JP2004062986A - 磁気記録媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】経時による耐久性劣化が殆どない、信頼性の高いテープ状磁気記録媒体を提供する。
【解決手段】磁気記録媒体10では、非磁性支持体11表面に磁性層12、カーボン保護膜13および潤滑剤層14をこの順に形成する。また、非磁性支持体11裏面にカーボンを含むバックコート層15と潤滑剤層16をこの順に形成する。バックコート層の形成では、顔料と結合剤をこれらの重量比:顔料/結合剤が0.8〜1.2となる範囲で含有する塗料を使用し、かつ、バックコート層の塗布厚(乾燥膜厚)を0.4〜0.6μmの範囲内とする。こうすることで、磁気記録媒体表面に最適量の潤滑剤が長期間安定保持されるため、バックコート層表面の空孔に潤滑剤が吸収されることに起因する、経時による磁気記録媒体の耐久性劣化が殆どなくなる。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、非磁性支持体の表面に磁性層、裏面にバックコート層をそれぞれ形成した磁気記録媒体およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来よりテープ状の磁気記録媒体(磁気テープ)として、非磁性支持体上に酸化物磁性粉末あるいは合金磁性粉末などの粉末磁性材料を、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂等の有機結合剤中に分散せしめた磁性塗料を塗布し、これを乾燥することにより作製された、塗布型の磁気記録媒体が広く使用されている。
【0003】
これに対して、高密度記録への要求の高まりと共に、Co−Ni合金、Co−Cr合金、Co−O等の金属磁性材料を、メッキや真空薄膜形成手段(真空蒸着法やスパッタリング法、イオンプレーティング法等)によってポリエステルフィルム、ポリアミドフィルム、ポリイミドフィルムなどの非磁性支持体上に直接被着した、いわゆる金属磁性薄膜型(蒸着型)の磁気記録媒体が提案され注目を集めている。
【0004】
この金属磁性薄膜型の磁気記録媒体は抗磁力や角型比に優れ、磁性層の厚みを極めて薄くできるため、記録減磁や再生時の厚み損失が著しく小さく、短波長での電磁変換特性に優れるばかりでなく、磁性層中に非磁性材料である結合剤を配合する必要がないため、磁性材料の充填密度を高めることができるなど、数々の利点を有している。即ち、金属磁性薄膜型の磁気記録媒体は、磁気特性的な優位さ故に高密度磁気記録の主流になると考えられている。
【0005】
今後、さらなる高密度化の流れからスぺーシングロス損失を少なくするため、磁気記録媒体は平滑化される傾向にある。しかし記録媒体の平滑化に伴い、磁気ヘッドと磁気記録媒体との間の摩擦力が増大し、記録媒体に生じるせん断応力は大きくなる。このため最近では、磁気記録媒体に対する摺動耐久性向上の要求が厳しくなっており、この要求に応える目的で磁性層表面に保護膜層を形成する技術の検討がなされてきた。
【0006】
また上記摺動耐久性向上のために潤滑剤の研究が進められ、種々の潤滑剤が開発された。しかしながら、蒸着法等の金属磁性薄膜製造法では磁性層内部に添加することは不可能であり、溶媒中に潤滑剤を溶解・希釈した溶液を塗布する、いわゆるトップコート法により潤滑剤層が表層に形成されている。
【0007】
一方、図2に示す従来の磁気記録媒体20は、非磁性支持体21の表面に磁性層22と、潤滑剤層23をこの順に積層し、非磁性支持体21の裏面にバックコート層24を形成した構造となっている。このバックコート層24は、カーボン粒子などの非磁性顔料および樹脂結合剤を分散させたもので、磁気記録媒体20の走行を安定させる目的で設けられる。通常、バックコート層24は塗布法で形成され、その厚みは0.5μm程度とされる。
【0008】
しかしながら、塗布法で形成された上記バックコート層24は、高度な多孔質状態となっている。上記磁気記録媒体20では、実際の使用に際し図3に示すように記録・再生装置を構成する所定の部品(図略)に巻き取られると、図面上側の磁気記録媒体20のバックコート層24と、図面下側の磁気記録媒体20の潤滑剤層23が互いにごく接近した状態で対向する。このため時間の経過につれて、バックコート層24表面に存在する空孔24aが潤滑剤層23の潤滑剤を吸収(吸着状態)し、磁性層22上の潤滑剤量が減少する結果、磁気記録媒体20の耐久性が劣化するといった欠点があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
