JP2004065718A - 糸通し器 - Google Patents

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Abstract

【課題】大小種々のサイズの針に対応することを目的として糸通し用の機構を複数設ける必要を無くし、または少なくし、全体の構造の簡易化および使用の際の利便性を良くすることが可能な糸通し器を提供する。
【解決手段】針8を一定の姿勢で支持するための針用支持部4と、針8の穴80に糸Tを押し込むことが可能に針用支持部4とは離間した位置から針用支持部4に向けて前進する動作およびこれとは反対向きに後退する動作が可能なプッシャ2と、を備えている糸通し器Aであって、プッシャ2は、その前進時において針8に当接したときには、針8の長手方向に変位可能とされている。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、裁縫用の縫い針などの針の穴に糸を通すのに用いられる糸通し器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、糸通し器の一例としては、特開2000−51561号公報に所載のものがある。この従来の糸通し器は、本願の図15に示すように、本体ボディ90に一対の針用支持部91が設けられた構成を有している。各針用支持部91は、針8を挿入するための針挿入孔91aを備えた筒状体91bを有しており、その一側方には、糸Tを配置させておくための凹部92が形成されている。本体ボディ90には、操作部材93および一対のプッシャ94が組み付けられており、操作部材93が矢印Na方向に押し下げられると、各プッシャ94が軸95を中心として矢印Nb方向に回転し、針用支持部91に向けて前進する。このことにより、図16に示すように、糸Tはプッシャ94によって押され、針8の穴80に通される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術においては、次のような不具合があった。
【0004】
裁縫用などの針としては、種々のサイズのものがあり、針の太さなどによってその穴の位置や大きさも相違している。一般的には、図17に示すように、細い針8Aは、穴80Aが小さく、かつ頭頂部から穴80Aまでの距離s1が短い。
これに対し、太い針8Bは、穴80Bのサイズが大きく、かつ頭頂部から穴80Bまでの距離s2は長い。
【0005】
一方、上記従来技術においては、プッシャ94が糸Tを針用支持部91に向けて押し進めていくときのプッシャ94の前進移動経路は、常に一定となっている。このため、針用支持部91にセットされる針8の穴80の高さが変更されたときには、もはやその穴80に糸通しを適切に行なうことができなくなる場合があった。
【0006】
このような事情により、上記従来技術においては、プッシャ94と針用支持部91とを組み合わせた糸通し用の機構を2組設けた上で、その一方を太い針用とし、かつ他方を細い針用にすることによって、いずれの針にも糸通しが可能な構成としている。
【0007】
ところが、このように糸通し用の機構を複数設けたのでは、糸通し器全体の部品点数が多くなり、全体の構造が複雑となるため、その製造コストが高くなる。
また、糸通し器全体の大型化を招き、保管収納や携帯などに際しても不便を生じる。さらには、たとえば太い針用の針用支持部に細い針を誤ってセットした場合には、この針の穴に糸を適切に通すことができないため、その後ユーザは上記針を細い針用の針用支持部にセットし直さなければならない。とくに、ユーザにとっては、糸通しを行いたい針を一対の針用支持部91のうちのいずれにセットすればよいのかを判断すること自体が難しく、上記のような煩わしさは一層顕著となっていた。
【0008】
本願発明は、このような事情のもとで考え出されたものであって、大小種々のサイズの針に対応することを目的として糸通し用の機構を複数設ける必要を無くし、または少なくし、全体の構造の簡易化および使用の際の利便性を良くすることが可能な糸通し器を提供することをその課題としている。
【0009】
【発明の開示】
上記の課題を解決するため、本願発明では、次の技術的手段を講じている。
【0010】
本願発明によって提供される糸通し器は、針を一定の姿勢で支持するための針用支持部と、上記針の穴に糸を押し込むことが可能に上記針用支持部とは離間した位置から上記針用支持部に向けて前進する動作およびこれとは反対向きに後退する動作が可能なプッシャと、を備えている糸通し器であって、上記プッシャは、その前進時において上記針に当接したときには、上記針の長手方向に変位可能とされていることを特徴としている。
【0011】
