JP2004058721A - 仕切り機構、それを備えた自動車荷室仕切り構造、および仕切り機構に組み込まれる回動機構 - Google Patents

仕切り機構、それを備えた自動車荷室仕切り構造、および仕切り機構に組み込まれる回動機構 Download PDF

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Abstract

【課題】破損のおそれが少なく、安全で、操作性に優れる、荷室を仕切る仕切り機構を提供する。
【解決手段】仕切り機構は、回動機構2によって回動可能に支持されたデッキボード1によって構成されている。デッキボード1は、床面に形成された窪みを覆う位置に係合して保持可能であり、それによってこの窪み内を収納室5として利用可能である。また、デッキボード1は、係合を解除すると、付勢力によって斜めに立ち上がった位置へと開く。その位置からさらに回動させると、デッキボード1は、直立した位置にロックされる。このロックは、所定の強さ以上の力が加わった場合には解除される。また、デッキボード1に逆方向に所定の強さ以上の力が加わった場合には、デッキボード1はこの向きに回動して倒れる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、荷室、特に、自動車の荷室を必要に応じて仕切るように回動させることができる仕切り板を有する仕切り機構、その仕切り機構を備える自動車荷室仕切り構造、およびその仕切り機構に組み込まれる回動機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
ハッチバック形式の乗用車などの自動車では、後方の、バックドアと後部座席の間の空間は、荷物を置くための荷室(デッキフロア)として用いられる場合が多い。このデッキフロアには、通常、バックドアを開けてアクセス、すなわち荷物の積み降ろしが行われる。
【0003】
このようなデッキフロアは、特に独立した荷室として構成されずに、乗員が着座する空間との間に隔壁のない、連続した空間として構成される場合が多い。また、デッキフロアの底面は、一般におおむね平坦である。そこで、デッキフロアには、利用者の積み込む多様な荷物を安定して安全に積載、収容できるようにするための構成が求められている。
【0004】
デッキフロアに荷物を安定して積載できるようにする方法としては、従来、デッキフロアに敷かれたデッキボードを何らかの手段によって立たせた状態に保持し、仕切り板として利用することが提案されている。この構成によれば、デッキボードによって仕切られた空間に荷物を積み込むことによって、小型の荷物であっても安定して収容することが可能になる。また、立たせたデッキボードの壁面に係合支持具を形成しておけば、買物袋など、床面に置いたのでは不安定な荷物であっても、係合支持具に係合させることによって安定して収容することができる。一方、大型の荷物を積み込む場合には、デッキフロアを伏せることによって、底面が平坦で大きな収容スペースを確保することができる。
【0005】
このようにデッキボードを立たせた状態に保持する方法としては、初期の例として、図9に示すように、フック154付きのロープ155を用いた方法が知られている。すなわち、図9に示す例では、デッキボード151の、バックドア153側の端部にロープ155が取り付けられており、その先端に取り付けられたフック154を後部開口の縁に係合させることによって、デッキボード151を立てた状態に保持することができる。
【0006】
また、デッキボードを立たせた状態に保持する方法として、最も進んだ例では、デッキボードの一縁をデッキフロアに回動可能に連結しておき、連結されたデッキボードを弾性手段によって立たせる方向に付勢しておき、ボタン操作をすることによってデッキボードをワンタッチで立たせることができるようにしたものが知られている。このような構成は、例えば、WO00/35713号(PCT/SE99/02403号)公報に開示されており、その模式図を図10に示す。この構成例では、デッキボード161は、デッキフロア160の底面に設けられた窪み163を実質的に閉じる位置と、窪み163にアクセスできるように立った位置とに回動できるように、デッキフロア160の底面に取り付けられている。デッキボード161には、フラップ162がバネ付勢して取り付けられており、デッキボード161は、この付勢力によって立ち上がるように構成されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の、ロープ155によってデッキボード151を立たせた状態にする構成では、見栄えや操作性があまりよくない。また、十分な保持強度を得るのも困難であり、デッキボード151を立たせた状態にしたまま自動車を走行させるのには難がある。したがって、走行時にはデッキボード151は伏せた状態にすることになり、上述したような、荷物の収容性を向上させる効果を十分に得るのは難しい。
【0008】
一方、WO00/35713号(PCT/SE99/02403号)公報に開示されたような構成では、デッキボード161を立たせ、それに荷物を支持させたまま自動車を走行させることができる。しかし、不測の事態のために自動車を急加速させたり、急減速させたりした場合には、デッキボード161に想定外の力が加わり、デッキボード161が折損するおそれがある。また、荷物の積み下ろしの際に、乗員がバランスを崩してデッキボード161に手をつくことも考えられ、この場合にも、やはりデッキボード161が折損してしまう危惧がある。
【0009】
デッキボードの折損を防ぐために、デッキボードの強度を高くすることが考えられる。しかし、この場合には、デッキボードを厚くしたり、重量を増加させたりする必要があり、利用者にとっての操作性が悪くなると考えられる。
【0010】
