JP2004064966A - ステッピングモータ及びその製造方法 - Google Patents

ステッピングモータ及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2004064966A
JP2004064966A JP2002223328A JP2002223328A JP2004064966A JP 2004064966 A JP2004064966 A JP 2004064966A JP 2002223328 A JP2002223328 A JP 2002223328A JP 2002223328 A JP2002223328 A JP 2002223328A JP 2004064966 A JP2004064966 A JP 2004064966A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
yoke member
yoke
claw
pole
poles
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2002223328A
Other languages
English (en)
Inventor
Yasuhiro Ito
靖裕 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsumi Electric Co Ltd
Original Assignee
Mitsumi Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsumi Electric Co Ltd filed Critical Mitsumi Electric Co Ltd
Priority to JP2002223328A priority Critical patent/JP2004064966A/ja
Priority to TW092117224A priority patent/TW200402923A/zh
Publication of JP2004064966A publication Critical patent/JP2004064966A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】高トルク特性を保持して小型、軽量化を図るとともにコスト低減を図る。
【解決手段】矩形の導体金属板29の幅方向の両側縁に沿って第3のクローポール27と第4のクローポール28とを構成する多数個の凸部30,31を形成するとともにこの矩形導体金属板を筒状に丸める曲げ加工を施して第3のヨーク部材13を形成する。第3のヨーク部材13をリング状の保持部材14により外周部を保持し、第1のヨーク部材11と第2のヨーク部材12と組み合わせてヨークユニット10を構成する。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、永久磁石型(PM型:Permanent Magnet Type)ステッピングモータ(本明細書においては、単にステッピングモータと称する。)に関し、さらに詳しくは同一円周上に配列される多数個のクローポールを有する特徴的な構造のステッピングモータ及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ステッピングモータは、入力された駆動信号に基づいてロータが一定角度ずつ間欠的に回転するとともに停止位置を保持される等の動作特性を有しており、例えば各種制御機器等の位置決め制御用等に用いられている。ステッピングモータは、デジタル機器との適合性が高く、回転の角度や速度、方向或いは起動停止の制御を正確かつ迅速に行うことが可能であり、低速・高トルク特性、摩耗部分が少ないことによる高信頼性等の種々の特徴を有している。
【0003】
ステッピングモータは、外周面に円周方向に対してS極とN極とが交互に着磁されたマグネットの外周部に多数個のステータが配列して配置されるとともに、各クローポール(磁極片)に対してコイル線の巻き方向を異にしたコイルが組み合わされて構成されている。ステッピングモータは、各コイルに対して駆動信号を選択的に供給することによってマグネットと各クローポール間に磁気力を生じさせ、所望の回転出力を得るように構成されている。
【0004】
従来のステッピングモータは、全体がカップ状を呈するとともに中心部に多数のクローポールを同一円周上に配列して折曲形成した第1のヨーク部材及び第2のヨーク部材と、全体が円盤状を呈するとともに中心部に両側面に交互に折曲して多数のクローポールを形成した第3のヨーク部材とを組み合わせてヨークユニットを構成している。ヨークユニットは、組合せ状態において、第1のヨーク部材と第2のヨーク部材の各クローポール間に第3のヨーク部材のクローポールがそれぞれ配置されて構成される。
【0005】
ステッピングモータは、機器の小型、軽量化に伴って小型、軽量化が図られているが、例えば第3のヨーク部材が両側面にクローポールを折曲形成することにより、高精度のプレス加工が必要となる。また、ステッピングモータは、第3のヨーク部材に多数個のクローポールを折曲形成することが困難であるために多極化に限界があった。さらに、ステッピングモータは、各クローポールが薄型化すめために、トルク特性が低下するといった問題があった。
【0006】
ステッピングモータにおいては、上述した問題点を図るために種々の改良が図られており、例えば図7に示すようなヨークユニット100が提案されている。ヨークユニット100は、それぞれ導体金属板に、プレス加工により打抜き、曲げ及び絞りを施して形成した略カップ状の第1のヨーク部材101及び第2のヨーク部材102と、円盤状の第3のヨーク部材103及び第4のヨーク部材104とから構成される。
【0007】
ヨークユニット100は、後述するように第1のヨーク部材101に対して第3のヨーク部材103が組み合わされるとともに第2のヨーク部材102に対して第4のヨーク部材104が組み合わされた後に、第1のヨーク部材101と第2のヨーク部材102とが結合される。ヨークユニット100は、各ヨーク部材101〜104を組み合わせた状態で全体を貫通する空間部が構成され、この空間部に図示しないロータ構体を組み合わせるとともに図示しないケース内に組み付けられる。
【0008】
第1のヨーク部材101は、外周部101aと天井部101bとからなり、天井部101bの中心部に内部空間側に折曲されて多数個の第1のクローポール101cが形成されている。各第1のクローポール101cは、それぞれ2等辺三角形を呈する同一形状とされるとともに、互いに等間隔に位置して同一円周上に配列されて形成されている。第1のヨーク部材101は、各第1のクローポール101cにより天井部101bの中心を貫通する軸孔101dが形成されるとともに、各第1のクローポール101cと外周部101aとの間に図示しない第1のコイルを組み付ける環状のコイル組付部101eが構成される。第1のヨーク部材101には、外周部101aの開口縁に、複数の位置決め凹部101fが形成されている。
【0009】