したがって本発明の目的は、耐久性に富み、信頼性の高い磁気記録媒体を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的達成のため本発明者らは鋭意検討した結果、バックコート層による潤滑剤吸収の問題を防止することができるバックコート層形成用の塗料組成を見出し、またその膜厚を最適範囲に設定することで磁性層上に存在する潤滑剤量を最適化し、本発明に到達した。
【0011】
本発明は、非磁性支持体の表面に磁性層として金属磁性薄膜を真空蒸着法により形成し、前記非磁性支持体の裏面にバックコート層を塗布により形成した磁気記録媒体において、前記バックコート層が顔料と結合剤とを、重量比:顔料/結合剤(硬化剤含む)が0.8〜1.2となる範囲で含有し、かつ、該バックコート層の塗布厚が0.4〜0.6μmの範囲にあることを特徴とする磁気記録媒体である。
【0012】
本発明の磁気記録媒体としては、少なくとも前記磁性層側の表面に潤滑剤がトップコート方式で塗布されていることが好ましい。
【0013】
また本発明は、非磁性支持体の表面に磁性層として金属磁性薄膜を真空蒸着法により形成し、前記非磁性支持体の裏面にバックコート層を塗布により形成した磁気記録媒体の製造方法において、顔料と結合剤とを、重量比:顔料/結合剤(硬化剤含む)が0.8〜1.2となる範囲で含有する塗料を塗布し、次いで乾燥して、塗布厚0.4〜0.6μmのバックコート層を形成した後、少なくとも前記磁性層側の表面に潤滑剤を溶剤に溶解・希釈してなる潤滑剤溶液をトップコート方式で塗布することを特徴とする磁気記録媒体の製造方法である。
【0014】
前記顔料/結合剤比が0.8未満では潤滑剤のVTRヘッドへの付着量が増大し、レベルダウンの劣化が生じ、1.2を超えると結合剤成分が少ないために空孔が増大し、潤滑剤のバックコート層への吸収が増加し、摩擦上昇、スチル特性劣化が生じる。
また、バックコート層の塗布厚が0.4μm未満ではバックコート層への潤滑剤の吸収が少なく潤滑剤は磁性層に存在しているが、これがVTRヘッドに付着し、レベルダウンの劣化を引き起こし、0.6μmを超えると経時によりバックコート層への潤滑剤の吸収が多くなり、摩擦の上昇、スチル特性の劣化がみられる。
【0015】
上述の本発明のバックコート層によれば、この層の空孔が極力低く抑えられ、潤滑剤の吸収が妨げられる結果、磁性層上に潤滑剤を最適量で存在させることができて、磁気記録媒体の耐久性が向上する。
【0016】
従来の塗布型磁気記録媒体では、潤滑剤を磁性層内部に内添することが可能であり、表面に存在する潤滑剤が走行により損失しても、磁性層の空孔を通して内部から潤滑剤が供給されるといったメカニズムが成り立っていた。しかし、蒸着型磁気記録媒体は、磁性層への潤滑剤内添が不可能であり、潤滑剤層がトップコート法で塗布されている。このため、潤滑剤が磁気記録媒体の表面にのみ存在していることから潤滑剤損失が補填されないため、走行により耐久性が劣化する。その上、バックコート層への潤滑剤吸収により潤滑剤が減少するため、耐久性劣化は加速される。上述したように、バックコート層は高度に多孔質であることから、潤滑剤の吸収量が大きい。よって、この空孔の減少が潤滑剤吸収の減少、ひいては磁気記録媒体の耐久性向上に繋がる。
【0017】
上述の潤滑剤吸収を回避する方法としては、磁性層に塗布する(存在させる)潤滑剤量の増加がある。潤滑剤を多量に存在させ、バックコート層に吸収されたとしても、最適量を存在させることが可能である。しかし、吸収には時間がかかり、時間経過により吸収の合計量が増大していくことから、使用初期の磁気記録媒体では、磁性層に多量の潤滑剤が存在する。潤滑剤が多量に存在した場合、VTRヘッドへの貼りつき等の問題が発生するため、潤滑剤を多量に存在させる方法は、問題解決手段として採用することはできない。
【0018】
よって、耐久性に優れた蒸着型磁気記録媒体を得るためには、潤滑剤がバックコート層の空孔に吸収されるのを抑制することが重要である。本発明は、この点を考慮してなされたものである。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。図1は本発明による磁気記録媒体の構造を示す模式的断面図である。この磁気記録媒体10では、非磁性支持体11としてのベースフィルムの一方の面(表面)に磁性層12が形成され、この磁性層12上に形成されたカーボン保護膜13により磁性層12が保護され、さらにこのカーボン保護膜13上に、この磁気記録媒体10走行時の摺動性を良好にするための潤滑剤層14が塗布形成されている。また、非磁性支持体11の裏面すなわち、磁性層12が形成された側と反対側の面には、カーボンブラックを含むバックコート層15と、その表面に潤滑剤層16とが塗布形成されている。
