JP2004053992A - 回折格子、波長合分波器及びこれらを用いた波長多重信号光伝送モジュール - Google Patents

回折格子、波長合分波器及びこれらを用いた波長多重信号光伝送モジュール Download PDF

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Abstract

【課題】光集光特性を有し、光損失が少なく、小型化可能な回折格子、波長合分波器及びこれらを用いた波長多重信号光伝送モジュールを提供する。
【解決手段】回折格子5は、円筒面上に形成された複数の格子溝10からなり、各格子溝10が円弧形状を有すると共に各円弧の中心が円筒の周面上に周方向に一列に位置している。このように構成することにより、同一の曲率半径・格子定数を有する凹面回折格子と同等の集光特性を得ることができる。この結果、光集光特性を有し、光損失が少なく、小型化可能な回折格子、波長合分波器及びこれらを用いた波長多重信号光伝送モジュールを得ることができる。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回折格子、波長合分波器及びこれらを用いた波長多重信号光伝送モジュールに関する。
【0002】
【従来の技術】
特開昭59−170815号公報に、球面上に回折格子が形成された凹面回折格子を用い、入力用光ファイバから入力された光信号を凹面回折格子で回折し、入力された光信号を複数の出力用光ファイバに分波する回折格子型分波器が開示されている。
【0003】
同様な凹面型回折格子を用いた技術として、アプライドオプティクス誌(Applied Optics)19巻3588ページ(1980年)に、スラブ導波路を伝搬(伝播)させた波長多重ビームを凹面型回折格子で集光・分離する光学デマルチプレクサ(デマルチプレクサ)が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の分波器・光学デマルチプレクサに用いられた凹面回折格子はルーリングエンジン(高密度刻線機、ダイヤモンド工具により、被加工体の表面に微細な溝「マイクログローブ」をナノメートルオーダで制御して加工できる微細加工装置である。)を用いて作製されていたため、凹面回折格子を形成する球面の曲率半径を小さくすることができなかった。そのため、凹面回折格子を用いた光分波器も大きくなるという問題があった。また、ルーリングエンジンで回折格子を加工する場合、入射角度に合わせてブレーズ角度を変えることができず、回折効率が低くなる(損失が大きくなる)という問題があった。そのため、従来の光学デマルチプレクサでは、回折格子を3領域に分割し、各領域内ではブレーズ角を一定とし、領域ごとにブレーズ角を変えることにより回折効率の向上を図っていた。
【0005】
しかしながら、凹面形状の回折格子において領域ごとにブレーズ角を変えて加工する場合、領域を精密に接続することが難しく、凹面回折格子の集光特性の劣化が起こりやすいという問題があった。また、いわゆるチャープ回折格子のように格子定数が変化するような回折格子においては、領域に分割してブレーズ角を変えることによる回折効率の向上は不十分であった。
【0006】
またさらに、従来の光学デマルチプレクサにおけるように、スラブ導波路を用い一方向の光を閉じ込めることにより、この光閉じ込め方向に対して凹面の曲率を大きくすることができ、回折格子に曲率を持たせずに平面とすることもできる。
【0007】
しかし、この光閉じ込め方向に対して回折格子に角度をもって入射した光線は入射角度によって回折方向が変化するため、拡がり角度の大きな光信号が入射した場合には分波した光信号を十分に小さな範囲に集光できず、隣接する波長チャネルとのクロストークが生じるという問題があった。特に、マルチモード光ファイバを用いて光信号を入射した場合には、出射ビームの拡がり角が大きいため、特に問題であった。
【0008】
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、光集光特性を有し、光損失が少なく、小型化可能な回折格子、波長合分波器及びこれらを用いた波長多重信号光伝送モジュールを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1の発明は、円筒面上に形成された複数の格子溝からなる回折格子であって、各格子溝が円弧形状を有すると共に各円弧の中心が円筒の周面上に周方向に一列に位置しているものである。このように構成することにより、同一の曲率半径・格子定数を有する凹面回折格子と同等の集光特性を得ることができる。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1に記載の構成に加え、格子溝の円弧の曲率半径が互いに略等しいのが好ましい。このように構成することにより、同一の曲率半径・格子定数を有する凹面回折格子と同等の集光特性を得ることができる。
【0011】
請求項3の発明は、請求項1または2に記載の構成に加え、格子溝の円弧の曲率半径が円筒面の曲率半径に略等しいのが好ましい。このように構成することにより、同一の曲率半径・格子定数を有する凹面回折格子と同等の集光特性を得ることができる。
【0012】
請求項4の発明は、複数の格子溝がブレーズ化された回折格子において、各格子溝のブレーズ角が不連続部を有すると共に、格子定数の不連続部を有するものである。
【0013】
請求項5の発明は、請求項4に記載の構成に加え、格子定数の不連続部がブレーズ角の不連続部と一致していてもよい。
【0014】
請求項6の発明は、請求項5に記載の構成に加え、格子溝が略平面上に形成され、格子定数の不連続部間において格子定数が連続的に変化するチャープ型回折格子であってもよい。このように構成することにより、回折格子に集光性を持たせることができる。
【0015】
請求項7の発明は、請求項4から6のいずれかに記載の構成に加え、ブレーズ角が不連続に変化した領域を4箇所以上有するのが好ましい。
【0016】
請求項8の発明は、請求項4から7のいずれかに記載の構成に加え、各格子溝が各格子溝を横切る方向に分割され、各格子溝が略円弧形状に並ぶように各格子溝の方向が分割領域ごとに変化しているのが好ましい。
【0017】
請求項9の発明は、波長多重信号光が入射される光入射部と、光入射部からの波長多重信号光を分離する回折格子と、回折格子で分離された光ビームを検出する複数の光検出器とを有する波長合分波器において、請求項1から8のいずれかに記載の回折格子を用いたものである。
【0018】
請求項10の発明は、波長多重信号光が入射される光入射部と、光入射部からの波長多重信号光を分離する回折格子と、回折格子で分離された光ビームを検出する複数の光検出器とを有する波長合分波器において、回折格子は各格子溝が円弧形状を有すると共に各円弧の中心が円筒の周面上に周方向に一列に位置し、各格子溝の円弧の曲率半径が互いに略等しく、かつ、各光検出器で検出される波長多重信号光の各回折格子での回折次数をmとし、格子定数をdとし、各波長多重信号光の中心波長をλとすると数1式を満たすものである。
【0019】
請求項11の発明は、請求項9または10に記載の構成に加え、回折格子が光学ブロックに一体的に形成されているか、あるいは固定されており、光学ブロックを通して回折格子に波長多重信号光が入射されるのが好ましい。
【0020】