第2のヨーク部材102は、第1のヨーク部材101と上下対称形の部材であり、外周部102aと天井部102bとからなり、天井部102bの中心部に内部空間側に折曲されて多数個の第2のクローポール102cが形成されている。第2のクローポール102cも、それぞれ2等辺三角形を呈する同一形状とされるとともに、互いに等間隔に位置して同一円周上に配列されて形成されている。第2のヨーク部材102も、各第2のクローポール102cにより天井部102bの中心を貫通する軸孔102dが形成されるとともに、各第2のクローポール102cと外周部102aとの間に図示しない第2のコイルを組み付ける環状のコイル組付部102eが構成される。第2のヨーク部材102にも、外周部102aの開口縁に、複数の位置決め凹部102fが形成されている。
【0010】
第3のヨーク部材103は、外径が第1のヨーク部材101の外周部101aの外径とほぼ同径とされ、中心部に第1のヨーク部材101側に折曲されて多数個の第3のクローポール103aが形成されている。各第3のクローポール103aも、それぞれ2等辺三角形を呈する同一形状とされるとともに、互いに等間隔に位置して同一円周上に配列されて形成されている。各第3のクローポール103aは、第1のクローポール101cと同数であるとともに隣り合う第1のクローポール101c間に構成される三角形の空間よりもやや小さな形状を呈している。第3のヨーク部材103も、各第3のクローポール103aにより中心を貫通する軸孔103bが形成されるとともに、外周縁に第1のヨーク部材101の位置決め凹部101fに対応して複数の位置決め凸部103cが形成されている。
【0011】
第4のヨーク部材104も、外径が第3のヨーク部材103の外径及び第2のヨーク部材102の外周部101aの外径とほぼ同径とされ、中心部に第2のヨーク部材102側に折曲されて多数個の第4のクローポール104aが形成されている。各第4のクローポール104aもそれぞれ2等辺三角形を呈する同一形状とされるとともに、互いに等間隔に位置して同一円周上に配列されて形成されている。各第4のクローポール104aは、第3のクローポール103a及び第2のクローポール102cと同数であるとともに隣り合う第2のクローポール1021c間に構成される三角形の空間よりもやや小さな形状を呈している。第4のヨーク部材104も、各第4のクローポール104aにより中心を貫通する軸孔1043bが形成されるとともに、外周縁に第2のヨーク部材102の位置決め凹部102fに対応して複数の位置決め凸部104cが形成されている。
【0012】
ヨークユニット100は、第1のヨーク部材101に対して第3のヨーク部材103が、各第1のクローポール101cの間にそれぞれ各第3のクローポール103aを1個ずつ非接触状態で介在するようにして位置決め凹部101fに位置決め凸部103cを嵌合して組み合わされる。ヨークユニット100は、この状態で第1のクローポール101cと第3のクローポール103aとが同一円周上に交互に配列されるとともに、図示しない第1のコイルがコイル組付部101eに組み付けられる。
【0013】
ヨークユニット100は、同様にして第2のヨーク部材102に対して第4のヨーク部材104が、各第2のクローポール102cの間にそれぞれ各第4のクローポール104aを1個ずつ非接触状態で介在するようにして位置決め凹部102fに位置決め凸部104cを嵌合して組み合わされる。ヨークユニット100は、この状態で第2のクローポール102cと第4のクローポール104aとが同一円周上に交互に配列されるとともに、図示しない第21のコイルがコイル組付部102eに組み付けられる。
【0014】
ヨークユニット100は、第1のヨーク部材101の外周部101aの開口縁と第2のヨーク部材102の外周部102aの開口縁とが突き合わされて一体化されるとともに、第3のヨーク部材103と第4のヨーク部材104とが互いに背中合わせで一体化される。ヨークユニット100は、第1のヨーク部材101と第2のヨーク部材102に対して別部材からなる第3のヨーク部材103と第4のヨーク部材104とを組み合わることにより、各クローポールも充分な厚みを有するとともに多極化も図られるようになる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ヨークユニット100においては、上述したように第1のヨーク部材101と第2のヨーク部材102が打抜き、曲げ及び絞り工程を経るプレス加工により形成するとともに、第3のヨーク部材103と第4のヨーク部材104とが打抜き及び曲げ工程を経るプレス加工により形成していた。ヨークユニット100は、第1のヨーク部材101と第3のヨーク部材103とを組み合わせるとともに第2のヨーク部材102と第4のヨーク部材104とを組み合わせた後に、第1のヨーク部材101と第2のヨーク部材102とを一体化するが、それぞれの位置合わせが位置決め凹部101f、102fと位置決め凸部103c、104cとの嵌合により行っている。
【0016】
ヨークユニット100は、プレス加工の加工精度によって第1のヨーク部材101乃至第4のヨーク部材104の組立精度が決定される。ヨークユニット100は、位置決め凹部101f、102fと位置決め凸部103c、104cの精度により組合せ方向のガタが生じて騒音の発生の原因となっていた。ヨークユニット100は、プレス加工の加工精度の限界から、かかる騒音の発生を低減することが困難であった。
【0017】
このため、ヨークユニット100は、スポット溶接やかしめ加工等を施して第1のヨーク部材101乃至第4のヨーク部材104を固定する用にしているが、工程数が多くなってコスト高となるといった問題があった。また、ヨークユニット100は、各クローポールの薄型化を抑制して高トルク化を図るために、別部材からなる第3のヨーク部材103と第4のヨーク部材104とを第1のヨーク部材101と第2のヨーク部材102に組み合わせるように構成したが、部品数及び組立工数が増加してコスト高となるといった問題があった。
【0018】
したがって、本発明は、高トルク特性を保持して小型、軽量化を図るとともにコスト低減を図ったステッピングモータ及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成する本発明にかかるステッピングモータは、略櫛歯状を呈する多数個の第1のクローポールが同一円周上に配列されてなる第1のヨーク部材と、この第1のヨーク部材と対向して同軸上に配置されるとともに相対する各第1のクローポールに対してそれぞれ同軸上に位置する略櫛歯状を呈する多数個の第2のクローポールが同一円周上に配列されてなる第2のヨーク部材と、第1のヨーク部材と対向する軸方向の一端側に各第1のクローポールの間にそれぞれ非接触状態を保持されてそれぞれ配置される略櫛歯状を呈する多数個の第3のクローポールが同一円周上に配列されて形成されるとともに第2のヨーク部材と対向する軸方向の他端側に各第2のクローポールの間にそれぞれ非接触状態を保持されてそれぞれ配置される略櫛歯状を呈する多数個の第4のクローポールが同一円周上に配列されて形成されてなる第3のヨーク部材とにより構成されるヨークユニットを備える。ステッピングモータは、第1のヨーク部材の各第1のクローポールと第2のヨーク部材の各第2のクローポール及び第3のヨーク部材の各第3のクローポールと第4のクローポールとによって構成される断面円形の空間部内にロータ構体が回転自在に組み合わされ、第1のヨーク部材に第1のコイルが組み合わされ、第2のヨーク部材に第2のコイルが組み合わされる。
