JP2014101475A - 耐汚染性を付与するための水溶性表面処理剤、および表面処理方法 - Google Patents

耐汚染性を付与するための水溶性表面処理剤、および表面処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】金属やセラミックス(金属酸化物を含む)等の表面に耐汚染性を付与するためのポリマー型表面処理剤、および該当該表面処理剤を用いた表面処理方法を提供する。
【解決手段】側鎖にホスホリルコリン基を有するモノマーユニットおよび側鎖にアミノ基を有するモノマーユニットを含む共重合体であって、分子内にジヒドロキシフェニル基を有する、該共重合体。前記ジヒドロキシフェニル基が、共重合体の末端に存在し、さらに、カテコール基であることが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、金属やセラミックス(金属酸化物を含む)等の表面に耐汚染性を付与するためのポリマー型表面処理剤、および該当該表面処理剤を用いた表面処理方法に関する。
従来、疎水性ポリマーなどの医療用高分子材料等における表面を修飾する手法として、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(MPC)を用いて優れた生体適合性を付与することが提案されている。例えば、特許文献1には、疎水性のアルキルメタクリレートとホスホリルコリン類似基含有単量体との共重合体、および、該共重合体を用いた医療用材料に適用可能な耐水性に優れたコーティング皮膜が記載されている。かかるホスホリルコリン類似基は、細胞膜の構成成分であるリン脂質が有するホスホリルコリン基と類似する官能基であり、このような官能基を分子内に有する重合体は、細胞膜と同様にタンパク質や血球といった生体成分との相互作用が極めて弱く、これらの生体成分の吸着や変性を抑制する性質を有する。
一方、金属やセラミックス等の材料に関しても、生態系もしくは生体環境下で使用される場合には、その表面に耐汚染性を付与することは必要不可欠な特性である。特に、環境保全や安全性を考慮する場合には、表面処理剤に用いる溶媒は水系であることが望ましい。しかしながら、水溶性の高分子を含む水系表面処理剤を用いて金属やセラミックス等を強固に修飾し、長期的に耐汚染性を付与ことは困難であった。従って、金属やセラミックス等を材料とする基材の表面に生体成分が非特異的に吸着して汚染されることを効率的に防止することが可能な表面処理剤の開発が望まれている。
特開平9−3132号公報
そこで、本発明は、金属やセラミックス等と強固に相互作用する水溶性高分子により、水を溶媒として安全かつ簡便に耐汚染性を付与できる表面修飾技術の開発を行うことによって、有機溶剤を用いた修飾が困難な材料或いは用途においても長期的に耐汚染性を付与することを課題とするものである。
本発明者らは、上記課題を解決するべく鋭意検討を行った結果、分子内にジヒドロキシフェニル基を有する水溶性ポリマーを含む表面処理剤を用いることによって、金属やセラミックス(金属酸化物を含む)等の材料の表面を簡便かつ安定に処理し、耐汚染性を付与することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、側鎖にホスホリルコリン基を有するモノマーユニットおよび側鎖にアミノ基を有するモノマーユニットを含む共重合体であって、分子内にジヒドロキシフェニル基を有する、該共重合体に関する。好ましくは、前記ジヒドロキシフェニル基が、共重合体の末端に存在し、さらに、前記ジヒドロキシフェニル基がカテコール基であることが好ましい。
ここで、本発明の共重合体としては、例えば、以下の式(1)で示される構造を有する共重合体が挙げられる。
Figure 2014101475
式中、Rは、炭素数1〜5の直鎖または分岐鎖のアルキレンを表し;Rは、炭素数2または3の直鎖または分岐鎖のアルキレンを表し;各Rは、それぞれ独立に、同一でも異なってもよいメチルまたはエチルを表し;Rは、炭素数1〜5の直鎖または分岐鎖のアルキレンを表し;各Rは、それぞれ独立に、水素原子、または同一でも異なってもよい炭素数1〜5の直鎖または分岐鎖のアルキルを表し;XおよびYは、それぞれ独立に同一でも異なってもよいハロゲンを表し;mおよびnは、互いに独立して、2以上の整数を表し:および、各モノマーユニットはランダムな順序で結合している。
