JPH09138929A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH09138929A
JPH09138929A JP29695795A JP29695795A JPH09138929A JP H09138929 A JPH09138929 A JP H09138929A JP 29695795 A JP29695795 A JP 29695795A JP 29695795 A JP29695795 A JP 29695795A JP H09138929 A JPH09138929 A JP H09138929A
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magnetic
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thin film
magnetic recording
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JP29695795A
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Shinichi Matsumura
伸一 松村
Satoshi Sato
諭 佐藤
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Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 非磁性支持体上に形成される表面突起の大き
さや形状が制御され、優れた電磁変換特性と良好な走行
性とがバランスよく確保された磁気記録媒体を提供す
る。 【解決手段】 ベースフィルム21上に下地層22が形
成されてなり、厚み方向の屈折率が1.49以上となさ
れた非磁性支持体を用いる。この非磁性支持体の金属磁
性薄膜23が形成される面には、ベースフィルム21に
内添されたフィラー25に起因する突起と、下地層22
に含有される微細粒子26に起因する突起とが形成され
ており、この非磁性支持体上に成膜された金属磁性薄膜
23の表面には、上述の突起形状が反映されることとな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、真空蒸着法,スパ
ッタリング法等の真空薄膜形成技術によって磁性層が形
成される、いわゆる金属薄膜型の磁気記録媒体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】例えばビデオテープレコーダ(VTR)
等の分野においては、高画質化を図るために、高密度記
録化が一層強く要求されており、これに対応する磁気記
録媒体として、金属あるいはCo−Ni等の合金からな
る磁性材料をメッキや真空薄膜形成技術(真空蒸着法、
スパッタリング法、イオンプレーティング法等)により
直接非磁性支持体上に被着せしめて磁性層を形成する、
いわゆる金属磁性薄膜型の磁気記録媒体が提案されてい
る。
【0003】この金属磁性薄膜型の磁気記録媒体は、保
磁力、角形比及び短波長域における電磁変換特性に優れ
るばかりでなく、磁性層の薄膜化が可能であるために記
録減磁や再生時の厚み損失が著しく小さいことや、磁性
層中に非磁性材料である結合剤等を混入する必要がない
ために磁性材料の充填密度を高くできること等、数々の
利点を有している。
【0004】このような磁気記録媒体においては、高記
録密度化に伴って磁気記録媒体のトラック密度や記録密
度の増加が図られているが、記録密度が高くなると、ス
ペーシングロスの影響が大きくなるので、その悪影響を
防止するために磁気記録媒体の表面は平滑化される傾向
にある。
【0005】しかしながら、磁気記録媒体の表面が平滑
すぎると、磁気ヘッドと媒体が吸着を引起し、摩擦力が
増大するため、媒体に生じる剪断力が大きくなり、磁気
記録媒体が大きな損傷を受けてしまう。
【0006】逆に、表面があまり粗いと、記録再生に際
してガイドロール等の摺動部材や磁気ヘッドに対する摺
動性が不良になって電磁変換特性、走行性が劣化すると
ともにドロップアウトの発生頻度が高くなり耐久性、記
録再生特性が不十分となる。
【0007】通常、金属磁性薄膜よりなる磁性層の膜厚
