JP2000093169A - 高分子/酵素結合体、高分子/酵素/生物学的に特異的な結合を有する物質結合体および用途 - Google Patents

高分子/酵素結合体、高分子/酵素/生物学的に特異的な結合を有する物質結合体および用途

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Abstract

(57)【要約】 【課題】高分子/酵素結合体、高分子/酵素/生物学的
に特異的な結合を有する物質体の提供およびその用途の
提供。 【解決手段】ホスホリルコリン類似基と化学結合可能な
基を有する重合体と酵素とを化学結合して得られる高分
子/酵素結合体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高分子/酵素結合
体および、高分子/酵素/生物学的に特異的な結合を有
する物質結合体、前記結合体を含む免疫学的活性物質測
定試薬および、この試薬を用いた免疫学的活性物質の測
定方法に関する。本発明の免疫学的活性物質測定試薬
は、臨床検査等の分野における免疫学的活性物質(抗原
または抗体)の定量または定性に利用するためのもので
ある。
【0002】
【従来の技術】近年、各種疾患と関連して生体中に出現
する蛋白質等の免疫学的活性物質を、免疫反応(抗原抗
体反応)を利用して検出し、診断に利用することが広く
行われている。このような抗原抗体反応を利用した測定
法としては、放射免疫測定方(RIA)、酵素免疫測定
法(EIA)、蛍光免疫測定法(FIA)、ラテックス
比濁法、免疫比濁法(TIA)などの各種方法が開発さ
れている。
【0003】酵素免疫測定法は、酵素標識した抗体(ま
たは抗原)を利用し、被検物質となる抗原(または抗
体)を測定する方法であり、被検物質に抗原抗体反応に
より結合した酵素標識抗体(または酵素標識抗原)の量
を、酵素活性の測定により行う方法である。このような
酵素免疫測定法は放射性標識物を使用しないので安全で
あり、また定量性に優れているなどの理由で広く利用さ
れている。
【0004】また、近年ますます高感度の免疫学的測定
法が要望されており、酵素免疫測定法においても改善が
行われている。例えば、固定化抗体に検体を加えた後に
洗浄し、次にビオチン標識抗体を加えた後に洗浄し、次
に1)アビチン標識酵素を加えた後に洗浄し、次に酵素
の基質を加える方法や、2)アビチンを加えた後に洗浄
し、次にビオチン標識酵素を加えた後に洗浄し、次に酵
素の基質を加える方法などが知られている{「酵素免疫
測定法」、編集;石川栄治・河合忠・宮井潔、1987
年発行;(株)医学書院}。しかしながら、これらの方
法は、酵素標識抗体を用いる通常の酵素免疫測定方法と
比較すると測定感度は高くなるが、より微量の免疫学的
活性物質を含む検体の測定を行うにはまだ感度が十分で
ないなどの問題がある。
【0005】更に、2−(メタクリロイルオキシ)エチ
ル−2’−トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート
(((以下MPCと略記する)=2−メタクリロイルオ
キシエチルホスホリルコリン)重合体と蛋白質を共存さ
せた場合は、蛋白質の二次構造および、三次構造に変化
を与えないが、ポリエチレングリコール(PEG)と蛋
白質と共存させた場合を比較すると、PEGの場合は、
短時間で二次構造および、三次構造に変化を与えること
が既に知られている(医用器材研究所報告、Vol.3
1、1997年、東京医科歯科大学発行)。即ち、化学
結合可能なる官能基を有する既存のPEGのような水溶
性高分子を酵素に修飾したとしても、その溶解性が低い
こと、容器などへの非特異的な吸着が起きることや、酵
素の構造を変化させてしまうこと(酵素活性を低下させ
てしまうこと)等が問題となっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の第1の目的
は、酵素免疫測定法において、高感度の測定を行うため
の高分子/酵素結合体を提供することにある。本発明の
第2の目的は、酵素免疫測定法において、高感度の測定
を行うための高分子/酵素結合体/生物学的に特異的な
結合を有する物質結合体を提供することにある。本発明
の第3の目的は、酵素免疫測定法において、高分子/酵
素結合体/生物学的に特異的な結合を有する物質結合体
に対応する免疫学的活性物質測定試薬を提供することに
ある。本発明の第4の目的は、この免疫学的活性物質の
測定方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記問題
点を検討した結果特定の基を有する親水性単量体と、酵
素が化学結合可能な官能基を含む単量体組成物を重合し
てなる酵素化学結合可能なる高分子と、酵素とを化学結
合して高分子/酵素結合体が得られることを見出だし、
さらに、生物学的に特異的な結合を有する物質を化学結
合して得られる高分子/酵素/生物学的に特異的な結合
を有する物質結合体が得られることを見出だし、それが
優れた酵素免疫測定法用標識物として有用であることの
知見を得て、本発明を完成した。すなわち、本発明によ
れば、以下の(1)〜(9)の発明が提供される。 (1) ホスホリルコリン類似基と化学結合可能な基を
有する重合体と酵素を化学結合して得られる高分子/酵
素結合体。 (2)次の一般式[I]
【0008】
【化6】
【0009】(ただし、式中のR1、R2およびR3は、
水素原子または炭素原子1〜4のアルキル基を示し、同
一または異なる基であってもよい。nは2〜4の整数で
ある。)で示される基を有する親水性単量体(a1)
と、酵素が化学結合可能な官能基−R4を含む単量体
(a2)を含む単量体組成物を重合してなる酵素化学結
合可能なる高分子と、酵素とを化学結合して得られる一
般式[II]
【0010】
【化7】
【0011】(ただし、式中のEは酵素の残基、Y1は
酵素中の官能基と前記R4の官能基とから形成された
基、aは0または1、bは1以上の数である。)で示さ
れる基を有する高分子/酵素結合体。 (3)親水性単量体(a1)が、下記一般式[III]
【0012】
【化8】
【0013】で示される親水性単量体であり、蛋白質が
化学結合可能な官能基−R4を有する単量体(a2)で
あって、−R4がカルボキシル基、アミノ基、水酸基の
いずれかの官能基を有する単量体である前記の高分子/
酵素結合体。 (4)化学結合可能な官能基−R4を含む単量体が、メ
タクリル酸または2−アミノメチルメタクリレートであ
る前記の高分子/酵素結合体。 (5)高分子/酵素結合体の酵素が、免疫学的活性物質
測定用の酵素である前記の高分子/酵素結合体。 (6)高分子/酵素結合体の未反応の生物学的に特異的
な結合を有する物質が化学結合可能な官能基−R4また
は高分子/酵素結合体の酵素の化学結合が可能な官能基
−R5に、更に生物学的に特異的な結合を有する物質を
化学結合して得られる一般式[IV]
【0014】
【化9】
【0015】(ただし、式中のAは生物学的に特異的な
結合を有する物質の残基、Y2は生物学的に特異的な結
合を有する物質中の官能基と前記−R4または−R5の官
能基とから形成された基、cは0または1、dは1以上
の数である。)で示される基を有する高分子/酵素/生
物学的に特異的な結合を有する物質結合体。 (7)前記の高分子/酵素結合体に、生物学的に特異的
な結合を有する物質が、未反応の化学結合可能な官能基
−R4および高分子/酵素結合体の酵素の化学結合が可
能な官能基−R5に、更に化学結合して得られる一般式
[IV]
【0016】
【化10】