好ましくは、式(1)において、R、R、およびRがいずれもエチレン基であり、各Rがいずれもメチル基であり、および、各Rがいずれも水素原子である。また、好ましくは、XがBrであり、YがClである。
式(1)において、側鎖にホスホリルコリン基を有するモノマーユニットと側鎖にアミノ基を有するモノマーユニットの比率を表すm/(m+n)は、好ましくは0.9以上1未満、より好ましくは、0.95以上1未満である。
別の側面において、本発明は、上記本発明の共重合体を含有する表面処理剤に関する。本発明の表面処理剤は、好ましくは、溶媒として水のみを含む。
また、本発明の表面処理剤は、一態様において、金属またはセラミックスから選択される材料の表面を修飾するための表面処理剤であり、前記材料は、好ましくは、チタン、チタン合金、チタン・ニッケル合金、またはハイドロキシアパタイトである。
また、別の側面において、本発明は、上記本発明の表面処理剤を材料の表面に塗布する工程を含む、表面処理方法に関する。
更なる側面において、本発明は、金属またはセラミックスから選択される材料であって、上記本発明の共重合体のコーティング膜を表面に有する、該材料に関する。ここで、前記材料は、好ましくは、チタン、チタン合金、チタン・ニッケル合金、またはハイドロキシアパタイトである。
本発明によれば、簡便且つ安全であり、耐久性に優れた、金属またはセラミックス材料等の表面に対する表面処理剤および表面処理方法を提供することができる。これにより、当該材料表面への汚れの付着等を効率的に防止することができる。
本発明の表面処理剤は、ジヒドロキフェニル基を有するため、金属やセラミックスのような材料と容易に結合することができ、これは、ポリマー鎖内にアミノ基が一定比率存在することによって協同的に表面吸着の迅速化および安定化が得られるという効果を奏する。
また、本発明の表面処理剤および表面処理方法は、水系で共重合体を材料にコーティングすることができるため、従来用いられていた非極性等の有機溶媒を用いる必要がなく、種々の生体材料への適用の際における生体或いは環境への悪影響も抑制することができる。
特に、上記金属またはセラミックス等の材料が歯科治療において用いられるインプラント用の材料の場合には、その口腔内でも汚れの発生は大きな問題であり、特に高齢者では肺感染を誘引する恐れがあるため、本発明によるインプラント用材料の表面処理は、かかる問題を解決し得る点で極めて実用性に優れたものである。
図1は、X線光電子分光(XPS)測定により得た、本発明の実施例(PMAE95−Dopa)およびその他の比較例でコートされた基板のXPSチャートを示す図である。 図2は、水晶振動子マイクロバランス(QCM-D)法により得た、本発明の実施例(PMAE90−Dopa、PMAE95−Dopa)およびその他の比較例におけるタンパク質吸着挙動を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態について説明する。本発明の範囲はこれらの説明に拘束されることはなく、以下の例示以外についても、本発明の趣旨を損なわない範囲で適宜変更し実施することができる。
1.共重合体
本発明の共重合体は、側鎖にホスホリルコリン基を有するモノマーユニット、および側鎖にアミノ基を有するモノマーユニットを含むものであり、いわゆるランダムポリマーである。しかしながら、これら以外のモノマーユニットを有することを除外するものではない。また、これらのモノマーユニットは、それぞれランダムに結合する態様が代表的であるが、何らかの規則性・周期性を有する態様も本発明の範囲に含まれるものであり、例えば、統計ポリマー、交互ポリマー、周期ポリマー、ブロックコポリマーであることができ、場合にはよっては、グラフトポリマーであることもできる。
当該共重合体中、ホスホリルコリン基(PC基)は、生体膜の主成分であるリン脂質(ホスファチジルコリン)の極性基と同様の構造を有する極性基である。従って、ホスホリルコリン基を側鎖に含むことにより、当該共重合体に、親水性(ぬれ性)、具体的には、生体膜の表面が有する極めて良好な生体適合性、特に生体分子の非吸着性、および非活性化特性が付与され、各種分子に対する非特異的吸着を効果的に抑制することができるため、金属またはセラミックス等の処理対象材料の表面に優れた防汚性を付与することができる。