は、0.01〜0.5μm程度と非常に薄いため、磁性
層の表面性は非磁性支持体の表面性に大きく依存する。
このため、非磁性支持体の表面性に関して様々な提案が
なされ、非磁性支持体上に表面突起を設けることによ
り、該非磁性支持体上に形成される磁性層の表面に適当
な粗度を付与し、磁気記録媒体の表面性を制御する方法
が行われるようになっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上述のよう
に磁気記録媒体の表面性を制御する場合、非磁性支持体
上に形成される表面突起の大きさや形状の制御が非常に
重要となる。即ち、この表面突起が大きくなるにつれ
て、スペーシングロスが問題となり、電磁変換特性の劣
化が生じてしまう。これに対して、上記表面突起が小さ
いあるいはブロードであると、スペーシングロスによる
悪影響から免れるものの、スティックスリップを生じ、
十分な走行耐久性を確保することができなくなる。
【0009】そこで本発明は、上述の従来の実情に鑑み
て提案されたものであり、優れた電磁変換特性と良好な
走行性とをバランスよく確保することが可能な磁気記録
媒体を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は上述の目的を達
成するため提案されたものであり、非磁性支持体上に磁
性層が形成されてなる磁気記録媒体において、非磁性支
持体は、磁性層形成面側に、微細粒子が含有されてなる
下地層を有してなり、その厚み方向の屈折率が1.49
以上となされたものである。
【0011】以下、本発明における「非磁性支持体」と
は、ベースフィルム上に下地層が形成されたものとす
る。
【0012】上述の下地層は、非磁性支持体の表面に適
当な粗度を付与し、最終的には磁気記録媒体の表面性を
適正化するために形成されるものである。そして、この
下地層は、非磁性顔料よりなる微細粒子を結合剤に分散
させてなる層であって好適である。
【0013】この微細粒子としては、コロイダルシリ
カ、各種金属、カーボン(例えば、カーボンブラッ
ク)、ヘマタイト、雲母、酸化マグネシウム、硫化亜
鉛、炭化タングステン、窒化ホウ素、デンプン、酸化亜
鉛、カオリン、タルク、粘土、硫酸鉛、炭酸バリウム、
炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ベーム石(γ−A
2 3 ・H2 O),アルミナ、硫化タングステン、酸
化チタン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレ
ン、ポリ塩化ビニル、ポリメタクリル酸メチル等よりな
る粒子が使用できる。これらは単独で用いても複数のも
のを組み合わせて用いるようにしても差し支えない。
【0014】また、この微細粒子の平均粒径は、0.0
4μm〜0.2μm以下であって好適であり、小さすぎ
ると、磁気記録媒体の表面性を制御するに至らず、逆に
大きすぎると、磁気記録媒体の表面粗度が大きくなりす
ぎて、スペーシングロスを増大させる。そして、この微
細粒子によって、非磁性支持体上に形成する突起の密度
は300〜500万個/mm2 として好適である。この
突起密度が低くすぎると、磁気記録媒体の走行性を向上
させることができず、スチル耐久性に劣る。逆に、この
突起密度が高すぎると、C/N比が低下し、ノイズが多
くなる等、電磁変換特性が劣化する。
【0015】ここで、上述の微細粒子を分散させる結合
剤としては、アクリル酸エステル系ラテックス、合成ゴ
ム系ラテックス、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩
化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体、塩
化ビニル−酢酸ビニル−マレイン酸共重合体、塩化ビニ
ル−塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−アクリロニ
トリル共重合体、アクリル酸エステル−アクリロニトリ
ル共重合体、アクリル酸エステル−塩化ビニリデン共重
合体、メタクリル酸エステル−スチレン共重合体、熱可
塑性ポリウレタン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリフッ化ビ
