JP2017036419A - 耐汚染性表面修飾剤、及び表面処理方法 - Google Patents

耐汚染性表面修飾剤、及び表面処理方法 Download PDF

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Abstract

【課題】セラミックス等の材料に対して、簡便に表面を親水化できかつ耐久性に優れた防汚性を付与し得るポリマー型の表面修飾剤及び表面処理手段を提供する。
【解決手段】側鎖に両性イオン構造及び/又はエーテル構造を有するモノマーユニット(A);側鎖にSi原子を含む疎水性基を有するモノマーユニット(B);及び側鎖にトリアルコキシシリル基を有するモノマーユニット(C)を有し、前記モノマーユニット(A)がブロックセグメントを形成している共重合体を含むことを特徴とする、表面修飾剤。
【選択図】なし

Description

本発明は、耐汚染性表面修飾剤、特にセラミックス材料に対して好適な耐汚染性表面修飾剤、及び当該表面修飾剤を用いた表面処理方法に関する。
セラミックス材料は、医療、建築、環境、衛生など多岐にわたる分野において利用されている。なかでも、水回り設備にセラミックス材料が多く用いられているが、かかる水回り設備は日常的に様々な汚れに晒されているため、そこに用いられる材料の表面に防汚性を付与する必要がある。
一般に、材料の表面に防汚性を付与する手段としては、その表面を超撥水性とする又は超親水性とする処理を行うことが知られている。超撥水性表面とは、水の静的接触角が150度以上、かつヒステリシスが10度以下という性質を有する表面であり、一方、超親水性表面とは、水の静的接触角が10度以下という性質を有する表面である。
超撥水性表面は、付着した水性の汚れは落としやすいものの、油性の汚れに対しては効果が期待できず、また構造的強度が低いという欠点がある。これに対し、超親水性表面は、水滴が汚れと基板表面との間に入り込むことで汚れを落とす自浄作用を示し(例えば、非特許文献1)、表面に水の膜を形成するため、そもそも汚れが付着し難く、また少量の水で汚れを落とすことができ、環境に優しいという利点がある。
しかしながら、従来の親水性ポリマーのコーティング等による材料表面の親水化処理では、効果の長期安定性が十分ではなく、特に、セラミックス等の無機材料に適用する場合には、塗膜の付着性や耐久性に問題があり、しかも水回り設備等の乾湿が頻繁に繰り返される環境ではその性能が経時的に低下してしまうことが知られている。さらに、材料への物理吸着のために疎水性官能基を含む親水性ポリマーを用いる場合、親水性官能基を最表面に再配向させるために水中浸漬といった前処理が必要になってしまう(例えば、非特許文献2)。一方、光触媒によって親水性表面が得られることも知られているが、紫外線量の不十分な屋内での使用には不向きであるという問題がある。
Bhushanら、RSC Advances、3、617、2013年 Yamasakiら、Colloids and Surfaces B:Biointerfaces、28、53、2003年
そこで、本発明は、セラミックス等の材料に対しても、水中浸漬といった前処理が不要で、簡便に表面を親水化でき、かつ耐久性に優れた防汚性を付与し得るポリマー型の表面修飾剤及び表面処理手段を提供することを課題とするものである。
本発明者は、上記課題を解決するべく鋭意検討を行った結果、表面修飾ポリマーの構造設計を、材料表面に親水性を付与する親水部、成膜性を高めるための疎水性部、及び材料と共有結合によって結合し得る接着部の3つの成分からなるブロックポリマーとすることで、当該ポリマーを表面にコーティングする操作のみで、水中浸漬等の前処理を要することなく、乾燥条件下でも表面親水性及び防汚性を簡便かつ安定に提供することができるポリマー型表面修飾剤を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、一態様において、
