JP3893338B2 - ラジオ受信機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、チューナのトラッキング装置を有するラジオ受信機に関し、具体的には、放送周波数帯の異なる複数の受信地域において良好なトラッキング特性を有するラジオ受信機に関する。
【0002】
【従来の技術】
受信周波数が異なる複数の地域で使用できるようにした従来のラジオ受信機では、仕向け地域パターン毎の受信周波数範囲および放送局周波数間隔をメモリに格納して、受信時にその情報をメモリから呼び出して使用する。(例えば、特許文献1参照)
また、局部発振周波数が受信周波数より高い地域と、低い地域とで共通に使用できるようにした従来のラジオ受信機では、局部発振同調回路又は受信同調回路で共振周波数に関係する容量(コンデンサ)の値や、容量の接続を受信地域に応じて変更して、いずれの受信地域でも良好なトラッキング特性が得られるようにしている。(例えば、特許文献2参照)
【0003】
【特許文献1】
特開2002−164768号公報
【特許文献2】
特開平5−327546号公報
【0004】
図8は従来のラジオ受信機を例示するブロック図である。以下、図8に示すラジオ受信機30がFM放送を受信するラジオ受信機である場合を例にして説明する。図8に示すラジオ受信機30において、受信同調回路43は、受信アンテナのコイルL3の1次側にトリマコンデンサC4とバリキャップ(可変容量ダイオード)D3とが、高周波では並列に接続され、バリキャップD3の陰極にはPLL回路23から同調電圧VTが印加される。抵抗R1とコンデンサC1とでローパスフィルタ(LPF)を構成する。
局部発振回路18の一部である局部発振同調回路44では、局部発振同調回路42のコイルL4の1次側にコンデンサC6とバリキャップ(可変容量ダイオード)D4とが、高周波では並列に接続される。バリキャップD4の陰極にはPLL回路23から同調電圧VTが印加される。抵抗R3とコンデンサC3とでローパスフィルタ(LPF)を構成する。
【0005】
受信同調回路43のコイルL3の2次側はRF増幅回路11に接続され、RF増幅回路11の出力はミキサ回路13に与えられる。局部発振同調回路44のコイルL4の2次側は局部発振回路18内の発振器に接続されている。局部発振回路18の出力は可変分周器22で分周され、PLL回路23に与えられる。可変分周器22の分周比は受信周波数に応じてMPU(マイクロプロセッサ)27から与えられる。PLL回路23では、可変分周器22の出力と基準発振器25の出力との位相比較が行われ、両者の位相差に応じた同調電圧VTが、抵抗R1を介して可変容量ダイオードD3に与えられ、抵抗R3を介してバリキャップD4に与えられる。
【0006】
前記ミキサ回路13では、局部発振回路18の出力周波数f3とRF増幅回路11の出力周波数f2との差分周波数f1((f3−f2)または(f2−f3))を有する中間周波数信号が生成され、その出力はIF増幅回路(中間周波増幅回路)15に与えられる。IF増幅回路15の出力は検波回路17に与えられ、検波回路17ではFM検波が行われる。検波回路17から後の回路は図示が省略されているが、検波回路17の出力は、増幅器を介してスピーカに印加される。
【0007】
MPU27には仕向け地切替スイッチ33が接続されている。前記仕向け地切替スイッチ33はラジオ受信機の操作者が受信地域を切替えるための切替えスイッチである。また、前記仕向け地切替スイッチ33はラジオ受信機の製造工程でトラッキング調整を行うときに仕向け地を切替えるための切替スイッチともなっている。MPU27は仕向け地切替スイッチ33で選択されている受信地域に応じた受信周波数に対応する分周比を可変分周器22に与える。仕向け地切替スイッチ33で選択可能な仕向け地は、例えば欧州、米国、日本、東欧である。
【0008】
上記のごとく構成されたラジオ受信機30では、局部発振回路18の出力周波数f3は前記受信周波数f2と中間周波数f1との和又は差の周波数とされ、f3は(f2±f1)となる。そして前記局部発振回路18の出力周波数f3は、可変分周器22とPLL回路23と局部発振同調回路44とを含む周波数制御ループにより制御される。すなわち、PLL回路23から出力される同調電圧VTによってバリキャップD4の容量が制御されることにより、局部発振回路18の発振周波数は、可変分周器22の分周比と基準発振器25の周波数とで決定される周波数に制御される。
【0009】
一方、受信同調回路43の同調周波数はアンテナコイルL3の1次側のインダクタンスとトリマコンデンサC4の容量とバリキャップD3の容量とで決定され、バリキャップD3の容量はPLL回路23から与えられる同調電圧VTにより制御される。