【0020】
ステッピングモータは、少なくとも第3のヨーク部材が、幅方向の両側縁に沿ってそれぞれ多数個の凸部を櫛歯状に形成した矩形導体金属板を長さ方向の両端を突き合わせて全体筒状に丸めてなる磁極部材と、この磁極部材の外周部を保持するリング状の保持部材とから構成される。ステッピングモータは、第3のヨーク部材を第1のヨーク部材と第2のヨーク部材との間に組み合わされることにより、両側縁に形成された各凸部が第3のクローポールと第4のクローポールとを構成する。
【0021】
ステッピングモータは、第1のヨーク部材が外周部と天井部とからなる略カップ状を呈するとともに中心部に各第1のクローポールを内方に向かって一体に折曲形成してなり、第2のヨーク部材が第1のヨーク部材の外周部と同径の外周部と底板部とからなる略カップ状を呈するとともに中心部に各第2のクローポールを内方に向かって一体に折曲形成してなる。ステッピングモータは、これら第1のヨーク部材と第2のヨーク部材が、第3のヨーク部材の保持部材の外周縁を挟持するようにして外周部を突き合わされて一体化される。
【0022】
ステッピングモータは、第1のヨーク部材及び第2のヨーク部材が、幅方向の一方側縁に沿ってそれぞれ多数個の凸部を櫛歯状に形成した矩形導体金属板を長さ方向の両端を突き合わせて全体筒状に丸めてなる磁極部材と、この磁極部材の外周部を保持するリング状の保持部材とから構成される。ステッピングモータは、凸部がそれぞれ第1のクローポール及び第2のクローポールを構成する。
【0023】
ステッピングモータは、第3のヨーク部材の保持部材と、第1のヨーク部材及び第2のヨーク部材の保持部材とが一体に形成された円筒状の保持部材によって構成されてなる。ステッピングモータは、保持部材の外周部にそれぞれ第1のヨーク部材乃至第3のヨーク部材に対応して第1のコイル乃至第3のコイルが組み付けられるとともに、ケース部材に収納される。
【0024】
以上のように構成された本発明にかかるステッピングモータによれば、矩形導体金属板の幅方向の両側縁に沿って第3のクローポールと第4のクローポールとを構成する多数個の凸部を形成するとともにこの矩形導体金属板を丸めて第3のヨーク部材を構成したことから、部品点数と組立工程が低減され廉価に提供される。ステッピングモータによれば、第3のヨーク部材が比較的簡易であるとともに寸法精度も保持される打抜き工程と丸め工程を経て製作されることから、工程の簡易化が図られるとともにクローポールの厚みも充分に保持されて高トルク特性が得られかつ多極化も図られるようになる。
【0025】
また、本発明にかかるステッピングモータによれば、第1のヨーク部材及び第2のヨーク部材も、矩形導体金属板の幅方向の両側縁に沿って第1のクローポール或いは第2のクローポールを構成する多数個の凸部を形成するとともにこの矩形導体金属板を丸めて製造されることから、絞り工程を不要として比較的簡易であるとともに寸法精度も保持される打抜き工程と丸め工程を経て製作され、工程の簡易化が図られるとともにクローポールの厚みも充分に保持されて高トルク特性が得られかつ多極化も図られるようになる。さらに、本発明にかかるステッピングモータによれば、第1のヨーク部材乃至第3のヨーク部材が一体の保持部材に組み合わされることにより、組立工程も簡易でありコスト低減が図られる。
【0026】
上述した目的を達成する本発明にかかるステッピングモータの製造方法は、略櫛歯状を呈する多数個の第1のクローポールが同一円周上に配列されてなる第1のヨーク部材と、第1のヨーク部材と対向して同軸上に配置されるとともに相対する各第1のクローポールに対してそれぞれ同軸上に位置する略櫛歯状を呈する多数個の第2のクローポールが同一円周上に配列されてなる第2のヨーク部材と、第1のヨーク部材と対向する軸方向の一端側に各第1のクローポールの間にそれぞれ非接触状態を保持されてそれぞれ配置される略櫛歯状を呈する多数個の第3のクローポールが同一円周上に配列されて形成されるとともに第2のヨーク部材と対向する軸方向の他端側に各第2のクローポールの間にそれぞれ非接触状態を保持されてそれぞれ配置される略櫛歯状を呈する多数個の第4のクローポールが同一円周上に配列されて形成されてなる第3のヨーク部材と、第1のヨーク部材の各第1のクローポールと第2のヨーク部材の各第2のクローポール及び第3のヨーク部材の各第3のクローポールと第4のクローポールとによって構成される断面円形の空間部内に回転自在に組み合わされたロータ構体と、第1のヨーク部材に組み合わされた第1のコイルと第2のヨーク部材に組み合わされた第2のコイルとを備えるステッピングモータを製造方法する。ステッピングモータの製造方法は、少なくとも第3のヨーク部材の形成工程と保持部材への組付け工程を経て製造される。第3のヨーク部材の形成工程は、矩形の導体金属板に対してプレス加工を施して幅方向の両側縁に沿ってそれぞれ多数個の櫛歯状凸部を一体に形成する工程と、このプレス部品を長さ方向の両端を突き合わせて全体筒状に丸める工程とからなる。
【0027】
また、ステッピングモータの製造方法は、第1のヨーク部材及び第2のヨーク部材が、矩形の導体金属板に対してプレス加工を施して幅方向の一方側縁に沿って多数個の櫛歯状凸部を一体に形成する工程と、このプレス部品を長さ方向の両端を突き合わせて全体筒状に丸める工程とを経てポール部材を形成する工程と、ポール部材を筒状に形成された保持部材の内部空間に組み付ける工程とを経て製造される。さらに、ステッピングモータの製造方法は、第3のヨーク部材と、第1のヨーク部材及び第2のヨーク部材を保持する一体に形成された円筒状の保持部材を用い、この保持部材の内部空間に軸方向の略中央部に位置して第3のヨーク部材を組み付ける工程と、保持部材に対して両側開口部から内部空間にそれぞれ第1のヨーク部材と第2のヨーク部材とを組み付ける工程と、保持部材の外周部に第1のヨーク部材と第2のヨーク部材に対応位置してそれぞれ第1のコイルと第2のコイルを組み付ける工程と、これら工程を経た組立体をケース部材に収納する工程とを有する。
【0028】
以上の工程を有する本発明にかかるステッピングモータの製造方法によれば、矩形導体金属板の幅方向の両側縁に沿って第3のクローポールと第4のクローポールとを構成する多数個の凸部を形成するとともにこの矩形導体金属板を丸めて第3のヨーク部材を製作することから、部品点数と組立工程が低減され廉価なステッピングモータを製造することが可能となる。ステッピングモータの製造方法によれば、比較的簡易であるとともに寸法精度も保持される打抜き工程と丸め工程を経て第3のヨーク部材を製作することから、工程の簡易化が図られるとともにクローポールの厚みも充分に保持されて高トルク特性が得られかつ多極化も図られるステッピングモータを製造することが可能となる。
【0029】