<1>側鎖に両性イオン構造及び/又はエーテル構造を有するモノマーユニット(A);側鎖にSi原子を含む疎水性基を有するモノマーユニット(B);及び側鎖にトリアルコキシシリル基を有するモノマーユニット(C)を有し、前記モノマーユニット(A)がブロックセグメントを形成している共重合体を含むことを特徴とする、表面修飾剤;
<2>前記共重合体において、前記モノマーユニット(B)及び(C)がランダムに重合している、上記<1>に記載の表面修飾剤。
<3>前記モノマーユニット(A)が、側鎖にホスホリルコリン基、ベタイン基、又はポリエチレングリコールを有する、上記<1>又は<2>に記載の表面修飾剤;
<4>前記モノマーユニット(B)が、トリス(トリアルキルシリルオキシ)シリル基を有する、上記<1>〜<3>のいずれか1に記載の表面修飾剤;
<5>前記モノマーユニット(A)〜(C)が、(A):(B):(C)=2:1:1〜8:1:1の範囲のモル比で存在する、上記<1>〜<4>のいずれか1に記載の表面修飾剤;
<6>前記共重合体の重量平均分子量(Mw)が、1.0x10〜1.0x10の範囲である、上記<1>〜<5>のいずれか1に記載の表面修飾剤;
<7>前記共重合体における重量平均分子量と数平均分子量との比(Mw/Mn)が、1.0〜1.5の範囲である、上記<1>〜<6>のいずれか1に記載の表面修飾剤;
<8>前記共重合体の主鎖が、ポリアルキルアクリレート又はポリアルキルメタクリレートから選択される骨格を有する、上記<1>〜<7>のいずれか1に記載の表面修飾剤;及び
<9>前記共重合体が、可逆的付加開裂連鎖移動(RAFT)重合によって得られたものである、上記<1>〜<8>のいずれか1項に記載の表面修飾剤。
に関する。
また、別の態様において、本発明は、
<10>上記<1>〜<9>のいずれか1に記載の表面修飾剤を材料の表面に塗布する工程を含む、表面処理方法;
<11>前記表面処理剤を塗布する工程の後に、材料の表面を水で処理する工程を含まない、上記<10>に記載の方法;
<12>前記材料が、セラミックスである、上記<10>又は<11>に記載の方法
に関し、さらに、
<13>上記<1>〜<89>のいずれか1に記載の表面修飾剤によって表面処理されてなる材料;及び
<14>セラミックスである、上記<13>に記載の材料
にも関する。
本発明によれば、効率的且つ簡便であり、耐久性に優れたポリマー型の表面修飾剤及び表面処理方法を提供することができる。特に、セラミックス等の材料に対しても、当該表面修飾剤を表面にコーティングする操作のみで、水中浸漬などの前処理工程を要することなく、コーティングの付着性や耐久性を大幅に改善することができる。
また、本発明の表面修飾剤によれば、乾燥条件下(大気中)でも常に親水基が表面に向いて存在する、すなわち、環境に左右されない親水性表面を提供することが可能であるため、水回りのような乾湿を繰り返す環境においても表面の親水性及び防汚性の効果を長期間にわたり安定して維持することができる点で、極めて有用である。
図1は、本発明の表面修飾剤で表面修飾した基板の動的接触角のヒステリシスの測定結果を示すグラフである。 図2は、本発明の表面修飾剤で表面修飾した基板のタンパク質(BSA)吸着量の測定結果を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態について説明する。本発明の範囲はこれらの説明に拘束されることはなく、以下の例示以外についても、本発明の趣旨を損なわない範囲で適宜変更し実施することができる。
1.表面修飾剤
本発明の表面修飾剤は、(A)側鎖に両性イオン構造及び/又はエーテル構造を有するモノマーユニット;(B)側鎖にSi原子を含む疎水性基を有するモノマーユニット;及び(C)側鎖にトリアルコキシシリル基を有するモノマーユニットを有し、前記モノマーユニット(A)がブロックセグメントを形成している共重合体を含むことを特徴とするものである。
(1)共重合体