FM放送受信機の例では、ミキサ回路13から出力される中間周波数信号の周波数f1は例えば10.7MHzとされ、一定である。また受信周波数がf2であるとすると、局部発振回路18の出力周波数は(f2+f1)又は(f2−f1)に制御される。この場合に、受信同調回路43の同調周波数が前記受信周波数f2と一致していないと、トラキングエラーが生じ、受信感度が低下するという問題がある。このため、所定周波数帯域内のあらゆる受信周波数において、受信周波数f2と受信同調回路43の同調周波数とが一致するように、1又は複数のトラッキング周波数においてトラッキング調整が行われる。
【0010】
トラッキング調整はラジオ受信機の製造過程で概ね下記のように実施される。
まず、仕向け地切替スイッチ33を日本に切り替える。そして、(1)受信周波数を84MHzにして、同調電圧VTがPLL回路23の電源電圧VCCの略1/2になるように、局部発振同調回路44のコイルL4を調整する。(2)次にアンテナコイルL3受信周波数を日本におけるFM放送の比較的高い周波数fj1(例えば86.5MHz)に設定し、この周波数fj1でミキサ回路13の出力レベルがピークとなるようにアンテナコイルL3を調整する。さらに、(3)受信周波数を日本におけるFM放送の比較的低い周波数fj2(例えば79.5MHz)に設定し、この周波数fj2でミキサ回路13の出力レベルがピークとなるようにトリマコンデンサC4を調整する。前記した(2)アンテナコイルL3の調整、(3)トリマコンデンサC4の調整は数回繰り返して行われる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
前記した従来のラジオ受信機の調整方法によれば、日本におけるFM放送の周波数帯域に合わせてトラッキング調整が行われるため、当該ラジオ受信機が日本において使用される場合はトラッキングエラーの問題はない。日本以外の仕向け地へ出荷された場合、または日本以外の受信地域で使用された場合には、操作者が仕向け地切替スイッチ33を受信地域に合わせて切り替えることにより、受信周波数はその受信地域に対応したものにすることが出来る。しかし、仕向け地により受信周波数の帯域が異なるために、前記した高周波回路のトラッキングエラーが大きくなり、受信感度が低下し易いという問題がある。
【0012】
図9は仕向け地別のFM放送受信周波数範囲を示す図である。図9において、日本における受信周波数f2の範囲は76.0MHz〜90MHz、中間周波数f1は10.7MHz、局部発振周波数f3の範囲は65.3MHz〜79.3MHzである。放送周波数は100KHzおきに割り当てられている。
東欧における受信周波数範囲は65.0〜74.0MHzであり、日本のそれと比較して低く、欧州における受信周波数範囲は87.5〜108.0MHz、米国における受信周波数範囲は87.9〜107.9MHzであり、日本のそれと比較して高い。また、日本及び東欧では、f3は(f2−f1)であり、欧州及び米国ではf3は(f2+f1)である。
【0013】
一般にトラッキングエラーは、受信周波数がトラッキングエラーの調整点(トラッキング周波数)からずれるに従って次第に増加する。このために、日本の受信周波数範囲に合わせてトラッキング調整された受信機を用いて、図9に示す日本以外の仕向け地で受信した場合には、トラッキング周波数から離れた周波数範囲で受信感度が低下し易いという問題があった。また、この問題を解決するためには、受信地域に応じて同調回路の部品定数や接続を変更する必要があった。
【0014】
本発明は前記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、受信周波数範囲が異なる複数の受信地域において、ハードウエアを変更することなく良好なトラッキング特性が得られるラジオ受信機を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明における第1の発明は、第1の可変容量ダイオードにより同調周波数が制御される受信同調回路と、該受信同調回路が接続される高周波増幅回路と、第2の可変容量ダイオードにより同調周波数が制御される局部発信同調回路と、該局部発信同調回路が接続される局部発信回路と、前記局部発信回路の出力に応じた周波数の信号と基準信号との位相に応じた信号を前記第2の可変容量ダイオードに与えるPLL(phase locked loop)回路と、前記高周波増幅回路の出力と前記局部発信回路の出力とを混合して中間周波信号を出力するミキサ回路と、仕向け地又は受信地域を選択する仕向け地切替えスイッチとを備えたラジオ受信機において、受信地域及び受信周波数帯に応じたトラッキング補正情報を記憶するメモリと、前記PLL回路の出力を前記トラッキング補正情報に応じて補正して前記第1の可変容量ダイオードに与える補正手段とをさらに備えて、受信時には、前記補正手段の出力を前記第1の可変容量ダイオードに印加して、トラッキング補正をするようにしたラジオ受信機である。
