JP2004066997A - 弾性パッド - Google Patents
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Abstract
【課題】トラックリンクを介して無端状に連結されて履帯を形成する弾性パッドにおいて、履帯周方向で隣り合う弾性パッド間を通過して、履帯外周側から内周側へ侵入しようとする石等の侵入物の、該侵入を防止でき、しかも弾性パッドの履帯周方向端部に入ったカットが履帯幅方向にわたって進行するのを防止できる弾性パッドを提供する。
【解決手段】トラックリンク2に固定されるベース部材3と、このベース部材3の履帯外周側Eに固着された弾性部材4とを備えると共に、弾性部材4によってベース部材3の履帯周方向Aの端部が被覆された弾性パッドにおいて、ベース部材3の履帯周方向Aの端部側に、該ベース部材3の一部を履帯周方向Aに向けて突出させることにより形成された突部13を設ける。
【選択図】 図1
【解決手段】トラックリンク2に固定されるベース部材3と、このベース部材3の履帯外周側Eに固着された弾性部材4とを備えると共に、弾性部材4によってベース部材3の履帯周方向Aの端部が被覆された弾性パッドにおいて、ベース部材3の履帯周方向Aの端部側に、該ベース部材3の一部を履帯周方向Aに向けて突出させることにより形成された突部13を設ける。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ショベル、バックホー、キャリアダンプ等の土木・建設機械や、トラクタ等の農業機械等の走行部に使用されるクローラ式走行装置の履帯を形成する弾性パッド(ゴムパッド)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、駆動輪と、アイドラと、複数の転輪とに亘って無端帯状の履帯を巻き掛け、この履帯を周方向に循環回走させるようにしたクローラ式走行装置があり、このクローラ式走行装置に採用される履帯として、多数のゴムパッドをトラックリンクを介して相互に連結して無端帯状とされたパッド式履帯がある。
このパッド式履帯に採用されるゴムパッドとして、図5に示すように、トラックリンク21に取付固定される芯金22をゴム材中に埋設してなるゴムパッド20がある(特開平11−342876号公報参照)。
【0003】
このゴムパッド20には、左右一対のトラックリンク21が固定され、左右トラックリンク21の履帯周方向A一側は連結部21aとされ、他側は被連結部21bとされ、履帯周方向Aで隣り合うゴムパッド20の、一方に取り付けられたトラックリンク21の連結部21aに、他方のゴムパッド20に取り付けられたトラックリンク21の被連結部21bをトラックピン23により左右方向の軸心廻りに回動自在に枢支連結することにより、ゴムパッド20同志が相互に連結されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来のゴムパッド20にあっては、芯金22の履帯周方向Aの端部22aをゴム材24によって覆うように、該芯金22をゴム材24に埋設しているので、図5に示すように、芯金22の履帯周方向Aの幅が狭くなると共に、履帯周方向Aで隣り合うゴムパッド20同志の、芯金22間の間隔Kが大きくなる。
この為、不整地、解体場等で、クローラ式走行装置が使用された場合、石、鉄筋等が、履帯周方向Aで隣り合うゴムパッド20間の隙間Lから、ゴム材を押しのけて履帯内周側へと侵入し、この侵入した石、鉄筋等が、トラックリンク21同志の枢支連結部分等を、傷つけ、変形させ、トラックリンク21同志の枢支連結部分のスムーズな屈曲ができなくなり、引いては、トラックリンク21同志の枢支連結部分の回転ができないような状態になってしまう惧れがある。
【0005】
特に、駆動輪やアイドラに対する巻き掛け部分では、隣り合うゴムパッド20の履帯周方向A間の隙間Lが広がるので、駆動輪やアイドラの巻き掛け部分において、石、鉄筋等が履帯外周側から履帯内周側へと侵入する惧れが大である。
また、従来のゴムパッド20の芯金22の履帯周方向Aの端部22aを覆うゴム材24の履帯周方向Aの肉厚は、耐久性を考慮して、ある程度の厚みが確保されているため、芯金22の履帯周方向Aの幅を全体的に広くして、芯金22間の間隔Kを狭くするということが困難である。
【0006】
また、ゴムパッド20の芯金22の履帯周方向Aの端部22aを覆うゴム材24の履帯周方向Aの肉厚は、ある程度の厚みが確保されているため、芯金22の履帯周方向A端部を覆うゴム材24にカット、欠け等が入った場合、ゴム材24は、該部分では切断されず、カットが芯金22の履帯幅方向に進行して、やがては、芯金22の履帯周方向A端部を覆うゴム材24が、芯金22の履帯幅方向全幅にわたって剥離してしまうことになる。
特に、従来の芯金22の履帯周方向A端面は、履帯幅方向にわたって平坦面であり、しかも、芯金22の履帯周方向A端面は走行による摩擦抵抗のストレスを受けるので、ゴムパッド20の履帯周方向A端部の、ゴム材24の一部が、一度、剥離したり、芯金22の履帯周方向Aの端部22aに錆びが発生した場合には、剥離の進行度合いが、他の箇所に比べて早いという問題があり、耐久性に影響を与えている。
【0007】
