JP2004064551A - チューナの選局電圧設定システム、方法及びチューナ - Google Patents
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Abstract
【課題】複数段の同調回路を有するチューナにおいて、各バラクタダイオードの特性や浮遊容量のばらつきにかかわらず、各バラクタダイオードに最適な選局電圧を与える。
【解決手段】アンテナ同調回路1の調整を行うために、周波数発生部20は最初のチャンネル周波数のRF信号を発生し、チューナ10に供給する。またバラクタダイオードD1 に制御電圧VA を与えて調整する。ピークデテクタ50がアンテナ同調回路1の出力TPAが最大になったことを検出すると、そのときのVAの値が選局電圧メモリ60に記憶される。次に複同調回路4の調整を行うために、制御電圧VR1をバラクタダイオードD2 に与え、制御電圧VR2をバラクタダイオードD3 に与えて調整を行う。複同調回路4の出力TPRが最大となったことが検出されると、そのときのVR1、VR2の値が選局電圧メモリ60に記憶される。以上の動作を全てのチャンネルについて繰り返す。
【選択図】 図1
【解決手段】アンテナ同調回路1の調整を行うために、周波数発生部20は最初のチャンネル周波数のRF信号を発生し、チューナ10に供給する。またバラクタダイオードD1 に制御電圧VA を与えて調整する。ピークデテクタ50がアンテナ同調回路1の出力TPAが最大になったことを検出すると、そのときのVAの値が選局電圧メモリ60に記憶される。次に複同調回路4の調整を行うために、制御電圧VR1をバラクタダイオードD2 に与え、制御電圧VR2をバラクタダイオードD3 に与えて調整を行う。複同調回路4の出力TPRが最大となったことが検出されると、そのときのVR1、VR2の値が選局電圧メモリ60に記憶される。以上の動作を全てのチャンネルについて繰り返す。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、テレビ、FM方放送等のVHF帯の受信機におけるチューナに用いて好適なチューナの選局電圧設定システム、方法及びチューナに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図6は従来のテレビ受信機におけるチューナを示す回路図である。
図6において、1はアンテナ同調回路で、可変容量素子としてのバラクタダイオードD1 、コンデンサC1 、コイルL1 で構成されている。2は同調回路で、バラクタダイオードD2 、コンデンサC2 、コイルL2 で構成されている。3は同調回路で、バラクタダイオードD3 、コンデンサC3 、コイルL3 で構成されている。2つの同調回路2、3は電磁的に結合して複同調回路4を構成している。5は選局電圧(チャンネル指定電圧、チューニング電圧)Vtuの入力端子である。
【0003】
この選局電圧Vtuは抵抗R1 を介して同調回路1に与えられ、バラクタダイオードD1 の容量を各チャンネル毎に制御するようになされている。同様に選局電圧Vtuは、抵抗R2 、R3 を介して同調回路2、3に印加され、バラクタダイオードD2 、D3 の容量をそれぞれ各チャンネル毎に制御するようになされている。
尚、図においては、アンテナ同調回路1と複同調回路4との間の高周波増幅回路、及び同調回路3の後段の中間周波数変換回路等は図示を省略されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
図6に示す従来のチューナにおいては、各同調回路1、2、3におけるバラクタダイオードD1 、D2 、D3 の容量を、入力端子5から与えられる共通の選局電圧Vtuにより各チャンネル毎に制御するようにしている。
しかしながら、実際のバラクタダイオードには特性のばらつきがあり、また周囲の浮遊容量のばらつきもある。このため、各バラクタダイオードD1 、D2 、D3 に同じ選局電圧を加えても同じ容量変化が得られず、同調精度が低下するという問題があった。
【0005】
