JP2023105446A - 親水性共重合体および親水性組成物 - Google Patents

親水性共重合体および親水性組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】親水性、防曇性および耐水性に優れる塗膜を与える親水性共重合体を提供すること。【解決手段】下記式(1)及び(2)で表される構成単位を含む親水性共重合体。TIFF2023105446000019.tif46114(式中、R1、R3は水素原子またはメチル基を表し、R2は、それぞれ独立に水素原子または炭素数1~6のアルキル基を表し、R4およびR5は、それぞれ独立に炭素数1~10のアルキル基または炭素数6~10のアリール基を表し、X1、X2は2価の連結基を表し、nは1~3の整数を表し、アスタリスク*は隣接した構成単位への結合を示す。)【選択図】なし

Description

本発明は、親水性共重合体およびこれを含有する親水性組成物に関する。
近年、プラスチック等の有機材料、ガラス等の無機材料で形成された基材の曇りに対する改善要求が高まってきている。
基材の曇り改善は、一般的に、基材の表面上に親水性被膜を形成することで達成されている。例えば、特許文献1では、基材に親水性を付与することが可能なコーティング剤として、親水性の高い4級アンモニウム塩構造を有する親水性共重合体を添加したコーティング組成物が提案されている。
しかし、上記コーティング組成物によって形成された塗膜は、耐水性が十分ではなく、水と接触した後に、塗膜中の親水性組成物が一部溶出し、親水性、防曇性等の表面特性が劣化することがある。しかも、このような箇所が乾燥すると、塗膜上に水垂れ跡が残ることがある。
特開2018-162431号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、親水性、防曇性および耐水性に優れる塗膜を与える親水性共重合体およびこれを含む親水性組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、特定の親水性共重合体が、耐水性に優れ、プラスチック等の有機材料、ガラス等の無機材料で形成された基材に、持続性のある親水性、防曇性を付与することができる塗膜を与えることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、
1. 下記式(1)で表される構成単位(a)と、下記式(2)で表される構成単位(b)とを含む親水性共重合体、
Figure 2023105446000001
(式(1)中、R1は、水素原子またはメチル基を表し、R2は、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1~6のアルキル基を表し、X1は、2価の連結基を表し、
式(2)中、R3は、水素原子またはメチル基を表し、R4およびR5は、それぞれ独立に、炭素数1~10のアルキル基または炭素数6~10のアリール基を表し、X2は、2価の連結基を表し、nは、1~3の整数を表し、アスタリスク*は、隣接した構成単位への結合を示す。)
2. 前記X1およびX2が、それぞれ独立に、ウレタン結合、ウレア結合、チオウレタン結合およびチオウレア結合からなる群より選択される1種以上を有する2価の連結基である1の親水性共重合体、
3. 1または2の親水性共重合体を含む親水性組成物、
4. 3の親水性組成物を硬化させてなる被膜
を提供する。
本発明の親水性共重合体は、耐水性に優れ、プラスチック等の有機基材、ガラス等の無機基材に持続性のある親水性、防曇性を付与できる塗膜を形成可能な親水性組成物を与えることができる。
以下、本発明について具体的に説明する。
[1]親水性共重合体
本発明に係る親水性共重合体(以下、単に「共重合体」とも称する。)は、後述の構成単位(a)および(b)を含む。
以下、本発明に係る親水性共重合体の各構成単位について説明する。
本発明の親水性共重合体に含まれる構成単位(a)は、下記式(1)で表される。
Figure 2023105446000002
(式中、アスタリスク*は、上記と同じ意味を表す。)
式(1)において、R1は、水素原子またはメチル基を表すが、水素原子が好ましい。
2は、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1~6のアルキル基である。
2の炭素数1~6のアルキル基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよく、その具体例としては、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、n-ヘキシル、シクロヘキシル基等が挙げられる。