ニル、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、ブ
タジエン−アクリロニトリル共重合体、ブタジエン−ア
クリロニトリル−メタクリル酸共重合体、ポリビニルブ
チラール、セルロース誘導体、スチレン−ブタジエン共
重合体、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ
樹脂、熱硬化性ポリウレタン樹脂、尿素樹脂、メラミン
樹脂、アルキド樹脂、尿素−ホルムアルデヒド樹脂また
はこれらの混合物等が挙げられる。なかでもポリウレタ
ン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリロニトリル−ブタジ
エン共重合体は柔軟性を付与できることから好ましい。
また、結合剤としては、これら樹脂にイソシアネート化
合物で架橋を持たせて耐久性を向上させたり、適当な極
性基を導入したものであってもよい。
【0016】下地層を形成するには、上述のような微細
粒子と結合剤とを含む塗料をベースフィルムに塗布すれ
ばよいが、この下地層用の塗料を調製するに際しては、
微細粒子を十分に分散させることが必要である。このた
め、例えば、該微細粒子を予め溶媒に分散させておき、
これを結合剤と混合して好適である。なお、この下地層
用の塗料には、濡れ性を向上させ、表面張力を低下させ
る目的で、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル
等を微量添加してもよい。
【0017】一方、上述したような下地層が形成される
ベースフィルムとしては、従来よりこの種の磁気記録媒
体において使用されているものがいずれも使用可能であ
るが、特にポリエチレンテレフタレートのフィルムを用
いて好適である。ポリエチレンテレフタレートは、例え
ば、テレフタル酸とエチレングリコールをエステル交換
反応させ、または、ジメチルテレフタレートとエチレン
グリコールをエステル交換反応させ、次いで、反応生成
物を重縮合させることによって得ることができる。そし
て、このポリエチレンテレフタレートをフィルム化とす
るには、溶融押し出しした後、二軸方向に延伸配向させ
て、熱固定すればよい。なお、二軸方向に延伸配向させ
るには、逐次二軸延伸法、同時二軸延伸法等が適用でき
る。
【0018】このようなポリエチレンテレフタレートフ
ィルムの表面に下地層を形成するには、上述した微細粒
子と結合剤とが含有された下地層用塗料、好ましくは水
性のものを、溶融押し出しされた状態のフィルム上に塗
布してもよいし、フィルムを一軸方向に延伸した後、ま
たは、二軸方向に延伸配向させてから、上述の塗料を塗
布してもよい。なお、下地層用塗料を塗布した後は、乾
燥固化させる。
【0019】ところで、このようなベースフィルムは、
その内部にもフィラーが内添され、下地層が形成されな
い状態においても、表面に一定の突起を形成できるもの
であって好適である。この内添されるフィラーに起因す
る突起は、下地層によって形成される突起よりも大きな
ものであることが好ましく、2.0〜3.4万個/mm
2 なる密度とされて好適である。なお、フィラーは、上
述した下地層に含有される微細粒子よりも大径のもので
あれば、同様の材料がいずれも使用できる。
【0020】例えば、これらのフィラーをポリエチレン
テレフタレートフィルム内に内添させるには、ポリエチ
レンテレフタレートの合成時、特に重合開始前から重合
反応中の段階で、フィラーを添加して好適である。ま
た、ポリエチレンテレフタレートをフィルム化するに際
し、一軸、二軸等のエクストルーダ、あるいはベント機
構を有するエクストルーダ等を用いて、溶融したポリエ
チレンテレフタレートに対して、フィラーを添加、混合
してもよい。なお、ポリエチレンテレフタレートフィル
ム内に内添させるフィラーは、互いに異なる粒径を有す
る二種類以上のものであってもよい。この場合、合成時
に所定の粒径を有するフィラーを添加しておいたポリエ
チレンテレフタレートと、同じく合成時に上述のフィラ
ーよりも40nm以上大きなフィラーを添加しておいた
ポリエチレンテレフタレートとを共押し出ししてフィル
ム化すればよい。
【0021】そして、以上のような構成を有するベース