本発明は上記の問題を解決するためになされたもので、各同調回路のバラクタダイオードに対する選局電圧を最適に設定できるようにすることを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明によるチューナの選局電圧設定システムは、それぞれ所定の帯域幅を有すると共に可変容量素子を有する複数の同調回路が多段接続されたチューナの各同調回路に対する選局電圧を設定するチューナの選局電圧設定システムであって、複数のチャンネル周波数の入力信号を発生して前記チューナに供給する周波数発生手段と、各同調回路の可変容量素子を個別に制御する制御電圧を発生する制御電圧発生手段と、前記周波数発生手段から1つのチャンネル周波数の入力信号をチューナに供給した状態で、1つの同調回路の可変容量素子に対して前記制御電圧発生手段から制御電圧を与えて調整するときその同調回路の出力電圧が最大となったときの制御電圧の値を検出する検出手段と、前記検出手段の前記検出動作を全てのチャンネル周波数及び全ての同調回路の可変容量素子についてそれぞれ実行するために前記周波数発生手段、制御電圧発生手段及び検出手段を制御する制御手段と、前記検出手段で検出された全ての制御電圧の値を各チャンネル毎に各可変容量素子に与える選局電圧として記憶する記憶手段とを設けたことを特徴とするものである。
【0007】
また、本発明によるチューナは、それぞれ所定の帯域幅を有すると共に可変容量素子を有する複数の同調回路が多段接続されたチューナにおいて、各同調回路の可変容量素子を個別に制御する選局電圧をチャンネル毎に記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された選局電圧を読み出して対応する可変容量素子に与える選局電圧設定手段とを設けたことを特徴とするものである。
【0008】
また、本発明によるチューナの選局電圧設定方法は、それぞれ所定の帯域幅を有すると共に可変容量素子を有する複数の同調回路が多段接続されたチューナの各同調回路に対する選局電圧を設定するチューナの選局電圧設定方法であって、1つのチャンネル周波数の入力信号をチューナに供給した状態で、1つの同調回路の可変容量素子に制御電圧を与えて調整し、そのときの同調回路の出力電圧が最大となったときの制御電圧の値を検出する検出動作を、全てのチャンネル周波数及び全ての同調回路の可変容量素子についてそれぞれ実行し、検出された全ての制御電圧の値を各チャンネル毎に各可変容量素子に与える選局電圧として記憶することを特徴とするものである。
【0009】
【作用】
従って、本発明によれば、1つのチャンネル周波数の入力信号をチューナに供給した状態で、1つの同調回路の可変容量素子に制御電圧を与えて調整し、そのときに得られるその同調回路の出力電圧が最大となったときの制御電圧の値を検出すると共に、この検出動作を、全てのチャンネル周波数及び全ての同調回路の可変容量素子についてそれぞれ実行することにより、検出された全ての制御電圧の値を各チャンネル毎に各可変容量素子に与える最適な選局電圧とすることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明の第1の実施の形態によるチューナの選局電圧設定システムを示すブロック図であり、図6と対応する部分には同一番号を付して重複する説明は省略する。
【0011】
図1において、10はチューナで、前述したアンテナ同調回路1及び複同調回路4を構成する同調回路2、3を備えている。20はチャンネル周波数発生部で、例えば1〜12チャンネルの各搬送波周波数のRF入力信号をチューナ10のアンテナ端子に供給する。30はコントローラで、周波数発生部20の出力周波数を制御すると共に、チューナ10の各同調回路1、2、3における各バラクタダイオードD1 、D2 、D3 に対して個別に制御電圧VA 、VR1、VR2を与えて各容量を制御する。
【0012】
40はアンテナ同調回路1の出力TPA又は複同調回路4の出力TPRを選択するスイッチ、50は選択された出力TPA又はTPRの最大値を検出してコントローラ30に通知するピークデテクタである。60は各バラクタダイオード毎の選局電圧を記憶する選局電圧メモリである。尚、上記TPAはアンテナ同調回路1から抵抗R3 を介して取り出され、上記TPRは同調回路3から抵抗R4 を介して取り出される。また、周波数発生部20からのRF入力信号は、カップリングコンデンサCを介してアンテナ同調回路1に入力される。
【0013】
次に、上記構成による動作について説明する。
ここでは、aチャンネルからnチャンネルまでの1チャンネルずつについて、アンテナ同調回路1及び複同調回路4を順次調整する。このために制御電圧VA、VR1、VR2を各バラクタダイオードD1 、D2 、D3 に個別に与えて調整し、各同調回路1、4から最大値が得られたときの制御電圧の値を選局電圧として選局電圧メモリ60に格納するものとする。
【0014】