このような構成によれば、上記プッシャの前進時において上記プッシャが上記針の穴に直接進入することなく上記針に当接したときには、上記プッシャが上記針の長手方向に変位するために、この動作によって上記プッシャを上記穴に位置合わせし、かつその穴に進入させることが可能となる。したがって、本願発明によれば、穴の位置が相違する大小複数の針に対応することが可能となり、針用支持部やプッシャを組み合わせた糸通し用の機構を複数設ける必要を無くし、または少なくすることができる。その結果、糸通し器全体の構造の簡素化を図り、製造コストを従来よりも廉価にすることができる。また、糸通し器の小型化も図ることができるために、保管収納や携帯などに際しても便利となる。さらには、既述したように、針用支持部やプッシャを組み合わせた糸通し用の機構を複数設ける必要が無くなると、従来技術とは異なり、たとえば細い針用の針用支持部に太い針を誤ってセッティングするといったことも無くなり、使い勝手も良い。
【0012】
本願発明の好ましい実施の形態においては、上記プッシャの移動ガイドを行なうためのガイド体を備えており、かつ上記プッシャが上記針に当接したときには、上記ガイド体の姿勢、向き、または位置が変化することによって上記プッシャが上記針の長手方向に変位可能な構成とされている。このような構成によれば、上記プッシャが針に当接したときに針の長手方向に変位する動作を簡易な構成により実現することができる。
【0013】
本願発明の好ましい実施の形態においては、操作部材を有し、かつこの操作部材が操作されることによって上記プッシャを前進させることが可能な動作機構を備えており、この動作機構は、上記プッシャがその前進時において上記針に当接したときにはこの当接状態を維持したまま上記操作部材の操作の継続を可能とし、かつ上記操作の継続がなされたときには上記プッシャが上記針の長手方向に変位するように上記ガイド体を動作させる構成とされている。このような構成によれば、上記動作機構の操作部材を操作するだけで、上記プッシャを上記針の穴内に進入させる動作が実行されることとなり、操作性がより良好となる。
【0014】
本願発明の好ましい実施の形態においては、上記動作機構は、上記操作部材が操作されたときの操作力が弾性部材を介して上記プッシャに付与されることにより上記プッシャが前進するように構成されており、かつ上記プッシャがその前進時において上記針に当接したときには上記弾性部材が弾性変形することによって上記操作部材の操作の継続が可能とされている。このような構成によれば、上記プッシャを上記針に当接させたまま上記操作部材の操作を適切に継続させることが、簡易な構成により適切に実現される。
【0015】
本願発明の好ましい実施の形態においては、上記針用支持部は、底部に支持面を有し、かつ上記針を略鉛直状の姿勢で起立保持可能に形成された針挿入孔と、上記プッシャが上記針挿入孔を横切って通過可能に上記針挿入孔に交差して形成されたプッシャ用通路と、を有している。このような構成によれば、針の支持などを、簡易な構造によって適切に行なわせることができる。
【0016】
本願発明の好ましい実施の形態においては、上記プッシャは、その前進時において上記針に接近または当接するときには上記プッシャ用通路の下部領域に位置し、かつ上記針に当接したときにはその後上昇するように構成されている。このような構成によれば、上記針の穴があけられている頭部を下向きにして上記針を針挿入孔に挿入した場合、上記プッシャが上記針に当接すると、上記プッシャは上記針の頭部から先端寄りに変位することとなる。針の穴の大きさや位置は、既述したとおり、針の大小などによって相違しているものの、一般的には、針の頭頂部から穴までの寸法のバラツキは比較的小さいため、上記したようにプッシャを上記針の頭部寄りの位置から針の先端寄りに変位させれば、針の穴にプッシャを迅速に位置合わせし易い。また、針の頭部は一般的には偏平状に形成されているために、この偏平な部分にプッシャを当接させれば、プッシャを針に当接させたまま針の長手方向に変位させる動作を安定的に行なわせることも可能となる。
【0017】
本願発明の好ましい実施の形態においては、上記プッシャの前進動作としては、上記プッシャが上記針用支持部とは離間した所定の位置から上記針に接近または当接するまで前進する第1の前進動作と、この第1の前進動作後に上記プッシャの一部が上記針の穴を貫通するように上記プッシャが前進する第2の前進動作とがあり、かつ上記プッシャは、上記第1の前進動作においては水平または略水平に前進する一方、上記第2の前進動作においては上昇を伴うように構成されている。このような構成によれば、上記プッシャを上記針に接近または当接させるときには上記プッシャを所定の正確な高さに設定し易くなる。上記プッシャが上記針に当接した後には、上記プッシャを上記針の先端部寄りの方向に上昇させることによって、上記針の穴にプッシャを適切に進入させることが可能となる。
【0018】
本願発明の好ましい実施の形態においては、上記プッシャの後退動作としては、上記プッシャの上記第2の前進動作後に上記プッシャの一部が上記針の穴から抜けるまで上記プッシャが後退する第1の後退動作と、この第1の後退動作後に上記プッシャが上記所定の位置まで復帰する第2の後退動作とがあり、かつ上記プッシャは、上記第1の後退動作においては水平または略水平に後退する一方、上記第2の後退動作においては下降を伴うように構成されている。このような構成によれば、上記針への糸通しを終えた後に上記プッシャを元の所定位置へ適切に復帰させることができることは勿論のこと、上記プッシャは上記針の穴から抜けるまでは水平または略水平に後退するために、上記プッシャが上記穴から引き抜かれる動作が円滑に行なわれる。