請求項12の発明は、請求項11に記載の構成に加え、光学ブロック及び回折格子の少なくとも一部がプラスチックからなるのが好ましい。
【0021】
請求項13の発明は、請求項9から12のいずれかに記載の構成に加え、回折格子から光検出器への光路中に、回折格子で回折された光ビームを光検出器に絞り込むビーム縮小手段を設けるのが好ましい。
【0022】
請求項14の発明は、請求項13に記載の構成に加え、ビーム縮小手段は、光検出器に向かって断面積が減少するテーパ形状を有するコアからなるのが好ましい。
【0023】
請求項15の発明は、請求項9から14のいずれかに記載の構成に加え、波長多重信号光が入射される光ファイバから回折格子に至る光路中、あるいは回折格子から光検出器に至る光路中に、1つの軸方向に集光特性を有する光学部材を設けてもよい。
【0024】
請求項16の発明は、請求項15に記載の構成に加え、光学部材は、焦点位置が入射光の光軸と交差する方向に入射光の波長に応じて変化するようにしてもよい。
【0025】
請求項17の発明は、波長多重信号光が入射される信号伝送用光ファイバとの接合部と、波長多重信号光を分離する波長合分波器と、波長合分波器で分離された光ビームを検出する光検出器アレイと、光検出器アレイからの信号を増幅し、波形整形する受信回路とを有する波長多重信号光伝送モジュールにおいて、波長合分波器が請求項9から16のいずれかに記載の波長合分波器であり、接合部がマルチモールド光ファイバで接続されているものである。このように構成することにより、光損失が少なく、小型の波長多重伝送光モジュールが得られる。
【0026】
請求項18の発明は、波長多重信号光が入射される信号伝送用光ファイバとの接合部と、波長多重信号光を分離する波長合分波器と、波長合分波器で分離された光ビームを検出する光検出器アレイと、光検出器アレイからの信号を増幅し、波形整形する受信回路と、光源アレイと、光源アレイを駆動する送信回路と、光源アレイからの光信号を合波する他の波長合分波器とを有する波長多重信号光伝送モジュールにおいて、波長合分波器が請求項9から16のいずれかに記載の波長合分波器であり、接合部と波長合分波器との間がマルチモード光ファイバで接続され、接合部と他の波長合分波器との間がシングルモード光ファイバで接続されているものである。このように構成することにより、光損失が少なく、小型の波長多重伝送光モジュールが得られる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて詳述する。
【0028】
図1は本発明の回折格子を用いた波長合分波器の一実施の形態を示す外観斜視図である。
【0029】
この波長合分波器としてのデマルチプレクサは、光ファイバ2からの波長多重信号光3(矢印3a方向)が入射される光入射部4と、光入射部4からの波長多重信号光3を分離する円筒面状の回折格子5と、回折格子5で分離された回折光線(光ビーム)6(矢印6a方向)を受光導波路アレイ7を介して検出する複数の光検出器からなる光検出器アレイ8とを有するデマルチプレクサであって、回折格子光学ブロック9の円筒面上に形成された複数の格子溝10からなり、各格子溝10が円弧形状を有すると共に各円弧の中心が円筒の周面上に周方向に一列に位置している回折格子5を用いたものである。
【0030】
すなわち、このデマルチプレクサは、光ファイバ2、回折格子光学ブロック9に回折格子5が形成された波長分離デバイス1、受光導波路アレイ7及び光検出器アレイ8で構成されたものである。
【0031】
波長多重信号光3が光ファイバ2から波長分離デバイス1の光入射部4に入射すると、波長多重信号光3は、回折格子5によって波長ごとに異なった回折角度をもって回折され、回折された光ビーム6はそれぞれ異なった位置(受光導波路アレイ7のいずれかの受光導波路)に集光される。集光された光ビーム6は、受光導波路アレイ7を介して、波長多重光信号3の各信号光の数に対応した数の受光部を有する光検出器アレイ8に入射し、検出され、電気信号として出力される。
【0032】
このデマルチプレクサは、光ファイバ2として、例えばコア径が約62.5μm、開口数が約0.275のGI(グレーテッドインデックス)型マルチモード光ファイバが用いられている。光ファイバ2の一端(図では左端)は、回折格子光学ブロック9に接着固定されている(光入射部4)。但し、光ファイバ2を回折格子光学ブロック9に固定せずに波長分離デバイス1に着脱自在に挿入される光信号伝送用の光ファイバ(図示せず。)を用いてもよい。この着脱自在な光信号伝送用の光ファイバを用いる場合には、挿入ガイド(図示せず。)等を用いることにより、光コネクタ(図示せず。)に固定された光ファイバが引き抜かれても所定の位置に突き合わされるようにする必要がある。
【0033】
図1に示した光ファイバ2の一端を回折格子光学ブロック9に固定することにより、光学特性の長期安定性を得ることができる。また、光ファイバ2の一端を波長分離デバイス1に固定した場合には、図示しない伝送用光ファイバを光ファイバ2の他端に突き合わせて波長分離デバイス1に波長多重信号光を入射すればよい。この場合、伝送用光ファイバの開口数及び径は、光ファイバ2の開口数及び径と等しいか小さければよい。
【0034】
従って光ファイバ2と同じGI(グレーテッドインデックス)型マルチモード光ファイバを光ファイバ2の他端に接続してもよく、ファイバ径・開口数の小さなシングルモード光ファイバを光ファイバ2の他端に接続してもよい。
【0035】
受光導波路アレイ7は、光ビーム6の進行方向について入射側から出射側にむかって断面積が減少するテーパ形状とし、入射した光ビーム6を光検出器アレイ8に絞り込む導波路構造としている。入射光ビーム3を光検出器アレイ8まで効率よく伝搬させるためには、受光導波路アレイ7の開口数NAは大きい方が望ましく、特に開口数NAが0.5以上になるように受光導波路アレイ7のコア及びクラッドの屈折率を選択することが望ましい。さらに、クラッドの外側に金属膜を形成することで、仮に光ビーム6の角度がコアとクラッドとの界面の臨界角を超えて光ビーム6がクラッドを透過しても、金属膜で反射して光検出器アレイ8の各光検出器に至るため、検出効率を向上させることができる。
【0036】
本実施の形態では、波長分離デバイス1の入射側の入射光径を直径約250μmとし、出射側、すなわち光検出器アレイ8側の出射光径を直径約80μmとした。このように、受光導波路アレイ7を用いて波長分離した光ビーム6を光検出器アレイ8に絞り込むことにより、応答速度が速く、受光面積が小さな光検出器を用いることができ、高速な光通信に適用することができる。
【0037】
本実施の形態のように、波長多重信号光3を回折格子光学ブロック9のような光学ブロックの中を伝搬させて回折格子5に照射する場合には、空気中に比べて回折格子光学ブロック9の屈折率が大きいため、光ファイバ2からの波長多重信号光3のビーム拡がり角は空気中での拡がり角よりも小さくなる。つまり、プラスチックやガラスの屈折率は1.5前後のものが多く、屈折率1.5の媒体を用いた場合には、ビーム拡がり角が空気中に比べて67%小さくなるためである。
【0038】
従って、回折格子光学ブロック9を通して回折格子5に波長多重信号光3を照射することは、回折格子5に入射するビーム拡がり角を低減する効果があり、デマルチプレクサを小型化することができるという効果が得られる。但し、光ファイバ2からの波長多重信号光3の拡がり角が小さい場合には、回折格子光学ブロック9を用いずに直接回折格子5に照射するようにしてもよい。