また、アンテナ同調回路1は、図2(a)のようにあるチャンネルにおいて、映像信号の帯域と音声信号の帯域とを含む中心周波数(同調周波数)f0 の所定の帯域幅を持つように設計されている。また複同調回路4は、図2(b)のようにあるチャンネルにおいて、映像搬送波周波数fp と音声搬送波周波数fs の各帯域を含む部分で平坦な特性を有する中心周波数f0 の所定の帯域幅を持つように設計されている。
【0015】
次に、図3のフローチャートを参照して動作を説明する。
まず、アンテナ同調回路1の調整を行う。コントローラ30はスイッチ40をTPA側に設定すると共に、周波数発生部20を制御して、最初のaチャンネルの周波数のRF入力信号を発生させ、チューナ10に供給する(ステップS1、以下ステップ略)。次にコントローラ30は、アンテナ同調回路1のバラクタダイオードD1 に制御電圧VA を与える(S2)。このVA を変化させるとアンテナ同調回路1の出力TPAが変化する。このTPAが最大になったことがピークデテクタ50により検出されると(S3)、コントローラ30はそのときのVA の値を取り込んで選局電圧メモリ60に記憶する(S4)。
【0016】
次に、複同調回路4の調整を行う。コントローラ30はスイッチ40をTPR側に切り換えた後、制御電圧VR1をバラクタダイオードD2 に与え、制御電圧VR2をバラクタダイオードD3 に与える(S5)。このVR1、VR2を変化させると複同調回路4の出力TPRが変化する。このTPRが最大になったことがピークデテクタ50により検出されると(S6)、コントローラ30はそのときのVR1、VR2の値を取り込んで選局電圧メモリ60に記憶する(S7)。
【0017】
次に、全てのチャンネルについての調整が終了したかを調べ(S8)、終了していなければ、コントローラ30は周波数発生部20から次のチャンネルの周波数のRF入力信号を発生させ(S9)、チューナ10に供給する。その後、S2〜S9の動作が繰り返され、全てのチャンネルについて調整を行ったら終了とする。
【0018】
この結果、選局電圧メモリ60には、各チャンネルについて、各同調回路1、4の出力TPA、TPRが最大になったときの制御電圧VA 、VR1、VR2の値が格納される。これらの値は、チューナ10が実際に用いられる際に、選局電圧として各バラクタダイオードD1 、D2 、D3 に与えられる。
【0019】
図4は選局電圧メモリ60を用いたチューナ10の実施の形態を示す。
図示のように、選局電圧設定部70は、選局信号(チャンネル指定信号)に基づいて選局電圧メモリ60から対応する選局電圧VA 、VR1、VR2を読み出して各同調回路1、2、3のバラクタダイオードD1 、D2 、D3 に与える。これにより各同調回路1、2、3においては、バラクタダイオードD1 、D2 、D3 の特性のばらつきや周辺の浮遊容量のばらつき等にかかわらず、各チャンネルにおいて設計通りの同調周波数と帯域幅を以って略理想的な同調動作を行うことができる。
【0020】
図5は本発明の第2の実施の形態を示すチューナ部分の構成図であり、図1と対応する部分には同一番号を付して重複する説明は省略する。
本実施の形態は、図1のアンテナ同調回路1に妨害波トラップ回路6を追加したものである。妨害波トラップ回路6は、図示のようにバラクタダイオードD4、コンデンサC4 、コイルL4 等で構成されている。また、コントローラ30からバラクタダイオードD4 の制御電圧VTRを与えられると共に、抵抗R5 を介して出力電圧TTRを得、スイッチ40に入力するように構成されている。図2(c)に妨害波トラップ回路6の特性を示す。
【0021】
本実施の形態においては、チャンネル毎にバラクタダイオードD4 に制御電圧VTRを与えて調整し、図2(c)に示すように所定周波数fq において出力電圧TTRが最小となったときのVTRの値を選局電圧メモリ60に記憶させる。
また、本実施の形態を図4のチューナに適用する場合は、選局電圧メモリ60に記憶されたVTRの値が選局電圧として妨害波トラップ回路6のバラクタダイオードD4 に与えられることになる。
【0022】
尚、前述した各実施の形態においては、本発明をテレビ受信機のチューナに適用した場合について説明したが、本発明はその他にFM受信機等の複数の同調回路を多段接続したチューナに適用して有効である。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、各チャンネルにおいて最適な選局電圧を設定することができ、従って、複数の同調回路におけるバラクタダイオード等の可変容量素子の特性のばらつきや周辺の浮遊容量のばらつき等にかかわらず、設計通りの同調周波数と帯域幅を以って略理想的な同調動作を行うことができるチューナを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態によるチューナの選局電圧設定システムを示す回路図である。
