JPH1055522A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH1055522A
JPH1055522A JP23255496A JP23255496A JPH1055522A JP H1055522 A JPH1055522 A JP H1055522A JP 23255496 A JP23255496 A JP 23255496A JP 23255496 A JP23255496 A JP 23255496A JP H1055522 A JPH1055522 A JP H1055522A
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JP
Japan
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magnetic recording
recording medium
acid ester
magnetic
layer
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JP23255496A
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Tomoe Ozaki
知恵 尾崎
Taketoshi Sato
武俊 佐藤
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 バックコート層による錆の誘発を抑制し、優
れた走行安定性と保存特性とを有し、しかも高密度磁気
記録に特に適した磁気記録媒体を提供する。 【解決手段】 非磁性支持体1の片面に強磁性金属薄膜
からなる磁性層2が形成され、他面に、非磁性顔料を結
合剤中に分散してなるバックコート層形成用塗料を塗布
することにより形成されたバックコート層3が形成され
ている磁気記録媒体において、バックコート層形成用塗
料中の塩素イオン及び硫酸イオンの少なくとも一方の濃
度を20ppm以下に調整し、且つバックコート層形成
用塗料に高級脂肪酸エステルを添加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、片面に強磁性金属
薄膜からなる磁性層を有し、他面にバックコート層を有
する磁気記録媒体に関する。より詳しくは、ハイバンド
8ミリビデオ用テープやデジタルVTR等の短波長磁気
記録信号(高密度磁気記録)の記録再生に好適な磁気記
録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】蒸着法により形成される強磁性金属薄膜
を磁性層とする磁気記録媒体(蒸着磁気テープ)は、記
録密度等の点で塗布型の磁気記録媒体を大きく上回る特
性を有しており、既にビデオレコーダー用の磁気記録媒
体として実用化されている。また、このような蒸着磁気
テープは、デジタルビデオレコーダーなどの更に高品位
なビデオレコーダーやデジタルテープレコーダーなどの
ための優れた記録媒体として期待されている。
【0003】ところで、上述したような蒸着磁気テープ
の場合、その磁性層の表面が鏡面状態に近いために、そ
の摩擦係数が実質的に増大する傾向にある。従って、摩
擦係数を低下させるために、蒸着磁気テープの非磁性支
持体の磁性層を設けていない面に、表面粗さを適切な値
に設定したバックコート層を形成することが行われてい
る。このようなバックコート層は、摩擦係数の低減のみ
ならず、磁気記録媒体の帯電を抑制するとともにダスト
等の付着を抑制し、更に蒸着磁気テープの走行を安定化
させる機能を有する。
【0004】このようなバックコート層は、適度な粒径
を持ったカーボン等の非磁性顔料を結合剤や有機溶媒等
と共に分散混合してバックコート層形成用塗料を調製
し、それを非磁性支持体上に塗布することにより形成さ
れている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、バック
コート層を形成した従来の蒸着磁気テープの場合、長尺
の磁気記録媒体をロール巻にすると磁性層とバックコー
ト層とが接触することとなるが、その状態のまま高温多
湿下で長期保存すると、使用するバックコート層形成用
塗料の組成によっては強磁性金属薄膜からなる磁性層に
錆が発生し、磁気テープ特性に大幅な劣化を引き起こす
という問題があった。この問題は、高密度磁気記録の必
要性から記録トラックピッチが10μmと極めて狭くな
るデジタル画像信号記録用デジタルVTR等の場合に特
に解決すべき問題の一つとなっている。
【0006】本発明は、以上の従来の技術の課題を解決
しようとするものであり、バックコート層による錆の誘
