JPH10334450A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH10334450A
JPH10334450A JP13879097A JP13879097A JPH10334450A JP H10334450 A JPH10334450 A JP H10334450A JP 13879097 A JP13879097 A JP 13879097A JP 13879097 A JP13879097 A JP 13879097A JP H10334450 A JPH10334450 A JP H10334450A
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nonmagnetic
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JP13879097A
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English (en)
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Kazuharu Iwasaki
和春 岩崎
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Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電磁変換特性における高密度化、ならびに走
行性、走行耐久性がともに向上した磁気記録媒体を提供
する。 【解決手段】 特定形状の針状含水酸化鉄微粒子および
結合剤を含む非磁性下層2を採用する。3個以内で重な
り接合した針状含水酸化鉄微粒子を用いてもよい。 【効果】 非磁性下層2およびこの表面性を反映した磁
気記録層3の表面性が向上するとともに、過度の鏡面化
が防止されるので、高密度記録化と走行性向上とが両立
した磁気記録媒体の提供が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は磁気記録媒体に関
し、さらに詳しくは、優れた表面平滑性および電磁変換
特性ならびに走行性を有する高密度磁気記録媒体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】オーディオ装置、ビデオ装置あるいはコ
ンピュータ等の周辺機器としての磁気記録装置で用いら
れる磁気記録テープ等の磁気記録媒体として、塗布型と
薄膜型のものが主として用いられている。塗布型は、磁
性粉末、結合剤および各種添加剤等を有機溶媒に分散、
混練して調整される磁性塗料を、非磁性支持体上に塗
布、乾燥、硬化することにより形成される磁気記録層を
用いたものである。また薄膜型のものは、非磁性支持体
上にCo等の強磁性金属薄膜をスパッタリング、蒸着あ
るいはめっき等の薄膜形成技術により被着したものであ
る。
【0003】これらの各種磁気記録装置においては、近
年ますます小型軽量化、高画質化、長時間化あるいはデ
ィジタル記録化等が進展し、磁気記録媒体に対しても高
密度記録化が強く要望されるようになっている。この要
望に応えるため、近年の磁気記録媒体は、その磁気記録
層表面を鏡面に近い状態にまで平滑化し、磁気ヘッド/
磁気記録層間の間隙を狭め、スペーシングロスを可及的
に低減する方向にある。
【0004】磁気記録媒体の一形態である磁気記録テー
プにおいては、各種ガイドピン等の摺動部材と摺動しつ
つ走行する。一例として8ミリビデオテープレコーダの
場合、磁気記録テープは10個以上のステンレス等から
なる固定ガイドピンを通過して磁気ドラムに巻き付けら
れ、ピンチローラ、キャプスタンおよびリールモータに
より、テープテンションは約20g、走行速度は0.5
cm/secと、共に一定に保持されつつ走行する。こ
のため、磁気記録層の表面性が過度な鏡面状態となって
摺動部材/磁気記録テープ間の摩擦力が大きくなると、
磁気テープがスティックスリップと呼ばれる自励振動に
よるテープ鳴きを起こし、再生画面の歪みを発生する。
また摺動部材への磁気記録媒体の凝着現象、いわゆる張
り付き等が起き易く、走行性やその耐久性に解決すべき
問題点を発生する。したがって、磁気記録層表面の平滑
化によりスペーシングロスを低減して高密度記録化を図
る方向と、走行性や走行耐久性を向上する方向とは一般
的にトレードオフの関係にあり、両者の最適バランスを
採ることが重要となる。
【0005】この問題を解決するための一方法として、
従来より非磁性支持体と磁気記録層の間に非磁性下層を
形成する手法が用いられている。非磁性下層は、非磁性
顔料等を結合剤中に分散させた非磁性塗料を非磁性支持
体上に塗布することにより形成され、非磁性顔料の材料
や形状、塗布方法等を選ぶことによりその表面粗度を調
節し、非磁性下層上に形成する磁気記録層の表面粗度を
所望の値に制御することがおこなわれている。
【0006】例えば、非磁性下層中に非磁性顔料として
適当量のカーボンブラックを含有させる方法(特開平4
−238111号公報)、非磁性酸化物の表面をさらに
無機材料で被覆する方法(特開平5−182177号公
報)、粒径の異なる2種類の非磁性顔料を用いる方法
(特開平5−274651号公報)等、各種の方法が知
られている。
【0007】また塗布型磁気記録媒体においては、塗布
欠陥や塗り筋の無い均一な塗布膜の形成が要求され、そ
の方法の一つとして非磁性下層と磁気記録層とを同時に
塗布形成する重層塗布方式が提案されている。重層塗布