したがって、本発明の目的は、破損のおそれが少なく、安全で、より操作性に優れる、荷室を仕切る仕切り機構、それを備えた自動車荷室仕切り構造、およびそれに組み込まれる回動機構を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するため、本発明による仕切り機構は、回動可能に支持された、1枚の、または回動軸に平行な方向の任意の位置で複数に分割された仕切り板を有し、仕切り板を複数の回動位置に位置させることによって荷室内を所望の部分に仕切る仕切り機構であって、仕切り板は、第1の位置から、付勢手段の付勢力によって回動する第2の位置と、第2の位置から、外力を加えて付勢力による回動方向と同方向にさらに回動させた際に、ロック手段によってロックされる第3の位置とに保持可能であり、第3の位置にロックされた状態で、付勢力による回動方向と反対方向に所定の強さ以上の力が加わった場合にロック手段によるロックが解除されることを特徴とする。
【0012】
この構成によれば、仕切り板は、付勢手段によって第1の位置から第2の位置に回動されるので、それを利用して、ワンタッチで第1の位置から第2の位置に動くように構成することができる。またさらに、仕切り板を第3の位置へと回動させる簡易な操作によって、仕切り板を第3の位置にロックさせることができる。また、ロック手段は、仕切り板に所定の強さ以上の力が加わると解除されるので、それによって、仕切り板に過剰な力が加わった場合に仕切り板が折損するのを防止することができる。
【0013】
仕切り機構には、仕切り板が第1の位置にある状態で仕切り板に係合して、仕切り板を付勢力に抗して第1の位置に保持する係止機構を設けてもよい。それによって、仕切り板を第1〜3の3つの位置に保持することが可能となり、収容する荷物に合わせた適切な状態にすることができる。
【0014】
仕切り板は、さらに、第3の位置にロックされた状態で、付勢力による回動方向と同方向に所定の強さ以上の力が加わった場合に、その方向に自由に回動可能な状態になるように構成してもよい。それによって、この方向に過剰な力が加わった場合にも、仕切り板が折損するのを防止することができる。
【0015】
本発明の仕切り機構は、自動車の荷室に設けるのに好適である。すなわち、自動車の荷室に設けられる仕切り機構には、自動車の急加速や急減速によって大きな力が加わる場合が想定され、これに対して、本発明の仕切り機構によれば、このような場合に仕切り板やその回動機構が破損するのを防止することができる。
【0016】
仕切り機構を自動車の荷室に設けた自動車荷室仕切り構造においては、第1の位置は、仕切り板が荷室の床面に平行になった位置とし、第2の位置および前記第3の位置は、仕切り板が床面から立ち上がった位置とするのが好適である。この構成によれば、仕切り板を第1の位置にすることにより、荷室内のスペースを空け、また、荷室の床面を実質的に平坦な状態にすることができるので、この状態で、大きな荷物を荷室内に収容することが可能となる。一方、仕切り板を第3の位置にロックした状態では、立ち上がった、特に直立した仕切り板を支持部の一部として、小さな荷物であっても安定して収容することが可能となる。
【0017】
また、仕切り板が第1の位置にある状態で、荷室の床面の、仕切り板によって覆われる位置に窪みを形成しておけば、この窪み内を独立した収納室として利用することができる。この収納室の蓋となる仕切り板の開閉は、前述の付勢手段の付勢力を利用して、ワンタッチの操作で実施可能にすることができる。
【0018】
本発明の仕切り機構は、前述のような付勢手段とロック手段を組み込んだ回動機構を用いて構成することができる。より具体的には、この回動機構は、仕切り板に固定されるアッパーブラケットと、アッパーブラケットに対して回動可能に連結された第1のロアブラケットとを有する構成とすることができる。そして、この構成では、付勢手段は、アッパーブラケットと第1のロアブラケットとの間に接続したバネによって構成することができる。また、ロック手段は、起伏部を有するように板バネを曲折させて形成され、アッパーブラケットと第1のロアブラケットとのいずれか一方に、仕切り板を第1の位置から第2の位置に回動させた時に、他方の一部が起伏部に当接する位置に固定された折曲板バネと、アッパーブラケットと第1のロアブラケットとの内の、折曲板バネが固定された側に形成され、仕切り板を第3の位置へと移動させた時に、起伏部を越えて移動した他方の一部を、起伏部との間に挟んで止める当接部とから構成することができる。
【0019】
この回動機構には、アッパーブラケットと第1のロアブラケットとのいずれか一方に固定され、他方の一部に係合してその運動に対して抵抗力を発生する緩衝機構をさらに設けることが好ましい。それによって、アッパーブラケットが、したがってそれに固定された仕切り板が付勢手段の付勢力によって急激に回動するのを防止し、緩やかに回動するようにすることができる。
【0020】
緩衝手段は、仕切り板が前記第1の位置から所定の角度だけ回動した後、さらに回動する際に抵抗力を発生する構成とすることが好ましい。それによって、特に、仕切り板を係合して第1の位置に保持する係止機構を設けた場合、係合を解除した際に、仕切り板を速やかに係合位置から退避させることができ、良好な操作性を得ることができる。
【0021】