【図2】チューナの各同調回路の特性図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態による動作を示すフローチャートである。
【図4】選局電圧メモリを用いたチューナの実施の形態を示す回路図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態によるチューナの選局電圧設定システムを示す回路図である。
【図6】従来のチューナを示す回路図である。
【符号の説明】
1 アンテナ同調回路
2、3 同調回路
4 複同調回路
6 妨害波トラップ回路
10 チューナ
20 周波数発生部
30 コントローラ
40 スイッチ
50 ピークデテクタ
60 選局電圧メモリ
70 選局電圧設定部
D1 、D2 、D3 、D4 バラクタダイオード
VA 、VR1、VR2、VTR 制御電圧
TPA、TPR 同調回路の出力電圧
TTR 妨害波トラップ回路の出力電圧
【発明の属する技術分野】
本発明は、テレビ、FM方放送等のVHF帯の受信機におけるチューナに用いて好適なチューナの選局電圧設定システム、方法及びチューナに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図6は従来のテレビ受信機におけるチューナを示す回路図である。
図6において、1はアンテナ同調回路で、可変容量素子としてのバラクタダイオードD1 、コンデンサC1 、コイルL1 で構成されている。2は同調回路で、バラクタダイオードD2 、コンデンサC2 、コイルL2 で構成されている。3は同調回路で、バラクタダイオードD3 、コンデンサC3 、コイルL3 で構成されている。2つの同調回路2、3は電磁的に結合して複同調回路4を構成している。5は選局電圧(チャンネル指定電圧、チューニング電圧)Vtuの入力端子である。
【0003】
この選局電圧Vtuは抵抗R1 を介して同調回路1に与えられ、バラクタダイオードD1 の容量を各チャンネル毎に制御するようになされている。同様に選局電圧Vtuは、抵抗R2 、R3 を介して同調回路2、3に印加され、バラクタダイオードD2 、D3 の容量をそれぞれ各チャンネル毎に制御するようになされている。
尚、図においては、アンテナ同調回路1と複同調回路4との間の高周波増幅回路、及び同調回路3の後段の中間周波数変換回路等は図示を省略されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
図6に示す従来のチューナにおいては、各同調回路1、2、3におけるバラクタダイオードD1 、D2 、D3 の容量を、入力端子5から与えられる共通の選局電圧Vtuにより各チャンネル毎に制御するようにしている。
しかしながら、実際のバラクタダイオードには特性のばらつきがあり、また周囲の浮遊容量のばらつきもある。このため、各バラクタダイオードD1 、D2 、D3 に同じ選局電圧を加えても同じ容量変化が得られず、同調精度が低下するという問題があった。
【0005】
本発明は上記の問題を解決するためになされたもので、各同調回路のバラクタダイオードに対する選局電圧を最適に設定できるようにすることを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明によるチューナの選局電圧設定システムは、それぞれ所定の帯域幅を有すると共に可変容量素子を有する複数の同調回路が多段接続されたチューナの各同調回路に対する選局電圧を設定するチューナの選局電圧設定システムであって、複数のチャンネル周波数の入力信号を発生して前記チューナに供給する周波数発生手段と、各同調回路の可変容量素子を個別に制御する制御電圧を発生する制御電圧発生手段と、前記周波数発生手段から1つのチャンネル周波数の入力信号をチューナに供給した状態で、1つの同調回路の可変容量素子に対して前記制御電圧発生手段から制御電圧を与えて調整するときその同調回路の出力電圧が最大となったときの制御電圧の値を検出する検出手段と、前記検出手段の前記検出動作を全てのチャンネル周波数及び全ての同調回路の可変容量素子についてそれぞれ実行するために前記周波数発生手段、制御電圧発生手段及び検出手段を制御する制御手段と、前記検出手段で検出された全ての制御電圧の値を各チャンネル毎に各可変容量素子に与える選局電圧として記憶する記憶手段とを設けたことを特徴とするものである。
【0007】
