JPH09111185A - 指紋汚れ防止ディスプレ−及びディスプレー塗布用コーティング液 - Google Patents

指紋汚れ防止ディスプレ−及びディスプレー塗布用コーティング液

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JPH09111185A
JPH09111185A JP26688995A JP26688995A JPH09111185A JP H09111185 A JPH09111185 A JP H09111185A JP 26688995 A JP26688995 A JP 26688995A JP 26688995 A JP26688995 A JP 26688995A JP H09111185 A JPH09111185 A JP H09111185A
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acid ester
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curable composition
silicone
fingerprint
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JP26688995A
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Takeshi Okano
毅 岡野
Hozumi Endo
穂積 遠藤
Takeshi Sawai
毅 沢井
Seiichiro Tanaka
誠一朗 田中
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JNC Corp
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Chisso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 指紋汚れ防止効果に優れたディスプレーを得
る。 【解決手段】 ディスプレ−表層に下記一般式〔A〕で
示される有機ケイ素化合物及び/又はその部分加水分解
縮合物、これを理論上100%加水分解縮合可能な量以
上の水、及び下記ないしの単量体を共重合させて得
られるシリコ−ン変性アクリル共重合体を配合してなる
透明な硬化性組成物を塗布してなることを特徴とする指
紋汚れ防止ディスプレ−。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、指紋汚れ防止ディ
スプレ−に関するものである。詳しくは、ブラウン管や
液晶表示素子基板等の画像、画素を表示させるディスプ
レ−の表層に付着した指紋等の汚れを容易に拭き取るこ
とが可能なディスプレ−を提供するものである。
【0002】指紋等の汚れ防止の方法としては、フッ素
の化合物膜を表層にコ−トする等、様々、試みられてき
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら一端、付
着した指紋汚れはなかなか容易には拭き取ることが出来
ないという問題点があった。本発明は、指紋等の汚れに
対し、汚れにくく又汚れた場合でも、容易に拭き取るこ
とが可能な硬化性組成物を表層にコ−トされたディスプ
レ−を提案することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは、上
記課題に鑑み鋭意検討を重ねた結果、特定有機ケイ素化
合物及び/又はその部分加水分解縮合物に理論上100
%加水分解縮合可能な量以上の水を添加し加水分解反応
を進行させた後、シリコ−ン変性アクリル共重合体を添
加して得られた組成物を塗布することで、得られた塗膜
は高硬度、耐汚染性、高透明性、耐殺傷性、耐薬品性に
優れ、数ミクロン以下の膜厚を有することも可能であ
り、従来、困難とされてきた、指紋汚れに対する拭き取
り性が飛躍的に向上することを見出し本発明に達した。
【0005】すなはち本発明は、下記一般式〔A〕で示
される有機ケイ素化合物及び/又はその部分加水分解縮
合物、これを理論上100%加水分解縮合可能な量以上
の水及び下記ないしの単量体を共重合させて得られ
るシリコ−ン変性アクリル共重合体を配合してなる硬化