【0017】(ただし、式中のAは生物学的に特異的な
結合を有する物質の残基、Y2は生物学的に特異的な結
合を有する物質中の官能基と前記−R4または−R5の官
能基とから形成された基、cは0または1、dは1以上
の数である。)で示される基を有する高分子/酵素/生
物学的に特異的な結合を有する物質結合体。 (8)生物学的に特異的な結合を有する物質が、抗体、
ビオチン、アビジンあるいは抗原のいずれかの物質であ
る前記の高分子/酵素/生物学的に特異的な結合を有す
る物質結合体。 (9)前記の高分子/酵素/生物学的に特異的な結合を
有する物質結合体とを含むことを特徴とする免疫学的活
性物質測定試薬。 (10)被検物質となる免疫学的活性物質を含む検体
と、前記の免疫学的活性物質測定試薬とを接触させ、検
体中の被検物質と生物学的に特異的な結合を有する物質
とを反応させた後に、得られる反応生成物を酵素反応を
利用して測定することを特徴とする免疫学的活性物質測
定方法。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明で用いられる化学結合可能
な基を有する高分子は、前記の一般式[I]のホスホリ
ルコリン類似基を有する単量体と、前記化学結合可能な
官能基−R4基を有する単量体との組成物を重合して得
られる高分子である。この高分子は、−R4基を介して
酵素と化学的に結合が可能であるとともに、抗原等の蛋
白質や生物学的に特異的な結合を有する物質と化学的に
結合が可能であることを意味する。前記の高分子を構成
する親水性単量体(a1)は、分子中に重合性の二重結
合を有し、さらに一般式[I]で示される基を有する単
量体である。具体的には、このような化合物としては、
例えば、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2’
−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、3−
(メタ)アクリロイルオキシプロピル−2’−(トリエ
チルアンモニオ)エチルホスフェート、4−(メタ)ア
クリロイルオキシブチル−2’−(トリエチルアンモニ
オ)エチルホスフェート、5−(メタ)アクリロイルオ
キシペンチル−2’−(トリエチルアンモニオ)エチル
ホスフェート、6−(メタ)アクリロイルオキシヘキシ
ル−2’−(トリエチルアンモニオ)エチルホスフェー
ト、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル−2’−
(トリエチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−
(メタ)アクリロイルオキシエチル−2’−(トリプロ
ピルアンモニオ)エチルホスフェート、2−(メタ)ア
クリロイルオキシエチル−2’−(トリブチルアンモニ
オ)エチルホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオ
キシプロピル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチル
ホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシブチル
−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェー
ト、2−(メタ)アクリロイルオキシペンチル−2’−
(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−
(メタ)アクリロイルオキシヘキシル−2’−(トリメ
チルアンモニオ)エチルホスフェート、2−(ビニルオ
キシ)エチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチル
ホスフェート、2−(アリルオイルオキシ)エチル−
2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、
2−(p−ビニルベンジルオキシ)エチル−2’−(ト
リメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−(スチ
リルオキシ)エチル−2’−(トリメチルアンモニオ)
エチルホスフェート、2−(ビニルオキシカルボニル)
エチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフ
ェート、2−(アリルオキシカルボニル)エチル−2’
−(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−
(アクリロイルアミノ)エチル−2’−(トリメチルア
ンモニオ)エチルホスフェート、2−(ビニルカルボニ
ルアミノ)エチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エ
チルホスフェート、2−(アリルオキシカルボニルアミ
ノ)エチル−2’−(トリメチルアンモニオ)エチルホ
スフェート、2−(ブテロイルオキシ)エチル−2’−
(トリメチルアンモニオ)エチルホスフェート、2−
(クロトノイルオキシ)エチル−2’−(トリメチルア
ンモニオ)エチルホスフェート、エチル−(2’−トリ
メチルアンモニオエチルホスホリルエチル)フマレー
ト、ブチル−(2’−トリメチルアンモニオエチルホス
ホリルエチル)フマレート、ヒドロキシエチル−(2’
−トリメチルアンモニオエチルホスホリルエチル)フマ
レート等が挙げられる。好ましくは、入手性などから、
前記の式[III]で示される、2−(メタクリロイルオ
キシ)エチル−2’−トリメチルアンモニオ)エチルホ
スフェート(((以下MPCと略す)=2−メタクリロ
イルオキシエチルホスホリルコリン)が挙げられる。
【0019】本発明の前記の高分子の構成成分として用
いられる単量体の、酵素が化学結合可能な官能基−R4
としては、例えば、カルボキシル基、アミノ基、水酸
基、アルデヒド基、メルカプト基、スクシニミジルオキ
シカルボニル基、イミドエステル基、ハロゲノニトリル
基、ハロゲノスルホニル基、ニトロアジドフェニル基、
ジアゾトリフルオロアセチル基、イソシアネート基など
が挙られる。これらの中では、酵素中のアミノ基あるい
は、酵素中の糖鎖を開環させて生じたアルデヒド基との
反応が容易である、カルボキシル基、アミノ基、水酸
基、イソシアネート基などがより好ましい。
【0020】酵素が化学結合可能な官能基−R4を有す
る単量体(a2)は、分子中に重合性の二重結合を有
し、側鎖に酵素が化学結合可能な基(−R4)を有する
単量体である。このような化合物としては、具体的には
例えば、スチレンカルボン酸、(メタ)アクリル酸、3
−ペンテン酸、4−ペンテン酸、3−アリロキシプロピ
オン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルコハク
酸、2−(メタ)アクリオイルオキシエチルフタル酸等
のカルボキシル基を有する単量体、あるいは、アリルア
ミン(塩酸塩)、アミノエチル(メタ)アクリレート
(塩酸塩)、2−メチルアリルアミン、4−アミノスチ
レンなどのアミノ基を有する単量体、(メタ)アクリル
酸クロリド、(メタ)アクリロイルイソシアネート、
(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネートなど
の酵素と反応性を有する基を有する単量体、2−ヒドロ
キシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチ
ル(メタ)アクリルアミドなどの水酸基を有する単量体