発を抑制し、しかも優れた走行安定性と保存特性とを実
現でき、高密度磁気記録に特に適した磁気記録媒体を提
供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、(1)長期
保存性の低下がバックコート層に残存する塩素イオン又
は硫酸イオンの濃度に大きく影響を受けていること、従
って(2)バックコート層の塩素イオン又は硫酸イオン
の濃度を低下させることにより長期保存性が向上するこ
とが考えられるが、塩素イオン濃度又は硫酸イオン濃度
を限り無く0に近づけることは生産性を大きく低下させ
実用的ではないこと、(3)実用的に入手できる材料か
ら比較的容易に実現できる塩素イオン濃度又は硫酸イオ
ン濃度は1〜20ppmであるが、その範囲では依然と
して磁気記録媒体の保存性の低下を十分に阻止できない
こと、しかし(4)そのような範囲でもバックコート層
形成用塗料に高級脂肪酸エステルを含有させることによ
り長期保存性を改善できることを見出し、本発明を完成
させるに至った。
【0008】即ち、本発明は、非磁性支持体の片面に強
磁性金属薄膜磁性層が形成され、他面に非磁性顔料を結
合剤中に分散してなるバックコート層形成用塗料を塗布
することにより形成されたバックコート層が形成されて
いる磁気記録媒体において、バックコート層形成用塗料
中の塩素イオン及び硫酸イオンの少なくとも一方の濃度
が20ppm以下であり、且つバックコート層形成用塗
料に高級脂肪酸エステルが添加されていることを特徴と
する磁気記録媒体を提供する。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の磁気記録媒体を詳
細に説明する。
【0010】本発明の磁気記録媒体は、図1に示すよう
に非磁性支持体1の片面に金属薄膜からなる磁性層2が
形成され、他面にバックコート層3が形成されている構
造を有する。ここで、バックコート層3は、非磁性顔料
を結合剤と溶剤とに分散してなるバックコート層形成用
塗料を非磁性支持体に塗布し乾燥することにより形成さ
れている。
【0011】このような磁気記録媒体は、磁性層2とバ
ックコート層3とが接触した状態で保管されるが、この
状態で高温多湿環境下に保管するとバックコート層3中
の塩素イオン又は硫酸イオンにより磁性層に錆が発生し
ドロップアウト特性が劣化し、耐久性も劣化する。従っ
て、本発明においては、バックコート層形成用塗料中の
塩素イオン及び硫酸イオンの少なくとも一方の濃度を、
20ppm以下、好ましくは1ppm以上、より好まし
くは双方をそれぞれ1〜20ppmに調整し、しかもバ
ックコート層形成用塗料に高級脂肪酸エステルを含有さ
せる。高級脂肪酸エステルを含有させないと、磁気記録
媒体の保存特性を十分に向上させることができない。ま
た、塩素イオン又は硫酸イオンの濃度が20ppmを超
えると高級脂肪酸エステルの添加効果が十分に得られな
い。なお、塩素イオン又は硫酸イオンの濃度が1ppm
未満の場合でもスチル特性の改善効果が得られるにもか
かわらず好ましい下限値を1ppmとしたのは、1pp
m未満に調整するコストが上昇し、実用性が低下するた
めである。
【0012】バックコート層形成用塗料の塩素イオン及
び硫酸イオンの濃度の調整の方法は、例えば、バックコ
ート層形成用塗料を調整する際に使用する各成分の塩素
イオン及び硫酸イオンの濃度を予め測定しておき、それ
らの中から意図する濃度となるように成分を選択すれば
よい。
【0013】塩素イオン及び硫酸イオンの濃度の測定
は、公知の方法により行うことができる。例えば、バッ
クコート層形成用塗料を60℃で蒸発乾固し、得られた
固体を粉砕する。その粉砕物5gに純水100mlを加
え100℃にて通常3時間程度加熱抽出を行い、その後
50mlをメスアップして抽出測定試料液とし、イオン
クロマトグラフィーにて塩素イオン及び硫酸イオン量を
測定することができる。
【0014】本発明において使用する高級脂肪酸エステ
ルは、磁気記録媒体の保存中に磁性層2とバックコート
層3とが接触した状態のまま高温多湿環境下に保管した
場合にバックコート層3の外表面を覆い、磁性層2とバ
ックコート層3とが直接接触する面積を実質的に大きく
減少させることができる。このため磁性層2に錆が発生
するのを大きく抑制することができ、ドロップアウト特
性や耐久性を劣化させないようにすることができる。
【0015】このような高級脂肪酸エステルとしては、
ステアリン酸エステル、パルミチン酸エステル、ミリス
チン酸エステル、ラウリン酸エステル、オレイン酸エス
テル等の市販の高級脂肪酸エステルを使用することがで
き、これらは単独でも二種以上を混合して使用してもよ
い。
