JP2003331411A - 磁気記録媒体とその製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体とその製造方法

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JP2003331411A JP2002132724A JP2002132724A JP2003331411A JP 2003331411 A JP2003331411 A JP 2003331411A JP 2002132724 A JP2002132724 A JP 2002132724A JP 2002132724 A JP2002132724 A JP 2002132724A JP 2003331411 A JP2003331411 A JP 2003331411A
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諭 佐藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気抵抗型ヘッドで記録信号の再生が行われ
る記録再生システムの垂直記録媒体として使用すること
ができる、高保磁力でS/Nが高く、優れた保存安定性
を有する高記録密度の磁気記録媒体およびその製造方法
を提供する。 【解決手段】 非磁性支持体からなる基板1の一主面上
に真空蒸着装置を用いて酸素導入量0.2〜0.8sc
cmの条件下、該基板1を100〜400℃に加熱し
て、Co、PtおよびOからなり、かつCoとPtとを
主成分にし、その組成式をCo(100−X)PtXとした
時に、x=60〜90(原子%)とする含有割合に制御
した金属磁性薄膜からなる磁性層2を形成し、該磁性層
2の表面に炭素保護膜層3を成膜し、更に該炭素保護膜
層3の表面に潤滑層4を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気テープや磁気
ディスク等の高密度記録再生に適用できる金属磁性薄膜
型の磁気記録媒体に関し、更に詳しくは、磁気抵抗型ヘ
ッドで記録信号の再生が行われる記録再生システムに使
用することができる垂直磁化の磁気記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、磁気テープや磁気ディスク等の磁
気記録媒体には高記録密度化が益々要求されるようにな
ってきている。特に最近では磁気記録媒体の更なる高記
録密度化を達成するために、記録信号の再生ヘッドとし
て磁気抵抗型ヘッド(MRヘッド)が使用されており、
その用途はハードディスクだけでなく磁気テープにも拡
大している。このような用途には薄膜型の磁気記録媒体
が用いられており、高記録密度化に向け、更なる高保磁
力化および低ノイズ化が求められている。また、高記録
密度化と同時に長期にわたってデータの保存が可能な、
いわゆるアーカイブ性に対する要求も益々厳しくなって
いる。
【0003】高保磁力化および低ノイズ化の要求に対し
ては、Co−Cr合金系の薄膜や、Co−Pt多層膜な
どの垂直磁化膜(垂直膜)に関して多くの検討が行われ
てきている。このような垂直膜の特性の中でも特に重要
となるのが再生信号のC/Nを確保することであり、こ
のためには、磁気記録媒体を構成する金属磁性薄膜の磁
性結晶粒子(磁性粒子)を記録ビットの縮小にある程度
対応して微細化することが必要になってくる。磁性粒子
の微細化のためには、金属磁性薄膜からなる磁性層の形
成の際に下地層を設けたり、磁性合金中に他の元素を添
加したり、磁性層を何層にも区切るなど種々の工夫がな
されている。しかしながら、これらの手法では磁性膜の
構造が複雑になり、膜厚や組成の制御が煩雑で難しいた
め製造上の課題も多い。
【0004】一方、真空蒸着法により作製される金属磁
性薄膜型の斜め蒸着テープは磁化容易方向を斜めに配向