方式においては、非磁性下層と磁気記録層との塗料特性
の調整が重要であり各種方法が提案されている。例え
ば、磁気記録層の塗料溶媒として、非磁性下層の結合剤
に対しては貧溶媒となるものを選ぶ方法(特開昭63−
31028号公報)、非磁性下層と磁気記録層の塗料の
溶解度パラメータを一致させる方法(特開平3−119
518号公報)、非磁性下層と磁気記録層の塗料のレイ
ノルズ数を一致させる方法(特開平4−271016号
公報)、非磁性下層と磁気記録層の塗料のチキソトロピ
ー性を一致または近似させる方法(特開平4−3259
17号公報)、塗料の流動曲線を特定式にフィッティン
グさせる方法(特開平5−128496号公報)、引き
延ばし流動指数を規定する方法(特開平5−20816
5号公報)、塗料のクリープ変形量を規定する方法(特
開平6−195690号公報)、塗料の損失弾性項の極
大値と極小値の比を一定量とする方法(特開平5−26
6463号公報)等がある。
【0008】しかしながら、このようにして得られた磁
気記録媒体は、磁気記録層表面が極めて平滑であるため
に摩擦係数が大きく、優れた走行性や走行耐久性を付与
することが困難な状態となっている。磁気記録テープの
場合には、小型化、長時間化に伴う媒体全厚の薄化によ
る強度低下がこの傾向を助長している。走行性や走行耐
久性を向上するために潤滑剤の量を最適化する方法(特
開平1−224919号公報、特開平5−183178
号公報)やフッ素系潤滑剤を採用する方法(特開平2−
192018号公報、特開平5−298679号公報)
が提案されているが、未だ十分満足できるレベルには達
していない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる現状に
鑑み提案するものであり、高密度大容量記録に好適な優
れた電磁変換特性を有するとともに、走行性や走行耐久
性等の実用特性においても満足できる信頼性の高い磁気
記録媒体を提供することをその課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の磁気記録媒体
は、上述した課題を解決するために提案するものであ
り、非磁性支持体の一主面側に、少なくとも非磁性下層
および磁気記録層をこの順に有する磁気記録媒体におい
て、この非磁性下層は、結合剤中に分散された針状含水
酸化鉄微粒子を含むとともに、針状含水酸化鉄微粒子の
平均長軸長は0.2μm以下、平均短軸長は0.04μ
m以下であることを特徴とする。
【0011】この結合剤中に分散された針状含水酸化鉄
微粒子は、結晶学的なa軸方向に、同一結晶面同士が3
個以内で重なり接合していることが望ましい。
【0012】かかる特定形状あるいは集合状態の針状含
水酸化鉄微粒子を含む非磁性下層を採用することによ
り、この上に形成する磁気記録層表面が過度の鏡面状態
とならず、適度の平滑性を有することができ、スペーシ
ングロスの低減による高密度記録化と、走行性との両立
を図ることが可能となる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の磁気記録媒体を図
面を参照しつつ詳しく説明する。本発明の磁気記録媒体
の一構成例を示す概略断面図を図1に示す。非磁性支持
体1の一主面側には、非磁性下層2、磁気記録層3およ
びトップコート層4が順次形成されている。また非磁性
支持体1の他の主面側には、バックコート層5が形成さ
れている。
【0014】これらのうち、非磁性支持体1としては通
常の磁気記録媒体で用いられるものはいずれも使用可能
であり、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−
2,6−ナフタレート等のポリエステル類、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン等のポリオレフィン類、セルロース
トリアセテート、セルロースダイセテート等のセルロー
ス誘導体、ポリ塩化ビニル等のビニル系樹脂、ポリ塩化
ビニリデン等のビニリデン樹脂、ポリカーボネート、ポ
リアミドイミド、ポリイミド等の有機高分子が例示され
る。さらにハードディスク等の磁気記録媒体の場合に
は、非磁性支持体としてAl系金属、セラミクス、プラ
スチクスやガラス等の剛体基板を用いることができる。
これら剛体基板の表面にアルマイト処理等による酸化被
膜や、Ni−P被膜等を形成して、その表面硬度をさら
に高めてもよい。
【0015】非磁性下層2は本発明の特徴部分であり、
この構造については後に詳述する。
【0016】磁気記録層3としては塗布型、金属磁性薄
膜型のいずれでもよい。塗布型の磁気記録層3は、磁性
粉末を有機バインダ中に分散させた磁性塗料を非磁性下
層2上に塗布して、あるいは非磁性下層2および磁気記
録層3を同時に重層塗布して形成する。このうち磁性粉
末の材料は特に限定はなく、金属磁性粉末、酸化物磁性
粉末あるいはその他の化合物磁性粉末がいずれも採用さ
れる。金属磁性粉末系としてはFe、Co、Ni等の金
属やこれらの合金、あるいはこれら金属や合金にAl、
Si、Ti、Cr、V、Mn、Cu、Zn、Mg、B
i、希土類、P、B、N、C等の元素が一種あるいは複
数種添加されたものがいずれも用いられる。これらのう
ち、FeあるいはFe−Co合金が飽和磁化の点から好
ましく用いられる。またこれら金属磁性粉末の表層に、
Al、Si、PあるいはB等の焼結防止元素あるいは形
状保持元素を含有していてもよい。酸化鉄系磁性粉末と
してはγ−Fe2 3 、Fe3 4 、γ−Fe2 3
