JP2004059596A - 樹脂組成物及びそれを用いたプリント配線板 - Google Patents

樹脂組成物及びそれを用いたプリント配線板 Download PDF

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Yoshinobu Onuma
大沼 吉信
Tetsuro Imura
井村 哲朗
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Japan Epoxy Resins Co Ltd
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Abstract

【課題】電気特性、難燃性バランスに優れた硬化物を与える、ポリフェニレンオキシドを含有するプリント配線板用に適した樹脂組成物を提供する。
【解決手段】(A)成分;一般式(1)の構成単位を主たる繰り返し単位を有し、該繰り返し単位中に一般式(2)の構成単位を有するポリフェニレンオキシドと、(B)成分;1分子中に少なくとも1個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂とを必須成分として含有する樹脂組成物。
【化1】
Figure 2004059596

【化2】
Figure 2004059596

〔R〜R12は各々独立して、アルキル基、アルコキシ基、フェニル基、アミノ基;カルボキシル基、ニトロ基、ハロゲン原子又は水素原子を示し、Xはアルキレン基、カルボニル基、オキシ基、チオ基、スルフィニル基又はスルホニル基、或いは直接結合を示す。〕
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリフェニレンオキシド及びエポキシ樹脂を含む樹脂組成物及びその組成物を用いたプリント配線板に関するものである。本発明の樹脂組成物は可撓性、電気特性及び難燃性に優れた硬化物を与えるため、プリント回路基板材料、半導体封止材、電気絶縁材料、レジスト材料、コーティング材料及び接着剤等に使用可能であり、特にプリント回路基板材料としてこの樹脂組成物を使用すると高周波領域で優れた特性を有する。
【0002】
【従来の技術】
エポキシ樹脂は、耐熱性、接着性、耐水性、機械的強度及び電気特性等に優れていることから、様々の分野で使用されている。特に、電気・電子分野では、絶縁注型、積層材料、封止材料等において幅広く使用されている。ところが、近年、電気・電子部品の小型化、精密化、高性能化に伴い、使用されるエポキシ樹脂も成形性、高度な耐湿性及び高度の電気特性が要求されるようになってきた。
特に、プリント配線基板の場合、信号速度向上の目的から樹脂の低誘電率が要求されてきているが、従来の臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂とジシアンジアミドの組み合わせは誘電率が高いのが欠点であった。そこでエポキシ樹脂と、反応性ポリブタジエン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂等の熱可塑性樹脂を混合することや、アラミド繊維を基材に用いることが提案されている。
【0003】
しかし、これら従来の技術においては、エポキシ樹脂の誘電率が高いため、望ましい低誘電率を達成するに混合する熱可塑性樹脂の占める割合が大きくなり、エポキシ樹脂の特徴である耐熱性、寸法安定性、耐薬品性が損なわれてしまうという難点がある。
そこで、骨格中に脂環式構造を導入したエポキシ樹脂を使用することが提案されている(特開平08−325355号公報参照)。しかし、この場合は、樹脂の難燃性を低下させるために難燃剤をより多く添加する必要が生じ、誘電率の増大が起こるという問題がある。
【0004】
更に、近年、コンピューターや情報機器端末等では大量のデータを高速で処理する必要があるため、信号の高周波化が進んでいる。このような高周波回路では誘電体損による電力ロスの影響が大きいため、プリント回路基板の低誘電正接(tanδ)化が特に必要となってきている。このような低誘電正接化に対応するために、ポリフェニレンオキシドと架橋性ポリマー/モノマーの樹脂組成物を使用することが提案されている(特公平5−77705号公報、特公平6−92533号公報参照)。
【0005】
この方法における樹脂組成物によれば、低誘電正接化は改善されるものの、本来熱可塑性樹脂であるポリフェニレンオキシドを主体としているために、樹脂組成物が有機溶剤に溶解しにくい、溶融粘度が高すぎ流動性が不足するという問題があり、そのため、プリント配線基板をプレス成形する時に高温、高圧が必要となり、微細な回路パターンの溝を埋める必要のある多層印刷配線板を製造するための樹脂組成物としては成形性が悪く適さない。
【0006】