【0019】
本願発明の好ましい実施の形態においては、上記針を上記針挿入孔の内壁面に押しつけることが可能に、水平方向に往復動自在な可動部材を備えている。このような構成によれば、針の大小を問うことなく、針を上記針挿入孔の内壁面に押しつけることによって、針用支持部の一定箇所に固定保持させることが可能となる。したがって、糸通し作業の確実性を高めることができる。
【0020】
本願発明の好ましい実施の形態においては、上記針が上記可動部材によって上記針挿入孔の内壁面に押しつけられるときには、上記針の長手方向に延びる中心線が上記プッシャの正面に位置するように上記針の位置決めがなされる構成とされている。このような構成によれば、上記プッシャの往復動方向と直交する方向における針の穴とプッシャとの位置合わせが行なわれるため、針の穴への糸通しの確実性が一層高められる。
【0021】
本願発明の好ましい実施の形態においては、上記可動部材が上記針を上記針挿入孔の内壁面に押しつける動作は、上記プッシャが上記針に接近または当接する以前において上記プッシャを前進させる動作機構に連動して行なわれるように構成されている。このような構成によれば、上記プッシャが上記針に接近し、または当接する前に上記針を位置決め固定させる動作が、それ専用の特別な操作を行なうことなく実行される。したがって、使用者にとってより便利となる。
【0022】
本願発明のその他の特徴および利点については、以下に行う発明の実施の形態の説明から、より明らかになるであろう。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の好ましい実施の形態について、図面を参照しつつ具体的に説明する。
【0024】
図1〜図12は、本願発明に係る糸通し器の一例を示している。本実施形態の糸通し器Aは、図1に示すような外観形態を有しており、合成樹脂製のハウジング10内に、プッシャ2を動作させるための図2に示すような動作機構3が組み込まれた構造を有している。
【0025】
ハウジング10の側面部には、動作機構3を動作させるための操作レバー30が突出している。ハウジング10の上部には、針8を起立状態に支持するための針用支持部4、糸Tを切断するのに用いる切断刃11、および凹部12が設けられている。この糸通し器Aを使用する場合、糸Tの一部分を凹部12の底部に引っ掛けるようにしてセッティングする。
【0026】
図3(a)によく表われているように、針用支持部4は、底部に支持面40aを有する針挿入孔40、プッシャ用通路41、および可動部材42を備えている。針挿入孔40は、ハウジング10の上面部に開口するようにしてこのハウジング10に形成されており、上下方向(鉛直方向)に延びている。この針挿入孔40には、針8の頭部(穴80が形成されている側の端部)が下向きとなるようにして挿入される。この針挿入孔40は、裁縫用途や手芸用途に一般的に用いられる複数種類の針のうち、最も大きい部類の針を挿入可能な内径とされている。
【0027】
支持面40aは、針8の頭部を支持するための部分である。この支持面40aは、凹状の湾曲面として形成されている。一般に、糸通し用の穴を備えた針の頭部は、偏平状に形成されている。支持面40aはそのような針の偏平な頭部が接触したときには針の穴がプッシャ2を向くように針の向きを矯正可能な曲面として形成されている。プッシャ用通路41は、プッシャ2の先端部20が針挿入孔40を横切って通過するための通路であり、針挿入孔40に交差して形成されている。後述するように、プッシャ2は、単に水平方向に往復動するだけではなく、上昇および下降をも行なうため、プッシャ用通路41の上下方向の開口幅はプッシャ2の先端部20の上下方向の厚みよりも大きくされている。
【0028】
可動部材42は、針8を針挿入孔40の内壁面の一部分に押しつけることによって針8の位置決め固定を図るための部材である。この可動部材42は、たとえば合成樹脂製であり、針挿入孔40に繋がった孔42aを備えている。針8は、この孔42aを貫挿通するようにセッティングされる。この可動部材42は、操作レバー30の操作により水平方向に往復動可能である。
【0029】
より具体的には、図2に示すように、操作レバー30と可動部材42とを連動させるための部材として、第1および第2のアーム70a,70bを有する動作体70が軸71に回転可能に支持されて設けられている。第1のアーム70aは、可動部材42の一端部の貫通孔に挿通しているとともに、バネ72によって矢印N1方向に常時付勢されている。このため、動作体70には矢印N2方向の回転力が生じ、第2のアーム70bは操作レバー30の上面に当接している。操作レバー30の上面は、凸状部30aを有するカム面として形成されており、図4に示すように、この操作レバー30を押し下げたときには、凸状部30aが第2のアーム70bに当接する結果、この第2のアーム70bが矢印N3方向に上昇する。このため、第1のアーム70aは矢印N4方向に移動し、可動部材42も同方向に移動することとなる。