【0016】高級脂肪酸エステルのバックコート層形成
用塗料中の濃度は、少な過ぎると本発明の効果が十分に
得られず、多過ぎると製造設備のテープパスのガイドロ
ールとテープとの間ではりつき現象が起こり、テープが
切断してしまうので、好ましくは0.01PHR〜10
PHR、より好ましくは0.1PHR〜5PHRであ
る。
【0017】以上の高級脂肪酸エステル以外のバックコ
ート層形成用塗料成分としては、一般に、主成分として
非磁性顔料、結合剤、溶剤等をあげることができる。バ
ックコート層形成用塗料の塩素イオンや硫酸イオンの濃
度管理については、源流管理の点から各材料組成それぞ
れの原材料段階での規制が好ましいが、バックコート層
形成用塗料としての最終選定を行う意味や市販のバック
コート層形成用塗料の選定を行う点から、本発明のよう
に塗料として判定を行えるということは利便性が高い。
【0018】バックコート層形成用塗料中に分散される
非磁性顔料としては、カーボンブラックのほかに、必要
に応じて、ヘマタイト、雲母,シリカゲル、酸化マグネ
シウム、硫化亜鉛、炭化タングステン、窒化ホウ素、デ
ンプン、硫化亜鉛、カオリン、タルク、粘土、硫酸鉛、
炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ベ
ーム石(r−Al23・H2O)、アルミナ、硫化タン
グステン、酸化チタン、ポリテトラフルオロエチレン粉
末、ポリエチレン粉末、ポリ塩化ビニル粉末、金属粉等
を併用してもよい。
【0019】結合剤としては、従来用いられてきたもの
の中から選択することができる。例えば、塩化ビニル−
酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニル
アルコール共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−マレイ
ン酸共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、
塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体、アクリル酸エ
ステル−アクリロニトリル共重合体、アクリル酸エステ
ル−塩化ビニリデン共重合体、メタクリル酸エステル−
スチレン共重合体、熱可塑性ポリウレタン樹脂、フェノ
キシ樹脂、ポリフッ化ビニル、塩化ビニリデン−アクリ
ロニトリル共重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共
重合体、ブタジエン−アクリロニトリル−メタクリル酸
共重合体、ポリビニルブチラール、セルロース誘導体、
スチレン−ブタジエン共重合体、ポリエステル樹脂、フ
ェノール樹脂、エポキシ樹脂、熱硬化性ポリウレタン樹
脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、尿素−ホ
ルムアルデヒド樹脂またはこれらの混合物等があげられ
る。これらに対しては、イソシアネート化合物で架橋さ
せて耐久性を向上させたり、適当な極性基を導入しても
よい。
【0020】溶剤としては、アセトン、メチルエチルケ
トン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサン等のケ
トン系溶剤、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳
酸エチル、酢酸グリコールモノエチルエステル等のエス
テル系溶剤、グリコールジメチルエーテル、グリコール
モノエチルエーテル、ジオキサン等のグリコールエーテ
ル系溶剤、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭
化水素系溶剤、メチレンクロライド、エチレンクロライ
ド、四塩化炭素、クロロホルム、エチレンクロルヒドリ
ン、ジクロロベンゼン等の有機塩素化合物系溶剤などを
挙げることができる。
【0021】なお、非磁性顔料、結合剤、溶剤等のバッ
クコート層形成用塗料中の使用量は、必要に応じて適宜
決定することができる。
【0022】本発明の磁気記録媒体の磁性層2は、強磁
性金属の蒸着(斜め蒸着、酸素を含む雰囲気中での蒸
着、更にはこれらの組合せ蒸着等)やスパッタリング等
の真空薄膜形成技術によって形成された薄膜である。強
磁性金属材料としては、蒸着磁気テープ用に利用されて
いる公知の強磁性金属材料を使用することができ、例え
ば、Fe、Co、Niなどの強磁性金属、Fe-Co、
Co-Ni、Co-Fe-Ni、Fe-Cu、Co-Cu、
Co-Au、Co-Pt、Mn-Bi、Mn-Al、Fe-
Cr、Co-Cr、Ni-Cr、Fe-Co-Cr、Co-