【0016】
第2の発明は、第1の発明のラジオ受信機において、前記トラッキング補正情報は、トラッキング周波数でトラッキング調整をして実測した実測補正値と、受信周波数帯ごとに予め予測された予測補正量とを含むようにしたラジオ受信機である。
【0017】
第3の発明は、第2の発明のラジオ受信機において、前記補正手段は、前記PLL回路の出力と、前記実測補正値と、前記予測補正量との加算結果を出力する加算手段であるようにしたラジオ受信機である。
【0018】
第4の発明は、第3の発明のラジオ受信機において、トラキング調整によって前記実測補正値を得る際に、前記加算手段で前記PLLの出力と加算する補正値を掃引させて、トラッキング周波数と前記受信同調回路の同調周波数とが一致する補正値を前記実測補正値とし、前記メモリに格納するようにしたラジオ受信機である。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。本発明のラジオ受信機は、放送の周波数範囲が異なる複数の受信地域において、RF同調回路の部品の定数や接続を変更することなく、良好なトラッキング特性を有するようにした受信機であり、受信同調回路の可変容量ダイオードに与える同調電圧の補正値を、仕向け地ごとに、受信周波数帯ごとに予めメモリに記憶させておき、受信時には、受信地域と受信周波数に応じて前記メモリに格納した補正値を呼び出して、前記可変容量ダイオードに与えることにより、仕向け地及び受信周波数によらず良好なトラッキング特性を得る。
【0020】
以下、本発明の実施例について、図と共に説明する。図1は本発明ラジオ受信機の一実施例を示すブロック図である。図1に示すラジオ受信機10と図8に示すラジオ受信機30とで、同一構成で同一作用の要素には同一の符号を付し、その説明を省略することがある。以下、ラジオ受信機10がFM放送を受信するラジオ受信機である場合を例にして説明する。
図1に示すラジオ受信機10において、受信同調回路41は、受信アンテナのコイルL1の1次側にコンデンサC2とバリキャップ(可変容量ダイオード)D1とが高周波では並列に接続され、バリキャップD1の陰極には補正された同調電圧VHが加算手段29から与えられる。
【0021】
局部発振回路19の一部である局部発振同調回路42では、局部発振同調回路42のコイルL2の1次側にコンデンサC5とバリキャップ(可変容量ダイオード)D2とが高周波では並列に接続される。バリキャップD2の陰極にはPLL回路23から同調電圧VRが印加される。
受信同調回路41のコイルL1の2次側はRF増幅回路11に接続され、RF増幅回路11の出力はミキサ回路13に与えられる。局部発振同調回路42のコイルL2の2次側は局部発振回路19内の発振器に接続されている。局部発振回路19は周波数を1/2又は1/3に分周する分周回路を含み、局部発振回路19で分周された信号は可変分周器21でさらに分周され、PLL回路23に与えられる。
【0022】
MPU27にはトラッキング補正情報を格納するメモリ31と、補正手段29と、仕向け地切替スイッチ33とが接続される。前記補正手段29は例えば複数の信号を加算する加算手段である。また、前記トラッキング補正情報は、受信地域及び受信周波数帯に応じたトラッキング補正データを含む。前記トラッキング補正データは後述するように、例えば、トラッキング周波数でトラッキング調整をして実測した実測補正値TR(f0)と、受信周波数帯ごとに予め予測された予測補正量Cとを含む。
【0023】
MPU27はトラッキング補正値TRをメモリ31から読みだして加算手段29に与える。前記トラッキング補正信号TRは前記実測補正値TR(f0)と前記予測補正量Cとの和の信号である。TR加算手段29はPLL回路23から出力される同調電圧VRと前記トラッキング補正信号TRとを加算し、その加算結果であるVHを、補正後の同調電圧として抵抗R1を介して可変容量ダイオードD1に与える。
【0024】