フィルム上に下地層が形成されてなる非磁性支持体は、
厚み方向の屈折率が1.49以上とされて好適である。
この厚み方向の屈折率は、フィルム化に際して行われる
延伸の倍率、熱処理の温度等によって制御することがで
きるものである。この厚み方向の屈折率が1.49以上
であると、非磁性支持体の厚み方向の配向が増し、ベー
スフィルムに内添されたフィラーおよび下地層に含有さ
れる微細粒子によって形成される突起の形状がシャープ
なものになる。そして、磁性層表面にもこの表面形状が
反映されて、磁気記録媒体の走行性を向上させることが
できる。これに対して、非磁性支持体の厚み方向の屈折
率が1.49未満であると、突起の形状をシャープなも
のにする効果がない。なお、厚み方向の屈折率を1.5
0より大きくすると、非磁性支持体がもろくなるため、
このような非磁性支持体を用いることは現実的でない。
【0022】本発明に係る磁気記録媒体は、以上のよう
な非磁性支持体におけう下地層形成面に、金属磁性薄膜
が成膜されて構成される。
【0023】金属磁性薄膜に用いられる金属磁性材料に
は、金属磁性薄膜型の磁気記録媒体において、通常、用
いられるものがいずれも使用可能である。例示するなら
ば、Fe,Co,Niなどの強磁性金属、Fe−Co,
Co−Ni,Fe−Co−Ni,Fe−Cu,Co−C
u,Co−Au,Co−Pt,Mn−Bi,Mn−A
l,Fe−Cr,Co−Cr,Ni−Cr,Fe−Co
−Cr,Co−Ni−Cr,Fe−Co−Ni−Cr等
の強磁性合金が挙げられる。
【0024】これら金属磁性材料は、真空下で強磁性金
属磁性材料を加熱蒸発させ支持体上に沈着させる真空蒸
着法や、強磁性金属材料の蒸発を放電中で行うイオンプ
レーティング法、アルゴンを主成分とする雰囲気中でグ
ロー放電を越こし生じたアルゴンイオンでターゲット表
面の原子をたたき出すスパッタ法等のいわゆるPVD技
術によって薄膜とされる。磁性層としてはこれら手法に
よって成膜される金属磁性薄膜の単層膜あるいは多層膜
のいずれでも良い。なお、下地層と金属磁性薄膜の間、
さらには金属磁性薄膜が多層膜である場合には金属磁性
薄膜同士の間に、各層間の付着力向上,抗磁力の制御等
を図るための中間層を設けるようにしても良い。また、
これら金属磁性薄膜の表面近傍は、耐蝕性改善等を目的
として酸化物層となっていてもよい。
【0025】非磁性支持体上に以上のような手法によっ
て金属磁性材料を被着すると、金属磁性薄膜が、非磁性
支持体の表面形状を反映して良好な表面性をもって形成
され、走行耐久性、電磁変換特性に優れた磁気記録媒体
となる。
【0026】なお、本発明の磁気記録媒体には、磁性層
上に保護膜が形成されていたり、非磁性支持体における
磁性層形成面とは反対側の面にバックコート層が形成さ
れていても良い。
【0027】保護膜としては、カーボン、各種金属の酸
化物、セラミックス、金属、合金等を真空蒸着法,イオ
ンプレーティング法,スパッタ法等のPVD技術や、プ
ラズマCVD法,ECRプラズマCVD法,アークジェ
ットプラズマCVD法等のCVD法で成膜した薄膜等、
通常、金属磁性薄膜型の磁気記録媒体において形成され
ている保護膜を形成すればよい。
【0028】バックコート層としては、やはり、通常の
磁気記録媒体において形成されているようなカーボンブ
ラック等の帯電防止効果や摩擦低減効果を有する非磁性
粉末が結合剤中に分散されてなる非磁性層で良い。
【0029】さらに、上記磁気記録媒体には、トップ面
に潤滑剤、防錆剤等よりなる層を形成するようにしても
良い。これら層に用いられる材料には、従来公知のもの
がいずれも使用可能である。
【0030】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施例について説明
するが、本発明がこの実施例に限定されるものでないこ
とは言うまでもない。
【0031】実施例1 本実施例に係る磁気記録媒体は、図1に示されるよう
に、ベースフィルム21上に下地層22が形成されてな
る非磁性支持体の下地層22形成面側に、金属磁性薄膜
23が形成され、該金属磁性薄膜23の形成面とは反対
側の面にバックコート層24が形成されてなるものであ
る。
【0032】ここで、ベースフィルム21は、ポリエチ
