JPH11283242A - 磁気記録媒体 - Google Patents
磁気記録媒体Info
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- JPH11283242A JPH11283242A JP8206798A JP8206798A JPH11283242A JP H11283242 A JPH11283242 A JP H11283242A JP 8206798 A JP8206798 A JP 8206798A JP 8206798 A JP8206798 A JP 8206798A JP H11283242 A JPH11283242 A JP H11283242A
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- JP
- Japan
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- magnetic recording
- layer
- magnetic
- back coat
- coat layer
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 寒冷条件等、過酷な使用条件下においても、
良好な走行性と電磁変換特性を示す磁気記録媒体を提供
する。 【解決手段】 磁気記録媒体のバックコート層3の3次
元表面粗さパラメータのうち、最大高さSRmaxおよ
び中心面平均粗さSRaを、それぞれ特定範囲内とす
る。 【効果】 バックコート層に形成した潤滑剤層4bが、
隣り合う磁気記録層2表面に過度に移行する現象と、バ
ックコート層3表面の突起形状が、磁気記録層2に転写
される現象を共に防止することができる。
良好な走行性と電磁変換特性を示す磁気記録媒体を提供
する。 【解決手段】 磁気記録媒体のバックコート層3の3次
元表面粗さパラメータのうち、最大高さSRmaxおよ
び中心面平均粗さSRaを、それぞれ特定範囲内とす
る。 【効果】 バックコート層に形成した潤滑剤層4bが、
隣り合う磁気記録層2表面に過度に移行する現象と、バ
ックコート層3表面の突起形状が、磁気記録層2に転写
される現象を共に防止することができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はバックコート層に特
徴を有する磁気記録媒体に関し、さらに詳しくは、走行
安定性を得るためにバックコート層の3次元表面粗さを
特定した高密度磁気記録テープ等の磁気記録媒体に関す
る。
徴を有する磁気記録媒体に関し、さらに詳しくは、走行
安定性を得るためにバックコート層の3次元表面粗さを
特定した高密度磁気記録テープ等の磁気記録媒体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】オーディオ装置、ビデオ装置あるいはコ
ンピュータ装置等に付随する磁気記録再生装置で用いら
れる磁気記録テープ等の磁気記録媒体として、薄膜型と
塗布型のものが主として用いられている。薄膜型は、非
磁性支持体上にCo等の強磁性金属薄膜をスパッタリン
グ、蒸着あるいはめっき等の薄膜形成技術により被着し
たものである。また塗布型のものは、磁性粉末、有機バ
インダおよび各種添加剤等を有機溶媒に分散、混練して
調製される磁性塗料を、非磁性支持体上に塗布、乾燥、
硬化等することにより形成される磁気記録層を用いたも
のである。
ンピュータ装置等に付随する磁気記録再生装置で用いら
れる磁気記録テープ等の磁気記録媒体として、薄膜型と
塗布型のものが主として用いられている。薄膜型は、非
磁性支持体上にCo等の強磁性金属薄膜をスパッタリン
グ、蒸着あるいはめっき等の薄膜形成技術により被着し
たものである。また塗布型のものは、磁性粉末、有機バ
インダおよび各種添加剤等を有機溶媒に分散、混練して
調製される磁性塗料を、非磁性支持体上に塗布、乾燥、
硬化等することにより形成される磁気記録層を用いたも
のである。
【0003】これらの各種磁気記録再生装置において
は、近年ますます小型軽量化、高画質化、長時間化ある
いはディジタル記録化等が進展し、磁気記録媒体に対し
ても小型化、高密度記録化が強く要望されるようになっ
ている。この要望に応えるため、近年の磁気記録媒体
は、磁気特性の向上はもとより、その磁気記録層表面を
鏡面に近い状態にまで平滑化し、磁気ヘッド/磁気記録
層間の間隙を狭め、スペーシングロスを可及的に低減す
る方向にある。
は、近年ますます小型軽量化、高画質化、長時間化ある
いはディジタル記録化等が進展し、磁気記録媒体に対し
ても小型化、高密度記録化が強く要望されるようになっ
ている。この要望に応えるため、近年の磁気記録媒体
は、磁気特性の向上はもとより、その磁気記録層表面を
鏡面に近い状態にまで平滑化し、磁気ヘッド/磁気記録
層間の間隙を狭め、スペーシングロスを可及的に低減す
る方向にある。
【0004】かかる小型、高密度記録化された磁気記録
媒体の一例として、NT(Non Tracking Digital Micro
recorder, 商標名)方式の磁気記録再生装置に用いる磁
気記録テープがある。NT方式は、ヘリカルスキャン記
録方式の1種であるが、再生時には再生ヘッドが倍速度
あるいは倍速度以上で記録トラックを細かくオーバーラ
ップするようにスキャンする。すなわち、記録トラック
上の信号はオーバーラップはしても欠落して検出される
ことはない。再生信号は半導体メモリ等に一旦書き込
み、そのフレームアドレスやブロックアドレス等のフレ
ームデータに基づいて再配列して完全なデータに復元
し、順次読み出すものである。
媒体の一例として、NT(Non Tracking Digital Micro
recorder, 商標名)方式の磁気記録再生装置に用いる磁
気記録テープがある。NT方式は、ヘリカルスキャン記
録方式の1種であるが、再生時には再生ヘッドが倍速度
あるいは倍速度以上で記録トラックを細かくオーバーラ
ップするようにスキャンする。すなわち、記録トラック
上の信号はオーバーラップはしても欠落して検出される
ことはない。再生信号は半導体メモリ等に一旦書き込
み、そのフレームアドレスやブロックアドレス等のフレ
ームデータに基づいて再配列して完全なデータに復元
し、順次読み出すものである。
【0005】NT方式では再生ヘッドが記録トラック上
を厳密にトレースする必要は無いので、従来のCTL(C
otnrol) やATF(Automatic Track Finding) 信号を用
いた再生時のトラッキングサーボ回路が不要となる。ま
た装置側においても回転ドラムに磁気テープを大角度か
つ精密にローディングさせる必要がなくなり、カセット
ケース内に回転ドラムを突き出すだけでテープパスを形
成する、ノンローディング方式が可能となる。したがっ
て、回路構成および機械精度の両面から、磁気記録再生
装置の小型、軽量化等が達成される。NT方式のデータ
レコーダも同様の構成であるが、オーディオ用のNT装
置に比較して強力なエラー訂正をおこなうために、回転
ヘッドに取り付けられる磁気ヘッドの数は4個と多くな
っている。また磁気テープに与える走行ダメージを低減
するために、回転ドラムにはプロペラ方式が採用されて
いる。
を厳密にトレースする必要は無いので、従来のCTL(C
otnrol) やATF(Automatic Track Finding) 信号を用
いた再生時のトラッキングサーボ回路が不要となる。ま
た装置側においても回転ドラムに磁気テープを大角度か
つ精密にローディングさせる必要がなくなり、カセット
ケース内に回転ドラムを突き出すだけでテープパスを形
成する、ノンローディング方式が可能となる。したがっ
て、回路構成および機械精度の両面から、磁気記録再生
装置の小型、軽量化等が達成される。NT方式のデータ
レコーダも同様の構成であるが、オーディオ用のNT装
置に比較して強力なエラー訂正をおこなうために、回転
ヘッドに取り付けられる磁気ヘッドの数は4個と多くな
っている。また磁気テープに与える走行ダメージを低減
するために、回転ドラムにはプロペラ方式が採用されて
いる。
【0006】NT方式の磁気記録再生装置用の磁気記録
テープは、外筺寸法が30×21.5×5mm程度のカ
セットケースに収納され、所定の周波数特性やダイナミ
ックレンジを保証しながらも2時間以上の記録時間を確
保する必要がある。したがって、磁気記録テープの形態
としては記録密度の高密度化が容易な薄膜型のものが用
いられる。
テープは、外筺寸法が30×21.5×5mm程度のカ
セットケースに収納され、所定の周波数特性やダイナミ
ックレンジを保証しながらも2時間以上の記録時間を確
保する必要がある。したがって、磁気記録テープの形態
としては記録密度の高密度化が容易な薄膜型のものが用
いられる。
【0007】薄膜型磁気記録テープは、塗布型磁気記録
テープのように磁気記録層中にバインダを含まないため
磁束密度が高く、このため磁気記録層の薄膜化が容易で
ある。加えて抗磁力や角型比等の磁気特性や、磁気記録
層の表面平滑性が良い。このため、特に短波長領域での
