド、ジメチルスルホキシド、ジメチルアセタミドなど
が好ましく使用できる。これらの中では、特にエタノー
ルが好ましい。有機溶媒と水との混合割合は、有機溶
媒:水の体積比で5:95〜99:1(5〜99体積
%)、好ましくは50:50〜95:5(50〜95体
積%)とするのが望ましい。反応溶媒として水単独また
は有機溶媒単独で用いても、反応性マイクロスフェアー
は形成されない。
【0017】一般式(1)で表わされる(ポリ)オキシ
アルキレン誘導体とラジカル重合性単量体との配合割合
は、(ポリ)オキシアルキレン誘導体:単量体のモル比
で0.01:99.9〜50:50、好ましくは0.
5:99.5〜30:70とするのが望ましい。上記範
囲外になると反応性マイクロスフェアーが形成されにく
くなる。混合溶媒中の総モノマー濃度は0.001〜1
00mol/l、好ましくは0.1〜10mol/lと
するのが望ましい。この範囲外になると反応性マイクロ
スフェアーが形成されにくくなる。
【0018】反応はラジカル重合開始剤の存在下に行う
のが好ましい。ラジカル重合開始剤としては、10時間
半減期温度が10〜150℃の過酸化物またはアゾ系化
合物が好ましい。例えば、過硫酸アンモニウム等の無機
過酸化物;過酸化ベンゾイル、t−ブチルヒドロペルオ
キシド、ジイソプロピルペルオキシジカーボネート、t
−ブチルペルオキシ(2−エチルヘキサノエート)等の
有機過酸化物;2,2′−アゾビス〔2−(5−メチル
−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン〕二塩酸塩、
2,2′−アゾビス〔2−(2−イミダゾリン−2−イ
ル)プロパン〕二塩酸塩、2,2′−アゾビス〔2−
(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン〕、2,2′
−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス
(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、2,2′−アゾビ
ス(2−メチルブチロニトリル)、4,4′−アゾビス
(4−シアノ吉草酸)等のアゾ系化合物などがあげられ
る。ラジカル重合開始剤の使用割合は、総モノマーモル
数に対して0.001〜10mol%、好ましくは0.
1〜5mol%とするのが望ましい。
【0019】重合反応は、脱気封管中で、または窒素、
アルゴン、二酸化炭素などの不活性ガス雰囲気下で、反
応温度0〜150℃、好ましくは10〜60℃、反応時
間30分間〜100時間、好ましくは1〜24時間の条
件で行うことができる。
【0020】また別の方法として、紫外線、電子線、γ
線などの照射による光・放射線重合法などの方法によっ
ても同様に反応性マイクロスフェアーを得ることができ
る。このようにして、重合時のモノマー濃度、溶媒組
成、モノマー組成などの諸条件を選択することにより、
平均粒径1〜1000nm、CV値5〜30%程度の単
分散性に優れた反応性マイクロスフェアーを得ることが
できる。得られた反応性マイクロスフェアーはそのまま
で、あるいは遠心分離、沈降分離、透析、限外濾過、ゲ
ル濾過、イオン交換樹脂処理、吸着剤処理などの方法に
より精製した後、使用することができる。
【0021】本発明の反応性マイクロスフェアーは前記
式(2)に示されているように、コアに主鎖部分が集積
し、シェルに(ポリ)オキシアルキレン鎖が集積した構
造のものであり、水や有機溶媒中での分散安定性に優れ
ている。さらに、(ポリ)オキシアルキレン鎖の先端に
反応性に優れたオキシカルボニルイミダゾール基または
その置換基が存在し、この基が機能性物質固定用のリガ
ンドとなるため、種々の機能性物質を化学的結合により
固定化することが可能である。このため、機能性物質を
固定する基材(担体)として好適に使用することができ
る。またその他にも、コア部に染料や顔料を滲込ませて
機能性染料として使用できるほか、機能性インク、機能
性塗料などとしても使用することもできる。
【0022】本発明の機能性物質固定化マイクロスフェ
アーは、前記反応性マイクロスフェアーに機能性物質が
化学結合(共有結合)により固定されたマイクロスフェ
アーである。固定化する機能性物質は特に限定されない
が、例えば色素、染料、放射線ラベル化合物、蛍光化合
物、化学発光化合物、電極感応性化合物等の標識物質;
光応答性化合物、pH応答性化合物、熱応答性化合物等
の外部刺激応答性化合物;酵素、抗体、抗原、その他の
タンパク質、糖、脂質、糖タンパク質、糖脂質、ホルモ
ン等の生理活性物質;医薬などがあげられる。これらの
中では、分子中にアミノ基、水酸基またはチオール基を
有するものが好ましく、特にオキシカルボニルイミダゾ
ール基またはその置換基と容易に反応する第1級アミノ
基を有するものが好ましい。
【0023】上記抗体の具体的なものとしては、ポリク
ローナル抗体、モノクローナル抗体、これらの一部ユニ
ットなどがあげられる。これらの抗体はヒト、ヤギ、ヒ
ツジ、ウサギ、ニワトリなど、いかなる動物種由来のも
のであっても、またいかなるハイブリドーマに由来する
ものであってもよい。また上記抗原の具体的なものとし