【0039】
光検出器アレイ8には、受光部の直径約80μmの光検出器を4個約250μmピッチで配置したものを用いた。受光導波路アレイ7に入射した光ビーム6が光検出器アレイ8の各受光部に効率よく結合するように受光導波路アレイ7の位置を調整し、受光導波路アレイ7を回折格子光学ブロック9に接着固定した。
【0040】
尚、受光導波路アレイ7の代わりにレンズを用いても回折格子光学ブロック9からの光ビーム6を光検出器アレイ8に集光することができるため、受光導波路アレイ7に代えてレンズを用いてもよい。但し、受光導波路アレイ7を用いることにより、光検出器アレイ8を回折格子光学ブロック9と一体化することができるため、位置調整が容易となり、特性の長期安定性が期待できる。
【0041】
このデマルチプレクサに用いられる回折格子光学ブロック9は、透明ポリマ材料を用いて射出成型により作製し、射出成型の際に回折格子5を一体的に形成したものである。回折格子5の格子面に金、銀、アルミ等の金属膜を蒸着して反射面とした。本実施の形態では金属膜を用いたが、金属膜の代わりに誘電体多層膜を用いてもよく、回折格子5と金属膜との間に誘電体膜を形成して反射率を向上させてもよい。
【0042】
本実施の形態では、回折格子光学ブロック9の成型用ポリマ材料としてポリメチルメタクリレート(PMMA、屈折率1.49)を用いた。その他、受光導波路アレイ7のコア材としては、ポリカーボネート(PC、屈折率1.59)や、赤外波長においてより損失の少ないトリフルオロエチルメタクリレート樹脂(屈折率1.40)等のフッ素化アクリル樹脂、6フッ化プロピレン/4フッ化エチレン/2フッ化ビニリデン共重合体(屈折率1.36)、フッ素化ポリイミド(屈折率1.55)等のフッ素系のプラスチック、重水素化したプラスチック材料等を用いることができる。これらフッ素系の材料を用いた場合には、波長1300nm帯において0.1〜0.2dB/cm以下の伝送損失を実現でき、デマルチプレクサ1において20mmの伝送距離をとっても、0.2〜0.4dBの損失に抑えることができる。
【0043】
図2は図1に示した波長合分波器に用いられる回折格子の回折格子面の成型に用いた金型を示す外観斜視図である。図3(a)は図2に示した金型の正面図であり、図3(b)は図3(a)の側面図である。
【0044】
デマルチプレクサ(図1参照)に用いられている回折格子5(図1参照)の格子溝10(図1参照)の断面形状は、三角形のいわゆるエシェレット型であり、ブレーズ角は回折効率を大きくできるように入射光ビームの入射角に合わせて変化させている。このため、図2、3(a)、(b)に示す金型11の格子溝12もエシェレット型形状を有しており、波長多重信号光の光ビーム3を金型11の格子溝12に照射すると、図2に示すように分離されて波長ごとに光ビーム6として反射される。
【0045】
本実施の形態においては、波長多重信号光の波長中心においてTE偏光(電場方向が格子溝と平行な偏光)と、TM偏光(電場方向が格子溝に垂直な偏光)との回折効率が略等しくなるようにブレーズ角度を定めた。このブレーズ角度は、回折効率をシミュレーションすることにより定めることができる。このようにTE偏光とTM偏光との回折効率を略等しくすることにより、入射光ビームの偏光状態が変化しても検出光量の変動を小さくすることができる。光ファイバから無偏光あるいは円偏光が入射する場合には、TE偏光とTM偏光との平均回折効率が最大となるようにブレーズ角を定めればよい。
【0046】
次に図2及び図3(a)、(b)を参照して回折格子の円弧形状について説明する。
【0047】
回折格子5(図1参照)は、回折格子面内において円弧状に湾曲した格子溝10を有することに特徴がある。各格子溝10は各円弧の中心が回折格子5の円筒の周面上に周方向に一列に位置している。
【0048】
このような回折格子5を作製するための図3(a)、(b)に示す金型11は、格子溝10(図1参照)を形成するための円弧状の格子溝12の円弧の曲率半径Rと、回折格子円筒面の曲率半径rとが略等しくなっている(R=r)。
【0049】
ここで、回折格子5の中心での格子定数をdとし、回折次数をmとし、波長多重信号光の中心波長をλとし、数1式を満足するように回折格子5を形成した。また、円弧の中心は波長多重信号光3の入射位置の近傍に位置するようにした。このように円弧の曲率半径Rと、格子定数dとを定めることにより、回折格子5の格子溝10の曲率半径Rの大きさによって生じる位相差は、曲率半径Rの球面上に形成した、いわゆる等間隔凹面回折格子と同等の集光特性を持たせることができることを見出した。但し、格子定数dは、等間隔凹面回折格子と同様に、円筒面の中心での平面に格子溝を投影した場合に等間隔になるようにした。
【0050】
従って、このような金型11を用いて作製したデマルチプレクサ(図1参照)において、回折格子5に接する直径Rのいわゆるローランド円上に波長多重信号光3の入射点を設定すると、回折した光ビーム6はローランド円上に集光されることになり、このローランド円上に受光導波路アレイ7の入射光ビーム6が位置するように配置すればよい。
【0051】
このような金型11を用いて作製されたデマルチプレクサにより、分光された波長多重信号光3の集光点がローランド円上に並ぶため、出射方向に対して垂直に近く並ぶようにすることができる。また、円弧の曲率半径Rと円筒面の曲率半径rとは厳密に等しくする必要はなく、所望の集光特性が得られる範囲とすればよい。また、波長多重信号光3の波長範囲の中で、格子定数dが数1式を満足すればよい。
【0052】
本実施の形態においては、波長多重信号光3の中心波長1275.7nm、1300.2nm及び1349.2nmの4波長を分離する構成とした。これらの光信号の中心波長に対して、光源の製造・温度・スペクトル分布による波長ばらつきにより、最大±5.7nm変動するものとした。
【0053】
従って隣接するチャネル間の波長間隔は約13.1nmであり、おおよそ伝送波長中心1312.5nmの1%に設定した。これらの波長は伝送用光ファイバに用いられる石英コアの損失の少ない帯域にあり、低損失に光伝送できる範囲のものである。波長ばらつきは、光源の作製・特性により決まるものであり、特に厳しい光源の選別を必要としない範囲として必要なものである。また、波長分離デバイスの波長分離特性から隣接する波長帯の間隔を中心波長1312.5nmの1%とすることにより、中心波長の間隔は、上記のように24.5nmにする必要があるものである。
【0054】
本実施の形態においては、金型11の曲率半径rを18mmとした。また、波長λを1312.5nm(1.3125μm)とし、回折次数mを3としたため、格子定数dを3.94μmとした。
【0055】
本実施の形態では、3次の回折光を用いたが、高次の回折光を用いることにより、格子定数dが大きくなり、格子溝10の本数が少なくなるので、金型の加工が容易になると共に、回折効率の偏光依存性を小さくすることができる。
【0056】
しかし、回折次数mが大きくなると、回折効率の波長依存性が大きくなると共に、ピークの回折効率も低下するので、用いる回折次数mは2〜4が望ましい。
【0057】
次に波長多重信号光をクロストークなく分離するための条件について示す。
【0058】