などが挙げられる。
【0021】なかでも、親水性単量体(a1)との組み
合わせとしては、アミノエチル(メタ)アクリレート
(塩酸塩)と前記MPCとの組み合わせが好ましく挙げ
られる。
【0022】前記親水性単量体(a1)の単量体組成物
中の含有割合は、単量体組成物中の全単量体中に5〜9
5重量%、特に10〜90重量%の範囲が好ましい。5
重量%未満では得られた高分子/酵素結合体の各種緩衝
溶液、各種生理食塩水、あるいは各種培養液などの水溶
性溶媒中での溶解性が低くなり好ましくない。一方、酵
素が化学結合可能な官能基−R4を有する単量体(a
2)を含む単量体組成物中の含有割合は、全単量体中、
5〜95重量%、特に10〜90重量%の範囲が好まし
い。5重量%未満では、化学結合される酵素量が少なく
なり、免疫学的活性物質測定感度があまり高感度になら
ず好ましくない。
【0023】本発明において、酵素化学結合可能な高分
子は、前記単量体組成物を重合してなる高分子である。
この高分子の重量平均分子量は、特に限定されないが、
好ましくは、1,000〜5,000,000、より好
ましくは、10,000〜500,000である。
【0024】前記酵素化学結合可能な高分子は、前記単
量体組成物を、公知の溶液重合、塊状重合、乳化重合、
懸濁重合等の方法を用いて、必要に応じて重合系を不活
性ガス、例えば、窒素、二酸化炭素、ヘリウムで置換な
いし雰囲気下にし、重合温度0〜100℃、重合時間1
0分〜48時間の条件でラジカル重合させる方法等によ
り調製することができる。重合に際しては、ラジカル重
合開始剤を用いることができる。該重合開始剤としは、
2,2’−アゾビス(2−アミジノプロピル)二塩酸
塩、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、2,
2’−アゾビス(2−(5−メチル−2−イミダゾリン
−2−イル)プロパン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス
イソブチルアミド二水和物、2,2’−アゾビスイソブ
チロニトリル、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、
過酸化ベンゾイル、ジイソプロピルペルオキシジカーボ
ネート、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエ
ート、t−ブチルペルオキシピバレート{日本油脂
(株)社製、商品名「パーロイル−SA」、以下PR−
SAと略す)、t−ブチルペルオキシジイソブチレー
ト、過酸化ラウロイル、アゾビスイソブチロニトリル、
2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリ
ル)、t−ブチルペルオキシネオデカノエート等が挙げ
られる。またさらには、これらのラジカル重合開始剤は
1種または2種以上の混合物が使用できる。また、前記
重合開始剤は、各種レドックス系の促進剤を併用しても
よい。重合開始剤の使用量は、単量体組成物100重量
部に対して、0.01〜5.0重量部が好ましい。
【0025】重合体の精製は、再沈殿法、透析法、限外
濾過法など一般的な精製方法により行うことができる。
【0026】本発明に用いられる酵素としては、従来か
ら酵素免疫測定法において使用されている酵素が使用で
きる。例えば、アセチルコリンエステラーゼ、アルカリ
性ホスファターゼ、β−D−ガラクトシダーゼ、グルコ
アミラーゼ、グルコースオキシダーゼ、ペニシリナー
ゼ、ペルオキシダーゼ、リゾチームなどが挙られる。こ
の中で、酵素免疫測定法において汎用的に用いられるア
ルカリ性ホスファターゼ、β−D−ガラクトシダーゼ、
ペルオキシダーゼなどが望ましく挙げられる。また、こ
れらの酵素は、酵素が結合可能な高分子中の−R4が反
応する、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、各種糖鎖
を開環させたアルデヒド基等の反応性の基を有してい
る。
【0027】前記のような酵素と、前記一般式[I]で
表わされる基を有する親水性単量体(a1)と、酵素が
化学結合可能な官能基−R4を有する単量体(a2)と
を含む単量体組成物を重合してなる酵素化学結合可能な
高分子とを反応させること、即ち、酵素中の前記官能基
と高分子中の−R4を反応させることにより、前記一般
式[II]で表される基を有する高分子/酵素結合体が得
られる。
【0028】ここで、前記一般式[II]においてY
1は、前記酵素中の官能基と酵素化学結合可能なる高分
子中の−R4とから形成される基(結合)であり、具体
的には、例えば、アミド基、ジカルバミド基、ウレア結
合、ジスルフィド結合、イミド酸アミド結合、3−チオ
スクシンイミド結合(マレイミド基にチオール基が反応
して形成された結合)、開環した糖鎖により形成された
アルデヒド基にアミノ基が反応したものを還元して生じ
る結合基などが挙られる。
【0029】前記一般式[II]においてbは、1以上の
数、好ましくは酵素の種類にもよるが1〜100、さら
に好ましくは1〜50である。bが100を越えると、
酵素の種類にもよるが、酵素活性が低下する場合があ
る。
【0030】本発明で用いられる高分子/酵素結合体
は、酵素と化学結合可能な高分子と、酵素とを、重量比
で1:0.0001〜500の割合で含むものである。
酵素の重量比が0.0001未満では免疫学的活性物質
測定時に高感度化があまり起きず効率的ではなく、50
0を越えると溶解性が低下する、あるいは酵素活性の安
定性が低下するので好ましくない。
【0031】本発明で用いられる高分子/酵素結合体の
製造方法は、次の3とおりがある。高分子/酵素結合体
は、前記酵素結合可能なる高分子溶液に、前記酵素を化
学反応させることにより得られる。具体的には例えば、 高分子中のカルボキシル基と酵素中のアミノ基を反応
させる際は、高分子と酵素が溶解している水溶液の中
に、水溶性縮合剤である1−エチル−3−(3−ジメチ
ルアミノプロピル)カルボジイミド・塩酸塩(WSC)
を反応させる方法。 高分子中のアミノ基と酵素中の糖鎖を反応させる際
は、まず酵素中の糖鎖を過ヨウ素酸により開環させ、生
じたアルデヒド基と高分子中のアミノ基を反応させ、そ
の結合を水素化ホウ素ナトリウムで還元させる方法。 高分子中のイソシアネート基と酵素中のアミノ基を反
応させる際は、酵素溶液の中に高分子溶液を添加する方
法。 上記の〜の反応の際は、かき混ぜ、加熱、超音波処
理等により溶解を容易にすることが望ましい。また、透
析、希釈、PH制御、有機溶剤の添加、乾燥、凍結乾燥
等の操作を適宜選択して用いることができる。
【0032】前記酵素結合可能な高分子溶液と、前記酵
素溶液を混合させる際の、高分子および酵素の溶媒とし
ては、同一または異なっていてもよい。例えば、水、各
種緩衝溶液、各種生理食塩水、各種培養液、メタノー
ル、エタノール、イソプロパノール、ニトロメタンなど
が挙げられ、混合溶媒としては、例えば、ジメチルホル
ムアミド、ジメチルスルオキシド、アセトニトリル、ジ
オキサン、アセトン、塩化メチレン、クロロホルム、メ
チルエチルケトン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、
トルエン、シクロヘキサン、ジエチルエーテル、n−ヘ
キサン、イソプロピルエーテル、四塩化炭素、ジメチル
アセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等の有機溶
剤と水との混合物等が挙げられる。好ましくは酵素活性