MPU27は仕向け地切替スイッチ33で設定された仕向け地又は受信地域を認識して局部発振回路19に与える。局部発振回路19に内蔵する分周回路の分周比は、仕向け地切替スイッチ33で設定された仕向け地又は受信地域に応じて1/2又は1/3に設定され、その出力は可変分周器21に与えられる。可変分周器21の分周比は操作者が行った選局に応じて変更され、分周比はMPU27から可変分周器21に与えられる。
【0025】
PLL回路23では、可変分周器21の出力と基準発振器25の出力との位相比較が行われ、両者の位相差に応じた同調電圧VRが、抵抗R3を介して可変容量ダイオードD2に与えられるとともに、加算手段29にも与えられる。加算手段29の出力VHは抵抗R1を介してバリキャップD1に与えられる。
前記ミキサ回路13では、局部発振回路19の出力周波数f3とRF増幅回路11の出力周波数f2との差分周波数f1=(f3−f2)またはf1=(f2−f3)を有する中間周波数信号が生成され、その出力はIF増幅回路15に与えられる。
【0026】
以下、本発明におけるトラッキング調整の方法について説明する。
図2は本発明に係るトラッキング調整の一例を示すフローチャートである。図2のフローチャートで示すトラッキング調整はラジオ受信機の製造工程で行われる調整である。
図2において、ステップS11では仕向け地切替スイッチ33を日本に設定してステップS13へ進む。ステップS13では、受信周波数を77.5MHzに設定し、PLL回路23の出力がPLL回路23の電源電圧Vccの例えば1/2になるよう、局部発振同調回路42のコイルL2を調整してステップS15へ進む。
【0027】
ステップS15では、受信周波数を79.0MHzにして、加算手段29に与えるトラッキング補正信号TRを掃引して、受信同調回路41の同調周波数が79.0MHzとなるTRを求め、トラッキング調整時の補正値TR(79.0)としてメモリ31に格納してステップS17へ進む。ステップS17では、受信周波数を85.0MHzにし、補正信号TRを掃引して受信同調回路41の同調周波数が85.0MHzとなるTRを求め、TR(85.0)としてメモリ31に格納してステップS19へ進む。ステップS19では、仕向け地切替スイッチ33により仕向け地を東欧に切替え、受信周波数を70.01MHzにして、受信同調回路41の同調周波数が70.01MHzとなるTRを求め、TR(70.01)としてメモリ31に格納してステップS21へ進む。
【0028】
ステップS21では、仕向け地を欧州又は米国に切替え、受信周波数を92.5MHzにして、受信同調回路41の同調周波数が92.5MHzとなるTRを求め、TR(92.5)としてメモリ31に格納してステップS23進む。ステップS23では、受信周波数を102.5MHzにして、受信同調回路41の同調周波数が102.5MHzとなるTRを求め、TR(102.5)としてメモリ31に格納してこのフローを終了する。
【0029】
図3は前記ステップS13で調整された後の、同調電圧VRと局部発振回路19の発振器の発信周波数f4との関係を示す図である。局部発振回路19に内蔵される分周回路の分周比は、受信地域が欧州/米国である場合には1/2とされ、日本、東欧である場合は1/3とされる。したがって、受信地域が欧州の場合には局部発振回路19に内蔵される発振器の発振周波数f4の範囲は196.4〜237.4MHzとなり、受信地域が米国の場合には発振周波数f4の範囲は197.2〜237.2MHz、受信地域が日本である場合には発振周波数f4の範囲は195.9〜237.9MHzとなり、受信地域が東欧である場合には発振周波数f4の範囲は162.9〜189.9MHzとなる。このように、受信地域に応じて局部発振回路19の分周比を切替えることにより、発振周波数f4の最大周波数と最小周波数との比を小さくすることが出来る。
【0030】
また、仕向け地が日本で、且つ受信周波数f2が77.5Hzのとき、局部発振周波数f4は、(77.5−10.7)×3=200.4MHzであり、この周波数においてPLL回路23の出力が例えばVcc/2になるように、前記ステップS13でのトラッキング調整が行われる。図3に示す例は、PLL回路23の電源電圧Vccが8ボルトの場合の例である。
【0031】
図7は、本発明に係るトラッキング補正の一例を示すフローチャートである。図7のフローチャートで示すトラッキング補正は、操作者がラジオ受信機でFM放送の受信周波数を設定した場合や、受信地域を切替えた場合に行われる。
図7において、ステップS31では受信地域に対応するトラッキング補正表をメモリ31から読み出してステップS33へ進む。ステップS33では、受信周波数が設定されたか否かを判別し、設定されていればステップS35へ進む。ステップS35では仕向け地切替スイッチ33で設定されている受信地域に応じて局部発振回路19の分周比を切替え、受信周波数f2に応じて可変分周器21の分周比を切替えて、ステップS37へ進む。