これらの中でも、R2は、塗膜の親水性向上の観点から、炭素数1~3のアルキル基が好ましく、メチル基またはエチル基がより好ましく、メチル基がより一層好ましい。
1は、2価の連結基を表す。この2価の連結基に特に制限はないが、ウレタン結合、ウレア結合、チオウレタン結合およびチオウレア結合からなる群より選択される1種以上を有する2価の連結基が好ましく、-(CH2k1-Z-(CH2k2-(Zは、ウレタン結合、ウレア結合、チオウレタン結合またはチオウレア結合を表し、k1およびk2は、それぞれ独立に1~5、好ましくは2~4の整数を表す。)で表される連結基がより好ましい。
1の2価の連結基の具体例としては、下記式で示されるものが挙げられるが、これらに限定されない。
Figure 2023105446000003
上記式(1)で表される構成単位(a)の具体例としては、下記式で示されるものが挙げられるが、これらに限定されない。
Figure 2023105446000004
(式中、アスタリスク*は、上記と同じ意味を表す。)
本発明の親水性共重合体に含まれる構成単位(b)は、下記式(2)で表される。
構成単位(b)に含まれる加水分解性シリル基は、それ自身で架橋反応する(自己架橋する)ことができる。これにより、塗膜中に親水性共重合体を含む架橋構造が形成される。
Figure 2023105446000005
(式中、アスタリスク*は、上記と同じ意味を表す。)
式(2)において、R3は、水素原子またはメチル基を表すが、メチル基が好ましい。
4およびR5は、それぞれ独立に、炭素数1~10、好ましくは炭素数1~8、より好ましくは炭素数1~6のアルキル基、または炭素数6~10、好ましくは炭素数6~8のアリール基を表す。
4およびR5のアルキル基としては、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよく、その具体例としては、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、s-ブチル、t-ブチル、n-ペンチル、n-ヘキシル、シクロヘキシル基等が挙げられる。
4およびR5のアリール基の具体例としては、フェニル、トリル基等が挙げられる。
これらの中でも、R4は、炭素数1~3のアルキル基が好ましく、メチル基がより好ましく、R5は、炭素数1~3のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基がより好ましい。
2は、2価の連結基を表す。この2価の連結基に特に制限はないが、ウレタン結合、ウレア結合、チオウレタン結合およびチオウレア結合からなる群より選択される1種以上を有する2価の連結基が好ましく、-(CH2k1-Z-(CH2k2-(Zは、ウレタン結合、ウレア結合、チオウレタン結合またはチオウレア結合を表し、k1およびk2は、それぞれ独立に1~5、好ましくは2~4の整数を表す。)で表される連結基がより好ましい。
2の2価の連結基の具体例としては、下記式で示されるものが挙げられるが、これらに限定されない。これらの中でも、(3)で示されるウレア結合を含むものが好ましい。
Figure 2023105446000006
nは、1~3の整数を表すが、3が好ましい。
上記式(2)で表される構成単位(b)の具体例としては、下記式で示されるものが挙げられるが、これらに限定されない。
Figure 2023105446000007
(式中、アスタリスク*は、上記と同じ意味を表す。)
本発明の親水性共重合体において、構成単位(a)の含有率は、50~99質量%が好ましく、70~98質量%がより好ましく、90~97質量%がより一層好ましい。構成単位(a)の含有率が50質量%以上であれば、共重合体の親水性がより良好なものとなり、塗膜化した際の、塗膜の親水性により優れる。一方、構成単位(a)の含有率が98質量%以下である場合、共重合体の親水性が高くなりすぎず、塗膜化した際の、塗膜の耐水性により優れる。
構成単位(b)の含有率は、1~20質量%が好ましく、5~30%がより好ましく、5~15%がより一層好ましい。
本発明の親水性共重合体中における構成単位(a)と構成単位(b)との合計の含有率は、好ましくは51~100質量%であり、より好ましくは80~100質量%であり、より一層好ましくは90~100質量%である。
本発明の親水性共重合体は、上記構成単位(a)および(b)に加えて、下記式(4)で表される構成単位(c)を含んでもよい。