の低下が起きにくい、各種緩衝溶液、各種生理食塩水、
各種培養液が挙げられる。
【0033】本発明に示される、生物学的に特異的な結
合を有する物質としては、従来から酵素免疫測定法など
において使用されている物質が使用でき、例えば抗体、
抗原、アビジン、ビオチン、プロテインA、プロテイン
G、レクチンなどが挙られる。これらの中で、酵素免疫
測定法において汎用的に用いられる、抗体、アビジン、
ビオチンなどが好ましい。また、これら生物学的に特異
的な結合を有する物質は、高分子/酵素結合体に、生物
学的に特異的な結合を有する物質が、未反応の化学結合
可能な官能基−R 4または、高分子/酵素結合体の酵素
の生物学的に特異的な結合を有する物質が化学結合可能
な官能基−R5が反応する水酸基、カルボキシル基、カ
ルボキシル基から誘導したスクシンイミドエステル基、
アミノ基、各種糖鎖を開環させたアルデヒド基などの反
応性の基を有している。また、前記の結合は−R4基に
単独でもよいし、酵素中の−R5基に単独でもよいし、
あるいは、−R4基および酵素中の−R5基の両方に結合
していてもよい。
【0034】高分子/酵素結合体の酵素の化学結合が可
能な官能基−R5としては、酵素の種類にもよるが、水
酸基、カルボキシル基、アミノ基、糖鎖などがあげら
れ、生物学的に特異的な結合を有する物質が容易に化学
結合可能な、カルボキシル基、アミノ基などが好ましく
あげられる。
【0035】上記の高分子/酵素結合体に存在する、未
反応の−R4または、高分子/酵素結合体の酵素の化学
結合可能な官能基−R5に前記生物学的に特異的な結合
を有する物質を化学反応することにより、前記一般式
[IV]で表される高分子/酵素/生物学的に特異的な結
合を有する物質の結合体が得られる。
【0036】前記一般式[IV]においてY2は、前記生
物学的に特異的な結合を有する物質の官能基と高分子/
酵素結合体の未反応の−R4または、高分子/酵素結合
体の酵素の化学結合可能な官能基−R5とから形成され
る基(結合)であり、具体的なものとしては、アミド
基、ジカルバミド基、ウレア結合、ジスルフィド結合、
イミド酸アミド結合、3−チオスクシンイミド結合(マ
レイミド基にチオール基が反応して形成された結合)、
開環した糖鎖により形成されたアルデヒド基にアミノ基
が反応したものを還元して結合などが挙られる。
【0037】前記一般式[IV]においてdは、1以上の
数、好ましくは酵素の種類にもよるが1〜100、さら
に好ましくは1〜50である。dが100を越えると、
酵素の種類にもよるが、酵素活性が低下する場合があ
る。
【0038】本発明に示される、高分子/酵素結合体に
対する生物学的に特異的な結合を有する物質の割合は、
(高分子/酵素結合体):生物学的に特異的な結合を有
する物質が重量比で1:0.0001〜500の割合で
含む物である。生物学的に特異的な結合を有する物質の
重量比が0.0001未満では免疫学的活性物質測定時
に高感度化があまり起きず効率的ではなく、500を越
えると溶解性が低下する、あるいは生物学的に特異的な
結合を有する物質の安定性が低下するなどの点から好ま
しくない。
【0039】本発明に示される、高分子/酵素/生物学
的に特異的な結合を有する物質結合体は、前記高分子/
酵素溶液に、前記生物学的に特異的な結合を有する物質
を化学反応させることにより得られる。例えば前記の高
分子/酵素結合体の調製例〜に更に、抗体を反応さ
せる際は ’高分子/酵素結合体の高分子の未反応のカルボキシ
ル基または酵素中のカルボキシル基と抗体中のアミノ基
を反応させる際は、高分子/酵素結合体と生物学的に特
異的な結合を有する物質が溶解している水溶液の中に、
水溶性縮合剤である1−エチル−3−(3−ジメチルア
ミノプロピル)カルボジイミド・塩酸塩(WSC)を反
応させることにより高分子/酵素/生物学的に特異的な
結合を有する物質結合体が得られる。 ’高分子/酵素結合体の高分子の未反応のアミノ基あ
るいは、酵素中のアミノ基と抗体中の糖鎖を反応させる
際は、未反応のアミノ基とまたは酵素中のアミノ基と生
物学的に特異的な結合を有する物質中の糖鎖を反応させ
る際は、まず生物学的に特異的な結合を有する物質中の
糖鎖を過ヨウ素酸により開環させ、生じたアルデヒド基
と前記のアミノ基を反応させ、その結合を水素化ホウ素
ナトリウムで還元させることにより高分子/酵素/生物
学的に特異的な結合を有する物質結合体が得られる。 ’高分子/酵素結合体中の未反応のイソシアネート基
と生物学的に特異的な結合を有する物質中のアミノ基を
反応させる際は、高分子/酵素結合体溶液の中に生物学
的に特異的な結合を有する物質溶液を添加するだけで高
分子/酵素/生物学的に特異的な結合を有する物質結合
体が得られる。 上記の’〜’の反応の際は、かき混ぜ、加熱、超音
波処理等により溶解を容易にすることが望ましい。ま
た、透析、希釈、PH制御、有機溶剤の添加、乾燥、凍
結乾燥等の操作を適宜に付加することができる。
【0040】前記高分子/酵素結合体溶液と、前記生物
学的に特異的な結合を有する物質溶液を混合させる際の
溶媒としては、前記の酵素結合可能な高分子溶液と、前
記酵素溶液を混合させる際に用いた溶媒と同一のものが
使用できる。
【0041】本発明の免疫学的活性物質測定試薬は、前
記のようにして得られる高分子/酵素/生物学的に特異
的な結合を有する物質結合体を含むものであり、高分子
/酵素/生物学的に特異的な結合を有する物質結合体だ
けでなっていても、他の添加剤が配合されていてもよ
い。また本発明の測定試薬は、個体ないし粉末のような
乾燥状態で保管し、使用時に適当な媒体に溶解して使用
することもできるし、はじめから液体の形態で試薬とす
ることもできる。後者の場合、試薬中の高分子/酵素/
生物学的に特異的な結合を有する物質結合体の濃度は、
蛋白質量として1×10-5〜10mg/mL、好ましく
は1×10-3〜1mg/mLとするのが望ましい。
【0042】前記の添加剤としては、従来から抗原抗体
反応を利用した測定試薬に用いられる添加剤が制限なく
使用できる。具体的なものとしては、ウシ血清アルブミ
ン、卵白アルブミン等の蛋白質、ドデシル硫酸ナトリウ
ム、Tween20(ICI社製、商標)等の界面活性
剤、メタノール、エタノール、アセトン、N,N’−ジ
メチルホルムアミド、テトラヒドロフラン等の有機溶媒
等が挙げられる。
【0043】また高分子/酵素/生物学的に特異的な結
合を有する物質結合体を溶解する媒体としては、酵素活
性、生物学的に特異的な結合を有する物質の活性を低下
させないで溶解することができる液であれば制限なく使
用することができる。具体的には、リン酸緩衝液、炭酸
緩衝液、酢酸緩衝液、トリス/塩酸緩衝液、水、これら
の緩衝液または水と、メタノール、エタノール、プロパ
ノール、t−ブタノール、ベンゼン、アセトン、N,
N’−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフランとの
混合液が挙げられる。例えば有機溶媒が0.1〜40体
積%の混合液などが挙られる。
【0044】本発明の高分子/酵素/生物学的に特異的
な結合を有する物質結合体の生物学的に特異的な結合を
有する物質が抗体の時は、本発明の測定試薬を用いて被
検物質を測定するために、従来の酵素で標識した抗体ま
たは抗原の代わりに本発明の測定試薬を用いて、公知の
酵素免疫測定法により行うことができる。すなわち、被
検物質となる免疫学的活性物質を含む検体と、本発明の
高分子/酵素/生物学的に特異的な結合を有する物質結
合体を接触させ、検体中の被検物質と本発明の測定試薬