表面修飾剤の主要成分となる前記共重合体は、上記モノマーユニット(A)〜(C)を共重合させて得られるポリマー、いわゆる3元共重合体(ターポリマー)である。さらに、当該共重合体中は、モノマーユニット(A)はブロックセグメントを形成している点で、いわゆるブロックポリマーに該当する。一方、モノマーユニット(B)及び(C)は、必ずしもブロックセグメントを形成している必要はなく、ランダム或いは何らかの規則性・周期性を有する態様で結合していてもよい。すなわち、本発明の表面修飾剤における共重合体は、モノマーユニット(A)はブロックセグメントを形成しているものであれば、「A−block−B−block−C」の態様の共重合体であってもよいし、又は、「A−block−(B−randam−C)」、「A−block−(B−stat−C)」或いは「A−block−(B−alt−C)」等の態様の共重合体であることもできる。好ましい態様では、前記モノマーユニット(B)及び(C)がランダムに重合し、共重合体が「A−block−(B−randam−C)」の構造を有する。これにより、本発明の表面修飾剤によって処理される材料表面において、モノマーユニットCによる接着部等が凝集せずに均等に存在し、モノマーユニット(A)による親水性のブロックセグメントが材料表面に分散されることによって、安定で均一な表面コーティングを得ることができる点で好ましい。
なお、当該共重合体は、モノマーユニット(A)〜(C)以外の他のモノマーユニットを含むことを除外するものではない。また、それら他のモノマーユニットは、それぞれランダムに結合する態様が代表的であるが、何らかの規則性・周期性を有する態様も本発明の範囲に含まれるものであり、例えば、統計ポリマー、交互ポリマー、周期ポリマー、ブロックポリマーのセグメントを形成することができ、場合にはよっては、グラフトポリマーのセグメントを形成することもできる。
当該共重合体中のモノマーユニット(A)は、両性イオン構造及び/又はエーテル構造を側鎖に有するものである。当該モノマーユニット(A)は、上述のとおり、共重合体中において親水性のブロックセグメント(親水部)を形成して、表面修飾後の材料表面に親水性を付与するものである。かかる官能基としては、例えば、ホスホリルコリン基(PC基)やベタイン基のような両性イオン構造、或いはポリエチレングリコール鎖を挙げることができる。また、両性イオン構造に加えてエーテル基を有することもできる。ここで、PC基は、生体膜の主成分であるリン脂質(ホスファチジルコリン)の極性基と同様の構造を有する極性基である。したがって、PC基を側鎖に含むことにより、当該共重合体に、親水性(ぬれ性)、具体的には、生体膜の表面が有する極めて良好な生体適合性、特に生体分子の非吸着性、および非活性化特性が付与され、タンパク質や血球等の各種分子に対する非特異的吸着を効果的に抑制することができるため、処理対象材料の表面に優れた防汚性を付与することができる。
一方、当該共重合体中の上記モノマーユニット(B)は、Si原子を含む疎水性基を側鎖に有するものである。これは主として、表面処理時におけるコーティングの成膜性を高めるために機能するとともに、材料表面に対して疎水性相互作用によって物理吸着することによってコーティング表面の安定性の向上に寄与することもできる。かかるSi原子を含む疎水性基は、例えば、アルキルシリル基又はアルキルシリルオキシシリル基を有する置換基であり、好ましくは、トリス(トリアルキルシリルオキシ)シリル基、より好ましくは、トリス(トリメチルシリルオキシ)シリル基又はトリス(トリエチルシリルオキシ)シリル基
であることができる。
さらに、当該共重合体中の上記モノマーユニット(C)は、材料表面に存在するOH基等とのシランカップリング反応等の化学反応によって、脱水縮合して共有結合(−SiO−結合)を形成し、材料表面に化学吸着することができる官能基を側鎖に有するものである。かかる官能基としては、好ましくはトリアルコキシシリル基であることができる。かかるモノマーユニット(B)及び(C)によって、上記共重合体による表面コーティング膜の安定性及び均一性の向上がもたらされる。