レンテレフタレート(以下、PETと称す。)よりな
り、その内部に、平均粒径0.1μmのSiO2 粒子よ
りなるフィラー25が内添されている。また、このベー
スフィルム21上に形成された下地層22には、平均粒
径0.03μmのポリメタクリル酸メチルよりなる微細
粒子26が含有されている。
【0033】このような構成を有する磁気記録媒体を作
製するには、まず、重合触媒残渣等に起因する不純物粒
子ができる限り排除されていると共に、実質的に無配
向、非結晶であるPETを用意した。そして、このPE
Tを溶融させたものに、フィラー25として平均粒径
0.1μmのSiO2 粒子を0.05重量%添加し、約
20℃に維持された回転ドラム上に押し出してフィルム
化した。
【0034】次に、このPETのベースフィルムに対し
て、逐次二軸延伸法によって延伸を行うと同時に下地層
用塗料の塗布を行った。
【0035】具体的には、機械方向に、90℃にて、
3.4倍の延伸を行った後、横方向への延伸を行うに先
んじて、下記の組成の下地層用塗料をロールコート法に
よって2.7g/m2 なる塗布量にて塗布し、 下地層用塗料の組成 ・アクリル−ポリエステル樹脂(高松油脂社製、商品名:ペスレジンSH55 1A) 82.5重量部 ・ポリメタクリル酸メチル微粒子(日本触媒化学工業社製、商品名:エポスタ ーMA、平均粒径0.03μm)の1.1重量%溶液 2.5重量部 ・ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(日本油脂社製、商品名:NS 240)の1.5重量%溶液 15.0重量部 続いて、横方向に、105℃にて、3.7倍の延伸を行
い、その後、230℃で8秒間熱固定した。
【0036】これによって、厚さ10μmの二軸配向フ
ィルムとして、ベースフィルム21上に下地層23が形
成された非磁性支持体が形成された。
【0037】この非磁性支持体においては、ベースフィ
ルム21内に内添されたフィラー25に起因する突起
(以下、大突起と称す。)と、下地層22に含有された
微細粒子26に起因する突起(以下、小突起と称す。)
とが形成されている。ここで、この突起の数を、走査型
電子顕微鏡を用い、大突起については5千倍の倍率に
て、小突起については3万倍の倍率にて測定したとこ
ろ、大突起が2.5万個/mm2 、小突起が380万個
/mm2 であった。
【0038】また、この非磁性支持体について、ナトリ
ウムD線(波長589nm)を光源としたアッベ屈折計
を用い、厚み方向の屈折率を測定したところ、1.49
6であった。
【0039】そして、以上のような構成を有する非磁性
支持体の下地層22上にCo95−Ni5 合金(添字は重
量%を表す。)を蒸着源に用いて真空蒸着法により膜厚
0.2μmの金属磁性薄膜23を成膜した。
【0040】ここで、この金属磁性薄膜3を成膜するた
めに用いた真空蒸着装置について説明する。この真空蒸
着装置は、図2に示されるように、上述したようにベー
スフィルム21上に下地層22が形成されてなる非磁性
支持体(図2においては、非磁性支持体6として示
す。)を連続的に走行させるための走行手段と、該走行
手段によって走行する非磁性支持体6に対して金属磁性
薄膜3を蒸着させるための蒸着手段とが成膜室1内に設
けられてなる。
【0041】成膜室1は、真空ポンプ3に接続された排
気口2から排気されて内部が減圧可能となされている。
また、成膜室1の側壁部にはガス導入口12が設けら
れ、成膜室1内に所望のガスを所望の流量にて供給でき
るようになされている。
【0042】この成膜室1内に設けられた走行手段は、
図中a方向に定速回転する送りロール4、図中b方向に
定速回転する巻取りロール5、これら送りロール4から
巻取りロール5に非磁性支持体6を走行させている中途
部にて、該非磁性支持体6を図中側方に引き出すように
設けられ、図中c方向に定速回転する冷却キャン7より
構成される。なお、冷却キャン7には、内部に図示しな
い冷却装置が設けられ、非磁性支持体6の温度上昇によ
る変形等を抑制し得るようになされている。したがっ
て、この真空蒸着装置の成膜室1内では、非磁性支持体
6が、送りロール4から順次送り出され、さらに上記冷
却キャン7の周面を通過し、巻取りロール5に巻取られ
るようになされている。
【0043】一方、蒸着手段は、冷却キャン7の下方に
