JP2016199620A - 表面処理用剤および表面処理方法 - Google Patents
表面処理用剤および表面処理方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2016199620A JP2016199620A JP2015078437A JP2015078437A JP2016199620A JP 2016199620 A JP2016199620 A JP 2016199620A JP 2015078437 A JP2015078437 A JP 2015078437A JP 2015078437 A JP2015078437 A JP 2015078437A JP 2016199620 A JP2016199620 A JP 2016199620A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- polymer
- formula
- independently
- integer
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08F—MACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
- C08F230/00—Copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and containing phosphorus, selenium, tellurium or a metal
- C08F230/02—Copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and containing phosphorus, selenium, tellurium or a metal containing phosphorus
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C09—DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- C09K—MATERIALS FOR MISCELLANEOUS APPLICATIONS, NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE
- C09K3/00—Materials not provided for elsewhere
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Medicinal Chemistry (AREA)
- Polymers & Plastics (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Materials Engineering (AREA)
- Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
- Materials For Medical Uses (AREA)
- Treatments Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
- Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)
Abstract
Description
しかしながら、これらのブロックポリマーは、表面処理された表面におけるタンパク質吸着抑制効果が十分ではない。
また、疎水性基材の表面処理方法として、側鎖にホスホリルコリン基を有するモノマーユニット、側鎖に疎水性基を有するモノマーユニット、及び側鎖にアジド基を有するモノマーユニットを有するポリマーを用いた方法(特許文献1)、あるいは、側鎖にホスホリルコリン基を有するモノマーユニット、側鎖に疎水性基を有するモノマーユニット、及び側鎖に第三級アミンを有するモノマーユニットを有するポリマーを用いた方法(特許文献2)などが知られている。さらに、多くの用途を目的とした表面処理ポリマーの作製が試みられている(非特許文献2、3)
すなわち、本発明は以下の通りである。
で示されるポリマー化合物。
(2)式Iで示される化合物が次式II:
で示される構造を有するポリマーである、(1)に記載のポリマー化合物。
(3)a/(a+b+c)の値が0.10〜0.85であり、b/(a+b+c)の値が0.1〜0.70であり、c/(a+b+c)の値が0.05〜0.70である、(1)又は(2)に記載のポリマー化合物。
(4)疎水性基材の表面を親水化することができるものである、(1)〜(3)のいずれか1項に記載のポリマー化合物。
(5)前記(1)〜(4)のいずれか1項に記載のポリマー化合物を含む、表面処理剤。
(6)前記(5)に記載の処理剤を疎水性基材の表面に塗布する工程を含む、疎水性基材の表面処理方法。
本発明のポリマー化合物は、側鎖にホスホリルコリン基を含むユニット、側鎖に疎水性基を含むユニット、及び側鎖に第四級アンモニウム塩を含むユニットを有する三元系ポリマー化合物である。