また、本発明によるチューナは、それぞれ所定の帯域幅を有すると共に可変容量素子を有する複数の同調回路が多段接続されたチューナにおいて、各同調回路の可変容量素子を個別に制御する選局電圧をチャンネル毎に記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された選局電圧を読み出して対応する可変容量素子に与える選局電圧設定手段とを設けたことを特徴とするものである。
【0008】
また、本発明によるチューナの選局電圧設定方法は、それぞれ所定の帯域幅を有すると共に可変容量素子を有する複数の同調回路が多段接続されたチューナの各同調回路に対する選局電圧を設定するチューナの選局電圧設定方法であって、1つのチャンネル周波数の入力信号をチューナに供給した状態で、1つの同調回路の可変容量素子に制御電圧を与えて調整し、そのときの同調回路の出力電圧が最大となったときの制御電圧の値を検出する検出動作を、全てのチャンネル周波数及び全ての同調回路の可変容量素子についてそれぞれ実行し、検出された全ての制御電圧の値を各チャンネル毎に各可変容量素子に与える選局電圧として記憶することを特徴とするものである。
【0009】
【作用】
従って、本発明によれば、1つのチャンネル周波数の入力信号をチューナに供給した状態で、1つの同調回路の可変容量素子に制御電圧を与えて調整し、そのときに得られるその同調回路の出力電圧が最大となったときの制御電圧の値を検出すると共に、この検出動作を、全てのチャンネル周波数及び全ての同調回路の可変容量素子についてそれぞれ実行することにより、検出された全ての制御電圧の値を各チャンネル毎に各可変容量素子に与える最適な選局電圧とすることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は本発明の第1の実施の形態によるチューナの選局電圧設定システムを示すブロック図であり、図6と対応する部分には同一番号を付して重複する説明は省略する。
【0011】
図1において、10はチューナで、前述したアンテナ同調回路1及び複同調回路4を構成する同調回路2、3を備えている。20はチャンネル周波数発生部で、例えば1〜12チャンネルの各搬送波周波数のRF入力信号をチューナ10のアンテナ端子に供給する。30はコントローラで、周波数発生部20の出力周波数を制御すると共に、チューナ10の各同調回路1、2、3における各バラクタダイオードD1 、D2 、D3 に対して個別に制御電圧VA 、VR1、VR2を与えて各容量を制御する。
【0012】
40はアンテナ同調回路1の出力TPA又は複同調回路4の出力TPRを選択するスイッチ、50は選択された出力TPA又はTPRの最大値を検出してコントローラ30に通知するピークデテクタである。60は各バラクタダイオード毎の選局電圧を記憶する選局電圧メモリである。尚、上記TPAはアンテナ同調回路1から抵抗R3 を介して取り出され、上記TPRは同調回路3から抵抗R4 を介して取り出される。また、周波数発生部20からのRF入力信号は、カップリングコンデンサCを介してアンテナ同調回路1に入力される。
【0013】
次に、上記構成による動作について説明する。
ここでは、aチャンネルからnチャンネルまでの1チャンネルずつについて、アンテナ同調回路1及び複同調回路4を順次調整する。このために制御電圧VA、VR1、VR2を各バラクタダイオードD1 、D2 、D3 に個別に与えて調整し、各同調回路1、4から最大値が得られたときの制御電圧の値を選局電圧として選局電圧メモリ60に格納するものとする。
【0014】
また、アンテナ同調回路1は、図2(a)のようにあるチャンネルにおいて、映像信号の帯域と音声信号の帯域とを含む中心周波数(同調周波数)f0 の所定の帯域幅を持つように設計されている。また複同調回路4は、図2(b)のようにあるチャンネルにおいて、映像搬送波周波数fp と音声搬送波周波数fs の各帯域を含む部分で平坦な特性を有する中心周波数f0 の所定の帯域幅を持つように設計されている。
【0015】
次に、図3のフローチャートを参照して動作を説明する。
まず、アンテナ同調回路1の調整を行う。コントローラ30はスイッチ40をTPA側に設定すると共に、周波数発生部20を制御して、最初のaチャンネルの周波数のRF入力信号を発生させ、チューナ10に供給する(ステップS1、以下ステップ略)。次にコントローラ30は、アンテナ同調回路1のバラクタダイオードD1 に制御電圧VA を与える(S2)。このVA を変化させるとアンテナ同調回路1の出力TPAが変化する。このTPAが最大になったことがピークデテクタ50により検出されると(S3)、コントローラ30はそのときのVA の値を取り込んで選局電圧メモリ60に記憶する(S4)。