そこで、高分子のポリフェニレンオキシドとフェノール性化合物をラジカル開始剤の存在下、再分配反応し生成させた変成フェノール化合物から得られる樹脂組成物が提案されている(特開平9−235349号公報、特開平9−291148号公報参照)。しかし、この樹脂組成物はラジカル開始剤を多量に用いるため、再分配反応で得られる低分子ポリフェニレンオキシドを同品質で得るのが非常に難しく大量生産に不向きである。更に、ラジカル開始剤がポリフェニレンオキシド中に残存するため、このポリフェニレンオキシドを用いた樹脂組成物をプリント配線基板として成形する時、ラジカル開始剤による更なる分解反応が進行し、良好な製品が得られないという問題を有している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題点を解決し、従来のポリフェニレンオキシドにない優れた取り扱い性を有し、電気特性、難燃性のバランスに優れた硬化物を与えることができる、比較的低分子のポリフェニレンオキシドを含有する樹脂組成物及び該樹脂組成物を使用したプリント配線板を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以下の各発明を包含する。
【0009】
(1)下記(A)成分及び(B)成分を必須成分としてなる樹脂組成物。
(A)成分;質量平均分子量が1,000〜10,000のポリフェニレンオキシドであって、下記一般式(1)で表される構成単位を主たる繰り返し単位とし、該繰り返し単位中に下記一般式(2)で表される構成単位を存在させたポリフェニレンオキシド。
【0010】
【化5】
Figure 2004059596
【化6】
Figure 2004059596
【0011】
〔一般式(1)及び一般式(2)中、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11及びR12は各々独立して、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよいアミノ基、カルボキシル基、ニトロ基、ハロゲン原子又は水素原子を示し、Xは置換基を有していてもよいアルキレン基、カルボニル基、オキシ基、チオ基、スルフィニル基又はスルホニル基、或いは直接結合を示す。〕
(B)成分;1分子中に少なくとも1個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂。
【0012】
(2)前記(A)成分のポリフェニレンオキシドの両末端が水酸基であることを特徴とする、(1)項記載の樹脂組成物。
【0013】
(3)前記(A)成分のポリフェニレンオキシドは、一般式(1)におけるR、Rがメチル基、R及びRが水素原子であり、一般式(2)におけるR、R、R10及びR12がメチル基、R、R、R及びR11が水素原子であることを特徴とする、(1)項又は(2)項に記載の樹脂組成物。
【0014】
(4)前記(A)成分のポリフェニレンオキシドは、一般式(1)及び一般式(2)で表される構成単位よりなるポリフェニレンオキシドの全フェニレン基における1,4−フェニレン基の割合が80%以上であることを特徴とする、(1)項〜(3)項のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
【0015】
(5)前記一般式(2)で表される構成単位の割合が、ポリフェニレンオキシド全体に対して2〜30モル%であることを特徴とする、(1)項〜(4)項のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
【0016】
(6)前記ポリフェニレンオキサイドは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定したポリスチレン換算の質量平均分子量が1,000〜10,000、好ましくは1,000〜6,000である、(1)項〜(5)項のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
【0017】
(7)前記(A)成分のポリフェニレンオキシドは、前記一般式(2)におけるXが置換基を有していてもよいアルキレン基であることを特徴とする、(1)項〜(6)項のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
【0018】
(8)前記(A)成分のポリフェニレンオキシドは、前記一般式(2)におけるXがメチレン基、エチレン基又はジメチルメチレン基のいずれかであることを特徴とする、(1)項〜(7)項のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
【0019】
(9)前記(A)成分のポリフェニレンオキシドは、下記一般式(4)で表される2価フェノール化合物単独で、或いは更に下記一般式(3)で表される1価フェノール化合物と共に、酵素触媒の存在下に重合させて得られるポリフェニレンオキシドであることを特徴とする、(1)項〜(8)項のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
【0020】
【化7】
Figure 2004059596
【化8】
Figure 2004059596
【0021】
〔一般式(3)及び一般式(4)中、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11及びR12は各々独立して、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよいアミノ基、カルボキシル基、ニトロ基、ハロゲン原子又は水素原子を示し、Xは置換基を有していてもよいアルキレン基、カルボニル基、オキシ基、チオ基、スルフィニル基又はスルホニル基、或いは直接結合を示す。〕
【0022】