電磁変換特性に優れる。薄膜型磁気記録テープにおいて
も、塗布型磁気記録テープと同様に裏面にバックコート
層が形成され、さらに磁気記録層およびバックコート層
の表面に、潤滑剤層を形成して摩擦係数の低減や走行
性、巻き締まり性等を向上することがおこなわれる。
テープのように磁気記録層中にバインダを含まないため
磁束密度が高く、このため磁気記録層の薄膜化が容易で
ある。加えて抗磁力や角型比等の磁気特性や、磁気記録
層の表面平滑性が良い。このため、特に短波長領域での
電磁変換特性に優れる。薄膜型磁気記録テープにおいて
も、塗布型磁気記録テープと同様に裏面にバックコート
層が形成され、さらに磁気記録層およびバックコート層
の表面に、潤滑剤層を形成して摩擦係数の低減や走行
性、巻き締まり性等を向上することがおこなわれる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、磁気記録テ
ープをハブに巻回した状態においては、磁気記録層表面
とバックコート層表面とが密着した状態となる。このと
き、バックコート層表面の潤滑剤層の潤滑剤の一部が、
磁気記録層表面に移行あるいは転写する現象が発生す
る。この潤滑剤の転写現象が過剰に発生すると、転写さ
れた潤滑剤はさらに磁気記録再生装置の磁気ドラムやテ
ープガイド等のテープパス規制部材に移行して蓄積し、
これが原因で低温等過酷な使用環境条件によっては走行
不良を起こす虞れがあった。
ープをハブに巻回した状態においては、磁気記録層表面
とバックコート層表面とが密着した状態となる。このと
き、バックコート層表面の潤滑剤層の潤滑剤の一部が、
磁気記録層表面に移行あるいは転写する現象が発生す
る。この潤滑剤の転写現象が過剰に発生すると、転写さ
れた潤滑剤はさらに磁気記録再生装置の磁気ドラムやテ
ープガイド等のテープパス規制部材に移行して蓄積し、
これが原因で低温等過酷な使用環境条件によっては走行
不良を起こす虞れがあった。
【0009】本発明はかかる現状に鑑み提案するもので
あり、通常の使用環境条件下のみならず、過酷な使用環
境下においても安定な走行が可能な磁気記録媒体を提供
することをその課題とする。
あり、通常の使用環境条件下のみならず、過酷な使用環
境下においても安定な走行が可能な磁気記録媒体を提供
することをその課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の磁気記録媒体
は、上述した課題を解決するために提案するものであ
り、非磁性支持体の一主面に磁気記録層を有し、他の主
面にバックコート層を有する磁気記録媒体において、こ
のバックコート層の3次元表面粗さパラメータのうち、
最大高さSRmaxおよび中心面平均粗さSRaの値
が、それぞれ次の範囲内であることを特徴とする。 SRmax : 0.6μm以上1.0μm以下 SRa : 25nm以上35nm以下 ただし、SRmaxは断面曲面の平均面に平行な2平面
で断面曲面を挟んだ時の2平面の間隔であり、SRaは
断面曲面の中心面上の直交座標軸をX軸およびY軸、中
心面に直交する軸をZ軸、粗さ曲面をf(x,y)、基
準面のX軸方向の長さをLx、そして基準面のY軸方向
の長さをLyとしたとき、次式で表される値を表す。
は、上述した課題を解決するために提案するものであ
り、非磁性支持体の一主面に磁気記録層を有し、他の主
面にバックコート層を有する磁気記録媒体において、こ
のバックコート層の3次元表面粗さパラメータのうち、
最大高さSRmaxおよび中心面平均粗さSRaの値
が、それぞれ次の範囲内であることを特徴とする。 SRmax : 0.6μm以上1.0μm以下 SRa : 25nm以上35nm以下 ただし、SRmaxは断面曲面の平均面に平行な2平面
で断面曲面を挟んだ時の2平面の間隔であり、SRaは
断面曲面の中心面上の直交座標軸をX軸およびY軸、中
心面に直交する軸をZ軸、粗さ曲面をf(x,y)、基
準面のX軸方向の長さをLx、そして基準面のY軸方向
の長さをLyとしたとき、次式で表される値を表す。
【0011】
【数2】
【0012】本発明の磁気記録媒体におけるバックコー
ト層は、非磁性粒子と有機バインダを主体とした塗布バ
ックコート層が用いられる際に好適に用いられる。また
本発明の磁気記録媒体は、磁気記録層およびバックコー
ト層の表面に、潤滑剤層を有するときに好適に用いられ
る。
ト層は、非磁性粒子と有機バインダを主体とした塗布バ
ックコート層が用いられる際に好適に用いられる。また
本発明の磁気記録媒体は、磁気記録層およびバックコー
ト層の表面に、潤滑剤層を有するときに好適に用いられ
る。
【0013】バックコート層の3次元表面粗さパラメー
タのうち、最大高さSRmaxおよび中心面平均粗さS
Raの値が、それぞれ上述した特定範囲内にあるとき、
潤滑剤が磁気記録再生装置のテープパス系に過度に蓄積
することなく、良好な走行性が安定して得られる。SR
maxおよびSRaの値がこの値に満たない場合には、
バックコート層から磁気記録層への潤滑剤の移行が過度
となり、走行性が劣化する。一方、SRmaxおよびS
Raの値がこの値を超える場合には、バックコート層表
面の粗面形状が磁気記録層表面へ転写され、エラーレー
トの増大等、磁気記録再生特性に影響を及ぼす。
タのうち、最大高さSRmaxおよび中心面平均粗さS
Raの値が、それぞれ上述した特定範囲内にあるとき、
潤滑剤が磁気記録再生装置のテープパス系に過度に蓄積
することなく、良好な走行性が安定して得られる。SR
maxおよびSRaの値がこの値に満たない場合には、
バックコート層から磁気記録層への潤滑剤の移行が過度
となり、走行性が劣化する。一方、SRmaxおよびS
Raの値がこの値を超える場合には、バックコート層表
面の粗面形状が磁気記録層表面へ転写され、エラーレー
トの増大等、磁気記録再生特性に影響を及ぼす。
【0014】バックコート層の厚さは、0.2μm以上
2.0μm以下程度の範囲が選ばれる。バックコート層
の厚さが0.2μm未満では塗布厚の均一性が充分でな
く、2.0μm以上では磁気記録媒体全体の厚さが増大
する結果、カセット内に収容できる磁気記録テープ長が
短くなる等、記憶容量が減少する。また磁気記録テープ
においては、その剛性が必要以上に高まり、磁気ヘッド
の当たり特性が低下する等の不都合が発生する。
2.0μm以下程度の範囲が選ばれる。バックコート層
の厚さが0.2μm未満では塗布厚の均一性が充分でな
く、2.0μm以上では磁気記録媒体全体の厚さが増大
する結果、カセット内に収容できる磁気記録テープ長が
短くなる等、記憶容量が減少する。また磁気記録テープ
においては、その剛性が必要以上に高まり、磁気ヘッド
の当たり特性が低下する等の不都合が発生する。
【0015】本発明のバックコート層に用いる非磁性粒
子の材料としては特に限定されないが、カーボン、グラ
ファイト、ヘマタイト、ベーマイト、溶融アルミナ、
α,β,γ−アルミナ等の各種アルミナ、雲母、カオリ
ン、タルク、粘土、シリカ、酸化マグネシウム、酸化チ
タン(ルチルおよびアナターゼ)、酸化亜鉛、硫化亜
鉛、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウ
ム、硫酸バリウム、硫酸鉛、硫化タングステン等の無機
化合物、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、
ポリテトラフフルオロエチレン等の高分子樹脂、デンプ
ン、あるいは非磁性金属等が例示され、これらを単独あ
るいは混合して用いられる。非磁性粒子の表面を異種の
非磁性材料で被覆した多層構造の粒子であってもよい。
非磁性粒子は、平均粒子径0.05〜1μm、好ましく
は0.1〜0.6μmの大きさのものが使用される。ま
た粒子形状は塗料適性や耐久性等の観点から、略球形、
略正多面体等の等方的な形状を有するものが好ましい。
バックコート層の3次元表面粗さは、非磁性粒子の粒径
や形状によっても制御することができる。
子の材料としては特に限定されないが、カーボン、グラ
ファイト、ヘマタイト、ベーマイト、溶融アルミナ、
α,β,γ−アルミナ等の各種アルミナ、雲母、カオリ
ン、タルク、粘土、シリカ、酸化マグネシウム、酸化チ
タン(ルチルおよびアナターゼ)、酸化亜鉛、硫化亜
鉛、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウ
ム、硫酸バリウム、硫酸鉛、硫化タングステン等の無機
化合物、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、
ポリテトラフフルオロエチレン等の高分子樹脂、デンプ
ン、あるいは非磁性金属等が例示され、これらを単独あ
るいは混合して用いられる。非磁性粒子の表面を異種の
非磁性材料で被覆した多層構造の粒子であってもよい。
非磁性粒子は、平均粒子径0.05〜1μm、好ましく
は0.1〜0.6μmの大きさのものが使用される。ま
た粒子形状は塗料適性や耐久性等の観点から、略球形、
略正多面体等の等方的な形状を有するものが好ましい。
バックコート層の3次元表面粗さは、非磁性粒子の粒径
や形状によっても制御することができる。