【0016】
次に、複同調回路4の調整を行う。コントローラ30はスイッチ40をTPR側に切り換えた後、制御電圧VR1をバラクタダイオードD2 に与え、制御電圧VR2をバラクタダイオードD3 に与える(S5)。このVR1、VR2を変化させると複同調回路4の出力TPRが変化する。このTPRが最大になったことがピークデテクタ50により検出されると(S6)、コントローラ30はそのときのVR1、VR2の値を取り込んで選局電圧メモリ60に記憶する(S7)。
【0017】
次に、全てのチャンネルについての調整が終了したかを調べ(S8)、終了していなければ、コントローラ30は周波数発生部20から次のチャンネルの周波数のRF入力信号を発生させ(S9)、チューナ10に供給する。その後、S2〜S9の動作が繰り返され、全てのチャンネルについて調整を行ったら終了とする。
【0018】
この結果、選局電圧メモリ60には、各チャンネルについて、各同調回路1、4の出力TPA、TPRが最大になったときの制御電圧VA 、VR1、VR2の値が格納される。これらの値は、チューナ10が実際に用いられる際に、選局電圧として各バラクタダイオードD1 、D2 、D3 に与えられる。
【0019】
図4は選局電圧メモリ60を用いたチューナ10の実施の形態を示す。
図示のように、選局電圧設定部70は、選局信号(チャンネル指定信号)に基づいて選局電圧メモリ60から対応する選局電圧VA 、VR1、VR2を読み出して各同調回路1、2、3のバラクタダイオードD1 、D2 、D3 に与える。これにより各同調回路1、2、3においては、バラクタダイオードD1 、D2 、D3 の特性のばらつきや周辺の浮遊容量のばらつき等にかかわらず、各チャンネルにおいて設計通りの同調周波数と帯域幅を以って略理想的な同調動作を行うことができる。
【0020】
図5は本発明の第2の実施の形態を示すチューナ部分の構成図であり、図1と対応する部分には同一番号を付して重複する説明は省略する。
本実施の形態は、図1のアンテナ同調回路1に妨害波トラップ回路6を追加したものである。妨害波トラップ回路6は、図示のようにバラクタダイオードD4、コンデンサC4 、コイルL4 等で構成されている。また、コントローラ30からバラクタダイオードD4 の制御電圧VTRを与えられると共に、抵抗R5 を介して出力電圧TTRを得、スイッチ40に入力するように構成されている。図2(c)に妨害波トラップ回路6の特性を示す。
【0021】
本実施の形態においては、チャンネル毎にバラクタダイオードD4 に制御電圧VTRを与えて調整し、図2(c)に示すように所定周波数fq において出力電圧TTRが最小となったときのVTRの値を選局電圧メモリ60に記憶させる。
また、本実施の形態を図4のチューナに適用する場合は、選局電圧メモリ60に記憶されたVTRの値が選局電圧として妨害波トラップ回路6のバラクタダイオードD4 に与えられることになる。
【0022】
尚、前述した各実施の形態においては、本発明をテレビ受信機のチューナに適用した場合について説明したが、本発明はその他にFM受信機等の複数の同調回路を多段接続したチューナに適用して有効である。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、各チャンネルにおいて最適な選局電圧を設定することができ、従って、複数の同調回路におけるバラクタダイオード等の可変容量素子の特性のばらつきや周辺の浮遊容量のばらつき等にかかわらず、設計通りの同調周波数と帯域幅を以って略理想的な同調動作を行うことができるチューナを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態によるチューナの選局電圧設定システムを示す回路図である。
【図2】チューナの各同調回路の特性図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態による動作を示すフローチャートである。
【図4】選局電圧メモリを用いたチューナの実施の形態を示す回路図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態によるチューナの選局電圧設定システムを示す回路図である。
【図6】従来のチューナを示す回路図である。
【符号の説明】
1 アンテナ同調回路
2、3 同調回路
4 複同調回路
6 妨害波トラップ回路
10 チューナ
20 周波数発生部