Fe3 4 との中間体であるベルトライド化合物、Co
含有γ−Fe2 3 、Co含有Fe3 4 、Co含有γ
−Fe2 3 とCo含有Fe3 4 との中間体であるベ
ルトライド化合物等の各種スピネル型酸化鉄、M型、W
型、Y型、Z型等の各種バリウムフェライト、カルシウ
ムフェライト、鉛フェライト、これら各種マグネトプラ
ンバイト型酸化鉄に保磁力を向上する目的で、Co、T
i、Zn、Nb、CuあるいはNi等を添加したマグネ
トプランバイト型酸化鉄が例示される。鉄の化合物とし
ては酸化鉄系の他に窒化鉄、炭化鉄、硼化鉄が挙げられ
る。酸化物系としては他にCrO2 あるいはこれにT
e、Sb、Fe、B等を微量添加したものでもよい。こ
れら各種磁性粉末は単独あるいは複数種を混合して使用
することも可能である。
【0017】磁性粉末の形状としては、長軸長が例えば
0.05μm〜0.5μm程度、軸比(アスペクト比)
が3〜30程度、好ましくは5〜15程度であって、針
状、柱状、紡錘状あるいは棒状の外形を呈するものが好
ましい。長軸長が0.05μm未満であると、磁性塗料
の分散が困難であり、長軸長が0.5μmを超えるとノ
イズ特性が劣化する虞れがあり好ましくない。軸比が3
未満では個々の磁性粒子の磁場配向性が劣化して角型比
と残留磁束が低下する結果、出力が低下する。また軸比
が30を超えると、特に短波長信号が低下する虞れがあ
り好ましくない。マグネトプランバイト型酸化鉄の場合
には微細な六角板状のものが採用される。これは板径が
0.01〜0.5μm、板厚が0.001〜0.2μm
程度のものが好ましい。長軸長、軸比、板径、板厚等
は、透過型電子顕微鏡写真から無作為に抽出した100
サンプル以上の粒子の平均値から求めることができる。
これら磁性粉末の比表面積は30m2 /gから80m2
/g、特に40m2 /gから70m2 /gの範囲のもの
が好ましい。比表面積をこの範囲に選ぶことにより、磁
性粉末の微粒子化に伴う高密度記録化と、ノイズ特性に
優れた磁気記録媒体を得ることができる。
【0018】塗布型の磁性層に採用される有機バイン
ダ、分散剤、研磨剤、マット剤、潤滑剤およびこれらを
磁性塗料化する際の溶剤等は特に限定はなく、いずれも
従来の塗布形磁気記録テープに採用されるものでよい。
塗布、乾燥、硬化、カレンダ処理等についても同様であ
る。
【0019】金属磁性薄膜形の磁気記録媒体において
は、磁気記録層3は強磁性金属を蒸着やスパッタリング
あるいはめっき等の薄膜形成技術により非磁性下層2上
に形成する。強磁性金属の材料としては、Co、Feあ
るいはNi等の単体強磁性金属や、Co−Ni系合金、
Co−Ni−Pt系合金、Co−Cr合金、Co−Cr
−Ta合金、Co−Cr−Pt合金等のCo系合金、F
e−Co−Ni合金、Fe−Ni−B合金、Fe−Co
−B合金、Fe−Co−Ni−B合金等のFe系合金等
や、これら強磁性材料中や粒界に酸化物、窒化物あるい
は炭化物等が析出した構造からなるものが例示される。
特に、面内磁化モードによる薄膜型磁気記録媒体では、
非磁性支持体表面に対し斜め蒸着等で磁性層を形成して
磁化容易軸を磁性層の略面内に配向する。非磁性支持体
上にBi、Sb、Pb、Sn、Ga、In、Ge、Si
あるいはTi等の非磁性下地層を形成しておき、ここに
非磁性支持体表面の垂直方向環から強磁性金属を蒸着あ
るいはスパッタリングしてもよい。かかる非磁性下地層
を介在させることにより、非磁性金属を磁性層中に拡散
したり、磁性層のモホロジ(morphology) を制御して面
内等方性磁化を付与するとともに、抗磁力を向上するこ
とができる。磁気記録層は単層あるいは積層で用いられ
る。積層の場合には、中間層として非磁性層を介在させ
てもよい。
【0020】また図示はしないが磁気記録層3の表面に
保護層を設けてもよい。保護層の材料としては、カーボ
ン、ダイアモンドライクカーボン、SiO2 、Si3
4 、SiON、SiC、Al2 3 、AlN、Ti
2 、Cr2 3 、TiN、TiC、ZrO2 、Mg
O、BN、CoOあるいは非磁性金属等を単独あるいは
複合膜として使用される。これら材料を単層あるいは積
層で用いてもよい。これら保護層の形成方法は特に限定
されないが、スパッタリング、真空蒸着あるいはCVD
(Chemical Vapor Depositio
n)等の気相からの薄膜形成技術が均一性や膜質の点で
好ましい。
【0021】金属薄膜形、塗布形いずれの磁気記録層3
においても、磁気記録層表面あるいは保護層表面に潤滑
性を高めるトップコート層4を形成してよい。このトッ
プコート層は、一般に潤滑剤および防錆剤等の溶質を主
成分とし、アルコールやトルエン等の溶剤に溶解したト
ップコート溶液を塗布乾燥して形成する。潤滑剤として
はフルオロカーボン系、アルキルアミン系、アルキルエ
ステル系、シリコーン系等、従来より用いられている潤
滑剤はいずれも使用することができる。
【0022】また金属薄膜型磁気記録層の場合には、ト
ップコート層4に防錆剤を添加してもよい。防錆剤とし
てはこれも磁気記録媒体に従来用いられている防錆剤は
いずれも使用することが可能であり、有機アミン類、フ
ェノール類、ナフトール類、キノン類、リボフラビン等
の含窒素複素環化合物、グアノシン等の含酸素複素環化
合物、スルホランスルホレンチオン等の含硫黄複素環化
合物、チオフェノール等のメルカプト基を含む化合物、
チアゾール系化合物等を例示することができる。
【0023】さらに、より厳しい環境下での使用条件に
対処して潤滑効果を持続するため、潤滑剤あるいはその
組成物に対し重量比で30/70〜70/30程度の配