本発明は、前記問題点に鑑みて、履帯周方向で隣り合う弾性パッド間を通して、履帯外周側から内周側へ侵入しようとする石等の該侵入を防止でき、しかも弾性パッドの履帯周方向端部に入ったカットが履帯幅方向にわたって進行するのを防止することができる弾性パッドを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明が技術的課題を解決するために講じた技術的手段は、トラックリンクを介して無端状に連結されて履帯を形成する弾性パッドであって、
トラックリンクに固定されるベース部材と、このベース部材の履帯外周側に固着された弾性部材とを備えると共に、弾性部材によってベース部材の履帯周方向の端部が被覆された弾性パッドにおいて、
前記ベース部材の履帯周方向の端部側に、該ベース部材の一部を履帯周方向に向けて突出させることにより形成された突部を設けたことを特徴とする。
【0009】
また、突部は、少なくともトラックリンクに対応する位置に設けられているのがよい。
また、突部は、トラックリンクに対応する位置に形成された突部の、履帯幅方向外方側にも設けるのがよい。
また、突部は、ベース部材の履帯周方向両端側に設けられていて、履帯周方向で隣り合う弾性パッドの突部同志が履帯周方向に関して対向状となるように設けられているのがよい。
【0010】
また、突部は、履帯幅方向に沿って、且つ適宜間隔をおいて設けられており、隣り合う突部間には、弾性部材が充填されており、突部の履帯周方向端部を覆う弾性部材は薄肉とされているのがよい。
また、弾性部材は、ベース部材の履帯内周側をも被覆しており、ベース部材の履帯幅方向の端部側には、ベース部材の厚さ方向に貫通する貫通孔が形成されており、この貫通孔に充填された弾性部材により、ベース部材の履帯内周側の弾性部材と、ベース部材の履帯外周側の弾性部材とが連結されているのがよい。
【0011】
ベース部材が、履帯幅方向に長い板材から形成されていると共に、その履帯幅方向の両側が、履帯幅方向中央側よりも履帯内周側に位置しているのがよい。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1〜図4において、1は、トラックリンク2を介してエンドレス状に連結されることによりパッド式履帯を形成する弾性パッド(クローラシュー)を示している。
すなわち、多数の弾性パッド1の各々にトラックリンク2を取付固定し、トラックリンク2同志を相互に連結して無端状とすることにより、クローラ走行装置に採用される無端帯状の履帯が構成される。
【0013】
この弾性パッド1は、ベース部材3(芯金、履板)と、このベース部材3に固着された弾性部材4とから主構成されている。
ベース部材3は、金属等の硬質材料によって形成された、履帯幅方向(左右方向)Bに長い板材からなり、図例のものにあっては、履帯幅方向B両側が中央側よりも履帯内周側Dに突出していて(位置していて)、履帯幅方向B中央側が履帯外周側(接地側)Cに凹むように形成されている。
このベース部材3の履帯幅方向Bの中央側には、履帯周方向A前後一対のボルト挿通孔6が左右両側に形成されており、各ボルト挿通孔6は、ベース部材3の厚さ方向に貫通状に形成されている。
【0014】
弾性部材4は、ゴム等の弾性体によって形成され、ベース部材3を被覆するように(ベース部材2が埋設されるように)、設けられており、加硫接着等によって、ベース部材3に固着されている。
この弾性部材4は、ベース部材3の履帯外周側Eに固着されていて、接地し且つクローラ走行装置を装着した機械の本機側の荷重を受ける本体部4aと、ベース部材3の履帯周方向A前後の端部を被覆する周端部被覆部4bと、ベース部材3の履帯内周側Dの左右両側を被覆する内周側被覆部4cと、ベース部材3の履帯幅方向Bの端部を被覆する幅端部被覆部4dとを有する。
【0015】
ベース部材3の履帯内周側Dの中央側は、弾性部材4で被覆されておらず露出している。
弾性部材4の本体部4aの履帯外周側Eの面(接地側の面)7の履帯幅方向B中央側部分は履帯内周側Dに凹んでおり、この凹み部分8には、ベース部材3の各ボルト挿通孔6に対応する位置に、該ボルト挿通孔6に連通するように厚さ方向に貫通形成された挿通孔9が設けられ、各挿通孔9は、前記連結ボルトの頭部が挿通される大きさに形成されている。
【0016】
ベース部材3の履帯内周側Dの左右方向B中央側には、左右一対のトラックリンク2が取り付けられる。
トラックリンク2は、リンク本体2aから履帯周方向A一側に延出する連結部2bを備えると共に、リンク本体2aから履帯周方向A他側に延出する被連結部2cを備えている。
また、例えば、リンク本体2aには、弾性パッド1(ベース部材3)をトラックリンク2に連結する連結ボルトのネジ部が螺合されるネジ孔が形成されており、連結ボルトのネジ部を、弾性部材4の挿通孔9を介してボルト挿通孔6に挿通し、さらに、前述したトラックリンク2のリンク本体2aのネジ孔に螺合することで、弾性パッド1にトラックリンク2が取り付けられるように構成されている。
【0017】
また、トラックリンク2に対する弾性パッド1の他の取付構造としては、弾性パッド1をトラックリンク2に連結する連結ボルトを、トラックリンク2及びベース部材3の両者に貫通させ、この連結ボルトのネジ部にナットを螺合させて締め付けることにより、すなわち、前記連結ボルトとナットとによってトラックリンク2とベース部材3とを締結することにより、トラックリンク2に弾性パッド1が取り付けられるようにした構造がある。
なお、トラックリンク2に取付プレートが固定される場合は、この取付プレートに弾性パッド1が取付固定され、また、ベース部材3は、トラックリンク2に溶接等によって一体化されていてもよく、トラックリンク2にベース部材3が固定されていればよい。