(10)前記(B)成分のエポキシ樹脂は、1分子中に少なくとも1個以上のエポキシ基を有する芳香族エポキシ樹脂であることを特徴とする、(1)項〜(9)項のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
【0023】
(11)前記(B)成分のエポキシ樹脂のエポキシ当量が100〜1000g/当量の範囲内にある芳香族エポキシ樹脂であることを特徴とする、(1)項〜(10)項のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
【0024】
(12)前記樹脂組成物における前記(A)成分のポリフェニレンオキシド及び前記(B)成分エポキシ樹脂の配合割合(質量基準)は、(A)/(B)=100/1〜100/100、好ましくは(A)/(B)=100/3〜100/60の範囲であることを特徴とする、(1)項〜(11)項のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
【0025】
(13)前記(1)項〜(12)項のいずれか1項に記載された樹脂組成物を有機溶剤に溶解させ、繊維質の補強剤に含浸させた後、成形することにより製造されているプリント配線板。
【0026】
(14)前記樹脂組成物中に塩基性硬化触媒を添加し、ポリフェニレンオキシドの水酸基とエポキシ基の反応を促進させながら成形することにより製造されていることを特徴とする、(13)項記載のプリント配線板。
【0027】
(15)前記塩基性硬化触媒が、3級アミン類及び/又はその塩類、イミダゾール類及び/又はその塩類、ジアザビシクロ化合物類、ホスフィン類、ホスホニウム塩類等より選ばれる少なくとも1種であり、塩基性硬化触媒の使用割合は、ポリフェニレンオキシド及びエポキシ樹脂の総和100質量部に対し、0.01〜10質量部の割合で配合されていることを特徴とする、(14)項記載のプリント配線板。
【0028】
【発明の実施の形態】
(ポリフェニレンオキシド)
本発明の樹脂組成物における(A)成分のポリフェニレンオキシドは、前記一般式(1)で表される構成単位を主たる繰り返し単位とし、該繰り返し単位中に前記一般式(2)で表される構成単位を存在させることを必須とする。
前記一般式(1)及び一般式(2)において、R〜R12の置換基を有していてもよいアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、シクロヘキシル基等の直鎖状、分岐状、もしくは環状のものであり、また、アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等がそれぞれ挙げられ、これらのアルキル基、アルコキシ基としては、炭素数1〜4のものが好ましい。また、ハロゲン原子としては、弗素原子、塩素原子、臭素原子及び沃素原子が挙げられる。
また、これらのアルキル基、アルコキシ基、並びに、フェニル基、アミノ基における置換基としては、例えば、炭素数が1〜4のアルキル基、炭素数が1〜4のアルコキシ基、フェニル基、及びハロゲン原子等が挙げられる。
【0029】
前記一般式(1)及び一般式(2)におけるR〜R12としては、以上の基の中で、置換基を有していてもよいアルキル基が好ましく、炭素数が1〜4のアルキル基が更に好ましく、メチル基が特に好ましい。
また、前記一般式(1)及び一般式(2)で示される構成単位としては、RとR、RとR、及びR10とR12が、前記置換基のいずれかであり、RとR、RとR、及びRとR11が水素原子であるのが好ましい。
【0030】
また、前記一般式(2)において、Xが置換基を有していてもよいアルキレン基である場合は、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基、テトラメチレン基、シクロヘキシレン基等の直鎖状、分岐状、もしくは環状のものが挙げられ、これらのアルキレン基としては、炭素数1〜4のものが好ましい。また、そのアルキレン基における置換基としては、アルキル基、フェニル基等が挙げられる。
前記一般式(2)におけるXとしては、以上の中で、置換基を有していてもよいアルキレン基が好ましく、炭素数が1〜4のアルキレン基が更に好ましく、メチレン基、エチレン基、ジメチルエチレン基が特に好ましい。
【0031】
本発明の樹脂組成物における前記(A)成分のポリフェニレンオキシドは、フェニレン基が1,4−フェニレン構造をとっている前記一般式(1)及び一般式(2)で表される構成単位の他に、1,2−フェニレン構造、又は1,3−フェニレン構造をとっている構成単位を含有していてもよい。
また、ポリフェニレンオキシド中の全フェニレン基における1,4−フェニレン構造の割合が80%以上であると本発明組成物を硬化物とした時にガラス転移温度が上昇するため好ましく、90%以上であるのが更に好ましく、95%以上であるのが特に好ましい。
【0032】
また、前記一般式(2)で表される構成単位の割合がポリフェニレンオキシド全体に対して、1モル%以上であると、ポリフェニレンオキシドを有機溶剤へ溶解した時に溶解性が向上するため好ましく、2〜30モル%であるのが特に好ましい。また、両末端が水酸基であるポリフェニレンオキシドは、エポキシ樹脂と反応させて硬化物とした時、ガラス転移温度が向上するため好ましい。
【0033】