また、回動機構には、第1のロアブラケットに対して、アッパーブラケットと第1のロアブラケットとの回動軸と平行な回動軸の周りに回動可能に連結された第2のロアブラケットと、第1のロアブラケットと第2のロアブラケットとのいずれか一方に固定され、第1のロアブラケットと第2のロアブラケットとが相対的に所定の回動位置にある時に、他方の一部と係合し、係合した状態から、第1のロアブラケットに、第2のロアブラケットに対して、アッパーブラケットの、付勢手段によって付勢された回動方向と同方向に回動させる方向に所定の強さ以上の力が加わった時に弾性変形して係合が解除されるセパレーションスプリングとをさらに設けてもよい。この構成によれば、仕切り板を第3の位置にロックした状態で、仕切り板に、付勢手段によって付勢される方向と同方向に回動させる方向に過剰な力が加わった場合、セパレーションスプリングの係合が解除されて、第1のロアブラケットが第2のロアブラケットに対して回動する。したがって、第1のロアブラケットと共に、仕切り板が回動し、それによって、仕切り板や回動機構が破損するのを防止することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
【0023】
図1に、本実施形態の荷室仕切り構造の模式的断面図を示す。この荷室には、デッキボード1が床面に回動機構2によって回動可能に支持されている。図1において、実線はデッキボード1を伏せた状態を示している。床面には、窪みが設けられており、デッキボード1は、伏せた状態で、この窪みの開口を覆っている。これによって、この窪みは独立した収納室5として利用可能になっており、ここに、例えば汚れ物やあまり出し入れしない工具などを密閉保持することができる。
【0024】
本実施形態では、デッキボード1には、立ち上がる方向に回動付勢する付勢力が加えられている。デッキボード1は、伏せた状態では、例えば、それに係合する不図示の係止手段に係合して、その位置に保たれている。そしてこの係合を解除すると、付勢力によって、矢印Aで示すように回動して立ち上がる。これによって、収納室5の上方の開口が開かれ、収納室5へのアクセスが可能になる。
【0025】
デッキボード1は、このように立ち上がった状態から、利用者が力を加えることによって、矢印Bで示すように、直立した状態へと容易に回動させることができる。デッキボード1は、このように直立させると、その位置にロックされるように構成されている。このように直立させた状態に保った状態で、利用者は、デッキボード1の一方の側と他方の側とを、仕切られて独立した収容部として利用することができる。したがって、比較的小さな荷物を、直立したデッキボード1を支持部の一部として安定して収容することができる。また、デッキボード1に、例えば買い物袋などを引っ掛けることができる係合支持具を取り付けておけば、このような荷物であっても安定して収容することができる。このように、本実施形態において、デッキボード1は、荷室内に荷物を収容しやすくする仕切り板として機能する。
【0026】
本実施形態において、直立した状態でのデッキボード1のロックは、デッキボード1に対して、図1の右側に向かって所定の強さ以上の力が加わった場合には、解除される構成になっている。したがって、デッキボード1に右側に向かって過大な力が加わった場合には、デッキボード1は斜めに立った状態へと回動し、それによってデッキボード1が折損したり、回動機構2が破損したりするのを防止することができる。また、デッキボード1は、利用者がある程度の力を加えることによって、直立させた状態から容易にロックを解除して伏せた状態に戻すことができる。
【0027】
また、デッキボード1は、直立させた状態から、図1の左側に向かって所定の強さ以上の力が加わった場合には、矢印Cで示すように、通常の回動範囲を超えて、左側に回動して倒れるように構成されている。これによって、図1の左側に向かって大きな力が加わった場合でも、デッキボード1が折損したり、回動機構2が破損したりするのを防止することができる。
【0028】
なお、本実施形態では、回動機構2によって、以上のようなデッキボード1の動作が可能になっており、その具体的な構成については、後述する。
【0029】
次に、図2,3に、上述の荷室仕切り構造を自動車の、バックドア6と後部座席との間のデッキフロア4に適用した例の模式図を示す。図2は、デッキボードを伏せた状態の、デッキフロア4の模式図であり、図3は、デッキボードを様々に開いた状態を示している。
【0030】
この構成例では、床面には、前側にデッキボード1c、後側の左右にそれぞれデッキボード1a,1bが設けられている。デッキボード1a,1bは、左右独立リクライニングの後部座席の分割率に合わせて、左右方向の長さの比率が4対6になっている。
【0031】
デッキボードの、上述したような動作を可能とする回動機構は、この構成例では、後側のデッキボード1a,1bに設けている。すなわち、後側のデッキボード1a,1bは、その前方の端部がそれぞれ回動機構2a,2bによって回動可能に支持されて取り付けられている。また、デッキボード1a,1bを伏せた状態で、その後方の端部に接するフィニッシュプレート7の部分には、この縁に係合する係止機構3a,3bがそれぞれ設けられている。
【0032】
このような係止機構の構成例を図4に示す。図4(a)は、フィニッシュプレート7の、係止機構3が設けられた部分の概観斜視図、図4(b)は部分分解斜視図を示している。この係止機構3は、上下方向にスライド可能な第1のスライド部材と、水平方向にスライド可能な第2のスライド部材とを有している。第1のスライド部材の上端は作動ボタン11になっており、第2のスライド部材の先端は、デッキボード1a,1bの後方の端部に係合する係止部13になっている。これらのスライド部材は、作動ボタン11がフィニッシュプレート7の上面の開口から露出し、係止部13がフィニッシュプレート7の前面の開口部12から進退するように取り付けられている。第1のスライド部材と第2のスライド部材は連動するように構成されており、図4(b)に示すように、第1のスライド部材を下方にスライドさせると、第2のスライド部材が後方にスライドする。また、係止機構3には不図示のスプリングが組み込まれており、それによって、第1のスライド部材は上方に、したがって第2のスライド部材は前方に向かって付勢されている。
【0033】