【0016】また塗布バックコート層に用いる有機バイ
ンダ材料としては、これも特に限定されないが、従来よ
り使用されている熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反応型
樹脂等のすべてが使用可能である。熱可塑性樹脂は、熱
硬化性樹脂や反応型樹脂等と混合して用いることが望ま
しい。樹脂の分子量としては、平均分子量5,000な
いし200,000のものが好適であり、10,000
ないし100,000のものがさらに好適である。熱可
塑性樹脂としては、例えば塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル
樹脂、フッ化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重
合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニ
ル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体、塩化ビニ
ル−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニリデン−アク
リロニトリル共重合体、アクリル酸エステル−アクリル
ニトリル共重合体、アクリル酸エステル−塩化ビニル−
塩化ビニリデン共重合体、メタクリル酸エステル−塩化
ビニル共重合体、メタクリル酸エステル−塩化ビニリデ
ン共重合体、メタクリル酸エステル−エチレン共重合
体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、スチレン
−ブタジエン共重合体、ポリウレタン樹脂、ポリエステ
ルポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネ
ートポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリア
ミド樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、セルロース誘導
体(セルロースアセテートブチレート、セルロースダイ
アセテート、セルローストリアセテート、セルロースプ
ロピオネート、ニトロセルロース等)、スチレンブタジ
エン共重合体、ポリエステル樹脂、アミノ樹脂、各種合
成ゴム系等があげられる。また熱硬化性樹脂および反応
型樹脂の例としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、
ポリウレタン硬化型樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、
メラミン樹脂、アルキッド樹脂、シリコーン樹脂、ポリ
アミン樹脂、高分子量ポリエステル樹脂とイソシアネー
トプレポリマの混合物、ポリエステルポリオールとポリ
イソシアネートの混合物、低分子量グリコールと高分子
量ジオールとイソシアネートの混合物等、およびこれら
樹脂の混合物が例示される。これらの樹脂のうち、柔軟
性を付与するとされるポリウレタン樹脂、ポリカーボネ
ート樹脂、ポリエステル樹脂、アクリロニトリル−ブタ
ジエン共重合体等の使用が好ましい。これらの樹脂は、
非磁性粒子の分散性を向上するために−SO3 M、−O
SO3 M、−COOM、あるいは −PO(OM’)2
等の極性官能基を含有していてもよい(但し、MはHま
たはLi、Ka、Na等のアルカリ金属、M’はHまた
はLi、Ka、Na等のアルカリ金属またはアルキル基
をあらわす)。極性官能基としてはこの他に−NR1 R
2 、−NR1 R2 R3 + X- の末端基を有する側鎖型の
もの、>NR1 R2 + X- の主鎖型のもの等がある(こ
こでR1 、R2、R3 は水素原子または炭化水素基であ
り、X- はフッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲンイ
オンあるいは無機、有機イオンをあらわす)。この他に
−OH、−SH、−CN、エポキシ基等の極性官能基で
あってもよい。これら極性官能基の含有量は10-1〜1
0-8mol/gであり、好ましくは10-2〜10-6mo
l/gである。これら有機バインダは単独で用いること
も可能であるが、2種類以上を併用することも可能であ
る。塗布バックコート層中におけるこれら有機バインダ
の量は、非磁性粒子100重量部に対して1〜200重
量部、好ましくは10〜50重量部である。
ンダ材料としては、これも特に限定されないが、従来よ
り使用されている熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反応型
樹脂等のすべてが使用可能である。熱可塑性樹脂は、熱
硬化性樹脂や反応型樹脂等と混合して用いることが望ま
しい。樹脂の分子量としては、平均分子量5,000な
いし200,000のものが好適であり、10,000
ないし100,000のものがさらに好適である。熱可
塑性樹脂としては、例えば塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル
樹脂、フッ化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重
合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニ
ル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体、塩化ビニ
ル−アクリロニトリル共重合体、塩化ビニリデン−アク
リロニトリル共重合体、アクリル酸エステル−アクリル
ニトリル共重合体、アクリル酸エステル−塩化ビニル−
塩化ビニリデン共重合体、メタクリル酸エステル−塩化
ビニル共重合体、メタクリル酸エステル−塩化ビニリデ
ン共重合体、メタクリル酸エステル−エチレン共重合
体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、スチレン
−ブタジエン共重合体、ポリウレタン樹脂、ポリエステ
ルポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネ
ートポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリア
ミド樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、セルロース誘導
体(セルロースアセテートブチレート、セルロースダイ
アセテート、セルローストリアセテート、セルロースプ
ロピオネート、ニトロセルロース等)、スチレンブタジ
エン共重合体、ポリエステル樹脂、アミノ樹脂、各種合
成ゴム系等があげられる。また熱硬化性樹脂および反応
型樹脂の例としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、
ポリウレタン硬化型樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、
メラミン樹脂、アルキッド樹脂、シリコーン樹脂、ポリ
アミン樹脂、高分子量ポリエステル樹脂とイソシアネー
トプレポリマの混合物、ポリエステルポリオールとポリ
イソシアネートの混合物、低分子量グリコールと高分子
量ジオールとイソシアネートの混合物等、およびこれら
樹脂の混合物が例示される。これらの樹脂のうち、柔軟
性を付与するとされるポリウレタン樹脂、ポリカーボネ
ート樹脂、ポリエステル樹脂、アクリロニトリル−ブタ
ジエン共重合体等の使用が好ましい。これらの樹脂は、
非磁性粒子の分散性を向上するために−SO3 M、−O
SO3 M、−COOM、あるいは −PO(OM’)2
等の極性官能基を含有していてもよい(但し、MはHま
たはLi、Ka、Na等のアルカリ金属、M’はHまた
はLi、Ka、Na等のアルカリ金属またはアルキル基
をあらわす)。極性官能基としてはこの他に−NR1 R
2 、−NR1 R2 R3 + X- の末端基を有する側鎖型の
もの、>NR1 R2 + X- の主鎖型のもの等がある(こ
こでR1 、R2、R3 は水素原子または炭化水素基であ
り、X- はフッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲンイ
オンあるいは無機、有機イオンをあらわす)。この他に
−OH、−SH、−CN、エポキシ基等の極性官能基で
あってもよい。これら極性官能基の含有量は10-1〜1
0-8mol/gであり、好ましくは10-2〜10-6mo
l/gである。これら有機バインダは単独で用いること
も可能であるが、2種類以上を併用することも可能であ
る。塗布バックコート層中におけるこれら有機バインダ
の量は、非磁性粒子100重量部に対して1〜200重
量部、好ましくは10〜50重量部である。
【0017】上述した有機バインダを架橋硬化する硬化
剤として、例えばポリイソシアネート等を添加すること
が可能である。ポリイソシアネートとしては、トリメチ
ロールプロパンと2,4−トリレンジイソシアネート