図1に示す回折格子5で回折された光ビーム6が受光位置で十分に集光されないと、隣接するチャネルに光が漏れ込み、クロストークが生じる。受光側の集光点における光ビーム6の拡がりを決めるパラメータとして、光ファイバ2のコア径、光学系倍率がある。また、回折格子5の分解能、光学系の収差・回折等により、さらにビーム径が広がる。さらに、図示しない送信側の光源発振波長のばらつきによって光ビーム6の集光位置そのものが変動することもクロストークの原因となる。上記要因のうち、回折格子5の分解能による光ビーム6の拡がりは、光ビーム6が照射される範囲に含まれる回折格子5の格子溝10の本数の逆数に比例する。
【0059】
本実施の形態のように、隣接する波長チャネルの間隔が中心波長の1%である場合には、回折格子5の格子溝10の本数を100本以上とすることが望ましく、回折格子5の格子溝10の本数を500本以上とすることにより、回折格子5の分解能による拡がりは送信側の光源発振波長のばらつきに比べて十分に小さくなる。
【0060】
本実施の形態では、格子定数dを5μm以下とすれば、回折格子5の分解能による拡がりは無視できる。従って、クロストークを抑えるには、光ファイバ2のコア直径D、光学系倍率Bに対して、受光部において隣接する波長帯で集光ビーム6が重なり合わない条件を満たす必要があり、その条件は数2式で表される。
【0061】
【数2】
DB/p+dλ/(δλ)<1
但し、pは光検出器アレイ8のピッチ、δλは波長間隔、dλは光源波長の許容ばらつきをそれぞれ示す。特に本実施の形態においては、数3式を満たす必要がある。
【0062】
【数3】
DB/p<0.535
また、光検出器アレイ8の各光検出器のピッチpは数4式を満たす必要がある。
【0063】
【数4】
p=mLdλ/(dcosθ)
但し、mは回折次数、dは格子ピッチ、θは回折角度、Lは回折格子5から集光位置(光検出器アレイ8の各受光面)までの距離をそれぞれ示す。倍率「1」において、シングルモード光ファイバ2からの波長多重信号光3が照射される回折格子5の格子溝10の本数を100本以上とするには、距離Lを1.8mm以上、格子溝10の本数を500本以上とするには距離Lを8.9mm以上とする必要がある。
【0064】
また、数4式より回折角度θを大きくすることにより、所望の出射口ピッチpを得る回折格子5から集光位置までの距離Lを短縮することができる。
【0065】
図4は本発明の回折格子を作製するための金型を加工する加工機の模式図である。
【0066】
この加工機20は、矢印21a方向に回転する水平な回転中心軸21を有する主軸台22と、主軸台22のワーク側面22aに径方向(図では上下方向)に移動自在に設けられ、金型となる少なくとも一対のワーク23a、23bを保持する少なくとも一対の移動ステージ24a、24bと、主軸台22の中心に各移動ステージ24a、24b側に対して約45度傾斜して配置された少なくとも一対のワーク側ミラー25a、25bと、主軸台22の回転中心軸21のワーク側の延長線上に約45度傾斜して配置されたレーザビーム側ミラー26と、ワーク側ミラー25a、25b及びレーザビーム側ミラー26で少なくとも一対のレーザビーム27a、27bを反射させて各移動ステージ24a、24bの主軸台22に対する径方向(矢印28a、28b方向)の移動量を検出する図示しない干渉計と、干渉計からの信号により各移動ステージ24a、24bを所定の量だけ移動させる移動ステージ移動手段(図示せず)と、各移動ステージ24a、24bに保持されたワーク23a、23bのうち、格子溝形成位置が設定されたワーク23a(23b)に格子溝を形成するためのバイト29と、バイト29を保持すると共に主軸台22の回転中心軸21に平行な方向(矢印30方向)に所定量だけ移動自在に保持する刃物台31とで構成されている。
【0067】
加工機20は、干渉計で検出された移動量を用いてフィードバック制御することで、ワーク23a(23b)に所望の格子溝形状が得られるように移動ステージ24a、24bの移動量を調整する。バイト29から回転中心軸21に降ろした垂線の長さが変わらないようにすることで、ワーク23a(23b)に曲率半径の等しい円弧状の格子溝を形成することができる。また、本加工機20を用いることにより曲率半径の小さな円筒面状の回折格子を加工することができ、凹面回折格子では加工の難しい小型の回折格子を得ることができる。さらに、移動ステージ24a、24bと刃物台31との微動により、所望の格子溝形状を形成することができるので、回折格子の位置を合わせて最適なブレーズ角を有する回折格子を形成することができ、回折効率を大幅に向上させることができる。またさらに、本加工機20を用いることにより、回折格子の格子定数も自由な値に加工することができるため、不等間隔の回折格子も作製することができる。つまり、等間隔の回折格子で生じる非点収差を補正するように、不等間隔回折格子を加工することができる。
【0068】
本実施の形態では、移動ステージ24a、24b及びワーク23a、23bが2つの場合を示したが、主軸台22の回転による偏心や振動が生じないようにワーク23a、23bを配置すれば、加工数を増加させることができる。本加工機20を用いることにより、同時に複数のワーク23a、23bを作製することができるので、光学ブロックを用いずに加工した回折格子をそのまま用いてデマルチプレクサを作製してもよい。
【0069】
円筒面上に円弧状の格子パターンを加工する加工機は、本実施の形態に限定されるものではなく、例えば円筒面上に感光体を塗布し、入射位置と出射位置となる位置からレーザビームを照射して感光体に干渉縞が生じるように露光し、ホログラムを形成することにより回折格子を作製してもよい。ホログラム回折格子を用いることにより、収差が少なく、出射位置に十分に絞って集光することができる。また、図示しない3次元加工機を用いても本実施の形態のような円筒面状の回折格子を加工することができる。
【0070】
図5は本発明の波長合分波器の他の実施の形態を示す外観斜視図であり、図6は図5に示した波長合分波器に用いられる回折格子を作製するための金型の正面図である。尚、図1に示した実施の形態と同様の部材には共通の符号を用いた。
【0071】
図1に示した実施の形態との相違点は、波長分離デバイス42が回折格子光学ブロック9aと、1つの軸方向に集光特性を有する光学部材としてのグレーティングレンズ43とで構成されており、コーン型受光部45を用いた点である。
【0072】
図5に示す円筒面状の回折格子5aは、図6に示す円筒面状の回折格子金型41を精密NC旋盤(図示せず)を用いて加工したものである。回折格子5aを形成するための格子溝40は、精密NC旋盤の回転軸を中心とする円弧形状となり、格子溝40ごとに曲率半径Rが異なっている。
【0073】
図6に示す金型41の格子溝40の中心の円弧の曲率半径Rを円筒面の曲率半径r(図3(a)参照)に等しくなるように回転中心を定めた。格子定数dも回折格子5aの中心において数1式を満たすように定めた。
【0074】