【0018】
ベース部材3に取り付けられた左右のトラックリンク2の、連結部2b間には左右方向Bの軸心を有するトラックブッシュ10が固定されている。
また、履帯周方向Aで隣り合う弾性パッド1の、一方の弾性パッド1の左右トラックリンク2の連結部2bは、他方の弾性パッド1の左右トラックリンク2のの被連結部2c間に挿入状とされ、さらに、これら左右の連結部2及び左右の被連結部2cを貫通し且つトラックブッシュ10に挿通されるトラックピン11によって、履帯周方向Aで隣り合う、左右一対のトラックリンク2同志が左右方向Bの軸心廻りに回動自在に枢支連結されており、これにより、履帯周方向Aで隣り合う弾性パッド1同志が相互に屈曲自在に連結される。
【0019】
前記ベース部材3は、履帯周方向Aの両端側に、該ベース部材3の一部を履帯周方向Aに向けて突出させることにより形成された突部13を備えており、ベース部材3は、略矩形板状の本体部分14と、この本体部分14の履帯周方向Aの端部から延設された突部13とから構成されている。
前記突部13は、ベース部材3の本体部分14の履帯周方向Aの各端部に、該端部に沿って(履帯幅方向Bに)複数個、相互に間隔をおいて設けられていると共に、ベース部材3の本体部分14の履帯周方向Aの一方の端部に設けられる突部13と、本体部分14の履帯周方向Aの他方の端部に設けられる突部13とは、履帯幅方向Aに関して略同じ位置に位置しており、したがって、履帯周方向Aで隣り合う弾性パッド1の突部13同志は、履帯周方向Aに関して対向状とされている。
【0020】
また、本実施の形態では、突部13は、ベース部材3の本体部分14の履帯周方向A端部に、それぞれ4つ設けられ、履帯幅方向B中央側の一対の突部13は、トラックリンク2に対応する位置に(トラックリンク2を覆うように)設けられている。
前記実施の形態のものにあっては、突部13を設けることにより、隣り合う弾性パッド1のベース部材3の履帯周方向A間の間隔は、本体部14間の間隔Gに対して突部13間の間隔Fが狭く、したがって、隣り合う弾性パッド1のベース部材3の履帯周方向A間の間隔が部分的に狭くなり、これによって、隣り合う弾性パッド1のベース部材3の間を通過して、履帯外周側Eから履帯内周側Dへと侵入しようとする石、鉄筋等の侵入物の、該侵入を阻止することができる。
【0021】
また、本実施の形態では、特に、履帯幅方向Bに配置された4つの突部13の内、履帯幅方向B中央側のトラックリンク2に対応する位置にある一対の突部13が、主として、トラックリンク2を保護する効果がある。
また、突部13を設けないで、ベース部材3の本体部14の履帯周方向Aの端部を履帯幅方向B全長にわたって全体的に、履帯周方向Aに延出させて、履帯周方向Aで隣り合うベース部材3の履帯周方向A間隔を狭くするようにすると、ベース部材3の履帯周方向Aの端部を被覆する弾性部材の履帯周方向Aの肉厚が、履帯幅方向B全長にわたって薄くなり、該部分の弾性部材が比較的早期に剥離してしまい、耐久性を著しく低下させてしまうが、本実施の形態のものにあっては、履帯周方向Aで隣り合う弾性パッド1のベース部材3間の間隔を部分的に狭くし、履帯幅方向Bで隣り合う突部13間には、弾性部材4が充填されていて、この履帯幅方向Bで隣り合う突部13間においては、ベース部材3の履帯周方向Aの端部を覆う周端部被覆部4bの履帯周方向Aの肉厚を十分に確保でき、耐久性が極端に低下するのを防止している。
【0022】
弾性部材4の周端部被覆部4bの、突部13の履帯周方向A端部を覆う部分の肉厚は薄肉(1〜4mm程度)に形成されているので、弾性部材4の履帯周方向A端部に入ったカットが、履帯幅方向Bに進行しようとしても、周端部被覆部4bの突部13の履帯周方向A端部を覆う薄肉部分で、弾性部材4が切れてカットの進行(剥離の進行)がくい止められる。
なお、弾性部材4の周端部被覆部4bの、突部13の履帯周方向A端部を覆う部分の肉厚Cのトラックリンク2のピッチPに対する割合(C/P値)は0〜4%とされる。
【0023】
また、履帯幅方向Bに複数の突部13を設けることにより、ベース部材3の履帯周方向Aの端部形状が凹凸形状とされ、ベース部材3の履帯周方向Aの端部の表面積(接着面積)がアップし、弾性部材4のベース部材3に対する接着力が向上する。
したがって、トラックリンク2に対応する位置に形成された突部13の、履帯幅方向B外方側に設けられた突部13は、弾性部材4の接着力をアップさせる効果を奏する。
【0024】
また、ベース部材3の履帯周方向Aの端部の凹凸形状によって、弾性部材4のベース部材3に対する接着力をアップさせることにより、周端部被覆部4bの剥離スピードを遅くするという効果を奏する。
また、本実施の形態の弾性パッド1にあっては、突部13の履帯周方向A端部を薄肉の弾性部材4によって覆うようにして、ベース部材3の履帯周方向A端部が新品時から露出しないように構成されており、突部13を設けることにより、ベース部材3の履帯周方向A端部を弾性部材4により被覆するようにした弾性パッド1において、ベース部材3の履帯周方向Aの幅をできるだけ広くすることができる。
【0025】
なお、突部13の、幅、長さ、数、形成位置、突部13間の間隔等は図例のものに限定されることはなく、種種設計変更可能である。
また、突部13は、本実施の形態では、例えば、鍛造、鋳造等によってベース部材3に一体形成されるが、別体で形成してベース部材3の本体部分14に溶接等によって固着するようにしてもよい。