このように第2のスライド部材が前方に付勢され、その係止部13が開口部12から突出している状態で、デッキボード1a,1bは、その後方の端部が係止部13に係合されて、回動機構2a,2bの付勢力に抗して伏せた状態に保持される。この状態から、作動ボタン11を押すと、係止部13がフィニッシュプレート7内に引っ込む。すると、デッキボード1a,1bは、係止部13から外れ、回動機構2a,2bの付勢力によって、斜めに立ち上がった状態へと回動する。このように、この構成によれば、作動ボタン11を押す、ワンタッチの操作でデッキボード1a,1bを開くことができる。
【0034】
また、図4に示す例では、係止部13の上面は先端に向かうにつれて低くなった傾斜面になっている。そこで、デッキボード1a,1bを伏せた状態にする時には、その縁に当接することによって、係止部13には後方に向かう力が加わり、フィニッシュプレート7内に引っ込む。そして、完全に伏せた状態にすると、係止部13はスプリングの付勢力によって、フィニッシュプレート7から突出し、デッキボード1a,1bの後方の端部に係合する。したがって、デッキボード1a,1bは、伏せる操作をするだけで、容易に係止機構3に係合させることができる。このように、この係止機構3を用いれば、利用者は、例えば片手に荷物を持っていたとしても、デッキボード1の開閉操作を容易に行うことができる。
【0035】
一方、前側のデッキボード1cは、その前端部が他の構成の回動機構(不図示)によって回動可能に支持されて取り付けられている。これによって、デッキボード1cは、図4(a)に示すように、斜めに立ち上がるように回動させて開き、その状態で保持することができる。デッキボード1cは、例えば、支持棒によってこのように斜めに立った状態に保持できるように構成することができる。また、本発明を応用して、デッキボード1cを、斜めの状態でロックできるように構成した回動機構を用いて取り付けてもよい。また、前側のデッキボード1cについても、直立した状態になるまで回動させることができるように構成してもよい。
【0036】
この構成例のデッキボード1a,1b,1cは、回動させた時にデッキフロア4の側壁などと当接する部分が、弾性部材を介して中央部と接続され、容易に折れ曲がるフラップ状部15として構成されている。したがって、デッキボード1a,1b,1cは、回動させた時に、必要に応じてフラップ状部15が折れ曲がり、このためスムーズに回動させることができる。デッキボード1a,1b,1cを、図2に示すように伏せた状態にする際には、フラップ状部15は弾性部材の復元力によって、中央部と実質的に平行な状態に戻る。
【0037】
デッキフロア4の床面には、後側のデッキボード1a,1bによって覆われる位置と、前側のデッキボード1cによって覆われる位置に窪みが設けられており、それぞれ収納室5a,5bとして利用することができる。前側のデッキボード1cが蓋となる収納室5bは、使用頻度の少ないジャッキなどの工具を収納するのに適している。
【0038】
また、このようなデッキフロア4には、内部を見えないように覆う遮蔽具が設けられる場合がある。このような遮蔽具としては、可撓性のカバーとそれを巻き取った状態で保持可能な巻取り装置を備えたトノカバー装置が知られている。後側のデッキボード1a,1bが蓋となる収納室5aは、例えば、このようなトノカバー装置を不使用時に収納するのに用いることができる。
【0039】
次に、これらのデッキボード1a,1b,1cが設けられた車室仕切り構造の様々な使用態様について説明する。
【0040】
図2に示すように、デッキボード1a,1b,1cを全て伏せた状態では、各収納室5a,5bは、デッキボード1a,1b,1cによって密閉された状態にあり、この中に例えば汚れ物や使用頻度の低い工具などを密閉保持することができる。また、デッキボード1a,1b,1c上は、実質的に平坦になっており、この上に比較的大きな荷物を積載して収容することができる。
【0041】
次に、図3(a)は、前側のデッキボード1cを斜めに立ち上がった位置に保持した状態を示している。この状態では、バックドア6を開けて、収納室5bに荷物の積み下ろしを行うことができる。
【0042】
次に、図3(b)は、左側のデッキボード1aを直立させた位置にロックした状態、図3(c)は、右側のデッキボード1bを直立させた位置にロックした状態を示している。これらの状態では、バックドア6を開けて、収納室5aの左側または右側にアクセスすることができる。また、後部座席側から収納室5aにアクセスすることも可能である。また、この状態では、左右のデッキボード1a,1bは、前述のように、左右独立リクライニングの後部座席に合わせて分割されており、したがって、左右の座席の内、デッキボード1aまたは1bを直立させていない側の座席を後側に大きく倒すことも可能である。このようにリクライニングさせることによって、デッキフロア4への後部座席側からのアクセスが容易になる。
【0043】
また、この状態では、デッキボード1c上に、直立したデッキボード1aまたは1bを支持部の一部として小さな荷物であっても安定して収容することができる。さらに、デッキボード1a,1bに、買い物袋などを引っ掛けることができる係合支持具を取り付けておけば、このような、床面上に置いたのでは不安定になりがちな荷物を安定して保持することができる。
【0044】
次に、図3(d)は、デッキボード1a,1bを両方とも直立させた位置にロックした状態を示している。この状態では、収納室5a全体にアクセスすることができ、また、前側のデッキボード1c上に荷物をより安定して収容することができる。
【0045】