中の高分子/酵素/生物学的に特異的な結合を有する物
質結合体とを抗原抗体反応させた後、得られる抗原抗体
反応生成物を酵素の活性を利用して測定する。これによ
り被検物質の定量または定性を行うことができる。
【0045】抗原抗体反応を行う際の、高分子/酵素/
生物学的に特異的な結合を有する物質結合体の濃度は、
0.01ng/mL〜100μg/mL、好ましくは
0.11ng/mL〜10μg/mL、反応温度は0〜
70℃、好ましくは免疫学的活性物質が失活しない4〜
40℃、反応系のpHは2〜13、好ましくは4〜11
とするのが望ましい。反応時間は0.1分間〜16時
間、好ましくは1分間〜2時間とするのが望ましい。
【0046】反応媒体としては、本発明の測定試薬を溶
液状態の試薬にする場合に使用する媒体として例示した
前記緩衝液、水またはこれらと有機溶媒との混合液と同
様の物が使用できる。また反応系には、本発明の測定試
薬に添加することができる添加剤と同様の添加剤を添加
することができる。
【0047】抗原抗体反応生成物を酵素の活性を利用し
て測定するには、従来の酵素免疫測定法と同様に、使用
した酵素に応じた種々の方法を採用することができる。
通常は、酵素の基質を加えて酵素基質反応を進行させ、
生成した生成物を測定する方法が採用される。具体的な
方法としては、例えば吸光度法、蛍光法、化学発光法な
どの方法が採用できる。酵素の基質としては、従来の酵
素免疫測定法または酵素検出に用いることができる基質
を使用することが可能であり、例えばペルオキシダーゼ
の基質としては1,2−フェニレンジアミン、3,
3’,5,5’−テトラメチルベンチジンなど、β−D
−ガラクトシダーゼの基質としては、2−ニトロフェニ
ル・β−D−ガラクトシド、4−ヒドロフェニル酢酸、
4−メトキシ−4−(3−ガラクトジドフェニル)スピ
ロ(1,2−ジオキセタン−3,2’−アダマンタン)
二ナトリウム塩、3−(4−ヒドロキシフェニル)プロ
ピオン酸、4−メチルウムベリフェリル・β−D−ガラ
クトシド、アルカリ性ホスファターゼの基質としては、
4−ニトロフェニルホスフェート、4−メチルウムベリ
フェリル・ホスフェート、4−メトキシ−4−(3−フ
ォスフェートフェニル)スピロ(1,2−ジオキセタン
−3,2’−アダマンタン)二ナトリウム塩などを挙げ
ることができる。
【0048】本発明の免疫学的活性物質の測定方法を、
従来の酵素免疫測定法において広く利用されているタイ
タープレートを用いた場合について図1に示した工程に
より具体的に説明する。図1は本発明の測定方法を模式
的に表したもので通常的に酵素免疫測定法で使用される
タイタープレート、例えば、市販されているポリスチレ
ン製のMaxisorp F−96(NUNC社、商品
名)タイタープレートを用いてS1〜S4の4段階の工
程を経て行われる。 (1)まず、タイタープレートの各ウエルに抗(測定対
照物)抗体を加え、タイタープレート上に抗(測定対照
物)抗体を物理吸着により固定する。(S1) (2)次に、比検物質となる測定対象物質を含む検体を
そのまま、または適当な溶媒で希釈して加え、抗原抗体
反応により抗原抗体複合体を形成させる。(S2) (3)次に、抗(測定対照物)抗体と酵素からなる高分
子/酵素/抗体結合体を含む本発明の高分子/酵素/生
物学的に特異的な結合を有する物質を加え、抗原抗体複
合体と高分子/酵素/抗体結合体を反応させる。これに
より抗原抗体・高分子/酵素/抗体結合体の複合体を生
成させる。(S3) (4)次に、未反応の抗原抗体・高分子/酵素/抗体複
合体を洗浄により除去した後、この酵素に対する基質を
大過剰に加え、酵素より基質から生成物を生成ささせ
る。(S4)この酵素基質反応により生成物を、例え
ば、吸光度法、蛍光法、化学発光等の方法により測定す
る。この場合、単位抗(測定対象物)抗体に対する酵素
量は、酵素を高分子に結合させない従来の試薬を用いた
場合に比べて、多くなり、このため生成物の量が増加す
る。したがって、例えば、測定吸光度が高くなり、高感
度のの測定ができるようになる。なお、予め既知量の測
定対象物を用いて前記手順と同様にして測定し、これに
より作成した検量線と対比することにより検体中の測定
対象物を定量することができる。
【0049】
【発明の効果】本発明の高分子/酵素結合体は、ホスホ
リルコリン類似基に由来するN+基とO−基の双極子を
有するため、水溶液で安定である。また、本発明の高分
子/酵素/生物学的に特異的な結合を有する物質結合体
は、非特異的な吸着も低く安定な結合体である。その結
合体は1分子中に含まれる酵素量が通常の酵素標識抗体
に比較すると多いため、本発明の高分子/酵素/生物学
的に特異的な結合を有する物質結合体を含む測定試薬と
して医用関係等の検査において有用である。その測定試
薬を用いる測定方法は、免疫学的活性物質の測定を行う
ことにより、短時間で高感度な測定が可能となる。前記
のように、本発明の免疫学的活性物質の測定方法は、単
位比検物質に結合する酵素量が従来の方法に比べて多く
なるため、単位時間当たりの基質から生成する生成物の
量が多くなり、これにより測定吸光度が高くなって高感
度で測定することができる。他の酵素活性測定法を採用
した場合にも、同様に高感度で測定することができる。
このため、本発明の免疫学的活性物質の測定方法は、従
来の酵素免疫学的測定法では測定できなかった低濃度の
被検物質を測定することもできる。
【0050】
【実施例】以下、実施例によって詳細に説明する。尚、
測定方法は以下に示した。 A−1.高分子の分子量測定−1;得られた共重合体水
溶液を0.5重量%になるよう蒸留水で希釈し、この溶
液を0.45μmのメンブランフィルターで濾過し、試
験溶液とした。GPC分析は、カラムとしてはG300
0PWXL×2本(東ソー社製)を、溶出溶媒としては蒸
留水を、標準物質としてはポリエチレングリコール(ポ
リマー・ラボラトリー社製)を、検出は視差屈折計を、
重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、分子
量分布(Mw/Mn)は、東ソー社製インテグレーター
内蔵分子量計算プログラム(SC−8020用GPCプ
ログラム)を用いて、流速は1.0mL/分、試料溶液
使用量は100μL、カラム温度40℃で求めた。
【0051】A−2.高分子の分子量測定−2;プロピ
オン酸0.369gに、 ジメチルホルムアミド(以下
DMFと略記する)に溶解した0.2g/mLのプロピ
オン酸コハク酸イミドエステルをN,N’−カルボニル
ジイミダゾール溶液4845μLを加え、室温で1時間
インキュベートした。インキュベート終了後、DMFに
溶解した0.2g/mLのN−ヒドロキシコハク酸イミ
ド溶液34405μLを加え室温で3時間インキュベー
トすることにより、プロピオン酸コハク酸イミド溶液を
調製した。1重量%の各重合体水溶液1.0mLに、先
に調製したプロピオン酸コハク酸イミド溶液1200μ
Lを加え、4℃で一晩インキュベートした。インキュベ
ート終了後、この溶液を透析膜(スペクトラム・メディ
カル・インダストリーズ社製、商品名「Spectru
m/por.membrans Mw CO,6000
〜8000」)に挿入し、溶液の10倍の体積の蒸留水
を用いて透析操作を行い、1日1回の蒸留水交換を3日
間続けることによって精製を行い、精製終了後、各溶液
を凍結乾燥した。このプロピル化した各重合体粉末を
0.5重量%の塩化リチウムを含むクロロホルム:メタ
ノール=6:4(V/V)に溶解させて、0.5重量%
の重量体溶液を調製した。更に、この溶液を0.45μ
mのメンブランフィルターで濾過し、試験溶液とした。