性組成物、
【0006】
【化3】
【0007】ビニル基含有アルコキシシラン ビニル基含有ポリシロキサン 水酸基を有するメタクリル酸エステルおよび/又はア
クリル酸エステル メタクリル酸エステルおよび/又はアクリル酸エステ
ル をディスプレ−表層に塗布することにより達成される。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
まず、本発明においては、下記一般式〔A〕で示される
有機ケイ素化合物及び/又はその部分加水分解縮合物を
必須成分とする。
【0009】
【化4】
【0010】一般式〔A〕の、Rは炭素数1〜8の炭化
水素基であるが、これらのうち、炭素数1〜3のアルキ
ル基である場合、すなわち一般式〔A〕の有機ケイ素化
合物として具体的にはテトラメトキシシラン、テトラエ
トキシシラン及び/又はテトラプロポキシシランを用い
た場合、特に指紋汚れ防止効果に優れたディスプレーと
することができる。これらの有機ケイ素化合物の中でも
特にテトラメトキシシランを用いた場合、指紋汚れ防止
効果に優れたものとすることができる。
【0011】有機ケイ素化合物としてテトラメトキシシ
ランを用いた場合、テトラメトキシシランのモノマ−自
体には、眼の角膜を侵し、蒸気でも障害をもたらす等毒
性が強いことが示唆されている。また、活性が高いた
め、作業時に発熱し突沸する場合がある。更に、モノマ
−を多量に含むコ−ティング液は保存中にモノマ−の反
応により徐々に性能が変化する傾向にある。
【0012】従って、有機ケイ素化合物としてテトラメ
トキシシランを用いる場合は、これを部分加水分解縮合
して得られる部分加水分解縮合物(以下、「テトラメト
キシシラン・オリゴマ−」と称する)を用いることによ
り、これらに対処することができ、長期にわたって優れ
た塗膜特性を発現し、毒性も低減され、また作業性にも
優れたコーティング液を供することができる。例えば特
開平7−48454号公報記載の方法により、オリゴマ
ーを製造することができる。
【0013】本発明においては、まず上記の有機ケイ素
化合物及び/又はその部分加水分解縮合物に、これを理
論上100%加水分解縮合可能な量(以下、「加水分解
100%当量」の水という)以上の水を配合するのが望
ましい。すなわち、有機ケイ素化合物の全ての加水分解
縮合可能な基すなわちアルコキシ基を加水分解縮合する
のに必要な量以上の水である。有機ケイ素化合物の部分
加水分解縮合物を用いる場合も同様であり、残存するア
ルコキシ基を加水分解縮合するのに必要な量以上の水を
配合する。
【0014】このように加水分解100%当量以上であ
ればいずれの量でもよいが、実用的には加水分解100
%当量の1〜2倍、好ましくは1〜1.2倍がよい。水
の量が加水分解100%当量の4倍を越えると、場合に
よっては硬化性組成物の保存安定性が低下することもあ
る。又、加水分解100%当量未満では硬度等の塗膜物
性が充分でない。
【0015】本発明では、更に希釈剤を添加することが
できる。希釈剤の添加により、得られた硬化性組成物の
保存安定性が向上する。希釈剤としては、目的に応じ
て、有機溶媒を用いることができる。アルコ−ル類、あ
るいはグリコ−ル誘導体、炭化水素類、エステル類、ケ
トン類、エ−テル類等のうちの1種、または2種以上を
混合して使用する。これらの有機溶媒のうち、アルコ−
ル、特にC1〜C4のメタノ−ル、エタノ−ル、イソプ
ロパノ−ル又はブタノ−ルが取扱が容易であり液での保
存安定性がよく、また得られる塗膜の特性が優れている
ことから好ましい。更にこれらのうちメタノ−ル又はエ
タノ−ルを用いることにより、極めて指紋防止効果の高
いディスプレーを容易に得ることができる。
【0016】また、希釈剤としてアルコ−ル等の有機溶
媒を用いる場合、溶媒の配合量は有機ケイ素化合物及び
/又はその部分加水分解縮合物100重量部に対し50
〜5000重量部、好ましくは100〜1000重量部
がよい。50重量部以下では硬化性組成物の保存安定性
が低下し、ゲル化しやすい。5000重量部を越えると
指紋汚れ防止効果が充分でない。
【0017】本発明では更に必要に応じて硬化触媒を添
加することができる。触媒としては、例えば、塩酸、硝
酸、硫酸、リン酸などの無機酸、酢酸、パラトルエンス
ルホン酸、安息香酸、フタル酸、マレイン酸、シュウ酸