さらに、当該共重合体中、アミノ基は、溶媒中に水を含む場合に正の電荷を有するため、ジヒドロキシフェニル基と協同的に当該共重合体の表面吸着を迅速化および安定化させることができる。
上記共重合体における主鎖(骨格)を形成するモノマーユニットにおける骨格部位は、互いに重合反応してポリマーを形成することができるものであればよく、特に限定されるものではないが、具体的には、例えば、ビニル系モノマー残基、アセチレン系モノマー残基、エステル系モノマー残基、アミド系モノマー残基、エーテル系モノマー残基およびウレタン系モノマー残基等が好ましく、これらの中でも、ビニル系モノマー残基がより好ましい。ビニル系モノマー残基としては、限定はされないが、例えば、ビニル部分が付加重合している状態のメタクリルオキシ基、メタクリルアミド基、アクリルオキシ基、アクリルアミド基、スチリルオキシ基およびスチリルアミド基等が好ましく、これらの中でも、メタクリルオキシ基、メタクリルアミド基、アクリルオキシ基およびアクリルアミド基がより好ましく、さらに好ましくはメタクリルアミド基およびアクリルアミド基であり、特に好ましくはメタクリルアミド基である。そして、上記骨格部位は、各モノマーユニットについて同一であることもでき、それぞれ独立に異なることもできるが、いずれもメタクリルアミド基である態様が好ましい。
従って、ホスホリルコリン基を有するモノマーの具体例としては、限定はされないが、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、2−アクリロイルオキシエチルホスホリルコリン、N−(2−メタクリルアミド)エチルホスホリルコリン、4−メタクリロイルオキシブチルホスホリルコリン、6−メタクリロイルオキシヘキシルホスホリルコリン、10−メタクリロイルオキシデシルシルホスホリルコリン、ω−メタクリロイルジオキシエチレンホスホリルコリンおよび4−スチリルオキシブチルホスホリルコリン等に由来する構造単位が好ましく挙げられる。これらの中でも、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンに由来する構造単位が特に好ましい。2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンは、“Kazuhiko Ishihara, Tomoko Ueda, and Nobuo Nakabayashi, Polymer Journal, 22, 355−360 (1990)”に記載の方法等により合成することができ、また、その他のホスホリルコリン系化合物(モノマー化合物)についても、当該方法および常法に基づいて容易に合成できる。
分子内に存在するジヒドロキシフェニル基は、ポリマー鎖の末端に存在することが好ましいが、片側の末端に存在する場合、および両端に存在する場合のいずれも本発明に含まれる。或いは、上記側鎖にホスホリルコリン基を有するモノマーユニットおよび側鎖にアミノ基を有するモノマーユニット以外の更なるモノマー成分が存在する場合には、当該更なるモノマー成分の側鎖にジヒドロキシフェニル基を有することもできる。上記ジヒドロキシフェニル基において、2つのヒドロキシル基の位置に特に限定はないが、カテコール基であることが好ましい。
上記共重合体は、限定はされないが、例えば、下記式(1)で示される構造を有するポリマーが好ましく挙げられる。
Figure 2014101475
式(1)中、R1は、炭素数1〜5の直鎖または分岐鎖のアルキレンであるが、好ましくは、炭素数2〜4の直鎖のアルキレンであり、さらに好ましくは、エチレン基である。また、Rは、炭素数2または3の直鎖または分岐鎖のアルキレンであるが、好ましくは、炭素数2の直鎖アルキレンである。各Rは、それぞれ独立に、同一でも異なってもよいメチルまたはエチルであるが、メチルであることが好ましい。すなわち、具体的には、ホスホリルコリン基を有するモノマーが、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンであることが好ましい。