(TDI)の付加体(例えば商品名コロネートL−5
0)が一般的であるが、4,4−ジフェニルメタンジイ
ソシアネート(MDI)やヘキサンジイソシアネート
(HDI)等のアルキレンジイソシアネートの付加体を
使用してもよい。この他、テトラグリシジルメタキシレ
ンジアミン、テトラグリシジル−1,3−ビスアミノメ
チルシクロヘキサン、テトラグリシジルアミノジフェニ
ルメタン、トリグリシジル−p−アミノフェノール等の
ポリグリシジルアミン化合物、2−ジブチルアミノ−
4,6−ジメルカプト置換トリアジン等のポリチオール
化合物、トリグリシジルイソシアヌレート等のエポキシ
化合物、エポキシ化合物とイソシアネート化合物の混合
物、エポキシ化合物とオキサゾリン化合物との混合物、
イミダゾール化合物とイソシアネート化合物の混合物、
無水メチルナジン酸等、従来より公知のものはいずれも
使用可能である。これら硬化剤の有機バインダへの配合
割合は、有機バインダ100重量部に対し5〜80重量
部、好ましくは10〜50重量部である。
剤として、例えばポリイソシアネート等を添加すること
が可能である。ポリイソシアネートとしては、トリメチ
ロールプロパンと2,4−トリレンジイソシアネート
(TDI)の付加体(例えば商品名コロネートL−5
0)が一般的であるが、4,4−ジフェニルメタンジイ
ソシアネート(MDI)やヘキサンジイソシアネート
(HDI)等のアルキレンジイソシアネートの付加体を
使用してもよい。この他、テトラグリシジルメタキシレ
ンジアミン、テトラグリシジル−1,3−ビスアミノメ
チルシクロヘキサン、テトラグリシジルアミノジフェニ
ルメタン、トリグリシジル−p−アミノフェノール等の
ポリグリシジルアミン化合物、2−ジブチルアミノ−
4,6−ジメルカプト置換トリアジン等のポリチオール
化合物、トリグリシジルイソシアヌレート等のエポキシ
化合物、エポキシ化合物とイソシアネート化合物の混合
物、エポキシ化合物とオキサゾリン化合物との混合物、
イミダゾール化合物とイソシアネート化合物の混合物、
無水メチルナジン酸等、従来より公知のものはいずれも
使用可能である。これら硬化剤の有機バインダへの配合
割合は、有機バインダ100重量部に対し5〜80重量
部、好ましくは10〜50重量部である。
【0018】バックコート層と非磁性支持体との間に、
バックコート層の接着性向上等の目的で、密着層を形成
してもよい。密着層は、有機バインダ単独、あるいはカ
ーボン粉末および必要に応じて他の非磁性粉末および有
機バインダを溶剤に溶解し塗料化し、これを非磁性支持
体上に塗布、乾燥することにより形成される。
バックコート層の接着性向上等の目的で、密着層を形成
してもよい。密着層は、有機バインダ単独、あるいはカ
ーボン粉末および必要に応じて他の非磁性粉末および有
機バインダを溶剤に溶解し塗料化し、これを非磁性支持
体上に塗布、乾燥することにより形成される。
【0019】バックコート層形成用の塗料に用いられる
溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチル
イソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、メ
タノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等の
アルコール類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピ
ル、酢酸ブチル、乳酸エチル、エチレングリコールモノ
アセテート等のエステル類、ジエチレングリコールジメ
チルエーテル、グリコールモノエチルエーテル、ジオキ
サン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、ベンゼン、
トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、メチレンクロ
ライド、エチレンクロライド、四塩化炭素、クロロホル
ム、ジクロルベンゼン等のハロゲン化炭化水素等が使用
される。
溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチル
イソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、メ
タノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等の
アルコール類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピ
ル、酢酸ブチル、乳酸エチル、エチレングリコールモノ
アセテート等のエステル類、ジエチレングリコールジメ
チルエーテル、グリコールモノエチルエーテル、ジオキ
サン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、ベンゼン、
トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、メチレンクロ
ライド、エチレンクロライド、四塩化炭素、クロロホル
ム、ジクロルベンゼン等のハロゲン化炭化水素等が使用
される。
【0020】バックコート層用塗料の調製は、非磁性粒
子、有機バインダおよび有機溶剤等を混合、分散および
混練の各工程を経ることによりおこなわれる。分散およ
び混練には、ニーダ、アジタ、ボールミル、サンドミ
ル、ロールミル、エクストルーダ、ホモジナイザ、超音
波分散機等が用いられる。非磁性支持体上に塗布バック
コート層を形成するための塗布方法は特に限定されず、
エアドクタコート、ブレードコート、エアナイフコー
ト、スクィズコート、含浸コート、リバースロールコー
ト、トランスファロールコート、グラビアコート、キス
コート、キャストコート、エクストルージョンコート、
スピンコート等従来の方法はいずれも採用可能である。
非磁性支持体上に形成された塗布バックコート層は、加
熱空気等により乾燥して有機溶剤を除去し、必要に応じ
て硬化処理を施す。バックコート層の3次元表面粗さ
は、塗料の調製工程においてその分散性を選択すること
によっても制御することができる。
子、有機バインダおよび有機溶剤等を混合、分散および
混練の各工程を経ることによりおこなわれる。分散およ
び混練には、ニーダ、アジタ、ボールミル、サンドミ
ル、ロールミル、エクストルーダ、ホモジナイザ、超音
波分散機等が用いられる。非磁性支持体上に塗布バック
コート層を形成するための塗布方法は特に限定されず、
エアドクタコート、ブレードコート、エアナイフコー
ト、スクィズコート、含浸コート、リバースロールコー
ト、トランスファロールコート、グラビアコート、キス
コート、キャストコート、エクストルージョンコート、
スピンコート等従来の方法はいずれも採用可能である。
非磁性支持体上に形成された塗布バックコート層は、加
熱空気等により乾燥して有機溶剤を除去し、必要に応じ
て硬化処理を施す。バックコート層の3次元表面粗さ
は、塗料の調製工程においてその分散性を選択すること
によっても制御することができる。
【0021】塗布形成されたバックコート層の表面にさ
らに薄膜バックコート層を設けてもよい。薄膜バックコ
ート層に採用される材料としては、例えばカーボン、S
iO2 、Si3 N4 、SiON、SiC、Al2 O3 、
AlN、TiO2 、Cr2 O3 、TiN、TiC、Zr
O2 、MgO、BN、CoOあるいは非磁性金属等を単
独あるいは複合膜として使用される。さらにはポリパラ
キシリレン(商品名パリレン)やフッ化ポリパラキシリ
レン、あるいは他のフッ素樹脂等、真空薄膜形成技術を
適用可能な有機高分子を用いることもできる。これら材
料を単層あるいは積層で用いてもよい。
らに薄膜バックコート層を設けてもよい。薄膜バックコ
ート層に採用される材料としては、例えばカーボン、S
iO2 、Si3 N4 、SiON、SiC、Al2 O3 、
AlN、TiO2 、Cr2 O3 、TiN、TiC、Zr
O2 、MgO、BN、CoOあるいは非磁性金属等を単
独あるいは複合膜として使用される。さらにはポリパラ
キシリレン(商品名パリレン)やフッ化ポリパラキシリ
レン、あるいは他のフッ素樹脂等、真空薄膜形成技術を
適用可能な有機高分子を用いることもできる。これら材
料を単層あるいは積層で用いてもよい。
【0022】薄膜バックコート層の形成方法は、真空薄
膜形成法すなわちDCスパッタリング法、RFスパッタ
リング法、イオンビームスパッタリング法、マグネトロ
ンスパッタリング法、反応性スパッタリング法等の各種
スパッタリング法や、蒸着法、反応性蒸着法、イオンプ
レーティング法等が採用される。プラズマCVD法やE
CRプラズマCVD法、減圧CVD法等を採用してもよ
い。有機高分子薄膜の場合には、蒸着法や原料モノマガ
スのプラズマ重合により形成することができる。いずれ
の方法においても、非磁性支持体やこの上に設けられた
塗布形成によるバックコート層が熱変形しないように非
磁性支持体等を冷却しながら形成することが望ましい。
薄膜バックコート層を設けることにより、塗布バックコ
ート層からの非磁性粒子の脱落を防止したり、さらに安