本発明のポリマー化合物は、シリコーンハイドロゲルの主成分であるシリコーンとの疎水性相互作用を高めるため、シリコーン成分を含むモノマーをポリマーのユニット成分に取り入れたものである。本発明のポリマーを用いることで、疎水性相互作用による吸着効果のみならず、補助的に静電相互作用を発現させて基材に吸着・固定化させることができる。この際、コーティング溶液のpHを調整することにより、基材表面のカルボキシ基(アニオン)を完全に電離状態にする。そして、タンパク質吸着抑制効果、潤滑特性効果及び摩擦低減効果を発揮させるために、ホスホリルコリン基を有するユニットをポリマー成分に取り入れる。さらに、ホスホリルコリン基を有するユニットとカチオン性ユニットとの静電相互作用を高めて、確実にイオンコンプレックスを形成させて吸着・固定化させる。
本発明のポリマー中、ホスホリルコリン基(PC基)は、生体膜の主成分であるリン脂質(ホスファチジルコリン)の極性基と同様の構造を有する極性基である。ホスホリルコリン基がポリマーに含有されることにより、当該ポリマーに、親水性(ぬれ性)、具体的には、生体膜の表面が有する極めて良好な生体適合性、特に生体分子の非吸着性、及び非活性化特性が付与され、各種分子に対する非特異的吸着を効果的に抑制することができるため、ひいては疎水性ポリマー材料等の疎水性基材表面に優れた防汚性を付与することができる。
また、本発明のポリマー中、疎水性基は、シリコーン成分を含むポリマーであり、シロキサン結合を有している。これにより、処理対象である疎水性基材表面との吸着性を有し、表面コーティングの安定性を向上させることができる。
式Iにおいて、R1、R2及びR5は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよいフェニル基、又は−C(O)−、−C(O)O−若しくは−O−で示される基を表し、好ましくは、−C(O)−、−C(O)O−又は−O−で示される基、より好ましくは−C(O)O−で示される基である。
また、xは、1以上の整数を表し、好ましくは1〜12の整数、より好ましくは1〜4の整数、特に好ましくは2である。
式Iにおいて、R4は、シロキサン結合を有する基を表す。
ここで、トリアルキルシリル基の「アルキル」としては、炭素数1〜5のアルキルを表し、好ましくはメチルである。
置換基の具体例としては、例えば、ハロゲン原子、水酸基、チオール基、ニトロ基、シアノ基、ホルミル基、カルボキシル基、アミノ基、シリル基、メタンスルホニル基、C1−6アルキル基、C2−6アルケニル基、C2−6アルキニル基、C3−8シクロアルキル基、C6−10アリール基、C1−6アルコキシ基、C2−7アシル基またはC2−7アルコキシカルボニル基などを挙げることができる。
さらに、上記一般式Iで示される構造を有するポリマーの具体例としては、限定はされないが、下記一般式IIで示される構造を有するポリマーが好ましく挙げられる。
上記式I及びIIで示されるポリマーにおいては、a、b及びcは、特に限定はされず、それぞれ独立して、2以上の整数であればよいが、ここで、a/(a+b+c)の値は0.10〜0.85であることが好ましく、より好ましくは0.2〜0.85、さらに好ましくは0.3〜0.60であり、b/(a+b+c)の値は0.1〜0.70であることが好ましく、より好ましくは0.10〜0.60、さらに好ましくは0.2〜0.60であり、c/(a+b+c)の値は0.05〜0.60であることが好ましく、より好ましくは0.05〜0.50、さらに好ましくは0.1〜0.40である。
上記式I及びIIで示される構造を有するポリマーは、必要に応じ、他のモノマー由来の構造単位を含むものであってもよく、限定はされないが、通常、他のモノマー由来の構造単位の割合は、ポリマーを構成する全構造単位に対して、30モル%以下であることが好ましく、より好ましくは10モル%以下である。
式I及びIIで示されるポリマーの合成については、モノマー化合物の調製及びそれらの重合を含め、基本的には、当業者の技術水準に基づき、常法により行うことができる。
本発明の表面処理剤は、本発明の上記三元系ポリマーを主要成分として含むものであり、対象基材である疎水性基材の表面を親水化することができるものである。
本発明の表面処理剤は、後述するように、疎水性基材の表面に塗布することにより表面処理を行うことができるものである。
本発明の表面処理剤は、上記三元系ポリマー以外に、一般的に基材の表面処理剤の成分として用いられる任意の他の成分(例えば、各種溶媒等)を含むものであってもよく、限定はされない。溶媒としては、例えば、水とエタノールとの混合溶媒等が好ましく挙げられる。
さらに、本発明の処理剤を溶液として使用する場合のpHは、4〜11であり、好ましくは6〜10である。
(i) ポリメタクリル酸メチル(メタクリル樹脂;PMMA)等のアクリル系ポリマー
(ii) ポリジメチルシロキサン(PDMS)等の各種シリコーンゴム(置換シリコーン、変性シリコーンを含む等)
(iii) ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート及びポリオレフィン等の有機物からなるもの
(iv) 金属、セラミックスあるいはガラス系基材にシランカップリング剤で表面処理したもの等
また、基材の用途としては、限定はされないが、例えば、歯科材料、歯科用器具、各種医療用デバイス、コンタクトレンズ、人工臓器、バイオチップ、バイオセンサー、酸素富加膜及び細胞保存器具等が挙げられる。歯科材料としては、例えば、有床義歯、架工義歯、インプラント義歯及びクラウン等の歯科用補綴物が好ましく挙げられる。
(1)表面処理方法