【0030】
可動部材42が矢印N4方向に移動すると、図5(a)に示すように、この可動部材42によって針8が針挿入孔40の内壁面に押しつけられる。同図(b)および図3(b)に示すように、可動部材42の側面には、ハウジング10の凸部14が進入している凹部42bが設けられており、この凹部42bを規定する壁面と凸部14とが当接することによって可動部材42が必要以上に大きなストロークで往復動を行なったり、あるいは針8を針挿入孔40の内壁面に必要以上に大きな力で押しつけるといったことが回避されるようになっている。
【0031】
可動部材42は、孔42aの外周縁の一部が開口した形状に形成されており、その開口部分を挟む一対の凸状部42cが針8を針挿入孔40の内壁面に押しつけるようになっている。このような構成によれば、針8を針挿入孔40の内壁面に押しつけるときに各凸状部42cを弾性変形させることができるために、針8の大小を問わずに、針8を適度な力で押圧するのに好適となる。また、一対の凸状部42cのそれぞれは湾曲した側面を有しており、針8はこれらの側面に接触して押圧されるために、針8が針挿入孔40の内壁面に押しつけられるときには、プッシャ2の往復動方向とは直交する方向において、針8の中心線が一対の凸状部42cどうしの中心部に一致するように針8の位置が修正される作用が期待できる。このことにより、針8が上記内壁面に押しつけられるときには、この針8の長手方向に延びる中心線がプッシャ2の正面に位置することとなり、プッシャ2の往復動方向とは直交する方向において針8の穴80とプッシャ2とが位置ずれしないようにすることができる。可動部材42は、操作レバー30が図2に示した元の初期位置に復帰したときには、これに伴って同図および図3(a),(b)に示した元の位置に復帰することとなる。
【0032】
プッシャ2は、糸Tを針8の穴80に押し込むための部材であり、たとえば薄肉の金属板を所定形状に打ち抜くなどして形成されたものである。このプッシャ2の先端部20は、針8の穴80に挿通する必要があることから一方向に延びた細長な形状を有している。このプッシャ2の最先端の端面部分は、凹状に窪んだ形状とされており、糸Tを押すときに糸Tがこの部分から容易に外れないようになっている。
【0033】
図2によく表われているように、動作機構3は、操作レバー30に加え、動作板31、揺動アーム32、カム板33、ガイド体34、ならびに第1および第2のバネ35,36を備えて構成されている。これらの部材のうち、第1および第2のバネ35,36はたとえば金属製のコイルバネであるのに対し、それ以外は合成樹脂製である。
【0034】
第1のバネ35は、操作レバー30を矢印N5で示す方向に押し上げる弾発力を発揮するものである。動作板31は、操作レバー30にピン79を介して固定連結されており、この動作板31と操作レバー30とは一体となって軸78を中心として回転可能である。
【0035】
ガイド体34は、プッシャ2の移動ガイドを行なうための部材であり、図6(a)に示すように、直線状に延びる長孔34aを有している。プッシャ2は、この長孔34aに沿って往復動可能なようにガイド体34に取り付けられている。
このプッシャ2の具体的な取り付け手段としては、同図(b)に示すように、一対の固定具77A,77Bを用いる手段が採用されている。固定具77Aは、長孔34aとプッシャ2に設けられた一対の孔21とに挿通する一対の突起77aを有しており、これらの突起77aが固定具77Bの孔部77bに嵌合していることにより、プッシャ2はこれら固定具77A,77Bにクランプ保持されている。
【0036】
図6(a)において、揺動アーム32は、プッシャ2の往復動を行なわせるためのものであり、軸78を中心として揺動可能である。この揺動アーム32の上端部32cは、固定具77Bの一対の壁部77c間に進入しており、これらの壁部77cが揺動アーム32によって押されることによりプッシャ2は長孔34aに沿って往復動自在な構成となっている。後述するように、ガイド体34は、軸76を中心として揺動可能であり、このガイド体34の揺動により、プッシャ2の移動方向が変更される。
【0037】
第2のバネ36は、操作レバー30の操作と揺動アーム32の揺動動作との間に後述する融通性をもたせるためのものであり、揺動アーム32と軸体37との間に挟まれている。軸体37は、略円柱状を有するが、第2のバネ36の装着部分についてはそれに適する形状に形成されており、図2によく表われているように、動作板31に形成された孔部31a内の一端部に固定して取り付けられている。したがって、この軸体37は、操作レバー30が操作されると、軸78を中心とする円弧軌跡で移動する。図6(a)において、揺動アーム32の矢印N7方向への回転は、軸体37が同方向に移動することによって第2のバネ36を介してこの揺動アーム32が軸体37によって押圧されることにより行なわれる。