また、本発明にかかるステッピングモータの製造方法によれば、絞り工程を不要として比較的簡易であるとともに寸法精度も保持される打抜き工程と丸め工程を経て第1のヨーク部材及び第2のヨーク部材を製作することから、工程の簡易化が図られるとともにクローポールの厚みも充分に保持されて高トルク特性が得られかつ多極化も図られるステッピングモータを製造することが可能となる。さらに、本発明にかかるステッピングモータの製造方法によれば、第1のヨーク部材乃至第3のヨーク部材を一体の保持部材に組み合わせることにより、組立工程の簡易化が図られるとともにコスト低減が図られるようになる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について、実施の形態として図面に示した2相ステッピングモータ1を参照して詳細に説明する。ステッピングモータ1は、基本的な構成を従来のステッピングモータと同様とし、図1に示すように有底筒状のケース2と、蓋体を兼ねる取付プレート3とによって外装体を構成している。ステッピングモータ1は、図示しない本体機器のシャーシ等に取付プレート3が固定され、本体機器側から入力パルスが供給されると取付プレート3から突出された出力軸4が一定角度ずつ間欠的に回転する。
【0031】
ステッピングモータ1は、出力軸4が、ケース2の底面部の中心部に設けた図示しない軸受と取付プレート3の中心部に設けた軸受5とによって回転自在に支持される。出力軸4は、詳細を後述するように外周部に筒状マグネット6が組み付けられておりロータ構体7を構成する。マグネット6には、詳細を省略するが外周部に所定極数を以ってN極とS極とが交互にかつ正弦波状に分布して着磁されている。
【0032】
ステッピングモータ1は、ケース2の内部に上述したロータ構体7とともに、詳細を後述するヨークユニット10と、第1のコイル8と第2のコイル9とが組み合わされる。第1のコイル8と第2のコイル9は、詳細を省略するが巻き線方向を異にしており、図示しない入力源から電流方向を制御された入力パルスが供給される。ステッピングモータ1は、第1のコイル8と第2のコイル9とに入力パルスが供給されることによってマグネット6の外周部に配列した詳細を後述するヨークユニット7のクローポールを励磁する。ステッピングモータ1は、入力電流の方向を切り換えてクローポールの磁極を切り換えることにより磁極中心を移動させ、クローポールとマグネット6との間に生じる磁気力によりロータ構体を回転させる。
【0033】
ヨークユニット10は、図2に示すように、第1のヨーク部材11と、第2のヨーク部材12と、第3のヨーク部材14と、この第3のヨーク部材14を保持する保持部材15とから構成される。第1のヨーク部材11は、導体金属板に、打抜き工程と、曲げ工程及び絞り工程とからなるプレス加工を施して外周部15と天井部16とからなる略カップ状に形成されている。第1のヨーク部材11には、天井部16の中心部に内部空間側に折曲して多数個の第1のクローポール17が形成されている。各第1のクローポール17は、それぞれ2等辺三角形を呈する同一形状とされるとともに、互いに等間隔に位置して同一円周上に配列されて形成されている。なお、第1のクローポール17は、図2において8個が図示されているが、マグネット6の着磁数や出力軸4の回転角度等の条件により所定個数に設定される。
【0034】
第1のヨーク部材11には、各第1のクローポール17を形成することにより天井部16の中心を貫通する軸孔18が構成される。軸孔18は、ロータ構体7が貫通されるに足る内径を有している。第1のヨーク部材11には、各第1のクローポール17と外周部15との間に第1のコイル8を組み付ける環状のコイル組付凹部19が構成されている。第1のヨーク部材11には、外周部15の開口縁に、位置決め凹部20、20が形成されている。かかる第1のヨーク部材11の構成は、上述した従来の第1のヨーク部材101と同等である。
【0035】
第2のヨーク部材12も、導体金属板に、打抜き工程と、曲げ工程及び絞り工程とからなるプレス加工を施して、第1のヨーク部材11と上下対称形の外周部21と天井部22とからなる略カップ状に形成されている。第2のヨーク部材12にも、天井部21の中心部に内部空間側に折曲して多数個の第2のクローポール23が形成されている。各第2のクローポール23は、それぞれ2等辺三角形を呈する同一形状とされるとともに、互いに等間隔に位置して同一円周上に配列されて形成されている。なお、第2のクローポール23は、図2において8個が図示されているがマグネット6の着磁数や出力軸4の回転角度等の条件により、第1のクローポール17と同数個に設定される。
【0036】
第2のヨーク部材12にも、各第2のクローポール23を形成することにより天井部22の中心を貫通する軸孔24が構成される。軸孔24は、ロータ構体7が貫通されるに足る内径を有しており、後述するように第1のヨーク部材11と第2のヨーク部材12とを組み合わせた状態において連通してロータ構体7を貫通させる。第2のヨーク部材12には、各第2のクローポール23と外周部21との間に第2のコイル9を組み付ける環状のコイル組付凹部25が構成されている。第2のヨーク部材12には、外周部21の開口縁に、位置決め凹部26、26が形成されている。かかる第2のヨーク部材12の構成は、上述した従来の第2のヨーク部材102と同等である。
【0037】
第3のヨーク部材13は、上述した各第1のクローポール17によって構成される円周及び各第2のクローポール23によって構成される円周の内径とほぼ同一の外径を有する円筒形を呈して形成されている。第3のヨーク部材13は、軸長が各第1のクローポール17と各第2のクローポール23との高さよりもやや短軸とされている。第3のヨーク部材13には、一方の開口縁に沿って多数個の第3のクローポール27が形成されるとともに他方の開口縁にも多数個の第4のクローポール28が形成されている。
【0038】
各第3のクローポール27は、それぞれ2等辺三角形を呈する同一形状とされるとともに互いに等間隔に位置する櫛歯状の凸部からなる。第3のクローポール27は、上述した各第1のクローポール17と同形であり、後述するように第3のヨーク部材13が第1のヨーク部材11と組み合わされた状態において、各第1のクローポール17の間に1個ずつ非接触状態で配置される。なお、第3のクローポール27は、図2において8個が図示されているが、マグネット6の着磁数や出力軸4の回転角度等の条件により、第1のクローポール17と同数個に設定される。
【0039】
各第4のクローポール28も、それぞれ2等辺三角形を呈する同一形状とされるとともに互いに等間隔に位置する櫛歯状の凸部からなる。第4のクローポール28は、上述した各第2のクローポール23と同形であり、後述するように第3のヨーク部材13が第2のヨーク部材12と組み合わされた状態において、各第2のクローポール23の間に1個ずつ非接触状態で配置される。なお、第4のクローポール28も、図2において8個が図示されているが、マグネット6の着磁数や出力軸4の回転角度等の条件により、第2のクローポール23と同数個に設定される。また、第4のクローポール28は、第3のクローポール27に対して円周方向に位置をズラして形成されている。
【0040】
上述した第3のヨーク部材13は、外形抜き加工が施された図4に示す矩形の導体金属板29に、筒状に丸める曲げ加工が施されて形成される。素材の導体金属板29は、上述した内径と軸長を有する第3のヨーク部材13を形成するに足る外形寸法を有している。導体金属板29には、打抜き加工が施されて幅方向の両側縁に沿ってそれぞれが2等辺三角形を呈する多数個の第1の凸部30と第2の凸部31とが長さ方向の全域に亘って櫛歯状に形成される。導体金属板29は、この中間体を曲げ金型によって両端部32、33を突き合わせるようにして筒状に丸めることにより、第3のヨーク部材13を形成する。導体金属板29は、第1の凸部30が第3のクローポール27を構成するとともに、第2の凸部31が第4のクローポール28を構成する。