Ni-Cr、Fe-Co-Cr-Ni等の強磁性合金を挙げ
ることができる。
【0023】なお、磁性層2は、上述の強磁性金属材料
の単層膜であってもよく、多層膜であってもよい。ま
た、層厚は、必要に応じて適宜決定することができる。
【0024】本発明において使用する非磁性支持体1と
しては、従来より磁気記録媒体において使用されている
公知の非磁性支持体を使用することができ、例えばポリ
エチレンテレフタレート等のポリエステル類、ポリエチ
レン、ポリプロピレン等のポリオレフィン類、セルロー
ストリアセテート、セルロースジアセテート、セルロー
スアセテートブチレート等のセルロース誘導体、ポリ塩
化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のビニル系樹脂、ポリ
カーボネート、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイ
ミド等のプラスチック、紙、アルミニウム、銅等の金
属、アルミニウム合金、チタン合金等の軽合金、セラミ
ックス、単結晶シリコン等である。なお、上記非磁性支
持体の形態としては、フィルム、テープ、シート、ディ
スク、カード、ドラム等を挙げることができる。
【0025】なお、本発明の磁気記録媒体において、磁
性層2上に公知の保護層を設けることができる。例え
ば、カーボン、CrO2、Al23、BN、Co酸化
物、MgO、SiO2、Si34、SiNx、SiC、S
iNx−SiO2、ZrO2、TiO2、TiC等の薄膜を
挙げることができる。これらは単層膜であってもよく、
多層膜でもよい。あるいは複合膜でもよく、層厚も必要
に応じて適宜決定することができる。また、保護層の成
膜は蒸着法やスパッタ法により行うことができる。
【0026】なお、磁性層2表面近傍を耐蝕性改善等の
ために酸化物とし、その酸化物層を保護層として機能さ
せることができる。この場合、酸化物とする方法の一例
としては、蒸着法やスパッタ法で磁性層を成膜する際
に、必要に応じて酸素ガスを成膜用チャンバーに導入す
ることが挙げられる。
【0027】更に、非磁性支持体1と磁性層2との間、
あるいは磁性層2が多層膜の場合には、各層間の付着力
向上並びに抗磁力の制御等のため、公知の下地層又は中
間層を設けることができる。
【0028】以上説明した本発明の磁気記録媒体は、バ
ックコート層形成用塗料中の塩素イオン又は硫酸イオン
を20ppm以下に調整し、しかも高級脂肪酸エステル
を添加するので、高温多湿の悪条件下での保存性が向上
する。
【0029】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。
【0030】実施例1〜6及び比較例1 非磁性顔料(カーボンブラック)100重量部、結合剤
(ポリカーボネートポリウレタン、東洋インキ社製)1
00重量部、硬化剤(コロネートL50、日本ポリウレ
タン社製)10重量部、高級脂肪酸エステル(ステアリ
ン酸エステル)5重量部及び溶剤(MEK、固形分が1
5重量%となる量)からなり、表1に示した塩素イオン
及び硫酸イオンの濃度を有するバックコート層形成用塗
料を、それぞれ6μm厚のポリエチレンテレフタレート
フィルムに塗布し、乾燥することにより0.5μm厚の
バックコート層を形成した。
【0031】次に、バックコート層と反対側のポリエチ
レンテレフタレートフィルムの表面に、真空斜め蒸着法
(斜め蒸着角45〜90°,蒸着圧力7×10-2Pa,
酸素導入量=3.3×10-63/sec)によりCo
80%−Ni20%の組成の強磁性合金からなる磁性層
(層厚200nm)を形成した。更に強磁性金属からな
る磁性層の表面には、潤滑剤としてパーフルオロポリエ
ーテルを、0.2g/m2の割合で塗布し、これにより
実施例1〜6並びに比較例1のテープ状磁気記録媒体を
得た。
【0032】なお、高級脂肪酸エステルの添加効果を評
価するために、高級脂肪酸エステルを添加しない以外は
上述と同様のバックコート層形成用塗料を使用して参考
用磁気記録媒体を作製した。
【0033】表1におけるバックコート層形成用塗料中
の含有塩素イオン及び硫酸イオンの濃度は、バックコー
ト層形成用塗料を60℃で蒸発乾固し、得られた固体を
粉砕し、粉砕物5gに純水100mlを加え100℃に
て3時間加熱抽出を行い、その後50mlをメスアップ
し抽出測定試料液とし、イオンクロマトグラフィーによ
り測定した。
【0034】得られた実施例1〜6及び比較例1並びに
対応する参考用磁気記録媒体について、高温多湿環境下
(60℃、湿度95%)での10日保存後の錆の発生の
指標となる磁束の低下率(△φr)及びスチル特性、更
に45℃で湿度80%で4日保存後のドロップアウト増