Figure 2023105446000008
(式中、アスタリスク*は、上記と同じ意味を表す。)
式(4)において、R6は、水素原子またはメチル基を表すが、メチル基が好ましい。
3は、-NH-または-O-を表すが、-O-が好ましい。
1は、水素原子、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、イソシアネート基、エポキシ基、アルコキシ基(-OR)および加水分解性シリル基からなる群より選択される基である。
1のアルコキシ基(-OR)としては、Rのアルキル基が、置換または非置換の炭素数1~6のものが挙げられ、その具体例としては、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、i-プロポキシ、n-ブトキシ、sec-ブトキシ、t-ブトキシ、n-ペンチルオキシ、n-ヘキシルオキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ基等が挙げられる。また、Rのアルキル基の炭素原子に結合した水素原子の一部または全部は、塩素、フッ素、臭素等のハロゲン原子や、シアノ基等のその他の置換基で置換されていてもよい。
1の加水分解性シリル基の具体例としては、トリメトキシシリル、トリエトキシシリル、ジメトキシシリル、ジエトキシメチルシリル、モノメトキシジメチルシリル、モノエトキシジメチルシリル基等のアルコキシシリル基;アセトキシシリル基等のカルボキシレートシリル基;トリクロロシリル、ジクロロシリル、モノクロロシリル基等のハロシリル基;アミノシリル基;オキシムシリル基;ヒドロシリル基などが挙げられる。
これらの中でも、Y1は、水素原子および水酸基が好ましい。
jは、0~10の整数であり、0~6の整数が好ましく、1~4の整数がより好ましく、2~4の整数がさらに好ましい。ただし、jが0のとき、Y1は水素原子である。
本発明の親水性共重合体が、構成単位(c)を含有する場合、例えば、本発明の共重合体と、構成単位(c)のY1と架橋反応しうる官能基を有する硬化剤とを併用すると、硬化剤と共重合体とで架橋構造を形成することができる。また、例えば、本発明の共重合体と、酸触媒等の硬化触媒とを併用すると、共重合体自身が架橋反応する(自己架橋する)こともできる。ゆえに、本発明の親水性共重合体と硬化剤とを含む組成物から形成される塗膜は、架橋構造を有し、優れた耐水性を発揮することができる。
このような点から、上記式(4)において、Y1は、水酸基がより好ましい。本発明の共重合体が、Y1が水酸基である構成単位(c)を含む場合、例えば、本発明の共重合体と、イソシアネート基を有する硬化剤とを組み合わせることで、低温条件下(例えば、110℃以下)でも架橋構造を形成することができる。ゆえに、耐熱性の低い基材上にも本発明の親水性共重合体を含む組成物による塗膜を形成することができる。
上記式(4)で表される構成単位(c)の具体例としては、下記式で示されるものが挙げられるが、これらに限定されない。
Figure 2023105446000009
(式中、アスタリスク*は、上記と同じ意味を表す。)
本発明の親水性共重合体が構成単位(c)を含む場合、その含有率は、特に制限されないが、1~50質量%が好ましく、3~20質量%がより好ましく、5~10質量%がより一層好ましい。
本発明の親水性共重合体に含まれる各構成単位の順序は任意であり、本発明の共重合体は、交互共重合体、ランダム共重合体、ブロック共重合体のいずれであってもよい。
本発明の親水性共重合体の重量平均分子量に特に制限はないが、有機溶媒との親和性および塗膜の硬度を向上させる観点から、好ましくは1,000~1,000,000、より好ましくは5,000~700,000、より一層好ましくは300,000~600,000、さらに好ましくは400,000~500,000である。なお、本発明において、重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)(標準物質:ポリスチレン、展開溶媒:テトラヒドロフラン)による測定値である。
本発明の親水性共重合体の粘度に特に制限はないが、有機溶媒との相溶性や作業性の観点から、0.01~0.5Pa・s(温度25℃)が好ましい。なお、本発明において、粘度は、B型回転粘度計による測定値である。
また、本発明の親水性共重合体のガラス転移温度は、-10~50℃が好ましい。なお、本発明において、ガラス転移温度は、JIS K7121に基づく測定値である。