【0041】
第3のヨーク部材13は、上述した工程を経て形成されることから、充分な厚みを有する導体金属板29を素材として用いることが可能である。したがって、第3のヨーク部材13は、ステッピングモータ1を小型化するために外径や軸長が小さく形成される場合にも、第3のクローポール27と第4のクローポール28を充分な厚みを以って形成することが可能である。第3のヨーク部材13の形成工程は、従来の形成工程と比較して打抜き加工や曲げ加工が極めて簡易にかつ効率よく行うことが可能であり、大幅なコストダウンが図られる。
【0042】
第3のヨーク部材13は、リング状の保持部材14によって外周部を保持される。保持部材14は、導体金属板に打抜き加工とバーリング加工とを施して形成され、第1のヨーク部材11や第2のヨーク部材12とほぼ同径の外径を有している。保持部材14には、外周部に、第1のヨーク部材11に形成した位置決め凹部20及び第2のヨーク部材12に形成した位置決め凹部26に対応して複数個の位置決め凸部34が形成されている。
【0043】
保持部材14には、中心部に第3のヨーク部材13の外径とほぼ等しい内径の嵌合孔35が形成されている。保持部材14は、上述したようにバーリング加工を施すことによって、嵌合孔35に板厚よりも長軸とするボス部36を形成してなる。保持部材14は、嵌合孔35内に第3のヨーク部材13が嵌合されるが、やや長軸とするボス部36を形成したことによりこの第3のヨーク部材13の外周面を軸方向に対してより長い範囲で保持する。
【0044】
保持部材14には、筒状に丸めた第3のヨーク部材13が嵌合孔35に嵌合される。第3のヨーク部材13は、スプリングバックによって幾分の拡径習性を有しており、嵌合孔35の内壁に圧接することによって保持部材14にしっかりと保持される。第3のヨーク部材13は、ボス部36により外周面を軸方向に対して幾分長い範囲で圧接されることにより、安定した状態で保持部材14に保持される。なお、第3のヨーク部材13は、必要に応じて外周面と嵌合孔35の内壁とをスポット溶接等により接合して保持部材14に保持するようにしてもよい。
【0045】
第3のヨーク部材13は、上述した工程を経て保持部材14と一体化された後に、第1のヨーク部材11と第2のヨーク部材12とに組み合わされてヨークユニット10を構成する。ヨークユニット10の組立工程は、第1のヨーク部材11に対して第3のヨーク部材13と保持部材14の組立体を位置合わせした状態で組み付ける第1の組立工程と、これら第1のヨーク部材11及び第3のヨーク部材13と保持部材14の組立体との組立体に対して、第2のヨーク部材12を位置合わせした状態で組み付ける第2の組立工程とからなる。
【0046】
第1の組立工程は、第1のヨーク部材11に対して第3のヨーク部材13と保持部材14の組立体が、相対する位置決め凹部20に位置決め凸部34が嵌合されて組み合わされる。第1のヨーク部材11及び第3のヨーク部材13と保持部材14の組立体は、各第1のクローポール17の間に各第3のクローポール27が非接触状態を保持されて各1個ずつ配置され、これら各第1のクローポール17と各第3のクローポール27とが同一円周上に配列されてなる。
【0047】
なお、第1のヨーク部材11には、上述した第1の組立工程に先行して、コイル組付凹部19に第1のコイル8が装填されて組み付けられる。したがって、各第1のクローポール17と各第3のクローポール27は、図3に示すようにその外周部が第1のコイル8の内周部と近接して配列される。
【0048】
第2の組立工程は、第2のヨーク部材12が、相対する位置決め凹部25に保持部材14の残りの位置決め凸部34を嵌合するとともに開口縁を第1のヨーク部材11の開口縁に突き合わすことによって、上述した第1のヨーク部材11及び第3のヨーク部材13と保持部材14の組立体に対して組み合わされる。第2のヨーク部材12及び第3のヨーク部材13と保持部材14の組立体は、各第2のクローポール23の間に各第4のクローポール28が非接触状態を保持されて各1個ずつ配置され、これら各第2のクローポール23と各第4のクローポール28とが同一円周上に配列されてなる。
【0049】
なお、第2のヨーク部材11にも、上述した第2の組立工程に先行して、コイル組付凹部26に第2のコイル9が装填されて組み付けられる。したがって、各第2のクローポール23と各第4のクローポール28は、図3に示すようにその外周部が第2のコイル9の内周部と近接して配列される。
【0050】
ヨークユニット10は、上述した第2の組立工程を経て組み合わされた第1のヨーク部材11と第2のヨーク部材12とが、互いに突き合わされた開口縁に例えばスポット溶接を施されて一体化される。ヨークユニット10は、図5に示すように隣り合う2個の第1のクローポール17a、17bに第3のクローポール27aが非接触状態で配置されるように第1のヨーク部材11と第3のヨーク部材13が組み合わされる。ヨークユニット10は、隣り合う2個の第2のクローポール23a、23bに第4のクローポール28aが非接触状態で配置されるように第2のヨーク部材12と第3のヨーク部材13が組み合わされる。
【0051】
ヨークユニット10は、図5に示すように第1のクローポール17に対して第2のクローポール23が円周方向に対して所定の角度ズレて位置するように第1のヨーク部材11と第2のヨーク部材12が組み合わされる。また、ヨークユニット10は、第1のクローポール17に対して第4のクローポール28が円周方向に対して所定の角度ズレて位置されている。さらに、ヨークユニット10は、第2のクローポール23に対して第3のクローポール27が円周方向に対して所定の角度ズレて位置されている。なお、ヨークユニット10は、上述した第1のクローポール17と、第2のクローポール23と、第3のクローポール27と、第4のクローポール28との円周方向の相対的な位置ズレが、マグネット6の着磁数や出力軸4の回転角度等の条件により適宜設定される。
【0052】
以上のように構成されたヨークユニット10は、図2に示すようにケース2内に収納される。ヨークユニット10は、第1のクローポール17と、第2のクローポール23と、第3のクローポール27と、第4のクローポール28とにより第1のヨーク部材11と第2のヨーク部材12とを貫通する軸孔部が構成され、この軸孔部内に図3鎖線で示すようにロータ構体7が組み合わされる。ヨークユニット10は、第1のクローポール17と、第2のクローポール23と、第3のクローポール27と、第4のクローポール28とが、上述したように外周部を第1のコイル8と第2のコイル9とによって取り囲まれるとともに、内周部にロータ構体7のマグネット6が配置される。ヨークユニット10は、軸受5から出力軸4を貫通させてケース2に取付プレート3が組み合わされることにより、外装体の内部に収納されてステッピングモータ1を完成させる。
【0053】