定な走行性を得ることができる。薄膜バックコート層の
厚さは、例えば2nm以上100nm以下、好ましくは
5nm以上50nm以下が選ばれる。この範囲未満では
薄膜バックコート層を設ける効果が薄く、またこの範囲
を超えると磁気記録テープにおいてはその剛性が過大と
なり、磁気ヘッドの当たり特性が低下する。
膜形成法すなわちDCスパッタリング法、RFスパッタ
リング法、イオンビームスパッタリング法、マグネトロ
ンスパッタリング法、反応性スパッタリング法等の各種
スパッタリング法や、蒸着法、反応性蒸着法、イオンプ
レーティング法等が採用される。プラズマCVD法やE
CRプラズマCVD法、減圧CVD法等を採用してもよ
い。有機高分子薄膜の場合には、蒸着法や原料モノマガ
スのプラズマ重合により形成することができる。いずれ
の方法においても、非磁性支持体やこの上に設けられた
塗布形成によるバックコート層が熱変形しないように非
磁性支持体等を冷却しながら形成することが望ましい。
薄膜バックコート層を設けることにより、塗布バックコ
ート層からの非磁性粒子の脱落を防止したり、さらに安
定な走行性を得ることができる。薄膜バックコート層の
厚さは、例えば2nm以上100nm以下、好ましくは
5nm以上50nm以下が選ばれる。この範囲未満では
薄膜バックコート層を設ける効果が薄く、またこの範囲
を超えると磁気記録テープにおいてはその剛性が過大と
なり、磁気ヘッドの当たり特性が低下する。
【0023】上述した多層バックコート層を形成する非
磁性支持体としては、通常の塗布型および薄膜型磁気記
録媒体で用いられるものはいずれも使用可能であり、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナ
フタレート等のポリエステル類、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン等のポリオレフィン類、セルローストリアセテ
ート、セルロースダイセテート等のセルロース誘導体、
ポリ塩化ビニル等のビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン
等のビニリデン樹脂、ポリカーボネート、ポリアミドイ
ミド、ポリイミド等の有機高分子が例示される。これら
非磁性支持体の表面には接着性向上のために、有機バイ
ンダからなる下地材料層を設けてもよい。また、磁気記
録層が金属磁性薄膜型の場合には、この下地材料層中や
非磁性支持体中に、SiO2 やラテックス等のフィラー
を含有させ、微細な表面突起を形成してもよい。これら
表面突起は、金属磁性薄膜の表面性を制御して、磁気記
録テープの走行性の向上に寄与する。
磁性支持体としては、通常の塗布型および薄膜型磁気記
録媒体で用いられるものはいずれも使用可能であり、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナ
フタレート等のポリエステル類、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン等のポリオレフィン類、セルローストリアセテ
ート、セルロースダイセテート等のセルロース誘導体、
ポリ塩化ビニル等のビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン
等のビニリデン樹脂、ポリカーボネート、ポリアミドイ
ミド、ポリイミド等の有機高分子が例示される。これら
非磁性支持体の表面には接着性向上のために、有機バイ
ンダからなる下地材料層を設けてもよい。また、磁気記
録層が金属磁性薄膜型の場合には、この下地材料層中や
非磁性支持体中に、SiO2 やラテックス等のフィラー
を含有させ、微細な表面突起を形成してもよい。これら
表面突起は、金属磁性薄膜の表面性を制御して、磁気記
録テープの走行性の向上に寄与する。
【0024】磁気記録層としては、薄膜型が主として用
いられるが、塗布型であってもよい。このうち、薄膜型
の磁気記録層は、強磁性金属を蒸着やスパッタリングあ
るいはめっき等の薄膜形成技術により非磁性支持体上に
形成する。強磁性金属の材料としては、Co、Feある
いはNi等の単体強磁性金属や、Co−Ni系合金、C
o−Ni−Pt系合金、Co−Cr合金、Co−Cr−
Ta合金、Co−Cr−Pt合金等のCo系合金、Fe
−Co−Ni合金、Fe−Ni−B合金、Fe−Co−
B合金、Fe−Co−Ni−B合金等のFe系合金等
や、これら強磁性材料中や粒界に酸化物、窒化物あるい
は炭化物等が析出した構造からなるものが例示される。
特に、面内磁化モードによる薄膜型磁気記録媒体では、
非磁性支持体表面に対し斜め蒸着等で磁性層を形成して
磁化容易軸を磁性層の略面内に配向する。非磁性支持体
上にBi、Sb、Pb、Sn、Ga、In、Ge、Si
あるいはTi等の非磁性下地層を形成しておき、ここに
非磁性支持体表面の垂直方向環から強磁性金属を蒸着あ
るいはスパッタリングしてもよい。かかる非磁性下地層
を介在させることにより、非磁性金属を磁性層中に拡散
したり、磁性層のモホロジ(morphology) を制御して面
内等方性磁化を付与するとともに、抗磁力を向上するこ
とができる。磁気記録層は単層あるいは積層で用いられ
る。積層の場合には、中間層として非磁性層を介在させ
てもよい。また磁気記録層の表面に保護層を設けてもよ
い。保護層の材料としては、アモルファスカーボン、ダ
イアモンドライクカーボン、SiO2 、Si3 N4 、S
iON、SiC、Al2 O3 、AlN、TiO2 、Cr
2 O3 、TiN、TiC、ZrO2 、MgO、BN、C
oOあるいは非磁性金属等を単独あるいは複合膜として
使用される。これら材料を単層あるいは積層で用いても
よい。
いられるが、塗布型であってもよい。このうち、薄膜型
の磁気記録層は、強磁性金属を蒸着やスパッタリングあ
るいはめっき等の薄膜形成技術により非磁性支持体上に
形成する。強磁性金属の材料としては、Co、Feある
いはNi等の単体強磁性金属や、Co−Ni系合金、C
o−Ni−Pt系合金、Co−Cr合金、Co−Cr−
Ta合金、Co−Cr−Pt合金等のCo系合金、Fe
−Co−Ni合金、Fe−Ni−B合金、Fe−Co−
B合金、Fe−Co−Ni−B合金等のFe系合金等
や、これら強磁性材料中や粒界に酸化物、窒化物あるい
は炭化物等が析出した構造からなるものが例示される。
特に、面内磁化モードによる薄膜型磁気記録媒体では、
非磁性支持体表面に対し斜め蒸着等で磁性層を形成して
磁化容易軸を磁性層の略面内に配向する。非磁性支持体
上にBi、Sb、Pb、Sn、Ga、In、Ge、Si
あるいはTi等の非磁性下地層を形成しておき、ここに
非磁性支持体表面の垂直方向環から強磁性金属を蒸着あ
るいはスパッタリングしてもよい。かかる非磁性下地層
を介在させることにより、非磁性金属を磁性層中に拡散
したり、磁性層のモホロジ(morphology) を制御して面
内等方性磁化を付与するとともに、抗磁力を向上するこ
とができる。磁気記録層は単層あるいは積層で用いられ
る。積層の場合には、中間層として非磁性層を介在させ
てもよい。また磁気記録層の表面に保護層を設けてもよ
い。保護層の材料としては、アモルファスカーボン、ダ
イアモンドライクカーボン、SiO2 、Si3 N4 、S
iON、SiC、Al2 O3 、AlN、TiO2 、Cr
2 O3 、TiN、TiC、ZrO2 、MgO、BN、C
oOあるいは非磁性金属等を単独あるいは複合膜として
使用される。これら材料を単層あるいは積層で用いても
よい。
【0025】塗布型の磁気記録層を採用する場合には、
磁性粉末を有機バインダ中に分散させた磁性塗料を非磁
性支持体上に塗布して形成する。このうち磁性粉末の材
料は特に限定はなく、金属磁性粉末、酸化物磁性粉末あ
るいはその他の化合物磁性粉末がいずれも採用される。
金属磁性粉末系としてはFe、Co、Ni等の金属やこ
れらの合金、あるいはこれら金属や合金にAl、Si、
Ti、Cr、V、Mn、Cu、Zn、Mg、Bi、希土
類、P、B、N、C等の元素が一種あるいは複数種添加
されたものがいずれも用いられる。これらのうち、Fe
あるいはFe−Co合金が飽和磁化の点から好ましく用
いられる。またこれら金属磁性粉末の表層に、Al、S
i、PあるいはB等の焼結防止元素あるいは形状保持元
素を含有していてもよい。酸化鉄系磁性粉末としてはγ
−Fe2 O3 、Fe3 O4 、γ−Fe2 O3 とFe3 O
4 との中間体であるベルトライド化合物、Co含有γ−
Fe2 O3 、Co含有Fe3 O4 、Co含有γ−Fe2
O3 とCo含有Fe3 O4 との中間体であるベルトライ
ド化合物等の各種スピネル型酸化鉄、M型、W型、Y
型、Z型等の各種バリウムフェライト、カルシウムフェ
ライト、鉛フェライト、これら各種マグネトプランバイ
ト型酸化鉄に保磁力を向上する目的で、Co、Ti、Z
n、Nb、CuあるいはNi等を添加したマグネトプラ
ンバイト型酸化鉄が例示される。鉄の化合物としては酸
化鉄系の他に窒化鉄、炭化鉄、硼化鉄が挙げられる。酸
化物系としては他にCrO2 あるいはこれにTe、S
