JP2004326919A - 磁気記録媒体、磁気記録媒体の製造方法及び磁気記憶装置 - Google Patents

磁気記録媒体、磁気記録媒体の製造方法及び磁気記憶装置 Download PDF

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Abstract

【課題】遷移ノイズの低減と高い磁気異方性を両立させることによって、優れた信号対雑音比(S/N)と、高い保磁力および耐減磁性を兼ね備えた人工格子多層膜媒体を提供すること、およびそれを用いて、高い面記録密度でも高いS/Nと耐減磁特性を備えた磁気記憶装置を提供する。
【解決手段】本発明の磁気記録媒体は、非磁性基板上に、少なくとも軟磁性層、シード層、CoとPdを交互に積層した多層膜構造である記録層を順に積層してなる磁気記録媒体であって、前記記録層がfcc結晶粒の集合体からなり、前記fcc結晶の(111)面間隔の平均値が2.25Å以下であり、更に前記記録層は、Bを含み、
0.07 ≦ B原子濃度/(Pd原子濃度+B原子濃度) ≦ 0.15
を満たすことを特徴とする磁気記録媒体である。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気記録媒体その製造方法およびそれを用いた磁気記憶装置に係り、さらに詳細には、大量の情報を迅速かつ正確に格納するための磁気記録媒体およびその製造法、それを用いた磁気記憶装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の高度情報化社会の進展に対応して、情報記録装置の大容量化・高密度化に対するニーズは高まる一方である。たとえば、大型サーバー、並列型コンピュータ、パーソナルコンピュータ、ネットワークサーバー、ムービーサーバー、モバイルPC等の大容量記憶装置として使用される磁気記憶装置は、円板状の基板の上にコバルト合金などの強磁性薄膜がスパッタ法などにより形成され、その上に、耐摺動性、耐食性を高めるために、保護膜、潤滑膜が形成されている磁気記録媒体と記録再生を行うための磁気ヘッドから形成されている。
【0003】
磁気記憶装置の大容量化にともなって、磁気記憶装置の面記録密度の向上が進められている。記録ビットを微細に記録するためには、記録磁化方向を膜面に垂直に記録させる、いわゆる垂直磁気記録方式が知られている。垂直磁気記録膜の材料としては従来、Co−Cr系の多結晶膜が用いられてきた。この材料は、強磁性を有するCoリッチな領域と、非磁性のCrリッチな領域に組成分離し、強磁性粒子間の磁気的相互作用を非磁性部によって断ち切ることを実現している。
【0004】
これらの面記録密度をさらに向上させるためには、媒体ノイズを低減させる必要があり、そのためには、磁化反転単位の微細化が有効である。しかし、あまり微細化すると、熱的に磁化状態が不安定になり、いわゆる熱減磁を起こすことが知られている。そこで、より一層低ノイズで高密度記録可能な磁気記録媒体を得るためには、磁化の熱安定性をさらに高める必要があり、そのためには記録層にCoCr系合金よりもさらに高い磁気異方性を有する材料を用いる必要がある。
【0005】
その材料として例えば、CoとPdまたはCoとPtを交互に積層した多層膜(人工格子膜)が検討されている。しかし、これらの材料は、結晶粒間の磁気的結合が強いため、最小磁区サイズが大きくなり、記録時に隣接する記録ビット間の記録遷移領域の遷移ノイズが大きくなるという問題があった。
【0006】