以上のように構成されたステッピングモータ1は、従来の一般的なステッピングモータと同様に動作して出力軸4を間欠的に回転駆動する。ヨークユニット10は、第1のコイル8と第2のコイル9とに正方向の電流を供給すると、第1のクローポール17と、第2のクローポール23と、第3のクローポール27と、第4のクローポール28とが図5に示す極性にそれぞれ磁化される。ヨークユニット10は、この状態から第1のコイル8の電流を逆方向に切り換えて励磁することによって、中央部の磁界方向が逆転して第1のクローポール17と第3のクローポール27の極性が逆転して同図鎖線で示すようにS極とN極の中心移動が行われる。
【0054】
さらに、ヨークユニット10は、第2のコイル9の電流を逆方向に切り換えて励磁することによって、中央部の磁界方向が逆転して第2のクローポール23と第4のクローポール28の極性が逆転してS極とN極の中心が移動する。ヨークユニット10は、以下第1のコイル8と第2のコイル9の電流切換が行われることによって、S極とN極の中心移動が行われる。ヨークユニット10は、この第1のクローポール17と、第2のクローポール23と、第3のクローポール27と、第4のクローポール28とによるS極とN極の中心移動に伴って、マグネット6に回転力を生成させる。
【0055】
ステッピングモータ1は、上述したようにヨークユニット10を構成する第3のヨーク部材13が第3のクローポール27と第4のクローポール28とを一体に形成して有することから、部品点数と組立工数の削減が図られている。ステッピングモータ1は、第3のヨーク部材13の形成工程が、矩形の導体金属板29に、第3のクローポール27と第4のクローポール28とを構成する複数個の第1の凸部30と第2の凸部31を形成するとともに全体を丸める曲げ加工を施す簡易な工程であることから効率化が図られてコスト低減が図られる。ステッピングモータ1は、第3のヨーク部材13が高精度に形成されるとともに、小型化する場合においても第3のクローポール27と第4のクローポール28とを充分な厚みを以って形成することが可能であることから、薄型化によるトルク特性の劣化を生じることは無く高出力特性を有する。
【0056】
上述したステッピングモータ1においては、第3のヨーク部材13について打抜き加工と筒状に丸める曲げ加工とを施すことにより一体化した第3のクローポール27と第4のクローポール28とを有する第3のヨーク部材13を形成したが、本発明はかかる構成及び製造方法に限定されるものでは無い。本発明の第2の実施の形態として図6に示したヨークユニット40は、上述した第3のヨーク部材13を備えるとともに、第1のヨーク部材41と第2のヨーク部材42も同様に構成されている。
【0057】
すなわち、ヨークユニット40は、第1のヨーク部材41と第2のヨーク部材42とが、矩形の導体金属板を素材として外形抜き工程と、筒状に丸める曲げ加工とを施して形成される。なお、第1のヨーク部材41と第2のヨーク部材42は、上下対称形の部材であり、同一の工程によって形成されたものが反転して用いられる。導体金属板は、外形抜き工程によって所定の幅と長さを有して形成されるが、幅方向の一方側縁に沿ってそれぞれが2等辺三角形を呈する多数個の凸部が長さ方向の全域に亘って櫛歯状に形成される。導体金属板は、この中間体を曲げ金型によって両端部を突き合わせるようにして筒状に丸めることにより、筒状の第1のヨーク部材41と第2のヨーク部材42とを形成する。
【0058】
第1のヨーク部材41は、上述した凸部によって一方の開口縁に複数個の第1のクローポール43が構成される。同様にして第1のヨーク部材41には、第1のヨーク部材41と対向する開口縁に、上述した凸部によって第2のクローポール44が構成される。
【0059】
ヨークユニット40は、上述した第1のヨーク部材41と第2のヨーク部材42及び第3のヨーク部材13を筒状の保持部材45に組み付けて一体に組み合わせて構成される。保持部材45は、第1のヨーク部材41と第2のヨーク部材42及び第3のヨーク部材13の軸長よりもやや長軸に形成されるとともに、これらの外径とほぼ同径の内径を有する嵌合孔46を有している。
【0060】
保持部材45には、嵌合孔46内に、第3のヨーク部材13が軸方向の略中央部に位置するようにして圧入状態で組み込まれる。保持部材45には、一方開口部側から第1のヨーク部材41が第1のクローポール43を嵌合孔46内に進入させて組み付けられる。保持部材45には、第2のヨーク部材42が他方開口部側から第2のクローポール44を嵌合孔46内に進入させて組み付けられることにより、ヨークユニット40を構成する。なお、第1のヨーク部材41と第2のヨーク部材42は、必要に応じて保持部材45の開口縁にスポット溶接等により固定される。
【0061】
ヨークユニット40は、第1のヨーク部材41と第2のヨーク部材42及び第3のヨーク部材13とが保持部材45内において、互いに非接触状態に保持される。ヨークユニット40においても、保持部材45内において、各第1のクローポール43間に第3のクローポール27が非接触状態で配置されるとともに第2のクローポール44間に第4のクローポール28が非接触状態で配置される。
【0062】
ヨークユニット40には、詳細を省略するが筒状を呈する第1のヨーク部材41と第2のヨーク部材42及び第3のヨーク部材13を貫通するようにして内部にロータ構体7が組み合わされる。ヨークユニット40には、保持部材45の外周部に第1のヨーク部材41に対応して第1のコイル8が組み付けられるとともに第2のヨーク部材42に対応して第2のコイル9が組み付けられる。ヨークユニット40は、保持部材45の両端部が略カップ状を呈する第1のケース47と第2のケース48にそれぞれ固定されることによりステッピングモータを50を構成する。
【0063】
なお、ヨークユニット40については、第1のコイル8と第2のコイル9とを第1のケース47と第2のケース48との間で保持するために、例えば保持部材45の外周部にフランジ状のスペーサ部を一体に形成するようにしてよい。ヨークユニット40については、例えば第3のヨーク部材13とともに、第1のヨーク部材41と第2のヨーク部材42のいずれか一方を上述した構造のものを用いるとともに他方を第1の実施の形態と同様の構造のものを用いるようにしてもよい。
【0064】
本発明は、上述した2相ステッピングモータに限定されるものではなく、多相のステッピングモータにも適用されることは勿論である。
【0065】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、矩形導体金属板の幅方向の両側縁に沿って第3のクローポールと第4のクローポールとを構成する多数個の凸部を形成するとともにこの矩形導体金属板を筒状に丸める曲げ加工を施して形成した第3のヨーク部材を備えることにより、部品点数と組立工程が低減され廉価に提供される。本発明によれば、第3のヨーク部材が比較的簡易であるとともに寸法精度も保持される打抜き工程と丸め工程を経て製作されることから、工程の簡易化が図られるとともにクローポールの厚みも充分に保持されて高トルク特性が得られかつ多極化も図られるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態として示すステッピングモータについて、外装体の一部を切り欠いて示す斜視図である。
【図2】同ステッピングモータに備えられるヨークユニットの構成を説明する分解斜視図である。