上記共重合体における主鎖(骨格)を形成するモノマーユニットにおける骨格部位は、互いに重合反応してポリマーを形成することができるものであればよく、特に限定されるものではないが、具体的には、例えば、ビニル系モノマー残基、アセチレン系モノマー残基、エステル系モノマー残基、アミド系モノマー残基、エーテル系モノマー残基およびウレタン系モノマー残基等が好ましく、これらの中でも、ビニル系モノマー残基がより好ましい。ビニル系モノマー残基としては、特に限定はされないが、例えば、ビニル部分が付加重合している状態のメタクリルオキシ基、メタクリルアミド基、アクリルオキシ基、アクリルアミド基、スチリルオキシ基およびスチリルアミド基等が好ましく、これらの中でも、アクリルオキシ基及びメタクリルオキシ基が特に好ましい。上記骨格部位は、各モノマーユニットについて同一であることもでき、それぞれ独立に異なることもできるが、いずれも同一である態様が好ましい。
したがって、上記共重合体における主鎖は、ポリアルキルアクリレート又はポリアルキルメタクリレートから選択される骨格を有することが好ましい。
上記共重合体の具体例としては、これに限定されるものではないが、例えば、下記式(I)で示される構造を有するポリマーが好ましい例として挙げられる。
Figure 2017036419
式中、モノマーユニット(A)はMPC(2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン)であり、モノマーユニット(B)はMPTSSi(3−(メタクリロイルオキシ)プロピルトリス(トリメチルシリルオキシ)シラン)であり、モノマーユニット(C)はMPTMSi(3−メタクリロイルオキシトリメトキシルシラン)である。また、n、m、及びlは、互いに独立して、2以上の整数を表すが、それぞれ2000以下、好ましくは1000以下であることができる。
上記共重合体におけるモノマー組成比は、好ましくは、前記モノマーユニット(A)〜(C)が、(A):(B):(C)=2:1:1〜9:1:1の範囲のモル比である。より好ましくは、(A):(B):(C)=4:1:1〜8:1:1の範囲のモル比である。モノマーユニット(A)の割合が増加すると、材料表面の動的接触角のヒステリシスが減少する点で好ましい。これは、材料表面と物理・化学的に結合する共重合体の領域が、モノマーユニット(A)由来の親水性部で十分に覆われることができるためと考えられる。
上記共重合体の重量平均分子量(Mw)は、特に限定はされないが、例えば、1.0x10〜5.0x10が好ましく、より好ましくは5.0x10〜1.0x10である。
前記共重合体における重量平均分子量と数平均分子量との比(Mw/Mn)は、特に限定はされないが、例えば、1.0〜2.0の範囲が好ましく、より好ましくは1.0〜1.5である。
上述のとおり、当該共重合体は、必要に応じ、モノマーユニット(A)〜(C)以外の他のモノマー由来の構造単位を含むものであってもよく、これに限定はされないが、通常、他のモノマー由来の構造単位の割合は、ポリマーを構成する全構造単位に対して、30モル%以下であることが好ましく、より好ましくは10モル%以下である。
上記共重合体の合成については、当業者の技術水準に基づき常法により行うことができるが、上記モノマーユニット(A)のブロックセグメントを得るために好適であるという観点から、重合法としては、好ましくは、リビングラジカル重合法を用いることができ、そのなかでも、より好ましくは可逆的付加開裂連鎖移動(RAFT)重合法を用いることができる。ここで、RAFT重合法は、連鎖移動剤(RAFT剤)としてチオカルボニル化合物を用いるラジカル重合反応であり、重合の終了状態において末端にRAFT残基が存在するため、新たにモノマーを添加して重合を開始することでブロックコポリマーを得ることができる。かかるRAFT重合法は、金属触媒を用いる必要がなく、操作が簡便であり、適用可能なモノマー種が幅広い等の利点を有する。
なお、上記モノマーユニットとして用いられるモノマー化合物の合成は、当業者の技術水準に基づき常法により行うことができる。
2.表面修飾処理
本発明の表面修飾剤を用いて、無機又は有機材料の表面を修飾することができる。特に、セラミックス等の無機材料に対して好適である。その場合、表面修飾剤には、上記表面修飾用共重合体以外に、一般的に基材の表面修飾剤の成分として用いられる任意の他の成分を含むものであってもよい。