などの有機酸、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水
酸化カルシウム、アンモニア等のアルカリ触媒、有機金
属、金属アルコキシド、例えばジブチルスズジラウリレ
−ト、ジブチルスズジオクチエ−ト、ジブチルスズジア
セテ−ト等の有機スズ化合物、アルミニウムトリス(ア
セチルアセトネ−ト)、チタニウムテトラキス(アセチ
ルアセトネ−ト)、チタニウムビス(ブトキシ)ビス
(アセチルアセトネ−ト)、チタニウムビス(イソプロ
ポキシ)ビス(アセチルアセトネ−ト)、ジルコニウム
テトラキス(アセチルアセトネ−ト)、ジルコニウムビ
ス(ブトキシ)ビス(アセチルアセトネ−ト)及びジル
コニウムビス(イソプロポキシ)ビス(アセチルアセト
ネ−ト)等の金属キレ−ト化合物、ホウ素ブトキシド、
ホウ酸等のホウ素化合物があるが、コ−ティング液の貯
蔵安定性、及び得られるコ−ティング膜の硬度、透明性
が優れている点からは、酢酸、マレイン酸、シュウ酸、
フマル酸等の有機酸、金属キレ−ト化合物、ホウ素化合
物及び金属アルコキシドのうち1種又は2種以上を用い
るのがよい。
【0018】また、希釈剤としてメタノ−ル又はエタノ
−ルを用いた場合は、上述した酸触媒の他、例えばアル
ミニウムトリス(アセチルアセトネ−ト)等の金属アセ
チルアセトネ−ト化合物等を用いた場合でも、液での保
存安定性が損なわれることもなく、充分な硬度を有する
塗膜を得ることができる。
【0019】これら触媒成分の添加量は、触媒としての
機能を発揮し得る量であれば特に制限されるものではな
いが、通常、有機ケイ素化合物及び/又はその部分加水
分解縮合物100重量部に対し、0.1〜10重量部程
度の範囲から選択され、好ましくは0.5〜5重量部で
ある。
【0020】本発明においては、好ましい形態としてこ
れらの成分を配合して得られる液(以下「配合液」とい
う)を熟成させる。かかる熟成工程を経ることにより、
有機ケイ素化合物及び/又はその部分加水分解縮合物の
加水分解、縮合による部分架橋反応が充分に進み、得ら
れるコ−ティング膜の特性が優れ、指紋汚れ防止効果が
高いものとなることが考えられる。
【0021】配合液の熟成は、液を放置すればよいが、
攪拌してもよい。放置する時間は、上述の部分架橋反応
が所望の膜特性を得るのに充分な程度進行するのに充分
な時間であり、用いる希釈剤の種類及び触媒の種類にも
よる。例えば希釈剤としてメタノ−ル及び/又はエタノ
−ルを用いた場合は、塩酸では室温で約1時間以上、マ
レイン酸では数時間以上、好ましくは8時間〜2日間程
度で充分である。こうして透明な液を得た後、更に1〜
2時間放置し、熟成するのが望ましい。
【0022】本発明においては、上述した配合液に、特
定シリコ−ン変性アクリル共重合体を添加する。このシ
リコ−ン変性アクリル共重合体は、下記ないしの単
量体を共重合させることによって製造することができ
る。 ビニル基含有アルコキシシラン ビニル基含有ポリシロキサン 水酸基を有するメタクリル酸エステルおよび/または
アクリル酸エステル メタクリル酸エステルおよび/またはアクリル酸エス
テル
【0023】なかでも最善のコ−ティング物性を得るた
めには前記〜の化合物の共重合体製造時の使用割合
はビニル基含有アルコキシシラン0.5〜20重量%、
ビニル基含有ポリシロキサン0.1〜20重量%、水酸
基を有するアクリル酸エステルもしくはメタクリル酸エ
ステル10〜30重量%、メタクリル酸エステルおよび
/またはアクリル酸エステル40〜80重量%であるこ
とが好ましい。〜の化合物の使用量のいずれか一以
上が上記範囲外であると得られたコ−ティングの特性が
やや低下し、の化合物の使用量が上記範囲より多い場
合も同様であり、上記範囲より少ない場合は場合によっ
てはの化合物の使用による効果が充分発揮されないこ
とがある。
【0024】のビニル基含有アルコキシシランの具体
例としては、例えばメタクリロキシプロピルトリメトキ
シシラン、ビニルトリメトキシランなどがあげられる。
のビニル基含有ポリシロキサンの具体例としては、両
末端もしくは片末端ビニルジメチルポリシロキサン、及
び両末端もしくは片末端メタクリロキシプロピルジメチ
ルポリシロキサンがあげられる。これらのポリシロキサ
ンの粘度範囲は5〜1000cP程度が好ましい。分子