【0032】
ステップS37では、設定されている受信周波数f2を含む周波数帯に対応するトラッキング補正値TR(f0)をメモリ31から読み出してステップS39へ進む。ステップS39では、受信周波数f2に対応するトラッキング補正量(予測補正量)Cをメモリ31から読み出してステップS41へ進む。ステップS41では、加算手段29により、補正後の同調電圧VHとして(VR+TR(f0)+C)に相当する電圧を得てステップS43へ進む。ステップS43では、得られた補正後の同調電圧VHを可変容量ダイオードD1に与えてこのフローを終了する。
【0033】
次に、メモリ31に格納するトラッキング補正表について説明する。前記トラッキング補正表は仕向け地ごとに用意され、各仕向け地に対応するトラッキング補正表は、受信周波数帯ごとに予め予測されたトラッキングの補正量Cを表すものである。
図4は受信地域が日本である場合に適用されるトラッキング補正表を示す図であり、図5は受信地域が東欧である場合に適用されるトラッキング補正表を示す図であり、図6は受信地域が欧州/米国である場合に適用されるトラッキング補正表を示す図である。
【0034】
図4において、受信周波数範囲76.0〜90.0MHzは複数の周波数帯に分けられる。この例ではほ等周波数間隔で7の周波数帯に分割されている。ある受信周波数f2の放送を受信する場合は、受信周波数f2が属する周波数帯を検出し、該周波数帯に対応するトラッキング補正値TR(f0)と予測補正量Cとを用いてトラッキング補正が行われる。
前記トラッキング補正値TR(f0)は、受信周波数f0において、トラッキングエラーがなくなるように調整したときのトラッキング補正信号TRの値であり、TR(79.0)は図2に示すステップS15で得られた値である。また、TR(85.0)はステップS17で得られた値である。予測補正量Cは、仕向け地ごとに、且つ周波数帯ごとに予め設計段階で定められた予測補正量である。加算手段29で補正された後の同調電圧VHは加算手段29から抵抗R1を介して可変容量ダイオードD1に与えられる電圧であり、VHは(VR+TR(f0)+C)である。
【0035】
図4において、例えば、受信周波数が76.0MHz〜81.9MHzの場合は、トラッキング周波数79.0MHzで実測されたトラッキング補正値TR(79.0)が用いられる。また、例えば受信周波数が78.0〜79.9MHzでは、補正後の同調電圧VHは(VR+TR(79.0))であり、例えば、受信周波数が76.0〜77.9MHzでは、補正後の同調電圧VHは(VR+TR(79.0)+p1)である。ここにp1は仕向け地が日本で、受信周波数が76.0〜77.9MHzの場合に適用される予測補正量Cの値である。同様に、例えば、受信周波数が80.0〜81.9MHzでは、補正後の同調電圧VHは(VR+TR(79.0)+p2)である。
【0036】
さらに、受信周波数が82.0MHz〜90.0MHzの場合は、トラッキング周波数85.0MHzで実測されたトラッキング補正値TR(85.0)が用いられる。q1、q2、q3は、図4に示すそれぞれの周波数帯において適用される予測補正量Cの値である。
図5は受信地域が東欧である場合に適用されるトラッキング補正表であり、トラッキング周波数70.01MHzで実測されたトラッキング補正値TR(70.01)が全ての受信周波数帯で用いられ、いずれの受信周波数の場合も、VHは(VR+TR(70.01)+C)である。r1〜r4は同図に示す周波数帯ごとに予め予測された予測補正量Cの値である。
【0037】
図6は受信地域が欧州又は米国である場合に適用されるトラッキング補正表であり、受信周波数が87.50〜97.45MHzではトラッキング周波数92.5MHzで実測されたトラッキング補正値TR(92.5)がトラッキング補正値TR(f0)として用いられる。受信周波数が97.5〜108.0MHzではトラッキング周波数102.5MHzで実測されたトラッキング補正値TR(102.5)がトラッキング調整値TR(f0)として用いられる。
【0038】
前記2つのトラッキング周波数を含む2つの周波数帯以外では、周波数帯ごとに予測された予測補正値x1〜x4、又はy1〜y5のいずれか一つの予測補正値を用いてVHが生成され、抵抗R1を介して可変容量ダイオードD1に与えられる。例えば、受信周波数が87.5〜89.45MHzではトラッキング周波数92.5MHzで実測されたトラッキング補正値TR(92.5)がトラッキング調整値TR(f0)として用いられ、可変容量ダイオードD1に印加されるVHの値は、(VR+TR(92.5)+x1)である。