本発明の表面処理方法は、対象基材である疎水性基材の表面を親水化する方法であり、具体的には、上述した本発明の表面処理剤を基材の表面に塗布する工程(塗布工程)を含む方法である。
対象基材の表面が疎水性の場合は、水溶液をはじきコーティングすることが困難になることがある。そのような場合は、O2プラズマ処理を行うことができる。O2プラズマ処理により、基材表面に水酸基やカルボキシ基が生成されるため、親水性が向上する。また、本発明のポリマー化合物において、第四級アンモニウム塩を側鎖に有する構造単位は静電相互作用ユニットとして機能することから、ポリマーの基材への吸着効果を高めることができる。静電相互作用ユニットは、静電相互作用による基材への吸着と、MPCポリマーの水溶性を高める効果を有している。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。但し、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
MPCモノマー、疎水性モノマーとしてSiMAA2、カチオン性モノマーとしてMetacを用いる。
各モノマーと開始剤(アゾビスイソブチロニトリルAIBN C8H12N4 Mw=164.21 CAS 78-67-1)を計りとり、エタノール15mLにモノマーが0.5mol/Lになるよう溶解した後、溶液を試験管に移し、0℃においてアルゴンバブリングして系中の酸素を脱気した(20分間)。
試験管をガスバーナーで封管し、60℃オイルバス中で重合反応させた(24時間)。反応後、試験管を開管して反応溶液をエーテル/クロロホルム=9/1 800mL中に滴下して再沈殿させ精製した。沈殿物を桐山ロート紙フィルターで減圧ろ過により回収し、減圧乾燥後、純水に溶解した。ポリマー水溶液を限外ろ過装置(テクノオフィス・カネコ製ゲンゴロウ)にて連続限外ろ過を行い、未反応モノマーを除去し、凍結乾燥により試料を得た(表3)。
架橋剤としてEthylene glycol dimethacrylate (EGDMA(C10H14O4 Mw= 198.22 CAS 97-90-5)、親水性モノマーとしてN,N-Dimethylacrylamide (DMA)(C5H9NO Mw=99.13 CAS 2680-03-7),シリコーンモノマーとしてMethyl-di(trimethylsiloxy)-sylyl propyl glycerol methacrylate (SiMAA2、下記) C17H38O6Si3 Mw=422.7 CAS 69861-02-5)、カルボキシ基含有モノマーとしてMethacrylic Acid (MAA) (Mw=86.1)、光開始剤としてイルガキュア369(Mw=366.5) (下記式)を用い、
EGDMA:1
MAA:25
DMA:64
SiMAA2:10
のモノマー組成比で混合し、イルガキュア369 0.1に対してモノマー総量が100となるように溶液を調整した(表4)。
硬化後、サンプルを2-プロパノール/水=7/3に浸漬し、未反応物を除去し精製した。溶媒を2回交換した後、純水に置換し、純水を2回交換した後、pH9.18緩衝液に浸漬した。3時間後、純水に置換し、純水を2回交換して得られたサンプルから、φ13mmの打ち抜きでディスク状に打ち抜き、純水中で超音波洗浄を繰り返し、生理食塩水に置換してサンプルを得た。
各PMSiMe(0.5wt% pH9.18) 溶液中にシリコーンハイドロゲルを一晩浸漬して取り出し、生理食塩水に置換してサンプルとした。
MPCポリマーコーティングを施したサンプルを生理食塩水でリンスを50回行った後、自然乾燥に続いて減圧乾燥し、XPS(X線光電子分光法)測定装置(島津製作所Kuratos)を用いて、サンプル基材表面の元素分析を行った。また一部のサンプルはSDS/生理食塩水中にて超音波洗浄(5分間)を行い、リンスした後、自然乾燥、減圧乾燥を経てサンプルとした。
MPCポリマーコーティングを施したSiHyMA表面に、基材であるSiHyMAには存在しない133eV付近のPならびに403eV付近に4級アンモニウムNのピークを確認した(図1〜3)。いずれもMPCポリマー由来のピークであり、SiHyMA表面でのMPCポリマーの存在を示している。
MPCポリマーコーティングを施した後にSDS1%水溶液で超音波洗浄(5分間)したSiHyMA表面にも、MPCポリマーの存在を確認した。
水中接触角を、自作の測定装置を用いてキャプティブバブル法で測定した。
測定装置:図13、14に示す測定装置を組み上げ、ハイドロゲルサンプルをOリングで治具に固定し、治具をポンプで吸引して水中で保持した。マイクロシリンジから気泡を押しだしてサンプル表面に吸着させ、CMOSカメラで吸着した気泡を撮影し、画像処理により水中接触角を求めた。図14中、接触角θが大きいほど、基材表面の親水性が高いことを意味する。
結果
未処理のSiHyMAでは161°だったものが、MPCポリマー処理したサンプルでは、166°以上に向上した(図4)。またコーティング後、SDS1%溶液で超音波洗浄したサンプルも同様の効果を示した。
(1)方法
タンパク質吸着実験として、涙液に含まれる主成分であるリゾチーム(1.9mg/mL)、ラクトフェリン(1.8mg/mL)、アルブミン(0.2mg/mL)、γグロブリン(0.02mg/mL)を用いて測定。人工涙液(ATS)として(3.92mg/mL)が報告されているため、それぞれのタンパク溶液も3.92mg/mLに統一して用いた。
γグロブリン, ヒト血清由来 (Wako)