溶媒としては、アルコール等の極性溶媒が好ましいが、共重合体が溶解する溶媒であれば、その用途や材料等に応じて適宜変更することができる。好ましくは、メタノール、エタノール、又は1−プロパノールであり、より好ましくはエタノールである。
当該表面処理剤は、通常、溶液状のものであることが好ましく、主要成分として含まれる本発明の表面修飾用共重合体の濃度は、例えば、0.01〜3.0重量パーセントが好ましく、より好ましくは0.05〜2.0重量パーセント、さらに好ましくは0.1〜1.0重量パーセントである。
本発明による表面修飾の対象となる材料としては、無機材料及び有機材料のいずれであっても良く、特に限定はされないが、例えば、含ケイ素ポリマー、ガラス、ポリエチレンテレフタレート、ポリウレタン、ナイロン、及びポリウレタン=ナイロン共重合体が挙げられ、更に、金属、合金、金属酸化物、セラミックスなどにも適用できる。特に、セラミックス材料に好適である。
かかる材料の形状は、特に限定はされず、例えば、フィルム状、板状、ビーズ状、繊維状及び中空管状の形状のほか、板状の基材に設けられた穴や溝なども挙げられる。また、用途としても、特に限定はされないが、例えば、水回り設備、各種医療用デバイス、人工臓器、バイオチップ、バイオセンサー、および細胞保存器具等が挙げられる。
本発明の表面修飾剤を用いて表面修飾を行う方法としては、対象基材である無機又は有機材料を当該表面修飾剤に浸漬すること等により、表面修飾用共重合体を基材の表面に塗布することが挙げられる。これ以外にも、当該技術分野において公知の手法により表面修飾を行うことができる。
一般に、疎水性部を含むモノマーユニットと共重合させたMPC(2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン)ポリマーを用いた表面修飾の場合、表面エネルギーの面で、大気中(乾燥状態)ではPC基よりも疎水性部が優先的に材料表面に配向した状態となることが知られている。したがって、PC基を表面に再配向させ親水性表面を得るためには、使用前に水中浸漬等の前処理工程が必要となる。一方、本発明の表面修飾剤を用いた表面処理では、上記甲重合体が3つのモノマーユニットを含み、かつ親水性部(モノマーユニット(A))がブロックセグメントを形成しているため、使用環境によらず常にPC基等の親水基が材料表面に配向しているため、かかる前処理工程を行わずとも親水性表面を得ることができる。また、前記モノマーユニット(B)及び(C)がランダムに重合し、共重合体が「A−block−(B−randam−C)」の構造を有する好ましい態様では、材料表面において、モノマーユニットCによる接着部等が凝集せずに均等に存在し、モノマーユニット(A)による親水性のブロックセグメントが材料表面に分散されることによって、安定で均一な表面コーティングを得ることができる。
本発明の表面修飾剤によって表面修飾された材料は、上記共重合体のコーティング膜を表面に有するため、表面が親水化され防汚染性に優れたものであることに加え、セラミックス等の材料に対しても適性を有し、安定化した表面コーティングがなされたものであるため、表面修飾による防汚染性が長期にわたり保持され得るものである。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
1.共重合体の合成
モノマーユニットとして、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(MPC)、3−(メタクリロイルオキシ)プロピルトリス(トリメチルシリルオキシ)シラン(MPTSSi)、及び3−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン(MPTMSi)を用いた。これらは、市販のものを用いた。
これらのモノマーユニットを、2段階のRAFT重合により重合し、MPCがブロックセグメントを形成している共重合体poly(MPC−block)(MPTSSi−ran−MPTMSi))を合成した。合成スキームを以下に示す。
Figure 2017036419