は、炭素数1〜5の直鎖または分岐鎖のアルキレンであり、好ましくは、炭素数2〜4の直鎖のアルキレンであり、さらに好ましくは、エチレン基である。また、各Rは、それぞれ独立に、水素原子、または同一でも異なってもよい炭素数1〜5の直鎖または分岐鎖のアルキルであるが、好ましくは、いずれも水素原子である。
XおよびYは、それぞれ独立に同一でも異なってもよいハロゲンを表すが、好ましくは、XがBrであり、YがClである。
上記式(1)で示される構造を有する共重合体の好ましい態様として、R、R、およびRがいずれもエチレン基であり、各Rがいずれもメチル基であり、および、各Rがいずれも水素原子であり、XがBrであり、YがClである場合、本発明の共重合体は、具体的には以下の式(2)を有する。
Figure 2014101475
mおよびnは、互いに独立して、2以上の整数を表すが、それぞれ2000以下、好ましくは1000以下であることができる。ここで、m/(m+n)の値は、0.7以上1未満であることができ、好ましくは0.8以上1未満、より好ましくは0.9以上1未満、最も好ましくは0.95以上1未満である。
本発明の共重合体の重量平均分子量(Mw)は、特に限定はされないが、例えば、5,000〜1,000,000が好ましく、より好ましくは10,000〜300,000である。
上述のとおり、発明の共重合体は、必要に応じ、他のモノマー由来の構造単位を含むものであってもよく、限定はされないが、通常、他のモノマー由来の構造単位の割合は、ポリマーを構成する全構造単位に対して、30モル%以下であることが好ましく、より好ましくは10モル%以下である。
なお、上記共重合体の合成については、モノマー化合物の調製およびそれらの重合を含め、当業者の技術水準に基づき、常法により行うことができるが、上記ジヒドロキシフェニル基を有する重合開始剤を用いることが好ましい。当該ジヒドロキシフェニル基を有する重合開始剤としては、特に限定されないが、例えば、有機ハロゲン化物やハロゲン化スルホニル化合物が挙げられ、かかる有機ハロゲン化物又はハロゲン化スルホニル化合物は、重合の開始点となるハロゲンを少なくとも1つ有する化合物であればよく、通常、開始点(重合開始末端)となるハロゲンを1つ又は2つ有する化合物を使用する。
そのような重合開始剤の具体例としては、フェニルメチルクロライド、フェニルメチルブロマイド、フェニルメチルヨーダイド等;1−フェニルエチルクロライド、1−フェニルエチルブロマイド、1−フェニルエチルヨーダイド等;1−フェニルイソプロピルクロライド、1−フェニルイソプロピルブロマイド、1−フェニルイソプロピルヨーダイド等;メチル−2−クロロプロピオネート、エチル−2−クロロプロピオネート、メチル−2−ブロモプロピオネート、エチル−2−ブロモプロピオネート、メチル−2−ヨードプロピオネート等;メチル−2−クロロイソブチレート、エチル−2−クロロイソブチレート、メチル−2−ブロモイソブチレート、エチル−2−ブロモイソブチレート、メチル−2−ヨードイソブチレート、エチル−2−ヨードイソブチレート等;α−クロロアセトフェノン、α−ブロモアセトフェノン、α−クロロアセトン、α−ブロモアセトン等;α−クロロイソプロピルフェニルケトン、α−ブロモイソプロピルフェニルケトン等;p−トルエンスルフォニルクロリド、p−トルエンスルフォニルブロミド等が挙げられる。好ましくは、エチル−2−ブロモイソブチレートである。
2.表面処理剤
本発明の表面処理剤は、前述の通り、上記共重合体を主要成分として含むものであり、金属やセラミックス等の材料の表面を修飾することができるものである。本発明の表面処理剤は、上記共重合体以外に、一般的に基材の表面処理剤の成分として用いられる任意の他の成分を含むものであってもよく、限定はされない。
溶媒としては、水が好ましいが、水とアルコール等との混合溶媒等を用いることもでき、その用途や材料等に応じて適宜変更することができる。
本発明の表面処理剤は、通常、溶液状のものであることが好ましく、主要成分として含まれる前記共重合体の濃度は、例えば、0.1〜1.5重量パーセントが好ましく、より好ましくは0.2〜1.25重量パーセント、さらに好ましくは0.3〜1.0重量パーセントである。