30 コントローラ
40 スイッチ
50 ピークデテクタ
60 選局電圧メモリ
70 選局電圧設定部
D1 、D2 、D3 、D4 バラクタダイオード
VA 、VR1、VR2、VTR 制御電圧
TPA、TPR 同調回路の出力電圧
TTR 妨害波トラップ回路の出力電圧
Claims (6)
- それぞれ所定の帯域幅を有すると共に可変容量素子を有する複数の同調回路が多段接続されたチューナの各同調回路に対する選局電圧を設定するチューナの選局電圧設定システムであって、
複数のチャンネル周波数の入力信号を発生して前記チューナに供給する周波数発生手段と、
各同調回路の可変容量素子を個別に制御する制御電圧を発生する制御電圧発生手段と、
前記周波数発生手段から1つのチャンネル周波数の入力信号をチューナに供給した状態で、1つの同調回路の可変容量素子に対して前記制御電圧発生手段から制御電圧を与えて調整するときその同調回路の出力電圧が最大となったときの制御電圧の値を検出する検出手段と、
前記検出手段の前記検出動作を全てのチャンネル周波数及び全ての同調回路の可変容量素子についてそれぞれ実行するために前記周波数発生手段、制御電圧発生手段及び検出手段を制御する制御手段と、
前記検出手段で検出された全ての制御電圧の値を各チャンネル毎に各可変容量素子に与える選局電圧として記憶する記憶手段とを設けたことを特徴とするチューナの選局電圧設定システム。 - 前記複数の同調回路の少なくとも1つに可変容量素子を含む妨害波トラップ回路を設けると共に、その可変容量素子に対して前記制御電圧を与え、前記検出手段は、前記妨害波トラップ回路の出力電圧が最小となったときの制御電圧の値を検出し、前記記憶手段に記憶させることを特徴とする請求項1記載のチューナの選局電圧設定システム。
- それぞれ所定の帯域幅を有すると共に可変容量素子を有する複数の同調回路が多段接続されたチューナにおいて、
各同調回路の可変容量素子を個別に制御する選局電圧をチャンネル毎に記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された選局電圧を読み出して対応する可変容量素子に与える選局電圧設定手段とを設けたことを特徴とするチューナ。 - 前記複数の同調回路の少なくとも1つに可変容量素子を含む妨害波トラップ回路を設け、前記記憶手段は妨害波トラップ回路の可変容量素子に対する選局電圧を記憶し、これを前記選局電圧設定手段が読み出して対応する可変容量素子に与えることを特徴とする請求項3記載のチューナ。
- それぞれ所定の帯域幅を有すると共に可変容量素子を有する複数の同調回路が多段接続されたチューナの各同調回路に対する選局電圧を設定するチューナの選局電圧設定方法であって、
1つのチャンネル周波数の入力信号をチューナに供給した状態で、1つの同調回路の可変容量素子に制御電圧を与えて調整し、そのときの同調回路の出力電圧が最大となったときの制御電圧の値を検出する検出動作を、全てのチャンネル周波数及び全ての同調回路の可変容量素子についてそれぞれ実行し、検出された全ての制御電圧の値を各チャンネル毎に各可変容量素子に与える選局電圧として記憶することを特徴とするチューナの選局電圧設定方法。 - 前記複数の同調回路の少なくとも1つに可変容量素子を含む妨害波トラップ回路を設けると共に、その可変容量素子に対して前記制御電圧を与えた状態で前記妨害波トラップ回路の出力電圧が最小となったときの制御電圧の値を検出し、記憶することを特徴とする請求項5記載のチューナの選局電圧設定方法。
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JP2002221863A JP2004064551A (ja) | 2002-07-30 | 2002-07-30 | チューナの選局電圧設定システム、方法及びチューナ |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2014507886A (ja) * | 2011-01-31 | 2014-03-27 | シリコン・ラボラトリーズ・インコーポレイテッド | 同調ネットワークを含むレシーバ回路 |
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2002
- 2002-07-30 JP JP2002221863A patent/JP2004064551A/ja not_active Withdrawn
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