揺動アーム32の一側面32aは、操作レバー30の一側面30bと対向しており、揺動アーム32が上記とは反対の矢印N8方向に回転する動作は、操作レバー30の一側面30bがこの揺動アーム32を同方向に押圧することによってなされるようになっている。
【0038】
図7(a)によく表われているように、カム板33は、略扇形状であり、軸78を中心として回転可能である。カム板33には、軸体37が嵌入する孔33aが形成されている。この孔33aは、長孔であり、その内部において軸体37が斜め上方に適当な寸法s3だけ移動可能となっている。カム板33は、図7(b)に示すように、軸体37が孔33aの上部の縁に当接し、かつこの軸体37によって矢印N6の斜め上方に押圧されることにより、同方向への回転が可能となっている。カム板33の反対方向の回転は、軸体37が孔33aの下部の縁に当接し、かつこの軸体37によって下向きに押圧されることによりなされる。ただし、このカム板33は、その通常状態(操作レバー30が操作されていない状態)においては、ハウジング10の底部近傍に設けられている抵抗力発生用の面15に適度に圧接するように設けられており、この面15との摩擦力μによってこのカム板33の回転が抑制されるように構成されている。したがって、カム板33は、このカム板33を回転させようとする力が与えられても、この力が上記の摩擦力μよりも小さければ回転することはなく、それよりも大きな回転力が付与された時点で回転を開始することとなる。
【0039】
カム板33の外周面の一部は、ガイド体34を揺動させるためのカム面33b〜33dとして形成されている。カム面33cは、カム面33b,33dの間に挟まれており、かつこれらカム面33b,33dよりも凸状に形成されている。
ガイド体34は、これらのカム面33b〜33dとの当接を行なわせるための凸部34bを有している。図7(a)および図8に示すように、凸部34bがカム面33bまたはカム面33dに当接しているときには、ガイド体34はその長孔34aが水平となる姿勢に設定されるように構成されている。これに対し、図7(b)に示すように、凸部34bがカム面33cに当接しているときには、ガイド体34はその長孔34aが同図の右上がり状に傾く姿勢に設定されるようになっている。
【0040】
次に、上記構成の糸通し器Aの使用例ならびに作用について説明する。
【0041】
まず、図2に示したように、針用支持部4に針8を支持させるとともに、凹部12の底部に糸Tを配置させた状態において、操作レバー30を第1のバネ35の弾発力に抗して押し下げる。すると、図4および図5を参照して先に説明したとおり、操作レバー30の凸状部30aが動作体70を回転させる作用を発揮し、可動部材42が矢印N4方向に移動する。その結果、針8が針挿入孔40の内壁面に押しつけられ、針8の中心線がプッシャ2の正面に位置するようにしてその位置決め固定が図られる。
【0042】
一方、動作機構3は、操作レバー30が操作されることによってプッシャ2を針用支持部4に向けて前進させ、かつその後後退させる動作を行なう。この動作機構3におけるプッシャ2の動作態様としては、図9(a)に示す第1の動作態様と、同図(b)に示す第2の動作態様とがある。動作機構3の具体的な動作の理解の容易のため、それら第1および第2の動作態様の概要を説明する。
【0043】
図9(a)に示す第1の動作態様は、プッシャ2が針8に向けて前進したときにこのプッシャ2の先端高さが針8の穴80の高さに一致していることにより、プッシャ2の先端部20がそのまま穴80内に進入する場合の態様である。プッシャ2の動作としては、第1および第2の前進動作F1,F2と、第1および第2の後退動作R1,R2とがある。第1の前進動作F1は、プッシャ2が図2に示した初期位置から針8に向けて水平に前進する動作であり、第2の前進動作F2は、その後プッシャ2が斜め上方にさらに前進する動作である。第1の後退動作R1は、第2の前進動作後F2にプッシャ2が水平に後退する動作であり、第2の後退動作R2は、プッシャ2がその後斜め下方にさらに後退する動作である。
【0044】
これに対し、同図(b)に示す第2の動作態様は、プッシャ2が針8に向けて前進したときに、このプッシャ2の先端部20の高さが針8の穴80の高さとは相違している場合の態様である。プッシャ2の動作としては、第2の前進動作F2’が上記した第2の前進動作F2とは相違しており、それ以外の動作は、上記した第1の動作態様と同様である。第2の前進動作F2’は、プッシャ2の先端部20が針8に当接したまま上昇する動作を含んでおり、この上昇によってプッシャ2の先端部20が針8の穴80内に進入するようになっている。
【0045】