本発明の表面処理剤の対象となる材料としては、特に限定はされないが、例えば、金属、合金、金属酸化物、セラミックスなどが挙げられる。かかる材料の形状は、特に限定はされず、また、用途としても、限定はされないが、例えば、歯科材料、歯科用器具、各種医療用デバイス、人工臓器、バイオチップ、バイオセンサー、および細胞保存器具等が挙げられる。歯科材料としては、例えば、有床義歯、架工義歯、インプラント義歯およびクラウン等の歯科用補綴物が好ましく挙げられる。
歯科治療の用途を有する材料としては、例えば、チタン、チタン合金、チタン・ニッケル合金、またはハイドロキシアパタイトなどが挙げられる。
3.表面処理方法
本発明の表面処理方法は、対象基材である金属やセラミックス等の材料の表面を修飾し耐汚染性を付与する方法であり、具体的には、上述した本発明の表面処理剤に浸漬すること等により、共重合体を基材の表面に塗布する工程を含む方法である。塗布工程においては、前記共重合体を主要成分として含む表面処理剤を用いて行えばよく、限定はされない。本発明の表面処理方法の対象基材は、限定はされないが、その種類、形状および用途等は、上記列挙したものと同様のものが例示できる。
4.防汚性に優れた材料
本発明の材料は、金属またはセラミックスから選択される材料であって、本発明の共重合体のコーティング膜を表面に有するため、防汚染性に優れたものである。本発明の材料は、詳しくは、前記共重合体中のジヒドロキシフェニル基とアミノ基の協同的作用によって表面に吸着することにより、安定化した表面コーティングがなされたものであるため、表面修飾による防汚染性が長期にわたり保持され得るものである。
本発明の材料は、上述した本発明の表面処理方法により材料を表面処理することで得ることができる。本発明の材料としては、限定はされないが、その種類、形状および用途等は、上記で列挙したものと同様のものが例示できる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
1.試薬
ドーパミン塩酸塩、イミダゾール、tert−ブチルクロロジメチルシラン、テトラブチルアンモニウムフロリドのテトラヒドロフラン溶液 (1.0mol/L)(東京化成工業)、臭化銅(I)、2,2'-ビピリジル(和光純薬工業)、ブロモイソブチリルブロマイド(BIBB)、エチル−2−ブロモイソブチレート(EBIB)(SIGMA−ALDRICH)、は市販のものを用いた。トリエチルアミン(TEA)は市販のものを蒸留して使用した(関東化学)。各溶媒は特級のものを使用した。
2.モノマー
2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(MPC)は、上述のとおり、“Kazuhiko Ishihara,Tomoko Ueda,and Nobuo Nakabayashi, Polymer Journal,22,355−360(1990)”に記載の方法等によって合成した。また、2−アミノエチルメタクリレート(AEMA)は、市販のものを用いた。
3.カテコール基が保護された重合開始剤の合成
ドーパミン塩酸塩:tert−ブチルクロロジメチルシラン:イミダゾールが、モル比で1:3:5となる条件下において、これらをTHFに溶解させ、アルゴン置換下で攪拌することで、カテコール基に含まれるヒドロキシル基をtert−ブチルジメチルシリル基により保護した。反応液を吸引濾過により濾別し、濾液をエバポレートして濃縮した。濃縮液を、ジクロロメタンとメタノールの混合溶媒(体積比で5:1)を用いてカラム精製し、濃縮することで生成物を単離した。次に、生成物:BIBB:TEAが、モル比で1.0:1.0:1.1となる条件下において、これらをTHFに溶解させ、攪拌することで、アミノ基にブロモイソブチリル基を導入した。生成したトリエチルアミン塩を吸引濾過により除去し、2.0mol/Lの塩酸水溶液と純水を用いた分液により、濾液を洗浄した。濾液をエバポレートで濃縮した後、ヘキサンと酢酸エチルの混合溶媒(体積比で20:1)を用いてカラム精製した。得られた溶液を濃縮することで、生成物を単離した。得られた生成物の化学構造をH−NMR(CDCl中)により同定した結果、生成物はカテコール基が保護された重合開始剤であることがわかった。反応スキームを以下に示す。