本発明の親水性共重合体は公知の方法で得ることができ、例えば、下記スキームに示されるように、重合開始剤の存在下、下記式(5)で表されるようなイソシアネート基を含む重合性単量体を、窒素等の不活性ガス雰囲気下で重合させた後に、下記式(6)で表されるアミノアルコール、および下記式(7)で表される有機ケイ素化合物を、大気雰囲気下または窒素等の不活性ガス雰囲気下で反応させて得ることができる。
Figure 2023105446000010
なお、上記各式中、R1~R5、X1、X2およびnは、上記と同じ意味を表す。hは、1~10の整数を表し、gは、1~3の整数を表し、Y2は、-NH(R’)、-SHおよび-OHからなる群より選択される官能基を表し、R’は、水素原子または炭素数1~6のアルキル基を表し、a、bおよびcは、各構成単位の含有率が上記範囲となる値である。
炭素数1~6のアルキル基としては、上記と同様のものが挙げられる。
上記式(5)のイソシアネート基を含む重合性単量体としては、上市されている市販品を用いてもよく、例えば、昭和電工(株)製のカレンズ(登録商標)AOI等が挙げられる。
重合開始剤としては、熱重合開始剤が好ましく、重合開始剤の添加量は、共重合させる単量体の合計質量に対して、好ましくは0.5~30質量%、より好ましくは1~20質量%、より一層好ましくは2~10質量%である。なお、重合開始剤は、一括で添加してもよいし、何回かに分けて添加してもよい。
上記式(7)で表される化合物の具体例を以下に示すが、これらに限定されない。これらの中でも(8)で表されるものが好ましい。
Figure 2023105446000011
(式中、Meは、メチル基を表し、Etは、エチル基を表す。)
上記反応は、無溶媒で行うこともできるが、反応を阻害しない限り、必要に応じて、メチルエチルケトン、1,2-ジメトキシエタン等の有機溶媒中で行うこともできる。
反応温度としては、0℃~各溶媒の沸点が好ましく、20~80℃がより好ましい。反応時間は、1~24時間が好ましく、5~10時間がより好ましい。
上記方法で得られた親水性共重合体は、必要に応じて、固形分濃度を調整したり、溶媒交換したり、濾過処理を施した後、添加剤を配合することもできる。また、重合により生成した親水性共重合体をヘキサン等により沈殿または再沈殿等により精製し、添加剤とともに用途に応じた溶媒に溶解することもできる。
[2]親水性組成物
本発明の親水性組成物(以下、単に「組成物」とも称する。)は、上記親水性共重合体の1種以上を含有する。本発明の組成物に含まれる親水性共重合体の含有量は、特に限定されないが、親水性の観点から、組成物全体の1~50質量%が好ましく、5~25質量%がより好ましい。
本発明の組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で、その他の添加剤等を含んでいてもよい。
その他の添加剤としては、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、蟻酸、蓚酸、マレイン酸等の酸;アンモニア、メチルアミン、エチルアミン等のアルカリ;有機金属塩;ルイス酸;アルキル錫エステル化合物;レベリング剤;界面活性剤等が挙げられる。これらの中でも有機金属塩を添加することにより、25℃、50%RHでの硬化が可能で、耐久性の高い親水膜を得ることができる。
上記レベリング剤および界面活性剤は、塗膜均一性を向上させるために含有させるものであり、公知のものを用いることができ、特に市販品は入手が容易なので好ましい。
有機金属塩としては、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、プロピオン酸ナトリウム、プロピオン酸カリウム、ギ酸ナトリウム、ギ酸カリウム、オクチル酸スズ等が挙げられる。
ルイス酸の具体例としては、テトライソプロピルチタネート、テトラブチルチタネート、アルミニウムトリイソブトキシド、アルミニウムトリイソプロポキシド、アルミニウムアセチルアセトナート、塩化スズ(SnCl4)、塩化チタン(TiCl4)、塩化亜鉛(ZnCl4)等が挙げられる。
アルキル錫エステル化合物の具体例としては、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジオクトエート、ジオクチル錫ジオクトエート、ジオクチル錫ジバーサテート等のアルキル錫エステル化合物等が挙げられる。
これらは、1種単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
本発明の組成物が有機金属塩を含有する場合、その含有量は、上記親水性共重合体100質量部に対して、好ましくは0.05~50質量部、より好ましくは0.1~5質量部である。