量としては200〜100,000が好ましい。
【0025】の水酸基を含有するアクリル酸エステル
および/またはメタクリル酸エステルの具体例として
は、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−
ヒドロキシプロピル、アクリル酸2−ヒドロキシブチ
ル、アクリル酸ポリエチレングリコ−ル、アクリル酸ポ
リプロピレングリコ−ル、アクリル酸グリセロ−ル、ア
クリル酸2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピ
ル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸
2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸2−ヒドロキシ
ブチル、メタクリル酸2−ヒドロキシペンチル、メタク
リル酸ポリエチレングリコ−ル、メタクリル酸ポリプロ
ピレングリコ−ル、メタクリル酸グリセロ−ルなどがあ
げられる。
【0026】のメタクリル酸エステルおよび/または
アクリル酸エステルのエステル基の炭素数は1〜12が
好ましくこれらの具体例としては、アクリル酸メチル、
アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸アリ
ル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタク
リル酸ブチル、メタクリル酸ペンチル、メタクリル酸ラ
ウリル、メタクリル酸ビニル、メタクリル酸アリル、ア
クリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、ア
クリル酸ラウリル、アクリル酸ステアリル、メタクリル
酸エチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸
ステアリル、メタクリル酸ベンジルがあげられる。の
化合物は、2種類以上併用しても差し支えない。
【0027】〜の化合物(単量体)の共重合にあた
っては好ましくは炭素数3以上の有機酸を重合用混合
物(注.〜の化合物の使用量合計)の0.1〜5重
量%使用する。また、重合触媒として全単量体合計量に
対して0.1〜3重量%好ましくは0.2〜2重量%の
ラジカル開始剤例えば過酸化ベンゾイル、アゾビスイソ
ブチロニトリルを使用する。重合は、バルク重合、溶液
重合の何れでも実施できるが、溶液重合が塗装のための
配合工程に最も好ましい。溶液重合に使用する有機溶媒
は、重合体に対してある程度親和性があり(反応時、希
釈時、粘度調整時)、硬化性組成物塗布時の乾燥性その
他特性の良いものから選べばよい。かかる溶媒としては
アルコ−ル類があげられ、その具体例として、メタノ−
ル、エタノ−ル、イソプロピルアルコ−ル、n−ブタノ
−ル、イソアミルアルコ−ル等があげることができる。
その他、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、酢
酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、アセトン、メチ
ルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類
を単独もしくは組み合わせて併用してもよい。
【0028】シリコ−ン変性アクリル共重合体の重合条
件(温度、時間)は、特に限定しないが通常60〜15
0℃、2〜10時間で終了する。重合中の単量体の供給
方法は、重合器の除熱形式または溶媒もしくは分散媒の
存否によっても異なるが、各単量体を個別にまたは、混
合して逐次重合器に供給すればよい。
【0029】シリコ−ン変性アクリル共重合体の重合度
は、単量体量に対する重合触媒の種類、使用量、もしく
は連鎖移動剤の添加によって調整可能であり、有機溶媒
を使用した溶液重合においては、単量体合計量に対し、
一定比率の溶剤を使用し、重合終了後、そのまま得られ
るコ−ティング液の塗工に適した粘度範囲になるように
前述の重合度を調整する。
【0030】このようにして得られたシリコ−ン変性ア
クリル共重合体を、前述の配合液に、添加する。シリコ
−ン変性アクリル共重合体の添加量は、有機ケイ素化合