これら、図3(b)、図3(c)、図3(d)に示すように、デッキボード1a,1bを直立させた状態では、普通に自動車を走行させた場合、デッキボード1a,1bは、ロックされているので、直立した状態に保たれる。一方、自動車を急加速させたり、利用者が、直立したデッキボード1a,1bに誤って手をついたりして、デッキボード1a,1bに後向きに所定の強さ以上の力が加わった場合には、前述のように、ロックは解除される。したがって、デッキボード1a,1bは後側に倒れ、付勢力によって斜めに立った状態に移行する。これによって、デッキボード1a,1bが折損したり、回動機構2が破損したりするのを防止することができる。
【0046】
また逆に、自動車を急減速するなどして、デッキボード1a,1bに前向きに所定の強さ以上の力が加わった場合には、前述のように、デッキボード1a,1bは前側に倒れる。これによって、デッキボード1a,1bに前向きに大きな力が加わった場合にも、デッキボード1a,1bが折損したり、回動機構2が破損したりするのを防止することができる。
【0047】
図3(e)は、このように、デッキボード1a,1bを直立させた状態から、デッキボード1a,1bが、前向きに大きな力が加わって前側に倒れた位置に回動したターンオーバー状態を示している。なお、このターンオーバー状態には、利用者が力を加えることによっても容易に以降させることができる。このようにターンオーバー状態にすると、収納室5aの周囲は大きく開放され、それによって、収納室5aに、特に、前述のトノカバー装置のような比較的大きな荷物を積み降ろす際の操作性を向上させることができる。
【0048】
次に、回動機構2の構成について、図5〜8を参照して説明する。図5は、回動機構2の分解斜視図、図6は平面図を示している。図7,8は、回動機構2の模式的断面図であり、図7(a)は、図6のD−D線に沿って切断した断面図、図7(b)は、E−E線に沿って切断した断面図、図7(c)は、F−F線に沿って切断した断面図、図8は、G−G線に沿って切断した断面図を示している。
【0049】
この回動機構2は、アッパーブラケット20と、第1のロアブラケット30と、第2のロアブラケット40を有している。これらは、アッパーブラケット20と第1のロアブラケット30との間、および第1のロアブラケット30と第2のロアブラケット40との間で、それぞれ相対的に回動可能に連結されている。
【0050】
これらのブラケットについて、より詳細に説明すると、アッパーブラケット20は、デッキボード1に固定される部材であり、デッキボード1の裏面に平行に配置して固定される概ね台形状のプレート状部を有している。このプレート状部は、上述の自動車荷室仕切り構造において、台形の長い底辺側が、デッキボード1a,1bの前方の縁寄りに、したがって、デッキボード1a,1bを収納室5aを覆うように伏せた状態で自動車の前側に位置するように配置される。以下の説明では、便宜上、図5において、この台形の長い底辺の側を前側として説明する。
【0051】
プレート状部には、開口部22が設けられており、アッパーブラケット20は、この開口部22にねじなどを通してデッキボード1に固定される。プレート状部の前側の両側部には、プレート状部から上方に立ち上がる側壁が形成され、各側壁には横に並ぶ位置にそれぞれ開口が形成されており、これによって第1の軸支部21が構成されている。また、プレート状部の前端の中央部には、前方へ延出する延出部が設けられており、そこに、第1の軸支部21と実質的に平行な第2の軸支部23が設けられている。
【0052】
第1のロアブラケット30は、底部と、その両側部から上方に立ち上がる側壁と、後部から上方に立ち上がる壁を有している。両側壁には、後側の、横に並ぶ位置にそれぞれ開口が形成され、それによって第1の軸支部31が構成されている。また、両側壁の前側にも、同様に、横に並ぶ位置にそれぞれ開口が形成され、それによって第2の軸支部32が形成されている。また、底部の中央付近には、折曲板バネ80が取り付けられる受部33が設けられている。折曲板バネ80は、鋼製の板バネであり、上方に向かって、すなわち第1のロアブラケット30から離れる方向になだらかな凸状になった起伏部80aを有している。
【0053】
また、第1のロアブラケット30の底部には、オイルダンパー70が取り付けられている。オイルダンパー70は、一定の抵抗力を伴って回動する軸を有しており、軸には、U字状の溝が形成された受部材71が取り付けられている。また、第1のロアブラケット30の後端部には、後方を回動機構2内が見えないように覆うカバー110が取り付けられている。
【0054】
第2のロアブラケット40は、デッキフロア4の底面に固定される部材であり、デッキフロア4の底面に平行に配置されて固定される底部を有している。底部には開口部43が設けられており、第2のロアブラケット40は、この開口部43にボルトなどを通してデッキフロア4の底面に固定される。また、第2のロアブラケット40は、底部の両側部から上方に立ち上がる側壁を有している。両側壁には、前側の、横に並ぶ位置にそれぞれ開口が形成され、それによって軸支部41が構成されている。また、側壁の後側の上端には、外側に向かって突出し、前方斜め上方に面する上面を有する受部42が設けられており、この受部42上にセパレーションスプリング90が固定されている。セパレーションスプリング90は、上方に向かって開口し、横方向に延びる溝を形成するように板バネを折り曲げて形成されている。セパレーションスプリング90を形成する板バネの端部は、溝の内側に回り込むように曲げられている。
【0055】
アッパーブラケット20の両側壁の間の間隔は、第1のロアブラケット30の両側壁の間の間隔よりも狭くなっており、アッパーブラケット20は、第1のロアブラケット30の両側壁の間に挟み込むように配置されている。そして、アッパーブラケット20と第1のロアブラケット30とは、アパーブラケット20の第1の軸支部21と第1のロアブラケット30の第1の軸支部31とに軸支ピン52を通すことによって、互いに回動できるように連結されている。軸支ピン52には、中空のピン51が嵌められ、さらにピン51にコイルスプリング50が嵌められている。ピン51には、コイルスプリング50の中心の空洞よりも大きな半径を有する、コイルスプリング50のスペーサー部51が設けられている。コイルスプリング50は、その一端をアッパーブラケット20に当接させ、他端を第1のロアブラケット30に係合させるように取り付けられている。このコイルスプリング50によって、アッパーブラケット20には、立ち上がる向き(図5の反時計回り方向)に付勢力が加わっている。