本発明のポリフェニレンオキサイドは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定したポリスチレン換算の質量平均分子量が1,000〜10,000のものであり、1,000〜6,000であるのが特に好ましい。質量平均分子量が1000未満であると、本発明樹脂組成物を硬化物とした時に誘電特性の改良効果が少なくなり、また、10,000を越えると組成物の溶融粘度が高くなり成形性が悪くなるため好ましくない。
【0034】
(ポリフェニレンオキシドの製造方法)
本発明のポリフェニレンオキシドは、前記一般式(4)で表される2価フェノール化合物単独を、或いは更に前記一般式(3)で表される1価フェノール化合物と共に、酵素触媒の存在下に重合させることにより製造される。
一般式(4)の2価フェノール化合物は、酵素触媒の存在下における重合反応によって一般式(1)で示される構成単位を主たる構成単位とするポリフェニレンオキシドを生成する。
【0035】
前記一般式(3)及び一般式(4)におけるR〜R12及びXの定義は、前記一般式(1)及び(2)の場合と同様であり、前記一般式(4)で表される2価フェノール化合物としては、具体的には、以下の各化合物が挙げられる。
【0036】
ビスフェノールF、ジメチルビスフェノールF、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2,3,5−トリメチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(3,5,6−トリメチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2,3,5,6−テトラメチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(3,5−ジエチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(3,5−ジブチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシ−5−フェニルフェニル)メタン、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシ−5−ベンジルフェニル)メタン、ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)メタン。
【0037】
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1−ビス(2,3,5,6−テトラメチル−4−ヒドロキシフェニル)エタン、ビスフェノールA、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(2,3,5,6−テトラメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−エチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジエチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−イソプロピル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−フェニル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン等のビス(ヒドロキシフェニル)アルカン類。
【0038】
ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルプロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,3−ジフェニルプロパン等のビス(ヒドロキシフェニル)フェニルアルカン類。
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン等のビス(ヒドロキシフェニル)シクロアルカン類。
【0039】
ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)ケトン等のビス(ヒドロキシフェニル)ケトン類、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)エーテル等のビス(ヒドロキシフェニル)エーテル類、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)スルフィド等のビス(ヒドロキシフェニル)スルフィド類、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン等のビス(ヒドロキシフェニル)スルホン類、ビフェノール、3,3’−ジメチルビフェニル−4,4’−ジオール、3,3’−ジ−tert−ブチルビフェニル−4,4’−ジオール、3,3’,5,5’−テトラメチルビフェニル−4,4’−ジオール等のビフェノール類等が挙げられる。
【0040】
前記2価フェノール化合物の中で、本発明においては、前記一般式(4)におけるオキシ基が結合するフェニレン基の両オルト位の炭素原子についているRとR、及びR10とR12が、いずれかの前記置換基であり、両メタ位のRとR、及びRとR11が、水素原子であるのが好ましい。
【0041】