前記ベース部材3の履帯幅方向B両端側には、履帯周方向Aに適宜間隔をおいて且つ厚さ方向貫通状に形成された3つの貫通孔16が形成されており、この貫通孔16には、成形型にベース部材3と弾性部材4を構成する弾性材料(ゴム材料)を入れて弾性部材4を加硫成形する際において、弾性部材4を構成する弾性材料が流れ込むことにより、該弾性材料が充填されており、この貫通孔16に流れ込んだ連結部4eによって、弾性部材の、本体部4aと内周側被覆部4cとが連結されていて、弾性部材4の履帯幅方向B端部側のベース部材3に対する接着性を向上させており、弾性部材4のベース部材3からの剥離を困難にしている。
【0026】
このように、弾性パッド1の履帯幅方向Bの端部においては、貫通孔16に充填される連結部4eによって弾性部材4の接着性を向上させているのは、ベース部材3の履帯幅方向B端部にも、履帯周方向A端部の突部13と同様の突部を設けることにより、弾性部材4の履帯幅方向B端部側の接着性を向上させることができるが、そうすると、該突部によって、舗装路等において、縁石を傷つける等の問題が生じるからである。
【0027】
【発明の効果】
本発明によれば、ベース部材の履帯周方向の端部側に、該ベース部材の一部を履帯周方向に向けて突出させることにより形成された突部によって、履帯周方向で隣り合う弾性パッドのベース部材同志の間隔が部分的に狭まり、これによって、履帯周方向で隣り合う弾性パッド間を通過して、履帯の外周側から内周側に侵入しようとする石等の、該侵入を防止でき、該石等からトラックリンクを保護することができるという効果を奏する。
【0028】
また、前記突部によって、ベース部材の履帯周方向の端部の表面積が広くなり、これによって、弾性部材のベース部材に対する接着強度を向上させることができ、ベース部材の履帯周方向端部を被覆する弾性部材の剥離スピードを遅くさせることができる。
また、突部をトラックリンクに対応する位置に設けることにより、突部によるトラックリンクに対する保護効果を向上させることができる。
また、突部を、トラックリンクに対応する位置に設けた突部の、履帯幅方向外方側にも設けることにより、弾性部材のベース部材に対する接着強度が、さらにアップする。
【0029】
また、突部を、ベース部材の履帯周方向両端側に設け、且つ履帯周方向で隣り合う弾性パッドの突部同志が履帯周方向に関して対向状となるように設けることにより、履帯外周側から履帯内周側への石等の侵入防止効果、ひいてはトラックリンクに対する保護効果が、さらにアップする。
また、突部は、履帯幅方向に沿って、且つ適宜間隔をおいて設けられており、隣り合う突部間には、弾性部材が充填されており、突部の履帯周方向端部を覆う弾性部材は薄肉とされていることにより、ベース部材の履帯周方向端部を覆う弾性部材に、カット、欠け等が入った場合、突部の履帯周方向端部の薄肉部分で切れ、それ以上の剥離の進行が止まり、これにより、カット等がベース部材の履帯幅方向に沿って進行するのを防止することができる。
【0030】
また、ベース部材の履帯周方向端部を覆う弾性部材を、履帯幅方向にわたって薄肉にすると、耐久性が極端に劣るという弊害が生じるが、本発明にあっては、隣り合う突部間には、弾性部材が充填されていて、厚肉とされており、極端な耐久性低下を防止できる。
また、弾性パッドの履帯幅方向端部に関しては、ベース部材の履帯内周側の弾性部材と、ベース部材の履帯外周側の弾性部材とを弾性部材で連結すべく、ベース部材の履帯幅方向の端部側に、ベース部材の厚さ方向に貫通する貫通孔を形成することにより、弾性部材の履帯幅方向端部の接着性を向上させることができる。
【0031】
また、ベース部材が、履帯幅方向に長い板材から形成されていると共に、その履帯幅方向の両側が、履帯幅方向中央側よりも履帯内周側に位置していることにより、履帯幅方向両側における、ベース部材の履帯外周側の弾性部材の肉厚が厚くなり、これにより、縁石を傷つけにくい、履帯幅方向両側の弾性部材の耳切れがしにくいという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】履帯周方向で隣り合うベース部材の連結状態を示す、履帯外周側から見た図である。
【図2】弾性パッドを履帯外周側から見た図である。
【図3】履帯の幅方向断面図である。
【図4】履帯の側面断面図である。
【図5】従来の履帯の側面図である。
【符号の説明】
1 弾性パッド
2 トラックリンク
3 ベース部材
4 弾性部材
13 突部
A 履帯周方向
B 履帯幅方向
【発明の属する技術分野】
本発明は、ショベル、バックホー、キャリアダンプ等の土木・建設機械や、トラクタ等の農業機械等の走行部に使用されるクローラ式走行装置の履帯を形成する弾性パッド(ゴムパッド)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、駆動輪と、アイドラと、複数の転輪とに亘って無端帯状の履帯を巻き掛け、この履帯を周方向に循環回走させるようにしたクローラ式走行装置があり、このクローラ式走行装置に採用される履帯として、多数のゴムパッドをトラックリンクを介して相互に連結して無端帯状とされたパッド式履帯がある。
このパッド式履帯に採用されるゴムパッドとして、図5に示すように、トラックリンク21に取付固定される芯金22をゴム材中に埋設してなるゴムパッド20がある(特開平11−342876号公報参照)。
【0003】