合比で極圧剤を併用してもよい。極圧剤は、境界潤滑領
域において部分的に金属接触を生じた際にこれに伴う摩
擦熱により金属面と反応し、反応生成物被膜を形成する
ことにより摩擦・磨耗防止作用を得る化合物であり、従
来公知のリン系極圧剤、硫黄系極圧剤、ハロゲン系極圧
剤、有機金属系極圧剤および複合系極圧剤のいずれも使
用することができる。
【0024】非磁性支持体1の他方の面に、塗布型ある
いは薄膜型のバックコート層5を設けてもよい。バック
コート層の構成は特に限定されない。塗布バックコート
層は非磁性粒子を有機バインダ中に分散させて形成し、
表面粗度や導電性を制御するものであり、非磁性粒子の
材料としては例えばヘマタイト、ベーマイト、溶融アル
ミナ、α,β,γ−アルミナ等の各種アルミナ、雲母、
カオリン、タルク、粘土、シリカ、酸化マグネシウム、
酸化チタン(ルチルおよびアナターゼ)、酸化亜鉛、硫
化亜鉛、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリ
ウム、硫酸バリウム、硫酸鉛、硫化タングステン等の無
機化合物、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリイミ
ド、ポリテトラフルオロエチレン等の高分子樹脂、デン
プン、あるいは非磁性金属やカーボン等が例示される。
非磁性粒子は、平均粒子径0.05〜1μm、好ましく
は0.1〜0.7μmの大きさのものが使用され、有機
バインダ100重量部に対して通常1〜20重量部の範
囲で添加される。また粒子形状は塗料適性や耐久性等の
観点から、略球形、略正多面体等の等方的な形状を有す
るものが好ましい。
【0025】また塗布バックコート層に用いる有機バイ
ンダ材料としては、これも特に限定されないが、従来よ
り使用されている熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反応型
樹脂等のすべてが使用可能である。熱可塑性樹脂は、熱
硬化性樹脂や反応型樹脂等と混合して用いることが望ま
しい。
【0026】薄膜バックコート層に採用される材料とし
ては、例えばカーボン、グラファイト、ダイアモンド状
カーボン、SiO2 、Si3 4 、SiON、SiC、
Al2 3 、AlN、TiO2 、Cr2 3 、TiN、
TiC、ZrO2 、MgO、BN、CoOあるいは非磁
性金属等を単独あるいは複合膜として使用される。さら
にはポリパラキシリレン(商品名パリレン)やフッ素樹
脂等、真空薄膜形成技術を適用可能な有機高分子を用い
ることもできる。これら材料を単層あるいは積層で用い
てもよい。
【0027】薄膜バックコート層の形成方法は、真空薄
膜形成法すなわちDCスパッタリング法、RFスパッタ
リング法、イオンビームスパッタリング法、マグネトロ
ンスパッタリング法、反応性スパッタリング法等の各種
スパッタリング法や、蒸着法、反応性蒸着法、イオンプ
レーティング法等が採用される。プラズマCVD法やE
CRプラズマCVD法、減圧CVD法等を採用してもよ
い。有機高分子薄膜の場合には、蒸着法や原料モノマガ
スのプラズマ重合により形成することができる。いずれ
の方法においても、非磁性支持体やこの上に設けられた
塗布バックコート層が熱変形しないように非磁性支持体
等を冷却しながら形成することが望ましい。このように
形成したバックコート層にも、トップコート層を形成し
てもよい。この場合のトップコート層の材料や形成方法
は、先のトップコート層4に準じてよい。塗布型のバッ
クコート層の場合には、通常用いられる潤滑剤あるいは
防錆剤をバックコート塗料中に内添してもよい。
【0028】非磁性下層2の構成は本発明の特徴部分で
あり、結合剤中に分散された針状含水酸化鉄微粒子を含
む。針状含水酸化鉄微粒子の平均長軸長は0.2μm以
下、平均短軸長は0.04μm以下のものが採用され
る。針状含水酸化鉄微粒子の粒子サイズは、微小になり
すぎると非磁性下層2の表面が過度な鏡面状態となり、
磁気記録媒体の走行性が低下するので、その下限は、平
均長軸長0.05μm、平均短軸長は0.01μm程度
とすることが望ましい。針状含水酸化鉄微粒子の軸比、
すなわち平均長軸長と平均短軸長の比は5〜8程度が望
ましい。この軸比は、平均長軸長が小さくなるにつれて
大きくなる傾向がある。針状含水酸化鉄微粒子の形状
は、高分解能透過型電子顕微鏡での観察によれば偏平し
た針状である。
【0029】針状含水酸化鉄微粒子の結合材中での分散
状態は、単分散か、あるいは凝集状態にあっても結晶学
的なa軸方向に、同一結晶面同士が3個以内で重なり接
合している集合粒子の形態を採ることが望ましい。かか
る針状含水酸化鉄微粒子の分散状態は、非磁性下層用塗
料の組成や混練条件を選ぶことにより達成することがで
きる。なお針状含水酸化鉄微粒子の結晶方位は、長軸方
向がc軸、短軸の幅方向がb軸そして短軸の厚さ方向が
a軸と定義される。
【0030】針状含水酸化鉄微粒子としては、周知のα
−FeOOH(ゲーサイト)、β−FeOOH、γ−F
eOOH等の各種結晶形態のものはいずれも採用するこ
とができる。これらの針状含水酸化鉄微粒子は単独でも
混合して用いてもよい。また分散性の向上、導電性の付
与、色調の改善等の目的に応じて、他の非磁性顔料と併
用してもよい。かかる非磁性顔料としては特に限定され
ないが、ヘマタイト、ベーマイト、溶融アルミナ、α,
β,γ−アルミナ等の各種アルミナ、雲母、カオリン、
タルク、粘土、シリカ、酸化マグネシウム、酸化チタン
(ルチルおよびアナターゼ)、酸化亜鉛、酸化錫、酸化