動作機構3の具体的な動作を説明すると、まず、図4に示したように操作レバー30が押し下げられると、軸体37が軸78を中心として矢印N9方向に回転する。したがって、揺動アーム32は、第2のバネ36を介して軸体37によって同方向に押圧され、操作レバー30の一側面30bに接した状態を維持するように操作レバー30と一緒に回転する。この揺動アーム32の回転により、プッシャ2は針8に向けて前進する。軸体37の移動初期においては、この軸体37は、図7(a)に示したカム板33の孔33aの寸法s3の領域内を移動するだけであるから、この段階ではカム板33は静止している。したがって、ガイド体34の凸部34bはカム板33のカム面33bに当接したままであり、ガイド体34の長孔34aは水平であるために、プッシャ2の上記前進動作は水平移動となる。このプッシャ2の水平移動は、プッシャ2の先端部20が針8の直前位置に達するまでなされる。この水平移動が図9(a),(b)に示した第1の前進動作F1である。
【0046】
次いで、操作レバー30がその後も継続して押し下げられると、図7(b)に示したように、軸体37が孔33aの上部の縁に当接してカム板33を矢印N6方向に押圧する。このため、カム板33のカム面33cがガイド体34の凸部34bに当接することとなって、ガイド体34が回転し、その長孔34aは右上がり状に傾斜する。その一方、揺動アーム32は軸体37によって第2のバネ36を介して押圧され続けているためにさらに揺動し、プッシャ2をさらに前進させることとなる。
【0047】
このようなことにより、上記第1の前進動作F1が終了した時点でプッシャ2の先端高さが穴80の高さと一致していた場合には、図9(a)で示した第2の前進動作F2が行なわれることとなり、プッシャ2の先端部20はそのまま穴80内を通過して斜め上方に進行する。図10には、プッシャ2の先端部20が穴80を挿通した状態を示しているが、このようなプッシャ2の動作により、糸Tは穴80内に押し込まれることとなる。第2の前進動作F2においては、プッシャ2は斜め上方に前進するために、このプッシャ2が針8の穴80の上縁部に接触することによってこの針8を上方に持ち上げる場合もあり得るが、この針8の持ち上げによって針8が損傷するといった不具合はとくにない。プッシャ2は、その最先端部分が穴80を通過した後も充分に前進する。このことにより、穴80への糸Tの押し込み量を多くし、糸通し作業後に針8を針用支持部4から抜き取るときに、糸Tが穴80から容易に抜けないようにすることができる。
【0048】
一方、上記とは異なり、たとえば図11に示すように、プッシャ2の先端高さが針8の穴80の高さよりも低い場合には、プッシャ2の先端部20が針8に当接することとなる。このようにプッシャ2と針8とが当接している状態においては、プッシャ2をそれ以上前進させることができず、またプッシャ2が前進するように揺動アーム32を回転させることもできない。ところが、揺動アーム32と軸体37との間には第2のバネ36が介在しているために、操作レバー30をさらに押し下げることは可能である。操作レバー30が押し下げられると、軸体37は第2のバネ36を圧縮させつつ矢印N10方向に移動する。このように軸体37が移動すると、図7(b)を参照して説明したように、カム板33を回転させてガイド体34の長孔34aを傾斜させることができる。このようなことから、この糸通し器Aでは、プッシャ2の先端部20を針8に当接させたままこの先端部20を上昇させることが可能となり、この上昇により先端部20を針8の穴80内に進入させることができる。プッシャ2の先端部20が穴80内に進入した後には、そのまま斜め上方に直進することとなる。この動作が、図9(b)で示した第2の前進動作F2’である。
【0049】
このように、この糸通し器Aにおいては、プッシャ2が第1の前進動作F1を終えたときにその先端部20が針8の穴80の高さに一致していなくても、このプッシャ2の先端部20が上昇する動作によってこの先端部20は穴80内に適切に進入する。したがって、穴の位置が相違する複数種類の針が準備され、かつそれらのうちのいずれの針が針用支持部4にセッティングされた場合であっても、その針に対して糸通しを適切に行なうことが可能となる。従来技術とは異なり、太針用および細針用の複数の糸通し機構を設ける必要はなく、全体の構造の簡素化ならびに小型化を図ることができる。プッシャ2は、針8に当接したときに針8の頭部から先端部方向に移動することによって穴80内に進入するため、プッシャ2が針8に接近するときの高さとしては、糸通しの対象になると考えられる一般的な針のうち、頭頂部から穴までの距離が最も短い針の穴に進入可能な高さに設定しておけばよい。
【0050】
上記したプッシャ2の前進動作を終えた後には、使用者は操作レバー30から手を離す。すると、操作レバー30は、第1のバネ35の弾発力によって上方へ復帰することとなり、揺動アーム32がプッシャ2を後退させる方向に回転する。ただし、プッシャ2が第2の前進動作F2またはF2’を終えた時点においては、図8に示すように、軸体37がカム板33を大きく回転させており、カム面33dがガイド体34の凸部34bに当接した状態となっている。したがって、プッシャ2の後退初期においては、ガイド体34の長孔34aが水平であり、プッシャ2は水平に後退する。この後退動作が、図9(a),(b)に示した第1の後退動作R1であり、プッシャ2が針8の穴80から抜けるまで行なわれる。このように、プッシャ2を穴80から抜くときにプッシャ2を水平移動させれば、プッシャ2を穴80からスムーズに抜くことができる。