これを防ぐために、たとえば、特許文献1に開示されるように、CoとPdまたはCoとPtを交互に積層した多層膜に、BとOを添加した磁気記録媒体が提案されている。この手法では、BとOの添加によって、強磁性粒子間の膜面方向の磁気的交換結合力を弱め、遷移性ノイズを低減している、しかし一方で、BとOの添加によって記録層の磁気異方性が低下するため、上記の熱減磁が再び問題となる。また磁気異方性の低下に伴い保磁力も低下するため、磁気ヘッドでの記録時に記録電流が高い領域で再生出力が低下する現象、いわゆる記録減磁も発生する。記録減磁が発生する媒体は安定した記録再生特性が得られないため実用媒体としては適さない。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−25032号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
人工格子多層膜は、その高い磁気異方性のため、熱減磁に対しては本来高い耐性が期待される。しかし遷移ノイズを低減するために第三元素等を添加すると、磁気異方性や保磁力が低下し、熱減磁や記録減磁が発生するという問題がある。
【0009】
本発明の目的は、遷移ノイズの低減と高い磁気異方性を両立させることによって、優れた信号対雑音比(S/N)と、高い保磁力および耐減磁性を兼ね備えた人工格子多層膜媒体を提供すること、およびそれを用いて、高い面記録密度でも高いS/Nと耐減磁特性を備えた磁気記憶装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を実現するために種々検討した結果、非磁性基板上に、少なくとも軟磁性層、シード層、CoとPdを交互に積層した多層膜構造である記録層を順に積層してなる磁気記録媒体であって、前記記録層がPdCoの面心立方(以下fcc)結晶粒の集合体からなり、前記fcc結晶の(111)面間隔(以下d(111))の平均値が2.25Å以下であり、前記記録層中に、B原子濃度/[Pd原子濃度+B原子濃度](以下CB)で、0.07≦CB≦0.15のBが含まれる磁気記録媒体とすることによって前記目的を達成する。
【0011】
ここで、軟磁性層は、磁気ヘッドでの記録時に記録磁界を急峻にするための層である。またシード層は記録層の結晶性や結晶サイズを制御するための層である。
【0012】
Pd/Co多層膜の磁気異方性の主たる起源はPdとCoとの界面に生じる界面異方性であるが、記録層を構成するPdCo−fcc結晶粒のd(111)を2.25Å以下とすることにより、結晶格子歪みによる歪み磁気異方性が付与されて、記録層はさらに高い磁気異方性を発現し、それに伴い保磁力も大幅に上昇する。その結果、記録減磁や熱減磁のない媒体が得られる。またBの添加によりBが結晶粒界に偏析し、磁性粒子間の磁気的結合が弱まることによって遷移性ノイズが低減し、高いS/Nが実現される。
【0013】
d(111)が2.25Åより大きいと、歪み磁気異方性の付与効果が小さいため、高い磁気異方性および高い保磁力が得られない。Bの添加量は、少なすぎると磁性粒子間の磁気的結合の低減効果が少なく、多すぎるとBが結晶粒内にまで浸入して保磁力が低下するため、Pdに対する原子濃度比で、0.07≦CB≦0.15が好ましい。
【0014】
記録層のPdCo結晶粒のd(111)を2.25Å以下とするためには、記録層の直下に格子間隔制御層としてシード層を挿入することや、シード層および記録層のスパッタリング時のガス種や条件を選定することが有効である。
【0015】
一例として、記録層の直下に、少なくともPdとBからなるシード層を、RFバイアスを印加しながらスパッタ成膜することにより、記録層のPdCo結晶粒に格子歪みが導入されて、d(111)を2.25Å以下とすることができる。
【0016】
その際、PdBシード層の層厚は、厚すぎると磁気ヘッドと軟磁性層との磁気スペーシングが広がり記録効率が低下するので、5nm以下が望ましい。
【0017】
また、シード層および記録層の形成をKrガスによるスパッタ法で行うことも有効である。Krガススパッタによって記録層のPdCo結晶粒に格子歪みが導入されてd(111)が縮まり、磁気異方性が向上する。
【0018】