タングステン、酸化クロム、酸化セリウム、硫化亜鉛、
炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、炭
酸ストロンチウム、硫酸バリウム、硫酸鉛、硫酸カルシ
ウム、硫化タングステン、チタン酸バリウム、カーボン
ブラック、非磁性金属等の無機材料、ポリエチレン、ポ
リ塩化ビニル、ポリイミド、ポリテトラフフルオロエチ
レン等の高分子樹脂等が例示される。これら非磁性顔料
はその表面を他の非磁性材料で被覆したり、不純物をド
ープして用いてもよい。これら非磁性顔料の比表面積
は、5m2 /g以上100m2 /g以下が好ましく、2
0m2 /g以上70m2 /g以下がさらに好ましい。比
表面積がこの範囲内にあるときは非磁性下層の表面性、
結果的には磁気記録層の表面性が最適化され、スペーシ
ングロスや変調ノイズの少ない、また走行性や走行耐久
性に優れた磁気記録媒体を提供することが可能となる。
非磁性顔料の形状は特に限定されず、針状板状の他に、
球状、正多面体等の等方的な形状であってもよい。
【0031】非磁性下層中には、必要に応じて分散剤、
潤滑剤等を含有させてもよい。分散剤としては従来公知
のノニオン系、カチオン系あるいはアニオン系いずれの
ものを用いてもよい。潤滑剤としてはグラファイト、2
硫化モリブデン、2硫化タングステン、炭素数2から2
6程度までの脂肪酸、ならびにこれら脂肪酸と炭素数2
から26程度までのアルコールからなる脂肪酸エステ
ル、テルペン系化合物類、ならびにこれらのオリゴマ、
シリコーンオイル、フッ素系樹脂等従来公知のものはい
ずれも使用可能である。潤滑剤を磁気記録層および非磁
性下層の両方に含有させることにより、磁気記録媒体中
の潤滑剤の絶対量を確保し、走行性や走行耐久性を向上
することができる。
【0032】また非磁性下層に用いる結合剤材料として
は、これも特に限定されないが、従来より使用されてい
る熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反応型樹脂等のいずれ
も使用可能である。熱可塑性樹脂は、熱硬化性樹脂や反
応型樹脂等と混合して用いることが望ましい。樹脂の分
子量としては、数平均分子量5,000ないし200,
000のものが好適であり、10,000ないし10
0,000のものがさらに好適である。熱可塑性樹脂と
しては、例えば塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、フッ
化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化
ビニル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−酢酸ビ
ニル−ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル−アクリ
ロニトリル共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリ
ル共重合体、アクリル酸エステル−アクリルニトリル共
重合体、アクリル酸エステル−塩化ビニル−塩化ビニリ
デン共重合体、メタクリル酸エステル−塩化ビニル共重
合体、メタクリル酸エステル−塩化ビニリデン共重合
体、メタクリル酸エステル−エチレン共重合体、アクリ
ロニトリル−ブタジエン共重合体、スチレン−ブタジエ
ン共重合体、ポリウレタン樹脂、ポリエステルポリウレ
タン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネートポリウ
レタン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、
ポリビニルブチラール樹脂、セルロース誘導体(セルロ
ースアセテートブチレート、セルロースダイアセテー
ト、セルローストリアセテート、セルロースプロピオネ
ート、ニトロセルロース等)、スチレンブタジエン共重
合体、ポリエステル樹脂、アミノ樹脂、各種合成ゴム系
等があげられる。また熱硬化性樹脂および反応型樹脂の
例としては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレ
タン硬化型樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、メラミン
樹脂、アルキッド樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミン樹
脂、高分子量ポリエステル樹脂とイソシアネートプレポ
リマの混合物、ポリエステルポリオールとポリイソシア
ネートの混合物、低分子量グリコールと高分子量ジオー
ルとイソシアネートの混合物等、およびこれら樹脂の混
合物が例示される。これらの樹脂のうち、柔軟性を付与
するとされるポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹
脂、ポリエステル樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン
共重合体等の使用が好ましい。これらの樹脂は、針状含
水酸化鉄微粒子の分散性を向上するために−SO3 M、
−OSO3 M、−COOM、あるいは −PO(O
M’)2 等の極性官能基を含有していてもよい(但し、
MはHまたはLi、Ka、Na等のアルカリ金属、M’
はHまたはLi、Ka、Na等のアルカリ金属またはア
ルキル基をあらわす)。極性官能基としてはこの他に−