b、Fe、B等を微量添加したものでもよい。これら各
種磁性粉末は単独あるいは複数種を混合して使用するこ
とも可能である。
磁性粉末を有機バインダ中に分散させた磁性塗料を非磁
性支持体上に塗布して形成する。このうち磁性粉末の材
料は特に限定はなく、金属磁性粉末、酸化物磁性粉末あ
るいはその他の化合物磁性粉末がいずれも採用される。
金属磁性粉末系としてはFe、Co、Ni等の金属やこ
れらの合金、あるいはこれら金属や合金にAl、Si、
Ti、Cr、V、Mn、Cu、Zn、Mg、Bi、希土
類、P、B、N、C等の元素が一種あるいは複数種添加
されたものがいずれも用いられる。これらのうち、Fe
あるいはFe−Co合金が飽和磁化の点から好ましく用
いられる。またこれら金属磁性粉末の表層に、Al、S
i、PあるいはB等の焼結防止元素あるいは形状保持元
素を含有していてもよい。酸化鉄系磁性粉末としてはγ
−Fe2 O3 、Fe3 O4 、γ−Fe2 O3 とFe3 O
4 との中間体であるベルトライド化合物、Co含有γ−
Fe2 O3 、Co含有Fe3 O4 、Co含有γ−Fe2
O3 とCo含有Fe3 O4 との中間体であるベルトライ
ド化合物等の各種スピネル型酸化鉄、M型、W型、Y
型、Z型等の各種バリウムフェライト、カルシウムフェ
ライト、鉛フェライト、これら各種マグネトプランバイ
ト型酸化鉄に保磁力を向上する目的で、Co、Ti、Z
n、Nb、CuあるいはNi等を添加したマグネトプラ
ンバイト型酸化鉄が例示される。鉄の化合物としては酸
化鉄系の他に窒化鉄、炭化鉄、硼化鉄が挙げられる。酸
化物系としては他にCrO2 あるいはこれにTe、S
b、Fe、B等を微量添加したものでもよい。これら各
種磁性粉末は単独あるいは複数種を混合して使用するこ
とも可能である。
【0026】磁性粉末の形状としては、長軸長が例えば
0.05μm〜0.5μm程度、軸比(アスペクト比)
が3〜30程度、好ましくは5〜15程度であって、針
状、柱状、紡錘状あるいは棒状の外形を呈するものが好
ましい。長軸長が0.05μm未満であると、磁性塗料
の分散が困難であり、長軸長が0.5μmを超えるとノ
イズ特性が劣化する虞れがあり好ましくない。軸比が3
未満では個々の磁性粒子の磁場配向性が劣化して角型比
と残留磁束が低下する結果、出力が低下する。また軸比
が30を超えると、特に短波長信号が低下する虞れがあ
り好ましくない。マグネトプランバイト型酸化鉄の場合
には微細な六角板状のものが採用される。これは板径が
0.01〜0.5μm、板厚が0.001〜0.2μm
程度のものが好ましい。長軸長、軸比、板径、板厚等
は、透過型電子顕微鏡写真から無作為に抽出した100
サンプル以上の粒子の平均値から求めることができる。
これら磁性粉末の比表面積は30m2 /gから80m2
/g、特に40m2 /gから70m2 /gの範囲のもの
が好ましい。比表面積をこの範囲に選ぶことにより、磁
性粉末の微粒子化に伴う高密度記録化と、ノイズ特性に
優れた磁気記録媒体を得ることができる。
0.05μm〜0.5μm程度、軸比(アスペクト比)
が3〜30程度、好ましくは5〜15程度であって、針
状、柱状、紡錘状あるいは棒状の外形を呈するものが好
ましい。長軸長が0.05μm未満であると、磁性塗料
の分散が困難であり、長軸長が0.5μmを超えるとノ
イズ特性が劣化する虞れがあり好ましくない。軸比が3
未満では個々の磁性粒子の磁場配向性が劣化して角型比
と残留磁束が低下する結果、出力が低下する。また軸比
が30を超えると、特に短波長信号が低下する虞れがあ
り好ましくない。マグネトプランバイト型酸化鉄の場合
には微細な六角板状のものが採用される。これは板径が
0.01〜0.5μm、板厚が0.001〜0.2μm
程度のものが好ましい。長軸長、軸比、板径、板厚等
は、透過型電子顕微鏡写真から無作為に抽出した100
サンプル以上の粒子の平均値から求めることができる。
これら磁性粉末の比表面積は30m2 /gから80m2
/g、特に40m2 /gから70m2 /gの範囲のもの
が好ましい。比表面積をこの範囲に選ぶことにより、磁
性粉末の微粒子化に伴う高密度記録化と、ノイズ特性に
優れた磁気記録媒体を得ることができる。
【0027】塗布型の磁性層に採用される有機バイン
ダ、分散剤、研磨剤、マット剤、潤滑剤およびこれらを
磁性塗料化する際の溶剤等は特に限定はなく、いずれも
従来の塗布形磁気記録テープに採用されるものでよい。
塗布、乾燥、硬化、カレンダ処理等についても同様であ
る。
ダ、分散剤、研磨剤、マット剤、潤滑剤およびこれらを
磁性塗料化する際の溶剤等は特に限定はなく、いずれも
従来の塗布形磁気記録テープに採用されるものでよい。
塗布、乾燥、硬化、カレンダ処理等についても同様であ
る。
【0028】薄膜型、塗布形いずれの磁気記録媒体にお
いても、磁気記録層表面あるいは保護層表面、および裏
面(他の主面)に潤滑性を高めるトップコート層を形成
してよい。トップコート層材料としてはパーフルオロポ
リエーテルやその化合物等のフルオロカーボン、アルキ
ルアミン、アルキルエステル等が例示される。
いても、磁気記録層表面あるいは保護層表面、および裏
面(他の主面)に潤滑性を高めるトップコート層を形成
してよい。トップコート層材料としてはパーフルオロポ
リエーテルやその化合物等のフルオロカーボン、アルキ
ルアミン、アルキルエステル等が例示される。
【0029】
【発明の実施の形態】以下本発明の磁気記録媒体につ
き、薄膜型磁気記録テープを例にとり詳細に説明する。
き、薄膜型磁気記録テープを例にとり詳細に説明する。
【0030】本発明の磁気記録媒体の概略断面図を図1
に示す。すなわち、ポリエチレンテレフタレート等の非
磁性支持体1の一主面すなわち表面には、Co金属等か
らなる磁気記録層2が形成され、他の主面すなわち裏面
には、バックコート層3が形成されている。磁気記録層
2およびバックコート層3の表面には、さらに潤滑剤層
4aおよび4bが形成されている。図1に示した各層の
厚さバランスは説明のためのものであり、実際の磁気記
録テープの各層の厚さバランスを反映したものではな
い。また潤滑剤層4aおよび4bは連続した層として示
されているが、一部不連続であったり、島状に散在して
いる場合もありうる。
に示す。すなわち、ポリエチレンテレフタレート等の非
磁性支持体1の一主面すなわち表面には、Co金属等か
らなる磁気記録層2が形成され、他の主面すなわち裏面
には、バックコート層3が形成されている。磁気記録層
2およびバックコート層3の表面には、さらに潤滑剤層
4aおよび4bが形成されている。図1に示した各層の
厚さバランスは説明のためのものであり、実際の磁気記
録テープの各層の厚さバランスを反映したものではな
い。また潤滑剤層4aおよび4bは連続した層として示
されているが、一部不連続であったり、島状に散在して
いる場合もありうる。
【0031】バックコート層3表面の3次元表面粗さパ
ラメータのうち、最大高さSRmaxおよび中心面平均
粗さSRaの値が本発明の磁気記録媒体の特徴部分であ
り、それぞれ次の範囲内にある。 SRmax : 0.6μm以上1.0μm以下 SRa : 25nm以上35nm以下 ただし、SRmaxは断面曲面の平均面に平行な2平面
で断面曲面を挟んだ時の2平面の間隔であり、SRaは
断面曲面の中心面上の直交座標軸をX軸およびY軸、中
心面に直交する軸をZ軸、粗さ曲面をf(x,y)、基
準面のX軸方向の長さをLx、そして基準面のY軸方向
の長さをLyとしたとき、次式で表される値を表す。
ラメータのうち、最大高さSRmaxおよび中心面平均
粗さSRaの値が本発明の磁気記録媒体の特徴部分であ
り、それぞれ次の範囲内にある。 SRmax : 0.6μm以上1.0μm以下 SRa : 25nm以上35nm以下 ただし、SRmaxは断面曲面の平均面に平行な2平面
で断面曲面を挟んだ時の2平面の間隔であり、SRaは
断面曲面の中心面上の直交座標軸をX軸およびY軸、中
心面に直交する軸をZ軸、粗さ曲面をf(x,y)、基
準面のX軸方向の長さをLx、そして基準面のY軸方向
の長さをLyとしたとき、次式で表される値を表す。
【0032】
【数3】
【0033】図2および図3は、磁気記録媒体をリール
やハブ等に巻回した状態を示す概略断面図であり、巻回
された磁気記録媒体の、N層目とN+1層目の接触部分
を拡大して示すものである。いずれの図も、(a)はリ
ールやハブ等に巻回して保存している状態、(b)は
(a)の状態から磁気記録媒体を巻きだした状態であ
る。
やハブ等に巻回した状態を示す概略断面図であり、巻回
された磁気記録媒体の、N層目とN+1層目の接触部分
を拡大して示すものである。いずれの図も、(a)はリ
ールやハブ等に巻回して保存している状態、(b)は
(a)の状態から磁気記録媒体を巻きだした状態であ
る。
【0034】このうち図2はバックコート層3の3次元
表面粗さパラメータのうち、最大高さSRmaxおよび
中心面平均粗さSRaの値が小さく、上述の数値範囲か
らはずれる場合である。すなわち、バックコート層3表
面が平滑すぎるため、図2(a)に示すようにバックコ
ート層3側の潤滑剤層4bと、磁気記録層2側の潤滑剤