このゴムパッド20には、左右一対のトラックリンク21が固定され、左右トラックリンク21の履帯周方向A一側は連結部21aとされ、他側は被連結部21bとされ、履帯周方向Aで隣り合うゴムパッド20の、一方に取り付けられたトラックリンク21の連結部21aに、他方のゴムパッド20に取り付けられたトラックリンク21の被連結部21bをトラックピン23により左右方向の軸心廻りに回動自在に枢支連結することにより、ゴムパッド20同志が相互に連結されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来のゴムパッド20にあっては、芯金22の履帯周方向Aの端部22aをゴム材24によって覆うように、該芯金22をゴム材24に埋設しているので、図5に示すように、芯金22の履帯周方向Aの幅が狭くなると共に、履帯周方向Aで隣り合うゴムパッド20同志の、芯金22間の間隔Kが大きくなる。
この為、不整地、解体場等で、クローラ式走行装置が使用された場合、石、鉄筋等が、履帯周方向Aで隣り合うゴムパッド20間の隙間Lから、ゴム材を押しのけて履帯内周側へと侵入し、この侵入した石、鉄筋等が、トラックリンク21同志の枢支連結部分等を、傷つけ、変形させ、トラックリンク21同志の枢支連結部分のスムーズな屈曲ができなくなり、引いては、トラックリンク21同志の枢支連結部分の回転ができないような状態になってしまう惧れがある。
【0005】
特に、駆動輪やアイドラに対する巻き掛け部分では、隣り合うゴムパッド20の履帯周方向A間の隙間Lが広がるので、駆動輪やアイドラの巻き掛け部分において、石、鉄筋等が履帯外周側から履帯内周側へと侵入する惧れが大である。
また、従来のゴムパッド20の芯金22の履帯周方向Aの端部22aを覆うゴム材24の履帯周方向Aの肉厚は、耐久性を考慮して、ある程度の厚みが確保されているため、芯金22の履帯周方向Aの幅を全体的に広くして、芯金22間の間隔Kを狭くするということが困難である。
【0006】
また、ゴムパッド20の芯金22の履帯周方向Aの端部22aを覆うゴム材24の履帯周方向Aの肉厚は、ある程度の厚みが確保されているため、芯金22の履帯周方向A端部を覆うゴム材24にカット、欠け等が入った場合、ゴム材24は、該部分では切断されず、カットが芯金22の履帯幅方向に進行して、やがては、芯金22の履帯周方向A端部を覆うゴム材24が、芯金22の履帯幅方向全幅にわたって剥離してしまうことになる。
特に、従来の芯金22の履帯周方向A端面は、履帯幅方向にわたって平坦面であり、しかも、芯金22の履帯周方向A端面は走行による摩擦抵抗のストレスを受けるので、ゴムパッド20の履帯周方向A端部の、ゴム材24の一部が、一度、剥離したり、芯金22の履帯周方向Aの端部22aに錆びが発生した場合には、剥離の進行度合いが、他の箇所に比べて早いという問題があり、耐久性に影響を与えている。
【0007】
本発明は、前記問題点に鑑みて、履帯周方向で隣り合う弾性パッド間を通して、履帯外周側から内周側へ侵入しようとする石等の該侵入を防止でき、しかも弾性パッドの履帯周方向端部に入ったカットが履帯幅方向にわたって進行するのを防止することができる弾性パッドを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明が技術的課題を解決するために講じた技術的手段は、トラックリンクを介して無端状に連結されて履帯を形成する弾性パッドであって、
トラックリンクに固定されるベース部材と、このベース部材の履帯外周側に固着された弾性部材とを備えると共に、弾性部材によってベース部材の履帯周方向の端部が被覆された弾性パッドにおいて、
前記ベース部材の履帯周方向の端部側に、該ベース部材の一部を履帯周方向に向けて突出させることにより形成された突部を設けたことを特徴とする。
【0009】
また、突部は、少なくともトラックリンクに対応する位置に設けられているのがよい。
また、突部は、トラックリンクに対応する位置に形成された突部の、履帯幅方向外方側にも設けるのがよい。
また、突部は、ベース部材の履帯周方向両端側に設けられていて、履帯周方向で隣り合う弾性パッドの突部同志が履帯周方向に関して対向状となるように設けられているのがよい。
【0010】
また、突部は、履帯幅方向に沿って、且つ適宜間隔をおいて設けられており、隣り合う突部間には、弾性部材が充填されており、突部の履帯周方向端部を覆う弾性部材は薄肉とされているのがよい。
また、弾性部材は、ベース部材の履帯内周側をも被覆しており、ベース部材の履帯幅方向の端部側には、ベース部材の厚さ方向に貫通する貫通孔が形成されており、この貫通孔に充填された弾性部材により、ベース部材の履帯内周側の弾性部材と、ベース部材の履帯外周側の弾性部材とが連結されているのがよい。
【0011】
ベース部材が、履帯幅方向に長い板材から形成されていると共に、その履帯幅方向の両側が、履帯幅方向中央側よりも履帯内周側に位置しているのがよい。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1〜図4において、1は、トラックリンク2を介してエンドレス状に連結されることによりパッド式履帯を形成する弾性パッド(クローラシュー)を示している。
すなわち、多数の弾性パッド1の各々にトラックリンク2を取付固定し、トラックリンク2同志を相互に連結して無端状とすることにより、クローラ走行装置に採用される無端帯状の履帯が構成される。
【0013】
この弾性パッド1は、ベース部材3(芯金、履板)と、このベース部材3に固着された弾性部材4とから主構成されている。