本発明の組成物は、必要に応じて、溶媒を含んでもよい。溶媒は、親水性共重合体、その他の添加剤を溶解または分散でき、各成分と反応せず、後述の乾燥工程において容易に除去できるものであれば特に制限されない。
溶媒の具体例としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、テトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、2-メトキシエチルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、1-メトキシ-2-プロパノール、1-メトキシ-2-プロピルアセテート、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、トルエン、酢酸エチル、乳酸エチル、乳酸メチル、ジメチルスルホキシド、水等が挙げられる。
これらは、1種単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
本発明の組成物の固形分濃度は、塗工性および作業性の観点から、好ましくは5~80質量%、より好ましくは10~30質量%である。
本発明の組成物の粘度は、塗工性および作業性の観点から、好ましくは0.01~0.05Pa・s(温度25℃)である。
なお、本発明の組成物は、1液型であってもよいし、使用前に2液以上を混合して使用する型であってもよい。
本発明の組成物は、各種基材に適用することで、これらに親水性を付与することができる。
上記基材を構成する材料の具体例としては、例えば、ガラス;合成樹脂{ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリエチレンテレフタラート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ABS樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリイミド樹脂、ウレタン樹脂、ナイロン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、フッ素樹脂(ポリテトラフルオロエチレン樹脂、ポリクロロトリフルオロエチレン樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ペルフルオロアルコキシフッ素樹脂、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体樹脂、エチレン四フッ化エチレン共重合体樹脂、エチレン・クロロトリフルオロエチレン共重合体樹脂等)、ポリブタジエン、ポリイソプロピレン、SBR、ニトリルラバー、EPM、EPDM、エピクロルヒドリンラバー、ネオプレンラバー、ポリサルファイド、ブチルラバー等};金属(鉄、アルミニウム、ステンレススチール、チタン、銅、黄銅、これらの合金等);セルロース、セルロース誘導体、セルロース類似体(キチン、キトサン、ポルフィラン等)、綿、絹、ウール等の天然繊維、レーヨン等の再生繊維、アセテート等の半合成繊維、ビニロン、ポリエステル、ナイロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、ポリアラミド繊維等の合成繊維;これらの繊維の複合繊維(ポリエステル/綿等)等が挙げられ、その形態としては、基板、シート、フィルム、繊維、これらを用いた各種物品等が挙げられる。
本発明の組成物を、基板等の表面上に塗布して塗膜を形成し、親水性コート膜とすることができる。
塗布法としては、例えば、バーコート法、ディップコート法、スピンコート法、スプレーコート法、フロートコート法、刷毛塗り法、グラビアコート法、ロール転写法、ブレードコート法、エアーナイフコート法、スリットコート法、スクリーンコート法、インクジェット法、フレキソ印刷法等が挙げられ、これらの中でも、バーコート法が好ましい。
基材上に組成物を塗布後、室温、大気下で静置することにより、硬化した塗膜を得ることができる。静置時間は、好ましくは12~240時間、より好ましくは24~120時間である。
また、硬化工程を短縮するために加熱を行ってもよい。
この場合、加熱温度は、好ましくは40~250℃、より好ましくは80~120℃である。
加熱時間は、好ましくは10秒~12時間、より好ましくは30秒~3時間である。
加熱雰囲気は、空気雰囲気、不活性ガス(例えば、窒素、アルゴン等)雰囲気のいずれでもよい。