図5に示す波長合分波器としてのデマルチプレクサにおいては、回折格子5aの格子溝10aの円弧の曲率半径がその位置によって変化するため、この曲率半径の変化をグレーティングレンズ43を用いて補正した。光ファイバ2からの波長多重信号光3は、入出射光学ブロック44に入射し、グレーティングレンズ43を通って回折格子光学ブロック9aに入射する。回折格子光学ブロック9aに入射した入射光は、回折格子5aによって波長ごとに異なった回折角度をもって回折される。回折された光ビーム6は、非対称シリンドリカルレンズとして作用するグレーティングレンズ43で回折格子による収差が補正され、入出射光学ブロック44に入射し、波長ごとにコーン型受光部45の異なった位置に集光される。分離・集光された光ビーム6は、コーン型受光部45を介して波長ごとに受光部を有する光検出器アレイ8に入射し、検出される。
【0075】
回折格子光学ブロック9a及び入出射光学ブロック44からなる波長分離デバイス42は、透明ポリマ材料を用いて射出成型により作製した。射出成型の際に、回折格子5aは回折格子光学ブロック9aに、グレーティングレンズ43は入出射光学ブロック44に一体的に形成した。回折格子5aの表面に金、銀等の金属膜を蒸着し、反射面とした。グレーティングレンズ43は、回折格子5aで生じる収差を補正するためのものであり、レンズのパワー(倍率)は小さくてよい。グレーティングレンズ43は回折格子5aの格子溝10aの補正量が位置によって異なるため、補正量に合わせてレンズの焦点距離を変化させた非対称なグレーティングレンズとした。グレーティングレンズ43はグレーティングのピッチを狭めていくことにより、非対称化することができる。グレーティングレンズ43は焦点距離が長く、グレーティングのピッチが広いので作製しやすい。
【0076】
このデマルチプレクサにおいては、回折格子光学ブロック9aが空気層を介して入出射光学ブロック44に固定されている。回折格子光学ブロック9aを入出射光学ブロック44に固定する際に、光検出器アレイ8に入射する光量が大きくなるように、回折格子光学ブロック9aと入出射光学ブロック44との相対位置を調整した。グレーティングレンズ43の焦点距離は長いので、回折格子光学ブロック9aと入出射光学ブロック44とを屈折率の異なる材料を用いて作製し、回折格子光学ブロック9aと略等しい屈折率を有する接着剤を用いて接合してもよい。
【0077】
また、本デマルチプレクサは、対称なグレーティングレンズを光ビーム6に対して傾斜して配置することで、非対称性を生じさせてもよい。
【0078】
本実施の形態においては、グレーティングレンズ43を非対称シリンドリカルレンズとして用いたが、曲率半径の違いによる集光点の拡がりが問題とならない場合は、グレーティングレンズ43を用いる必要はない。
【0079】
本デマルチプレクサは、グレーティングレンズ43を用いるため、光ファイバ2、光検出器アレイ8を固定したコーン型受光部45を入出射光学ブロック44に固定することができ、さらに、入出射光学ブロック44と回折格子光学ブロック9aとを一体化することにより、波長分離デバイス42を一体構造とすることができ、調整が容易となると共に、長期安定性が向上する。
【0080】
図7は本発明の波長合分波器の他の実施の形態を示す平面図である。
【0081】
この波長合分波器としてのデマルチプレクサは、図5に示したデマルチプレクサと同様の回折格子5aを用いており、図5に示したグレーティングレンズ43の代わりに、焦点位置が入射光の光軸と交差する方向に入射光の波長に応じて変化する光学部材としての非対称シリンドリカルミラー50を用いていることを特徴とする。
【0082】
このデマルチプレクサは、回折格子5aの格子溝の曲率半径の変化を補正するために非対称シリンドリカルミラー50を用いたものである。光ファイバ2からの波長多重信号光3は、入出射光学ブロック51に入射し、非対称シリンドリカルミラー50で反射し、回折格子光学ブロック52に入射する。回折格子光学ブロック52に入射した波長多重信号光3は、回折格子5aによって波長ごとに異なった回折角度をもって回折される。回折された光ビーム6は、入出射光学ブロック51に入射し、非対称シリンドリカルミラー50で反射して、回折格子5aによる収差が補正され、波長ごとに異なった位置に集光される。分離・集光された光ビーム6は、受光導波路アレイ7aを介して、波長ごとに受光部を有する光検出器アレイ8に入射し、検出される。
【0083】
回折格子5aが形成された回折格子光学ブロック52からなる波長分離デバイス53及び入出射光学ブロック51は、透明ポリマ材料を用いて射出成型により作製した。成型の際に、回折格子5aは回折格子光学ブロック52に、非対称シリンドリカルミラー50は入出射光学ブロック51にそれぞれ一体的に形成した。非対称シリンドリカルミラー50には、多層膜ミラーまたは金属膜を蒸着し反射ミラーとした。回折格子5aからの回折光の収差補正量が集光位置によって異なるため、補正量に合わせて曲率が非対称になるように形成した。
【0084】
本実施の形態のように、非対称シリンドリカルミラー50を用いて収差を補正することにより、光路中に屈折率の異なる界面が存在せず、界面での反射損失が発生しないようにすることができるため、光損失を低減することができる。
【0085】
入出射光学ブロック51は、シリンドリカルミラー50の代わりに、シリンドリカルレンズを用いてもよい。シリンドリカルレンズを用いても、レンズの曲率半径が大きいため作製が容易である。この場合には、界面に反射防止膜を設けることにより、反射損失を低減することができる。
【0086】
図8は本発明の波長合分波器の他の実施の形態を示す外観斜視図であり、図9は図8に示した波長合分波器に用いられる回折格子を作製するための金型の正面図である。
【0087】
図8に示した波長合分波器としてのデマルチプレクサは、格子間隔を連続的に変化させてチャープ化した平面回折格子(チャープ型回折格子)60の集光作用を利用したものである。
【0088】
このデマルチプレクサは、平面回折格子60を多数に分割し、各分割領域内で格子溝を平行な直線状の溝とし、分割領域ごとに格子溝の傾きを変化させることで近似的に円弧状に湾曲させた回折格子を有する。すなわち、回折格子光学ブロック61に多数の平面回折格子の格子溝64a〜64fが形成された波長分離デバイス62に光ファイバ2及び受光導波路アレイ7を接続し、受光導波路アレイ7に光検出器アレイ8を接続したものである。
【0089】
図8に示す波長分離デバイス62は、図9に示した金型63を用いて作製したものである。この金型63は、多数の平行な直線で格子溝64a〜64fを形成した分割回折格子金型65a〜65fを組み合わせて、所望の円弧形状を近似した格子溝としたものである。直線状の格子溝64a〜64fを有するチャープ型回折格子60は、いわゆるルーリングエンジンを用いて作製することができるため、ピッチの精度のよい格子を形成することができる。傾斜している部分の金型は、金型用部材を所望の角度に傾斜させて格子溝を形成してもよく、また、大きめの金型部材に格子溝を形成した後、所望の角度となるように切り出してもよい。
【0090】
本実施の形態においては、分割回折格子金型63の格子溝64a〜64fを厳密に一致させて接続する必要はなく、必要な集光特性が得られる範囲で位置ずれがあってもよい。本実施の形態においては、回折格子を平面上に形成することができ、金型を用いた成型が容易である。
【0091】
連続して円弧状の回折格子が得られる場合には、本実施の形態のように回折格子を分割する必要はなく、連続した回折溝とすればよい。例えば、格子の断面形状に合わせてドーズ量を制御した電子ビームでレジストを露光し、露光量の違いによるエッチング量の違いを利用して三角形の断面形状を有する回折格子を形成してもよい。この場合は、回折格子溝が円弧状になるように露光位置を制御すればよい。あるいは、3次元加工機を用いても円弧状で三角形断面形状の回折格子を加工することができる。