ては、タンパク質、オリゴ糖、高分子糖、低分子ハプテ
ン、コレステロールなどがあげられる。ただしハプテン
の場合には、固定化のために、その分子内にアミノ基、
水酸基またはチオール基のいずれかの官能基を有するこ
とが必要である。このような抗体または抗原が固定化さ
れたマイクロスフェアーは、診断薬として好適に利用さ
れる。
【0024】機能性物質の固定化は反応性マイクロスフ
ェアーのオキシカルボニルイミダゾール基またはその置
換基と、機能性物質のアミノ基、水酸基またはチオール
基などの官能基との間で、アミド結合、エステル結合ま
たはチオールエステル結合などの共有結合を形成するこ
とにより行われる。本発明の機能性物質固定化マイクロ
スフェアーは、前記反応性マイクロスフェアーと機能性
物質とを接触させることにより容易に製造することがで
きる。接触方法としては、反応性マイクロスフェアーの
懸濁液に機能性物質を添加して攪拌する方法などが採用
できる。
【0025】本発明の反応性マイクロスフェアーへの機
能性物質の固定化は、反応溶媒中で反応性マイクロスフ
ェアーと機能性物質とを反応させることにより行うこと
ができる。反応溶媒としては、水、生理的食塩水、また
はpH=5〜12、好ましくは7〜11のリン酸緩衝
液、炭酸緩衝液、クエン酸緩衝液、トリス緩衝液、酢酸
緩衝液等の緩衝液;エタノール、メタノール、アセトニ
トリル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジ
メチルホルムアミド、ジメチルアセタミド、ジメチルス
ルホキシド等の有機溶媒;これらの有機溶媒と水、生理
的食塩水または前記緩衝液との混合溶媒などを使用する
ことができる。
【0026】反応溶液中の反応性マイクロスフェアーの
濃度は、0.001〜50重量%、好ましくは0.01
〜30重量%、機能性物質の濃度は1nmol/l〜1
mol/l、好ましくは1μmol/l〜100mmo
l/lとするのが望ましい。反応温度は0〜100℃、
好ましくはアミノ基との反応の場合は25〜60℃、水
酸基またはチオール基との反応の場合は30〜80℃、
反応時間は10分間〜200時間、好ましくは1分間〜
48時間とするのが望ましい。このような条件の範囲外
になるとマイクロスフェアーの安定性が悪くなる傾向に
ある。機能性物質を固定したマイクロスフェアーを診断
薬として利用する場合は、反応性マイクロスフェアーと
しては平均粒径が100〜500nmのものを使用する
のが好ましい。
【0027】反応性マイクロスフェアーとアミノ基を有
する機能性物質との固定化反応を模式的に示すと次式
(3)のようになる。
【化4】
【0028】反応終了後の混合物は、遠心分離、沈降分
離、ゲルろ過、限外ろ過、透析、イオン交換樹脂処理、
吸着剤処理などの方法により精製することができる。こ
のようにして得られた機能性物質固定化マイクロスフェ
アーは、機能性物質が共有結合により固定されているの
で、機能性物質の脱離は起こらず、安定に固定化された
ものとなる。また表面に(ポリ)オキシアルキレン鎖が
集積しているのでタンパク質などの非特異的な吸着も起
こりにくく、このため機能性物質固定化マイクロスフェ
アーを診断薬として用いた場合でも、検出感度や信頼性
の高いものとなる。さらに固定化された機能性物質の活
性も十分に発揮される。本発明の機能性物質固定化マイ
クロスフェアーは、診断薬の他にも固定化酵素、薬物運
搬体などとしても利用することができる。
【0029】
【発明の効果】本発明の反応性マイクロスフェアーは、
一般式(1)で表される(ポリ)オキシアルキレン誘導
体と疎水性のラジカル重合性単量体との共重合体から構
成されているので、水または有機溶媒中での分散安定性
に優れるとともに、機能性物質を容易に化学結合により
安定に固定化することができる。また反応性マイクロス
フェアーにはタンパク質などの非特異的吸着が起こりに
くい。
【0030】本発明の機能性物質固定化マイクロスフェ
アーは、上記反応性マイクロスフェアーに機能性物質が
化学結合により固定されているので、機能性物質の脱離
は起こらず、しかも固定化された機能性物質の活性が十
分に発揮される。
【0031】
【実施例】以下、実施例により、さらに詳細な説明を行
うが、本発明はこれらに限定されるものではない。 合成例1 ベンゼン中、α−メタクリロイル−ω−ヒドロキシポリ
オキシエチレン(n≒7.6)10.00g(23.8
mmol)およびN,N′−カルボニルジイミダゾール
3.86g(26.2mmol)を混合し、室温で24
時間攪拌した。これを蒸留水20mlで3回洗浄し、無
水硫酸ナトリウムで乾燥した後凍結乾燥し、白色粉末状
の下式(4)のポリオキシアルキレン誘導体を得た。
【化5】
【0032】実施例1−1 溶媒となる80%エタノール水溶液(水:エタノール=
2:8(v/v))5mlに、重合開始剤として2,
2′−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)
プロパン]2.5mg(100μmol;全モノマーに
対して1.5mol%)、合成例1で得たポリオキシア
ルキレン誘導体0.57mmol、およびスチレン2.