GPC分析は、MIXED−C(2本)(ポリマーラボ
ラトリーズ社製)を、溶出溶媒としては0.5重量%の
塩化リチウムを含むクロロホルム:メタノール=6:4
(V/V)を、標準物質としてはポリメチルメタクリレ
ート(ポリマー・ラボラトリー社製)を、検出は視差屈
折計を、重量平均分子量(Mw)、数平均分子量測定
(Mn)、分子量分布(Mw/Mn)は東ソー社製イン
テグレーター内蔵分子量計算プログラム(SC−802
0用GPCプログラム)を用いて、流速は1.0mL/
分、試料溶液使用量は100μL、カラム温度40℃で
求めた。
【0052】B.共重合体組成比の測定;得られた重合
体溶液を凍結乾燥し重合体粉末を得た。得られた粉末2
0mgを重水(D2O)1.5mLに溶解させた。得ら
れた重水溶液を日本電子(株)製JNM−EX270を
用いて1H−NMR分析を行い、親水性単量体、と酵素
が化学結合可能な官能基を有する単量体とのモル比を求
めた。
【0053】C.高分子/酵素結合体および、高分子/
酵素/生物学的に特異的な結合を有する物質結合体の溶
解性および、分子量測定;得られた高分子/酵素結合体
溶液あるいは、高分子/酵素/生物学的に特異的な結合
を有する物質結合体溶液を、室温にて16時間放置後、
目視にて沈殿の有無を確認した。また、得られた高分子
/酵素結合体溶液あるいは、高分子/酵素/生物学的に
特異的な結合を有する物質結合体溶液を0.45μmの
メンブランフィルターで濾過した後に、2mg/mLに
なるようダルベッコウのリン酸生理的緩衝溶液(以下、
PBSと略記する)で希釈し試験溶液とした。GPC分
析は、カラムとしてはG4000SWXL×1本(東ソー
社製)を、溶出溶媒としては0.3M NaClを含む
50mMリン酸緩衝液(pH7.0)を、標準物質とし
てはチログロブリン(分子量=66.9万)、フェリチ
ン(分子量=44万)、マウスIgG(分子量16
万)、西洋ワサビ過酸化酵素(分子量=4万)、キモト
リプシノーゲンA(分子量=2.5万)を、検出はUV
検出(280nm)を、流速は0.5mL/分、試料溶
液使用量は400μL、カラム温度35℃で求めた。
【0054】D.高分子/酵素/生物学的に特異的な結
合を有する物質結合体の酵素/生物学的に特異的な結合
を有する物質の結合割合;酵素が西洋ワサビ過酸化酵素
で、生物学的に特異的な結合を有する物質が抗(4−ヒ
ドロキシノネナール)マウス抗体である時は、測定波長
が403nmで行う以外は、前記Cの分子量測定と同様
に分析を行い。280nmのピーク面積(A280)と4
03nmのピーク面積(A403)を求め、下記式より西
洋ワサビ過酸化酵素/抗(4−ヒドロキシノネナール)
マウス抗体(mol/mol)を求めた。西洋ワサビ過
酸化酵素/抗(4−ヒドロキシノネナール)マウス抗体
(mol/mol)=2.46×A403/(A280−0.
31×A403
【0055】E.高分子/酵素/抗体結合体の精製およ
び抗原の測定;前記Cの分子量分析時に、溶出時間10
分〜15分の溶出液を分取することにより、高分子/酵
素/抗体結合体を精製した。1mmolを4−ヒドロキ
シノネナール(カイマンケミカル社製)、1mg/mL
卵白アルブミンのPBS溶液に添加して37℃、2時間
反応させた。この反応液をPBSにて100倍に希釈し
たものをタイタープレート(Maxisorp F9
6、NUNC社製、商標)に100μL/well添加
して、25℃、2時間インキュベートした。インキュベ
ート終了後、PBS で5回洗浄した後に、0.5重量
%卵白アルブミンを含むPBS溶液を250μL/we
ll添加して、25℃、2時間インキュベートした。イ
ンキュベート終了後、0.5重量%卵白アルブミンを含
むPBS溶液を除去することにより、4−ヒドロキシノ
ネナール固定化タイタープレート(固定化プレート)を
調製した。タイタープレートに、0.5重量%卵白アル
ブミンを含むPBS溶液を250μL/well添加し
て、25℃、2時間インキュベートし、インキュベート
終了後、0.5重量%卵白アルブミンを含むPBS溶液
を除去することにより、未固定化タイタープレート(ブ
ランクプレート)を調製した。前記の方法で精製した高
分子/酵素/抗体結合体溶液を、0.5重量%卵白アル
ブミンを含むPBS溶液にて100倍に希釈したもの
を、前記固定化プレートおよび、前記ブランクプレート
に100μL/well添加して、25℃、2時間イン
キュベートした。インキュベート終了後、PBS で5
回洗浄した後に、ペルオキシダーゼ発色キットSUMI
LON−T(住友ベークライト社製、商標)を用いて発
色させ(酵素−基質反応は、25℃、20分間で行
い)、[固定化プレートの吸光度]−[ブランクプレー
トの吸光度]=[差吸光度]を求めた。
【0056】F.高分子/酵素/ビオチンの測定;10
μg/mLのアビジン標識抗マウス抗体のPBS溶液を
100μL/well添加して、25℃、2時間インキ
ュベートした。インキュベート終了後、PBS で5回
洗浄した後に、0.5重量%卵白アルブミンを含むPB
S溶液を250μL/well添加して、4℃、16時
間インキュベートした。インキュベート終了後、0.5
重量%卵白アルブミンを含むPBS溶液を除去すること
により、アビジン標識抗体固定化プレート(固定化プレ
ート)を調製した。タイタープレートに、0.5重量%
卵白アルブミンを含むPBS溶液を250μL/wel
l添加して、25℃、2時間インキュベートし、インキ
ュベート終了後、0.5重量%卵白アルブミンを含むP
BS溶液を除去することにより、未固定化タイタープレ
ート(ブランクプレート)を調製した。前記の方法で精
製した高分子/酵素/ビオチン結合体溶液を、0.5重
量%卵白アルブミンを含むPBS溶液にて1000倍に
希釈したものを、前記固定化プレートおよび、前記ブラ
ンクプレートに100μL/well添加して、25
℃、2時間インキュベートした。インキュベート終了
後、 PBS で5回洗浄した後に、ペルオキシダーゼ
発色キットSUMILON−T(住友ベークライト社
製、商標)を用いて発色させ(酵素−基質反応は、25
℃、30分間で行い)、[固定化プレートの吸光度]−
[ブランクプレートの吸光度]=[差吸光度]を求め
た。
【0057】合成例1;MPC/メタクリル酸共重合体
(poly(MPC−co−MA))の合成−1;モノ
マーとして、MPC 16.2gおよび、メタクリル酸
(以下MAと略記する)0.53gを、開始剤として、
PR−SA 0.351gを、重合溶媒として蒸留水
42.919gを重合管にとり、均一に溶解させた。こ
の溶液にアルゴンを10分間吹き込み、封管した。封管
終了後70℃で、6時間重合反応を行った。重合反応終
了後、室温に冷却し、重合管を開封した後に、この溶液
を透析膜(スペクトラム・メディカル・インダストリー
ズ社製、商品名「Spectrum/por.memb
rans Mw CO, 6000〜8000」)に挿
入し、重合溶液の10倍の体積の蒸留水を用いて透析操
作を行い、1日1回の蒸留水交換を7日間続けることに
よって透析を行って、未反応のモノマーおよび開始剤を
除去することにより、共重合体を精製した。得られた共
重合体の分子量測定は前記の分子量測定−1を用いた。
分子量測定および、共重合体組成比の結果は表1に示し
た。
【0058】合成例2〜5; poly(MPC−co
−MA)の合成−2〜5 モノマー組成を表1に示したように変えた以外は合成例
1と同様にして、重合し、精製して共重合体を得た。結
果を表1に示した。
【0059】合成例6;MPC/2−アミノエチルメタ