【0056】
アッパーブラケット20の第2の軸支部には、ピン61が通され、ピン61上に滑動パイプ60が嵌められている。これによって、滑動パイプ60は、アッパーブラケット20が回動した時に、図7(b)に示すように、第1のロアブラケット30に取り付けられた折曲板バネ80の起伏部80aに接触する位置に固定されている。
【0057】
また、このピン61の先端には、係合部材62が取り付けられている。この係合部材62は、図7(c)に示すように、オイルダンパー70の軸に取り付けられた受部材71のU字状の溝に嵌め込むように配置されている。係合部材62は、受け部材71に対して、そのU字溝に沿ってスライド可能な形状を有している。
【0058】
第1のロアブラケット30の両側壁の間の間隔は、第2のロアブラケット40の両側壁の間の間隔よりも狭くなっており、第1のロアラケット30は、第2のロアブラケット40の両側壁の間に挟み込むように配置されている。そして、第1のロアブラケット30と第2のロアブラケット40とは、第1のロアブラケット30の第2の軸支部32と第2のロアブラケット40の軸支部41とに、両側でそれぞれピン100を通すことによって、互いに回動できるように連結されている。
【0059】
アッパーブラケット20と第1のロアブラケット30を連結する軸支ピン52と、第2のロアブラケット40に取り付けられたセパレーションスプリング90とは、第1のロアブラケット30をピン100の周りに回動させた時に、図8に示すように、互いに係合する位置に配置されている。これによって、第1のロアブラケット30と第2のロアブラケット40とは、通常、互いに回動しないように係合されている。軸支ピン52とセパレーションスプリング90との係合は、所定の強さ以上の力が加わった時には、軸支ピン52がセパレーションスプリング90の溝から外れて、解除されるようになっている。このように係合が解除される臨界の負荷は、セパレーションスプリング90による軸支ピン50の嵌合力によって規定され、デッキボードの回動機構としては、デッキボードが鉛直に立った状態から、デッキボードの先端付近に水平方向(図1の矢印C参照)に加わる負荷で見て、約10kgf(約100N)とするのが好適である。
【0060】
次に、この回動機構2の動作について説明する。
【0061】
図7において、実線はデッキボード1を、収納室5aを覆うように閉じた状態を示している。この状態では、デッキボード1は前述のような係止機構3に係合して伏せた状態に保たれており、それによって、デッキボード1に結合されたアッパーブラケット20のプレート状部は、コイルスプリング50の付勢力に抗して水平に保たれている。
【0062】
この状態から、係止機構3との係合が解除されると、アッパーブラケット20はコイルスプリング50の付勢力によって軸支ピン52の周りに回動する。この際、係合部材62を介してオイルダンパー70の抵抗力が加わることによって、アッパーブラケット20の、したがってデッキボード1の回動動作は緩衝される。これによって、デッキボード1は緩やかに回動して開かれ、質感を損ねるような過剰な回動が抑えられる。
【0063】
ここで、係合部材62は、図7(c)に示すように、最初、受部材71のU字溝内にスライドし、その後、受部材71と共に回動する。したがって、デッキボード1は、最初、少し開く間は実質的に緩衝されずに速やかに回動し、その後、緩衝されて緩やかに回動する。これによって、係止機構3との係合を解除した際、デッキボード1を、係止機構3の係止部13に当接しない位置まで速やかに移動させることができ、良好な操作性を得ることができる。デッキボード1が、最初に、緩衝されることなく回動する角度は、10〜20°程度が好ましく、図7(c)に示す例では14°としている。
【0064】
このようにデッキボード1が回動し、所定の角度まで立ち上がると、図7(b)に示すように、滑動パイプ60が折曲板バネ80の起伏部80aに当接し、それによってデッキボード1の回動が止まる。この回動の角度は、図7(b)に示す例では73°としている。
【0065】
このようにデッキボード1が斜めに立ち上がった位置に保持された状態から、利用者がデッキボード1に立ち上がる方向に力を加えると、滑動パイプ60が折曲板バネ80の起伏部80aを弾性変形させて、それを乗り越え、利用者は、デッキボード1を容易に直立した状態にすることができる。このように、滑動パイプ60を折曲板バネ80に係合させることができる臨界の負荷は、本実施形態では、デッキボード1の先端に加える負荷で見て約3〜6kgf(約30〜60N)に設定している。
【0066】
そして、この際、アッパーブラケット20は、その前端の延出部が第1のロアブラケット30の後側の壁に当接し、また、その延出部に取り付けられた滑動パイプ60が折曲板バネ80の起伏部80aに当接して前方への移動を規制された状態でロックされる。これによって、デッキボード1は直立した位置にロックされる。すなわち、この構成例においては、この折曲板バネ80と、第1のロアブラケット30の、アッパーブラケット20の前端の延出部との当接部、すなわち後側の壁とによってロック手段が構成されている。
【0067】