また、前記一般式(3)で表される1価フェノール化合物としては、例えば、2−メチルフェノール、2−エチルフェノール、2−プロピルフェノール、2−ブチルフェノール、2,3−ジメチルフェノール、2,6−ジメチルフェノール、2−メチル−6−エチルフェノール、2,6−ジエチルフェノール、2−メチル−6−プロピルフェノール、2,6−ジブチルフェノール、2,3,5,6−テトラメチルフェノール、2−ベンジルフェノール、2,6−ジベンジルフェノール、2−シクロヘキシルフェノール、2−アリルフェノール、2,6−ジアリルフェノール、2−メトキシフェノール、2,6−ジメトキシフェノール、2−エトキシフェノール、2,6−ジエトキシフェノール、2−フェニルフェノール、2−メチル−6−フェニルフェノール、2,6−ジフェニルフェノール、2−クロロフェノール、2,6−ジクロロフェノール、2,6−ジブロモフェノール等が挙げられる。
【0042】
前記1価フェノール化合物の中で、本発明においては、前記一般式(3)におけるRとRが、前記置換基のいずれかであり、RとRが、水素原子であるのが好ましい。
【0043】
ポリフェニレンオキシドは、前記一般式(4)の2価フェノール化合物を、或いは、更に前記一般式(3)の1価フェノール化合物と共に、一般式(4)の化合物/一般式(3)の化合物の質量割合を、100/0〜1/99の範囲として、酵素触媒の存在下、通常、溶媒を用いて重合することにより製造される。
その際の酵素触媒としては、特に限定されるものではないが、ペルオキシターゼ、ラッカーゼ等の酸化重合能を有する酸化酵素が好ましく用いられる。ペルオキシターゼとしては、種々の起源のものが用いられ、植物由来、細菌由来、或いは担子菌由来のものが好ましく、西洋山葵由来、或いは大豆由来が特に好ましい。また、ラッカーゼとしても、種々の起源のものが用いられ、植物由来、細菌由来、或いは担子菌由来のものが好ましく、Pycnoporus coccineusのものが特に好ましい。
【0044】
触媒としての前記酵素の使用量は、使用する酵素の力価によって異なるが、前記フェノール化合物に対して0.001質量%以上とするのが好ましく、0.01質量%以上が特に好ましい。なお、ペルオキシターゼにおいては、無機或いは有機過酸化物を併用するのが好ましく、その過酸化物としては、過酸化水素が好ましい。過酸化物の使用量は、前記フェノール化合物に対して、通常0.9倍モル以上とし、等モル以上とするのが好ましく、2〜5倍モルとするのが特に好ましい。
【0045】
また、用いられる溶媒としては、通常、有機溶媒/水の混合溶媒が用いられ、その有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、t−ブタノール等のアルコール類、ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン等の炭化水素類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、THF、ジオキサン等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類、ジクロルメタン、クロロホルム等のハロゲン類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等の非プロトン性極性溶媒等が挙げられ、それらを単独で、或いは2種以上を混合して、有機溶媒/水の質量割合を、通常、1/10〜10/1、好ましくは3/10〜10/3として用いられる。
【0046】
また、重合温度としては、通常0〜90℃の範囲で、好ましくは10〜60℃の範囲である。重合終了後、濾過し、洗浄、乾燥することにより、本発明の樹脂組成物に使用することができる前記(A)成分のポリフェニレンオキシドが得られる。
【0047】
(エポキシ樹脂)
本発明の樹脂組成物における前記(B)成分の1分子中に少なくとも1個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂としては、一般のエポキシ樹脂を用いることができ、例えば、次のものが挙げられる。
【0048】
芳香族ジグリシジルエーテル類;
ビスフェノールAのジグリシジルエーテル、ビスフェノールFのジグリシジルエーテル、3,3’,5,5’−テトラメチルビフェノールAのジグリシジルエーテル、3,3’,5,5’−テトラメチルビフェノールFのジグリシジルエーテル、ビスフェノールSのジグリシジルエーテル、ジヒドロキシフェニルエーテルのジグリシジルエーテル、ビフェノールのジグリシジルエーテル、3,3’,5,5’−テトラメチルビフェノールのジグリシジルエーテル、ナフタレンジオールのジグリシジルエーテル等。
【0049】
多官能型芳香族エポキシ類;
フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAのノボラック型エポキシ樹脂、トリフェノールメタンから得られるエポキシ樹脂、テトラフェノールエタンから得られるエポキシ樹脂等。
【0050】
その他;
フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ダイマー酸等から得られるグリシジルエステル類、アミノフェノール、ジアミノジフェニルメタン等から得られるグリシジルアミン類、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等から得られる脂肪族エポキシ類、シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールA等から得られる脂環式エポキシ類、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート等のシクロオレフィンと過酢酸から得られる環式脂肪族エポキシ類等。