1段階目の反応では、MPCモノマーのみを含む重合体(PMPC)を合成した。MPCを1−プロパノールに濃度0.5Mで溶解させ、次いで、RAFT剤である4−シアノ−4−(チオベンゾイルチオ)ペンタン酸(CPD)、開始剤として2,2'−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)を加え、Arガスで15分間バブリングした後、65℃のオイルバスで24時間重合反応を行った。開始剤の濃度は、RAFT剤の5分の1程度の条件とした。重合後、再沈殿は行わずにそのまま2段階目の重合を行った。
2段階目の反応では、全モノマー濃度が0.25MとなるようにMPTSSi、MPTMSi、1−プロパノールを、1段階目の反応で得られたPMPC重合液に添加した。溶液をArガスで15分間バブリングした後、65℃で24時間重合反応を行った。その後、ジエチルエーテル:ヘキサン=7:3(v/v)で再沈殿させ固体として回収した。これを真空乾燥は行わず、コーティング液として保存した。
得られた共重合体について、得られたポリマーの化学構造をH−NMRにより同定し、分子量をゲル浸透クロマトグラフィー(JASCO社)により測定した。各モノマー比を変化させて、同様に重合反応を行って得られた共重合体の結果を表1に示す。
Figure 2017036419
2.ポリマー薄膜の作成
実施例1で得られた各共重合体をエタノール に溶解させ0.2重量%のコート液を調製した。基板として、ガラス基板およびSi/SiO基板を用いた。各基板をエタノール、アセトンの順で10分間超音波洗浄を行った後、酸素プラズマを施した。次に、触媒として0.1Mの酢酸を10重量%加えた上記コート液に2時間 浸漬させ、室温、溶媒雰囲気下で2時間乾燥させた後、70℃、3時間熱アニーリングを施した。
3.ポリマー膜表面の物性評価
(1)動的接触角のヒステリシスの算出
上記共重合体により形成させた膜表面の物性を評価するために、表面張力測定法の1つであるWilhelmy平板法を用いて動的表面特性の解析を行った。具体的には、実施例2で得られたポリマーコーティング基板をデシケータで十分乾燥させた後、動的接触角を測定した。さらに、前進角と後退角のヒステリシスを産出した。当該ヒステリシスの結果から、大気中での表面状態と水中での表面状態を評価することができる。当該動的接触角のヒステリシスの算出結果を図1に示す。疎水性成分と共重合させたMPCポリマーとしてよく知られているpoly(MPC-co-n-butyl methacrylate)(PMB30)を比較例として用いた。図1中の破線はPMB30の値である。
その結果、MPCの割合(すなわち、MPCによる親水性ブロックセグメントの割合)が増加するに従い、ヒステリシスが減少することが分かった。これは、MPCによる親水性ブロックセグメントが増加すると、基板表面と物理・化学結合をするポリマー領域(MPTSSi及びMPTMSi由来の領域)を親水性ブロックセグメントで十分に覆うことができるためであると考えられる。特に、MPCの割合が最も多いP−160では、接触角が約10度となり、超親水性状態に匹敵する高い親水性が得られた。
(2)μBCA 法によるタンパク質吸着測定
次に、μBCA 法によりウシ血清アルブミン(BSA) 吸着量の測定を行い、膜表面の防汚性の評価を行った。ポリマーコーティング基板は、水中浸漬を行わずに使用した。ポリマーコーティング基板を4.5mg/mlのBSA溶液に37℃、3時間浸漬させた。当該基板を十分量のn−ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)溶液6mlに浸漬させ、5分間超音波洗浄を行い、表面に吸着したBSA及びポリマーを剥離した。かかる処理を1サンプルにつき3枚行った。また、BSA溶液への浸漬を行っていない基板も同様にSDS溶液による超音波洗浄を行った。得られた溶液を150μLずつ96ウェルプレートに量り取った。Micro BCA Protein Assay ReagentキットをA:B:C=25:24:1で調製し150μLずつ試料と混合し、37℃、2時間インキュベートした。その後、プレートリーダーを用いて各ウェル内の560nmにおける吸光度を測定した。各試料で得られた吸光度と検量線から、各試料中のBSA濃度(μg/ml)を産出した。得られた結果を図2に示す。図2中の破線はPMB30の値である。