【0020】
なお、本発明の磁気記録媒体では、図1の構造に替えて潤滑剤層を磁性層側の表面のみに塗布した構成を採ることもできる。
【0021】
非磁性支持体(ベースフィルム)11としては、公知のプラスチックフィルム、たとえばポリエステルフィルム、ポリアミドフィルム、ポリイミドフィルム等が使用できる。また、潤滑剤層14を形成する潤滑剤としては、フッ素化炭素系化合物等が使用できる。
【0022】
磁性層12に用いる磁性材料としては、通常の蒸着型磁気テープに使用されているものであれば如何なるものであっても良い。例えばFe,Co,Ni等の強磁性金属、Fe−Co,Co−O,Fe−Co−Ni,Fe−Cu,Co−Cu,Co−Au,Co−Pt,Mn−Bi,Mn−Al,Fe−Cr,Ni−Cr,Fe−Co−Cr,Co−Ni−Cr,Fe−Co−Ni−Cr等の強磁性合金が挙げられる。また磁性層12は、上記磁性材料から任意に選ばれた一種類の磁性材料よりなる単層膜として形成しても良いし、上記磁性材料から任意に選ばれた複数種類の磁性材料よりなる多層膜(2層または、3層以上を積層する)であっても良い。さらには、非磁性支持体11と磁性層12との間に、あるいは上記多層膜の場合には各層間の付着力向上および抗磁力の制御などのため、これら層間に、それぞれ下地層または中間層を設けても良い。さらに、耐食性改善のため、例えば磁性層の表面近傍を酸化物とすることも有効である。
【0023】
磁性層12を上述の蒸着型により形成する手段としては、(a)真空下で強磁性材料を加熱蒸発させ、非磁性支持体上に沈着させる真空蒸着法、(b)強磁性金属材料の蒸発を放電中で行うイオンプレーティング法、(c)アルゴンを主成分とする雰囲気中でグロー放電を起こさせ、生じたアルゴンイオンによりターゲット表面の原子をたたき出すスパッタ法等、いわゆるPVD(物理的気相成長)技術が採用できる。
【0024】
カーボン保護膜13は通常、スパッタ法によって形成される。
【0025】
バックコート層15は非磁性顔料であるカーボンを主顔料とするが、必要に応じて以下の非磁性顔料、たとえばヘマタイト、雲母、シリカゲル、酸化マグネシウム、硫化亜鉛、炭化タングステン、窒化ホウ素、酸化亜鉛、カオリン、タルク、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、アルミナ、酸化チタン、ポリテトラフルオロエチレン粉末、ポリエチレン粉末、ポリ塩化ビニル粉末、非磁性金属粉等を併用しても良い。
【0026】
そして、上述の非磁性顔料を結合剤および有機溶剤と共に混練することによりバックコート塗料を調製し、この塗料をベースフィルムの磁性層とは反対の面に塗布することにより、バックコート層を形成する。このとき使用される結合剤や有機溶剤は、いずれも従来公知のものが使用可能である。
【0027】
例えば、結合剤としては、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−マレイン酸共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、アクリル酸エステル−塩化ビニリデン共重合体、メタクリル酸エステル−スチレン共重合体、熱可塑性ポリウレタン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリフッ化ビニル、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−メタクリル酸共重合体、ポリビニルブチラール、セルロース誘導体、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、熱硬化性ポリウレタン樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、尿素−ホルムアルデヒド樹脂または、これらの混合物が挙げられる。これらの中では、柔軟性を付与するとされているポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体が望ましい。これらは、イソシアネート化合物を架橋剤(硬化剤)として加えて耐久性をより向上させたもの、或いは適当な極性基を導入したものであっても良い。
【0028】
また、上記有機溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤が挙げられる。