【0039】
以上詳述したように、本発明を適用した実施の形態によれば、ラジオ受信機の仕向け地別にトラッキング補正情報をメモリに格納しておき、前記各トラッキング補正情報が受信周波数帯ごとに予測されたトラッキングの予測補正量Cを含むようにする。そして、ラジオ受信機の製造工程では、仕向け地ごとに1〜2のトラッキング周波数においてトラッキング調整を行い、そのときのトラッキング補正値TR(f0)を前記トラッキング補正情報の一部として前記メモリに格納する。
受信時には、PLL回路の出力VRと前記トラッキング補正値TR(f0)と前記予測補正量Cとの加算値を、受信同調回路41の可変容量ダイオードD1に与えるようにして、トラッキング補正を行う。
【0040】
このようにして、トラッキング調整及びトラッキング補正を行うことにより、受信周波数範囲が異なる複数の仕向け地に対して、同一のラジオ受信機を出荷することが出来るから、製造が効率よく行われる。また、受信周波数範囲が異なる複数の受信地域において、高周波回路の部品の接続や定数を切替えることなく、トラッキング周波数から離れた受信周波数においても良好なトラッキング特性を得ることが出来、この結果、いずれの受信周波数においても高い受信感度を得ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明ラジオ受信機の要部を示すブロック図である。
【図2】本発明に係るトラッキング調整の一例を示すフローチャートである。
【図3】前記ステップS13で調整された後の、同調電圧VRと局部発振回路19の発振周波数f4との関係を示す図である。
【図4】受信地域が日本である場合に適用されるトラッキング補正表を示す図である。
【図5】受信地域が東欧である場合に適用されるトラッキング補正表を示す図である。
【図6】受信地域が欧州/米国である場合に適用されるトラッキング補正表を示す図である。
【図7】本発明に係るトラッキング補正の一例を示すフローチャートである。
【図8】従来のラジオ受信機の要部を示すブロック図である。
【図9】仕向け地別のFM放送受信周波数範囲を示す図である。
【符号の説明】
11 RF増幅回路
13 ミキサ回路
15 IF増幅回路
17 検波回路
19 局部発振回路
21 可変分周器
23 PLL回路
25 基準発振器
27 MPU(マイクロプロセッサ)
29 加算手段(補正手段)
31 メモリ
33 仕向け地切替スイッチ
41 受信同調回路
42 局部発振同調回路
C2、C5 コンデンサ
C4 トリマコンデンサ
D1、D2 可変容量ダイオード
L1 受信アンテナのコイル
L2 局部発振同調回路のコイル

Claims (4)

  1. 第1の可変容量ダイオードにより同調周波数が制御される受信同調回路と、該受信同調回路が接続される高周波増幅回路と、第2の可変容量ダイオードにより同調周波数が制御される局部発信同調回路と、該局部発信同調回路が接続される局部発信回路と、前記局部発信回路の出力に応じた周波数の信号と基準信号との位相に応じた信号を前記第2の可変容量ダイオードに与えるPLL(phase locked loop)回路と、前記高周波増幅回路の出力と前記局部発信回路の出力とを混合して中間周波信号を出力するミキサ回路と、仕向け地又は受信地域を選択する仕向け地切替えスイッチとを備えたラジオ受信機において、
    受信地域及び受信周波数帯に応じたトラッキング補正情報を記憶するメモリと、前記PLL回路の出力を前記トラッキング補正情報に応じて補正して前記第1の可変容量ダイオードに与える補正手段とをさらに備えて、
    受信時には、前記補正手段の出力を前記第1の可変容量ダイオードに印加して、トラッキング補正をすることを特徴とするラジオ受信機。
  2. 前記トラッキング補正情報は、トラッキング周波数でトラッキング調整をして実測した実測補正値と、受信周波数帯ごとに予め予測された予測補正量とを含むことを特徴とする請求項1記載のラジオ受信機。
  3. 前記補正手段は、前記PLL回路の出力と、前記実測補正値と、前記予測補正量との加算結果を出力する加算手段であることを特徴とする請求項2記載のラジオ受信機。
  4. トラキング調整において前記実測補正値を得る際に、前記加算手段で前記PLLの出力と加算する補正値を掃引させて、トラッキング周波数と前記受信同調回路の同調周波数とが一致する補正値を前記実測補正値とし、前記メモリに格納することを特徴とする請求項3記載のラジオ受信機。
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