物及び/又はその部分加水分解縮合物100重量部に対
し、5〜1900重量部、好ましくは9〜800重量部
程度が適当である。
【0031】5重量部以下では得られるコ−ティング膜
にクラックが発生し易い。また1900重量部以上では
得られるコ−ティング膜の硬度が低い傾向がある。ま
た、上記のシリコ−ン変性アクリル共重合体は、単独で
も、或いは目的に応じて2種以上を併用することも差し
支えない。併用に際しては、2種以上を予め配合して
も、各々を、熟成を経た配合液に添加してもよい。
【0032】この、シリコ−ン変性アクリル共重合体
の、配合液への添加に際しては、必要に応じて、溶媒、
分散媒、硬化触媒、その他の添加剤を併せて、又は追っ
て、添加することができる。例えば後述する成膜に際
し、特にスプレ−法、ディップ法による場合、塗工条
件、膜厚等の目的膜物性に応じた粘度、不揮発成分含有
量を有する硬化性組成物を調整するため、これら溶媒又
は分散媒の添加を行うことができる。
【0033】溶媒としては配合液とシリコ−ン変性アク
リル共重合体の双方に相溶性を持つものが好適であり、
例えばアルコ−ル類、あるいはグリコ−ル誘導体、炭化
水素類、エステル類、ケトン類、エ−テル類を1種、ま
たは2種以上混合して使用できる。
【0034】こうして得られた本発明の硬化性組成物を
ポリマ−、ガラス等の基材にスピンコ−タ−法、バ−コ
−タ−法、スプレ−法等で造膜したり、粉体と混合して
造膜する。室温で脱溶剤処理として1〜10分放置後、
20℃以上で加熱硬化する。また、本発明の硬化性組成
物によれば、充分な熟成により有機ケイ素化合物の加水
分解縮合物が反応性超微粒シリカを形成することができ
るため、シリコ−ン変性アクリル共重合体との相溶性が
よく、架橋反応の進行速度、進行程度が極めて優れてい
る。このため特に加熱工程を要さず、常温で乾燥させ脱
溶媒過程を進行させれば、液中各成分の架橋反応も進行
し、充分な硬度を有する塗膜を得ることができる。尚、
常温乾燥により膜硬化を行う場合は、加熱する場合より
もやや長時間を要するが、通常半日程度放置すれば充分
である。
【0035】塗布自体は常法によることができ、膜厚も
適宜選定することができる。膜厚の選定は、常法による
ことができ、例えば液中非揮発成分濃度、液の粘度、を
調整したり、更にはシリコ−ン変性アクリル共重合体の
種類、添加量の調整等によっても、得られる膜厚は適宜
変化させることができる。
【0036】本発明の硬化性組成物は液でのポットライ
フが2週間以上、増粘もなく造膜可能で且つ、造膜後の
塗膜硬度も高く、可撓性もある上、撥水性、耐汚染性に
極めて優れているという特長を有する。
【0037】
【実施例】以下、実施例により、更に本発明を詳細に説
明する。なお部及び%は特にことわりのない限り重量部
及び重量%を示す。
【0038】実施例1 (オリゴマ−の合成)攪拌機と還流用コンデンサ−及び
温度計を付けた500mlの四つ口丸底フラスコに、テ
トラメトキシシラン234gとメタノ−ル74gを加え
て混合した後、0.05%塩酸22.2gを加え、内温
度65℃、2時間加水分解反応を行った。次いでコンデ
ンサ−を留出管に取り替え、内温度が130℃になるま
で昇温し、メタノ−ルを留出させた。このようにして部
分加水分解縮合物を得た(部分加水分解率40%)。重
合度2〜8のオリゴマ−が確認され、重量平均分子量は
550であった。テトラメトキシシラン・オリゴマ−中
のモノマ−量は5%であった。引き続き130℃に加熱
したフラスコにテトラメトキシシラン・オリゴマ−を入
れ、気化したモノマ−を不活性ガスと共に系外に排出し
ながら、150℃まで昇温し、3時間保持した。こうし
て得られたモノマ−除去後のテトラメトキシシラン・オ
リゴマ−中のモノマ−量は0.2%であった。
【0039】(シリコ−ン変性アクリル共重合体の合
成)メタクリル酸メチル42.5重量部(以下、部で示
す)、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル18.0部、
メタクリル酸n−ブチル27.5部、アクリル酸n−ブ
チル5.0部、3−メタクリロキシプロピルトリメトキ
シシラン5.0部、片末端メタクリロキシプロピルジメ
チルポリシロキサン(Mw=5000)1.0部、メタ
クリル酸1.0部及びアゾビスイソブチロニトリル1.