設けられ、その内部に金属磁性材料9が充填されたルツ
ボ8と、成膜室1の側壁部に設けられ、上記ルツボ8内
の金属磁性材料9を加熱蒸発させるための電子銃10と
から構成される。即ち、この電子銃10によって金属磁
性材料9を加熱蒸発させることによって、上記冷却キャ
ン7の周面を定速走行する非磁性支持体6上に金属磁性
薄膜を被着形成することができる。
【0044】また、冷却キャン7とルツボ8との間であ
って該冷却キャン7の近傍には、シャッタ11が、上記
冷却キャン7の周面を定速走行する非磁性支持体6の所
定領域を覆う形で配設されている。このシャッタ11に
より、蒸発した金属磁性材料9が非磁性支持体6に対し
て所定の角度範囲で斜めに蒸着されるようになる。
【0045】本実施例においては、ガス導入口12より
成膜室1内に酸素ガスを導入しながらCo−Ni合金よ
りなる金属磁性薄膜23を成膜した。この成膜条件は、 金属磁性薄膜の成膜条件 蒸着源 :Co95−Ni5 合金 入射角 :45〜90° 支持体送り速度:25m/分 膜厚 :0.2μm 真空度 :10-3気圧 とした。
【0046】また、バックコート用塗料を調整するた
め、下記の材料を用意し、 バックコート塗料の組成 カーボンブラック: 100重量部 ポリウレタン樹脂: 100重量部 これをボールミルに投入して24時間分散、混合した
後、架橋剤を添加した。
【0047】そして、このバックコート塗料を非磁性支
持体21の金属磁性薄膜23が形成された側とは反対側
の表面に塗布して膜厚0.6μmのバックコート層24
を形成した。
【0048】さらに、金属磁性薄膜23上にパーフルオ
ロポリエーテルを塗布してトップコート層を形成した
後、8mm幅にスリットして磁気テープを作製した。こ
れを実施例1のサンプルテープとする。
【0049】実施例2〜実施例4 本実施例においては、機械方向の延伸および横方向の延
伸の倍率、これらの延伸時の温度を変更して非磁性支持
体を作製し、これを用いて磁気記録媒体を得た。
【0050】具体的には、実施例1と同様にしてPET
を溶融押し出しまで行った後、機械方向の延伸を、90
℃、3.2倍なる条件にて行い、その後は、実施例1と
同様に横方向の延伸、乾燥固化を行って非磁性支持体を
作製した。これを実施例2の非磁性支持体とする。
【0051】また、機械方向への延伸、下地層用塗料の
塗布までは実施例1と同様にして行った後、横方向の延
伸を、115℃、3.7倍なる条件にて行い、その後、
乾燥固化を行って非磁性支持体を作製した。これを実施
例3の非磁性支持体とする。
【0052】さらに、実施例1と同様にしてPETを溶
融押し出しまで行った後、機械方向の延伸を、90℃、
3.2倍なる条件にて行い、下地層用塗料の塗布を行っ
たら、横方向の延伸を、115℃、3.7倍なる条件に
て行い、その後、乾燥固化させて非磁性支持体を作製し
た。これを実施例4の非磁性支持体とする。
【0053】ここで、各非磁性支持体について、ベース
フィルム21内に内添されたフィラー25に起因する大
突起と、下地層22に含有された微細粒子26に起因す
る小突起の数を測定した。また、各非磁性支持体につい
て、厚み方向の屈折率を測定した。これらの結果を表1
に示す。なお、表1には、実施例1の非磁性支持体につ
いての測定結果も併せて示す。
【0054】
【表1】
【0055】そして、このような構成を有する非磁性支
持体に対して、実施例1と同様金属磁性薄膜の成膜、バ
ックコート層の形成、トップコート層の形成、裁断を行
うことにより、実施例2〜実施例4のサンプルテープを
得た。
【0056】比較例1 本比較例においては、実施例1と同様にしてPETを溶
融押し出しまで行った後、機械方向の延伸を、90℃、
3.6倍なる条件にて行い、その後は、実施例1と同様
に横方向の延伸、乾燥固化を行って非磁性支持体を作製
した。この非磁性支持体の突起の数および厚み方向の屈
折率は、表1に示されるとおりである。そして、この非
磁性支持体に対して、実施例1と同様金属磁性薄膜の成
膜、バックコート層の形成、トップコート層の形成、裁
断を行うことにより、比較例1のサンプルテープを得
た。
【0057】比較例2 本比較例においては、フィルム化する前のPETを溶融
させたものに、フィラー25としてSiO2 粒子を0.