ベース部材3は、金属等の硬質材料によって形成された、履帯幅方向(左右方向)Bに長い板材からなり、図例のものにあっては、履帯幅方向B両側が中央側よりも履帯内周側Dに突出していて(位置していて)、履帯幅方向B中央側が履帯外周側(接地側)Cに凹むように形成されている。
このベース部材3の履帯幅方向Bの中央側には、履帯周方向A前後一対のボルト挿通孔6が左右両側に形成されており、各ボルト挿通孔6は、ベース部材3の厚さ方向に貫通状に形成されている。
【0014】
弾性部材4は、ゴム等の弾性体によって形成され、ベース部材3を被覆するように(ベース部材2が埋設されるように)、設けられており、加硫接着等によって、ベース部材3に固着されている。
この弾性部材4は、ベース部材3の履帯外周側Eに固着されていて、接地し且つクローラ走行装置を装着した機械の本機側の荷重を受ける本体部4aと、ベース部材3の履帯周方向A前後の端部を被覆する周端部被覆部4bと、ベース部材3の履帯内周側Dの左右両側を被覆する内周側被覆部4cと、ベース部材3の履帯幅方向Bの端部を被覆する幅端部被覆部4dとを有する。
【0015】
ベース部材3の履帯内周側Dの中央側は、弾性部材4で被覆されておらず露出している。
弾性部材4の本体部4aの履帯外周側Eの面(接地側の面)7の履帯幅方向B中央側部分は履帯内周側Dに凹んでおり、この凹み部分8には、ベース部材3の各ボルト挿通孔6に対応する位置に、該ボルト挿通孔6に連通するように厚さ方向に貫通形成された挿通孔9が設けられ、各挿通孔9は、前記連結ボルトの頭部が挿通される大きさに形成されている。
【0016】
ベース部材3の履帯内周側Dの左右方向B中央側には、左右一対のトラックリンク2が取り付けられる。
トラックリンク2は、リンク本体2aから履帯周方向A一側に延出する連結部2bを備えると共に、リンク本体2aから履帯周方向A他側に延出する被連結部2cを備えている。
また、例えば、リンク本体2aには、弾性パッド1(ベース部材3)をトラックリンク2に連結する連結ボルトのネジ部が螺合されるネジ孔が形成されており、連結ボルトのネジ部を、弾性部材4の挿通孔9を介してボルト挿通孔6に挿通し、さらに、前述したトラックリンク2のリンク本体2aのネジ孔に螺合することで、弾性パッド1にトラックリンク2が取り付けられるように構成されている。
【0017】
また、トラックリンク2に対する弾性パッド1の他の取付構造としては、弾性パッド1をトラックリンク2に連結する連結ボルトを、トラックリンク2及びベース部材3の両者に貫通させ、この連結ボルトのネジ部にナットを螺合させて締め付けることにより、すなわち、前記連結ボルトとナットとによってトラックリンク2とベース部材3とを締結することにより、トラックリンク2に弾性パッド1が取り付けられるようにした構造がある。
なお、トラックリンク2に取付プレートが固定される場合は、この取付プレートに弾性パッド1が取付固定され、また、ベース部材3は、トラックリンク2に溶接等によって一体化されていてもよく、トラックリンク2にベース部材3が固定されていればよい。
【0018】
ベース部材3に取り付けられた左右のトラックリンク2の、連結部2b間には左右方向Bの軸心を有するトラックブッシュ10が固定されている。
また、履帯周方向Aで隣り合う弾性パッド1の、一方の弾性パッド1の左右トラックリンク2の連結部2bは、他方の弾性パッド1の左右トラックリンク2のの被連結部2c間に挿入状とされ、さらに、これら左右の連結部2及び左右の被連結部2cを貫通し且つトラックブッシュ10に挿通されるトラックピン11によって、履帯周方向Aで隣り合う、左右一対のトラックリンク2同志が左右方向Bの軸心廻りに回動自在に枢支連結されており、これにより、履帯周方向Aで隣り合う弾性パッド1同志が相互に屈曲自在に連結される。
【0019】
前記ベース部材3は、履帯周方向Aの両端側に、該ベース部材3の一部を履帯周方向Aに向けて突出させることにより形成された突部13を備えており、ベース部材3は、略矩形板状の本体部分14と、この本体部分14の履帯周方向Aの端部から延設された突部13とから構成されている。
前記突部13は、ベース部材3の本体部分14の履帯周方向Aの各端部に、該端部に沿って(履帯幅方向Bに)複数個、相互に間隔をおいて設けられていると共に、ベース部材3の本体部分14の履帯周方向Aの一方の端部に設けられる突部13と、本体部分14の履帯周方向Aの他方の端部に設けられる突部13とは、履帯幅方向Aに関して略同じ位置に位置しており、したがって、履帯周方向Aで隣り合う弾性パッド1の突部13同志は、履帯周方向Aに関して対向状とされている。
【0020】
また、本実施の形態では、突部13は、ベース部材3の本体部分14の履帯周方向A端部に、それぞれ4つ設けられ、履帯幅方向B中央側の一対の突部13は、トラックリンク2に対応する位置に(トラックリンク2を覆うように)設けられている。
前記実施の形態のものにあっては、突部13を設けることにより、隣り合う弾性パッド1のベース部材3の履帯周方向A間の間隔は、本体部14間の間隔Gに対して突部13間の間隔Fが狭く、したがって、隣り合う弾性パッド1のベース部材3の履帯周方向A間の間隔が部分的に狭くなり、これによって、隣り合う弾性パッド1のベース部材3の間を通過して、履帯外周側Eから履帯内周側Dへと侵入しようとする石、鉄筋等の侵入物の、該侵入を阻止することができる。
【0021】