加率をソニー製EVS−900改造機を用いて白50%
という記録信号を使用して調べた。その結果を表1に示
す。
【0035】
【表1】 比較例 実施例 1 1 2 3 4 5 6 (ハ゛ックコート層形成用塗料) 塩素イオン(ppm) 22.4 15.9 8.5 5.0 3.0 1.0 0.6 硫酸イオン(ppm) 22.5 19.4 9.2 4.7 2.2 0.8 0.2 (60℃/湿度95%/10日保存後) スチル(min) 110 ≧+120 ← ← ← ← ← △φr(%) 7 8 8 5 7 7 8 (45℃/80%/4日保存後) ト゛ロッフ゜アウト増加率(%) +220 +50 +20 +15 +10 +7 +5 参考(高級脂肪酸エステル添加なし) (60℃/湿度95%/10日保存後) スチル(min) 15 2 28 50 45 52 79 △φr(%) 30 43 19 14 8 8 7 (45℃/80%/4日保存後) ト゛ロッフ゜アウト増加率(%) ≧+1000 ← ← +920 +250 +200 +8
【0036】表1から、バックコート塗料中に高級脂肪
酸エステルを添加することにより、スチル特性が大きく
向上していることがわかる。また、△φr特性について
も比較例1及び実施例1〜3の結果から、改善している
ことがわかる。更に、ドロップアウト特性の点でも、実
施例6を除き、改善していることがわかる。
【0037】なお、△φr特性が実施例4〜6で改善効
果が現れないのは、塩素イオンと硫酸イオンの濃度がそ
れぞれ3.0ppm以下となっており、既に良好な△φ
r特性を実現しているためと考えられる。また、ドロッ
プアウト特性が、実施例6で改善効果が表れないのは、
塩素イオンと硫酸イオンの濃度がそれぞれ1.0ppm
以下となっており、既に良好なドロップアウト特性を実
現しているためと考えられる。
【0038】なお、比較例1の場合も、高級脂肪酸エス
テルの添加により、スチル特性、△φr 特性、ドロップ
アウト特性の各項目について改善されているが、塩素イ
オンと硫酸イオンの濃度がそれぞれ20.0ppmを超
えているために、実用上十分なスチル特性が得られてい
ないことがわかる。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、バックコート層による
錆の誘発を抑制し、優れた走行安定性と保存特性とを有
し、しかも高密度磁気記録に特に適した磁気記録媒体を
提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気記録媒体の基本的態様の概略断面
図である。
【符号の説明】
1…非磁性支持体, 2…磁性層,3…バックコート層

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性支持体の片面に強磁性金属薄膜か
    らなる磁性層が形成され、他面に非磁性顔料を結合剤中
    に分散してなるバックコート層形成用塗料を塗布するこ
    とにより形成されたバックコート層が形成されている磁
    気記録媒体において、バックコート層形成用塗料中の塩
    素イオン及び硫酸イオンの少なくとも一方の濃度が20
    ppm以下であり、且つバックコート層形成用塗料に高
    級脂肪酸エステルが添加されていることを特徴とする磁
    気記録媒体。
  2. 【請求項2】 バックコート層形成用塗料中の塩素イオ
    ン及び硫酸イオンの少なくとも一方の濃度が1ppm以
    上である請求項1記載の磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 バックコート層形成用塗料中の塩素イオ
    ン及び硫酸イオンのそれぞれの濃度が1〜20ppmで
    ある請求項2記載の磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 バックコート層形成用塗料中の高級脂肪
    酸エステルの含有量が0.01〜10PHRである請求
    項1〜3のいずれかに記載の磁気記録媒体。
  5. 【請求項5】 バックコート層形成用塗料中の高級脂肪
    酸エステルの含有量が0.1〜5PHRである請求項4
    記載の磁気記録媒体。
  6. 【請求項6】 高級脂肪酸エステルが、ステアリン酸エ
    ステル、パルミチン酸エステル、ミリスチン酸エステ
    ル、ラウリン酸エステル及びオレイン酸エステルからな
    る群より選択される少なくとも一種である請求項1〜5
    のいずれかに記載の磁気記録媒体。
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