塗膜の厚さ(乾燥膜厚)は、特に制限されないが、好ましくは0.1~50μm、より好ましくは1~20μmである。
以下、実施例および比較例を示して本発明をより詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(1)親水性共重合体の製造
[実施例1-1]
反応器中に、1,2-ジメトキシエタン102.16g、下記式(9)で表される、カレンズ(登録商標)AOI(昭和電工(株)製)42.34g、下記式(10)で表される油溶性アゾ重合開始剤V-59(富士フイルム和光純薬(株)製)1.44gを加え、80℃で4時間反応させた。
続いて、反応容器の加熱を止め、反応容器内の溶液の温度が25℃以下になった後に、2-(ジメチルアミノ)エタノール24.74g、3-アミノプロピルトリメトキシシラン4.24g、ジオクチル錫触媒のネオスタンU-830(日東化成(株)製)0.15gを加え、25℃で4時間反応させた。
反応後、濾過することにより、親水性共重合体P1(構成単位(a)の含有率92.5質量%、構成単位(b)の含有率7.5質量%;重量平均分子量410,000)の1,2-ジメトキシエタン溶液170g(固形分濃度41質量%)を得た。
Figure 2023105446000012
[実施例1-2]
反応器中に、1,2-ジメトキシエタン102.16g、上記式(9)で表される、カレンズ(登録商標)AOI(昭和電工(株)製)42.34g、上記式(10)で表される油溶性アゾ重合開始剤V-59(富士フイルム和光純薬(株)製)1.44gを加え、80℃で4時間反応させた。
続いて、反応容器の加熱を止め、反応容器内の溶液の温度が25℃以下になった後に、2-(ジメチルアミノ)エタノール24.07g、3-アミノプロピルトリメトキシシラン5.65g、ジオクチル錫触媒のネオスタンU-830(日東化成(株)製)0.15gを加え、25℃で4時間反応させた。
反応後、濾過することにより、親水性共重合体P2(構成単位(a)の含有率90質量%、構成単位(b)の含有率10質量%;重量平均分子量410,000)の1,2-ジメトキシエタン溶液170g(固形分濃度41質量%)を得た。
[実施例1-3]
反応器中に、メチルエチルケトン109.45g、上記式(9)で表される、カレンズ(登録商標)AOI(昭和電工(株)製)35.28g、上記式(10)で表される油溶性アゾ重合開始剤V-59(富士フイルム和光純薬(株)製)1.20gを加え、80℃で4時間反応させた。
続いて、反応容器の加熱を止め、反応容器内の溶液の温度が25℃以下になった後に、2-(ジメチルアミノ)エタノール20.61g、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン3.87g、ジオクチル錫触媒のネオスタンU-830(日東化成(株)製)0.15gを加え、25℃で4時間反応させた。
反応後、濾過することにより、親水性共重合体P3(構成単位(a)の含有率92.5質量%、構成単位(b)の含有率7.5質量%;重量平均分子量420,000)のメチルエチルケトン溶液160g(固形分濃度36質量%)を得た。
[実施例1-4]
反応器中に、メチルエチルケトン109.45g、上記式(9)で表される、カレンズ(登録商標)AOI(昭和電工(株)製)35.28g、上記式(10)で表される油溶性アゾ重合開始剤V-59(富士フイルム和光純薬(株)製)1.20gを加え、80℃で4時間反応させた。
続いて、反応容器の加熱を止め、反応容器内の溶液の温度が25℃以下になった後に、2-(ジメチルアミノ)エタノール20.06g、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン5.15g、ジオクチル錫触媒のネオスタンU-830(日東化成(株)製)0.15gを加え、25℃で4時間反応させた。
反応後、濾過することにより、親水性共重合体P4(構成単位(a)の含有率90質量%、構成単位(b)の含有率10質量%;重量平均分子量420,000)のメチルエチルケトン溶液160g(固形分濃度36質量%)を得た。
[実施例1-5]
反応器中に、メチルエチルケトン109.45g、上記式(9)で表される、カレンズ(登録商標)AOI(昭和電工(株)製)35.28g、上記式(10)で表される油溶性アゾ重合開始剤V-59(富士フイルム和光純薬(株)製)1.20gを加え、80℃で4時間反応させた。
続いて、反応容器の加熱を止め、反応容器内の溶液の温度が25℃以下になった後に、2-(ジメチルアミノ)エタノール20.06g、3-アミノプロピルジメトキシメチルシラン4.69g、ジオクチル錫触媒のネオスタンU-830(日東化成(株)製)0.15gを加え、25℃で4時間反応させた。