また、本実施の形態では、特に、履帯幅方向Bに配置された4つの突部13の内、履帯幅方向B中央側のトラックリンク2に対応する位置にある一対の突部13が、主として、トラックリンク2を保護する効果がある。
また、突部13を設けないで、ベース部材3の本体部14の履帯周方向Aの端部を履帯幅方向B全長にわたって全体的に、履帯周方向Aに延出させて、履帯周方向Aで隣り合うベース部材3の履帯周方向A間隔を狭くするようにすると、ベース部材3の履帯周方向Aの端部を被覆する弾性部材の履帯周方向Aの肉厚が、履帯幅方向B全長にわたって薄くなり、該部分の弾性部材が比較的早期に剥離してしまい、耐久性を著しく低下させてしまうが、本実施の形態のものにあっては、履帯周方向Aで隣り合う弾性パッド1のベース部材3間の間隔を部分的に狭くし、履帯幅方向Bで隣り合う突部13間には、弾性部材4が充填されていて、この履帯幅方向Bで隣り合う突部13間においては、ベース部材3の履帯周方向Aの端部を覆う周端部被覆部4bの履帯周方向Aの肉厚を十分に確保でき、耐久性が極端に低下するのを防止している。
【0022】
弾性部材4の周端部被覆部4bの、突部13の履帯周方向A端部を覆う部分の肉厚は薄肉(1〜4mm程度)に形成されているので、弾性部材4の履帯周方向A端部に入ったカットが、履帯幅方向Bに進行しようとしても、周端部被覆部4bの突部13の履帯周方向A端部を覆う薄肉部分で、弾性部材4が切れてカットの進行(剥離の進行)がくい止められる。
なお、弾性部材4の周端部被覆部4bの、突部13の履帯周方向A端部を覆う部分の肉厚Cのトラックリンク2のピッチPに対する割合(C/P値)は0〜4%とされる。
【0023】
また、履帯幅方向Bに複数の突部13を設けることにより、ベース部材3の履帯周方向Aの端部形状が凹凸形状とされ、ベース部材3の履帯周方向Aの端部の表面積(接着面積)がアップし、弾性部材4のベース部材3に対する接着力が向上する。
したがって、トラックリンク2に対応する位置に形成された突部13の、履帯幅方向B外方側に設けられた突部13は、弾性部材4の接着力をアップさせる効果を奏する。
【0024】
また、ベース部材3の履帯周方向Aの端部の凹凸形状によって、弾性部材4のベース部材3に対する接着力をアップさせることにより、周端部被覆部4bの剥離スピードを遅くするという効果を奏する。
また、本実施の形態の弾性パッド1にあっては、突部13の履帯周方向A端部を薄肉の弾性部材4によって覆うようにして、ベース部材3の履帯周方向A端部が新品時から露出しないように構成されており、突部13を設けることにより、ベース部材3の履帯周方向A端部を弾性部材4により被覆するようにした弾性パッド1において、ベース部材3の履帯周方向Aの幅をできるだけ広くすることができる。
【0025】
なお、突部13の、幅、長さ、数、形成位置、突部13間の間隔等は図例のものに限定されることはなく、種種設計変更可能である。
また、突部13は、本実施の形態では、例えば、鍛造、鋳造等によってベース部材3に一体形成されるが、別体で形成してベース部材3の本体部分14に溶接等によって固着するようにしてもよい。
前記ベース部材3の履帯幅方向B両端側には、履帯周方向Aに適宜間隔をおいて且つ厚さ方向貫通状に形成された3つの貫通孔16が形成されており、この貫通孔16には、成形型にベース部材3と弾性部材4を構成する弾性材料(ゴム材料)を入れて弾性部材4を加硫成形する際において、弾性部材4を構成する弾性材料が流れ込むことにより、該弾性材料が充填されており、この貫通孔16に流れ込んだ連結部4eによって、弾性部材の、本体部4aと内周側被覆部4cとが連結されていて、弾性部材4の履帯幅方向B端部側のベース部材3に対する接着性を向上させており、弾性部材4のベース部材3からの剥離を困難にしている。
【0026】
このように、弾性パッド1の履帯幅方向Bの端部においては、貫通孔16に充填される連結部4eによって弾性部材4の接着性を向上させているのは、ベース部材3の履帯幅方向B端部にも、履帯周方向A端部の突部13と同様の突部を設けることにより、弾性部材4の履帯幅方向B端部側の接着性を向上させることができるが、そうすると、該突部によって、舗装路等において、縁石を傷つける等の問題が生じるからである。
【0027】
【発明の効果】
本発明によれば、ベース部材の履帯周方向の端部側に、該ベース部材の一部を履帯周方向に向けて突出させることにより形成された突部によって、履帯周方向で隣り合う弾性パッドのベース部材同志の間隔が部分的に狭まり、これによって、履帯周方向で隣り合う弾性パッド間を通過して、履帯の外周側から内周側に侵入しようとする石等の、該侵入を防止でき、該石等からトラックリンクを保護することができるという効果を奏する。
【0028】
また、前記突部によって、ベース部材の履帯周方向の端部の表面積が広くなり、これによって、弾性部材のベース部材に対する接着強度を向上させることができ、ベース部材の履帯周方向端部を被覆する弾性部材の剥離スピードを遅くさせることができる。
また、突部をトラックリンクに対応する位置に設けることにより、突部によるトラックリンクに対する保護効果を向上させることができる。
また、突部を、トラックリンクに対応する位置に設けた突部の、履帯幅方向外方側にも設けることにより、弾性部材のベース部材に対する接着強度が、さらにアップする。
【0029】
また、突部を、ベース部材の履帯周方向両端側に設け、且つ履帯周方向で隣り合う弾性パッドの突部同志が履帯周方向に関して対向状となるように設けることにより、履帯外周側から履帯内周側への石等の侵入防止効果、ひいてはトラックリンクに対する保護効果が、さらにアップする。