【0051】
これらの中で、芳香族エポキシ樹脂が難燃性に優れるため好ましく、更に、エポキシ当量が100〜1000の範囲内にある芳香族エポキシ樹脂を用いると、本発明樹脂組成物が高流動性となり、硬化後のガラス転移温度が高くなるためより好ましい。
【0052】
(配合割合)
本発明の樹脂組成物における前記(A)成分のポリフェニレンオキシド及び前記(B)成分エポキシ樹脂の配合割合(質量基準)は、(A)/(B)=100/1〜100/100、好ましくは(A)/(B)=100/3〜100/60の範囲である。
この範囲を外れると未反応のポリフェニレンオキシド又はエポキシ樹脂が残り、硬化物の耐湿性及び耐熱性が悪くなるため好ましくない。
【0053】
(塩基性硬化触媒)
本発明の樹脂組成物中に塩基性硬化触媒を添加して、ポリフェニレンオキシドの水酸基とエポキシ基の反応を促進することが、成形サイクルを短縮できるため好ましい。使用できる塩基性硬化触媒としては、以下の化合物が挙げられる。
【0054】
3級アミン類及び/又はその塩類;
トリエチルアミン、トリブチルアミン、ベンジルジメチルアミン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、N−メチルピペラジン等。
イミダゾール類及び/又はその塩類;
2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、2,4−ジシアノ−6−[2−メチルイミダゾリル−(1)]−エチル−S−トリアジン等。
【0055】
ジアザビシクロ化合物類;
1,5−ジアザビシクロ(5.4.0)−7−ウンデカン、1,5−ジアザビシクロ(4.3.0)−5−ノネン、1,4−ジアザビシクロ(2.2.2)オクタン等。
ホスフィン類;
トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリス(ジメトキシフェニル)ホスフィン、トリス(ヒドロキシプロピル)ホスフィン、トリス(シアノエチル)ホスフィン等。
ホスホニウム塩類;
テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、メチルトリブチルホスホニウムテトラフェニルボレート、メチルトリシアノエチルホスホニウムテトラフェニルボレート等。
【0056】
上記した塩基性硬化触媒の使用割合は、ポリフェニレンオキシド及びエポキシ樹脂の総和100質量部に対し、0.01〜10質量部の割合で配合されている。塩基性硬化触媒が上記範囲を外れると、硬化物の耐熱性が低下し、耐湿性が悪くなる。
【0057】
(プリント配線板)
本発明のプリント配線板用樹脂組成物をプリント配線板にする方法は、公知の方法により製造することができる。すなわち本組成物を有機溶剤に溶解させ樹脂ワニスを得た後、繊維質の補強剤に含浸させる。次いで、有機溶剤を熱乾燥させプリプレグとした後、銅箔とを積層加熱成形することによりプリント配線板を得ることができる。
【0058】
使用できる有機溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、カルビトール等のエーテル系溶剤、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン等の非プロトン性極性溶剤等が挙げられる。
【0059】
繊維質の補強剤としては、例えば、ガラス繊維、セラミック繊維、カ−ボンファイバ−、アルミナ繊維、炭化ケイ素繊維、ボロン繊維、ポリエステル繊維及びポリアミド繊維等である。
成形方法は、通常、熱プレス成形が使用され、150〜300℃の温度範囲で、1〜100MPaの成形圧力、1〜300分間の時間で成形する。
【0060】
(任意成分)
本発明の樹脂組成物には、必要に応じて次の成分を添加することができる。
▲1▼粉末状の補強剤や充填剤、例えば、酸化アルミニウム、酸化マグネシウムなどの金属酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムなどの金属炭酸塩、ケイソウ土粉、塩基性ケイ酸マグネシウム、焼成クレイ、微粉末シリカ、溶融シリカ、結晶シリカなどのケイ素化合物、水酸化アルミニウムなどの金属水酸化物、その他、カオリン、マイカ、石英粉末、グラファイト、二硫化モリブデン等である。
これらは本発明の樹脂組成物の100質量部に対して、10〜900質量部配合される。
【0061】
▲2▼着色剤、例えば、二酸化チタン、鉄黒、モリブデン赤、紺青、群青、カドミウム黄及びカドミウム赤等、難燃剤、例えば、三酸化アンチモン、赤燐、リン酸エステル類、ブロム化合物及びトリフェニルホスフェイト等である。
これらは本発明の樹脂組成物の100質量部に対して、0.1〜30質量部配合される。
【0062】
▲3▼さらに、最終的な塗膜、接着層、成形品などにおける樹脂の性質を改善する目的で種々の硬化性モノマ−、オリゴマ−及び合成樹脂を配合することができる。
例えば、モノエポキシ等のエポキシ樹脂用希釈剤、アミン類、酸無水物、ジシアンジアミド等のエポキシ樹脂用硬化剤、フェノ−ル樹脂、フッ素樹脂、アクリル樹脂、シリコ−ン樹脂、ポリエステル樹脂等の1種又は2種以上の組み合わせを挙げることができる。これら樹脂類の配合割合は、本発明の樹脂組成物の本来の性質を損なわない範囲の量、即ち本発明の樹脂組成物の100質量部に対して、50質量部以下が好ましい。