させるために、マスク等を設けて蒸着磁性粒子の斜め成
分だけを非磁性支持体からなる基板上に被着する必要が
あるため、真空蒸着設備が複雑となるだけでなく、蒸着
磁性原料の多くがマスクなどに付着してしまうため原料
ロスも大きい。また蒸着テープで主流となっているCo
−CoO磁性膜は保管環境によっては酸化が進むため記
録信号の劣化が問題であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な問題点に鑑みてなされたもので、その目的は真空蒸着
法により高レートでしかも容易に作製することができ、
磁気抵抗型ヘッドで記録信号の再生が行われる記録再生
システムの垂直記録媒体として使用することができる、
高保磁力でS/Nが高く、優れた保存安定性を有する高
記録密度の磁気記録媒体およびその製造方法を提供する
ことにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明に係る磁気記録媒体は、非磁性支持体からな
る基板の一主面上にCo−Pt合金を主成分とする垂直
磁化の金属磁性薄膜を形成することにより、前述の金属
磁性薄膜、例えばスパッタ膜や蒸着膜における課題を解
決するものである。すなわち、真空蒸着法を適用し、酸
素の導入量と基板の加熱温度とを制御しながらCo―P
t合金の組成を最適に制御して垂直膜を形成することに
より、例えば単層構造であるにもかかわらず磁性粒子の
微細化が実現し、保磁力Hcが非常に高く、再生信号の
C/Nが高い磁気記録媒体が得られるばかりでなく、C
oに対してPtの含有量を多くすることにより、保存安
定性の非常に優れた磁気記録媒体が得られることを見出
した。更に、Co―Pt合金組成の制御によって磁化容
易軸を垂直方向にすることが可能であるため、従来の斜
め蒸着のようにマスクを設けて入射角を制御する必要が
なく、非常に高い生産性で磁気記録媒体の製造を実現し
得ることを見出した。
【0007】本発明は、上記知見に基づいてなされたも
ので、非磁性支持体からなる基板の一主面上に、Co、
PtおよびOからなり、かつCoとPtとを主成分と
し、その組成式をCo(100−X)PtXとした時に、x
=60〜90(原子%)とする含有割合にした金属磁性
薄膜を磁性層として形成することによって、高保磁力H
cであり、C/Nに優れ、磁気抵抗型ヘッドで記録信号
の再生が行われる記録再生システムに適用することがで
き、かつ長期間保管しても記録の劣化が見られない磁気
記録媒体が提供される。更に、上記CoおよびPtを主
成分とし、その組成式をCo(100−X)PtXとした時
に、x=60〜90(原子%)とする含有割合であるよ
うな金属磁性薄膜からなる磁性層を真空蒸着により形成
する磁気記録媒体の製造方法において、前記真空蒸着時
に、前記基板を100〜400℃で加熱し、0.2〜
0.8sccmの酸素を導入しつつ行うことによって、
金属磁性薄膜の磁気的分離を適性なものとし、十分な保
持力Hcが得られるとともにC/Nが良好である垂直磁
化膜の形成が容易に行える磁気記録媒体の製造方法が提
供される。特に、Co−Pt組成および基板温度を制御
することによって磁化容易軸を垂直方向とすることが可
能であるため、従来の斜め蒸着テープのように入射方向
をマスクなどによって遮蔽することなく垂直膜が得られ
るため、マスクによる蒸着磁性粒子のカット、すなわち
原料のロスが非常に少ない、高レートの製膜が可能であ
る。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る磁気記録媒体
の好適な実施の形態を詳細に説明する。本発明を適用し
た垂直磁化型の磁気記録媒体は、前記のように非磁性支
持体からなる基板の一主面上にCo―Pt合金の金属磁
性薄膜からなる磁性層が形成されてなるものであり、特