その結果、いずれもPMB30に比べてBSA吸着量が減少することが分かった。特に、p−120及びP−160ではBSA吸着量を十分に抑制できることが分かった。また、図1の結果も併せてみると、ヒステリシスの減少に伴って、BSAの吸着量が減少することが示唆された。
(3)セラミックス基板を用いたポリマー膜の均一性評価
セラミックス基板(1cmx4cm)をエタノール、アセトンの順で10分間超音波洗浄を行った後、酸素プラズマを施した。次に、濃度0.2重量%のP−160共重合体のエタノール溶液に、触媒として0.1Mの酢酸を10重量%加えたコート液を調製した。当該コート液に基板を2時間浸漬させ、室温、溶媒雰囲気下で2時間乾燥させた後、70℃、3時間熱アニーリングを施した。得られたポリマーコーティング基板をローダンミン6G溶液(200ppm)に5回浸漬し、純水で約20秒間洗浄した。その後、当該ガラス基板を蛍光顕微鏡で観察した。その結果、セラミックス基板を用いた場合にも均一な膜形成が確認された。
以上の結果は、本発明の表面修飾剤を用いることで、簡便かつ安定に親水性及び防汚性に優れた表面修飾を提供できることを実証するものである。

Claims (14)

  1. 側鎖に両性イオン構造及び/又はエーテル構造を有するモノマーユニット(A);側鎖にSi原子を含む疎水性基を有するモノマーユニット(B);及び側鎖にトリアルコキシシリル基を有するモノマーユニット(C)を有し、前記モノマーユニット(A)がブロックセグメントを形成している共重合体を含むことを特徴とする、表面修飾剤。
  2. 前記共重合体において、前記モノマーユニット(B)及び(C)がランダムに重合している、請求項1に記載の表面修飾剤。
  3. 前記モノマーユニット(A)が、側鎖にホスホリルコリン基、ベタイン基、又はポリエチレングリコールを有する、請求項1又は2に記載の表面修飾剤。
  4. 前記モノマーユニット(B)が、トリス(トリアルキルシリルオキシ)シリル基を有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の表面修飾剤。
  5. 前記モノマーユニット(A)〜(C)が、(A):(B):(C)=2:1:1〜9:1:1の範囲のモル比で存在する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の表面修飾剤。
  6. 前記共重合体の重量平均分子量(Mw)が、1.0x10〜5.0x10の範囲である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の表面修飾剤。
  7. 前記共重合体における重量平均分子量と数平均分子量との比(Mw/Mn)が、1.0〜2.0の範囲である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の表面修飾剤。
  8. 前記共重合体の主鎖が、ポリアルキルアクリレート又はポリアルキルメタクリレートから選択される骨格を有する、請求項1〜7のいずれか1項に記載の表面修飾剤。
  9. 前記共重合体が、リビングラジカル重合によって得られたものである、請求項1〜8のいずれか1項に記載の表面修飾剤。
  10. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の表面修飾剤を材料の表面に塗布する工程を含む、表面処理方法。
  11. 前記表面処理剤を塗布する工程の後に、材料の表面を水で処理する工程を含まない、請求項10に記載の方法。
  12. 前記材料が、セラミックスである、請求項10又は11に記載の方法。
  13. 請求項1〜9のいずれか1項に記載の表面修飾剤によって表面処理されてなる材料。
  14. セラミックスである、請求項13に記載の材料。
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