反応後、濾過することにより、親水性共重合体P5(構成単位(a)の含有率90質量%、構成単位(b)の含有率10質量%;重量平均分子量420,000)のメチルエチルケトン溶液160g(固形分濃度36質量%)を得た。
[比較例1-1]
反応器中に、メチルエチルケトン109.45g、上記式(9)で表される、カレンズ(登録商標)AOI(昭和電工(株)製)35.28g、上記式(10)で表される油溶性アゾ重合開始剤V-59(富士フイルム和光純薬(株)製)1.20gを加え、80℃で4時間反応させた。
続いて、反応容器の加熱を止め、反応容器内の溶液の温度が25℃以下になった後に、2-(ジメチルアミノ)エタノール22.29g、ジオクチル錫触媒のネオスタンU-830(日東化成(株)製)0.15gを加え、25℃で4時間反応させた。
反応後、濾過することにより、親水性重合体P6(構成単位(a)の含有率100質量%、;重量平均分子量420,000)のメチルエチルケトン溶液160g(固形分濃度36質量%)を得た。
[比較例1-2]
反応器中に、酢酸エチル44.02g、下記式(11)で表される、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド64.05g、上記式(10)で表される油溶性アゾ重合開始剤V-59(富士フイルム和光純薬(株)製)1.97gを加え、80℃で4時間反応させた。
反応後、濾過することにより、親水性重合体P7(重量平均分子量350,000)の酢酸エチル溶液100g(固形分濃度48質量%)を得た。
Figure 2023105446000013
[比較例1-3]
反応器中に、メタノール5.92g、上記式(11)で表される、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド1.41g、下記式(12)で表される3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン0.23g、上記式(10)で表される油溶性アゾ重合開始剤V-59(富士フイルム和光純薬(株)製)0.77gを加え、65℃で4時間反応させた。
反応後、濾過することにより、親水性共重合体P8(重量平均分子量400,000)のメタノール溶液7g(固形分濃度25質量%)を得た。
Figure 2023105446000014
(2)コーティング組成物(親水性組成物)の製造
[実施例2-1]
反応器中に、実施例1-1で得られた親水性共重合体P1の1,2-ジメトキシエタン溶液1.21g、イソプロパノール0.79g、チタン系触媒D-25(信越化学工業(株)製)0.02gを加え、黄色透明の液体(C1)を得た。
[実施例2-2]
反応器中に、実施例1-2で得られた親水性共重合体P2の1,2-ジメトキシエタン溶液1.21g、イソプロパノール0.79g、チタン系触媒D-25(信越化学工業(株)製)0.02gを加え、黄色透明の液体(C2)を得た。
[実施例2-3]
反応器中に、実施例1-3で得られた親水性共重合体P3のメチルエチルケトン溶液1.39g、イソプロパノール0.61g、チタン系触媒D-25(信越化学工業(株)製)0.02gを加え、黄色透明の液体(C3)を得た。
[実施例2-4]
反応器中に、実施例1-4で得られた親水性共重合体P4のメチルエチルケトン溶液1.39g、イソプロパノール0.61g、チタン系触媒D-25(信越化学工業(株)製)0.02gを加え、黄色透明の液体(C4)を得た。
[実施例2-5]
反応器中に、実施例1-5で得られた親水性共重合体P5のメチルエチルケトン溶液1.39g、イソプロパノール0.61g、チタン系触媒D-25(信越化学工業(株)製)0.02gを加え、黄色透明の液体(C5)を得た。
[比較例2-1]
反応器中に、比較例1-1で得られた親水性重合体P6のメチルエチルケトン溶液1.39g、イソプロパノール0.61gを加え、黄色透明の液体(C6)を得た。
[比較例2-2]
反応器中に、比較例1-2で得られた親水性重合体P7の酢酸エチル溶液1.04g、イソプロパノール0.96gを加え、黄色透明の液体(C7)を得た。
[比較例2-3]
反応器中に、比較例1-3で得られた親水性共重合体P8のメタノール溶液2.00g、チタン系触媒D-25(信越化学工業(株)製)0.02gを加え、黄色透明の液体(C8)を得た。
[比較例2-4]