【0092】
図10は本発明の波長合分波器の他の実施の形態を示す平面図である。
【0093】
本波長合分波器としてのデマルチプレクサは、平行な直線状格子溝を有しチャープ化した平面回折格子70を用いたものである。この平面回折格子70は、格子溝に平行な方向には集光特性がないため、シリンドリカルレンズ71a、71bを用いて集光するようになっている。
【0094】
光ファイバ2から広がって出射される波長多重信号光3は、入出射光学ブロック72に入射し、入出射光学ブロック72に一体的に形成されたシリンドリカルレンズ71aから平面回折格子70の格子溝方向について略平行化されて出射され、平面回折格子70に入射する。
【0095】
入出射光学ブロック72は、入射側の矩形断面形状の光学ブロックと出射側の三角断面形状の光学ブロックとが所定の角度θだけ傾斜した状態で一体化されたものである。角度θは平面回折格子70と入出射光学ブロック72との間の距離と、光ファイバ2の光軸と平面回折格子70との間の角度と、光検出器アレイ74の位置とで決定される。入出射光学ブロック72の出射側が三角断面形状となっているのは、平面回折格子70からの光ビーム6が受光導波路アレイ73に入射する際に余分な光が入るのを除去するためである。
【0096】
平面回折格子70に照射された波長多重信号光3は、波長ごとに異なった回折角度をもって回折される。平面回折格子70で回折された光ビーム6は、平面回折格子70の格子溝に垂直な面内において平面回折格子70のチャーピングにより集光される。平面回折格子70の格子溝の方向については、シリンドリカルレンズ71bで集光されて再び入出射光学ブロック72に入射し、波長ごとに異なった位置に集光されるように設定されている。分離・集光された光信号6は、受光導波路アレイ73を介して、波長ごとに受光部を有する光検出器アレイ74に入射し、光検出器アレイ8で検出される。
【0097】
本実施の形態においては、入出射光学ブロック72にシリンドリカルレンズ71a、71bを一体的に形成し、入射用の光ファイバ2及び受光導波路アレイ73を入出射光学ブロック72に固定することで、平面回折格子70以外の光学部材を一体化することができる。
【0098】
従って、この入出射光学系を予め組み立てておき、所望の分波特性が得られるように入出射光学系と平面回折格子70との相対位置を調整することができるため、組立・調整が容易となる。シリンドリカルレンズ71a、71bは、1つの軸方向に集光特性を有する光学部材であればよく、シリンドリカルミラー等を用いてもよい。
【0099】
図11は本発明の回折格子の格子位置、格子定数及びブレーズ角間の関係を示す図であり、左縦軸が格子周期を示し、右縦軸がブレーズ角を示し、横軸が格子位置を示している。
【0100】
ルーリングエンジンを用いて光学ブロックを平面回折格子に加工することにより、回折格子を複数の領域に分割することができ、分割された領域内では一定のブレーズ角で加工し、領域ごとにブレーズ角を変化させることによって回折効率の向上を図ることができる。
【0101】
図11において、正反射条件として示したのは、回折格子への入射光線がブレーズ面で正反射する方向と回折方向とが一致するブレーズ角であり、一般には両者が一致するブレーズ角度にすると、回折効率が高いとされるブレーズ角度である。
【0102】
波長多重信号光のTE偏光とTM偏光との回折効率の差を抑えて、全体の回折効率を大きくするために、分割された回折格子の各領域の中心での正反射条件から決まるブレーズ角より2〜10°大きなブレーズ角とした。この差は、格子定数が小さい程大きくすることが望ましい。さらに回折格子の格子定数dが小さくなると、回折格子に入射する波長多重信号光のTE偏光とTM偏光との回折効率の差が大きくなるため、領域ごとにこの差が小さく、かつ、回折効率が高くなるように利用する回折次数を選択した。
【0103】
格子定数の大きな領域では−1次の回折光を用い、格子定数dの小さな領域では−2次の回折光を用いるように途中から不連続に格子定数dを2倍とした。このように格子定数dが小さい場合には、高次の回折光を用いることが望ましく、おおよそ入射波長程度以下の格子定数dで高次の回折光を用いることが望ましい。隣接する領域で回折次数mが等しい場合には、領域を跨っても連続的に格子定数dがチャーピングするように加工することにより、所望の位置に回折した光ビームが集光するようにした。この回折次数mの切換は、ブレーズ角の切換位置で行うことにより、回折格子の分割数を増加することなく、格子定数dを切り換えることができる。
【0104】
図11を作成するために用いた回折格子は、領域の分割数を6としたが、分割数は多くするほど、理想的なブレーズ角度分布とすることができる。
【0105】
図12は本発明の回折格子の分割数と損失との関係を示す図であり、横軸が分割数を示し、縦軸が損失を示している。
【0106】
同図より、回折格子の分割数を4以上とすると損失が低下し、分割数が6以上では略損失は一定となっていることが分かる。このように分割数を大きくしても、ある一定の分割数を超えると損失の低下は顕著ではなくなる。しかも、分割数をあまり多くすると、ブレーズ角を変更する回数も増加し、加工精度が低下して損失が低下するおそれがある。
【0107】
従って、分割数は4〜9が望ましく、特に6〜9が望ましい。領域の相対的な位置ずれ誤差は、集光位置でのスポット径の増加となる。スポット径は、おおよそ、位置ずれの2倍だけ増加するため、各位置ずれ誤差を20μm以下とし、全体で50μm以下とすれば他の要因によるスポット径増加と同程度以下となり、望ましい。
【0108】
回折格子溝を平面上に加工する場合には、回折格子溝の加工において領域の接続部での平面方向及び垂直方向の位置ずれが生じにくく、精度よく加工することができる。
【0109】
図13は本発明の回折格子の平均損失の波長依存性を示す図であり、横軸が波長を示し、縦軸が平均損失を示す。
【0110】
同図より、平均損失の偏光依存性が小さく、波長依存性も小さいことが分かる。平均損失は1.5dB以下であり、70%以上の回折効率が得られる。本実施の形態では、ブレーズ角、回折次数を変化させることにより、チャープによる焦点距離を短くしても回折格子の損失を低減し、偏光依存性も小さくすることができる。
【0111】
図13を作成するために用いた回折格子においては、空気を介して平面回折格子に光が入射するようにしたが、樹脂等の光学媒体から回折格子に光が入射するようにしてもよい。この場合は、光学媒体の屈折率に合わせて、格子定数を変更すればよく、またブレーズ角も回折効率が高くなるように調整することが望ましい。
【0112】
このように、回折格子を領域分割し、領域ごとにブレーズ角と格子定数とを変化させて回折効率を大きくさせることは、図8、図9に示した回折格子にも適用することができるものである。
【0113】
ここまで、本発明の波長合分波器としてのデマルチプレクサの波長分離について説明したが、本発明の波長合分波器は光検出器を配置した側に光源アレイを設けることにより光を合波するマルチプレクサとしても用いることができる。
【0114】
図14は本発明の波長合分波器の受光導波路アレイの一実施の形態を示す断面図である。
【0115】