アルブミン, ヒト血清由来 (Wako)
リゾチーム, 卵白由来(塩酸リゾチーム、卵白由来)(Wako)
ラクトフェリン, 牛乳由来 (Wako)
γグロブリンの場合、未処理SiHyMAに比べて、PMSiMeコーティング処理したいずれのサンプルも、タンパク吸着が見られなかった。
PMSiMeコーティング処理により、ラクトフェリン、リゾチーム、ATSでも、タンパク吸着を抑える結果を示した。
(1)方法
市販シリコーンハイドロゲルとして、ワンデー アキュビュー トゥルーアイ(登録商標) (ジョンソンエンドジョンソン) をケースから取り出し、生理食塩水に置換して自然乾燥させた後、プラズマ装置(ヤマト科学PR500)にて処理(100w 酸素流量30ml/min)した。プラズマ処理したサンプルを各PMSiMe(0.5wt% pH9.18) の各溶液中に一晩浸漬して取り出し、生食水に置換してサンプルとした。
MPCポリマーコーティングを施したサンプルを生理食塩水でリンス50回行った後、自然乾燥に続いて減圧乾燥し、XPS(X線光電子分光法)測定装置(島津製作所Kuratos)を用いて、サンプル基材表面の元素分析を行った。また一部のサンプルはSDS/生理食塩水中にて超音波洗浄(5分間)を行い、リンスした後、自然乾燥、減圧乾燥を経てサンプルとした。
MPCポリマーコーティングを施したワンデー アキュビュー トゥルーアイ表面に、基材であるワンデー アキュビュー トゥルーアイには存在しないMPCポリマー由来の133eV付近のPならびに403eV付近に4級アンモニウムNのピークを確認した(図9〜11)
SDS1%水溶液で超音波洗浄したサンプルにも、MPCポリマーの存在を確認できた。
(1)方法
水中接触角を、測定装置を用いてキャプティブバブル法で測定した。
(2)結果
未処理のワンデー アキュビュートゥルーアイでは153°だったものが、MPCポリマー処理したワンデーアキュビュー トゥルーアイでは、いずれも158°以上に向上した。またコーティング後、SDS1%溶液で超音波洗浄したサンプルも同様の効果を示した(図12)。
(1)方法
汎用ポリマーの一つであるポリスチレン(PSt)(厚さ0.2mm)を、φ13mmのディスク状に打ち抜き、エタノールで洗浄して自然乾燥させた後、プラズマ装置(ヤマト科学PR500)にて処理(100w 酸素流量30ml/min)した。
酸素プラズマ処理したPStを、SiHyMAへの高い吸着効果を示したPMSiMe9(0.5wt% pH9.18) 溶液中に一晩浸漬して取り出し、生理食塩水に置換してサンプルとした。
MPCポリマーコーティングを施したPStを生理食塩水でリンスを50回行った後、自然乾燥に続いて減圧乾燥し、XPS(X線光電子分光法)測定装置(島津製作所Kuratos)を用いて、PSt基材表面の元素分析を行った。また一部のPStはSDS/生理食塩水中にて超音波洗浄(5分間)を行い、リンスした後、自然乾燥、減圧乾燥を経てサンプルとした。
MPCポリマーコーティングを施したPSt表面に、基材であるPStには存在しない133eV付近のPならびに403eV付近に4級アンモニウムNのピークを確認した(図15〜17)。いずれもMPCポリマー由来のピークであり、PSt表面でのMPCポリマーの存在を示している。
MPCポリマーコーティングを施した後にSDS/生理食塩水中にて超音波洗浄(5分間)したPSt表面にも、MPCポリマーの存在を確認した。
酸素プラズマ処理に続いてpH9.18中でコーティングすることで、PMSiMe9が表面に吸着していることを確認した。基材表面に、酸素プラズマ処理によるカルボキシ基の生成が予想され、SiHyMAと同様の効果を示したものと考えられる。
(1)方法
水中接触角を、測定装置を用いてキャプティブバブル法で測定した。
(2)結果
未処理のPStでは110°だったものが、プラズマ処理あるいはプラズマ処理後にMPCポリマー処理したPStでは、いずれも170°前後に大きく向上した。またコーティング後、SDS1%溶液で超音波洗浄したPStも同様の効果を示した(図18)。
(1)方法
未処理PSt並び酸素プラズマ処理したPSt、酸素プラズマ処理後にMPCポリマーコーティングを施したPStを人工涙液(ATS)(3.92mg/mL)にそれぞれ6枚ずつ一晩浸漬(37℃)した。PStを取り出して生理食塩水中でリンスを50回行い、SDS/生理食塩水(1%)中、超音波洗浄して表面に吸着しているタンパク質を回収し、μBCA法(BCA Protein Assay Reagent Kit サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社)により定量した。
(2)結果
接触角測定では、プラズマ処理によりPStの表面は親水性に改質された結果を示したが、プラズマ処理したPStは未処理PStと同様のタンパク吸着量を示した。一方で、プラズマ処理後にMPCポリマーコーティングを施したPSt表面にはタンパク吸着が全くみられなかった(図19)。
Claims (6)
- 次式I:
で示されるポリマー化合物。 - 式Iで示される化合物が次式II:
で示される構造を有するポリマーである、請求項1に記載のポリマー化合物。 - a/(a+b+c)の値が0.10〜0.85であり、b/(a+b+c)の値が0.1〜0.70であり、c/(a+b+c)の値が0.05〜0.70である、請求項1又は2に記載のポリマー化合物。