にMRヘッドで記録信号の再生が行われる記録再生シス
テムに用いられて好適である。
【0009】ここで、磁性層を構成する金属磁性薄膜
は、前記のようにCo、PtおよびOからなり、かつC
oとPtを主成分とするCo―Pt合金であり、Ptの
含有量、すなわち組成式をCo(100−X)PtXとする
時、組成量xは60〜90原子%の範囲にある。このよ
うなCo−Pt合金からなる金属磁性薄膜において、C
oに対してPtの組成量を多くすると、fct構造(面
心正方構造)となり、基板に対して垂直方向に磁化容易
軸を持つ。一方、Ptの組成量xが20原子%程度より
少ないとhcp構造(六方最密充填構造)を取り、磁化
容易軸が面内方向になる。このような構造変化から、P
tの組成量xが60原子%より少ないと面内磁化成分が
増加するため、垂直媒体として適さなくなる。更に、P
tの組成量xが少なくなると相対的にCoが増加するた
め、耐食性も低くなる。また、面内磁化膜では、酸素の
導入下に行われる蒸着磁性粒子の酸化に基づく保磁力H
cの増加も見られない。他方、Ptの組成量xが90原
子%を越えると、磁化が低くなり磁気記録媒体として十
分な出力が得られなくなる。
【0010】上記、磁性層形成時の基板温度は、100
〜400℃の範囲が好ましく、更に好ましくは200〜
300℃の範囲である。基板温度が100℃未満である
と垂直方向への配向が十分とならない。また、300℃
以上では配向はほぼ一定となるため、それ以上温度を上
げても効果はあまり変わらないが、基板への熱負荷など
を考慮すると400℃以下にすることが好ましい。
【0011】また、Co−Pt合金の蒸着時における酸
素導入量は、0.2〜0.7sccm(cm3/mi
n)の範囲が好ましい。酸素導入量が0.2sccmよ
り少ないと金属磁性薄膜の磁気的分離が少なく、十分な
保磁力Hcが得られない。一方、酸素導入量が0.7s
ccmを越えると金属磁性薄膜中の酸素量が多過ぎるた
め、磁性が発現しない。
【0012】上記金属磁性薄膜からなる磁性層の厚みは
特に限定されないが、20〜200nmの範囲が好まし
い。磁性層の膜厚が20nmより薄くなると磁気記録媒
体の出力が低くなり、保磁力Hcも低下する。このた
め、長期間保管した際にデータの損失が生じる場合があ
る。一方、磁性層の膜厚が増加すると保磁力Hcが高く
なり、安定した信号保持が可能となるが、膜厚増加に伴
って粒子が大きくなるためにC/Nが悪化する。更に、
蒸着レートやコストの面では膜厚を比較的薄くする方が
好ましいため、膜厚の上限を200nm程度にすること
が妥当である。
【0013】更に、磁性層の表面には磁気記録媒体の耐
久性や耐候性を高める目的で、硬質炭素に代表されるよ
うな保護膜を設けてもよい。このような保護膜はスパッ
タリング法やCVD法等を用いて、膜厚がスペーシング
やテープ特性に影響を与えない6〜10nm程度に形成
されるのが好ましい。また、この保護膜の表面に潤滑剤
を塗布することにより、磁気記録媒体の走行性を高める
ことも可能である。
【0014】非磁性支持体からなる基板としては、特に
限定されないが、例えばAl基板、NiPめっきAl合
金基板、強化ガラス基板、結晶化ガラス基板、セラミッ
クス基板、Si合金基板、Ti合金基板、カーボン基
板、およびこれらの複合材料からなるディスク状の基板
や、ポリイミドあるいはポリアミドなどの耐熱性に優れ
たプラスチックフィルムからなるディスク状、もしくは
テープ状のものが使用できる。磁気テープの基板、すな
わち非磁性支持体としてプラスチックフィルムを用いる
場合、通常その厚さは2〜10μmの範囲にあり、構成
は単層であっても2層以上の積層フィルムであってもよ
い。
【0015】更にまた、非磁性支持体からなる基板の磁
性層が形成された面とは反対側の基板表面にバックコー
ト層を設けてもよい。その際、易接着層を設けてバック
コート層との接着性を高めることもできる。また、磁気