【図3】同ヨークユニットの縦断面図である。
【図4】同ヨークユニットを構成する第3のヨーク部材の要部展開図である。
【図5】同ヨークユニットの各クローボールの磁化状態の説明図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態として示すステッピングモータの要部分解斜視図である。
【図7】従来のヨークユニットの分解斜視図である。
【符号の説明】
1    ステッピングモータ
2    ケース
3    取付プレート
4    出力軸
6    マグネット
7    ロータ構体
8    第1のコイル
9    第2のコイル
10   ヨークユニット
11   第1のヨーク部材
12   第2のヨーク部材
13   第3のヨーク部材
14   保持部材
17   第1のクローポール
23   第2のクローポール
27   第3のクローポール
28   第4のクローポール
29   導体金属板
31   第1の凸部
32   第2の凸部
40   ヨークユニット
41   第1のヨーク部材
42   第2のヨーク部材
43   第1のクローポール
44   第2のクローポール
45   保持部材
50   ステッピングモータ

Claims (8)

  1. 略櫛歯状を呈する多数個の第1のクローポールが同一円周上に配列されてなる第1のヨーク部材と、
    前記第1のヨーク部材と対向して同軸上に配置されるとともに相対する前記各第1のクローポールに対してそれぞれ同軸上に位置する略櫛歯状を呈する多数個の第2のクローポールが同一円周上に配列されてなる第2のヨーク部材と、
    前記第1のヨーク部材と対向する軸方向の一端側に前記各第1のクローポールの間にそれぞれ非接触状態を保持されてそれぞれ配置される略櫛歯状を呈する多数個の第3のクローポールが同一円周上に配列されて形成されるとともに、前記第2のヨーク部材と対向する軸方向の他端側に前記各第2のクローポールの間にそれぞれ非接触状態を保持されてそれぞれ配置される略櫛歯状を呈する多数個の第4のクローポールが同一円周上に配列されて形成されてなる第3のヨーク部材と、
    前記第1のヨーク部材の各第1のクローポールと前記第2のヨーク部材の各第2のクローポール及び前記第3のヨーク部材の各第3のクローポールと第4のクローポールとによって構成される断面円形の空間部内に回転自在に組み合わされたロータ構体と、
    前記第1のヨーク部材に組み合わされた第1のコイルと、前記第2のヨーク部材に組み合わされた第2のコイルとを備え、
    少なくとも前記第3のヨーク部材が、幅方向の両側縁に沿ってそれぞれ多数個の凸部を櫛歯状に形成した矩形導体金属板を長さ方向の両端を突き合わせて全体筒状に丸めてなる磁極部材と、この磁極部材の外周部を保持するリング状の保持部材とから構成され、前記第1のヨーク部材と前記第2のヨーク部材との間に組み合わされることにより両側縁に形成された前記各凸部が前記第3のクローポールと第4のクローポールとを構成することを特徴とするステッピングモータ。
  2. 前記第1のヨーク部材が、外周部と天井部とからなる略カップ状を呈するとともに中心部に前記各第1のクローポールを内方に向かって一体に折曲形成してなり、
    前記第2のヨーク部材が、前記第1のヨーク部材の外周部と同径の外周部と底板部とからなる略カップ状を呈するとともに中心部に前記各第2のクローポールを内方に向かって一体に折曲形成してなり、
    これら第1のヨーク部材と第2のヨーク部材が、前記第3のヨーク部材の保持部材の外周縁を挟持するようにして前記外周部を突き合わされて一体化されることを特徴とする請求項1に記載のステッピングモータ。
  3. 前記第1のヨーク部材及び/又は前記第2のヨーク部材が、幅方向の一方側縁に沿ってそれぞれ多数個の凸部を櫛歯状に形成した矩形導体金属板を長さ方向の両端を突き合わせて全体筒状に丸めてなるポール部材と、このポール部材の外周部を保持するリング状の保持部材とから構成され、前記凸部がそれぞれ前記第1のクローポール及び/又は第2のクローポールを構成することを特徴とする請求項1に記載のステッピングモータ。
  4. 前記第3のヨーク部材の保持部材と、前記第1のヨーク部材及び/又は前記第2のヨーク部材の保持部材とが一体に形成された円筒状の保持部材によって構成されることを特徴とする請求項3に記載のステッピングモータ。
  5. 前記保持部材が、外周部にそれぞれ前記第1のヨーク部材乃至第3のヨーク部材に対応して第1のコイル乃至第3のコイルが組み付けられるとともに、ケース部材に収納されることを特徴とする請求項4に記載のステッピングモータ。
  6. 略櫛歯状を呈する多数個の第1のクローポールが同一円周上に配列されてなる第1のヨーク部材と、前記第1のヨーク部材と対向して同軸上に配置されるとともに相対する前記各第1のクローポールに対してそれぞれ同軸上に位置する略櫛歯状を呈する多数個の第2のクローポールが同一円周上に配列されてなる第2のヨーク部材と、前記第1のヨーク部材と対向する軸方向の一端側に前記各第1のクローポールの間にそれぞれ非接触状態を保持されてそれぞれ配置される略櫛歯状を呈する多数個の第3のクローポールが同一円周上に配列されて形成されるとともに前記第2のヨーク部材と対向する軸方向の他端側に前記各第2のクローポールの間にそれぞれ非接触状態を保持されてそれぞれ配置される略櫛歯状を呈する多数個の第4のクローポールが同一円周上に配列されて形成されてなる第3のヨーク部材と、前記第1のヨーク部材の各第1のクローポールと前記第2のヨーク部材の各第2のクローポール及び前記第3のヨーク部材の各第3のクローポールと第4のクローポールとによって構成される断面円形の空間部内に回転自在に組み合わされたロータ構体と、前記第1のヨーク部材に組み合わされた第1のコイルと前記第2のヨーク部材に組み合わされた第2のコイルとを備えるステッピングモータの製造方法であり、
    少なくとも矩形の導体金属板に対してプレス加工を施して幅方向の両側縁に沿ってそれぞれ多数個の櫛歯状凸部を一体に形成する工程と、このプレス部品を長さ方向の両端を突き合わせて全体筒状に丸める工程とが施され、前記各凸部がそれぞれ前記第3のクローポールと第4のクローポールとを構成するようにした前記第3のヨーク部材を形成する工程と、
    前記第3のヨーク部材をリング状に形成された保持部材に組み付けて外周部を保持するようにした組立工程と、
    前記第3のヨーク部材と保持部材の組立体を前記第1のヨーク部材と前記第2のヨーク部材とに組み合わせる工程と
    を有することを特徴とするステッピングモータの製造方法。
  7. 前記第1のヨーク部材及び前記第2のヨーク部材が、
    矩形の導体金属板に対してプレス加工を施して幅方向の一方側縁に沿って多数個の櫛歯状凸部を一体に形成する工程と、このプレス部品を長さ方向の両端を突き合わせて全体筒状に丸める工程とを経てポール部材を形成する工程と、
    前記磁極部材をリング状に形成された保持部材の内部空間に組み付ける工程とを経て製造され、
    前記一方側縁に沿って形成された凸部が、前記第1のクローポール及び第2のクローポールを構成することを特徴とする請求項6に記載のステッピングモータの製造方法。