- 疎水性基材の表面を親水化することができるものである、請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリマー化合物。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリマー化合物を含む、表面処理剤。
- 請求項5に記載の処理剤を疎水性基材の表面に塗布する工程を含む、疎水性基材の表面処理方法。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015078437A JP2016199620A (ja) | 2015-04-07 | 2015-04-07 | 表面処理用剤および表面処理方法 |
PCT/JP2016/061341 WO2016163435A1 (ja) | 2015-04-07 | 2016-04-07 | 表面処理用剤および表面処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015078437A JP2016199620A (ja) | 2015-04-07 | 2015-04-07 | 表面処理用剤および表面処理方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2016199620A true JP2016199620A (ja) | 2016-12-01 |
Family
ID=57072272
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015078437A Pending JP2016199620A (ja) | 2015-04-07 | 2015-04-07 | 表面処理用剤および表面処理方法 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2016199620A (ja) |
WO (1) | WO2016163435A1 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2021095753A1 (ja) | 2019-11-14 | 2021-05-20 | 国立大学法人九州大学 | ポリマー化合物およびコーティング組成物 |
JP2021161208A (ja) * | 2020-03-31 | 2021-10-11 | 株式会社朝日Fr研究所 | 親水性改質基材 |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110106534B (zh) * | 2019-05-15 | 2021-03-26 | 南京理工大学 | 一种制备具有木材镜面结构超疏水镍表面的方法 |
JP2023105446A (ja) * | 2022-01-19 | 2023-07-31 | 信越化学工業株式会社 | 親水性共重合体および親水性組成物 |
Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007197513A (ja) * | 2006-01-24 | 2007-08-09 | Nof Corp | 透明液状組成物及び重合体 |
WO2010055914A1 (ja) * | 2008-11-14 | 2010-05-20 | 国立大学法人東京大学 | 酸素透過性及び耐汚れ性に優れたポリマー材料 |
WO2013118736A1 (ja) * | 2012-02-07 | 2013-08-15 | 国立大学法人 東京大学 | 疎水性材料の表面処理剤、及び表面処理方法 |
JP2014101475A (ja) * | 2012-11-22 | 2014-06-05 | Univ Of Tokyo | 耐汚染性を付与するための水溶性表面処理剤、および表面処理方法 |
JP2014533304A (ja) * | 2011-09-01 | 2014-12-11 | ヴァーテラス・スペシャリティーズ・インコーポレーテッドReilly Industries,Inc. | 生体適合性材料の製造方法 |
JP2015063577A (ja) * | 2013-09-24 | 2015-04-09 | 国立大学法人 東京大学 | 医療材料の表面修飾用ポリマー |
-
2015
- 2015-04-07 JP JP2015078437A patent/JP2016199620A/ja active Pending
-
2016
- 2016-04-07 WO PCT/JP2016/061341 patent/WO2016163435A1/ja active Application Filing
Patent Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007197513A (ja) * | 2006-01-24 | 2007-08-09 | Nof Corp | 透明液状組成物及び重合体 |
WO2010055914A1 (ja) * | 2008-11-14 | 2010-05-20 | 国立大学法人東京大学 | 酸素透過性及び耐汚れ性に優れたポリマー材料 |
JP2014533304A (ja) * | 2011-09-01 | 2014-12-11 | ヴァーテラス・スペシャリティーズ・インコーポレーテッドReilly Industries,Inc. | 生体適合性材料の製造方法 |