クリレート共重合体(poly(MPC−co−AEM
A)の合成−1 モノマーとして、MPC、1.98gおよび、2−アミ
ノエチルメタクリレート・塩酸塩(以下AEMAと略記
する)、0.12gを、開始剤として、2,2’−アゾ
ビスイソブチルニトリル(以下V−50と略記する)、
0.407gを、重合溶媒として蒸留水、12.493
gを重合管にとり、均一に溶解させた。この溶液にアル
ゴンを10分間吹き込み、封管した。封管終了後60℃
で、8時間重合反応を行った。重合反応終了後、室温に
冷却し、重合管を開封した後に、この溶液を透析膜(ス
ペクトラム・メディカル・インダストリーズ社製、商品
名「Spectrum/por.membrans M
w CO, 6000〜8000」)に挿入し、重合溶
液の10倍の体積の蒸留水を用いて透析操作を行い、1
日1回の蒸留水交換を7日間続けることによって透析を
行って、未反応のモノマーおよび開始剤を除去すること
により、共重合体を精製した。得られた共重合体の分子
量測定は前記の分子量測定−2を用いた。分子量およ
び、共重合体組成比の結果は表2に示した。
【0060】合成例7〜10; poly(MPC−c
o−AEMA)の合成−2〜5 モノマー組成を表2に示したように変えた以外は合成例
6と同様にして、重合し、精製して共重合体を得た。結
果を表2に示した。
【0061】
【表1】
【0062】
【表2】
【0063】なお、表1および2中のMnは数平均分子
量をMwは重量平均分子量を示す。
【0064】実施例1〜5;poly(MPC−co−
MA)/HRP結合体の調製;1.0mg/mLの西洋
ワサビ過酸化酵素{和光純薬工業(株)製、以下、HR
Pと略す。}と、17.5mg/mLの合成例1〜5で
合成したpoly(MPC−co−MA)を溶解させた
100mMリン酸緩衝液(pH6.9)溶液1000μ
Lに、100mg/mLの1−エチル−3−(3−ジメ
チルアミノプロピル)カルボジイミド・塩酸塩{(株)
同仁化学製、以下、WSCと略記する。}を溶解させた
100mMリン酸緩衝液(pH6.9)溶液を480μ
L添加して、25℃で1時間反応させた。その後更に、
100mg/mLのWSCを解させた100mMリン酸
緩衝液(pH6.9)溶液を480μL添加して、25
℃で6時間反応させた。反応終了後、1LのPBSに対
する透析(4℃、6時間)を3回繰り返すことにより、
未反応のWSCを除去した。前記測定法Cに従い溶解性
および、分子量測定を行った。測定結果は表3に示し
た。
【0065】実施例6〜10;poly(MPC−co
−AEMA)/HRP結合体の調製 8.0mg/mLのHRPを溶解させた蒸留水23.8
mLに、0.2Mの過ヨウ素酸ナトリウム水溶液を47
60μL添加して、室温で20分間反応させた。反応終
了後、反応液を2Lの1mM酢酸緩衝液(pH4.5)
に対しての透析(4℃、12時間)を2回繰り返すこと
により、未反応の過ヨウ素酸ナトリウムの除去を行っ
た。透析終了後、0.2M炭酸緩衝液(pH9.5)を
476μL添加した(HRP溶液−1)。添加後速やか
に、3000μLのHRP溶液−1に、合成例6〜10
で合成した6mg/mLのpoly(MPC−co−A
EMA)を溶解させた10mM炭酸緩衝液(pH9.
5)3000μLを添加して、室温で2時間反応させ
た。反応終了後、氷冷しながら4mg/mLの水素化ホ
ウ素ナトリウム水溶液を300μL 添加して、4℃、
2時間反応させた。反応終了後、1LのPBSに対する
透析(4℃、6時間)を3回繰り返すことにより、未反
応の水素化ホウ素ナトリウムを除去した。前記測定法C
に従い溶解性および、分子量測定を行った。測定結果は
表3に示した。
【0066】比較例1;poly(L−Lys)/HR
P結合体の調製 実施例6のpoly(MPC−co−AEMA)の代わ
りに、ポリ−L−リジン・臭酸塩(重量平均分子量=1
9200)(以下、 poly(L−Lys)と略記す
る。)を用いた以外は実施例6と同様に行った。測定結
果は表3に示した。
【0067】
【表3】
【0068】なお表中、 *1;チログロブリンより高分子側で、排除体積付近に結
合体のピークが確認された。 *2;排除体積付近からHRP付近までのなだらかな結合体
のピークが確認された。
【0069】実施例11〜20;高分子/HRP/Ig
G結合体 0.4mg/mLの抗(4−ヒドロキシノネナール)マ
ウス抗体(以下IgGと略記する。)を溶解させた1m
M酢酸緩衝液(pH4.5)1000μLに、0.01
M過ヨウ素酸ナトリウム水溶液を200μL添加して、
室温で20分間反応させた。反応終了後、反応液を50
0mLの1mM酢酸緩衝液(pH4.5)に対しての透
析(4℃、12時間)を2回繰り返すことにより、未反
応の過ヨウ素酸ナトリウムの除去を行った。透析終了
後、0.2M炭酸緩衝液(pH9.5)を20μL添加
した(IgG溶液−1)。添加後速やかに、1000μ
Lの実施例1〜10で調製したHRP濃度が2.0mg
/mLの高分子/HRP結合体を溶解させた1mM酢酸
緩衝液(pH4.5)を添加して、室温で2時間反応さ
せた。反応終了後、氷冷しながら4mg/mLの水素化
ホウ素ナトリウム水溶液を300μL 添加して、4
℃、2時間反応させた。反応終了後、500mLのPB
Sに対する透析(4℃、6時間)を3回繰り返すことに
より、未反応の水素化ホウ素ナトリウムを除去した。前
記測定法Cおよび、Dに従い溶解性および、分子量測
定、HRP/IgG結合割合の分析を行った。測定結果
は表4に示した。また、前記のEに従い、高分子/酵素
/抗体結合体の精製および抗原の測定を行い結果を表4
に示した。
【0070】比較例2;HRP/IgG結合体 実施例11の実施例1で調製したHRP濃度が2.0m
g/mLの高分子/HRP結合体を溶解させた1mM酢
酸緩衝液(pH4.5)の代わりに、2.0mg/mL
のHRPを溶解させた1mM酢酸緩衝液(pH4.5)
を用いた以外は実施例11と同様に行った。測定結果を
表4に示した。
【0071】
【表4】
【0072】なお表中 *1;チログロブリンより高分子側で、排除体積付近に結
合体のピークが確認された。 *2;未反応のHRPとほぼ同じ位置にピークが確認され
た。
【0073】実施例21〜30;高分子/HRP/ビオ
チン結合体 1000μLの実施例1〜10で調製したHRP濃度が
2.0mg/mLの高分子/HRP結合体を溶解させた
PBS溶液に1.0mg/mLのN−スクシンイミジル
D−ビオチン((株)同仁化学製)をジメチルスルオ
キシド溶液を5μL添加し、4℃、16時間反応させ
た。反応終了後、500mLのPBSに対する透析(4
℃、6時間)を3回繰り返すことにより、未反応のN−
スクシンイミジル D−ビオチンを除去した。前記測定
法Fに従い測定を行い結果を表5に示した。
【0074】比較例3;HRP/ビオチン結合体 実施例21の実施例1で調製したHRP濃度が2.0m
g/mLの高分子/HRP結合体を溶解させたPBS溶
液の代わりに、2.0 mg/mLのHRPを溶解させ
たPBS溶液を用いた以外は実施例21と同様に行っ
た。測定結果を表5に示した。
【0075】
【表5】
【0076】以上の結果から、表3より、poly(L
−Lys)/HRP結合体は不溶性であり、可溶性各画
の分子量分析を行うと、殆ど高分子化は起きていなかっ
た。一方、poly(MPC−co−MA)−1〜po
ly(MPC−co−MA)−5および、poly(M
PC−co−AEMA)−1〜poly(MPC−co
−AEMA)−5を用いた高分子/HRP結合体は、可
溶性であり巨大分子であることが確認された。また、表