本発明の磁気記録媒体では、軟磁性裏打ち層が、Co及びFeの少なくとも一方を主体とし、これにB及びCの少なくとも一種の元素を含む合金で形成されているのが好ましい。また、軟磁性裏打ち層が、CoZrを主体とし、これにTa,Nb及びTiからなる群から選ばれる少なくとも一種の元素を含む非晶質合金で形成されていても良い。さらに、軟磁性裏打ち層が、Fe中に、Ta,Nb及びZrからなる群から選ばれる少なくとも一種の元素の窒化物または炭化物が分散された構造を有する合金で形成されていても良い。
【0019】
本発明の磁気記録媒体の基板は、アルミニウム・マグネシウム合金基板、ガラス基板、グラファイト基板などの非磁性基板が使用される。
【0020】
磁気記録媒体の基板上には、前記軟磁性層を成膜する前に基板との密着性を向上させるためにTiなどの接着層を形成しても良い。
【0021】
また、本発明の磁気記録媒体を含んだ磁気記録装置では、高S/Nで耐減磁性に優れた高密度記録可能な磁気記録装置が提供できる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の磁気記録媒体、磁気記録媒体の製造方法及び磁気記録装置について実施例を用いて具体的に説明する。なお、磁気記録媒体としては、磁気ディスク(ハードディスク)を用いたが、本発明は、フレキシブルディスク、磁気テープ、磁気カードなど記録ヘッドと磁気記録媒体が接しているような記録媒体にも適用できる。
【0023】
【実施例】
実施例1で作製した磁気ディスクの概略断面図を図1に示す。図1に示すように、磁気ディスクは、基板11上に、接着層12、軟磁性層13、シード層14、記録層15及び保護層16を順次積層して作製した。接着層12は、基板11と積層膜の剥離を防ぐための層であり、軟磁性層13は、磁気ヘッドでの記録時に記録磁界を急峻にするための層である。シード層14は、記録層15の結晶性や結晶サイズを制御するための層であり、記録層15は、情報が磁化情報として記録される層であり、記録層15の磁化方向は膜面に対して垂直方向となる。保護層16は、基板11上に順次積層された積層膜12〜15を保護するための層である。
【0024】
本実施例の磁気記憶装置における磁気記録媒体は、複数のスパッタチャンバーが連結された連続スパッタ装置を用いて製造した。
【0025】
まず、直径2.5inchのガラス基板11上に、Arガス雰囲気中でDCマグネトロンスパッタ法により、接着層12として5nm厚のTi膜を形成した。
【0026】
次いで、接着層12上に、軟磁性層13としてCoB膜を、Arガス雰囲気中でCo80B20合金ターゲットを用いてDCマグネトロンスパッタ法により形成した。軟磁性層13の膜厚は200nmとした。
【0027】
さらに、軟磁性層13上に、シード層14としてPdB膜を成膜した。成膜はKrガス雰囲気中で、Pd50B50ターゲットを用い、DCマグネトロンスパッタ法により行った。その際、基板側に150WのRF電力を投入することによって、基板表面にRFバイアスを印加した。シード層14の膜厚は3nmとした。
【0028】
上記のように形成したシード層14上に、記録層15として垂直磁化を示すCoB/PdB交互多層膜を形成した。CoB/PdB交互多層膜の成膜方法は、3元同時スパッタが可能なターゲット回転式のスパッタチャンバーで行った。3元のターゲットを自公転させながら、CoB層の成膜時にはCoターゲットとBターゲットを同時放電させ、PdB層の成膜時にはPdターゲットとBターゲットを同時放電させた。CoとPdはDCマグネトロン法で、BはRFマグネトロン法でスパッタした。スパッタガスにはKrを用い、ターゲットの回転数は100rpmとした。
【0029】
Coの放電電力を40〜50W、Pdの放電電力を40〜50W、Bの放電電力を0〜300Wの範囲で調整することにより、PdB層厚,CoB層厚,CBが異なる磁気ディスクを作製した。一部のディスクでは。Co層にBを含まない、Co/PdB多層膜も作製した。またKrガス流量を140〜200sccmの範囲で変えた磁気ディスクを作製した。
【0030】
最後に、記録層15上に、保護層16としてC膜を、Arガス雰囲気中でDCマグネトロンスパッタ法により形成した。保護層16の膜厚は3nmとした。