WO2013118736A1 (ja) * | 2012-02-07 | 2013-08-15 | 国立大学法人 東京大学 | 疎水性材料の表面処理剤、及び表面処理方法 |
JP2014101475A (ja) * | 2012-11-22 | 2014-06-05 | Univ Of Tokyo | 耐汚染性を付与するための水溶性表面処理剤、および表面処理方法 |
JP2015063577A (ja) * | 2013-09-24 | 2015-04-09 | 国立大学法人 東京大学 | 医療材料の表面修飾用ポリマー |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2021095753A1 (ja) | 2019-11-14 | 2021-05-20 | 国立大学法人九州大学 | ポリマー化合物およびコーティング組成物 |
JP2021161208A (ja) * | 2020-03-31 | 2021-10-11 | 株式会社朝日Fr研究所 | 親水性改質基材 |
JP7305190B2 (ja) | 2020-03-31 | 2023-07-10 | 株式会社朝日Fr研究所 | 親水性改質基材 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
WO2016163435A1 (ja) | 2016-10-13 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
WO2016163435A1 (ja) | 表面処理用剤および表面処理方法 | |
JP5598891B2 (ja) | 疎水性基材の表面処理方法 | |
JP5898703B2 (ja) | 疎水性材料の表面処理剤、及び表面処理方法 | |
JP6338263B2 (ja) | 低含水性軟質デバイスおよびその製造方法 | |
JP6036299B2 (ja) | 医療デバイスおよびその製造方法 | |
JP6807011B2 (ja) | 表面にホスホリルコリン基含有親水性ポリマーを有するコンタクトレンズ | |
JPWO2011102356A1 (ja) | 低含水性軟質眼用レンズおよびその製造方法 | |
TWI496819B (zh) | 抗生物分子沾黏之仿生塗佈劑及其製造方法 | |
JP6070193B2 (ja) | 医療デバイスおよびその製造方法 | |
US11008414B2 (en) | Polymer materials for contact lens applications | |
AU2016203263B2 (en) | Macroinitiator containing hydrophobic segment | |
JP6003653B2 (ja) | 医療デバイスおよびその製造方法 | |
TW201634501A (zh) | 共聚物及其表面處理劑、用途、交聯體、交聯體形成方法和醫療用具 | |
JP6964344B2 (ja) | 表面処理剤、表面処理方法、表面処理基材、及び表面処理基材の製造方法 | |
JP6236782B2 (ja) | 低含水性軟質眼用レンズおよびその製造方法 | |
WO2009123191A1 (ja) | ポリシロキサン、アクリル系化合物及びビニル系化合物 | |
JP6111052B2 (ja) | 耐汚染性を付与するための水溶性表面処理剤、および表面処理方法 | |
JP6956403B2 (ja) | 多孔質体の表面処理ポリマー | |
JPWO2010092686A1 (ja) | 親水性表面を有する眼用レンズおよび眼用レンズの製造方法 | |
JP6457627B2 (ja) | デュアルイオン電荷偏差型血球スクリーニング用材料及び血液サンプルからの白血球の除去方法 | |
WO2018021458A1 (ja) | 医療デバイス、医療デバイスの製造方法 | |
JP6409770B2 (ja) | シリコーン系樹脂用表面改質剤、表面が改質されたシリコーン系樹脂、表面が改質されたコンタクトレンズ、並びに上記樹脂およびレンズの製造方法 | |
JP6705685B2 (ja) | 生体由来液処理フィルター及びフィルターデバイス | |
JP5831616B2 (ja) | シリコーン(メタ)アクリルアミドモノマー | |
ES2366968T3 (es) | Proceso para fabricar monómeros de siloxanilo hidrófilos catiónicos. |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20180312 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20190416 |
|
A601 | Written request for extension of time |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601 Effective date: 20190612 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20190815 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20191119 |