層4aとが広い面積に渡って接触した状態にある。バッ
クコート層3はその内部にも潤滑剤を吸収した状態であ
るので、潤滑剤層4bの一部は磁気記録層2側に移行
し、図2(b)に示すように潤滑剤層4aの厚さに過剰
な部分が生じる。磁気記録層2表面の潤滑剤層4aの過
剰な部分は、磁気記録再生装置での稼働中にそのテープ
パス部分に移行して蓄積し、走行不良の原因となる。
表面粗さパラメータのうち、最大高さSRmaxおよび
中心面平均粗さSRaの値が小さく、上述の数値範囲か
らはずれる場合である。すなわち、バックコート層3表
面が平滑すぎるため、図2(a)に示すようにバックコ
ート層3側の潤滑剤層4bと、磁気記録層2側の潤滑剤
層4aとが広い面積に渡って接触した状態にある。バッ
クコート層3はその内部にも潤滑剤を吸収した状態であ
るので、潤滑剤層4bの一部は磁気記録層2側に移行
し、図2(b)に示すように潤滑剤層4aの厚さに過剰
な部分が生じる。磁気記録層2表面の潤滑剤層4aの過
剰な部分は、磁気記録再生装置での稼働中にそのテープ
パス部分に移行して蓄積し、走行不良の原因となる。
【0035】一方、図3はバックコート層3の3次元表
面粗さパラメータのうち、最大高さSRmaxおよび中
心面平均粗さSRaの値が大きく、上述の数値範囲から
はずれる場合である。すなわち、バックコート層3表面
が粗く、リール等に巻回された状態では図3(a)に示
すようにその最大高さ部分で磁気記録層2の表面に接し
ている。このため、バックコート層3表面の潤滑剤層4
bが磁気記録層2表面に過度に移行する虞れはない。し
かしバックコート層3の最大高さ部分での接触圧が高ま
り、図3(b)に示すようにその先端形状が磁気記録層
2に転写され、凹部が発生する。この状態で記録再生を
おこなうと、再生信号のドロップアウトやエラーレート
の増大等の不都合をひきおこす。
面粗さパラメータのうち、最大高さSRmaxおよび中
心面平均粗さSRaの値が大きく、上述の数値範囲から
はずれる場合である。すなわち、バックコート層3表面
が粗く、リール等に巻回された状態では図3(a)に示
すようにその最大高さ部分で磁気記録層2の表面に接し
ている。このため、バックコート層3表面の潤滑剤層4
bが磁気記録層2表面に過度に移行する虞れはない。し
かしバックコート層3の最大高さ部分での接触圧が高ま
り、図3(b)に示すようにその先端形状が磁気記録層
2に転写され、凹部が発生する。この状態で記録再生を
おこなうと、再生信号のドロップアウトやエラーレート
の増大等の不都合をひきおこす。
【0036】本発明の磁気記録媒体は、バックコート層
の3次元表面粗さパラメータのうち、最大高さSRma
xおよび中心面平均粗さSRaの値が、図2および図3
の中間の粗さとなるように限定し、潤滑剤層4bの過度
の移行と、磁気記録層2の変形をいずれも防止し、良好
な走行性と電磁変換特性を得ることができる。
の3次元表面粗さパラメータのうち、最大高さSRma
xおよび中心面平均粗さSRaの値が、図2および図3
の中間の粗さとなるように限定し、潤滑剤層4bの過度
の移行と、磁気記録層2の変形をいずれも防止し、良好
な走行性と電磁変換特性を得ることができる。
【0037】
【実施例】以下、本発明の磁気記録媒体の製造方法およ
び評価方法につき、金属薄膜型の磁気記録テープを例に
とり、比較例を交えながらさらに詳細な説明を加える。
び評価方法につき、金属薄膜型の磁気記録テープを例に
とり、比較例を交えながらさらに詳細な説明を加える。
【0038】〔実施例による磁気記録テープの製造〕一
例として、厚さ3.3μm、幅150mmのPET(ポ
リエチレンテレフタレート)フィルムからなる非磁性支
持体の一主面(表面)に、リールツーリール方式の連続
巻き取り蒸着装置を用いて、磁気記録層を形成した。蒸
着条件の一例を下記に示す。 インゴット材:Co 100 % 入射角 45〜90 ° 酸素導入量 3.3×10-6 m3 /sec 蒸着時真空度 7×10-2 Pa 膜厚 200 nm
例として、厚さ3.3μm、幅150mmのPET(ポ
リエチレンテレフタレート)フィルムからなる非磁性支
持体の一主面(表面)に、リールツーリール方式の連続
巻き取り蒸着装置を用いて、磁気記録層を形成した。蒸
着条件の一例を下記に示す。 インゴット材:Co 100 % 入射角 45〜90 ° 酸素導入量 3.3×10-6 m3 /sec 蒸着時真空度 7×10-2 Pa 膜厚 200 nm
【0039】この磁気記録層の磁気特性を測定したとこ
ろ、次の値が得られた。 最大磁束密度Bm 446 mT 残留磁束密度Br 402 mT 角型比Br/Bm 90 % 抗磁力Hc 110 kA/m
ろ、次の値が得られた。 最大磁束密度Bm 446 mT 残留磁束密度Br 402 mT 角型比Br/Bm 90 % 抗磁力Hc 110 kA/m
【0040】次に非磁性支持体の他の主面(裏面)にバ
ックコート層を塗布法により形成した。バックコート層
用の塗料は、一例として下記組成によった。 カーボン粒子 100 重量部 (旭カーボン社製 カーボンブラック#60) 有機バインダ 100 重量部 (ポリカーボネートを主成分とする) 溶剤 250 重量部 (メチルエチルケトン/トルエン/シクロヘキサノン=
2/2/1) この組成物をボールミルで混合し、塗布直前に硬化剤
(コロネートL)を5重量部添加した。この塗料をグラ
ビアコータにより、乾燥塗布厚が0.5μmとなるよう
に塗布した。
ックコート層を塗布法により形成した。バックコート層
用の塗料は、一例として下記組成によった。 カーボン粒子 100 重量部 (旭カーボン社製 カーボンブラック#60) 有機バインダ 100 重量部 (ポリカーボネートを主成分とする) 溶剤 250 重量部 (メチルエチルケトン/トルエン/シクロヘキサノン=
2/2/1) この組成物をボールミルで混合し、塗布直前に硬化剤
(コロネートL)を5重量部添加した。この塗料をグラ
ビアコータにより、乾燥塗布厚が0.5μmとなるよう
に塗布した。
【0041】さらにバックコート層の3次元表面粗さを
所望の値とするために、非磁性粒子であるカーボン粒子
の粒径と、混合条件を変えた複数の塗料を用意して塗布
した。この塗料を用いて、バックコート層の3次元表面
粗さの異なる9種類のサンプルを製造した。
所望の値とするために、非磁性粒子であるカーボン粒子
の粒径と、混合条件を変えた複数の塗料を用意して塗布
した。この塗料を用いて、バックコート層の3次元表面
粗さの異なる9種類のサンプルを製造した。
【0042】つぎに各サンプルの磁気記録層およびバッ
クコート層の表面に潤滑剤層を形成した。この潤滑剤層
は、潤滑剤の一例としてパーフルオロポリエーテルを主
骨格とし、これがジメチルデシルアミン構造となるよう
に変性した化合物のトルエン溶液を塗布することにより
形成した。この後、2.5mm幅に裁断してNTカセッ
トに収納することにより、A〜Iの9種類の実施例によ
る磁気記録テープを製造した。
クコート層の表面に潤滑剤層を形成した。この潤滑剤層
は、潤滑剤の一例としてパーフルオロポリエーテルを主
骨格とし、これがジメチルデシルアミン構造となるよう
に変性した化合物のトルエン溶液を塗布することにより
形成した。この後、2.5mm幅に裁断してNTカセッ
トに収納することにより、A〜Iの9種類の実施例によ
る磁気記録テープを製造した。
【0043】〔比較例〕比較例の磁気記録テープとし
て、バックコート層の3次元表面粗さのみが所望とする
値の範囲外となる他は、上述した実施例と同様にして、
J〜Qの8種類の比較例による磁気記録テープを製造し
た。なお3次元表面粗さの調整は、非磁性粒子の粒径が
大きなものを選択する方法と、塗料の混合条件を弱めて
分散状態が比較的均一でない塗料を調整する方法を適宜
組み合わせておこなった。
て、バックコート層の3次元表面粗さのみが所望とする
値の範囲外となる他は、上述した実施例と同様にして、
J〜Qの8種類の比較例による磁気記録テープを製造し
た。なお3次元表面粗さの調整は、非磁性粒子の粒径が
大きなものを選択する方法と、塗料の混合条件を弱めて
分散状態が比較的均一でない塗料を調整する方法を適宜
組み合わせておこなった。
【0044】〔3次元表面粗さの測定〕バックコート層
の3次元表面粗さパラメータのうち、最大高さSRma
xおよび中心面平均粗さSRaを、3次元表面粗さ測定
器SE−3400LK(小坂研究所製)により測定し
た。
の3次元表面粗さパラメータのうち、最大高さSRma
xおよび中心面平均粗さSRaを、3次元表面粗さ測定
器SE−3400LK(小坂研究所製)により測定し
た。
【0045】〔走行性評価〕市販のNTテープデッキに
より、サンプルテープを全長にわたって繰り返し走行さ
せた。走行環境は−5℃の低温槽中とした。繰り返し走
行が100回以上となっても正常な走行性を示すものを
合格とし、100の数字で示した。繰り返し走行が10
0回に満たない内に走行不良が発生したものは不合格と
し、その回数で示した。走行不良は、NTテープデッキ
のテープパスに蓄積した潤滑剤によるものであった。
より、サンプルテープを全長にわたって繰り返し走行さ