このように、デッキボード1がロックされた状態では、自動車を走行させ、デッキボード1に多少の力が加わっても、デッキボード1はロックされた状態に保たれる。一方、自動車を急発進させるなどして、デッキボード1に後方に向かって所定の強さ以上の力が加わると、滑動パイプ60は折曲板バネ80をその弾性力に抗して変形させて起伏部80aを乗り越える。したがって、デッキボード1は、後方に向かって過剰な力が加わった場合には、斜めに立ち上がった位置へと回動する。これによって、デッキボード1や回動機構2の破損を防止することができる。
【0068】
また、自動車を急減速させるなどして、デッキボード1に前方に向かって所定の強さ以上の力が加わると、図8に示すように、軸支ピン52がセパレーションスプリング90から外れ、第1のロアブラケット30がピン100の周りに回動する。したがって、デッキボード1は、前方に倒れたターンオーバー状態となり、それによってデッキボード1や回動機構2の破損を防止することができる。この際の回動角度は、図8に示す例では91.3°としている。
【0069】
ターンオーバー状態になる際には、アッパーブラケット20には、主として、その前端部が第1のロアブラケット30の後側の壁に当接する方向に力が加わるので、アッパーブラケット20と第1のロアブラケット30との間のロック状態は維持される。したがって、その後、利用者は、デッキボード1を後側に回動させて、容易に直立した状態に戻すことができる。
【0070】
以上説明したように、本実施形態のデッキボード1、すなわち荷室の仕切り板は、簡易な操作によって、床面に伏せた状態、床面に設けられた収納室5aを開放した状態、および直立させてロックした状態にすることができる。この仕切り板は、直立させてロックした状態で、床面に伏せた状態にする方向に過剰な力が加わった場合には、ロックが解除されて回動し、逆方向に過剰な力が加わった場合には、逆方向に倒れる。これらの動作によって、過剰な力が加わった場合でも、仕切り板が折損したり回動機構が破損したりするのを防止することができる。したがって、仕切り板を薄く、軽量なものとすることができ、それによって操作性を向上させることができ、また、収容スペースを広くとることが可能になる。
【0071】
また、本実施形態における回動機構2は、従来技術において見られるように、デッキボードを支持する大きな脚部やフックなどを設ける必要がなく、コンパクトな構成を有している。このため、見栄えがよく、荷物との干渉も起こりにくく、したがってスペースも無駄にならない。また、収容スペースをほとんど狭くすることなく、独立して回動可能な仕切り板を複数設けることも可能となる。そこで、後部座席の左右独立リクライニングに合わせてデッキボード1を左右分割するなど、独立して回動可能な複数の仕切り板を設けることによって利便性の向上を図ることができる。
【0072】
また、本実施形態における回動機構2によれば、デッキボード1には、常に、付勢力や保持力が作用している。このため、自動車を走行させて、振動が加わったとしても、デッキボード1の振動と、それに伴う異音の発生を押えることができる。
【0073】
なお、本実施形態では、このような仕切り板を備える荷室仕切り構造として、自動車の、後部座席とバックドアとの間のデッキフロア160において、直立させて用いる仕切り板を有する構造を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、仕切り板は、左右に回動させる構成としてもよい。また、例えば、本発明の仕切り機構は、自動車のコンソール内など、他の荷室における仕切り機構としても好適に用いることができる。
【0074】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の自動車荷室仕切り構造は、回動可能な仕切り板とその回動機構を有し、この回動機構は、場所をとらないコンパクトな構成を有している。このため、見栄えがよく、収容スペースを無駄にすることもなく、また、必要に応じて仕切り板を複数設け、利便性を向上させるのも容易である。
【0075】
回動機構は、仕切り板に、第1の位置から所定の角度だけ回動した第2の位置へと回動させる方向に付勢力を加える付勢手段と、仕切り板を第2の位置からさらに第3の位置に回動させた時に、仕切り板をその位置にロックするロック手段を有している。この構成によれば、仕切り板を各位置に回動させる操作を利用者が片手で容易に行えるようにすることができる。また、仕切り板には、常に、付勢力や保持力が加わっていることになるので、自動車の走行時に振動によって異音が発生するのを防止できる。
【0076】
ロック手段は、所定の強さ以上の力が加わった場合には、解除される構成を有しており、それによって、仕切り板に過剰な力が加わった場合でも、仕切り板や回動機構が破損するのを防止することができる。また、第3の位置よりもさらに同方向に回動する方向に所定の強さ以上の力が加わった場合には、この方向に回動するように構成することによって、この場合にも仕切り板や回動機構が破損するのを防止することができる。そして、このように、仕切り板に過剰な力が加わるのを防止できるので、仕切り板を薄く、軽量なものとすることができ、それによって、さらに操作性を向上させ、また、収容スペースを広くとることが可能となる。
【0077】
このように、本発明によれば、破損のおそれが少なく、安全で、操作性に優れた仕切り機構を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の荷室仕切り構造の模式的断面図である。
【図2】図1の荷室仕切り構造の一適用例の、自動車のデッキフロアの模式図である。
【図3】図2の荷室仕切り構造において、デッキボードを様々な状態に回動させた様々な使用態様を示す模式図である。
【図4】図2の荷室仕切り構造における一例の係止機構の模式図であり、図4(a)は組み立てた状態の斜視図、図4(b)は一部を分解した状態の斜視図である。
【図5】図1の荷室仕切り構造における、一例の回動機構の分解斜視図である。
【図6】図5の回動機構の平面図である。