NR1 2 、−NR1 2 3 + - の末端基を有する
側鎖型のもの、>NR1 2 + - の主鎖型のもの等が
ある(ここでR1 、R2 、R3 は水素原子または炭化水
素基であり、X- はフッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハ
ロゲンイオンあるいは無機、有機イオンをあらわす)。
この他に−OH、−SH、−CN、エポキシ基等の極性
官能基であってもよい。これら極性官能基の含有量は1
-1〜10-8mol/gであり、好ましくは10-2〜1
-6mol/gである。これら有機バインダは単独で用
いることも可能であるが、2種類以上を併用することも
可能である。非磁性下層中におけるこれら結合剤の量
は、針状含水酸化鉄微粒子および必要に応じて混合した
非磁性顔料の合計量100重量部に対して1〜200重
量部、好ましくは10〜50重量部である。
【0033】上述した結合剤のうち、硬化型樹脂を架橋
硬化する硬化剤として、例えばポリイソシアネート等を
添加することが可能である。ポリイソシアネートとして
は、トリメチロールプロパンと2,4−トリレンジイソ
シアネート(TDI)の付加体(例えば商品名コロネー
トL−50)が一般的であるが、4,4−ジフェニルメ
タンジイソシアネート(MDI)やヘキサンジイソシア
ネート(HDI)等のアルキレンジイソシアネートの付
加体を使用してもよい。この他、テトラグリシジルメタ
キシレンジアミン、テトラグリシジル−1,3−ビスア
ミノメチルシクロヘキサン、テトラグリシジルアミノジ
フェニルメタン、トリグリシジル−p−アミノフェノー
ル等のポリグリシジルアミン化合物、2−ジブチルアミ
ノ−4,6−ジメルカプト置換トリアジン等のポリチオ
ール化合物、トリグリシジルイソシアヌレート等のエポ
キシ化合物、エポキシ化合物とイソシアネート化合物の
混合物、エポキシ化合物とオキサゾリン化合物との混合
物、イミダゾール化合物とイソシアネート化合物の混合
物、無水メチルナジン酸等、従来より公知のものはいず
れも使用可能である。これら硬化剤の硬化型樹脂への配
合割合は、硬化型樹脂100重量部に対し5〜80重量
部、好ましくは10〜50重量部である。
【0034】非磁性下層形成用の塗料に用いられる溶剤
としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソ
ブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、メタノ
ール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアル
コール類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢
酸ブチル、乳酸エチル、エチレングリコールモノアセテ
ート等のエステル類、ジエチレングリコールジメチルエ
ーテル、グリコールモノエチルエーテル、ジオキサン、
テトラヒドロフラン等のエーテル類、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン等の芳香族炭化水素、メチレンクロライ
ド、エチレンクロライド、四塩化炭素、クロロホルム、
ジクロルベンゼン等のハロゲン化炭化水素等が使用され
る。
【0035】非磁性下層用塗料の調製は、針状含水酸化
鉄微粒子および必要に応じて他の添加剤、結合剤および
有機溶剤等を混合、分散および混練の各工程を経ること
によりおこなわれる。分散および混練には、ニーダ、ア
ジタ、ボールミル、サンドミル、ロールミル、エクスト
ルーダ、ホモジナイザ、超音波分散機等が用いられる。
非磁性支持体上に非磁性下層を形成するための塗布方法
は特に限定されず、エアドクタコート、ブレードコー
ト、エアナイフコート、スクィズコート、含浸コート、
リバースロールコート、トランスファロールコート、グ
ラビアコート、キスコート、キャストコート、エクスト
ルージョンコート、ダイコート、スピンコート等従来の
方法はいずれも採用可能である。塗布型磁気記録媒体の
場合には、非磁性支持体上に非磁性下層を塗布後、加熱
空気等により乾燥して有機溶剤を除去し、必要に応じて
硬化処理を施し、この磁気記録層を塗布形成する。ある
いは複数のリップを有するダイコータ等を採用し、非磁
性下層および磁気記録層を同時に塗布形成してもよい。
【0036】以下、本発明の好適な実施例を適宜比較例
を交えながらさらに詳しく説明するが、本発明はこれら
実施例に何ら限定されるものではない。以下の実施例お
よび比較例では、磁気記録媒体として塗布形の8mmビ
デオテープを採りあげて説明する。
【0037】実施例1非磁性下層用塗料の調製 非磁性下層に含有させる針状含水酸化鉄微粒子として、
平均長軸長0.200μm、平均短軸長0.039μ
m、平均軸比5.0、接合粒子数3個以下の針状ゲーサ
イト(α−FeOOH)微粒子を採用した。この針状ゲ
ーサイト微粒子を結合剤としてのポリ塩化ビニル樹脂等
や添加物とともに混練時不揮発性成分約85重量%の条
件でニーダにより混練した後、サンドミルにより3時間
分散して塗料化した。非磁性下層用塗料の組成を以下に
示す。 針状ゲーサイト微粒子 100重量部 ポリ塩化ビニル樹脂 14重量部 (重合度150、極性官能基としてスルホン酸ナトリウ
ム塩を5×10-4mol/gの割合で含む) ポリエステルポリウレタン樹脂 6重量部 (極性官能基としてスルホン酸ナトリウム塩を1×10
-4mol/gの割合で含む) ステアリン酸 1重量部 ヘプチルステアレート 1重量部 メチルエチルケトン 105重量部 シクロヘキサノン 105重量部 塗料化した組成物は、塗布直前にポリイソシアネートを