記録媒体の耐久性や走行性、あるいは成膜時におけるテ
ープのハンドリングを向上させるために、無機質などの
粒子を前記フィルム中に内在させてもよい。該粒子とし
ては炭酸カルシウム、シリカ、アルミナ等が例示される
がこれらに限定されない。
【0016】
【実施例】以下、本発明を適用した具体的な実施例につ
いて実験結果に基づき説明する。ただし、本発明はなん
ら実施例に限定されるものではない。
【0017】実施例1 図1の断面模式図に示す構成層を以下のように順次形成
して磁気記録媒体を作製した。まず、厚さ7μmのポリ
イミドフィルム製の基板1表面上に、真空蒸着装置を用
いてCo−Pt合金を蒸着源とし、酸素ガス0.6sc
cmの導入下に真空蒸着を行って、膜厚100nmのC
o、PtおよびOからなる金属磁性薄膜の磁性層2を成
膜した。蒸着の際に蒸着原料を収容する、るつぼ中にワ
イヤー状のCoをフィードすることにより、蒸着された
Co、PtおよびOからなる金属磁性薄膜の主成分であ
るCoとPtの組成式をCo(100−X)PtXとした時
に、組成量xが常に80原子%、すなわちCo20Pt80
となるように制御した。なお、金属磁性薄膜が走行しな
がらその外周面で蒸着成膜される温度制御可能な回転ロ
ール、すなわちキャンの温度を300℃に制御し、この
温度に基板1を加熱して蒸着を行った。
【0018】次に、形成された磁性層2表面に炭素保護
膜層3をスパッタリング法により成膜した。成膜条件
は、ターゲットにカーボンを用い、真空装置の背圧を4
×10 -3Pa、Arガス圧を4×10-1Pa、スパッタ
電力を6kWに設定し、炭素保護膜層3の膜厚が6nm
になるように制御して成膜した。更に、得られた炭素保
護膜層3表面にパーフルオロポリエーテル系潤滑剤を塗
布して潤滑層4を形成した。上記のように、表面上に磁
性層2、炭素保護膜層3、潤滑層4を形成したポリイミ
ドフィルム製基板1を、円盤状に打ち抜き、これをガラ
スディスクに張り合わせて評価用の磁気記録媒体を作製
した。
【0019】実施例2 前記実施例1において、酸素ガスの導入量を0.2sc
cmとしたほかは、実施例1と同様にして主成分がCo
−Pt金属磁性薄膜(Co20Pt80:組成量は原子%)
からなる磁性層2を蒸着により成膜し、同様にして炭素
保護膜層3、潤滑層4を形成し、円盤状に打ち抜き、ガ
ラスディスクに張り合わせて評価用の磁気記録媒体を作
製した。
【0020】実施例3 前記実施例1において、酸素ガスの導入量を0.8sc
cmとしたほかは、実施例1と同様にして主成分がCo
−Pt金属磁性薄膜(Co20Pt80:組成量は原子%)
からなる磁性層2を蒸着により成膜し、同様にして炭素
保護膜層3、潤滑層4を形成し、円盤状に打ち抜き、ガ
ラスディスクに張り合わせて評価用の磁気記録媒体を作
製した。
【0021】実施例4 前記実施例1において、磁性層2の膜厚を20nmと
し、酸素ガスの導入量を0.4sccmとしたほかは、
実施例1と同様にして主成分がCo−Pt金属磁性薄膜
(Co20Pt80:組成量は原子%)からなる磁性層2を
蒸着により成膜し、同様にして炭素保護膜層3、潤滑層
4を形成し、円盤状に打ち抜き、ガラスディスクに張り
合わせて評価用の磁気記録媒体を作製した。
【0022】実施例5 前記実施例1において、磁性層2の膜厚を20nmと
し、酸素ガスの導入量を0.8sccmとしたほかは、
実施例1と同様にして主成分がCo−Pt金属磁性薄膜
(Co20Pt80:組成量は原子%)からなる磁性層2を
蒸着により成膜し、同様にして炭素保護膜層3、潤滑層
4を形成し、円盤状に打ち抜き、ガラスディスクに張り
合わせて評価用の磁気記録媒体を作製した。
【0023】実施例6 前記実施例1において、磁性層2の膜厚を200nmと
したほかは、実施例1と同様にして主成分がCo−Pt