【0051】
上記した後退動作の後には、操作レバー30がさらに上昇復帰するために、軸体37はカム板33の孔33aの下部の縁を下向きに押圧してカム板33を回転させる。このカム板33の回転により、図12に示すように、ガイド体34の凸部34bはカム面33cに一時的に当接し、ガイド体34の長孔34aは傾斜する。したがって、その際にはプッシャ2が斜め下方に向けて後退することとなる。これが、図9(a),(b)に示した第2の後退動作R2である。この第2の後退動作R2により、プッシャ2は元の高さに復帰する。その後は、軸体37がカム板33をさらに下向きに押圧することにより、カム板33を初期の姿勢に復帰させることとなる。操作レバー30の復帰に伴い、揺動アーム32、プッシャ2、および動作板31なども、図2に示した元の位置または姿勢に戻る。
【0052】
また、操作レバー30が上昇復帰すると、可動部材42も図2および図3に示した状態に復帰することとなり、針8が可動部材42によって針挿入孔40の内壁面に押しつけられていた状態は解除される。したがって、穴80に糸Tが通された針8を針挿入孔40から適切に抜き取ることができる。
【0053】
上記の説明は、針8の穴80とプッシャ2とが向かい合うように、針8が針用支持部4に適切な向きにセッティングされた場合であるが、糸通し器Aの実際の使用に際しては、種々の事情により、穴80とプッシャ2とが向かい合わないように針8が不適切な向きにセッティングされる場合もある。この場合には、操作レバー30を操作することによってプッシャ2を前進させると、このプッシャ2は針8に当接してから所定量上昇するだけであり、穴80への糸通しは実行されない。プッシャ2は、その後操作レバー30を復帰させることにより、元の位置に復帰する。第2のバネ36は、プッシャ2が針8に当接した後に操作レバー30が押し下げられたときには収縮し、上記操作レバー30の押し下げ力がプッシャ2に直接的に伝わらないようにする役割を果たす。したがって、プッシャ2が針8を不当に大きな力で押圧してこのプッシャ2あるいは針8が破損するといった不具合も生じないようにすることができる。
【0054】
本願発明は、上記した実施形態に限定されない。本願発明に係る糸通し器の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
【0055】
本願発明においては、たとえば図13に示すように、プッシャ2が針8に当接したときには、針8に沿って上昇するものの、その上昇によってプッシャ2が穴80に進入した後には、このプッシャ2が水平に進行するように構成することもできる。このように、本願発明においては、プッシャ2が前進するときに斜め上方に向けて進行する動作を生じない構成としてもかまわない。また、本願発明においては、プッシャ2を上昇させるための手段としては、プッシャ2の移動ガイドを行なうためのガイド体の姿勢や向きを変更させる手段に代えて、たとえばこのガイド体自体を上昇させるといった手段を用いてもかまわない。
【0056】
本願発明においては、図14に示すように、プッシャ2が針8に当接したときには、このプッシャ2が針8に沿って下降することによって、針8の穴80に進入する構成とすることもできる。ただし、実際には、上記した実施形態のように、プッシャ2を針8の頭頂部に近い部分に当接させてから針8の先端部寄りに上昇させるようにすることが好ましい。図14に示す手段においては、プッシャ2が針8の頭部よりも上方の略円柱状の部分に当接する場合があり、この場合にはプッシャ2と針8との当接が不安定になる虞れがあるが、上記した実施形態の場合には、プッシャ2を針8の偏平な頭部に安定的に当接させた状態で上昇させることが可能である。また、針の頭頂部から針の穴の上縁部(針の先端部寄りの縁部)までの寸法のバラツキと比較すると、針の頭頂部から針の穴の下縁部(針の頭頂部寄りの縁部)までの寸法のバラツキの方が小さいため、一般的には、上記した実施形態の方がプッシャ2を針8の長手方向に移動させる距離を短くすることができる。
【0057】
本願発明においては、プッシャを前進させたり、針の長手方向に移動させるための手段としては、種々の機構を用いることが可能である。針用支持部は、針を一定の姿勢で支持する機能を有していればよく、やはりその具体的な構成は限定されない。プッシャとしては、種々の形状、サイズ、材質のものを用いることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明に係る糸通し器の一例を示す斜視図である。
【図2】図1のII−II断面図である。
【図3】(a)は、図2の要部拡大断面図であり、(b)は、(a)のIII −III 断面図である。
【図4】図1および図2に示す糸通し器の動作状態を示す断面図である。
【図5】(a)は、図4の要部拡大断面図であり、(b)は、(a)のV−V断面図である。