また、突部は、履帯幅方向に沿って、且つ適宜間隔をおいて設けられており、隣り合う突部間には、弾性部材が充填されており、突部の履帯周方向端部を覆う弾性部材は薄肉とされていることにより、ベース部材の履帯周方向端部を覆う弾性部材に、カット、欠け等が入った場合、突部の履帯周方向端部の薄肉部分で切れ、それ以上の剥離の進行が止まり、これにより、カット等がベース部材の履帯幅方向に沿って進行するのを防止することができる。
【0030】
また、ベース部材の履帯周方向端部を覆う弾性部材を、履帯幅方向にわたって薄肉にすると、耐久性が極端に劣るという弊害が生じるが、本発明にあっては、隣り合う突部間には、弾性部材が充填されていて、厚肉とされており、極端な耐久性低下を防止できる。
また、弾性パッドの履帯幅方向端部に関しては、ベース部材の履帯内周側の弾性部材と、ベース部材の履帯外周側の弾性部材とを弾性部材で連結すべく、ベース部材の履帯幅方向の端部側に、ベース部材の厚さ方向に貫通する貫通孔を形成することにより、弾性部材の履帯幅方向端部の接着性を向上させることができる。
【0031】
また、ベース部材が、履帯幅方向に長い板材から形成されていると共に、その履帯幅方向の両側が、履帯幅方向中央側よりも履帯内周側に位置していることにより、履帯幅方向両側における、ベース部材の履帯外周側の弾性部材の肉厚が厚くなり、これにより、縁石を傷つけにくい、履帯幅方向両側の弾性部材の耳切れがしにくいという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】履帯周方向で隣り合うベース部材の連結状態を示す、履帯外周側から見た図である。
【図2】弾性パッドを履帯外周側から見た図である。
【図3】履帯の幅方向断面図である。
【図4】履帯の側面断面図である。
【図5】従来の履帯の側面図である。
【符号の説明】
1 弾性パッド
2 トラックリンク
3 ベース部材
4 弾性部材
13 突部
A 履帯周方向
B 履帯幅方向
Claims (7)
- トラックリンクを介して無端状に連結されて履帯を形成する弾性パッドであって、
トラックリンクに固定されるベース部材と、このベース部材の履帯外周側に固着された弾性部材とを備えると共に、弾性部材によってベース部材の履帯周方向の端部が被覆された弾性パッドにおいて、
前記ベース部材の履帯周方向の端部側に、該ベース部材の一部を履帯周方向に向けて突出させることにより形成された突部を設けたことを特徴とする弾性パッド。 - 突部は、少なくともトラックリンクに対応する位置に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の弾性パッド。
- 突部は、トラックリンクに対応する位置に形成された突部の、履帯幅方向外方側にも設けられていることを特徴とする請求項2に記載の弾性パッド。
- 突部は、ベース部材の履帯周方向両側に設けられていて、履帯周方向で隣り合う弾性パッドの突部同志が履帯周方向に関して対向状となるように設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の弾性パッド。
- 突部は、履帯幅方向に沿って、且つ適宜間隔をおいて設けられており、隣り合う突部間には、弾性部材が充填されており、突部の履帯周方向端部を覆う弾性部材は薄肉とされていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の弾性パッド。
- 弾性部材は、ベース部材の履帯内周側をも被覆しており、ベース部材の履帯幅方向の端部側には、ベース部材の厚さ方向に貫通する貫通孔が形成されており、この貫通孔に充填された弾性部材により、ベース部材の履帯内周側の弾性部材と、ベース部材の履帯外周側の弾性部材とが連結されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の弾性パッド。
- ベース部材が、履帯幅方向に長い板材から形成されていると共に、その履帯幅方向の両側が、履帯幅方向中央側よりも履帯内周側に位置していることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の弾性パッド。
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Cited By (2)
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-
2002
- 2002-08-07 JP JP2002230374A patent/JP2004066997A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR101818732B1 (ko) * | 2017-08-07 | 2018-01-15 | 티알벨트랙(주) | 내구성이 향상된 크롤러 패드 |
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EP4105110A1 (en) * | 2021-06-16 | 2022-12-21 | DRB Industrial Co., Ltd. | Rubber pad for steel track |
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