  8. 前記第3のヨーク部材の保持部材と、前記第1のヨーク部材の保持部材及び前記第2のヨーク部材の保持部材が一体に形成された円筒状の保持部材からなり、
    前記保持部材の内部空間に軸方向の略中央部に位置して前記第3のヨーク部材を組み付ける工程と、
    前記保持部材に対して、両側開口部から内部空間にそれぞれ前記第1のヨーク部材と第2のヨーク部材とを組み付ける工程と、
    前記保持部材の外周部に、前記第1のヨーク部材及び前記第2のヨーク部材の外周部にそれぞれ前記第1のコイル及び第2のコイルを組み付ける工程と、
    前記工程を経た組立体をケース部材に収納する工程と
    を有することを特徴とする請求項7に記載のステッピングモータの製造方法。
JP2002223328A 2002-07-31 2002-07-31 ステッピングモータ及びその製造方法 Pending JP2004064966A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002223328A JP2004064966A (ja) 2002-07-31 2002-07-31 ステッピングモータ及びその製造方法
TW092117224A TW200402923A (en) 2002-07-31 2003-06-25 Step motor and manufacturing method thereof

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002223328A JP2004064966A (ja) 2002-07-31 2002-07-31 ステッピングモータ及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004064966A true JP2004064966A (ja) 2004-02-26

Family

ID=31943112

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002223328A Pending JP2004064966A (ja) 2002-07-31 2002-07-31 ステッピングモータ及びその製造方法

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP2004064966A (ja)
TW (1) TW200402923A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006246563A (ja) * 2005-03-01 2006-09-14 Honda Motor Co Ltd ステータ
US7687961B2 (en) 2005-03-01 2010-03-30 Honda Motor Co., Ltd. Stator, motor, and method of manufacturing such stator
JP2011234595A (ja) * 2010-04-30 2011-11-17 Tamagawa Seiki Co Ltd 回転角検出又は回転同期装置
JP2012511304A (ja) * 2008-12-08 2012-05-17 ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング 磁極ホイールを備えた電気機械
KR101198611B1 (ko) 2006-09-12 2012-11-09 엘지이노텍 주식회사 스테핑 모터
JP2020099170A (ja) * 2018-12-14 2020-06-25 Toto株式会社 水力発電機

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006246563A (ja) * 2005-03-01 2006-09-14 Honda Motor Co Ltd ステータ
US7687961B2 (en) 2005-03-01 2010-03-30 Honda Motor Co., Ltd. Stator, motor, and method of manufacturing such stator
JP4519682B2 (ja) * 2005-03-01 2010-08-04 本田技研工業株式会社 ステータおよびモータ駆動装置
KR101198611B1 (ko) 2006-09-12 2012-11-09 엘지이노텍 주식회사 스테핑 모터
JP2012511304A (ja) * 2008-12-08 2012-05-17 ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング 磁極ホイールを備えた電気機械
JP2011234595A (ja) * 2010-04-30 2011-11-17 Tamagawa Seiki Co Ltd 回転角検出又は回転同期装置
JP2020099170A (ja) * 2018-12-14 2020-06-25 Toto株式会社 水力発電機
JP7379852B2 (ja) 2018-12-14 2023-11-15 Toto株式会社 水力発電機

Also Published As

Publication number Publication date
TW200402923A (en) 2004-02-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TW200408182A (en) Commutator motor
JPH11341716A (ja) 分割磁極型電動モータ
JP2002354775A (ja) クローポール型ステッピングモータのステータ構造
JP2004064966A (ja) ステッピングモータ及びその製造方法
JP2011097756A (ja) ステッピングモータのステータヨークおよびステッピングモータ
JP2002112521A (ja) ステップモータのロータ構造
EP3072225A1 (fr) Moteur electrique
JP4039997B2 (ja) 回転子支持軸と一体の出力軸を有する減速機付永久磁石ステッピングモータ
JP2008092629A (ja) 駆動装置
JP2002374642A (ja) ブラシレスモータ
JP4470072B2 (ja) アキシャルギャップ型モータ
JP3537406B2 (ja) ステッピングモータ
JP3367752B2 (ja) リニアパルスモータ
JP3517543B2 (ja) モータ
JPH01136551A (ja) 単相ステッパモータ
CN113924720B (zh) 电动机
JP2006042527A (ja) モータの製造方法
JP2007143253A (ja) ステッピングモータ
JP2008136302A (ja) ステッピングモータ
JP2004064965A (ja) ステッピングモータ
JP2703866B2 (ja) ステッピングモータ
JP2023046761A (ja) ロータ、電動モータ、及びロータの組み立て方法
JP2000125534A (ja) ステッピングモータ
JP2760816B2 (ja) ステップモータ
US9985510B2 (en) PM stepping motor