88mmolを仕込み、脱気封管中、60℃で48時間
緩やかに振盪させながら重合を行った。その後、大量の
蒸留水中にて48時間透析し、反応性マイクロスフェア
ー分散液を得た。得られた反応性マイクロスフェアーの
粒径をCOULTER N4型サブミクロン粒子分析計
を用いて測定した。平均粒径およびCV値を表1に示
す。
【0033】実施例1−2〜1−5 実施例1−1と同様にして、ただし表1の通りモノマー
配合を種々変えて、反応性マイクロスフェアーを得た。
なお、各実施例とも重合開始剤は全モノマーに対して
1.5mol%になる量で用いた。得られた反応性マイ
クロスフェアーの粒径とCV値を表1に示す。
【0034】実施例1−6 実施例1−1と同様にして、ただし下式(5)のポリオ
キシアルキレン誘導体を用いて反応性マイクロスフェア
ーを得た。得られた反応性マイクロスフェアーの粒径と
CV値を表1に示す。
【化6】
【0035】実施例1−7 実施例1−1と同様にして、ただし下式(6)のポリオ
キシアルキレン誘導体を用いて反応性マイクロスフェア
ーを得た。得られた反応性マイクロスフェアーの粒径と
CV値を表1に示す。
【化7】
【0036】
【表1】
【0037】実施例2−1 実施例1−1で得られた反応性マイクロスフェアーをリ
ン酸緩衝液(0.1M、pH=7.4)を用いて固形分
量2wt%に調製し、この5mlに、20mg/mlの
牛血清アルブミン(以下、BSAと略す)−0.1Mリ
ン酸緩衝液(pH=9.0)3mlを加え、4℃で24
時間インキュベートした。反応終了後、遠心分離し(4
000rpm、10分間)、上澄みを0.1Mリン酸緩
衝液(pH=7.4)で置換する操作を3回繰り返すこ
とにより精製を行い、BSA固定化マイクロスフェアー
を得た。
【0038】得られたBSA固定化マイクロスフェアー
のBSA固定化量を、ニンヒドリン法を用いて定量し
た。すなわち、ニンヒドリン400mg,ヒドリンダン
チン60mgをメチルセロソルブ15mlに溶解した
後、酢酸ナトリウム緩衝液(pH=5.5)5mlを加
えることによりニンヒドリン溶液を調製した。一方、上
記により得られたBSA固定化マイクロスフェアー分散
液1mlに4N塩酸を1ml加え、100℃で2時間処
理した後、さらに4N水酸化ナトリウム溶液により中和
し、蒸留水にて正確に5mlに調整した。さらに遠心分
離(4000rpm、10分間)を行い、上澄み3ml
を計り取り、これに上記ニンヒドリン溶液1mlを加
え、100℃で20分間インキュベートした。水冷した
後、分光光度計にて570nmの吸光度を測定し、あら
かじめ同様の操作で求めた検量線よりBSA固定化量を
算出した結果、25.8μg/mlであった。
【0039】比較例1 実施例1−1と同様にして、ただし式(4)のポリオキ
シアルキレン誘導体の代わりにα−メタクリル−ω−メ
トキシポリオキシエチレン(分子量3000)を用い
て、マイクロスフェアー分散液を調製し、さらに実施例
2−1と同様にしてBSAを接触させた。このマイクロ
スフェアーについて実施例2−1と同様にしてニンヒド
リン法を試みたが、BSA固定化量は0μg/mlであ
り、BSAはマイクロスフェアーに固定化されていない
ことが確認された。
【0040】実施例2−2 実施例2−1と同様にして、ただしBSAの代わりに1
mg/mlの西洋山葵ペルオキシダーゼ(以下HRPと
略す)/0.1Mリン酸緩衝液(pH9.0)3mlを
用いて、HRP固定化マイクロスフェアーを得た。次に
得られたHRP固定化マイクロスフェアーのHRP固定
化の確認を、HRPの酵素活性による発色法により確認
した。すなわち、得られたHRP固定化マイクロスフェ
アー分散液500μlに、HRPの基質である1,2−
フェニレンジアミン溶液(10mmol/l)100μ
lを加え、30℃で10分間インキュベートし、さらに
0.1N硫酸10μlを加えたところ、褐色の呈色が見
られ、HRPの固定化が確認された。
【0041】比較例2 実施例1−1と同様にして、ただし式(4)のポリオキ
シアルキレン誘導体の代わりにα−メタクリル−ω−メ
トキシポリオキシエチレン(分子量3000)を用い
て、マイクロスフェアー分散液を調製し、さらに実施例
2−2と同様にしてHRPを接触させた。このマイクロ
スフェアーについて実施例2−2と同様にして発色法を
試みたが、発色はみられず、HRPはマイクロスフェア
ーに固定化されていないことが確認された。
【0042】実施例2−3 実施例2−1と同様にして、ただしBSAの代わりに1
0mg/mlの抗ヒトヘモグロビン−ヤギIgG/0.