金属磁性薄膜(Co20Pt80:組成量は原子%)からな
る磁性層2を蒸着により成膜し、同様にして炭素保護膜
層3、潤滑層4を形成し、円盤状に打ち抜き、ガラスデ
ィスクに張り合わせて評価用の磁気記録媒体を作製し
た。
【0024】実施例7 前記実施例1において、磁性層2の膜厚を200nmと
し、酸素ガスの導入量を0.2sccmとしたほかは、
実施例1と同様にして主成分がCo−Pt金属磁性薄膜
(Co20Pt80:組成量は原子%)からなる磁性層2を
蒸着により成膜し、同様にして炭素保護膜層3、潤滑層
4を形成し、円盤状に打ち抜き、ガラスディスクに張り
合わせて評価用の磁気記録媒体を作製した。
【0025】実施例8 前記実施例1において、基板1の温度を100℃とした
ほかは、実施例1と同様にして主成分がCo−Pt金属
磁性薄膜(Co20Pt80:組成量は原子%)からなる磁
性層2を蒸着により成膜し、同様にして炭素保護膜層
3、潤滑層4を形成し、円盤状に打ち抜き、ガラスディ
スクに張り合わせて評価用の磁気記録媒体を作製した。
【0026】実施例9 前記実施例1において、基板1にポリアミドフィルムを
使用し、基板1の温度を100℃としたほかは、実施例
1と同様にして主成分がCo−Pt金属磁性薄膜(Co
20Pt80:組成量は原子%)からなる磁性層2を蒸着に
より成膜し、同様にして炭素保護膜層3、潤滑層4を形
成し、円盤状に打ち抜き、ガラスディスクに張り合わせ
て評価用の磁気記録媒体を作製した。
【0027】実施例10 前記実施例1において、基板1にガラス基板を使用し、
基板1の温度を400℃としたほかは、実施例1と同様
にして主成分がCo−Pt金属磁性薄膜(Co 20
80:組成量は原子%)からなる磁性層2を蒸着により
成膜し、同様にして炭素保護膜層3、潤滑層4を形成
し、円盤状に打ち抜き、ガラスディスクに張り合わせて
評価用の磁気記録媒体を作製した。
【0028】実施例11 前記実施例1において、Co、PtおよびOからなる金
属磁性薄膜の主成分であるCoとPtの組成式をCo
(100−X)PtXとした時に、組成量xが常に90原子
%となるように制御したほかは、実施例1と同様にして
主成分がCo−Pt金属磁性薄膜(Co10Pt90:組成
量は原子%)からなる磁性層2を蒸着により成膜し、同
様にして炭素保護膜層3、潤滑層4を形成し、円盤状に
打ち抜き、ガラスディスクに張り合わせて評価用の磁気
記録媒体を作製した。
【0029】実施例12 前記実施例1において、Co、PtおよびOからなる金
属磁性薄膜の主成分であるCoとPtの組成式をCo
(100−X)PtXとした時に、組成量xが常に60原子
%となるように制御したほかは、実施例1と同様にして
主成分がCo−Pt金属磁性薄膜(Co40Pt60:組成
量は原子%)からなる磁性層2を蒸着により成膜し、同
様にして炭素保護膜層3、潤滑層4を形成し、円盤状に
打ち抜き、ガラスディスクに張り合わせて評価用の磁気
記録媒体を作製した。
【0030】参考例1 前記実施例1において、酸素ガスの導入量を0.1sc
cmとしたほかは、実施例1と同様にして主成分がCo
−Pt金属磁性薄膜(Co20Pt80:組成量は原子%)
からなる磁性層2を蒸着により成膜し、同様にして炭素
保護膜層3、潤滑層4を形成し、円盤状に打ち抜き、ガ
ラスディスクに張り合わせて評価用の磁気記録媒体を作
製した。
【0031】参考例2 前記実施例1において、酸素ガスの導入量を0.9sc
cmとしたほかは、実施例1と同様にして主成分がCo
−Pt金属磁性薄膜(Co20Pt80:組成量は原子%)
からなる磁性層2を蒸着により成膜し、同様にして炭素
保護膜層3、潤滑層4を形成し、円盤状に打ち抜き、ガ
ラスディスクに張り合わせて評価用の磁気記録媒体を作
製した。
【0032】参考例3 前記実施例1において、磁性層2の膜厚を10nmと
し、酸素ガスの導入量を0.1sccmとしたほかは、