2重量部加えてさらに混合し、非磁性下層用塗料とし
た。
【0038】磁気記録層用塗料の調製 磁性粉末として鉄系メタル強磁性粉末を採用した。この
強磁性粉末は平均長軸長L=0.240μm、Lの標準
偏差σ=0.044μm、平均軸比5.0であった。ま
た振動試料型磁束計による磁気特性の測定値は飽和磁化
σS =122Am2 /kg、保磁力Hc=130kA/
mである。なお測定時の外部磁場は1.2MA/m(1
5kOe)とした。この鉄系メタル強磁性粉末を結合剤
としてのポリ塩化ビニル樹脂等や添加物とともに混練時
不揮発性成分約85重量%の条件でニーダにより混練し
た後、サンドミルにより5時間分散して塗料化した。磁
気記録層用塗料の組成を以下に示す。 鉄系メタル強磁性粉末 100重量部 ポリ塩化ビニル樹脂 14重量部 (重合度150、極性官能基としてスルホン酸ナトリウ
ム塩を5×10-4mol/gの割合で含む) ポリエステルポリウレタン樹脂 6重量部 (極性官能基としてスルホン酸ナトリウム塩を1×10
-4mol/gの割合で含む) カーボン粉末 2重量部 アルミナ粉末 5重量部 (中心粒径0.17μm、一次粒径0.09μm、スラ
リとして添加) ステアリン酸 1重量部 ヘプチルテアレート 1重量部 メチルエチルケトン 150重量部 シクロヘキサノン 150重量部 塗料化した組成物は、塗布直前にポリイソシアネートを
4重量部加えてさらに混合し、磁気記録層用塗料とし
た。
【0039】バックコート層用塗料の調製 以下の組成物をサンドミルで3時間分散してバックコー
ト層用塗料を調製した。 カーボンブラック 100重量部 ポリエステルポリウレタン樹脂 100重量部 メチルエチルケトン 500重量部 トルエン 500重量部
【0040】磁気記録テープの製造 一例として、厚さ4.5μmのアラミドフィルム(良粗
度面 5.5nm、悪粗度面 7.0nm)からなる非
磁性支持体の良粗度面側に、非磁性下層用塗料を塗布し
て乾燥後の膜厚が2.0μmとなるように非磁性下層を
形成した。この段階で非磁性下層の表面粗度評価用の試
料を採取した。
【0041】この非磁性下層上に磁気記録層用塗料を塗
布し、ソレノイドコイルによる磁場配向処理後、乾燥、
カレンダ、硬化の各工程を経て磁気記録層を形成した。
磁気記録層の膜厚は0.15μmであった。
【0042】つぎに非磁性支持体の悪粗度面側にバック
コート層用塗料を塗布し、バックコート層を形成した。
バックコート層の乾燥後の膜厚は0.5μmとした。こ
の後、パーフルオロポリエーテル系化合物の希釈溶液を
磁気記録層上に塗布してトップコート層を形成後、8m
m幅に裁断してカセットケースに収納し、実施例1の磁
気記録テープとした。磁気特性は、振動試料型磁束計に
よる測定では飽和磁束密度Bm=305mT、保磁力H
c=135kA/m、角型比0.85であった。なお測
定外部磁界は0.8MA/m(10kOe)とした。
【0043】表面粗度の測定 完成した磁気記録テープの磁気記録層、および非磁性下
層のみを形成した試料片の表面粗度を、非接触光学式表
面粗度計(ZYGO社製)で測定した。
【0044】電磁変換特性の測定 8mmビデオテープレコーダ(ソニー社製改造機)を用
い、記録波長0.33μmでの出力を測定した。出力
は、後述する比較例2の磁気記録テープの出力を0dB
に規格化して示した。測定結果については後述する。
【0045】実施例2 非磁性下層に含有させる針状含水酸化鉄微粒子として、
平均長軸長0.180μm、平均短軸長0.035μ
m、平均軸比5.1、接合粒子数3個以下の針状ゲーサ
イト微粒子を採用した他は、実施例1に準拠して非磁性
下層を形成した。磁気記録層、トップコート層およびバ
ックコート層についても実施例1と同様にして形成し、
実施例2の磁気記録テープを得た。
【0046】実施例3 非磁性下層に含有させる針状含水酸化鉄微粒子として、
平均長軸長0.145μm、平均短軸長0.027μ
m、平均軸比6.0、接合粒子数3個以下の針状ゲーサ
イト微粒子を採用した他は、実施例1に準拠して非磁性
下層を形成した。磁気記録層、トップコート層およびバ
ックコート層についても実施例1と同様にして形成し、
実施例3の磁気記録テープを得た。
【0047】実施例4 非磁性下層に含有させる針状含水酸化鉄微粒子として、
平均長軸長0.199μm、平均短軸長0.039μ
m、平均軸比5.1、接合粒子数2個以下の針状ゲーサ
イト微粒子を採用した他は、実施例1に準拠して非磁性
下層を形成した。磁気記録層、トップコート層およびバ
ックコート層についても実施例1と同様にして形成し、
実施例4の磁気記録テープを得た。
【0048】比較例1 非磁性下層に含有させる針状含水酸化鉄微粒子として、
平均長軸長0.300μm、平均短軸長0.060μ
m、平均軸比5.0、接合粒子数3個以下の針状ゲーサ
イト微粒子を採用した他は、実施例1に準拠して非磁性
下層を形成した。磁気記録層、トップコート層およびバ
ックコート層についても実施例1と同様にして形成し、
比較例1の磁気記録テープを得た。
【0049】比較例2 非磁性下層に含有させる針状含水酸化鉄微粒子として、
平均長軸長0.430μm、平均短軸長0.076μ
m、平均軸比6.0、接合粒子数3個以下の針状ゲーサ
イト微粒子を採用した他は、実施例1に準拠して非磁性
下層を形成した。磁気記録層、トップコート層およびバ
ックコート層についても実施例1と同様にして形成し、
比較例2の磁気記録テープを得た。