1Mリン酸緩衝液(pH9.0)3mlを用いて、抗体
固定化マイクロスフェアーを得た。次に得られた抗体固
定化マイクロスフェアーの抗体の固定化の確認を、抗原
抗体反応に基づく凝集反応の有無により検定した。すな
わち、得られた抗体固定化マイクロスフェアー分散液5
00μlを、500μg/mlのヒトヘモグロビン−生
理的食塩水1ml中に加え、37℃で10分間インキュ
ベートしたところ、反応器の底に凝集物がみられ、抗体
がマイクロスフェアーに固定化されていることが確認さ
れた。
【0043】比較例3 実施例1−1と同様にして、ただし式(4)のポリオキ
シアルキレン誘導体の代わりにα−メタクリロイル−ω
−メチルポリオキシエチレン(分子量3000)を用い
て、マイクロスフェアー分散液を調製し、さらに実施例
2−3と同様にして抗体を接触させた。このマイクロス
フェアーの凝集反応を試みたが、凝集はみられず、抗体
はマイクロスフェアーに固定化されていないことが確認
された。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 9/00 F 39/385 39/44 49/00 A

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 〔式中、OAは炭素数2〜4のオキシアルキレン基、n
    はオキシアルキレン基の平均付加モル数で、1〜100
    0の正数を表わす。オキシアルキレン基は1種のものが
    付加していても、2種以上のものが付加していてもよ
    い。2種以上の場合、ランダム状に付加していても、ブ
    ロック状に付加していてもよい。R1およびR2はそれぞ
    れ独立に水素原子またはメチル基を表わす。〕で表わさ
    れる(ポリ)オキシアルキレン誘導体と、疎水性のラジ
    カル重合性単量体との共重合体からなることを特徴とす
    る反応性マイクロスフェアー。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の反応性マイクロスフェア
    ーに機能性物質が固定されたことを特徴とする機能性物
    質固定化マイクロスフェアー。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001088541A1 (fr) * 2000-05-18 2001-11-22 Nanocarrier Co., Ltd. Composition contenant des immuno-nanospheres et destinee a un dosage immunologique
US7129293B2 (en) 2002-04-24 2006-10-31 Japan Science And Technology Agency Crosslinked polymers, fine polymer particle, and process for producing these
US7470763B2 (en) * 2002-12-19 2008-12-30 Nanocarrier Co., Ltd. Latex polymer particles containing fluorescent substance or contrast medium and process for producing the same
JP2010505877A (ja) * 2006-10-05 2010-02-25 ザ・ジョンズ・ホプキンス・ユニバーシティー スマートな高分子ナノ粒子を用いた低水溶性薬物用の水分散性経口、非経口および局所的製剤

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WO2001088541A1 (fr) * 2000-05-18 2001-11-22 Nanocarrier Co., Ltd. Composition contenant des immuno-nanospheres et destinee a un dosage immunologique
US7129293B2 (en) 2002-04-24 2006-10-31 Japan Science And Technology Agency Crosslinked polymers, fine polymer particle, and process for producing these
US7470763B2 (en) * 2002-12-19 2008-12-30 Nanocarrier Co., Ltd. Latex polymer particles containing fluorescent substance or contrast medium and process for producing the same
JP2010505877A (ja) * 2006-10-05 2010-02-25 ザ・ジョンズ・ホプキンス・ユニバーシティー スマートな高分子ナノ粒子を用いた低水溶性薬物用の水分散性経口、非経口および局所的製剤

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