Figure 2014101475
4.末端にカテコール基を有するMPC−AEMA共重合体の合成
MPC:AEMAが、モル比で95:5、90:10、80:20および70:30となる条件で、臭化銅(I)、2,2'-ビピリジルおよび得られた重合開始剤を用い、メタノールと純水の混合溶媒(体積比で70:30)中で、当該技術分野において慣用されている原子移動ラジカル重合反応により、MPC−AEMA共重合体(PMAE−Dopa)を合成した。反応終了後、過剰量のアセトン:エタノール=20:1の溶媒を注ぎ、得られたポリマーを精製した。続いて、沈澱したポリマーを純水に溶解し、水に対して2日間透析することにより、溶液内に含まれる未反応物および銅イオンを除去した。その後、凍結乾燥により、水を完全に除去した。得られたポリマーを、5mmol/Lの濃度に調製したテトラブチルアンモニウムフロリドのTHF溶液中に分散させ、室温で攪拌し、tert−ブチルジメチルシリル基の脱保護を行った。吸引濾過によりポリマーを回収し、減圧乾燥することで、PMAE−Dopaを単離した。収率はMPCユニット組成の高いPMAE−Dopaほど高く、最高で50%程度であった。得られたポリマーの化学構造をH−NMR(CDCDOD中)により同定した。その結果、PMAE−Dopaは、モノマーユニット組成比が仕込み組成とほぼ同等の共重合体であった。得られたPMAE−Dopaの構造を以下に示す。
Figure 2014101475
5.ハイドロキシアパタイト(HAp)表面のコーティング
本実施例においては、処理対象となるセラミックス材料としてハイドロキシアパタイト(HAp)表面を使用した。具体的には、HApの焼結体およびHApがコートされた水晶振動子マイクロバランス(QCM)用基板を用いた。PMAE−Dopaを所定濃度にて純水に溶解し、酸素プラズマ洗浄により清浄したHAp表面と直ちに接触させた。ポリマー濃度は、0.3および1.0wt%に調製し、接触時間は1分から24時間とした。所定時間の接触後、HAp基板を取り出し、純水で十分にすすぎ、当該基板を減圧乾燥させた。
比較例として、カテコール基を含まないMPC−AEMA共重合体(PMAE95−EBIB、95はMPCユニット組成を、EBIBはカテコール基を含まない重合開始剤をそれぞれ示す)、およびAEMAユニットを含まないMPCホモポリマー(PMPC−Dopa)を上記と同様に合成した。これらを用いて1.0wt%の水溶液を調製し、上記と同様に、所定時間HAp基板と接触させ、HAp基板の表面処理を行った。PMAE95−EBIBおよびPMPC−Dopaの構造を以下に示す。
Figure 2014101475
Figure 2014101475
6.合成したポリマーのコーティング能評価
X線光電子分光(XPS)測定により、ポリマーがコートされたHAp基板表面の元素分析を行うことで、各ポリマーのコーティング能の評価を行った。ポリマー溶液濃度は1.0wt%、ポリマー溶液との接触時間は30分とした。各ポリマーでコートされた基板のXPSチャートを図1に示す。未処理のHAp基板以外の表面に、ポリマー中に存在する窒素原子由来の402.0eVのピークが検出された。また、カルシウム原子由来の347.0および351.0eVのピークは、ポリマーをコートすることにより減少した。これらの結果は、各ポリマーでHAp表面を修飾することが可能であることを示唆する。ここで、水晶振動子マイクロバランス(QCM-D)法により、ポリマーのHAp表面へのコーティング量を定量的に評価した。QCM-D法は、表面に物質が吸着したことに起因する共振周波数の減少から、その物質の吸着量を定量する測定であり、本系においては、
吸着量(ng/cm)=17.7×共振周波数変化(Hz)
の関係が存在する。ポリマー溶液濃度は1.0wt%、ポリマー溶液との接触時間は30分とした。PMAE95−Dopaは900ng/cm程度であったのに対し、PMPC−DopaおよびPMAE95−Dopaはそれぞれ400および600ng/cmであった。つまり、HAp表面に水溶性ポリマーを効果的にコートするためには、カテコール基およびアミノ基の両方の官能基が必要であることがわかった。
7.タンパク質吸着抑制能のポリマー溶液接触時間依存性