【0031】
このようにして作製した磁気ディスクの結晶構造をX線回折装置で分析した。X線源にはCu−kα線を用い、広角X線回折法により、θ―2θ曲線を測定した。ここでθはディスク膜面にたいするX線の入射角、2θはX線の回折角である。fcc−PdCo結晶粒の(111)面からの回折ピークのピーク位置からPdCo結晶粒の(111)面間隔を求めた。
【0032】
また作製した磁気ディスクの記録層の組成をX線光電子分光法(XPS)を用いた深さ方向分析によって分析した。記録層のPdとBの原子濃度から、B原子濃度/(Pd原子濃度+B原子濃度)=CBを算出した。
【0033】
また作製した磁気ディスクの磁気特性をカー回転角測定装置で測定した。記録層の垂直方向のヒステリシス曲線から、垂直方向の保磁力(Hc)を求めた。
【0034】
次に、作製した磁気ディスクの保護層16上に潤滑剤(不図示)を塗布した後、磁気ディスクの記録再生特性を評価した。評価にはスピンスタンド式の記録再生装置を用いた。記録には垂直磁気記録に適した単磁極ヘッドを用い、再生にはスピンバルブ型GMR磁気ヘッドを用いた。磁気ヘッド面と磁気ディスク面との距離は10nmに保った。線記録密度が20kFCIの信号を記録した時の再生出力Slfと、線記録密度が450kFCIの信号を記録した時のノイズNdを測定し、Slf/Ndを算出した。Slf/Ndは媒体のS/Nの指標となる。
【0035】
また記録時のヘッド電流を10〜50mAの範囲で変えて記録再生し、高記録電流(高記録磁界)領域での再生出力の低下の有無、すなわち記録減磁の有無を測定した。記録減磁が生じる磁気ディスクは、安定な記録再生特性が得られないため、実用記録媒体として適さない。
【0036】
実施例1で作製した磁気ディスクのKr流量,記録層のPdB厚とCoB厚,CB,d(111),Hc,Slf/Nd,記録減磁の有無を表1に示す。実施例の磁気ディスクはd(111)が2.25Å以下で、0.07≦CB≦0.15である。いずれのディスクも4kOe以上の高いHcを有し、記録減磁は観測されない。またいずれのディスクも25dB以上の優れたSlf/Ndを有する。
【0037】
【表1】
Figure 2004326919
【0038】
(比較例1)
CB<0.07、もしくはCB>0.15となるように、記録層成膜時の各ターゲットの放電電力を調整した以外は実施例と同様の方法で磁気ディスクを作製した。比較例1で作製した磁気ディスクのKr流量,記録層のPdB厚とCoB厚,CB,d(111),Hc,Slf/Nd,記録減磁の有無を表2に示す。CB<0.07のディスクではHcは高いもののS/Nが低く、CB>0.15のディスクではHcが低いため記録減磁が生じる。
【0039】
【表2】
Figure 2004326919
【0040】
(比較例2)
PdBシード層の成膜時にRFバイアスを印加しなかった以外は実施例と同様の方法で磁気ディスクを作製した。比較例2で作製した磁気ディスクのKr流量,記録層のPdB厚とCoB厚,CB,d(111),Hc,Slf/Nd,記録減磁の有無を表3に示す。比較例2では格子歪みの付与が不十分なため、0.07≦CBでd(111)>2.25Åとなる。そのため磁気異方性とHcが低下し、記録減磁が生じている。
【0041】
【表3】
Figure 2004326919
【0042】
(比較例3)
記録層およびシード層をArガスでスパッタし、Arガス流量を80〜200sccmの範囲で変えた以外は実施例と同様の方法で磁気ディスクを作製した。比較例3で作製した磁気ディスクのAr流量,記録層のPdB厚とCoB厚,CB,d(111),Hc,Slf/Nd,記録減磁の有無を表4に示す。CBの増加とともにd(111)が顕著に大きくなり、Hcが急激に低下する。CB=0.02のディスク(比較例4−5)はHcが4.1kOeであるが、Slf/Ndは19.4dBと低い。他のディスクはHcが低いため全て記録減磁が生じている。