08重量%添加し、これを押し出してフィルム化した
後、実施例1と同様にして、機械方向の延伸、下地層用
塗料の塗布、横方向の延伸、乾燥固化を行って非磁性支
持体を作製した。この非磁性支持体の突起の数および厚
み方向の屈折率は、表1に示されるとおりである。そし
て、この非磁性支持体に対して、実施例1と同様金属磁
性薄膜の成膜、バックコート層の形成、トップコート層
の形成、裁断を行うことにより、比較例2のサンプルテ
ープを得た。
【0058】特性の評価 以上のようにして作製された各サンプルテープに対し
て、電磁変換特性、走行性についての評価を行った。
【0059】具体的には、各サンプルテープを記録再生
装置(ソニー社製,商品名EV−S900改造機)に搭
載して、7MHzなる周波数の信号を記録させ、相対速
度3.8m/秒にて走行させて再生を行い、電磁変換特
性を評価するために、再生出力が変動するか否かを調べ
た。また、走行性を評価するため、回転シリンダー部で
鳴きが発生するか否かを調べた。さらに、走行耐久性の
評価として、100回再生走行を繰り返し、この前後で
の再生出力の減衰量を調べた。これらの測定結果を表2
に示す。
【0060】
【表2】
【0061】表2より、非磁性支持体の厚み方向の屈折
率が1.49以上となされた実施例1〜実施例4のサン
プルテープにおいては、再生走行中の出力変動もなく、
鳴きが発生することもない。また、走行耐久性にも優れ
たものとなる。これは、厚み方向の屈折率が1.49以
上となされた非磁性支持体は、厚み方向の配向が高いた
め、ベースフィルム21に内添されたフィラー25およ
び下地層22に含有される微細粒子26によって形成さ
れる突起の形状がシャープなものになり、金属磁性薄膜
23表面にもこの表面形状が反映されたからである。
【0062】これに対して、非磁性支持体の厚み方向の
屈折率が1.49以下となされた比較例1、比較例2の
サンプルテープにおいては、再生走行中の出力変動や、
鳴きの発生が生じている。特に、非磁性支持体の厚み方
向の屈折率が不十分であるばかりでなく、ベースフィル
ム21に内添されるフィラー25の量も多い比較例2の
サンプルテープ21においては、走行耐久性の劣化が激
しいこともわかる。
【0063】この結果より、ベースフィルム21上に下
地層22が形成されてなり、厚み方向の屈折率が1.4
9以上となされた非磁性支持体を用いると、電磁変換特
性および走行性に優れた磁気記録媒体を得られることが
わかった。
【0064】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明を適用すると、非磁性支持体の表面粗度を適切に制御
することができ、この結果、電磁変換特性および走行性
に優れた磁気記録媒体を得られる。
【0065】したがって、磁気記録媒体の信頼性を向上
させ、さらなる高記録密度化を図ることも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した磁気記録媒体の一構成例を示
す要部概略断面図である。
【図2】非磁性支持体上に金属磁性薄膜を成膜するため
の真空蒸着装置を示す模式図である。
【符号の説明】
21 ベースフィルム 22 下地層 23 金属磁性薄膜 24 バックコート層 26 微細粒子

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性支持体上に磁性層が形成されてな
    る磁気記録媒体において、 前記非磁性支持体は、磁性層形成面側に、微細粒子が含
    有されてなる下地層を有してなり、その厚み方向の屈折
    率が1.49以上となされていることを特徴とする磁気
    記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記微細粒子の平均粒径は0.04μm
    〜0.2μmであることを特徴とする請求項1記載の磁
    気記録媒体。
  3. 【請求項3】 前記磁性層が金属磁性薄膜よりなること
    を特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体。
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