本実施の形態ではテーパ導波路80のアレイを結合部で結合した形状とした。テーパ導波路80及びテーパ導波路80の結合部81は、樹脂の射出成型により一体的に形成した。テーパ導波路80は、樹脂と空気との界面での全反射を用いて光を光検出器アレイ82に結合するものとした。テーパ導波路80の入射側(図では上側)に入射した光ビームは、樹脂と空気との界面(周面)で反射を繰り返し、光ビーム径が小さくなって出射側(この場合下側)の光検出器アレイ82で検出される。テーパ導波路80の入射側のコーン径は、波長変動による集光位置の変動及び集光ビームの拡がりによって決まる範囲よりも大きく定める。また、テーパ導波路80の出射側のコーン径は光検出器アレイ82の受光部の径内に収まる大きさとする。本実施の形態では、高速な光信号を受光するように受光径を80μmとし、入射側は波長分離ピッチに合わせて250μmとしたが限定されるものではない。
【0116】
図15は図14に示したテーパ導波路の長さと光損失との関係を示す図であり、縦軸が損失を示し、横軸が導波路長さを示す。
【0117】
入射ビームの位置が入射部の中央と周辺とを示す。損失は入射ビームの位置によっても変化するが、テーパ長を0.5mm以上とすれば、損失は略一定となり、望ましい。
【0118】
図14に示すテーパ導波路80はテーパ導波路80の材料よりも屈折率の低い材料を用いてクラッドを形成してもよい。このテーパ導波路80のコアとクラッドとの屈折率差、つまり導波路の開口数は0.5以上が望ましい。さらに、クラッドの外側に金属膜を形成することで、仮に光ビームの角度がコアとクラッドとの界面の臨界角を超えてクラッドを透過しても金属膜で反射して光検出器に至るため、検出効率を向上させることができる。
【0119】
図16は本発明の波長合分波器の受光導波路アレイの他の実施の形態を示す断面図である。
【0120】
本実施の形態は、平板状の保持部材90にコーン型受光部91を形成したものである。コーン型受光部91を有する保持部材90は、樹脂の射出成型により形成したものである。コーン型受光部91内には金属膜92を蒸着し反射面とした。93は光検出器アレイであり、94は光検出器アレイ93の受光部である。保持部材90、コーン型受光部91及び金属膜92で受光導波路アレイ95が形成されている。
【0121】
図17は図16に示した受光導波路アレイにおけるコーン型受光部の長さと光損失との関係を示し、縦軸は損失を示し、横軸はコーン長を示す。
【0122】
入射ビームの位置が入射部の中央と周辺とを示す。損失は入射ビームの位置によっても変化するが、おおよそ0.7〜0.8mmで損失は最小となる。コーン長0.5〜1.7mmとすれば損失は0.4dB以下となり、望ましい。
【0123】
図18は本発明の波長多重信号光伝送モジュールの一実施の形態を示す構成図である。
【0124】
同図に示す波長多重信号光伝送モジュール100は、受信部101、送信部102及び光コネクタ103が1枚の基板104上に設けられたものである。
【0125】
受信部101は、外部からの波長多重信号光を分離する波長合分波器としてのデマルチプレクサ105と、デマルチプレクサ105で分離された光ビームを受光して電気信号に変換する光検出器アレイ106と、光検出器アレイ106からの電気信号を増幅、波形整形する受信回路107と、受信回路107からのパラレル信号をシリアル信号に変換するパラレル−シリアル変換回路108とで構成されたものである。
【0126】
送信部102は、外部からのシリアル信号をパラレル信号に変換するシリアル−パラレル変換回路109と、シリアル−パラレル変換回路109からのパラレル信号よりレーザダイオードアレイ110を駆動する信号を発生する送信回路111と、送信回路111からの駆動信号により異なる波長で駆動するレーザダイオードアレイ110と、レーザダイオードアレイ110からの波長の異なる光ビームを合波して波長多重信号光とするマルチプレクサ112とで構成されたものである。
【0127】
受信部101の波長分離デバイス105と光コネクタ103との間はマルチモード光ファイバ113で接続され、送信部102のマルチプレクサ112と光コネクタ103との間はシングルモード光ファイバ114で接続されている。
【0128】
115a、115bは伝送用光ファイバである。
【0129】
次に本波長多重信号光伝送モジュール100の動作について説明する。
【0130】
受信用の伝送用光ファイバ115aを伝搬してきた波長多重信号光は、伝送用光ファイバ115aに突き合わされたマルチモード光ファイバ113に入射し、本発明の波長合分波器としてのデマルチプレクサ105で波長ごとに分離されて光検出器アレイ106で検出される。検出された信号は、受信回路107で増幅、波形整形される。さらに、パラレル−シリアル変換回路108でパラレル信号をシリアル信号に変換して出力する。
【0131】
本波長多重信号光伝送モジュール100が送信する場合には、入力されたシリアル信号をシリアル−パラレル変換回路109でパラレル信号に変換し、送信回路111で信号ごとにレーザダイオードアレイ110の各光源を駆動し、波長の異なる光信号とする。各光信号は、シングルモードの光カプラで構成されるマルチプレクサ112で多重化され、波長多重信号光としてシングルモード光ファイバ114に出力する。波長多重信号光はシングルモード光ファイバ114を通して、送信用の伝送用光ファイバ115bに入射される。
【0132】
本波長多重信号光伝送モジュール100は、シングルモード光ファイバ114及びマルチモード光ファイバ113を用いて伝送用光ファイバ115a、115bと結合しているので、伝送用光ファイバ115a、115bにはマルチモード光ファイバ、シングルモード光ファイバのいずれも用いることができる。
【0133】
本実施の形態では、シングルモード光ファイバ114にコア径62.5μmのGI(グレーデッドインデックス)型マルチモード光ファイバを用いているため、伝送用光ファイバ115a、115bとしてシングルモード光ファイバ、コア径50μm及び62.5μmのマルチモード光ファイバ等を用いることができる。
【0134】
本実施の形態においては、1波長で2.5Gbpsの速度で光信号を送信し、4波長で10Gbpsの伝送速度とした。この伝送速度において、多重化された各信号をエラーレート10−12以下で受信するためには、光検出器アレイ106における受光量を−20dBm以上とする必要がある。また、光ファイバからの信号は、光ファイバを伝送する際に減少し、最小の出力は−16.5dBmとなる。
【0135】
従って、波長多重分離光デバイスにおける損失は、3.5dB以下とする必要があり、さらに、光ファイバを伝送することによる波形ひずみが1.5dB程度発生するため、波長多重分離光デバイスにおける損失は、2.0dB以下とすることが望ましい。
【0136】
本発明の波長合分波器としてのデマルチプレクサにおいては、損失が低減でき、優れた波長分離特性を得ることができた。従って、本実施の形態におけるように、2Gbps以上の高速な波長多重信号光を分離・受信することができる。
【0137】
本実施の形態では、送信と受信との両方の機能を有する波長多重信号光伝送モジュールについて示したが、受信部のみを有する波長多重信号光伝送モジュールとしても同様の効果が得られる。
【0138】