【0050】比較例3 非磁性下層に含有させる針状含水酸化鉄微粒子として、
平均長軸長0.199μm、平均短軸長0.039μ
m、平均軸比5.1、接合粒子数4個以下の針状ゲーサ
イト微粒子を採用した他は、実施例1に準拠して非磁性
下層を形成した。磁気記録層、トップコート層およびバ
ックコート層についても実施例1と同様にして形成し、
比較例3の磁気記録テープを得た。
【0051】以上作成した実施例1〜4および比較例1
〜3の7種類の磁気記録テープの表面粗度および電磁変
換特性の測定結果を、非磁性下層に用いた針状含水酸化
鉄微粒子の形状とともに〔表1〕にまとめて示す。
【0052】
【表1】
【0053】〔表1〕の測定結果から明らかなように、
非磁性下層に含有される針状ゲーサイト微粒子の粒子形
状が、平均長軸長0.2μm以下であるとともに平均短
軸長0.04μm以下である場合に、非磁性下層および
磁気記録層ともに良好な表面粗度が得られる。さらに針
状ゲーサイト微粒子のa軸方向に、同一結晶面同士が3
個以内で重なり接合している場合には、極めて良好な表
面粗度が得られることが判る。
【0054】また非磁性下層に含有される針状ゲーサイ
ト微粒子の粒子形状が、平均長軸長0.2μm以下であ
るとともに平均短軸長0.04μm以下である場合に、
良好な電磁変換特性が得られる。さらに針状ゲーサイト
微粒子のa軸方向に、同一結晶面同士が3個以内で重な
り接合している場合には、極めて良好な電磁変換特性が
得られることが判る。
【0055】また、別の実験結果によれば、非磁性下層
に含有される針状ゲーサイト微粒子の粒子形状が微小に
なりすぎると非磁性下層表面が過度な鏡面状態となり、
磁気記録媒体の走行性が低下するので、その下限は、平
均長軸長0.05μm、平均短軸長は0.01μm程度
とすることが望ましい。
【0056】以上本発明の磁気記録媒体を塗布型の8m
mビデオテープを例にとって説明したが、塗布型に限ら
ず薄膜型の磁気記録媒体、いわゆる蒸着テープに適用し
てもよい。薄膜型磁気記録テープの作成条件の一例を示
す。
【0057】一例として膜厚6.0μmのPET(ポリ
エチレンテレフタレート)フィルムの一主面側に本発明
を適用した非磁性下層を形成し、この非磁性下層上にリ
ールツーリール方式の連続巻き取り蒸着装置を用いて、
磁気記録層を形成した。蒸着条件の一例を下記に示す。 インゴット材:Co90Ni10 重量% 入射角 45〜90 ° 酸素導入量 3.3×10-63 /sec 蒸着時真空度 7×10-2 Pa 膜厚 200 nm この磁気記録層の磁気特性は保磁力Hc=1220O
e、残留磁束密度4300Gであった。バックコート層
およびトップコート層の形成は、前実施例1に準じてよ
い。かかる薄膜型の磁気記録媒体においても、電磁変換
特性および走行性をともに満たした高密度磁気記録媒体
を得ることができる。
【0058】また磁気記録テープ以外にもハードディス
クやフロッピディスク等の磁気記録媒体にも本発明を適
用することができる。
【0059】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば特定形状の針状含水酸化鉄微粒子を含む非磁性
下層の採用により、磁気記録媒体の高密度記録化および
走行性、走行耐久性をともに向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気記録媒体を磁気記録テープに適用
した例の概略断面図である。
【符号の説明】
1…非磁性支持体、2…非磁性下層、3…磁気記録層、
4…トップコート層、5…バックコート層

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性支持体の一主面側に、少なくとも
    非磁性下層および磁気記録層をこの順に有する磁気記録
    媒体において、 前記非磁性下層は、結合剤中に分散された針状含水酸化
    鉄微粒子を含むとともに、 前記針状含水酸化鉄微粒子の平均長軸長は0.2μm以
    下、平均短軸長は0.04μm以下であることを特徴と
    する磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記結合剤中に分散された針状含水酸化
    鉄微粒子は、結晶学的なa軸方向に、同一結晶面同士が
    3個以内で重なり接合していることを特徴とする請求項
    1記載の磁気記録媒体。
JP13879097A 1997-05-28 1997-05-28 磁気記録媒体 Pending JPH10334450A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6777061B2 (en) 2002-03-29 2004-08-17 Tdk Corporation Magnetic recording medium and process for producing the same
US7090936B2 (en) 2002-03-29 2006-08-15 Tdk Corporation Magnetic recording medium
WO2006108479A1 (en) * 2005-04-14 2006-10-19 Westfälische Wilhelms-Universität Münster Laser x-ray source apparatus and target used therefore

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