4より、poly(MPC−co−MA)−1〜pol
y(MPC−co−MA)−5および、poly(MP
C−co−AEMA)−1〜poly(MPC−co−
AEMA)−5を用いた高分子/HRP/IgG結合体
は、可溶性であり巨大分子であることが確認された。ま
た、これら高分子/HRP/IgG結合体を用いること
により、高分子を用いないHRP/IgG結合体と比較
すると、差吸光度が1.9倍〜35.5倍になり、高感
度な測定が可能となったことが確認された。さらに表5
より、poly(MPC−co−MA)−1〜poly
(MPC−co−MA)−5および、poly(MPC
−co−AEMA)−1〜poly(MPC−co−A
EMA)−5を用いた高分子/HRP/ビオチン結合体
を用いることにより、高分子を用いないHRP/ビオチ
ン結合体と比較すると、差吸光度が1.8倍〜35.8
倍になり、高感度な測定が可能となったことが確認され
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の免疫学的活性物質の高分子/酵
素/生物化学的に特異的な結合を有する物質結合体を使
用する場合の概要の工程図である。
【図2】図2は実施例1〜10(poly(MPC−c
o−MA)−1/HRP〜poly(MPC−co−M
A)−5/HRPおよび(poly(MPC−co−A
EMA)−1/HRP〜(poly(MPC−co−A
EMA)−5/HRPのなかの実施例3(poly−c
o−MA)−3/HRPおよび実施例8(poly(M
PC)−co−AEMA−3/HRPと、比較例1(p
oly(L−Lys)/HRPの分子量測定結果(GP
Cの溶出曲線)を示した。
【図3】図3は実施例11〜20(poly(MPC−
co−MA)−1/HRP/IgG〜poly(MPC
−co−MA)−5/HRP/IgGおよび(poly
(MPC−co−AEMA)−1/HRP/IgG〜
(poly(MPC−co−AEMA)−5/HRP/
IgGと、比較例2、HRP/IgGの分子量測定結果
(GPCの溶出曲線)を示した。
【符号の説明】
1.チログロブリン(分子量66.9万) 2.フェリチン (分子量44万) 3.マウスIgG (分子量16万) 4.HRP (分子量4万) 5.キモトリプシノーゲンA(分子量2.5万)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08F 230/02 C08F 230/02 (72)発明者 首藤 健志郎 茨城県つくば市花畑3−7−1 (72)発明者 中林 宣男 千葉県松戸市小金原5−6−20 (72)発明者 石原 一彦 東京都小平市上水本町3−16−37 Fターム(参考) 4B033 NA02 NA22 NA23 NA26 NA42 NA43 NB04 NB13 NB36 NC03 NC12 ND05 ND06 ND12 4J100 AB07P AB07Q AE18P AJ01Q AJ02Q AK38Q AK51Q AL08P AL08Q AL09Q AL41P AM14P AN03Q BA02P BA15P BA16Q BA29Q BA32P BA63P CA04 CA31 HA06 HA11 HA45 HA55 HC00 HC08 HC42 HC43 HC69 JA51 JA53

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ホスホリルコリン類似基を有する親水性単
    量体(a1)と化学結合可能な基を有する単量体(a
    2)とを含む単量体組成物を重合してなる重合体と酵素
    とを化学結合して得られる高分子/酵素結合体。
  2. 【請求項2】下記の一般式[I] 【化1】 (ただし、式中のR1、R2および、R3は、水素原子ま
    たは炭素原子1〜4のアルキル基を示し、同一または異
    なる基であってもよい。nは2〜4の整数である。)で
    示される基を有する親水性単量体(a1)と、化学結合
    可能な官能基−R 4を有する単量体(a2)を含む単量
    体組成物を重合してなる化学結合可能な高分子に、酵素
    を化学結合して得られる一般式[II] 【化2】 (ただし、式中のEは酵素の残基、Y1は酵素中の官能
    基と前記−R4の官能基とから形成された基、aは0ま
    たは1、bは1以上の数である。)で示される基を有す
    る高分子/酵素結合体。
  3. 【請求項3】親水性単量体(a1)が、下記一般式[II
    I] 【化3】 で示される親水性単量体であり、化学結合可能な官能基
    −R4を含む単量体(a2)の−R4がカルボキシル基、
    アミノ基、水酸基のいずれかの官能基である請求項1ま
    たは2記載の高分子/酵素結合体。
  4. 【請求項4】化学結合可能な官能基−R4を含む単量体
    (a2)が、メタクリル酸または2−アミノエチル(メ
    タ)アクリレートである請求項3に記載の高分子/酵素
    結合体。
  5. 【請求項5】高分子/酵素結合体の酵素が、免疫学的活
    性物質測定用の酵素である請求項1ないし4のいずれか
    1項に記載の高分子/酵素結合体。
  6. 【請求項6】請求項1ないし3のいずれか1項に記載の
    高分子/酵素結合体に、生物学的に特異的な結合を有す
    る物質が、未反応の化学結合可能な官能基−R4または
    高分子/酵素結合体の酵素の化学結合が可能な官能基−
    5に、更に化学結合して得られる一般式[IV] 【化4】 (ただし、式中のAは生物学的に特異的な結合を有する
    物質の残基、Y2は生物学的に特異的な結合を有する物
    質中の官能基と前記−R4、または−R5の官能基とから
    形成された基、cは0または1、dは1以上の数であ
    る。)で示される基を有する高分子/酵素/生物学的に
    特異的な結合を有する物質結合体。
  7. 【請求項7】請求項1ないし3のいずれか1項に記載の
    高分子/酵素結合体に、生物学的に特異的な結合を有す
    る物質が、未反応の化学結合可能な官能基−R4および
    高分子/酵素結合体の酵素の化学結合が可能な官能基−
    5に、更に化学結合して得られる一般式[IV] 【化5】 (ただし、式中のAは生物学的に特異的な結合を有する
    物質の残基、Y2は生物学的に特異的な結合を有する物
    質中の官能基と前記−R4または−R5の官能基とから形
    成された基、cは0または1、dは1以上の数であ
    る。)で示される基を有する高分子/酵素/生物学的に
    特異的な結合を有する物質結合体。
  8. 【請求項8】生物学的に特異的な結合を有する物質が、
    抗体、ビオチン、アビジンあるいは抗原のいずれかの物
    質である請求項6または7記載の高分子/酵素/生物学
    的に特異的な結合を有する物質結合体。
  9. 【請求項9】請求項6ないし8のいずれかに記載の高分
    子/酵素/生物学的に特異的な結合を有する物質結合体
    を含むことを特徴とする免疫学的活性物質測定試薬。
  10. 【請求項10】被検物質となる免疫学的活性物質を含む
    検体と、請求項9記載の免疫学的活性物質測定試薬とを
    接触させ、検体中の被検物質と生物学的に特異的な結合
    を有する物質を反応させた後に、得られる反応生成物を
    酵素反応を利用して測定することを特徴とする免疫学的
    活性物質測定方法。
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