ポリマーがコートされたHAp基板へのウシ血清アルブミン(BSA)吸着量と、各ポリマー溶液とHAp基板との接触時間の関係を調べることで、そのタンパク質吸着抑制能を評価した。ここで、BSAの吸着量の定量には、水晶振動子マイクロバランス(QCM-D)法を用いた。QCM-D法では、前述と同様に、
吸着量(ng/cm)=17.7×共振周波数変化(Hz)
の関係を利用した。図2に結果を示す。
未処理のHAp基板表面へのBSAの吸着量は、500ng/cm程度であった。BSAの理論単層吸着量は270ng/cm程度であることが知られている。つまり未処理のHAp基板には多層にタンパク質が吸着していることが示唆された。PMAE95−Dopa基板のタンパク質吸着量は、数分の処理時間で未処理のHAp基板の1/3以下に抑制され、5時間の処理で50 ng/cm程度に到達した。これは、PMAE95−Dopaのコーティングにより、タンパク質が単層以下の吸着に抑制されたことを示す。また、PMAE90−Dopaも同様の挙動を示したが、3時間の処理で検出できない程度までタンパク質吸着を抑制した。一方、PMPC-Dopa基板では、100 ng/cmの吸着量に達するまでに、24時間の処理時間が必要であった。また、PMAE95−EBIB基板は、24時間の処理時間でもHAp基板とほぼ同等の吸着量であった。これらの結果から、カテコール基とアミノ基の効果により短時間でHAp基板にコートされた水溶性MPCポリマーは、その表面に高いタンパク質吸着抑制能、つまり優れた防汚性を付与できることがわかった。

Claims (15)

  1. 側鎖にホスホリルコリン基を有するモノマーユニットおよび側鎖にアミノ基を有するモノマーユニットを含む共重合体であって、分子内にジヒドロキシフェニル基を有する、該共重合体。
  2. 前記ジヒドロキシフェニル基が、共重合体の末端に存在する、請求項1に記載の共重合体。
  3. 前記ジヒドロキシフェニル基が、カテコール基である、請求項1または2に記載の共重合体。
  4. 以下の式(1)で示される構造を有する共重合体。
    Figure 2014101475
    (式中、Rは、炭素数1〜5の直鎖または分岐鎖のアルキレンを表し;Rは、炭素数2または3の直鎖または分岐鎖のアルキレンを表し;各Rは、それぞれ独立に、同一でも異なってもよいメチルまたはエチルを表し;Rは、炭素数1〜5の直鎖または分岐鎖のアルキレンを表し;各Rは、それぞれ独立に、水素原子、または同一でも異なってもよい炭素数1〜5の直鎖または分岐鎖のアルキルを表し;XおよびYは、それぞれ独立に同一でも異なってもよいハロゲンを表し;mおよびnは、互いに独立して、2以上の整数を表し:および、各モノマーユニットはランダムな順序で結合している。)
  5. 、R、およびRがいずれもエチレン基であり、各Rがいずれもメチル基であり、および、各Rがいずれも水素原子である、請求項4に記載の共重合体。
  6. XがBrであり、YがClである、請求項4または5に記載の共重合体。
  7. m/(m+n)が0.9以上1未満である、請求項4〜6のいずれか1項に記載の共重合体。
  8. m/(m+n)が0.95以上1未満である、請求項7に記載の共重合体。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の共重合体を含有する表面処理剤。
  10. 溶媒として水のみを含む、請求項9に記載の表面処理剤。
  11. 金属またはセラミックスから選択される材料の表面を修飾するための、請求項9または10に記載の表面処理剤。
  12. 前記材料が、チタン、チタン合金、チタン・ニッケル合金、またはハイドロキシアパタイトである、請求項11に記載の表面処理剤。
  13. 請求項9〜12に記載の表面処理剤を材料の表面に塗布する工程を含む、表面処理方法。
  14. 金属またはセラミックスから選択される材料であって、請求項1〜8のいずれか1項に記載の共重合体のコーティング膜を表面に有する、該材料。
  15. 前記材料が、チタン、チタン合金、チタン・ニッケル合金、またはハイドロキシアパタイトである、請求項14に記載の材料。
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