以上において、本発明の回折格子により、ブレーズ角と格子定数とを不連続に変化させることで、小型で光損失が少なく光集光特性を有する回折格子及びこの回折格子を用いた小型のデマルチプレクサ、波長多重信号光伝送モジュールを提供することができる。
【0139】
また、本発明の回折格子により、平面又は円筒面上に集光特性を有する回折格子を形成することにより、曲率半径が小さく、かつ、球面上に形成した凹面回折格子と同等の機能を有する小型の凹面回折格子及びこの回折格子を用いた小型のデマルチプレクサや波長多重信号光伝送モジュールを提供することができる。
【0140】
【発明の効果】
以上要するに本発明によれば、光集光特性を有し、光損失が少なく、小型化可能な回折格子、波長合分波器及びこれらを用いた波長多重信号光伝送モジュールの提供を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の回折格子を用いた波長合分波器の一実施の形態を示す外観斜視図である。
【図2】図1に示した波長合分波器に用いられる回折格子の回折格子面の成型に用いた金型を示す外観斜視図である。
【図3】(a)は図2に示した金型の正面図であり、(b)は(a)の側面図である。
【図4】本発明の回折格子を作製するための金型を加工する加工機の模式図である。
【図5】本発明の波長合分波器の他の実施の形態を示す外観斜視図である。
【図6】図5に示した波長合分波器に用いられる回折格子を作製するための金型の正面図である。
【図7】本発明の波長合分波器の他の実施の形態を示す平面図である。
【図8】本発明の波長合分波器の他の実施の形態を示す外観斜視図である。
【図9】図8に示した波長合分波器に用いられる回折格子を作製するための金型の正面図である。
【図10】本発明の波長合分波器の他の実施の形態を示す平面図である。
【図11】本発明の回折格子の格子位置、格子定数及びブレーズ角間の関係を示す図である。
【図12】本発明の回折格子の分割数と損失との関係を示す図である。
【図13】本発明の回折格子の平均損失の波長依存性を示す図である。
【図14】本発明の波長合分波器の受光導波路アレイの一実施の形態を示す断面図である。
【図15】図14に示したテーパ導波路の長さと光損失との関係を示す図である。
【図16】本発明の波長合分波器の受光導波路アレイの他の実施の形態を示す断面図である。
【図17】図16に示した受光導波路アレイにおけるコーン型受光部の長さと光損失との関係を示す図である。
【図18】本発明の波長多重信号光伝送モジュールの一実施の形態を示す構成図である。
【符号の説明】
1 波長分離デバイス
2 光ファイバ
3 波長多重信号光
4 入射部
5 回折格子
6 光ビーム
7 受光導波路アレイ
8 光検出器アレイ
9 回折格子光学ブロック
10 格子溝

Claims (18)

  1. 円筒面上に形成された複数の格子溝からなる回折格子であって、各格子溝が円弧形状を有すると共に各円弧の中心が上記円筒の周面上に周方向に一列に位置していることを特徴とする回折格子。
  2. 上記格子溝の円弧の曲率半径が互いに略等しい請求項1に記載の回折格子。
  3. 上記格子溝の円弧の曲率半径が上記円筒面の曲率半径に略等しい請求項1または2に記載の回折格子。
  4. 複数の格子溝がブレーズ化された回折格子において、各格子溝のブレーズ角が不連続部を有すると共に、格子定数の不連続部を有することを特徴とする回折格子。
  5. 上記格子定数の不連続部が上記ブレーズ角の不連続部と一致している請求項4に記載の回折格子。
  6. 上記格子溝が略平面上に形成され、上記格子定数の不連続部間において格子定数が連続的に変化するチャープ型回折格子である請求項5に記載の回折格子。
  7. 上記ブレーズ角が不連続に変化した領域を4箇所以上有する請求項4から6のいずれかに記載の回折格子。
  8. 上記各格子溝が各格子溝を横切る方向に分割され、各格子溝が略円弧形状に並ぶように各格子溝の方向が分割領域ごとに変化している請求項4から7のいずれかに記載の回折格子。
  9. 波長多重信号光が入射される光入射部と、該光入射部からの波長多重信号光を分離する回折格子と、該回折格子で分離された光ビームを検出する複数の光検出器とを有する波長合分波器において、請求項1から8のいずれかに記載の回折格子を用いたことを特徴とする波長合分波器。
  10. 波長多重信号光が入射される光入射部と、該光入射部からの波長多重信号光を分離する回折格子と、該回折格子で分離された光ビームを検出する複数の光検出器とを有する波長合分波器において、上記回折格子は各格子溝が円弧形状を有すると共に各円弧の中心が上記円筒の周面上に周方向に一列に位置し、各格子溝の円弧の曲率半径が互いに略等しく、かつ、各光検出器で検出される波長多重信号光の各回折格子での回折次数をmとし、格子定数をdとし、各波長多重信号光の中心波長をλとすると数1式
    Figure 2004053992
    を満たすことを特徴とする波長合分波器。
  11. 上記回折格子が光学ブロックに一体的に形成されているか、あるいは固定されており、上記光学ブロックを通して上記回折格子に上記波長多重信号光が入射される請求項9または10に記載の波長合分波器。
  12. 上記光学ブロック及び上記回折格子の少なくとも一部がプラスチックからなる請求項11に記載の波長合分波器。
  13. 上記回折格子から上記光検出器への光路中に、上記回折格子で回折された光ビームを上記光検出器に絞り込むビーム縮小手段を設けた請求項9から12のいずれかに記載の波長合分波器。
  14. 上記ビーム縮小手段は、上記光検出器に向かって断面積が減少するテーパ形状を有するコアからなる請求項13に記載の波長合分波器。
  15. 波長多重信号光が入射される光ファイバから上記回折格子に至る光路中、あるいは上記回折格子から上記光検出器に至る光路中に、1つの軸方向に集光特性を有する光学部材を設けた請求項9から14のいずれかに記載の波長合分波器。
  16. 上記光学部材は、焦点位置が入射光の光軸と交差する方向に入射光の波長に応じて変化する請求項15に記載の波長合分波器。
  17. 波長多重信号光が入射される信号伝送用光ファイバとの接合部と、上記波長多重信号光を分離する波長合分波器と、該波長合分波器で分離された光ビームを検出する光検出器アレイと、該光検出器アレイからの信号を増幅し、波形整形する受信回路とを有する波長多重信号光伝送モジュールにおいて、上記波長合分波器が請求項9から16のいずれかに記載の波長合分波器であり、上記接合部がマルチモールド光ファイバで接続されていることを特徴とする波長多重信号光伝送モジュール。
  18. 波長多重信号光が入射される信号伝送用光ファイバとの接合部と、上記波長多重信号光を分離する波長合分波器と、該波長合分波器で分離された光ビームを検出する光検出器アレイと、該光検出器アレイからの信号を増幅し、波形整形する受信回路と、光源アレイと、該光源アレイを駆動する送信回路と、上記光源アレイからの光信号を合波する他の波長合分波器とを有する波長多重信号光伝送モジュールにおいて、上記波長合分波器が請求項9から16のいずれかに記載の波長合分波器であり、上記接合部と上記波長合分波器との間がマルチモード光ファイバで接続され、上記接合部と上記他の波長合分波器との間がシングルモード光ファイバで接続されていることを特徴とする波長多重信号光伝送モジュール。
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