本発明のポリフェニレンオキシド、エポキシ樹脂及び任意成分の配合手段としては、加熱溶融混合、ロ−ル、ニーダーによる溶融混練、適当な有機溶剤を用いての湿式混合及び乾式混合等が挙げられる。
【0063】
【実施例】
以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明は、これらの実施例及び比較例によって限定されるものではない。
<ポリフェニレンオキシドの製造例1>
溶媒としてアセトン1L、0.2M酢酸緩衝液1L、2価フェノールとして3,3’,5,5’−テトラメチルビスフェノールAを80g、及び触媒として Pycnoporus cocineus 由来のラッカーゼ(高研社製)200mgを仕込み、30℃で24時間重合反応を行った。反応終了後、5Lのメタノールを加えてポリマーを析出させ、濾過、次いで蒸留水及びメタノールで洗浄し、真空乾燥することにより、ポリフェニレンオキシド35.8gを得た。得られたポリフェニレンオキシドは、クロロホルム、テトラヒドロフランに可溶であり、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した質量平均分子量が3,300であった。また、H−NMR、13C−NMR及び2次元NMRの解析により、下記式(5)で表される構成を繰り返し単位とし、下記式(6)で表される構成単位を1個有し、式(5)の構成単位:式(6)の構成単位の平均モル比が7.5:1であり、両末端が水酸基の分子からなるポリフェニレンオキシドであることを確認した。
【0064】
【化9】
Figure 2004059596
【化10】
Figure 2004059596
【0065】
製造例2
2価フェノールとして3,3’,5,5’−テトラメチルビスフェノールFを用いた以外は、製造例1と同様の操作を行いポリフェニレンオキシド34.6gを得た。得られたポリフェニレンオキシドは、クロロホルム、テトラヒドロフランに可溶であり、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した質量平均分子量が3,400であった。また、H−NMR、13C−NMR及び2次元NMRの解析により、前記式(5)で表される構成繰り返し単位とし、前記式(6)におけるジメチルメチレン基に代えてメチレン基を有する構成単位を1個有し、前記式(5)の構成単位:前記式(6)のジメチルメチレン基に代えてメチレン基を有する構成単位の平均モル比が21:1であり、両末端が水酸基の分子からなるポリフェニレンオキシドであることを確認した。
【0066】
製造例3
溶媒としてアセトン1L、蒸留水1L、2価フェノールとして3,3’,5,5’−テトラメチルビスフェノールFを80g及び触媒として西洋葵由来のペルオキシターゼ(和光純薬社製)200mgを仕込み、30℃で30%過酸化水素水を滴下しながら24時間重合反応させた(過酸化水素水は最終的に92mlを添加した)後、5Lのメタノールを加えてポリマーを析出させ、濾過し、次いで蒸留水及びメタノールで洗浄し、真空乾燥することにより、ポリフェニレンオキシド30.3gを製造した。得られたポリフェニレンオキシドは、クロロホルム、テトラヒドロフランに可溶であり、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した質量平均分子量が2,700であった。また、H−NMR、13C−NMR及び2次元NMRの解析により、前記式(5)で表される構成繰り返し単位とし、前記式(6)におけるジメチルメチレン基に代えてメチレン基を有する構成単位を1個有し、両末端が水酸基の分子からなるポリフェニレンオキシドであることを確認した。
【0067】
比較製造例1
質量平均分子量が20,000のポリフェニレンオキシド(三菱エンジニアリングプラスチック社;YPX−100) 100g、過酸化ベンゾイル 6g及びビスフェノールA 6gにトルエン300gを添加した後、90℃で1時間攪拌を継続し、再分配反応を行った。次いで、反応溶液をメタノール2リットル中に添加し変成フェノール生成物を析出させた。この沈殿物を濾過し、メタノール及び水で洗浄した後、70℃で減圧乾燥してフェノール性水酸基を有する質量平均分子量6700のポリフェニレンオキシドから成る変成フェノール生成物を得た。
【0068】
実施例1
製造例1により得られたポリフェニレンオキシド100g、エポキシ樹脂としてエピコート1032H60(ジャパンエポキシレジン社商品名;サリチルアルデヒドとフェノールから得られる多官能フェノールのエポキシ樹脂、エポキシ当量;168g/当量、)10g、お及び硬化促進剤としてエピキュアEMI24(ジャパンエポキシレジン社商品名;2−エチル−4−メチルイミダゾール)0.1gをメチルエチルケトン45g及びメチルセロソルブ45gの混合溶剤に溶解させて、樹脂含量55%のプリント配線板用樹脂ワニスを得た。この樹脂ワニスを、予め乾燥させた200mm×200mmのガラスクロスに含浸させた後、120℃で8分間、オーブン中で乾燥させプリプレグを作製した。次いで、作成したプリプレグを150mm×150mmに裁断し、それを8枚重ね合わせ、1番上に銅箔を乗せプレス成形を行った。プレス成形の条件は、30分かけて100℃から170℃まで徐々に上げていき、同時に圧力も常圧から5MPaまで30分程かけて昇圧していく。その後、170℃で1時間、5MPaの圧力を維持し、冷却後、プレス成形機から取り出し、プリント配線板を得た。このプリント配線板の物性値を表1に示す。