反応器中に、重量平均分子量75,000、水酸基価20mgKOH/g、計算ガラス転移温度85℃の水酸基含有アクリル樹脂のアクリット6BF-100(固形分濃度40質量%、大成ファインケミカル(株)製)10g、デュラネートTPA-100(NCO含量23質量%、旭化成(株)製)0.65g、下記式(13)、(14)、(15)、(16)および(17)で表される構成単位を含む共重合体である、アクリット1WX(大成ファインケミカル(株)製)のメチルエチルケトン溶液(固形分濃度40質量%)1.0g、メチルエチルケトン13.6gを混合し、黄色透明の液体(C9)を得た。
Figure 2023105446000015
(式中、アスタリスク*は、上記と同じ意味を表す。)
(3)塗膜の作製と評価
[実施例3-1~3-5、比較例3-1~3-4]
上記実施例2-1~2-5、比較例2-1~2-4で得られたコーティング組成物C1~C9を、それぞれポリカーボネート板にバーコーター(No.20)を用いて塗布し、直後に120℃で1時間乾燥させることにより親水性被膜を得た。
[実施例4-1~4-5、比較例4-1~4-4]
上記実施例2-1~2-5、比較例2-1~2-4で得られたコーティング組成物C1~C9を、それぞれポリカーボネート板にバーコーター(No.20)を用いて塗布し、25℃、50%RHの環境下、24時間静置することにより親水性被膜を得た。
上記各実施例で作製した親水性被膜について、次の各試験を行い、それらの結果を表1,2に示した。
〔防曇性〕
上記各被膜に呼気を吹きかけ、被膜の表面が曇った場合を×、曇らなかった場合を○とし、さらに、40℃の温水浴上方、水面から3cmの高さに60秒間置いて、被膜の表面が曇らなかった場合を◎として、防曇性を評価した。
〔水垂れ跡〕
上記防曇性評価で、40℃の温水浴上方に60秒間静置して防曇性評価を行った後の塗膜を、25℃にて10分間自然乾燥した後に、表面を1,000lmの懐中電灯で照らし、塗膜表面に水の垂れた跡が見られるか、目視による確認を行った。水垂れ跡が見られた場合を+、水垂れ跡が見られなかった場合を-とした。
〔耐温水性〕
上記各被膜を、40℃の温水に24時間浸漬し、紙ワイパーで表面の水を吸い取った後、25℃にて10分間自然乾燥し、上記防曇性の評価を行った。
続いて、各被膜をさらに40℃の温水に216時間浸漬し、紙ワイパーで表面の水を吸い取った後、25℃にて10分間自然乾燥し、上記防曇性の評価を行った。
〔耐湿性〕
上記各被膜を、50℃、98%RHに設定した恒温恒湿器(KCL-2000W、東京理化器械(株))中に、24時間静置した。その後、25℃にて10分間自然乾燥し、上記防曇性の評価を行った。
Figure 2023105446000016
Figure 2023105446000017
表1および表2に示されるように、実施例3-1~3-5および実施例4-1~4-5の被膜においては、耐温水性試験(24時間浸漬、240時間浸漬)後、および耐湿性試験(50℃、98%RH、24時間)後であっても優れた防曇性を維持していることがわかる。特に、実施例3-1の被膜が耐久性に優れていることがわかる。
一方、比較例3-1、3-2、3-4、4-1、4-2および4-4の被膜においては、24時間温水浸漬後の防曇性が消失し、比較例3-3および4-3の被膜においては、240時間温水浸漬後の防曇性が消失しており、これらの被膜は耐水性に劣ることがわかる。

Claims (4)

  1. 下記式(1)で表される構成単位(a)と、下記式(2)で表される構成単位(b)とを含む親水性共重合体。
    Figure 2023105446000018
    (式(1)中、R1は、水素原子またはメチル基を表し、R2は、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1~6のアルキル基を表し、X1は、2価の連結基を表し、
    式(2)中、R3は、水素原子またはメチル基を表し、R4およびR5は、それぞれ独立に、炭素数1~10のアルキル基または炭素数6~10のアリール基を表し、X2は、2価の連結基を表し、nは、1~3の整数を表し、アスタリスク*は、隣接した構成単位への結合を示す。)
  2. 前記X1およびX2が、それぞれ独立に、ウレタン結合、ウレア結合、チオウレタン結合およびチオウレア結合からなる群より選択される1種以上を有する2価の連結基である請求項1記載の親水性共重合体。
  3. 請求項1または2記載の親水性共重合体を含む親水性組成物。
  4. 請求項3記載の親水性組成物を硬化させてなる被膜。
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