0部を混合して重合用単量体混合液を調整した。この混
合液を80℃に保持したイソプロピルアルコ−ル10
0.0部に滴下して5時間反応させ、更にアゾビスイソ
ブチロニトリル0.5部を添加して80℃で4時間反応
させ、最終的に分子量約70,000のシリコ−ン変性
アクリル樹脂溶液を得た。(注 樹脂分濃度50重量
%)この溶液に、イソプロピルアルコ−ルと酢酸エチル
の混合液(重量比で3/1)を加え固形分濃度20%に
なるように調整した。
【0040】(硬化性組成物の調製)(オリゴマ−の合
成)で得られたテトラメトキシシラン・オリゴマ−3
0.8gにエタノ−ル62.4gを添加し、次いでアル
ミニウムトリス(アセチルアセトネ−ト)0.3g及び
脱塩素水6.57gを添加した。水の添加量はテトラメ
トキシシラン・オリゴマ−を理論上完全に加水分解縮合
可能な量に対し113%である。室温で1日放置し熟成
した。次いで(シリコ−ン変性アクリル共重合体の合
成)で得られた共重合体を148.5g添加し、室温で
1日放置し、コ−ティング液を得た。
【0041】(コ−ティング膜の作成)液晶パネルに使
用されるトリアセチルセルロ−ス(TAC)フィルムに
バ−コ−タ−(♯10)を用い、上述のコ−ティング液
を塗工し、80℃で30分乾燥して、2ミクロン厚みの
透明保護膜を得た。1mm間隔ゴバン目テープ法によれ
ば結果は100/100で剥離はなく、フィルムとの密
着性は良好で、クラックも無く、水との接触角は98°
であり水滴に対し良好な撥水性を示した。
【0042】実施例2 ガラス板上に実施例1と同じコ−ティング液を用い、デ
ィップ法で塗工した。ディッピング速度は3mm/秒で
行った。次いで、熱風乾燥機で150℃、2時間加熱硬
化した。得られたコ−ティング膜の膜厚は3ミクロン
で、1mm間隔ゴバン目テープ法によれば結果は100
/100で剥離はなく、密着性良好な透明膜が得られ
た。クラックの発生も無く、水との接触角は98°であ
り水滴に対し良好な撥水性を示した。
【0043】比較例 実施例1及び2と比較し、本コ−ティング液を塗布しな
い場合の基材の指紋汚れに対する拭き取り性及び光透過
率の違いを調べた。結果を表1に示す。
【0044】
【表1】
【0045】指紋汚れ落としテスト方法:基材に指紋を
押しつけティッシュペーパー(OZU CORPORA
TION製「ピュアリーフL150」)で拭き取り、往
復何回で指紋がとれるかを目視で調べた。
【0046】
【発明の効果】本発明の硬化性組成物により得られる塗
膜は透明性に優れ、クラック発生がなく撥水性、耐汚染
性、耐溶剤性にも優れ、特に指紋汚れに対し、汚れ拭き
取り性にバツグンの効果が認められる。ポリマ−やガラ
ス基材への密着性が良好でディスプレ−表面の指紋汚れ
防止用途に特に好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09D 5/00 PSD C09D 5/00 PSD 133/06 PGG 133/06 PGG 133/14 PFY 133/14 PFY 183/06 183/06 183/07 PMV 183/07 PMV H04N 5/64 541 H04N 5/64 541D (72)発明者 沢井 毅 北九州市八幡西区黒崎城石1番1号 三菱 化学株式会社黒崎開発研究所内 (72)発明者 田中 誠一朗 北九州市八幡西区黒崎城石1番1号 三菱 化学株式会社黒崎開発研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ディスプレ−表層に下記一般式〔A〕で
    示される有機ケイ素化合物及び/又はその部分加水分解
    縮合物、これを理論上100%加水分解縮合可能な量以
    上の水、及び下記ないしの単量体を共重合させて得
    られるシリコ−ン変性アクリル共重合体を配合してなる
    透明な硬化性組成物を塗布してなることを特徴とする指
    紋汚れ防止ディスプレ−。 【化1】 ビニル基含有アルコキシシラン ビニル基含有ポリシロキサン 水酸基を有するメタクリル酸エステルおよび/又はア
    クリル酸エステル メタクリル酸エステルおよび/又はアクリル酸エステ
  2. 【請求項2】 一般式〔A〕で示される有機ケイ素化合
    物がテトラメトキシシランであることを特徴とする請求
    項1記載の指紋汚れ防止ディスプレ−。
  3. 【請求項3】 硬化性組成物の塗布膜が10ミクロン以
    下の厚みであることを特徴とする請求項1又は2記載の
    指紋汚れ防止ディスプレ−。
  4. 【請求項4】 下記一般式〔A〕で示される有機ケイ素
    化合物及び/又はその部分加水分解縮合物、これを理論
    上100%加水分解縮合可能な量以上の水、及び下記
    ないしの単量体を共重合させて得られるシリコ−ン変
    性アクリル共重合体を配合してなるディスプレ−塗布用
    コーティング液。 【化2】 ビニル基含有アルコキシシラン ビニル基含有ポリシロキサン 水酸基を有するメタクリル酸エステルおよび/又はア
    クリル酸エステル メタクリル酸エステルおよび/又はアクリル酸エステ
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