【0069】
実施例2〜4、比較例1
ポリフェニレンオキシド、エポキシ樹脂を表1のように変える以外は、実施例1と同様の操作を行い樹脂組成物を得た後、プリント配線板を得た。このプリント配線板の物性値を表1に示す。
【0070】
【表1】
Figure 2004059596
【0071】
【発明の効果】
本発明の実施により得られる樹脂組成物は成形性に優れ、その硬化物は誘電率及び誘電損失特性に優れるため、高周波を扱う機器に使用するプリント配線板の用途において有利に使用できる。また、難燃性が発現できるため、ハロゲン含量の低下したプリント配線板用樹脂組成物となり、環境への負荷を軽減することが可能となる。

Claims (10)

  1. 下記(A)成分及び(B)成分を必須成分として成る樹脂組成物。
    (A)成分;質量平均分子量が1,000〜10,000のポリフェニレンオキシドであって、下記一般式(1)で表される構成単位を主たる繰り返し単位とし、該繰り返し単位中に下記一般式(2)で表される構成単位を存在させたポリフェニレンオキシド。
    Figure 2004059596
    Figure 2004059596
    〔一般式(1)及び一般式(2)中、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11及びR12は各々独立して、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよいアミノ基、カルボキシル基、ニトロ基、ハロゲン原子又は水素原子を示し、Xは置換基を有していてもよいアルキレン基、カルボニル基、オキシ基、チオ基、スルフィニル基又はスルホニル基、或いは直接結合を示す。〕
    (B)成分;1分子中に少なくとも1個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂。
  2. 前記(A)成分のポリフェニレンオキシドの両末端が水酸基であることを特徴とする、請求項1記載の樹脂組成物。
  3. 前記(A)成分のポリフェニレンオキシドは、一般式(1)におけるR及びRがメチル基、R及びRが水素原子であり、一般式(2)におけるR、R、R10及びR12がメチル基、R、R、R及びR11が水素原子であることを特徴とする、請求項1又は2記載の樹脂組成物。
  4. 前記(A)成分のポリフェニレンオキシドは、一般式(1)及び一般式(2)で表される構成単位よりなるポリフェニレンオキシドの全フェニレン基における1,4−フェニレン基の割合が80%以上であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  5. 前記(A)成分のポリフェニレンオキシドは、前記一般式(2)におけるXが置換基を有していてもよいアルキレン基であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  6. 前記(A)成分のポリフェニレンオキシドは、前記一般式(2)におけるXがメチレン基、エチレン基又はジメチルメチレン基のいずれかであることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  7. 前記(A)成分のポリフェニレンオキシドは、下記一般式(4)で表される2価フェノール化合物単独、或いは更に下記一般式(3)で表される1価フェノール化合物と共に、酵素触媒の存在下に重合させて得られるポリフェニレンオキシドであることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
    Figure 2004059596
    Figure 2004059596
    〔一般式(3)及び一般式(4)中、R、R、R、R、R、R、R、R、R、R10、R11及びR12は各々独立して、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルコキシ基、置換基を有していてもよいフェニル基、置換基を有していてもよいアミノ基、カルボキシル基、ニトロ基、ハロゲン原子又は水素原子を示し、Xは置換基を有していてもよいアルキレン基、カルボニル基、オキシ基、チオ基、スルフィニル基又はスルホニル基、或いは直接結合を示す。〕
  8. 前記(B)成分のエポキシ樹脂は、1分子中に少なくとも1個以上のエポキシ基を有する芳香族エポキシ樹脂であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  9. 前記(B)成分のエポキシ樹脂のエポキシ当量が100〜1000g/当量の範囲内にある芳香族エポキシ樹脂であることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  10. 前記請求項1〜9のいずれか1項に記載された樹脂組成物を有機溶剤に溶解させ、繊維質の補強剤に含浸させた後、成形することにより製造されているプリント配線板。
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