【図6】(a)は、動作機構を構成する揺動アームとガイド体とを示す要部説明図であり、(b)は、(a)のVI−VI断面図である。
【図7】(a),(b)は、動作機構を構成するカム板とガイド体とを示す要部断面図である。
【図8】動作機構を構成するカム板とガイド体とを示す要部断面図である。
【図9】(a),(b)は、プッシャの動作態様を示す説明図である。
【図10】図1および図2に示す糸通し器の動作状態を示す断面図である。
【図11】図1および図2に示す糸通し器の動作状態を示す要部断面図である。
【図12】図1および図2に示す糸通し器の動作状態を示す断面図である。
【図13】プッシャの動作態様の他の例を示す説明図である。
【図14】プッシャの動作態様の他の例を示す説明図である。
【図15】従来技術の一例を示す説明図である。
【図16】図15に示す従来技術の動作説明図である。
【図17】針の説明図である。
【符号の説明】
A 糸通し器
T 糸
2 プッシャ
3 動作機構
4 針用支持部
8 針
20 先端部(プッシャの)
30 操作レバー
34 ガイド体
36 第2のバネ(弾性部材)
40 針挿入孔
40a 支持面
41 プッシャ用通路
42 可動部材
80 穴(針の)

Claims (10)

  1. 針を一定の姿勢で支持するための針用支持部と、
    上記針の穴に糸を押し込むことが可能に上記針用支持部とは離間した位置から上記針用支持部に向けて前進する動作およびこれとは反対向きに後退する動作が可能なプッシャと、
    を備えている、糸通し器であって、
    上記プッシャは、その前進時において上記針に当接したときには、上記針の長手方向に変位可能とされていることを特徴とする、糸通し器。
  2. 上記プッシャの移動ガイドを行なうためのガイド体を備えており、かつ、
    上記プッシャが上記針に当接したときには、上記ガイド体の姿勢、向き、または位置が変化することによって上記プッシャが上記針の長手方向に変位可能な構成とされている、請求項1に記載の糸通し器。
  3. 操作部材を有し、かつこの操作部材が操作されることによって上記プッシャを前進させることが可能な動作機構を備えており、
    この動作機構は、上記プッシャがその前進時において上記針に当接したときにはこの当接状態を維持したまま上記操作部材の操作の継続を可能とし、かつ上記操作の継続がなされたときには上記プッシャが上記針の長手方向に変位するように上記ガイド体を動作させる構成とされている、請求項2に記載の糸通し器。
  4. 上記動作機構は、上記操作部材が操作されたときの操作力が弾性部材を介して上記プッシャに付与されることにより上記プッシャが前進するように構成されており、かつ上記プッシャがその前進時において上記針に当接したときには上記弾性部材が弾性変形することによって上記操作部材の操作の継続が可能とされている、請求項3に記載の糸通し器。
  5. 上記針用支持部は、底部に支持面を有し、かつ上記針を略鉛直状の姿勢で起立保持可能に形成された針挿入孔と、上記プッシャが上記針挿入孔を横切って通過可能に上記針挿入孔に交差して形成されたプッシャ用通路と、を有している、請求項1ないし4のいずれかに記載の糸通し器。
  6. 上記プッシャは、その前進時において上記針に接近または当接するときには上記プッシャ用通路の下部領域に位置し、かつ上記針に当接したときにはその後上昇するように構成されている、請求項5に記載の糸通し器。
  7. 上記プッシャの前進動作としては、上記プッシャが上記針用支持部とは離間した所定の位置から上記針に接近または当接するまで前進する第1の前進動作と、この第1の前進動作後に上記プッシャの一部が上記針の穴を貫通するように上記プッシャが前進する第2の前進動作とがあり、かつ、
    上記プッシャは、上記第1の前進動作においては水平または略水平に前進する一方、上記第2の前進動作においては上昇を伴うように構成されている、請求項5または6に記載の糸通し器。
  8. 上記プッシャの後退動作としては、上記プッシャの上記第2の前進動作後に上記プッシャの一部が上記針の穴から抜けるまで上記プッシャが後退する第1の後退動作と、この第1の後退動作後に上記プッシャが上記所定の位置まで復帰する第2の後退動作とがあり、かつ、
    上記プッシャは、上記第1の後退動作においては水平または略水平に後退する一方、上記第2の後退動作においては下降を伴うように構成されている、請求項7に記載の糸通し器。
  9. 上記針を上記針挿入孔の内壁面に押しつけることが可能に、水平方向に往復動自在な可動部材を備えている、請求項5ないし8のいずれかに記載の糸通し器。
  10. 上記可動部材が上記針を上記針挿入孔の内壁面に押しつける動作は、上記プッシャが上記針に接近または当接する以前において上記プッシャを前進させる動作機構に連動して行なわれるように構成されている、請求項9に記載の糸通し器。
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