せた。走行環境は−5℃の低温槽中とした。繰り返し走
行が100回以上となっても正常な走行性を示すものを
合格とし、100の数字で示した。繰り返し走行が10
0回に満たない内に走行不良が発生したものは不合格と
し、その回数で示した。走行不良は、NTテープデッキ
のテープパスに蓄積した潤滑剤によるものであった。
【0046】〔エラーレートの評価〕サンプルテープに
3MHzの基準信号を記録し、走行性評価前のブロック
エラーレートと、繰り返し100回走行後のブロックエ
ラーレートを測定し、その値が0.01以下のものを合
格とした。また繰り返し走行が100回未満で走行不良
を起こしたサンプルテープは、走行不良直前の走行回に
おけるブロックエラーレートを示した。
3MHzの基準信号を記録し、走行性評価前のブロック
エラーレートと、繰り返し100回走行後のブロックエ
ラーレートを測定し、その値が0.01以下のものを合
格とした。また繰り返し走行が100回未満で走行不良
を起こしたサンプルテープは、走行不良直前の走行回に
おけるブロックエラーレートを示した。
【0047】以上の測定結果、評価結果を、実施例によ
る9種類のサンプルテープA〜Iにつき、〔表1〕にま
とめて示す。また比較例の8種類のサンプルテープJ〜
Qについては、〔表2〕にまとめて示す。
る9種類のサンプルテープA〜Iにつき、〔表1〕にま
とめて示す。また比較例の8種類のサンプルテープJ〜
Qについては、〔表2〕にまとめて示す。
【0048】
【表1】
【0049】
【表2】
【0050】〔表1〕の測定結果より、バックコート層
の3次元表面粗さパラメータのうち、最大高さSRma
xおよび中心面平均粗さSRaの値が、それぞれ SRmax : 0.6μm以上1.0μm以下 SRa : 25nm以上35nm以下 の範囲内にあるものは、走行性およびブロックエラーレ
ート共に良好な値を示すことが明らかである。
の3次元表面粗さパラメータのうち、最大高さSRma
xおよび中心面平均粗さSRaの値が、それぞれ SRmax : 0.6μm以上1.0μm以下 SRa : 25nm以上35nm以下 の範囲内にあるものは、走行性およびブロックエラーレ
ート共に良好な値を示すことが明らかである。
【0051】一方、〔表2〕の測定結果からは、バック
コート層の3次元表面粗さパラメータのうち、最大高さ
SRmaxおよび中心面平均粗さSRaの値が、上述の
値をはずれる場合には、走行性およびブロックエラーレ
ート共に満足な値を示すことができないことが判る。
コート層の3次元表面粗さパラメータのうち、最大高さ
SRmaxおよび中心面平均粗さSRaの値が、上述の
値をはずれる場合には、走行性およびブロックエラーレ
ート共に満足な値を示すことができないことが判る。
【0052】以上、本発明の磁気記録媒体につき、実施
例および比較例により詳細な説明を加えたが、これらは
単なる例示であり、本発明はこれら実施例に何ら限定さ
れるものではない。
例および比較例により詳細な説明を加えたが、これらは
単なる例示であり、本発明はこれら実施例に何ら限定さ
れるものではない。
【0053】すなわち、磁気記録媒体として、NTシス
テム用薄膜磁気記録テープを例示したが、8mmVTR
用やデータレコーダ用等の各種薄膜磁気記録テープにお
いても、バックコート層の3次元表面粗さを上述した範
囲に限定することにより、良好な走行性と電磁変換特性
を得ることができる。また塗布型の磁気記録媒体に適用
してもよい。
テム用薄膜磁気記録テープを例示したが、8mmVTR
用やデータレコーダ用等の各種薄膜磁気記録テープにお
いても、バックコート層の3次元表面粗さを上述した範
囲に限定することにより、良好な走行性と電磁変換特性
を得ることができる。また塗布型の磁気記録媒体に適用
してもよい。
【0054】バックコート層は非磁性粒子としてカーボ
ンブラックと有機バインダを用いて塗布形成したが、非
磁性粒子としてカーボンブラック以外に例えばアルミナ
等を用いてよい。また塗布形成したバックコート層上に
さらに蒸着等の手法により、カーボン等の非磁性薄膜を
形成した多層バックコート層としてもよい。その他、磁
気記録層の材料、層構成や形成法等、本発明の趣旨の範
囲内で適宜選定することが可能である。
ンブラックと有機バインダを用いて塗布形成したが、非
磁性粒子としてカーボンブラック以外に例えばアルミナ
等を用いてよい。また塗布形成したバックコート層上に
さらに蒸着等の手法により、カーボン等の非磁性薄膜を
形成した多層バックコート層としてもよい。その他、磁
気記録層の材料、層構成や形成法等、本発明の趣旨の範
囲内で適宜選定することが可能である。
【0055】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の磁気記録媒体によれば、バックコート層の3次元表面
粗さパラメータのうち、最大高さSRmaxおよび中心
面平均粗さSRaを、それぞれ特定範囲内とすることに
より、通常の環境下はもとより、寒冷条件等の厳しい使
用環境下においても、良好な走行性と電磁変換特性を確
保することが可能となる。
の磁気記録媒体によれば、バックコート層の3次元表面
粗さパラメータのうち、最大高さSRmaxおよび中心
面平均粗さSRaを、それぞれ特定範囲内とすることに
より、通常の環境下はもとより、寒冷条件等の厳しい使
用環境下においても、良好な走行性と電磁変換特性を確
保することが可能となる。
【図1】本発明の磁気記録媒体を磁気記録テープに適用
した例の概略断面図である。
した例の概略断面図である。
【図2】バックコート層の3次元表面粗さが不適切な場
合の磁気記録媒テープを説明する概略断面図である。
合の磁気記録媒テープを説明する概略断面図である。
【図3】バックコート層の3次元表面粗さが不適切な他
の場合の磁気記録媒テープを説明する概略断面図であ
る。
の場合の磁気記録媒テープを説明する概略断面図であ
る。
1…非磁性支持体、2…磁気記録層、3…バックコート
層、4a,4b…潤滑剤層
層、4a,4b…潤滑剤層
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年3月30日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】全図
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【図2】
【図3】
Claims (3)
- 【請求項1】 非磁性支持体の一主面に磁気記録層を有
し、他の主面にバックコート層を有する磁気記録媒体に
おいて、 前記バックコート層の3次元表面粗さパラメータのう
ち、最大高さSRmaxおよび中心面平均粗さSRaの
値が、それぞれ次の範囲内であることを特徴とする磁気
記録媒体。 SRmax : 0.6μm以上1.0μm以下 SRa : 25nm以上35nm以下 ただし、SRmaxは断面曲面の平均面に平行な2平面
で断面曲面を挟んだ時の2平面の間隔であり、 SRaは断面曲面の中心面上の直交座標軸をX軸および
Y軸、中心面に直交する軸をZ軸、粗さ曲面をf(x,
y)、基準面のX軸方向の長さをLx、そして基準面の
Y軸方向の長さをLyとしたとき、次式で表される値を
表す。 【数1】 - 【請求項2】 前記バックコート層は、非磁性粒子と有
機バインダを主体とした塗布バックコート層であること
を特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体。 - 【請求項3】 前記磁気記録層および前記バックコート
層の表面に、潤滑剤層を有することを特徴とする請求項
1記載の磁気記録媒体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8206798A JPH11283242A (ja) | 1998-03-27 | 1998-03-27 | 磁気記録媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8206798A JPH11283242A (ja) | 1998-03-27 | 1998-03-27 | 磁気記録媒体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11283242A true JPH11283242A (ja) | 1999-10-15 |
Family
ID=13764155
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8206798A Pending JPH11283242A (ja) | 1998-03-27 | 1998-03-27 | 磁気記録媒体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11283242A (ja) |
-
1998
- 1998-03-27 JP JP8206798A patent/JPH11283242A/ja active Pending
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