【図7】図5の回動機構の断面図であり、図7(a)は、図6のD−D線に沿って切断した断面図、図7(b)は、図6のE−E線に沿って切断した断面図、図7(c)は、図6のF−F線に沿って切断した断面図である。
【図8】図6のG−G線に沿って切断した断面図である。
【図9】従来例の、自動車のデッキフロアの模式図である。
【図10】他の従来例の、自動車のデッキフロアの模式図である。
【符号の説明】
1,1a,1b,1c,151,161  デッキボード
2,2a,2b  回動機構
3,3a,3b  係止機構
4,150,160  デッキフロア
5,5a,5b  収納室
6,153  バックドア
7  フィニッシュプレート
11  作動ボタン
12,22,43  開口部
13  係止部
15  フラップ状部
20  アッパーブラケット
21  第1の軸支部
23  第2の軸支部
30  第1のロアブラケット
31  第1の軸支部
32  第2の軸支部
33  受部
40  第2のロアブラケット
41  軸支部
42  受部
50  コイルスプリング
51  ピン
52  軸支ピン
51a  スペーサー部
60  滑動パイプ
61  ピン
62  係合部材
70  オイルダンパー
71  受部材
90  セパレーションスプリング
100  ピン
110  カバー
154  フック
155  ロープ
162  フラップ
163  窪み

Claims (13)

  1. 回動可能に支持された、1枚の、または回動軸に平行な方向の任意の位置で複数に分割された仕切り板を有し、該仕切り板を複数の回動位置に位置させることによって荷室内を所望の部分に仕切る仕切り機構であって、
    前記仕切り板は、第1の位置から、付勢手段の付勢力によって回動する第2の位置と、該第2の位置から、外力を加えて前記付勢力による回動方向と同方向にさらに回動させた際に、ロック手段によってロックされる第3の位置とに保持可能であり、前記第3の位置にロックされた状態で、前記付勢力による回動方向と反対方向に所定の強さ以上の力が加わった場合に前記ロック手段によるロックが解除される仕切り機構。
  2. 前記仕切り板が前記第1の位置にある状態で前記仕切り板に係合して、前記仕切り板を前記付勢力に抗して前記第1の位置に保持する係止機構をさらに有する、請求項1に記載の仕切り機構。
  3. 前記仕切り板は、前記第3の位置にロックされた状態で、前記付勢力による回動方向と同方向に所定の強さ以上の力が加わった場合に、その方向に自由に回動可能な状態になる、請求項1または2に記載の仕切り機構。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の仕切り機構を備える自動車荷室仕切り構造。
  5. 前記第1の位置は、前記仕切り板が荷室の床面に平行になった位置であり、前記第2の位置および前記第3の位置は、前記仕切り板が前記床面から立ち上がった位置である、請求項4に記載の自動車荷室仕切り構造。
  6. 前記第3の位置は、前記仕切り板が鉛直に立った位置である、請求項5に記載の自動車荷室仕切り構造。
  7. 前記仕切り板が前記第1の位置にある状態で、荷室の床面の、前記仕切り板によって覆われる位置に窪みが形成されている、請求項5または6に記載の自動車荷室仕切り構造。
  8. 請求項1から3のいずれか1項に記載の仕切り機構に組み込まれ、前記仕切り板を回動可能に保持する回動機構であって、
    前記付勢手段と、前記ロック手段とを有する回動機構。
  9. 前記第1の位置から前記第2の位置への回動動作に対して所定の抵抗力を発生し、回動動作を緩和する緩衝手段をさらに有する、請求項8に記載の回動機構。
  10. 前記緩衝手段は、前記仕切り板が前記第1の位置から所定の角度だけ回動した後、さらに回動する際に抵抗力を発生する、請求項9に記載の回動機構。
  11. 前記仕切り板に固定されるアッパーブラケットと、該アッパーブラケットに対して回動可能に連結された第1のロアブラケットとを有し、前記付勢手段は、前記アッパーブラケットと前記第1のロアブラケットとの間に接続されたバネによって構成され、
    前記ロック手段は、起伏部を有するように板バネを曲折させて形成され、前記アッパーブラケットと前記第1のロアブラケットとのいずれか一方に、前記仕切り板を前記第1の位置から前記第2の位置に回動させた時に、他方の一部が前記起伏部に当接する位置に固定された折曲板バネと、
    前記アッパーブラケットと前記第1のロアブラケットとの内の、前記折曲板バネが固定された側に形成され、前記仕切り板を前記第3の位置へと移動させた時に、前記起伏部を越えて移動した前記他方の一部を、前記起伏部との間に挟んで止める当接部とから構成されている、請求項8から10のいずれか1項に記載の回動機構。
  12. 前記アッパーブラケットと前記第1のロアブラケットとのいずれか一方に固定され、他方の一部に係合してその運動に対して抵抗力を発生する緩衝機構をさらに有する、請求項11に記載の回動機構。
  13. 前記第1のロアブラケットに対して、前記アッパーブラケットと前記第1のロアブラケットとの回動軸と平行な回動軸の周りに回動可能に連結された第2のロアブラケットと、
    前記第1のロアブラケットと前記第2のロアブラケットとのいずれか一方に固定され、前記第1のロアブラケットと前記第2のロアブラケットとが相対的に所定の回動位置にある時に、他方の一部と係合し、係合した状態から、前記第1のロアブラケットに、前記第2のロアブラケットに対して、前記アッパーブラケットの、前記付勢手段によって付勢された回動方向と同方向に回動させる方向に所定の強さ以上の力が加わった時に弾性変形して係合が解除されるセパレーションスプリングとをさらに有する、請求項11または12に記載の回動機構。
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