実施例1と同様にして主成分がCo−Pt金属磁性薄膜
(Co20Pt80:組成量は原子%)からなる磁性層2を
蒸着により成膜し、同様にして炭素保護膜層3、潤滑層
4を形成し、円盤状に打ち抜き、ガラスディスクに張り
合わせて評価用の磁気記録媒体を作製した。
【0033】参考例4 前記実施例1において、磁性層2の膜厚を300nmと
したほかは、実施例1と同様にして主成分がCo−Pt
金属磁性薄膜(Co20Pt80:組成量は原子%)からな
る磁性層2を蒸着により成膜し、同様にして炭素保護膜
層3、潤滑層4を形成し、円盤状に打ち抜き、ガラスデ
ィスクに張り合わせて評価用の磁気記録媒体を作製し
た。
【0034】参考例5 前記実施例1において、蒸着時の基板1の加熱を行わな
かったほかは、実施例1と同様にして主成分がCo−P
t金属磁性薄膜(Co20Pt80:組成量は原子%)から
なる磁性層2を蒸着により成膜し、同様にして炭素保護
膜層3、潤滑層4を形成し、円盤状に打ち抜き、ガラス
ディスクに張り合わせて評価用の磁気記録媒体を作製し
た。
【0035】参考例6 前記実施例1において、Co、PtおよびOからなる金
属磁性薄膜の主成分であるCoとPtの組成式をCo
(100−X)PtXとした時に、組成量xが常に50原子
%となるように制御し、磁性層2の膜厚を30nmとし
たほかは、実施例1と同様にして主成分がCo−Pt金
属磁性薄膜(Co50Pt50:組成量は原子%)からなる
磁性層2を蒸着により成膜し、同様にして炭素保護膜層
3、潤滑層4を形成し、円盤状に打ち抜き、ガラスディ
スクに張り合わせて評価用の磁気記録媒体を作製した。
【0036】参考例7 前記実施例1において、Co、PtおよびOからなる金
属磁性薄膜の主成分であるCoとPtの組成式をCo
(100−X)PtXとした時に、組成量xが常に95原子
%となるように制御し、磁性層2の膜厚を30nmとし
たほかは、実施例1と同様にして主成分がCo−Pt金
属磁性薄膜(Co5Pt95:組成量は原子%)からなる
磁性層2を蒸着により成膜し、同様にして炭素保護膜層
3、潤滑層4を形成し、円盤状に打ち抜き、ガラスディ
スクに張り合わせて評価用の磁気記録媒体を作製した。
【0037】上記実施例1〜12および参考例1〜7で
得られたそれぞれの評価用磁気記録媒体について、下記
評価条件で保磁力、C/N、耐食性を測定した。結果を
表1に示す。 <評価条件>保磁力:上記磁気記録媒体を6mm×8m
mの形状に切り出し、VSM(振動試料型磁力計)を使
用して磁場の印加方向が磁気記録媒体の垂直方向になる
ようにセットして測定した。最大印加磁場15kOe
(1,185kA/m)にて測定を行い、得られたM−
H曲線より保磁力Hcを求めた。 C/N:GMRヘッドを用い、Guzik(記録再生評
価装置)、オシロスコープ、スペクトラムアナライザー
により線記録密度を200kfci(fluxchan
ge per square inch)として測定を
行った。 耐食性:記録媒体をSO2ガス0.5ppm、温度30
℃、湿度80%RHの環境下に16時間放置し、前後の
飽和磁化MsをVSMにより測定し、その劣化の割合を
調べた。
【0038】
【表1】
【0039】表1に示す結果から明らかなように、酸素
ガスの導入量を0.2〜0.8sccmとし、基板1の
加熱温度を100〜400℃とする真空蒸着条件によ
り、Co、PtおよびOからなる磁性層2を形成するに
際して、主成分のCoとPtとの組成式をCo
(100−X)PtXとした時、x=60〜90(原子%)
の含有割合に制御した実施例1〜12の磁気記録媒体
は、いずれも保持力Hcが高く、S/N特性が優れ、長
期間保管しても記録の劣化が見られないことが分かる。
これに対して、酸素導入量が極端に少ないか、あるいは
多い参考例1〜3の場合には、磁化や保磁力Hcが非常