【0029】
【実施例】
以下、本発明の実施例について更に詳細に説明する。図3に示す構成の磁気記録媒体を作製して、各種特性の測定を行った。
【0030】
(実施例1)
非磁性支持体として、厚み10μmのPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムからなるベースフィルムを用意し、このベースフィルムの一方の面に蒸着法により、Co単層膜からなる厚み200nmの磁性層を形成した。このとき磁性層の成膜条件は次のようにした。
(1)蒸着の入射角度:45〜90°
(2)導入ガス:酸素ガス
(3)蒸着時の真空度:2×10−2Pa
【0031】
また、この磁性層の表面に、アルゴンガスを導入ガスとしたスパッタ法により、厚み10nmのカーボン保護膜を形成した。このときの圧力は0.5Pa、電力は7kWとした。
【0032】
次に、ベースフィルムの磁性層と反対の側の面(裏面)にバックコート層を塗布形成した。バックコート塗料は、下記表1に示す組成(組成1)で調製した。塗布直前に、この塗料に硬化剤(表1)を添加した。この場合、塗料100重量部に対する硬化剤の割合を21重量部とした。そして、このバックコート塗料をベースフィルム上に乾燥膜厚で0.4μmとなるように塗布しバックコート層を形成した。
【0033】
【表1】
Figure 2004062986
【0034】
上記カーボン保護膜およびバックコート層形成後のフィルムをテープ幅8mmにスリットし、これを潤滑剤(パーフルオロポリエーテル:アウシモント社製Z−25)の有機溶剤溶液中を浸漬通過させるトップコート法により、上記フィルムのカーボン保護膜およびバックコート層の各表面に潤滑剤を塗布し、磁気記録媒体を作製した。このトップコート法では磁性層上、バックコート層上の各潤滑剤層の塗布量が10mg/mとなるようにした。
【0035】
(実施例2)
バックコート層の乾燥膜厚が0.6μmとなるようにしたこと以外は、実施例1と全く同様の製造法にて磁気記録媒体を作製した。
【0036】
(実施例3)
実施例1と同様の製造法にて磁性層を形成した。バックコート塗料は下記表2に示す組成(組成2)にて調製した。この塗料に、塗布直前に硬化剤(表2)を添加した。この場合、塗料100重量部に対し硬化剤14重量部の割合で添加した。そして、このバックコート塗料をベースフィルム上に乾燥膜厚で0.4μmとなるように塗布してバックコート層を形成した。その後のスリット工程、潤滑剤塗布工程を実施例1と同様にして磁気記録媒体を作製した。
【0037】
【表2】
Figure 2004062986
【0038】
(実施例4)
バックコート層の乾燥膜厚が0.6μmとなるようにしたこと以外は、実施例3と全く同様の製造法にて磁気記録媒体を作製した。
【0039】
(比較例1)
バックコート層の乾燥膜厚が0.3μmとなるようにしたこと以外は、実施例1と全く同様の製造法にて磁気記録媒体を作製した。
【0040】
(比較例2)
バックコート層の乾燥膜厚が0.7μmとなるようにしたこと以外は、実施例1と全く同様の製造法にて磁気記録媒体を作製した。
【0041】
(比較例3)
バックコート層の乾燥膜厚が0.3μmとなるようにしたこと以外は、実施例3と全く同様の製造法にて磁気記録媒体を作製した。
【0042】
(比較例4)
バックコート層の乾燥膜厚が0.7μmとなるようにしたこと以外は、実施例3と全く同様の製造法にて磁気記録媒体を作製した。
【0043】
(比較例5)
上述の実施例1と同様の製造法にて磁性層を形成した。バックコート塗料は下記表3に示す組成(組成3)にて調製した。この塗料に、塗布直前に硬化剤(表3)を添加した。この場合、塗料100重量部に対し硬化剤24重量部の割合で添加した。そして、このバックコート塗料をベースフィルム上に乾燥膜厚で0.6μmとなるように塗布し、バックコート層を形成した。その後のスリット工程、潤滑剤塗布工程を実施例1と同様にして磁気記録媒体を作製した。
【0044】
【表3】
Figure 2004062986
【0045】
(比較例6)
実施例1と同様の製造法にて磁性層を形成した。バックコート塗料は下記表4に示す組成(組成4)にて調製した。この塗料に、塗布直前に硬化剤(表4)を添加した。この場合、塗料100重量部に対し硬化剤13重量部の割合で添加した。そして、このバックコート塗料をベースフィルム上に乾燥膜厚で0.6μmとなるように塗布し、バックコート層を形成した。その後のスリット工程、潤滑剤塗布工程を実施例1と同様にして磁気記録媒体を作製した。
【0046】
【表4】
Figure 2004062986
【0047】