【0043】
【表4】
Figure 2004326919
【0044】
実施例および比較例1〜3の磁気ディスクのCBとd(111)の関係を図2に、実施例および比較例の磁気ディスクのHcとSlf/Ndの関係を図3に示す。実施例の磁気ディスクはいずれも、d(111)が2.25Å以下で、0.07≦CB≦0.15CBであり、4kOe以上の高いHcと、25dB以上の優れたSlf/Ndを有する。
【0045】
実施例1−8で作製した磁気ディスクを、図4に示すような磁気記録装置に装着して、磁気ディスクの記録再生試験を行った。本磁気記録装置は、主に磁気ヘッド41と、磁気ヘッドを制御する磁気ヘッド駆動部42と、磁気ディスク43を回転させるための駆動部44、および信号処理のための電気回路系45とで構成されている。磁気ヘッド41では、記録用磁気ヘッドと再用磁気ヘッドが一体化されている。記録用磁気ヘッドには2.1Tの高飽和磁束密度を有するデュアルスピンバルブ型磁気ヘッドを用いた。
【0046】
ここでは、磁気ディスク43に80Gbits/inch2に相当する信号を記録した。磁気記録装置の磁気ヘッド面と、磁気ディスク表面との距離は10nmに保った。再生試験の結果、信号対雑音比S/N=29dBの再生信号が得られ、エラーレートは、信号処理を行わない場合に、1×10−5以下であった。
【0047】
【発明の効果】
本発明によると、高Hcで記録減磁がなく、媒体ノイズの低い高S/Nな磁気記録媒体が得られる。また、本発明の磁気記録媒体を備えた磁気記録装置では、80Gbit/inch2以上の高密度記録可能な磁気記録装置を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気ディスクの断面構造を示す模式図である。
【図2】実施例および比較例の磁気ディスクのCBとd(111)の関係を示す図である。
【図3】実施例および比較例の磁気ディスクのHcとSlf/Ndの関係を示す図である。
【図4】本発明の磁気記録装置の構成を示す図である。
【符号の説明】
11 基板
12 接着層
13 軟磁性層
14 シード層
15 記録層
16 保護層
41 磁気ヘッド
42 磁気ヘッド駆動部
43 磁気ディスク
44 磁気ディスク駆動部
45 電気回路系

Claims (5)

  1. 非磁性基板上に、少なくとも軟磁性層、シード層、CoとPdを交互に積層した多層膜構造である記録層を順に積層してなる磁気記録媒体であって、前記記録層がfcc結晶粒の集合体からなり、前記fcc結晶の(111)面間隔の平均値が2.25Å以下であり、更に前記記録層は、Bを含み、
    0.07 ≦ B原子濃度/(Pd原子濃度+B原子濃度) ≦ 0.15
    を満たすことを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 請求項1記載の磁気記録媒体において、前記シード層がPdとBからなることを特徴とする磁気記録媒体。
  3. 請求項1または請求項2記載の磁気記録媒体の製造方法において、前記シード層がRFバイアスを印加しながらスパッタ成膜されることを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
  4. 請求項1または請求項2記載の磁気記録媒体の製造方法において、シード層および記録層のスパッタ成膜にKrガスを用いることを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
  5. 請求項1または請求項2に記載の磁気記録媒体と、上記磁気記録媒体に情報を記録または再生するための磁気ヘッドと、前記磁気記録媒体を前記磁気ヘッドに対して駆動するための駆動装置と、前記磁気ヘッドの信号入力と前記磁気ヘッドからの出力信号再生を行うための記録再生信号処理手段を備えた磁気記録装置。
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