に低く、評価ができず磁気記録媒体としての役割を果た
さないものであった。また、磁性層2の膜厚を厚くした
比較例4では、粒子性に起因するノイズが増加してC/
Nが低下している。あるいは、蒸着時に基板1の加熱を
行わない比較例5の場合にも保持力Hcは低く、磁気記
録媒体としては性能不十分であった。あるいは、Coの
組成量xを大きくした、いわゆるCo含有量の多過ぎる
比較例6の場合は、磁化の面内成分が増加して垂直媒体
として適さないばかりでなく、耐食性においても劣る。
更に、Coの組成量xが小さく、Coの含有量が極端に
少ない比較例7では、磁化や保磁力Hcが非常に低く、
評価ができず磁気記録媒体としての役割を果たさないも
のであった。
【0040】
【発明の効果】以上から明らかなように本発明は、非磁
性支持体からなる基板の一主面上に、Co、Ptおよび
Oからなり、かつCoとPtとを主成分とし、その組成
式をCo(100−X)PtXとした時に、x=60〜90
(原子%)とする含有割合である金属磁性薄膜からなる
磁性層が設けられた磁気記録媒体に係るものであり、該
磁気記録媒体は、酸素の導入量を0.2〜0.8scc
mとし、前記基板の加熱温度を100〜400℃とした
真空蒸着法により製造されるものである。このような蒸
着によって得られた本発明に係る磁気記録媒体は、特に
磁気抵抗型磁気ヘッドで記録信号の再生が行われる記録
再生システムにおいて、高い保持力Hcと優れたC/N
特性を発揮し、かつ長期間の保管に対しても記録の劣化
が見られない非常に安定した性能を維持することができ
る。更に、本発明によれば垂直膜の磁性層を成膜する場
合において、従来の斜め蒸着テープのように入射方向を
制御することなく垂直膜が得られるばかりでなく、マス
クにより蒸着粒子をカットする必要もないため、高レー
トの成膜が可能であり、かつ原料のロスも非常に少なく
容易に磁気記録媒体を製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例における磁気記録媒体の構成層
を示す断面模式図である。
【符号の説明】
1……基板、2……磁性層、3……炭素保護膜層、4…
…潤滑層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性支持体からなる基板の一主面上に
    金属磁性薄膜からなる磁性層が形成され、前記金属磁性
    薄膜はCo、PtおよびOからなり、かつCoとPtと
    を主成分とし、その組成式をCo(100−X)PtXとし
    た時に、x=60〜90(原子%)とする含有割合であ
    ることを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記金属磁性薄膜が垂直磁化膜であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 非磁性支持体からなる基板の一主面上
    に、CoおよびPtを主成分とし、その組成式をCo
    (100−X)PtXとした時に、x=60〜90(原子
    %)とする含有割合であるような金属磁性薄膜からなる
    磁性層を真空蒸着により形成する磁気記録媒体の製造方
    法であって、前記真空蒸着時に、前記基板を100〜4
    00℃で加熱し、0.2〜0.8sccmの酸素を導入
    しつつ行うことを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7744966B2 (en) * 2005-03-17 2010-06-29 Showa Denko K.K. Production process of perpendicular magnetic recording medium

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