これら実施例1〜4および比較例1〜6で作製した磁気記録媒体の各試料につきて、次の各測定を行って特性を比較した。すなわち、磁気記録再生装置としてソニー8mmVTR(CVD1000)を用い、室温下で、再生・巻戻し走行を1パスとして、これを100パス繰り返した後に摩擦係数、レベルダウンおよびスチル時間を、以下の要領で測定した。
(1)摩擦係数:室温下で100パス後の摩擦係数を測定した。
(2)レベルダウン:室温下で100回パスした後の信号レベルの低下を測定した。
(3)スチル時間:室温下で100回パス後のスチル時間を測定した。
【0048】
上記(1)〜(3)の各測定を、磁気記録媒体作製の1日後、10日後、100日後にそれぞれ行って経時変化を調べた。測定結果を下記表5に示す。
【0049】
【表5】
Figure 2004062986
【0050】
表5で明らかなように、各実施例では上記3つの特性が100日経過後も殆ど変化がなく、良好な耐久性を示している。
【0051】
これに対し、バックコート層膜厚を薄くした比較例1,3ではバックコート層への潤滑剤の吸収が少なく磁性層に存在しているが、潤滑剤量多量であるため、これがVTRヘッドに付着し、レベルダウンの劣化を引き起こした。また、バックコート層膜厚を厚くした比較例2,4では経時によりバックコート層への潤滑剤の吸収が多くなった結果、摩擦の上昇、スチル特性の劣化がみられる。
【0052】
バックコート層の顔料/結合剤比(P/B比)を下げた(結合剤量を増やした)比較例5では、潤滑剤のバックコート層への吸収は低減されたが、比較例1,3と同様にVTRヘッドへの付着量が増大し、レベルダウンの劣化が生じた。
【0053】
バックコート層のP/B比を上げた(結合剤を減らした)比較例6では、潤滑剤のバックコート層への吸収が増加し、摩擦上昇、スチル特性劣化が生じた。
【0054】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明によれば、非磁性支持体の表面に磁性層として金属磁性薄膜を真空蒸着法により形成し、非磁性支持体の裏面にバックコート層を塗布により形成した磁気記録媒体において、バックコート層の成分・組成および、その塗布厚を所定のものとすることにより、磁気記録媒体表面に最適量の潤滑剤が長期間安定保持されるため、バックコート層表面の空孔に潤滑剤が吸収されることに起因する、経時による磁気記録媒体の耐久性劣化が殆どなくなり、信頼性の高い磁気記録媒体を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気記録媒体の構造を示す模式的断面図である。
【図2】従来の磁気記録媒体の構造を示す模式的断面図である。
【図3】図2の磁気記録媒体の問題点を説明する模式的断面図である。
【符号の説明】
10…磁気記録媒体、11…非磁性支持体、12…磁性層、13…カーボン保護層、14…潤滑剤層、15…バックコート層、16…潤滑剤層、20…磁気記録媒体、21…非磁性支持体、22…磁性層、23…潤滑剤層、24…バックコート層、24a…空孔。

Claims (3)

  1. 非磁性支持体の表面に磁性層として金属磁性薄膜を真空蒸着法により形成し、前記非磁性支持体の裏面にバックコート層を塗布により形成した磁気記録媒体において、
    前記バックコート層は顔料と結合剤とを、重量比:顔料/結合剤(硬化剤含む)が0.8〜1.2となる範囲で含有し、かつ、該バックコート層の塗布厚が0.4〜0.6μmの範囲にあることを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 少なくとも前記磁性層側の表面には、潤滑剤がトップコート方式で塗布されていることを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体。
  3. 非磁性支持体の表面に磁性層として金属磁性薄膜を真空蒸着法により形成し、前記非磁性支持体の裏面にバックコート層を塗布により形成した磁気記録媒体の製造方法において、
    顔料と結合剤とを、重量比:顔料/結合剤(硬化剤含む)が0.8〜1.2となる範囲で含有する塗料を塗布し、次いで乾燥して、塗布厚0.4〜0.6μmのバックコート層を形成した後、少なくとも前記磁性層側の表面に潤滑剤を溶剤に溶解・希釈してなる潤滑剤溶液をトップコート方式で塗布することを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
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